JP5316218B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された自動販売機においては本体キャビネットの庫内に上下複数段に配列された商品収納ラックを備え、それぞれの商品収納ラックの商品載置面に所定の間隔をおいて左右方向に複数の仕切壁を設け、隣接する仕切壁間を商品収納通路として商品を前後(奥行き)方向に並べて収容するとともにそれぞれの商品収納通路に商品を前方に押圧するプッシャ部材を設け、商品選択ボタンが操作されることによりプッシャ部材を駆動して商品を押出すように構成されている。
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は前記課題を解決し、商品を吊下げ支持し、かつ、前記商品をその自重により滑らせて収容するとともに搬出端部に商品搬出機構を備えた商品収納ラックを搭載可能としつつ庫内の冷却/加熱ユニットの保守・点検等の作業を容易に行うことが可能な自動販売機を提供することにある。
上記第2の目的を達成するために請求項2に係る発明は、本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータは平面部と起立部を順次繰り返す階段状に形成されてなり、前記起立部に冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気を循環させる通風孔を穿孔してなることを特徴とする。
(実施の形態1)
図1乃至図11は本発明の実施の形態1である自動販売機を示し、先ず図1および図2を用いて自動販売機の全体構造を説明する。図において、1は前面が開口した本体キャビネットである。前記本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁,左右側壁,背壁および底壁1aにウレタンフォームからなる断熱ボードを配設して断熱筐体として構成されている。前記本体キャビネット1の断熱ボードで囲まれた商品収納庫内は断熱仕切壁11により左右方向に複数、この実施の形態では3つの商品収納室12,13,14に区画されている。左右の商品収納室12,14には、従来より良く知られている湾曲したセグメントを上下方向に連接したセグメント列を前後に対向配置して蛇行した商品収容通路を構成してなるサーペンタイン式商品収納ラック121,141がそれぞれ左右2列ずつ収設されている。中央の商品収納室13には後述するスラント式の商品収納ラック20がそれぞれ収設されている。前記商品収納ラック121,141の下部には無数の穴が形成されるとともに前下がりに傾斜したシュータ2が配置され、スラント式商品収納ラック20の下部には図2に示すように商品収納ラック20に係止された本発明に係るシュータ50が配置されている。前記シュータ2、50の下部には、それぞれの商品収納室12,13,14を冷却もしくは加熱して商品収納ラック121,141,20に収容した商品をコールド・ホット状態に保存する冷却ユニット若しくは冷却/加熱ユニットが配設されており、冷却ユニット若しくは冷却/加熱ユニットを符号60で示している。
前記左右一対の挟持部材31,31は一方の面に潤滑塗膜が施された薄板の塗膜鋼板(以下、単に薄板鋼板ともいう)によりL字状に形成された長尺の部材からなり、それぞれ所定の間隙tをおいて対向配置されている。前記間隙tを形成する左右一対の挟持部材31,31の脚端部は一方の面(塗膜面)が外側となるように折り曲げによりダブルホールド(参照符合36を付している)されており、間隙tを形成する脚端部の上下両面が塗膜面(すなわち、潤滑性が良好な面)となっている。前記左右一対の挟持部材31,31によりパウチ商品を吊下げ支持するのであるが、パウチ商品の装填(補充)については後述することとする。前記連結部材32,33は間隙tを残して左右一対の挟持部材31,31を囲繞するように枠体として構成されている。前記左右一対の挟持部材31,31は前記連結部材32,33にそれぞれねじにより強固に固着され、これにより左右一対の挟持部材31,31のそれぞれの脚端部の間の間隙tが一定に保たれている。前方側の連結部材32には正面視T字形の取付片321が一体に形成されている。この取付片321は図3に示した商品収納ラック20の梁部材24に係合するものであり、その上端は鉤状に折り曲げられ、かつ、脚片中央付近にはねじ孔322が形成されている。前記取付金具35は厚板鋼板により断面ハット形に形成され、それぞれの鍔部が挟持部材31にねじ止めされている。取付金具35の頭部にはねじ351が螺着されており、このねじ351を介して図3に示した商品収納ラック20における後方側の縦フレーム材23,23に固着される。なお、37は左右一対の挟持部材31,31の脚端部に植設された一対の幅規制部材である。
次に前記商品支持ユニット30へのパウチ商品の装填(補充)について図8を用いて説明する。図ではパウチ商品100を装填する場合を示し、前記商品支持ユニット30の前方の商品補充口から白抜き矢印で表すように商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tにパウチ商品100を装填する。すなわち、前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の上方側にパウチ商品100のフランジ105を、そして、下方側に接合フランジ107を位置させつつ前記間隙tにスパウト104を挿入し、前記フランジ105を左右一対の挟持部材31,31に引っ掛ける。ここで、前記左右一対の挟持部材31,31の間に形成された間隙tはパウチ商品100のスパウト104の幅より大きくフランジ105の長さよりも短い所定の寸法に定められている。前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31にフランジ105を引っ掛けて吊下げられたパウチ商品100はその自重によりフランジ105が左右一対の挟持部材31,31上を滑動して後方に移動する。前記商品支持ユニット30の後方に移動したパウチ商品100は商品搬出機構34の第1のストッパ45(図5、図6参照)により係止され、販売順位一番の商品(以下、販売商品ともいう)として当該位置に停止した状態で吊下げ収容される。次に装填されたパウチ商品100は第1のストッパ45により係止された販売商品に当接して販売順位二番の商品(以下、次販売商品ともいう)として停止する。このようにして前記商品支持ユニット30に順次パウチ商品100を補充して収容した状態を図9に示し、パウチ商品100は重力により略鉛直線に沿った姿勢で整然と商品支持ユニット30に吊下げ収容される。
また、パウチ商品100はフランジ105を商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31に引っ掛けて自重により滑らせるように構成されていることから、前記フランジ105と前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の脚端部との摩擦抵抗が小さいことが望まれる。この要求に対しても間隙tをおいて対向配置された左右一対の挟持部材31,31の脚端部を折り曲げてダブルホールドしたこの実施の形態の商品収納ラックは有利である。すなわち、一般的に用いられる鋼板は切削加工を容易にするために一方の面に潤滑性の塗膜がコーティングされた塗膜鋼板であるから、この塗膜鋼板の一方の面(潤滑性の塗膜がコーティングされた面)が外側となるようにダブルホールド(図4等に参照符合36を付した部分)することによって、間隙tを形成する左右一対の挟持部材31,31の脚端部の上下両面が潤滑性の良好な面(摩擦抵抗が小さい面)となる。このため、パウチ商品100のフランジ105と左右一対の挟持部材31,31の脚端部との摩擦抵抗を小さくすることができる。更に、商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくすることによりパウチ商品100の自重による滑りが良くなる一方、前記商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくするとパウチ商品100自体は重力によって略鉛直線に沿った姿勢を維持し続けるので、図10に示すように左右一対の挟持部材31,31の脚端部の上下両面にパウチ商品100のフランジ105と接合フランジ107が同時に当接するようになる。この場合、左右一対の挟持部材31,31の脚端部をダブルホールドしていない場合にはパウチ商品100のフランジ105または接合フランジ107のいずれか一方と挟持部材31,31との脚端部との摩擦抵抗が大きくなる。一方、塗膜鋼板の一方の面(潤滑性の塗膜がコーティングされた面)が外側となるようにダブルホールドしたこの実施の形態の挟持部材31,31においては当該挟持部材31,31の脚端部の上下両面にパウチ商品100のフランジ105と接合フランジ107が同時に当接したとしても両者の摩擦抵抗を小さくすることができる。したがって、パウチ商品100の自重による滑りをよくするために前記商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくすることができ、商品支持ユニット30へのパウチ商品の収容をスムーズに行うことができる。なお、挟持部材31,31を構成する塗膜鋼板としてダブルホールドするために薄板であることが望ましく、薄板の塗膜鋼板を用いた場合には重量の軽減化に寄与するものである。
販売待機状態においてはソレノイド40が非励磁状態にあり、第1のストッパ45が左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tの位置に突出して販売商品を係止しており、販売商品と次販売商品との間に位置する第2のストッパ46が左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tの位置から退避している。この状態においてマイクロスイッチからなる商品検知スイッチ(売切れスイッチ)47の操作レバー471が販売商品に当接して商品検知信号を出力している。いま、外扉10(図1参照)に設けられた商品選択ボタンが操作されると不図示の制御部から対応する商品払出機構34(ソレノイド40)に所定時間幅の励磁信号が供給される。これによりソレノイド40が励磁されると図6に示したプランジャー41を介してストッパ部材42が左右方向(図6では右方向)に移動する。これにより第1のストッパ45および第2のストッパ46が図11において左方向に移動し、第1のストッパ45が間隙tから退避し、第2のストッパ46が間隙tに突出する。前記第1のストッパ45の間隙tからの退避により販売商品は第1のストッパ45による係止が解かれる。これと同時に第2のストッパ46が間隙tに突出するように移動する過程において当該第2のストッパ46に設けた係止部材461の押圧片462が販売商品の後方を押圧して販売商品を商品支持ユニット30から排出させた後、第2のストッパ46が間隙tに突出する。販売商品が搬出されると次販売商品以降の商品は支えを失うので順次商品支持ユニット30の後端部に向かって滑動して間隙tに突出した第2のストッパ46に係止されて一旦保持される。
なお、本発明の実施の形態においては、前述したように本発明に係る商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラックと構造上の互換性を持たせ、既設の自動販売機のサーペンタイン式商品収納ラックと交換することができるうえに電気的にも互換性を持たせている。すなわち、サーペンタイン式商品収納ラックの商品搬出機構においては販売商品を係止する下ストッパと次販売商品を係止する上ストッパとをソレノイドにより駆動することによって前記下ストッパおよび上ストッパを商品搬出通路に交互に突出させている。これに鑑み、この実施の形態に係る商品収納ラック20においても商品搬出機構34の駆動源としてソレノイド40を用い、このソレノイド40によりストッパ部材42を駆動して販売商品を係止する第1のストッパ45および次販売商品を係止する第2のストッパ46が左右一対の挟持部材31の隙間tに交互に出没するように構成したものである。また、商品収納ラック20に装填された商品を検出する商品検知スイッチ47(図4,図5参照)を備えており、この商品検知スイッチ47から商品の売切れ検知信号を出力するように構成されている。このような商品搬出機構34および商品検知スイッチ47を用いることによりサーペンタイン式商品収納ラックの商品搬出機構に供給される電源や制御信号により商品搬出機構34が商品搬出動作を実行し、商品検知スイッチ47が自動販売機の制御部に売切れ信号を送出する。つまり、サーペンタイン式商品収納ラックを搭載した既設の自動販売機の制御プログラムを何ら変更することなく本発明に係る商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラックと交換して配線接続を行うことによって直ちに自動販売機を稼動させることができるものである。
前述したとおり本発明の実施の形態1に係る自動販売機においては、本体キャビネット1の庫内下部に前下がりに傾斜したシュート50および冷却/加熱ユニット60が配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材21,22,23により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材23,23に上下方向に複数段架設され、商品(パウチ商品100,200)の引っ掛け部(フランジ105)を支持し、かつ、前方側(商品投入側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構34を有する商品支持ユニット30を設けてなるスラント式商品収納ラック20を備えた自動販売機において、前記シュータ50の後端側を前記スラント式商品収納ラック20に着脱自在、若しくは可動自在に係止したことにより、前記シュータ50を取外すこと若しくはシュータ50の後端部(スラント式商品収納ラックとの係止部)を支点としてシュータ50を揺動させることができるので、シュータ50の下部背面に配設された冷却/加熱ユニットの保守・点検作業を容易に行うことができるという利点を有する。
図12において、500でシュータを示し、このシュータ500は全体として階段状に形成され、傾斜した平面部501と起立部502を順次繰り返してなる。前記起立部502には通風孔502aがそれぞれ穿孔されている一方、前記平面部501には通風孔は穿孔されていない。また、シュータ500の後端部には実施の形態1と同様に爪503が形成され、シュータ500の前端にはねじの挿通穴504が形成されてなり、前記爪503は図3に示した商品収納ラック20における商品案内部材27の係止溝272に挿入係止され、挿通穴504には取付金具に螺合するねじが挿入される。なお、図12ではシュータ500が平面部501と起立部502を順次繰り返してなること、つまり階段状に形成されてことを理解し易くするために補強部材を省略しているが、シュータ500は補強部材により補強されているものである。
なお、前述した各実施の形態においては飲み口部分に引っ掛け部を有する商品として、容器形態が軟弱なパウチ商品100,200について説明したが、これに限るものではない。例えば、容器形態が硬質であっても起立させることが困難な商品や横倒し姿勢で転動させることが困難であり、かつ、飲み口部分に引っ掛け部を有する商品や容器形状が異形であって飲み口部分にキャップなどが装着された商品にも本発明に係る商品収納ラックを適用することができるものであり、実施の形態に限定されるものではない。また、商品収納ラック20を構築するフレーム材の構成や商品収納ラックに架設する商品支持ユニットの段数並びに商品支持ユニットと商品収納ラックを構築するフレーム材との係合手段等も実施の形態に限定されるものではない。
Claims (2)
- 本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュータおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータの後端側を前記スラント式商品収納ラックに着脱自在若しくは可動自在に係止したことを特徴とする自動販売機。
- 本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータは平面部と起立部を順次繰り返す階段状に形成されてなり、前記起立部に冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気を循環させる通風孔を穿孔してなることを特徴とする自動販売機。
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