JP5316218B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

この発明は、飲み口部分に引っ掛け部を有する商品を販売する自動販売機であって、前記商品を吊下げ支持し、かつ、前記商品をその自重により滑らせて収容するとともに搬出端部に商品搬出機構を備えた自動販売機に関する。
自動販売機で取り扱う商品は多様化しており、飲料が充填された容器が硬質の缶入り商品,ペットボトル入り商品に加えて、ゼリー状の飲食物が充填された可撓性袋状容器に硬質の合成樹脂からなる注出口部としてのスパウトを固着して飲み口としてなり、前記スパウトにキャップを装着した商品(以下、パウチ商品ともいう)を販売可能とする自動販売機が要求され、このパウチ商品を販売対象商品とした自動販売機が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示された自動販売機においては本体キャビネットの庫内に上下複数段に配列された商品収納ラックを備え、それぞれの商品収納ラックの商品載置面に所定の間隔をおいて左右方向に複数の仕切壁を設け、隣接する仕切壁間を商品収納通路として商品を前後(奥行き)方向に並べて収容するとともにそれぞれの商品収納通路に商品を前方に押圧するプッシャ部材を設け、商品選択ボタンが操作されることによりプッシャ部材を駆動して商品を押出すように構成されている。
特開2005−228058号公報
特許文献1に開示された自動販売機においては商品収納ラックが水平に配置されており、当該商品収納ラックの商品収納通路に商品を載置して収容するように構成されている。このような商品収納ラックに容器形態が軟弱なパウチ商品を収納するとパウチ商品の収納姿勢が乱れ、かつ、パウチ商品を後方からプッシャ部材にて押圧するとパウチ商品が潰れて販売することができないおそれがある。このため特許文献1に開示された商品収納ラックにおいては、パウチ商品のスパウトに設けられたフランジを引っ掛け部として支持すれば商品が起立することに着目し、パウチ商品のスパウトを挟むように間隙をおいて配置された商品支持部材を設け、この商品支持部材に前記フランジを引っ掛けるようにパウチ商品を装填して収容するとともに前記商品支持部材に近接して前後のスプロケット間に張架された搬送チェーンにパウチ商品のスパウト(若しくはキャップ)を後方から押圧する複数の商品仕切ピンを配設し、販売動作時に搬送チェーンを駆動して商品仕切ピンによりパウチ商品を押出すように構成されている。この特許文献1に開示された自動販売機によれば容器形態が軟弱なパウチ商品を販売することが可能となったものの、商品収納ラックの構成が複雑となりコストが嵩むという課題を有する。
そこで、発明者等はパウチ商品のフランジを支持して当該商品の自重により滑らせて吊下げ収容するとともに商品搬出機構を有する商品支持ユニットを備え、当該商品支持ユニットを、商品収納ラックを構築するフレーム材に上下方向に複数段架設してなるスラント式商品収納ラックを発明して出願した(特願2008−258022号)。この発明によれば、容器形態が軟弱なパウチ商品を収容する商品収納ラックを簡単な構成とすることができ、また、缶入り飲料などを販売する自動販売機に搭載されたサーペンタイン式商品収納ラックと互換性を有する点で優れている。ところで、缶入り飲料などの商品を収容したサーペンタイン式商品収納ラックを搭載した自動販売機は庫内に配備された冷却/加熱ユニットにより庫内の商品を冷却/加熱している。この場合、冷却/加熱ユニットは前下がりに傾斜して設置されたシュータ下部背面に配設されており、当該シュータを取り外したうえで保守・点検を行うとともに冷却/加熱ユニットを交換する場合には庫内から引出すように構成されている。一方、先の出願に係るスラント式商品収納ラックの下部には前下がりに傾斜した送出部材が配設され、前記スラント式商品収納ラックに架設された商品支持ユニットから搬出された商品を当該送出部材を介して前記シュータに導いて商品取出口に送出するように構成されている。このように前記送出部材は前下がりに傾斜して前記シュータと連繋して商品を送出するように配設されていることから送出部材の下端がシュータの前方域にまで延在してシュータを覆っている。このため、自動販売機の前方側から見るとシュータは送出部材によって遮蔽されており、スラント式商品収納ラックを庫内に収納設置した状態ではシュータの着脱が困難であるとともに冷却/加熱ユニットの引出しが困難となる。したがって、冷却/加熱ユニットの保守・点検作業や交換作業が煩雑であるという課題を有する。
また、前記シュータには庫内に配備された冷却/加熱ユニットから吹き出される冷気若しくは暖気を循環させるために無数の穴が形成されている。一方、パウチ商品の容器形状は一般的に角型であることからその周縁に角部が形成されている。このため、パウチ商品がシュータ上を滑動する際、パウチ商品の角部がシュータの穴に引っ掛かるおそれがある。このようにパウチ商品の角部がシュータの穴へ引っ掛かるとシュータ上にパウチ商品が停止してしまうところの商品詰りを惹起するという課題を有する。
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は前記課題を解決し、商品を吊下げ支持し、かつ、前記商品をその自重により滑らせて収容するとともに搬出端部に商品搬出機構を備えた商品収納ラックを搭載可能としつつ庫内の冷却/加熱ユニットの保守・点検等の作業を容易に行うことが可能な自動販売機を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、商品を吊下げ支持し、かつ、前記商品をその自重により滑らせて収容するとともに搬出端部に商品搬出機構を備えた商品収納ラックを搭載した自動販売機における商品の冷却/加熱性能を維持しつつ商品を安定して送出することが可能な自動販売機を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために請求項1に係る発明は、本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュータおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータの後端側を前記スラント式商品収納ラックに着脱自在若しくは可動自在に係止したことを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために請求項2に係る発明は、本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータは平面部と起立部を順次繰り返す階段状に形成されてなり、前記起立部に冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気を循環させる通風孔を穿孔してなることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る自動販売機によれば、本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータの後端側を前記スラント式商品収納ラックに着脱自在若しくは可動自在に係止したことにより、前記シュータを取外すこと若しくはシュータの後端部(スラント式商品収納ラックとの係止部)を支点としてシュータを揺動させることができるので、シュータの下部背面に配設された冷却/加熱ユニットの保守・点検作業を容易に行うことができるという利点を有する。
また、本発明の請求項2に係る発明によれば、本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータは平面部と起立部を順次繰り返す階段状に形成されてなり、前記起立部に冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気を循環させる通風孔を穿孔してなることにより、商品は冷気/暖気の通風孔に邪魔されることなくシュータの平面部上を安定して滑動する一方、シュータの下部背面に配設された冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気は起立部に形成した通風孔を介して循環させることができるので、商品の冷却/加熱性能を維持しつつ商品を安定して送出することができるという利点を有する。
本発明の実施の形態1である自動販売機の全体構成を示す外扉開放状態の斜視図である。 図1の要部側面断面図である。 本発明に係るスラント式商品収納ラックの全体構成の斜視図である。 図3の商品収納ラックの下部の拡大図である。 図3のスラント式商品収納ラックに架設される商品支持ユニットを示し、(a)は前方から見た斜視図であり、(b)は後方から見た斜視図である。 商品支持ユニットに搭載された商品搬出機構を示し、(a)は商品搬出機構の一部を分解した斜視図であり、(b)は商品搬出機構の要部拡大斜視図である。 容器形態が軟弱なパウチ商品を示し、(a)および(b)はそれぞれ種類の異なるパウチ商品の正面図である。 商品支持ユニットに商品を装填する状態を示し、(a)は商品支持ユニットに商品を装填する状態の模式図であり、(b)は商品支持ユニットに商品を装填した状態を示す正面図である。 商品支持ユニットに商品を収容した状態を示す側面図である。 商品支持ユニットに装填されたパウチ商品が滑動する状態を示す説明図である。 商品搬出機構の搬出動作を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態2である自動販売機における要部の斜視図である。
以下、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)

図1乃至図11は本発明の実施の形態1である自動販売機を示し、先ず図1および図2を用いて自動販売機の全体構造を説明する。図において、1は前面が開口した本体キャビネットである。前記本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁,左右側壁,背壁および底壁1aにウレタンフォームからなる断熱ボードを配設して断熱筐体として構成されている。前記本体キャビネット1の断熱ボードで囲まれた商品収納庫内は断熱仕切壁11により左右方向に複数、この実施の形態では3つの商品収納室12,13,14に区画されている。左右の商品収納室12,14には、従来より良く知られている湾曲したセグメントを上下方向に連接したセグメント列を前後に対向配置して蛇行した商品収容通路を構成してなるサーペンタイン式商品収納ラック121,141がそれぞれ左右2列ずつ収設されている。中央の商品収納室13には後述するスラント式の商品収納ラック20がそれぞれ収設されている。前記商品収納ラック121,141の下部には無数の穴が形成されるとともに前下がりに傾斜したシュータ2が配置され、スラント式商品収納ラック20の下部には図2に示すように商品収納ラック20に係止された本発明に係るシュータ50が配置されている。前記シュータ2、50の下部には、それぞれの商品収納室12,13,14を冷却もしくは加熱して商品収納ラック121,141,20に収容した商品をコールド・ホット状態に保存する冷却ユニット若しくは冷却/加熱ユニットが配設されており、冷却ユニット若しくは冷却/加熱ユニットを符号60で示している。
また、前記本体キャビネット1の底壁1aの下部は機械室として形成され、この機械室には前記冷却/加熱ユニット60の冷却ユニットと冷凍サイクルを構成する圧縮機3(図2参照)、凝縮器4、膨張機構(図では隠れて見えない)および凝縮器4に送風する庫外ファン5が配設されている。前記冷却ユニット60のみが配設された商品収納室はコールド専用室、冷却/加熱ユニット60が配設された商品収納室はホット/コールド兼用室とされ、図に示す例では商品収納室12がコールド専用室、商品収納室13,14がホット/コールド兼用室とされ、この場合コールド専用室である商品収納室12の庫内下部には機械室の圧縮機3,凝縮器4で圧縮,凝縮された冷媒が循環される蒸発器6、庫内ファン7が冷却ユニットとして設置されており、ホット/コールド兼用室である商品収納室13,14の庫内下部には前記蒸発器6、庫内ファン7に加えて商品加熱用のヒーター8が加熱ユニットとして設置されている。そして、各商品収納室12,13,14の背面には循環用ダクト9が冷却ユニット若しくは冷却/加熱ユニットと連通して配備され、前記循環用ダクト9の上端9aは商品収納庫の略中段位置に開口している。なお、図1において122,142は商品収納ラック121,141を固定する固定金具である。
前記本体キャビネット1の前面に開閉自在に装着された外扉10(図1参照)の前面には、良く知られているようにディスプレイ台に載置された商品見本のディスプレイ室が形成され、このディスプレイ室の前面を覆う透明板には各商品見本に対応して設けられた商品選択ボタンを備えた商品選択ボタンユニットが配設されるとともに商品取出口10aに加えて硬貨投入口、紙幣投入口、釣銭返却口、返却レバー、シリンダー錠付きのハンドルロック装置などが組付けられている。前記本体キャビネット1における商品収納庫の前面を閉塞する内扉15は、この例では上下に分割されており、下部側の内扉15には各商品収納室12,13,14のシュータ2,50と対峙する位置に搬出扉15aにより常時閉塞された商品搬出口が設けられている。前記商品搬出口の搬出扉15aは上端を軸支されて常時商品搬出口を閉塞して冷気若しくは暖気の流出を防止しており、シュータ2,50を介して送出される商品により押し開かれるように形成されている。
次に前記スラント式の商品収納ラック20の構成について図3を用いて説明する。図に示すように、左右一対の上部支持フレーム材21,21および下部支持フレーム材22,22には前方および中央付近にそれぞれ一対の縦フレーム材23,23がねじにより固着されている。前記上部支持フレーム材21,21と、下部支持フレーム材22,22と、前方および中央付近(以下、後方側ともいう)に設けたそれぞれ一対の縦フレーム材23,23が商品収納ラックを構築するフレーム材を構成し、これらの各部材は厚板鋼板により形成されている。前方の縦フレーム材23,23間には上下方向に複数の梁部材24が固着されている。上部支持フレーム材21,21および下部支持フレーム材22,22の後方側(図2から理解できるように奥行き側であり、以下後方を奥行きともいう)は背板25と側面板26により閉塞されている。この閉塞された垂直方向に延在する空間は商品が落下する商品搬出通路として形成されている。また、背板25の上部側には庫内空気の通風孔(図では側板26に隠れて見えない)が形成されている。前記背板25の下方には傾斜した商品案内部材27が下方側ほど前方に迫り出すように側面板26,26に固着して取付けられている。そして、商品案内部材27の下端には、鉛直方向に延在する係止面271が設けられ、この係止面にシュータ50の後端部に形成された爪51が挿入される係止溝272が形成されている。シュータ50はその後端部の爪51を商品案内部材27の係止溝272にすることにより図4に示すように商品収納ラック20に係止固定されている。また、前記シュータ50の前端にはねじの挿通孔52が設けられ、本体キャビネット1の底壁1aの前縁に配設される化粧枠1bを取付けるための取付金具にねじにより固着されている。前記シュータ50は無数の穴が穿孔された平板面から上方に突出する複数のリブ53が当該シュータ50の長手方向に延在して形成されてなる。なお、図4における60aは冷却/加熱ユニット60(図2参照)のユニットカバーであり、冷却/加熱ユニット60の蒸発器、ファン、ヒーターなどは図示を省略している。
図3に戻り、商品収納ラック20を構築する左右一対の上部支持フレーム材21,21に跨って前後一対のラック側フック部材28,28が固着され、このラック側フック金具28,28の上端側にはフック部が形成されている。このラック側フック金具28,28は、図2に示した本体キャビネット1の商品収納庫の天井に左右方向に敷設した本体側フック金具1cと対峙するように位置関係を定めて上部支持フレーム材21,21に取付けられている。前記したことから明らかなようにラック側フック金具28,28は商品収納ラック20を商品収納庫に収納設置するためのものであり、ラック側フック部材28,28のフック部を本体側フック金具1cのフックに係合させて両者をねじにより固着することにより商品収納ラック20が商品収納庫に収納設置される。なお、図3における231は図4に示したラック固定金具201(各商品収納室を仕切る断熱仕切壁11に着脱自在に取付けられている)にねじ止めされて商品収納ラック2を固定する固定金具である。
前記上部支持フレーム材21,21および下部支持フレーム材22,22に固着された前後の縦フレーム材23,23には商品支持ユニット30が装着されている。この商品支持ユニット30の装着については後述することとし、先ず、前記商品支持ユニット30の構成について図5を用いて説明する。図に示すように、商品支持ユニット30は左右一対の挟持部材31,31、この挟持部材31,31を連結する前後の連結部材32,33、後方の連結部材33の上に設置された商品搬出機構34および外側に向かって突出するように左右一対の挟持部材31,31に固着された取付金具35,35とからなる。
前記左右一対の挟持部材31,31は一方の面に潤滑塗膜が施された薄板の塗膜鋼板(以下、単に薄板鋼板ともいう)によりL字状に形成された長尺の部材からなり、それぞれ所定の間隙tをおいて対向配置されている。前記間隙tを形成する左右一対の挟持部材31,31の脚端部は一方の面(塗膜面)が外側となるように折り曲げによりダブルホールド(参照符合36を付している)されており、間隙tを形成する脚端部の上下両面が塗膜面(すなわち、潤滑性が良好な面)となっている。前記左右一対の挟持部材31,31によりパウチ商品を吊下げ支持するのであるが、パウチ商品の装填(補充)については後述することとする。前記連結部材32,33は間隙tを残して左右一対の挟持部材31,31を囲繞するように枠体として構成されている。前記左右一対の挟持部材31,31は前記連結部材32,33にそれぞれねじにより強固に固着され、これにより左右一対の挟持部材31,31のそれぞれの脚端部の間の間隙tが一定に保たれている。前方側の連結部材32には正面視T字形の取付片321が一体に形成されている。この取付片321は図3に示した商品収納ラック20の梁部材24に係合するものであり、その上端は鉤状に折り曲げられ、かつ、脚片中央付近にはねじ孔322が形成されている。前記取付金具35は厚板鋼板により断面ハット形に形成され、それぞれの鍔部が挟持部材31にねじ止めされている。取付金具35の頭部にはねじ351が螺着されており、このねじ351を介して図3に示した商品収納ラック20における後方側の縦フレーム材23,23に固着される。なお、37は左右一対の挟持部材31,31の脚端部に植設された一対の幅規制部材である。
前記商品支持ユニット30の後方に配設された商品搬出機構34はベース341とカバー342とからなる箱体の内部に搬出機構が組み込まれたものであり、その搬出機構を図6に示す。図6は前記商品搬出機構34のカバー342を取り外した状態の斜め上方から見た斜視図である。図において、40は駆動源としてのソレノイドであり、このソレノイド40のプランジャー41にはストッパ部材42が連結されている。ストッパ部材42はプランジャー41の移動方向に平行な長孔43,43に段付ねじ421,421が遊嵌されており、プランジャー41の移動方向にスライド自在に配設されるとともに復帰ばね44が装着されている。また、前記ストッパ部材42の後端部には下方に延在する第1のストッパ45および第2のストッパ46が形成されている。なお、第2のストッパ46はベース341および左右の挟持部材31,31を連結する連結部材33に設けた開口(不図示)を貫通して下方に延在している。また、第2のストッパ46には図5の(b)に示したように先端に折り曲げにより後方側に向かって傾斜した押圧片462を備えた係止部材461が係止されている。
前記第1のストッパ45は一対の挟持部材31,31の後端部に位置し、第2のストッパ46は第1のストッパ45から所定距離だけ前方側に離れた位置に配置されている。そして、販売待機状態(ソレノイド40の非励磁状態)では第1のストッパ45が一対の挟持部材31,31により形成された間隙tに臨んで位置しており、第2ストッパ46が前記間隙tから左右方向にずれた位置に退避しており、ソレノイド40が励磁された販売時には第1のストッパ45が前記間隙tから退避し、第2のストッパ46が前記間隙tに臨むように移動するものである。なお、47はマイクロスイッチからなる商品検知スイッチ(売切れスイッチ)であり、マイクロスイッチの操作レバー471(図5の(b)参照)が一対の挟持部材31により形成される間隙tに臨むように配設されている。また、48はソレノイド40および商品検知スイッチ47に電源を供給する電源線と、商品検知スイッチ47からの検知信号を伝達する信号線が接続されたソケットであり、商品支持ユニット30に取付けられたコネクタに装着されるものである。
前述したように構成された商品支持ユニット30の商品収納ラック20への装着を、図3を参照しつつ以下に説明する。なお、図3では商品支持ユニット30を4段に架設した場合を例示しており、最上段の商品支持ユニット30を装着する場合を代表として説明することとする。まず、商品収納ラック20を構成する前方の縦フレーム材23,23の間から商品支持ユニット30を挿入する。この場合、左右の取付金具35,35が鉛直線上に並ぶように商品支持ユニット30を横倒しした状態で挿入する。これは前記左右の取付金具35,35が水平線上に位置する姿勢で商品支持ユニット30を縦フレーム材23,23の間に挿入すると前記取付金具35,35が左右の縦フレーム材23,23に当接して挿入の妨げとなるので、これを避けるためである。そして、商品支持ユニット30の取付金具35,35が前方の縦フレーム材23,23の間を通過した段階で商品支持ユニット30を元の姿勢に戻しつつ商品支持ユニット30を後方に移動させ、商品支持ユニット30の前方側の連結部材32(図5参照)に形成されたT字形の取付片321を梁部材24に係合させて仮固定する。次いで、商品支持ユニット30の取付金具35,35の頭部を、商品収納ラック20を構成する後方側の縦フレーム材23,23の内壁面に対峙させた状態でねじ351,351を螺合させてねじ止めする。この状態で商品支持ユニット30の前方側の連結部材32に形成されたT字形の取付片321を梁部材24にねじ止めする。このようにして商品収納ラック20に装着された商品支持ユニット30は前方側(商品補充側)が高く、後方側(商品搬出機構34側)が低くなるように傾斜した状態となる。
ここで、前記商品支持ユニット30に装填されるパウチ商品を図7に示す。図7の(a)に示すようにパウチ商品100は可撓性袋状容器102に硬質の合成樹脂からなる注出口部としてのスパウト104を固着し、当該スパウト104にキャップ106を装着してなる。前記スパウト104にはフランジ105が形成されており、図7の(a)の例ではフランジ105が1個のパウチ商品100、図7の(b)の例ではフランジ105が2個のパウチ商品200を示している。前記可撓性袋状容器102内にはスパウト104からゼリー状の飲食物が注入されており、可撓性袋状容器102が軟弱であることから起立させることが困難なものである。なお、107はスパウト104に設けられた接合フランジである。
次に前記商品支持ユニット30へのパウチ商品の装填(補充)について図8を用いて説明する。図ではパウチ商品100を装填する場合を示し、前記商品支持ユニット30の前方の商品補充口から白抜き矢印で表すように商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tにパウチ商品100を装填する。すなわち、前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の上方側にパウチ商品100のフランジ105を、そして、下方側に接合フランジ107を位置させつつ前記間隙tにスパウト104を挿入し、前記フランジ105を左右一対の挟持部材31,31に引っ掛ける。ここで、前記左右一対の挟持部材31,31の間に形成された間隙tはパウチ商品100のスパウト104の幅より大きくフランジ105の長さよりも短い所定の寸法に定められている。前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31にフランジ105を引っ掛けて吊下げられたパウチ商品100はその自重によりフランジ105が左右一対の挟持部材31,31上を滑動して後方に移動する。前記商品支持ユニット30の後方に移動したパウチ商品100は商品搬出機構34の第1のストッパ45(図5、図6参照)により係止され、販売順位一番の商品(以下、販売商品ともいう)として当該位置に停止した状態で吊下げ収容される。次に装填されたパウチ商品100は第1のストッパ45により係止された販売商品に当接して販売順位二番の商品(以下、次販売商品ともいう)として停止する。このようにして前記商品支持ユニット30に順次パウチ商品100を補充して収容した状態を図9に示し、パウチ商品100は重力により略鉛直線に沿った姿勢で整然と商品支持ユニット30に吊下げ収容される。
ここで、パウチ商品100は前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31にフランジ105を引っ掛けて吊下げ収容されるのであるが、パウチ商品100には図7に示したように、フランジ105以外にもキャップ106の下部が引っ掛け部として存在する。このため、パウチ商品100を商品支持ユニット30に装填する際、キャップ106(の下端)を前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31に引っ掛けて装填(誤装填)されるおそれがある。このような誤装填があるとキャップ106の下端が左右一対の挟持部材31,31の間隙tの間に嵌り込んで商品詰まりを生じたり、最悪の場合には脱落してしまうことがある。この問題の解決策として、フランジ105と接合フランジ107との間の厚み寸法taに対してキャップ106とフランジ105の間の厚み寸法tbは小さく形成(ta>tb)されていることを利用し、左右一対の挟持部材31,31を構成する鋼板の厚さを厚くしてキャップ106の下端を引っ掛けることができないようにすることが考えられる。しかしながら、左右一対の挟持部材31の材料として厚板鋼板を利用すると重量が増加するとともにコストが上昇する。そこで、この実施の形態では薄板鋼板を用いたとしても誤装填を防止することを可能とするため、間隙tをおいて対向配置された挟持部材31,31の脚端部を折り曲げてダブルホールドすることにより厚み規制部材36としている。このように薄板鋼板をダブルホールドすることによってフランジ105の下部を引っ掛けることを許容し、キャップ106の下部を引っ掛けることが困難となるので、引っ掛け部分を間違って装填するような誤装填が防止される。
なお、図7の(b)に示したフランジ105が2個のパウチ商品200においても、下側のフランジ105を引っ掛けて装填せねばならないところ、上側のフランジ105が引っ掛け部として存在していることから上側のフランジ105を引っ掛けるような誤装填のおそれがある。しかしながら、下部のフランジ105と接合フランジ107との間の寸法tcに対して2個のフランジ105の間の寸法tdが小さく形成(tc>td)されていることから、左右一対の挟持部材31,31の脚端部を折り曲げてダブルホールドすることにより誤装填を防止することができる。
また、パウチ商品100はフランジ105を商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31に引っ掛けて自重により滑らせるように構成されていることから、前記フランジ105と前記商品支持ユニット30の左右一対の挟持部材31,31の脚端部との摩擦抵抗が小さいことが望まれる。この要求に対しても間隙tをおいて対向配置された左右一対の挟持部材31,31の脚端部を折り曲げてダブルホールドしたこの実施の形態の商品収納ラックは有利である。すなわち、一般的に用いられる鋼板は切削加工を容易にするために一方の面に潤滑性の塗膜がコーティングされた塗膜鋼板であるから、この塗膜鋼板の一方の面(潤滑性の塗膜がコーティングされた面)が外側となるようにダブルホールド(図4等に参照符合36を付した部分)することによって、間隙tを形成する左右一対の挟持部材31,31の脚端部の上下両面が潤滑性の良好な面(摩擦抵抗が小さい面)となる。このため、パウチ商品100のフランジ105と左右一対の挟持部材31,31の脚端部との摩擦抵抗を小さくすることができる。更に、商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくすることによりパウチ商品100の自重による滑りが良くなる一方、前記商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくするとパウチ商品100自体は重力によって略鉛直線に沿った姿勢を維持し続けるので、図10に示すように左右一対の挟持部材31,31の脚端部の上下両面にパウチ商品100のフランジ105と接合フランジ107が同時に当接するようになる。この場合、左右一対の挟持部材31,31の脚端部をダブルホールドしていない場合にはパウチ商品100のフランジ105または接合フランジ107のいずれか一方と挟持部材31,31との脚端部との摩擦抵抗が大きくなる。一方、塗膜鋼板の一方の面(潤滑性の塗膜がコーティングされた面)が外側となるようにダブルホールドしたこの実施の形態の挟持部材31,31においては当該挟持部材31,31の脚端部の上下両面にパウチ商品100のフランジ105と接合フランジ107が同時に当接したとしても両者の摩擦抵抗を小さくすることができる。したがって、パウチ商品100の自重による滑りをよくするために前記商品支持ユニット30の傾斜角度を大きくすることができ、商品支持ユニット30へのパウチ商品の収容をスムーズに行うことができる。なお、挟持部材31,31を構成する塗膜鋼板としてダブルホールドするために薄板であることが望ましく、薄板の塗膜鋼板を用いた場合には重量の軽減化に寄与するものである。
更に、図7に示したようなパウチ商品においては中身飲食物が異なるもの、或いは可撓性袋状容器102に充填された飲食物の内容量の相違によってフランジ105の幅寸法L1,L2(例えば、L1<L2)が異なっている。特に、可撓性袋状容器102に充填された飲食物が同一で内容量の異なるパウチ商品においては外形が類似していることから誤って装填されるおそれがある。そこで、本発明の実施の形態では図8に示したように、左右一対の挟持部材31,31の脚端部に近接して植設された一対の幅規制部材37を設けている。この一対の幅規制部材37の間の幅寸法L0はパウチ商品のフランジ105の幅寸法L1,L2(図6参照)に対してL1<L0<L2(但し、L1<L2である場合)と定められている。したがって、フランジ105の寸法がL0以下のパウチ商品については左右一対の挟持部材31,31の間に挿入して装填することを許容し、フランジ105の寸法がL0以上のパウチ商品については幅規制部材37により装填が阻止され、これにより種類の異なるパウチ商品の誤装填が防止される。なお、図8では幅規制部材37として専用の部材を植設したものについて説明したが、左右一対の挟持部材31,31と、この挟持部材31,31を連結する連結部材32とを固着するねじを利用することもでき、この場合には部品点数を削減することができる。
次に、この実施の形態である自動販売機における商品収納室12,13,14の冷却・加熱動作について図2を用いて説明する。まず、商品収納室13,14(ホット/コールド兼用室)をコールド室として使用する場合にはヒーター8をオフし、圧縮機3,凝縮器4で圧縮,凝縮された冷媒を蒸発器6に送り、蒸発器6で熱交換した冷気を庫内ファン7でシュータ2の下側から庫内に吹き出して商品収納ラック20,141内の商品を冷却し、循環用ダクト9を介して蒸発器6に戻す経路を通って循環するような冷気循環を行う。一方、商品収納室13,14をホット室として使用する場合は前記蒸発器6への冷媒を停止させてヒーター7をオンにし、上記と同様に暖気の循環を行って商品を加熱する。前記商品収納室13,14のホット/コールド室への切り替えは季節の変わり目などに行われる。一方、コールド専用室である商品収納室12は、蒸発器6で熱交換した冷気を庫内ファン8でシュータ2の下側から庫内に吹き出して商品収納ラック121内の商品を冷却し、循環用ダクト9を介して蒸発器6に戻す経路を通って循環する冷気循環が行われている。なお、商品収納ラック20が収納された商品収納室13をホット/コールド兼用室としているが、これはパウチ商品としてホット商品として販売する商品が出現した場合に備えたものである。
前述したように販売適温に冷却若しくは加熱された商品の販売について次に説明する。図11は商品搬出機構34の動作時における第1のストッパ45,第2のストッパ46の動作を示すものであり、商品搬出機構34の全体構成を示す図6をも参照しながら販売動作について説明する。
販売待機状態においてはソレノイド40が非励磁状態にあり、第1のストッパ45が左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tの位置に突出して販売商品を係止しており、販売商品と次販売商品との間に位置する第2のストッパ46が左右一対の挟持部材31,31の間の間隙tの位置から退避している。この状態においてマイクロスイッチからなる商品検知スイッチ(売切れスイッチ)47の操作レバー471が販売商品に当接して商品検知信号を出力している。いま、外扉10(図1参照)に設けられた商品選択ボタンが操作されると不図示の制御部から対応する商品払出機構34(ソレノイド40)に所定時間幅の励磁信号が供給される。これによりソレノイド40が励磁されると図6に示したプランジャー41を介してストッパ部材42が左右方向(図6では右方向)に移動する。これにより第1のストッパ45および第2のストッパ46が図11において左方向に移動し、第1のストッパ45が間隙tから退避し、第2のストッパ46が間隙tに突出する。前記第1のストッパ45の間隙tからの退避により販売商品は第1のストッパ45による係止が解かれる。これと同時に第2のストッパ46が間隙tに突出するように移動する過程において当該第2のストッパ46に設けた係止部材461の押圧片462が販売商品の後方を押圧して販売商品を商品支持ユニット30から排出させた後、第2のストッパ46が間隙tに突出する。販売商品が搬出されると次販売商品以降の商品は支えを失うので順次商品支持ユニット30の後端部に向かって滑動して間隙tに突出した第2のストッパ46に係止されて一旦保持される。
次いで、前記ソレノイド40への励磁信号が遮断されるとプランジャー41が復帰ばね44により元の位置(図6の状態)に復帰して第1のストッパ45が間隙tの位置に突出し、第2のストッパ46が間隙tから退避する。前記第2のストッパ46が間隙tから退避すると第2のストッパ46に保持されていた次販売商品以降の商品は商品支持ユニット30の後端部に向かって滑動し、間隙tに突出した第1のストッパ45に係止されて販売待機状態となる。なお、前記商品搬出機構34により搬出されて商品支持ユニット30の後端部から落下する商品は図2に示したシュータ50の上に直接、若しくは図3に示した商品案内部材27を介してシュータ50の上に落下し、当該シュータ50に形成されたリブ52の上を滑動して商品取出口に送出される。ここで、パウチ商品は図7に示したように角型に形成されているので周縁に角部が形成されている。このため、シュータ50にリブ53が形成されていない場合にはパウチ商品の角部がシュータ50に無数に穿孔された穴に引っ掛かって商品詰りを起すおそれがあるが、リブ53を備えたシュータ50においてはパウチ商品がシュータ50の平板面より浮き上がった状態で滑動することからパウチ商品の角部がシュータ50の平板面に形成された穴に引っ掛かるおそれはなく、商品を安定して送出することができる。
さて、図1には本発明に係る商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラック121,141と並設した自動販売機を示している。これは、自動販売機で多種多様の商品(缶入り飲料などに代表される容器が硬質である商品やパウチ商品で代表される容器が比較的軟弱である商品等)を販売可能としたものであるが、多種多様の商品を販売可能とするにあたりその構成を大幅に変更することなく既設の自動販売機にも適用できることが望ましい。そこで、この実施の形態においてはパウチ商品を収容可能な商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラックと互換性を持たせて(サーペンタイン式商品収納ラックを搭載した)既設の自動販売機にも本発明に係る商品収納ラック20を搭載可能としたものである。この場合、公知のサーペンタイン式商品収納ラックを自動販売機の商品収納庫に配設する方法として次の二種類の方式がある。第1の方式は自動販売機の天井面に前後方向に延在する本体側フック金具が敷設され、この本体側フック金具に商品収納ラック121,141を引っ掛ける引っ掛け方式であり、第2の方式は自動販売機の天井面に左右方向に延在する本体側フック金具が敷設され、この本体側フック金具に商品収納ラック121,141を固着する固着方式である。前記引っ掛け方式は例えば特開2005−122596号公報にも記載されているとおり、商品収納ラック121,141を構成する左右一対のラック側板の上端に前記本体側フック金具のフックに係合するラック側フックを設け、当該ラック側フックを前記本体側フック金具のフックに係合させたものであり、この引っ掛け方式では本体側フック金具をガイドとして商品収納ラック121,141をスライドさせることにより庫内に格納、または庫内から引出すことができる。一方、固着方式は例えば特開平9−288768号公報にも記載されているとおり、商品収納ラック121,141を構成する左右一対のラック側板にラック側フック金具を架設し、このラック側フック金具を前記本体側フック金具のフックに係合させて両者をねじ止めしたものである。
本発明の実施の形態では後者の固着方式の場合を示しており、図3に示したように、商品収納ラック20を構築する左右一対の上部支持フレーム材21,21に跨ってラック側フック金具28が固着されており、このラック側フック金具28を本体キャビネット1の商品収納庫の天井に敷設した本体側フック金具1c(図2参照)に係合させてねじ止めするように構成されている。なお、前者の引っ掛け方式が採用された自動販売機に対しては図3に示したラック側フック金具28,28に代えて前後方向に延在するラック側フック金具を取り付けることもでき、また、アダプター部材を介在させることもできる。
なお、本発明の実施の形態においては、前述したように本発明に係る商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラックと構造上の互換性を持たせ、既設の自動販売機のサーペンタイン式商品収納ラックと交換することができるうえに電気的にも互換性を持たせている。すなわち、サーペンタイン式商品収納ラックの商品搬出機構においては販売商品を係止する下ストッパと次販売商品を係止する上ストッパとをソレノイドにより駆動することによって前記下ストッパおよび上ストッパを商品搬出通路に交互に突出させている。これに鑑み、この実施の形態に係る商品収納ラック20においても商品搬出機構34の駆動源としてソレノイド40を用い、このソレノイド40によりストッパ部材42を駆動して販売商品を係止する第1のストッパ45および次販売商品を係止する第2のストッパ46が左右一対の挟持部材31の隙間tに交互に出没するように構成したものである。また、商品収納ラック20に装填された商品を検出する商品検知スイッチ47(図4,図5参照)を備えており、この商品検知スイッチ47から商品の売切れ検知信号を出力するように構成されている。このような商品搬出機構34および商品検知スイッチ47を用いることによりサーペンタイン式商品収納ラックの商品搬出機構に供給される電源や制御信号により商品搬出機構34が商品搬出動作を実行し、商品検知スイッチ47が自動販売機の制御部に売切れ信号を送出する。つまり、サーペンタイン式商品収納ラックを搭載した既設の自動販売機の制御プログラムを何ら変更することなく本発明に係る商品収納ラック20をサーペンタイン式商品収納ラックと交換して配線接続を行うことによって直ちに自動販売機を稼動させることができるものである。
さて、前述したスラント式商品収納ラックを搭載した自動販売機の冷却/加熱ユニット60(図2参照)の保守・点検若しくは冷却/加熱ユニット60を交換する際、冷却/加熱ユニット60はシュータ50の下部背面に配設されていることからシュータ50を取外す必要があり、次にこのシュータ50の取り外しについて説明する。図3に示したようにシュータ50の後端はその後端部に形成された爪51を商品収納ラック20を構成する商品案内部材27の係止面271に形成された係止溝272に係合させて商品収納ラック20に係止されている。また、シュータ50の前端は本体キャビネット1の底壁1aの前縁に配設される化粧枠1bを取付けるための取付金具にねじにより固着されている。そこで、シュータ50を取外すには、シュータ50の前端を取付金具に固定している前記ねじを緩めて取外した後、前記シュータ50の前端を化粧枠1bの上方に持ち上げたうえで前方に引っ張ると、シュータ50の後端部の爪51が商品案内部材27の係止溝272から引き抜かれるので、シュータ50を庫内から取り出すことができる。そして、冷却/加熱ユニット60の保守・点検若しくは交換作業終了後、前記シュータ50は前述した取り外し作業と逆の手順により装着される。
なお、前述した実施の形態においてはシュータ50を着脱自在とした例について説明したが、シュータ50の後端部を商品収納ラックに回動自在に軸支し、当該軸支点を中心に前端を上方に跳ね上げるように構成することもできるものである。このようにシュータ50を跳ね上げる際、図3に示した固定金具231がシュータ50の移動を妨げる場合には当該固定金具231を取外せばよい。このようにシュータ50を跳ね上げ方式とする場合にはシュータ50庫内から取り出す必要がないという利点を有する。
前述したとおり本発明の実施の形態1に係る自動販売機においては、本体キャビネット1の庫内下部に前下がりに傾斜したシュート50および冷却/加熱ユニット60が配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材21,22,23により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材23,23に上下方向に複数段架設され、商品(パウチ商品100,200)の引っ掛け部(フランジ105)を支持し、かつ、前方側(商品投入側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構34を有する商品支持ユニット30を設けてなるスラント式商品収納ラック20を備えた自動販売機において、前記シュータ50の後端側を前記スラント式商品収納ラック20に着脱自在、若しくは可動自在に係止したことにより、前記シュータ50を取外すこと若しくはシュータ50の後端部(スラント式商品収納ラックとの係止部)を支点としてシュータ50を揺動させることができるので、シュータ50の下部背面に配設された冷却/加熱ユニットの保守・点検作業を容易に行うことができるという利点を有する。
次に、本発明の実施の形態2である自動販売機について図12を用いて説明する。図12は本発明の実施の形態2である自動販売機における要部(シュータ)の斜視図である。本発明の実施の形態2における自動販売機が実施の形態1における自動販売機と相違する点は図12に示したシュータの構造であり、その他は同一であるのでここでは異なる点のみを説明する。
図12において、500でシュータを示し、このシュータ500は全体として階段状に形成され、傾斜した平面部501と起立部502を順次繰り返してなる。前記起立部502には通風孔502aがそれぞれ穿孔されている一方、前記平面部501には通風孔は穿孔されていない。また、シュータ500の後端部には実施の形態1と同様に爪503が形成され、シュータ500の前端にはねじの挿通穴504が形成されてなり、前記爪503は図3に示した商品収納ラック20における商品案内部材27の係止溝272に挿入係止され、挿通穴504には取付金具に螺合するねじが挿入される。なお、図12ではシュータ500が平面部501と起立部502を順次繰り返してなること、つまり階段状に形成されてことを理解し易くするために補強部材を省略しているが、シュータ500は補強部材により補強されているものである。
かかるシュータ500においては冷却/加熱ユニット60(図2参照)から吹き出された冷気若しくは暖気が起立部502に穿孔した通風孔502aを介して循環する一方、シュータ500に介して送出されるパウチ商品100は平面部501の上を滑動する。したがって、シュータ500により送出されるパウチ商品100が通風孔502aに引っ掛かることがないのでパウチ商品100を安定して送出することができ、しかも冷却/加熱ユニット60からの冷気若しくは暖気を通風孔502aにより循環させることができるので冷却/加熱ユニット60による冷却/加熱性能を損なうことがない。
なお、前述した各実施の形態においては飲み口部分に引っ掛け部を有する商品として、容器形態が軟弱なパウチ商品100,200について説明したが、これに限るものではない。例えば、容器形態が硬質であっても起立させることが困難な商品や横倒し姿勢で転動させることが困難であり、かつ、飲み口部分に引っ掛け部を有する商品や容器形状が異形であって飲み口部分にキャップなどが装着された商品にも本発明に係る商品収納ラックを適用することができるものであり、実施の形態に限定されるものではない。また、商品収納ラック20を構築するフレーム材の構成や商品収納ラックに架設する商品支持ユニットの段数並びに商品支持ユニットと商品収納ラックを構築するフレーム材との係合手段等も実施の形態に限定されるものではない。
1…本体キャビネット、1c…本体側フック金具、2,50,500…シュータ、3…圧縮機、4…凝縮器、6…蒸発器、9…風胴、10…外扉、12,13,14…商品収納庫、15…内扉、20…商品収納ラック、21…上部支持フレーム材、22…下部支持フレーム材、23…縦フレーム材、24…梁部材、25…背板、26…側面板、28…ラック側フック金具、30…商品支持ユニット、31…挟持部材、32,33…連結部材、34…商品搬出機構、36…厚み規制部材(ダブルホールド)、37…幅規制部材、40…ソレノイド(駆動源)、41…プランジャー、42…ストッパ部材、44…復帰ばね、45…第1のストッパ、46…第2のストッパ、47…商品検知スイッチ(売切れスイッチ)、51,503…爪、100,200…パウチ商品、102…可撓性容器、104…スパウト、105…フランジ、106…キャップ、107…固定リング、272…係止溝。

Claims (2)

  1. 本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュータおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータの後端側を前記スラント式商品収納ラックに着脱自在若しくは可動自在に係止したことを特徴とする自動販売機。
  2. 本体キャビネットの庫内下部に前下がりに傾斜したシュートおよび冷却/加熱ユニットが配設された自動販売機であって、上下左右のフレーム材により商品収納ラックの枠体を構築し、左右のフレーム材に上下方向に複数段架設され、商品の引っ掛け部を支持し、かつ、前方側(商品補充側)に対して後方側が低くなるよう傾斜して前記商品をその自重により滑らせて吊下げ収容するとともに後端部に商品搬出機構を有する商品支持ユニットを設けてなるスラント式商品収納ラックを備えた自動販売機において、前記シュータは平面部と起立部を順次繰り返す階段状に形成されてなり、前記起立部に冷却/加熱ユニットからの冷気/暖気を循環させる通風孔を穿孔してなることを特徴とする自動販売機。
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