JP4532269B2 - 帯電ハドロンビームによってターゲットを照射するための装置 - Google Patents

帯電ハドロンビームによってターゲットを照射するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、帯電ハドロンビームによってターゲットを照射するための装置に関するものである。帯電ハドロンビームは、以下においては、『ハドロン』と略記される。
特に、本発明は、ハドロン利用治療法に、人体の腫瘍部分に対して照射を行うための装置に関するものである。
本発明は、アクセス不可能なターゲットやアクセス困難なターゲットに対しての照射が必要とされるような、すべての分野に応用することができる。
例えば、本発明は、密封シールされた容器内に封入された放射性廃棄物に対する照射に際して応用することができる。これにより、放射性廃棄物を変性させることができる。
本発明は、より詳細には、ハドロン利用治療法に関して応用可能である。
本発明による装置は、すべてのハドロン利用治療センター内に設置することができ、ハドロンビームによって腫瘍を照射するために使用されている既存技術を代替することができる。
ハドロン利用治療法とは、放射線療法と同じ原理に基づく治療法である。しかしながら、放射線療法においては、フォトンや電子を使用するのに対して、ハドロン利用治療法においては、ハドロンビームを使用する。
例えばHやHe2+やC4+ といったような軽いイオンが、通常、ハドロンとして使用される。
このようなイオンのビームは、通常はプロトンの場合のサイクロトロンや重いイオンの場合のシンクロトロンといったような、加速器によって形成される。
ハドロン利用治療法という技術は、以下の文献によって公知である。
[1]“The medical accelerator HIMAC and the charged particle therapy in Japan”, A. Kitagawa and F. Soga, Proc. PAC Conf. 2001, June 18-22, 2001, Chicago, IL, USA
[2]“Proposal for a dedicated ion beam facility for cancer therapy”, Eds.
K.D. Gross, M. Pavlovic, GSI, Darmstadt, September 1998
放射線療法と比較してのハドロン利用治療法の利点は、『ブラッグピーク』という物理現象の存在に基づいている。この現象により、ハドロンは、人体の所定深さのところにおいてすべての運動エネルギーを実際に消失し、これにより、『ブラッグピーク』と称される位置において照射ピーク集中が引き起こされる。
ブラッグピークの深さは、入射ビームの運動エネルギーに依存する。したがって、典型的には、1cm〜数十cmという間に調節することができる。この調節は、シンクロトロンを使用して、あるいは、サイクロトロンによってプロトンビームが加速される場合にはモーメント解析システムを使用して、50MeV/u〜450MeV/uという運動エネルギーへとハドロンを加速することによって、行うことができる。
ブラッグピーク現象に関しては、例えば、文献[2]を参照することができる。
軽いイオンの利点は、とりわけ、プロトン(H )と比較してのカーボンイオンの利点は、ブラッグピークを増幅するような生物学的効率がより良好であることに基づいている。
本発明は、シンクロトロンタイプの加速器やサイクロトロンタイプの加速器を使用した2つのハドロンビーム生成において有効である。本発明は、2つのタイプの加速器のいずれかに基づき、ハドロン利用治療法センターにおいて使用されている既存の照射システムを代替することができる。
さて、腫瘍に対するハドロンビームの照射を行うための従来装置の説明に話を戻すこととする。
腫瘍の寸法は、数cmとなり得る。既存の装置においては、腫瘍容積の全体が、互いに異なる2つの手法によって照射されている。
まず最初に使用された手法は、受動的照射であった。この手法は、現在でも使用されている。それは、制御性が良好であるという利点と、周知技術であるという利点と、を有しているからである。
現在開発中の第2の手法は、画素による走査手法である、すなわち、能動的な手法である。この手法であると、腫瘍の外形形状に適合した3次元的照射を行うことができる。この理由のために、この手法は、『3D適合照射技術』と称される。
受動的照射技術は、どちらかといえば、エネルギーが一定の機械であるサイクロトロンの場合に使用される。それでもなお、シンクロトロンの場合にも使用される(文献[1]を参照されたい)。
第2の技術においては、入射ハドロンビームの運動エネルギーの大きな分散を誘起する散乱材料を使用することによりブラッグピークを広げることによって、深さ方向に広がりを有したものとされる。散乱材料は、実験的研究の後に使用された。これにより、非線形粒子論的光学手段によって、ビームが一様化される。
この主題に関するさらなる詳細は、以下の文献に与えられている。
[3]“Generation of rectangular beam distributions”, B. Blind, Report MS H811, LANL, NM 87545
この技術の数学的モデル化は、F. Meot 氏および T. Aniel 氏によって行われた。
この主題に関するさらなる詳細は、以下の文献に与えられている。
[4]“On beam uniformization by non-linear optics”, F. Meot and T. Aniel,
Saturne National Laboratory Report, Ref. CEA/DSM/GECA/GT/95-05, July 1995, pages
1 to 20
[5]“Principles of the non-linear tuning of beam expanders”, F. Meot and T. Aniel, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A379, 1996, pages
197 to 205
受動的照射の場合には、腫瘍の横方向照射は、例えば“wobulator” と称されるような走査システムを使用して、ビームの横方向広がりによって得られる。走査システムは、走査システムに対して散乱材料とダイヤフラムシステムとを適用することによって、腫瘍の幅全体にわたってビームを広げる。散乱材料の目的は、横方向の密度を一様化することである。ダイヤフラムシステムは、例えばマルチスライドコリメータとされ、ダイヤフラムシステムの目的は、照射対象領域の外形をできるだけ規定することである。
受動的照射技術は、少なくとも3つの深刻な欠点を有している。
実際、受動的照射は、入射ビームの減衰に基づいている。高品質の実用的には単一エネルギーのビームをもととして、寸法的に広がっておりかつ分散したエネルギーを有したビームが形成される。
この技術においては、また、入射ビーム内に、『減衰材料』と称される妨害部材を挿入する。
また、この技術は、正確な3D適合照射を行い得ないという主要な欠陥を有している。腫瘍の外部の領域が、不可避的に照射されてしまう。
能動的走査技術の使用は、好ましくは、エネルギー可変型の機械であるシンクロトロンに基づいた設備において想定される。
しかしながら、この技術の明瞭な利点は、過去においては受動的照射に限定されていたようなサイクロトロン設備に関しても開発されてきていることを意味している。分散システムおよびモーメント解析システムを使用することにより、広範なエネルギー範囲を誘起することができる。
能動的走査技術においては、典型的には数mmという直径の微細なハドロンビームを使用して、ハドロンビームのエネルギーを調節することによってブラッグピークの深さを調節することにより、部分ごとに深さ方向への放射が得られる。ハドロンのエネルギーが数mmという照射深さに対応することを思い起こされたい。
腫瘍部分の横方向照射は、テレビジョンビームと同様にして、腫瘍部分を約10m/sという速度でもってビームスポットにより走査することによって、得られる。
現時点でこの技術の1つの好ましい変形例(文献[2]参照)は、画素ごとに腫瘍部分を照射することである。
深さが与えられればすなわち部分が与えられれば、ビームスポットが、所望の照射量に到達するまで、ビームスポットの直径と結果的に同じ直径の画素上に保持される。その後、ビームスポットは、次なる画素上へと迅速に移動される。このようにして走査が行われる。
この変形例がは、図1に概略的に図示されている。図1は、腫瘍部分(2)に対しての、図面がなす面に対して垂直な向きでの、図示しないハドロンビームの照射を示している。この部分に対しての横方向走査が、破線(4)によって示されており、複数の画素(6)が、順次的に示されている。
受動的照射と比較して、能動的照射あるいは能動的走査は、3D適合が可能でありかつ照射対象をなす容積内における任意のポイントに関して照射量を正確に調節し得るという重要な利点を有している。ポイントは、『容積画素』あるいは voxel とも称される。
ハドロン利用治療法の分野においては、受動的照射技術における他の横方向拡張および一様化技術が、近年になって提案された。
この主題に関するさらなる詳細については、以下の文献を参照されたい。
[6]“Design of a beam transport system for a proton radiation therapy
facility”, W.P. Jones and G.P. Berg, Proc. Particle Accelerator Conf., New-York, 1999, pages 2519-2521
この技術の利点は、照射ビームを妨害しないことである。それは、システムが、粒子論的光学デバイスだけから構成されているからである。すなわち、このシステムは、複数の非線形磁気レンズを使用しており、各レンズは、8極型のものとされている、あるいは、8極型と12極型との組合せとされている。
この技術が、照射による核廃棄物の再処理に関して、大面積(数m の程度)でありかつ一様な横方向強度分散を有したビームの製造について、過去において既に提案されていたことに、注意されたい。
この主題に関するさらなる詳細は、上記文献[3]に与えられている。
この手法においては、ビームを減衰させる傾向を有するという欠点を有した散乱材料を、使用する必要がない。それは、側方前方側に散乱テールを形成するからである。
現在の主流は、画素走査技術を使用することである。その理由は、3次元適合照射を行い得る唯一の技術であるからである。また、受動的照射は、主に歴史的理由により、なおも使用されていることも公知である。
画素深さは、入射ビームのエネルギーによって制御される。この制御は、シンクロトロンの加速器によって行われる、あるいは、妨害材料を介しての減衰によって行われる。
この主題に関するさらなる詳細は、以下の文献に与えられている。
[8]“Spot scanning irradiation with 11C beams at Himic”, E. Urakabe, FFAG-02
Workshop, KEK, Thukuba, February 13-15 2002
[9]“Flexible computational model of pencil beam dose distribution for spot-
scanning”, A. Molodojentsev and T. Sakae, FFAG-02 Workshop, KEK, Thukuba,
February 13-15 2002
能動的走査の場合には、現在の主流は、画素走査技術の改良に限定されている。
文献[1]に記載されているものと比較し得るような他の走査技術は、以下の文献に記載されている。
[10]“Accelerator facility PATRO for hadrontherapy at Hyogo Ion Beam Medical
Center”, A. Itano
"The medical accelerator HIMAC and the charged particletherapy in Japan", A. Kitagawa and F. Soga, Proc. PAC Conf. 2001, June 18-22,2001, Chicago, IL, USA "Proposal for a dedicated ion beam facility for cancertherapy", Eds. K.D. Gross, M. Pavlovic, GSI, Darmstadt, September 1998 "Generation of rectangular beam distributions", B. Blind, Report MS H811, LANL, NM 87545 "On beam uniformization by non-linear optics", F. Meot andT. Aniel, Saturne National Laboratory Report, Ref. CEA/DSM/GECA/GT/95-05, July1995, pages 1 to 20 "Principles of the non-linear tuning of beam expanders",F. Meot and T. Aniel, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A379, 1996, pages 197 to 205 "Design of a beam transport system for a proton radiationtherapy facility", W.P. Jones and G.P. Berg, Proc. Particle Accelerator Conf., New-York, 1999, pages 2519-2521 (欠番) "Spot scanning irradiation with 11C beams at Himic", E.Urakabe, FFAG-02 Workshop, KEK, Thukuba, February 13-15 2002 "Flexible computational model of pencil beam dosedistribution for spot-scanning", A. Molodojentsev and T. Sakae, FFAG-02Workshop, KEK, Thukuba, February 13-15 2002 "Accelerator facility PATRO for hadrontherapy at HyogoIon Beam Medical Center", A. Itano
本発明の目的は、ターゲットの正確な容積内へとイオンを出力することにより、上記従来技術よりも制御性の良好な態様でもってターゲットを照射することである。
特に、本発明の目的は、上述した能動的走査技術を、格段に改良することである。
より詳細には、本発明の目的は、特に人体の一領域といったようなターゲットを帯電ハドロンビームによって照射するための装置であって、ビームが、帯電ハドロンビームの生成手段によって生成されたものである場合において、装置が、
帯電ハドロンビームの軌跡に対して垂直な少なくとも1つの方向に沿って帯電ハドロンビームの横方向密度(「横方向密度」は、「密度分布」と同義。以下同様。)を一様化し得るよう構成された粒子論的光学手段と
ターゲットに対しての帯電ハドロンビームによる照射を3次元的に制御するための3次元的制御手段と
を具備していることを特徴としている。
本発明による装置の好ましい一実施形態においては、粒子論的光学手段は、少なくとも1つの非線形粒子論的光学レンズを備えている。
このような粒子論的光学手段は、2つの非線形粒子論的光学レンズを備えることができ、これら2つの非線形粒子論的光学レンズは、帯電ハドロンビームの軌跡に対して垂直なかつ互いに垂直な2つの方向に沿って帯電ハドロンビームの横方向密度を一様化し得るよう構成することができる。
好ましくは、非線形粒子論的光学レンズの各々は、2n極型レンズであり、ここで、nは、4以上の整数である。
本発明の好ましい一実施形態においては、3次元的制御手段は、
−生成された帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段と、
−狭くかつ実質的に矩形形状のバンドに沿って帯電ハドロンビームをターゲット上にわたって走査し得る走査手段と、
を備えている。
好ましくは、走査手段は、一対をなす磁気的双極子を有している。
本発明による装置の第1の格別の実施形態においては、帯電ハドロンビーム生成手段は、シンクロトロンを備え、生成された帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段は、シンクロトロンによって生成された帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段とされる。
本発明による装置の第2の格別の実施形態においては、帯電ハドロンビーム生成手段は、サイクロトロンを備え、生成された帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段は、モーメント解析手段を有している。
好ましくは、走査手段は、狭いバンドの中心をターゲットの中央ラインに対して追従させ得るとともに狭いバンドの長短を調節することができ、これにより、狭いバンドをターゲットの外形形状に追従させることができる。
本発明の格別の一実施形態においては、粒子論的光学手段は、狭いバンドの長さおよび/または幅に応じて帯電ハドロンビームの横方向密度の一様化を変更することができる。
本発明の有利な一実施形態においては、走査手段は、ターゲットの所定深さのところにおいて帯電ハドロンビームをターゲットにわたって走査させることができ、しかも、このような走査を、各深さに関して複数回にわたって行うことができ、各走査時に伝達される照射量は、各深さに関して要求された全照射量を走査回数で割算したものとされる。
本発明において使用される帯電ハドロンは、好ましくは、軽いイオンとされる。あるいは、より詳細には、軽い原子核とされる。言い換えれば、典型的には20以下の原子数を有した原子核とされる。
例えば、このような原子核は、H、He2+、および、C4+ の中から選択される。
本発明は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭に理解されるであろう。
本発明による装置の格別の一実施形態が図2に概略的に示されている。
この装置は、X軸に沿ってその軌跡が延在している帯電ハドロンビームに対して作用し得るよう、構成されている。
2つの方向(Y,Z)は、互いに垂直でありかつX軸に対しても垂直であるものとして、規定される。例えば、X軸が水平方向であれば、Y軸も水平方向であり、Z軸が鉛直方向となる。
図2の例においては、ハドロンビーム(4)を生成するための手段は、ハドロンのエネルギーを調節するための手段(6)が設けられたシンクロトロンを備えて構成されている。例えば、ハドロンは、He2+原子核やC4+原子核とすることができる。
図3にその一部が概略的に示されているような一変形例においては、ハドロンは、プロトン(H )とされ、プロトンビーム生成手段(4)は、サイクロトロン(8)を備えて構成されている。
このサイクロトロンには、プロトンのエネルギーを調節するためのモーメント解析手段(10)が付設されている。
ハドロンビーム(4)によって照射を行うべき例えば腫瘍といったようなターゲット(12)が、また、図示されている。
図2に示すような本発明による装置は、シンクロトロン(2)とターゲット(12)との間に(図3の場合には、モーメント解析手段(10)とターゲット(12)との間に)、設置されている。
X軸に沿っては、この装置は、少なくとも1つの非線形一様化レンズと、少なくとも1つの磁気走査双極子と、一組をなす複数の焦点合わせレンズと、を備えている。
この例においては、各非線形一様化レンズは、8極型レンズであり、2つのもの(14,16)が使用されている。
8極型レンズ(14)は、Y方向に沿ってハドロンビーム(4)の横方向密度を一様化し得るよう構成されている。同様に、8極型レンズ(16)は、鉛直方向をなすZ方向に沿って、ハドロンビーム(4)の横方向密度を一様化し得るよう構成されている。
12極型レンズ(18)を、8極型レンズ(14)に対して付加することができ、また、12極型レンズ(20)を、8極型レンズ(16)に対して付加することができる。
この例においては、2つの磁気双極子または磁気双極子磁石(22,24)が使用されている。
これら磁気双極子(22,24)は、好ましくは、ターゲット(12)から10m以内のところに配置されている。
磁気双極子(22)は、水平方向をなすY方向に沿ってハドロンビーム(4)によってターゲット(12)を走査し得るよう構成されており、磁気双極子(24)は、鉛直方向をなすZ方向に沿ってハドロンビーム(4)によってターゲット(12)を走査し得るよう構成されている。
この例においては、焦点合わせレンズは、4極型レンズであって、それぞれに対して符号(Q1〜Q7)が付されている。
この例においては、レンズ(Q1)(発散性)と;(Q2)(収束性)と;レンズ(14)と;設けられている場合にはレンズ(18)と;レンズ(Q3)(発散性)と;レンズ(16)と;設けられている場合にはレンズ(20)と;レンズ(Q4)(収束性)と;レンズ(Q5)(発散性)と;レンズ(Q6)(収束性)と;レンズ(Q7)(発散性)と;磁気双極子(22)と;磁気双極子(24)と;が直列に配置されている。
図2の装置は、能動的照射装置の範疇に分類される。したがって、正確な3D適合を可能としつつ主要な改良を行い得るという重要な利点を有している。同じことは、図3の変形例についても当てはまる。
この装置は、腫瘍の上流側において数mのところに配置された走査双極子(22,24)によっておよび入射ビームのエネルギー調節手段によって空間内において3次元的に実際に制御されたビーム(4)により照射が行われるという点において、上記能動的走査装置という分類に属するものである。
ビームの横方向分布に関しては、照射される横方向面積が、方向(Y,Z)の一方においてあるいは双方において一様な密度を有しつつなおかつ原理的には照射対象をなす腫瘍部分の局所的幅に等しい長さを有しつつ、狭いバンド内に延在していることを、付け加えておく。
本発明においては、粒子論的光学デバイスが使用されている。したがって、ハドロンビームが妨害されることがない。1つまたは2つの非線形レンズを備えている。
図2の例においては、一様化レンズと称される2つの非線形レンズ(14,16)が使用されている。これら非線形レンズは、照射対象をなす腫瘍を有した患者に対してハドロンビームを伝達する光学ライン内に一体的に組み込まれている。
この例においては2つの磁気双極子(22,24)を備えてなるようなビーム走査システムが、使用されている。
確かに、1つまたは2つの非線形レンズを利用した横方向一様化技術(上記文献[3]「6」を参照されたい)、および、一対の磁気双極子を使用した走査技術は、公知である。
しかしながら、本発明は、これら2つの技術を、実際に、画期的な態様でかつ有利な態様で組み合わせている。
さて、非線形粒子論的光学デバイスによる本発明における横方向一様化について、再度考察する。
通常の状態においては(シンクロトロン(2)からの出力ポートにおいて、あるいは、モーメント解析手段(10)からの出力ポートにおいて)、ビーム(4)は、伝搬方向(X)に対して直交した2つの方向(Y,Z)の各々に関して、ベル形状(ガウス曲線的形状)をなすような横方向密度を有している。
しかしながら、本発明においては、重要なことに、2つの方向(Y,Z)の少なくとも一方においてまた可能であれば双方において、横方向密度を、一定とすべきである。
この一様化は、1つの方向につき1つのレンズを使用することにより、非線形レンズを使用することによって得られる。
2n極型のレンズが使用される。ここで、2nは、所望の一様化が得られるような十分に大きな偶数であって、好ましくは、8とされ(8極型レンズ)、場合によっては8よりも大きいものとされる。
上述したように、複雑な非線形レンズを使用することも可能である。複雑な各非線形レンズは、一対をなす非線形レンズから構成され、これら非線形レンズは、特に、2n極型のレンズ、および、2m極型のレンズ、とされる。ここで、m>n≧4とされ、例えば、n=4かつm=6として選択することができる。
図2は、例としてXY平面内においてかつXZ平面内においてそのような一様化が得られるような光学ラインを示している。
ビーム(4)の断面(S)が、図4に概略的に示されている(本発明を何ら限定するものではなく、単なる例示として示されている。特に寸法に関しては、本発明を何ら限定するものではなく、単なる例示に過ぎない)。断面(S)は、X軸に対して垂直であるとともに、実質的に矩形のバンド(バンドの長さは、Y方向に沿った寸法であり、バンドの幅は、Z方向に沿った寸法である)を形成している。図4には、Y方向に沿ったビーム形状(曲線I )、および、Z方向に沿ったビーム形状(曲線II)、も示されている。
本発明による一様化を実施し得るよう構成された光学ラインの場合には、このラインの粒子論的光学手段は、非線形レンズの使用の関数として設けられている。
本発明を具現した装置が、既存の光学ライン内に組み込まれる場合には、非線形レンズの配置に関連する制約を考慮しつつ光学的焦点合わせ調節を十分に行うことができる。光学ライン内に設けられた焦点合わせ用4極レンズを移動させる必要があるかも知れない。
さて、2次元走査について考察する。
図2の装置は、ビーム(4)に対しての低速型の案内システムを使用している(能動型走査の場合と比較して遅いという意味合いにおいて『低速型』)。この案内システムにおいては、2つの双極子磁石(22,24)を使用している。これら双極子磁石(22,24)は、例えば、図2の光学ラインにおける最後の4極型レンズ(Q7)の下流側に配置されている。これにより、図4に概略的に示すような矩形ビームによる照射が、対象をなす腫瘍部分を、ゆっくりと走査する。この様子は、図5に概略的に示されている。
図5においては、腫瘍部分は、符号(34)によって示されている。ハドロンビームによって、この腫瘍部分に対して、一様でありかつ低速であるような2次元型の走査が行われている。ハドロンビームのX軸に対して垂直な部分は、実質的に矩形形状(36)とされている。この矩形形状(36)の重心(G)は、腫瘍の形状(40)に追従しつつ矩形形状の長さを長くしたりあるいは短くしたりしながらも、中央ライン(38)に追従している。
矩形形状がスライドすること、および、それによって走査される領域の形状が、図5における図示とは違って、円滑なものであることに、注意されたい。
また、図5の例においては、腫瘍の底部は、2つの部分(34a,34b)へと分割されている。
この場合、走査用矩形形状(36a)から出発して、まず最初に、走査ライン(38)が、走査ライン(42)へと、引き継がれる。これにより、2つの部分(34a,34b)のうちの一方の部分(34a)を、適合した走査用矩形形状でもって、走査することができる。その後、再度、走査用矩形形状(36a)を出発点として、走査ライン(38)を、他の走査ライン(44)へと、引き継ぐことができる。これにより、他方の部分(34b)を、適合した走査用矩形形状でもって、走査することができる。
その時点での走査用矩形形状の長さは、4極型焦点合わせレンズ(例えば、4極型レンズQ4〜Q7)を使用することによって非常に従来的な態様で調節される。その時点での走査用矩形形状の幅も、同様に、同じ4極型レンズを使用することによって所望に調節される。光学ラインの画像平面上に単純な画像が形成される。画像平面は、照射対象をなす腫瘍部分がなす平面である。
この場合、非線形レンズあるいは双方のレンズを同時に調節する必要がある。それは、一様化が、また、4極型レンズの調節に依存するからである(文献[4]を参照されたい)。
これらのすべては、従来的に機能発生器を使用して行うことができる。機能発生器は、様々なレンズに関する電源を制御するとともに、ソフトウェアによって制御される。
図2において、符号(A1〜A13)は、それぞれ対応する部材(Q1,Q2,14,18,Q3,16,20,Q4,Q5,Q6,Q7,22,24)に関連した電源を示している。
符号(G1〜G13)は、それぞれ対応する電源(A1〜A13)を制御するための機能発生器を示している。符号(46)は、ソフトウェアを内蔵しているとともに各機能発生器を制御し得るよう構成された電子処理手段を示している。
このソフトウェアに関するデータは、当業者には公知なような1つまたは複数の撮影技術によって得られた画像を検証した後に、予め医者によって作成された患者の治療計画に基づいて決定される。
以下においては、本発明の様々な利点および画期的特徴点について説明する。
小さな矩形形状を画素と見なし得ることにより、上述したような一様化された矩形形状による走査は、画素走査に相当する。
また、画素走査は、いわゆる『3D適合』照射が可能であることにより、現在では、好ましい技術である。粒子ビームの位置およびエネルギーは、腫瘍の容積内における適切な位置へと画素を位置合わせし得るように、調節することができる。
また、画素ごとの走査や各画素位置での停止は、テレビジョン的な連続的走査よりも、好ましい。
したがって、すべての公知技術と比較した場合の本発明の利点を証明するには、本発明における性能と、本発明に最も近い従来技術をなす能動的画素走査手法における性能と、を比較するだけで十分である。
[1.まず最初に、過強度という観点からの考察]
何らかの事故的状況下においては、ハドロンビームは、当業者には公知なような適切な安全システム(図示せず)によって照射を即座に停止させるべき強度時間ピークを有している。
その結果、瞬時的には、ビームによってターゲット領域がいささか過照射されることとなる。このことは、ハドロン利用治療法においては深刻な問題であり、最適な解決手法は、従来技術においては見出されていない。
本発明による装置の場合、照射用矩形形状は、通常、能動的走査技術の場合に想定される画素面積よりも、ずっと大きな面積を有している。これは、互いに、同じ腫瘍部分を図示している図1と図5とを比較することによって、明瞭に理解されるであろう。
その結果、本発明の場合には、図5に示すように、事故的なピークが起こったにしても、図1に示すような従来技術と比較して、表面に対する過照射の程度は小さい。表面過照射の比は、表面積に比例する。
したがって、照射が、例えば2グレイしきい値といったようなしきい値現象を有する非線形効果に由来するものであれば(文献[1]を参照されたい)、危険性は、全くないと言えるくらいにまで低減される。
[2.次に、照射の一様性という観点からの考察]
A)加速器から抽出されたビームの強度は、時間的に、できるだけ一定でなければならない(例えば、強度を、1秒あたりの粒子数で表した場合)。実際に、この強度は、例えば加速器抽出技術に依存するような周波数範囲内でもって、擾乱を受ける。
本発明による装置は、これら擾乱を集積化する。言い換えれば、能動的走査技術を使用した場合に可能である程度と比較してより良好な程度にまで、それら擾乱を平滑化する。それは、本発明においては、矩形形状による走査を、低速度で行っているからである。すなわち、従来技術におけるN個の画素と同じ面積に対応した本発明における1個の矩形形状は、従来技術における1個の画素のN倍の滞在時間でもって所定領域を照射する。
B)画素照射においては、照射量は、適切なものと想定されるベル形状分布のオーバーラップによって、同じラインの中の互いに隣接した2つの画素間においてあるいは互いに隣接したラインに関する2つの画素間において、一様なものとされる。
この点において、図6は、照射量を一様なものとし得るよう、互いに隣接した画素どうしの配置手法を概略的に示している。
隣接した3つの画素に関するプロファイル(I,II,III)が、位置(P)を横座標としかつ照射量(D)を縦座標とした座標系内に、プロットされている。合計のプロファイルが、符号(IV)によって示されている。
結果は、保証されているわけではなく、各画素内の照射量の横方向プロファイルに強く依存する。照射量の横方向プロファイルの分布は、必ずしもベル形状ではなく、対称的なものでもない。
本発明による装置は、全く異なる態様で動作する。走査方向においては、照射量の集積量は、能動的走査の場合に使用されるものと同一であるような測定器具(図示せず)を使用してのサーボ制御によって走査速度を制御することにより、一様なものとされる。
この主題に関するさらなる詳細については、上記文献[1,2]を参照することができる。
走査に対して垂直な方向においては、すなわち、矩形形状の長手方向においては、本来的に一様性が得られる。これは、非線形レンズによる一様化の結果である。
[3.加えて、腫瘍の移動という観点からの考察]
腫瘍が移動し得ることは、ハドロン利用治療法における様々な困難さの中の1つである。矩形形状によって走査することは、また、予想しなかった移動が起こった場合に、画素走査と比較して、有利である。
実際、腫瘍の移動によって現在の照射領域が過去の照射領域から離間してしまったような最悪の事態を想定した場合、画素走査の場合には、完全なバンドが照射されない。一方、矩形形状による走査の場合には、照射の欠如がない。つまり、時間的には短いかも知れないけれども、バンド全体が、移動前の時間間隔で照射を行う。
以下においては、本発明についてさらに詳細に説明する。
矩形形状で照射を行う場合には、Z方向に沿った走査におけるプロファイルは、ベル形状とすることができる(図4および図5参照)。この場合には、2つの非線形レンズの一方は、不活性であり、一様化は、他の方向のみにおいて行われる。特に、矩形形状の長手方向においてのみ行われる。
矩形形状の幅方向において一様化が可能であることにより、この方向に沿っての分布エッジを、ベル形状分布の場合と比較して、非常に急峻なものとすることができる(図4におけるヒストグラムを参照されたい)。
この特性を使用することにより、照射対象領域の外形の規定を、より良好に行うことができる。
これとは逆に、これらエッジがあまりに急峻すぎる場合には、適切な非線形レンズを制御することによって、傾斜度合いを修正することができる。
また、このレンズは、走査の終了時点で、漸次的にオンオフすることができる。これにより、腫瘍の外形形状に対する適合化を改良することができる。
サイクロトロン設備においては、モーメント解析を使用した適合型3D照射技術が、現在開発中である(シンクロトロンがより好適である)。したがって、本発明による装置を、そのような設備内において使用することができる。その場合、必要なことは、上述したように、モーメント解析手段を下流側に設置することだけである。
厳密に言えば、一様化された矩形形状による走査の場合には、画素走査の場合と比較して、照射持続時間が、より短い。その理由は、以下である。
1.1つの画素から次なる画素への移行時間が節約される。
2.矩形形状による走査が、連続的なものである。中断することがない。ただし、腫瘍の凹形状に変化がある場合(例えば図5のような場合)には、中断することもあり得る。
照射対象をなす部分の外形形状に対して追従することは、困難な作業である。矩形形状での一様な走査であると、より良好な適合化がもたらされる。矩形形状の長さは、低減することができ、走査速度を速くすることができる。これとは逆に、画素走査の場合には、画素直径を所望にまで低減することができない。そうしなければ、画素間での一様性を制御することができなくなる。
本発明においては、所定深さの複数の層を走査することができる(言い換えれば、複数回にわたって走査することができる)。また、要望によっては、交差方向に走査することができる。
この場合には、合計照射量を層数で割算することによって、各層に必要な照射量を計算することができる。
この場合、照射量の一様化は、例えば腫瘍のエッジ上といったようなところにおいて照射量の調節を可能とするステップを行うことにより、容易に行われる。上述したように、矩形形状での走査を行う場合の利点は、以下のようである。
−過強度に関しては、事故時間でのピーク強度が、低減されることとなる。同じことは、その結果としての過照射についても当てはまる。
−照射の一様性に関しては、シンクロトロンからの抽出が遅いことのために、時間的な強度の擾乱が、より良好に平滑化される。
−腫瘍の移動に関しては、層を走査しているときに腫瘍が移動した場合、その後に走査する層またはその前に走査した層の存在が、単一層のに対する照射の欠落を制限する。
公知技術による横方向画素走査技術を使用して腫瘍部分を照射する様子を概略的に示す図である。 本発明による装置の格別の一実施形態を概略的に示す図である。 図2の装置に関する変形例の一部を概略的に示す図である。 本発明において使用し得る照射ビームを示す横断面図である。 本発明に基づく一様であり低速型の2次元的走査を使用して腫瘍部分を照射する様子を概略的に示す図である。 公知の照射技術に基づく、照射量を一様なものとし得る画素どうしの並置を概略的に示す図である。
符号の説明
2 シンクロトロン
4 帯電ハドロンビーム
6 ハドロンのエネルギーを調節するための手段(3次元的制御手段)
8 サイクロトロン(帯電ハドロンビーム生成手段)
10 モーメント解析手段(3次元的制御手段)
12 ターゲット
14 8極型レンズ(粒子論的光学手段)
16 8極型レンズ(粒子論的光学手段)
18 12極型レンズ(粒子論的光学手段)
20 12極型レンズ(粒子論的光学手段)
22 磁気双極子(3次元的制御手段)
24 磁気双極子(3次元的制御手段)
36 矩形形状
38 中央ライン

Claims (10)

  1. 特に人体の一領域といったようなターゲット(12)を帯電ハドロンビーム(4)によって照射するための装置であって、
    前記ビームが、帯電ハドロンビームの生成手段によって生成されたものである場合において、
    前記装置が、
    前記帯電ハドロンビームの軌跡に対して垂直な少なくとも1つの方向に沿って前記帯電ハドロンビームの密度分布を一様化し得るよう構成された粒子論的光学手段(14,16,18,20)と、
    前記ターゲットに対しての前記帯電ハドロンビームによる照射を3次元的に制御するための3次元的制御手段(6,22,24;10,22,24)と、
    を具備し、
    前記3次元的制御手段が、
    生成された前記帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段と、
    矩形形状のバンドという形状でもって前記帯電ハドロンビームを前記ターゲット上にわたって走査し得る走査手段と、
    を備え、
    前記走査手段が、前記バンドの中心を前記ターゲットの中央ラインに対して追従させ得るとともに前記バンドの長短を調節することができ、これにより、前記バンドを前記ターゲットの外形形状に追従させることができることを特徴とする装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記粒子論的光学手段が、少なくとも1つの非線形粒子論的光学レンズを備えていることを特徴とする装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記粒子論的光学手段が、2つの非線形粒子論的光学レンズを備え、
    これら2つの非線形粒子論的光学レンズが、前記帯電ハドロンビームの軌跡に対して垂直なかつ互いに垂直な2つの方向に沿って前記帯電ハドロンビームの密度分布を一様化し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
  4. 請求項2または3記載の装置において、
    前記非線形粒子論的光学レンズの各々が、2n極型レンズであり、ここで、2nが、8以上の整数であることを特徴とする装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記走査手段が、一対をなす磁気的双極子を有していることを特徴とする装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置において、
    前記帯電ハドロンビーム生成手段が、シンクロトロンを備え、
    生成された前記帯電ハドロンのエネルギーを調節するための前記手段が、前記シンクロトロンによって生成された前記帯電ハドロンのエネルギーを調節するための手段とされていることを特徴とする装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置において、
    前記帯電ハドロンビーム生成手段が、サイクロトロンを備え、
    生成された前記帯電ハドロンのエネルギーを調節するための前記手段が、モーメント解析手段を有していることを特徴とする装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置において、
    前記粒子論的光学手段が、前記バンドの長さおよび/または幅に応じて前記帯電ハドロンビームの密度分布の一様化を変更することができることを特徴とする装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置において、
    前記走査手段が、前記ターゲットの所定深さのところにおいて前記帯電ハドロンビームを前記ターゲットにわたって走査させることができ、しかも、このような走査を、各深さに関して複数回にわたって行うことができ、
    各走査時に伝達される照射量が、各深さに関して要求された全照射量を走査回数で割算したものとされていることを特徴とする装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置において、
    前記帯電ハドロンが、20以下の原子数を有した原子核とされていることを特徴とする装置。
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