JP5316114B2 - 半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
半導体記憶装置(メモリ)として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)等の研究が行われている。MRAMでは、電気抵抗に高抵抗状態及び低抵抗状態の2つの状態が生じるように抵抗変化素子が構成され、2値(“0”及び“1”)の記憶が可能となっている。MRAMでは、例えばTMR(Tunnel Magneto-Resistance)素子等の磁気抵抗変化素子が各メモリセルに設けられている。TMR素子には、磁化の向きが固定された強磁性層(固定層)、磁化の向きが可変な強磁性層(自由層)、及びこれらの間に設けられた絶縁層(障壁層)が設けられている。このようなTMR素子は、自由層の磁化の向きが固定層の磁化の向きと一致しているとき(平行)に低抵抗状態なり、自由層の磁化の向きが固定層の磁化の向き逆向きのとき(反平行)に高抵抗状態となる。自由層の磁化の向きを変化させる方法としては、各メモリセルに設けられた特定の配線(書き込み用ワード線とよばれることがある)に電流を流すことにより、これに伴って生じる磁場を自由層に印加する方法がある。この方法を採用する構造は書き込み配線型とよばれることがある。また、TMR素子に直接電流を流し、これに伴って発生するスピントルク効果を利用する方法がある。この方法を採用する構造はスピン注入型とよばれることがある。なお、自由層の磁化の向きを変化させるために必要な電流は、素子の大きさに比例する。スピン注入型には、電流に伴う磁場を印加する方法を採用した構造とは異なり、磁化の向きを制御するための配線(書き込み用ワード線)が不要である。このため、高密度化に好適である。また、上述のように、自由層の磁化の向きを変化させるために必要な電流が素子の大きさに比例するため、微細化するほど情報の書き換えに必要な電流を小さくすることができる。従って、近年では、スピン注入型のMRAMが注目を浴びている。
また、MRAMには、磁気抵抗変化素子が低抵抗状態、高抵抗状態のいずれであるかの判定に用いられる参照セルアレイが設けられている。参照セルアレイは、図1に示すように、4個の磁気抵抗変化素子から構成されている。これらの磁気抵抗変化素子は、各メモリセルを構成する磁気抵抗変化素子と並行して同じ条件で形成されている。そして、4個の磁気抵抗変化素子のうち、2個の磁気抵抗変化素子が低抵抗状態に設定され、残りの2個の磁気抵抗変化素子が高抵抗状態に設定されている。また、1個の低抵抗状態の磁気抵抗変化素子と1個の高抵抗状態の磁気抵抗変化素子とが直列に接続され、これらの2つの組み合わせが並列に接続されている。従って、低抵抗状態の抵抗値をRL、高抵抗状態の抵抗値をRHとすると、参照セルアレイの抵抗値は「(RL+RH)/2」となる。つまり、参照セルアレイの抵抗値は、抵抗値RL及び抵抗値RHの平均値となっている。
このため、参照セルアレイを流れる電流と、メモリセルを流れる電流とを比較すれば、当該メモリセルを構成する磁気抵抗変化素子が低抵抗状態なのか高抵抗状態なのかを判定することができる。つまり、磁気抵抗変化素子が低抵抗状態であれば、当該メモリセルを参照セルアレイよりも大きな電流が流れ、磁気抵抗変化素子が高抵抗状態であれば、当該メモリセルを参照セルアレイよりも小さな電流が流れるため、抵抗状態を把握することができる。そして、これらの抵抗状態に2値(“0”及び“1”)を対応させておけば、2値の読み出しが可能である。
しかしながら、2値の読み出しを適切に行うことができない場合がある。
特許第3531628号公報 特許第4170108号公報
2002 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, P158-161
本発明の目的は、磁気抵抗変化素子を備えたメモリセルに記憶された情報を適切に読み出すことができる半導体記憶装置及びその製造方法を提供することにある。
半導体記憶装置の一態様には、記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイと、前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段と、が設けられている。更に、前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を記憶する記憶手段と、前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段と、が設けられている。前記制御情報は、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられている。
半導体記憶装置の製造方法の一態様では、記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを形成し、参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイを形成する。また、前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段を形成する。更に、前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を作成し、前記制御情報を記憶する記憶手段を形成する。また、前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段を形成する。前記制御情報として、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられたものを作成する。
上記の半導体記憶装置等によれば、適切な制御情報に基づいて参照抵抗値が得られるため、メモリセルに記憶された情報を適切に読み出すことができる。
参照アレイの構成を示す回路図である。 抵抗値の分布と参照抵抗値との関係を示す図である。 抵抗値の分布と参照抵抗値のばらつきとの関係を示す図である。 実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルアレイ51の一部を示す図である。 実施形態に係る半導体記憶装置の参照セルアレイ53の一部を示す図である。 メモリセルアレイ51の構造を示す断面図である。 磁気抵抗変化素子1mの構造を示す断面図である。 磁気抵抗変化素子1m及び1rの特性を示す図である。 メモリセルアレイ51を製造する方法を工程順に示す断面図である。 図10Aに引き続き、メモリセルアレイ51を製造する方法を工程順に示す断面図である。 磁気抵抗変化素子1mを形成する方法を工程順に示す断面図である。 図11Aに引き続き、磁気抵抗変化素子1mを形成する方法を工程順に示す断面図である。 制御情報を作成する方法を示すフローチャートである。 実施形態における抵抗値の分布と参照抵抗値との関係を示す図である。 実施形態の変形例におけるメモリセルアレイ51の構造を示す断面図である。
本願発明者が、従来の半導体記憶装置の読み出しについて検討を行った結果、メモリセルを構成する磁気抵抗変化素子の高抵抗状態での抵抗値に大きなばらつきがあることを見出した。本願発明者は、メモリセルアレイについては、低抵抗状態での抵抗値が1000Ω、高抵抗状態での抵抗値が1600Ωとなるように、1024個の磁気抵抗変化素子を作製し、参照セルアレイについては、その抵抗値(参照抵抗値)が1300Ωとなるように4個の磁気抵抗変化素子を作製した。この結果、図2に示すように、メモリセルアレイ用の磁気抵抗変化素子の高抵抗状態での抵抗値のばらつきが大きくなった。このため、高抵抗状態での抵抗値の最小値と参照抵抗値との差が、低抵抗状態での抵抗値の最大値と参照抵抗値との差よりも極端に小さくなった。このことは、動作マージンが狭いことを意味する。このような現象が生じるのは、次のような理由による。低抵抗状態を得るためには、自由層の磁化の向きを固定層の磁化の向きと同方向に揃えればよいので、ばらつきが生じにくいが、高抵抗状態を得るためには、自由層の磁化の方向を固定層の磁化の向きと反平行に揃える必要があるので、その揃え具合にばらつきが生じやすいのである。そして、動作マージンが狭いために、誤判定が生じることがある。
また、本願発明者は、参照セルアレイを構成する4個の磁気抵抗変化素子の抵抗値にもばらつきが生じることがあり、このばらつきに伴って参照抵抗値が大きく変動することがあることも見出した。例えば、上記のように、1300Ωとなるように参照セルアレイを作成しても、実際には、図3に示すように、参照抵抗値が1440Ωとなることもある。この場合、高抵抗状態での抵抗値が1440Ω未満となっているメモリセルアレイ用の磁気抵抗素子については、常に低抵抗状態と判定されてしまう。つまり、この磁気抵抗素子を備えたメモリセルは判定不可能となってしまう。
なお、参照セルアレイを冗長的に複数設けておき、参照抵抗値が設計値に近いものを選択するように構成しても、多くの参照セルアレイを設けておかなければ、適切な参照セルアレイが得られないこともあり得る。また、参照抵抗値が設計値に近いとしても、上述のように、動作マージンが狭くなることは避けられない。
本願発明者は、このような知見に基づき、適切な読み出しを可能にすべく、次のような実施形態に想到した。
(実施形態)
以下、実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図4は、実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態には、複数のメモリセルが縦横にアレイ状に配列したメモリセルアレイ51、並びにこのメモリセルアレイ51への情報の書き込み時及びメモリセルアレイ51からの情報の読み出し時に制御を行う制御回路52が設けられている。また、複数の参照セルが縦横にアレイ状に配列した参照セルアレイ53、並びにこの参照セルアレイ53を流れる電流を制御する制御回路54が設けられている。また、参照セルアレイ53を構成する複数の参照セルのうちのどれを動作させるかという、予め作成された制御情報を記憶した記憶部55が設けられている。制御情報は、制御回路54により使用される。更に、本実施形態には、メモリセルアレイ51のうちの選択されたメモリセルを流れる電流と、参照セルアレイ53を流れる電流とを比較し、この比較結果に応じて当該メモリセルに2値(“0”及び“1”)のどちらが記憶されているかを判定する判定器56が設けられている。
図5は、実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルアレイ51の一部を示す図である。図5(a)は回路図であり、図5(b)は、図5(a)中の二点鎖線で示す部分のレイアウトを示す図である。
メモリセルアレイ51には、複数のメモリセルが縦横にアレイ状に配置されている。図5(a)には、そのうちの4個を示しており、図5(b)には、そのうちの2個を示している。各メモリセルには、1個のワード線WLm、1個のビット線BLm及び1個の信号線SLmが設けられている。例えば、ワード線WLmは縦方向に並ぶ複数のメモリセルに共有され、ビット線BLm及び信号線SLmは横方向に並ぶ複数のメモリセルに共有されている。また、各メモリセルには、1個の磁気抵抗変化素子1m及びトランジスタTrmが設けられている。ワード線WLmはトランジスタTrmのゲート電極を兼ねている。トランジスタTrmのソース/ドレインの一方は信号線SLmに接続されており、他方は磁気抵抗変化素子1mの一方の電極に接続されている。磁気抵抗変化素子1mの他方の電極はビット線BLmに接続されている。
図6は、実施形態に係る半導体記憶装置の参照セルアレイ53の一部を示す図である。図6(a)は回路図であり、図6(b)は、図6(a)中の二点鎖線で示す部分のレイアウトを示す図である。
参照セルアレイ53には、複数の参照セル、例えば16個の参照セルが縦横にアレイ状に配置されている。図6(a)には、そのうちの4個を示しており、図6(b)には、そのうちの2個を示している。各参照セルには、1個のワード線WLr、1個のビット線BLr及び1個の信号線SLrが設けられている。例えば、ワード線WLrは縦方向に並ぶ複数のメモリセルに共有され、ビット線BLr及び信号線SLrは横方向に並ぶ複数のメモリセルに共有されている。また、各参照セルには、1個の磁気抵抗変化素子1r及びトランジスタTrrが設けられている。ワード線WLrはトランジスタTrrのゲート電極を兼ねている。トランジスタTrrのソース/ドレインの一方は信号線SLrに接続されており、他方は磁気抵抗変化素子1rの一方の電極に接続されている。磁気抵抗変化素子1rの他方の電極はビット線BLrに接続されている。
このように、参照セルは、メモリセルと同様の構成を備えている。
次に、メモリセルアレイ51の断面構造について説明する。図7は、メモリセルアレイ51の構造を示す断面図である。図7(a)は、図5(b)中のI−I線に沿った断面図であり、図7(b)は、図5(b)中のII−II線に沿った断面図である。ここでは、1個のメモリセルについて説明する。
本実施形態では、図7に示すように、シリコン基板等の半導体基板11の表面に素子領域を画定する素子分離絶縁膜12が、STI(shallow trench isolation)法等により形成されている。そして、素子領域にトランジスタTrmが形成されている。半導体基板11上に、トランジスタTrmを覆う層間絶縁膜13が形成され、層間絶縁膜13内に、トランジスタTrmのソース/ドレインの一方に接続されたプラグ14及び他方に接続されたプラグ15が形成されている。層間絶縁膜13上に、信号線SLm及び導電層22が形成されている。信号線SLmはプラグ14に接続され、導電層22はプラグ15に接続されている。層間絶縁膜13上に、信号線SLm及び導電層22を覆う層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16内に、導電層22に接続されたプラグ17が形成されている。
層間絶縁膜16上に、プラグ17に一方の電極(下部電極)が接続された磁気抵抗変化素子1mが形成されている。層間絶縁膜16上に、磁気抵抗変化素子1mを覆うシリコン窒化膜18が保護膜として形成されている。シリコン窒化膜18の厚さは、例えば20nm〜50nm程度である。シリコン窒化膜18上に層間絶縁膜19が形成されている。シリコン窒化膜18及び層間絶縁膜19内に、磁気抵抗変化素子1mの他方の電極(上部電極)に接続されたプラグ20が形成されている。層間絶縁膜19上に、プラグ20に接続されたビット線BLmが形成されている。そして、層間絶縁膜19上に、ビット線BLmを覆う層間絶縁膜21が形成されている。層間絶縁膜21の上方には、他の配線及びパッシベーション膜等が形成されている。
参照セルアレイ53の断面構造は、トランジスタTrm、磁気抵抗変化素子1m、ワード線WLm、ビット線BLm及び信号線SLmに代えて、トランジスタTrr、磁気抵抗変化素子1r、ワード線WLr、ビット線BLr及び信号線SLrが形成されていることを除き、メモリセルアレイ51の断面構造と同様である。つまり、図6(b)中のIII−III線に沿った断面は、上記の相違点を除き、図7(a)と同様であり、図6(b)中のIV−IV線に沿った断面は、上記の相違点を除き、図7(b)と同様である。
次に、磁気抵抗変化素子1mの構造について説明する。図8は、磁気抵抗変化素子1mの構造を示す断面図である。
図8に示すように、磁気抵抗変化素子1mには、プラグ17と接する下部電極101、並びに下部電極101上に順次形成された反強磁性層102、固定磁性層103、トンネル酸化膜104、自由磁性層105及び上部電極106が含まれている。下部電極101としては、例えば、厚さが5nm〜50nm程度(例えば5nm)のTa膜が用いられる。反強磁性層102としては、例えば、厚さが10nm〜30nm程度(例えば15nm)のPtMn膜が用いられる。固定磁性層103としては、例えば、厚さが2nm〜4nm程度(例えば3nm)のCoFeB膜が用いられる。トンネル酸化膜104としては、例えば、厚さが0.5nm〜2nm程度(例えば1nm)のMg酸化膜が用いられる。自由磁性層105としては、例えば、厚さが1nm〜3nm程度(例えば2nm)のCoFeB膜が用いられる。上部電極106は、例えば、厚さが1nm〜15nm程度(例えば10nm)のRu膜と、その上に形成された厚さが2nm〜50nm程度(例えば40nm)のTa膜とから構成されている。
磁気抵抗変化素子1rは磁気抵抗変化素子1mと同様に構成されている。
ここで、上述のように構成された磁気抵抗変化素子1m及び1rの特性について説明する。図9は、磁気抵抗変化素子1m及び1rの特性を示す図である。ここでは、磁気抵抗変化素子1m及び1rの高抵抗状態での抵抗値が1600Ω、低抵抗状態での抵抗値が1000Ωであるとする。
先ず、磁気抵抗変化素子1m及び1rが高抵抗状態にあるとする。つまり、自由磁性層105の磁化の向きが固定磁性層103の磁化の向きと反平行になっているとする。この状態で、磁気抵抗変化素子1m及び1rに正の電圧(下部電極101の電位が上部電極106の電位よりも低くなる電圧)を印加すると、図9に示すように、ヒステリシス線H11に沿って電流が増加する。そして、電圧が0.8V程度に達すると、自由磁性層105の磁化の向きが反転して、固定磁性層103の磁化の向きと平行になる。この結果、磁気抵抗変化素子1m及び1rが低抵抗状態に変化し、電流が急激に増加する(ヒステリシス線H12)。その後、電圧を0Vまで低下させると、ヒステリシス線H13に沿って電流が減少する。このようにして、低抵抗状態の磁気抵抗変化素子1m及び1rが得られる。
また、低抵抗状態の磁気抵抗変化素子1m及び1rに負の電圧(下部電極101の電位が上部電極106の電位よりも高くなる電圧)を印加すると、図9に示すように、ヒステリシス線H14に沿って電流の絶対値が増加する(電流は負)。そして、電圧が−0.8V程度に達すると、自由磁性層105の磁化の向きが反転して、固定磁性層103の磁化の向きと反平行になる。この結果、磁気抵抗変化素子1m及び1rが高抵抗状態に変化し、電流の絶対値が急激に減少する(ヒステリシス線H15)。その後、電圧を0Vまで低下させると、ヒステリシス線H16に沿って電流が減少する。このようにして、高抵抗状態の磁気抵抗変化素子1m及び1rが得られる。
次に、制御回路52及び54について説明する。
制御回路52及び54には、従来のメモリセルアレイの駆動に用いられる行デコーダ及び列デコーダ等が含まれている。制御回路52は、メモリセルの選択、メモリセルへの書き込み、及びメモリセルからの読み出し等を行う。また、制御回路54は、記憶部55に記憶されている制御情報に基づいて、参照セルアレイ53内から2個の高抵抗状態の参照セル及び2個の低抵抗状態の参照セルのみを選択して、これらの4個の参照セルからなる参照セル群からの読み出しを行う。記憶部55には、参照セル群を構成する4個の参照セル及びこれらの接続関係を特定する制御情報が記憶されている。この制御情報には、1個の低抵抗状態の磁気抵抗変化素子1rと1個の高抵抗状態の磁気抵抗変化素子1rとが直列に接続され、これらの2つの組み合わせが並列に接続される接続関係の情報が含まれている。また、4個の磁気抵抗変化素子1rは、これらの合成抵抗の値(参照抵抗値Rr)が、メモリセルアレイ51を構成する全てのメモリセルの高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminと、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxとの平均値と同程度となるように制御情報内で特定されている。「同程度」とは、参照抵抗値Rrの平均値からのずれ量が、平均値と最小値Rmhmin又は最大値Rmlmaxとの相違の所定の範囲内(例えば10%以内)に収まる程度をいう。制御情報を作成する方法の詳細については後述する。
このように構成された本実施形態の半導体記憶装置におけるメモリセルアレイ51からの読み出しは、次のように行われる。
先ず、制御回路52が読み出しの対象となるメモリセルを特定し、そのワード線WLm及びビット線BLmを制御することにより、当該メモリセルの抵抗状態(高抵抗状態又は抵抗状態)に応じて、信号線SLmに電流が流れる。この電流は判定器56に入力される。
一方、制御回路54が記憶部55に記憶されている制御情報に基づいて、4個の参照セルのワード線WLr及びビット線BLrを制御することにより、これらの信号線SLrに電流が流れる。このとき、制御情報に基づいて4個の参照セルが選択され、その合成抵抗の値は、上述のように、メモリセルアレイ51を構成する全てのメモリセルの高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminと、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxとの平均値と同程度となる。従って、参照セルアレイ53から出力される電流の値は、最小値Rmhminをとる磁気抵抗変化素子1rを流れる電流の値と最大値Rmlmaxをとる磁気抵抗変化素子1rを流れる電流の値との平均値程度となる。参照セルアレイ53から出力される電流は判定器56に入力される。
そして、判定器56は、参照セルアレイ53から入力された電流の値を参照電流値Irとし、メモリセルアレイ51から入力された電流の値と参照電流値Irとの比較によって、当該メモリセルに記憶されている情報が“0”及び“1”のどちらであるかを判定する。
このような本実施形態では、参照抵抗値Rrが、メモリセルアレイ51を構成する全てのメモリセルの高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminと、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxとの平均値と同程度となっている。このため、磁気抵抗変化素子1mの高抵抗状態での抵抗値のばらつきが低抵抗状態でのばらつきよりも大きくなっていても、高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminと参照抵抗値Rrとの差は、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxと参照抵抗値Rrとの差と同程度である。従って、動作マージンを広く確保することができる。
また、磁気抵抗変化素子1rの抵抗値にばらつきが生じていても、参照抵抗値Rrが最小値Rmhminと最大値Rmlmaxとの平均値と同程度となるように、4個の参照セルが選択されるため、参照抵抗値Rrが最小値Rmhminより大きくなることはない。従って、正確な判定が可能である。
次に、メモリセルアレイ51を製造する方法について説明する。図10A〜図10Bは、メモリセルアレイ51を製造する方法を工程順に示す断面図である。図10A〜図10Bに示す断面は、図5(b)中のI−I線に沿った断面に相当する。
先ず、図10A(a)に示すように、半導体基板11の表面に素子領域を画定する素子分離絶縁膜12をSTI法等により形成し、素子領域にトランジスタTrmを形成する。このとき、トランジスタTrrも形成する。
次いで、図10A(b)に示すように、半導体基板11上に層間絶縁膜13を形成する。層間絶縁膜13としては、例えば化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)法によりシリコン酸化膜を形成する。その後、層間絶縁膜13に、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によりコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内にプラグ14及び15を形成する。プラグ14及び15の形成では、例えばスパッタリング法又はCVD法によりバリアメタル膜としてのTi窒化膜及びタングステン膜を形成し、これらを層間絶縁膜13の表面が露出するまで、例えば化学機械的研磨(CMP:chemical mechanical polishing)法により研磨する。
更に、層間絶縁膜13上に、信号線SLm及び導電層22を形成する。信号線SLm及び導電層22の形成では、層間絶縁膜13上にアルミニウム膜又は銅膜等の導電膜を形成し、この導電膜に対して、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によるパターニングを行う。信号線SLmの形成と並行して信号線SLrの形成も行う。
続いて、図10B(c)に示すように、層間絶縁膜13上に層間絶縁膜16を形成する。層間絶縁膜16としては、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。次いで、層間絶縁膜16に、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によりコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内にプラグ17を形成する。プラグ17の形成では、例えばスパッタリング法又はCVD法によりバリアメタル膜としてのTi窒化膜及びタングステン膜を形成し、これらを層間絶縁膜16の表面が露出するまで、例えばCMP法により研磨する。更に、層間絶縁膜16上に磁気抵抗変化素子1mを形成する。磁気抵抗変化素子1mの形成と並行して磁気抵抗変化素子1rの形成も行う。
なお、信号線SLm、信号線SLr及び導電層22の形成をダマシン法により行ってもよい。この場合、例えば、先ず、信号線SLm、信号線SLr及び導電層22と同等の厚さ分だけ層間絶縁膜16の一部(下層部分)を形成し、これに配線溝を形成する。次いで、この配線溝内にシード膜をスパッタリング法により形成し、その上にめっき法により銅膜を形成し、その後、CMP法による研磨を行う。そして、これらの上に層間絶縁膜16の残りの部分(上層部分)を形成する。同様に、プラグ17の形成をダマシン法により行ってもよい。この場合、例えば、層間絶縁膜16にコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホール内にシード膜をスパッタリング法により形成し、その上にめっき法により銅膜を形成し、その後、CMP法による研磨を行う。
その後、図10B(d)に示すように、層間絶縁膜16上に保護膜としてのシリコン窒化膜18を形成し、その上に層間絶縁膜19を形成する。シリコン窒化膜18は、例えばスパッタリング法又はCVD法により形成する。層間絶縁膜19としては、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。
続いて、層間絶縁膜19及びシリコン窒化膜18に、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によりコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内にプラグ20を形成する。プラグ20の形成では、例えばスパッタリング法又はCVD法によりバリアメタル膜としてのTi窒化膜及びタングステン膜を形成し、これらを層間絶縁膜19の表面が露出するまで、例えばCMP法により研磨する。
更に、層間絶縁膜19上に、ビット線BLmを形成する。ビット線BLmの形成では、層間絶縁膜19上にアルミニウム膜又は銅膜等の導電膜を形成し、この導電膜に対して、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によるパターニングを行う。ビット線BLmの形成と並行してビット線BLrの形成も行う。ビット線BLm及びBLrの形成後には、層間絶縁膜19上に層間絶縁膜21を形成する。層間絶縁膜21としては、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。
その後、層間絶縁膜21の上方に、他の配線及びパッシベーション膜等を形成し、メモリセルアレイ51及び参照セルアレイ53を完成させる。
ここで、磁気抵抗変化素子1m及び1rを形成する方法について説明する。図11A〜図11Bは、磁気抵抗変化素子1mを形成する方法を工程順に示す断面図である。図11A〜図11Bには、磁気抵抗変化素子1mに関する部分を図示するが、磁気抵抗変化素子1rの形成も並行して行われる。
先ず、図11A(a)に示すように、層間絶縁膜16上に、Ta膜101a、PtMn膜102a、CoFeB膜103a、Mg酸化膜104a、CoFeB膜105a、並びにRu膜及びTa膜の積層膜106aを、例えばスパッタリング法により、順次形成する。
次いで、1T程度の磁場中で、300℃〜350℃程度の熱処理を行うことにより、CoFeB膜103a及びCoFeB膜105aの磁化の方向を互いに平行なものとする。
その後、図11A(b)に示すように、積層膜106a、CoFeB膜105a、Mg酸化膜104a、CoFeB膜103a、PtMn膜102a、及びTa膜101aに対して、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によるパターニングを行うことにより、上部電極106、自由磁性層105、トンネル酸化膜104、固定磁性層103、反強磁性層102、及び下部電極101を形成する。
続いて、図11A(c)に示すように、層間絶縁膜16上にシリコン窒化膜18を形成する。磁気抵抗変化素子1m及び1rを構成する固定磁性層103及び自由磁性層105はFeを含有しているため、後に層間絶縁膜等を形成する際に水分等の影響により酸化しやすい。シリコン窒化膜18は、主に固定磁性層103及び自由磁性層105を水分等から保護し、酸化を抑制するために形成される。
次いで、図11B(d)に示すように、シリコン窒化膜18上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜19aを形成する。
その後、図11(e)に示すように、例えばCMP法等によりシリコン酸化膜19aの表面を平坦化することにより、層間絶縁膜19を形成する。そして、層間絶縁膜19及びシリコン窒化膜18にコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内にプラグ20を形成する。
このようにして、磁気抵抗変化素子1mを形成することができる。磁気抵抗変化素子1rも同様に形成することができる。
また、半導体記憶装置を製造する際には、メモリセルアレイ51及び参照セルアレイ53の他に、制御回路52及び54、記憶部55並びに判定器56等の形成も行う。これらの形成は、従来の半導体記憶装置を製造する際の処理と同様にして行うことができる。
次に、記憶部55に記憶させる制御情報について説明する。制御情報には、上述のように、合成抵抗を構成する4個の磁気抵抗変化素子1rを特定する情報が含まれている。ここでは、このような制御情報をどのように作成するかについて説明する。図12は、制御情報を作成する方法を示すフローチャートである。
上述の方法で形成された磁気抵抗変化素子1mでは、固定磁性層103の磁化の向きと自由磁性層105の磁化の向きとが同方向に揃っている。従って、磁気抵抗変化素子1mは低抵抗状態となっている。そこで、全てのメモリセルの低抵抗状態での抵抗値を測定する(ステップS11)。
次いで、低抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあるか判断する(ステップS12)。例えば、低抵抗状態での抵抗値が1000Ω、高抵抗状態での抵抗値が1600Ωとなるように、磁気抵抗変化素子1mを形成している場合、低抵抗状態での抵抗値抵抗値が1250Ωを超える磁気抵抗変化素子1mは基準外とする。
そして、低抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあれば、それを冗長メモリセルにより置換し(ステップS13)、再度、低抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあるか判断する(ステップS12)。
低抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがなければ、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxを記憶する(ステップS14)。この記憶は、抵抗値の測定に用いる装置に予め設けておいたメモリに行わせてもよく、単に紙等に記録しておくだけでもよい。
続いて、全てのメモリセルを高抵抗状態に変化させ、高抵抗状態での抵抗値を測定する(ステップS15)。
次いで、高抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあるか判断する(ステップS16)。例えば、低抵抗状態での抵抗値が1000Ω、高抵抗状態での抵抗値が1600Ωとなるように、磁気抵抗変化素子1mを形成している場合、高抵抗状態での抵抗値抵抗値が1350Ω未満の磁気抵抗変化素子1mは基準外とする。
そして、高抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあれば、それを冗長メモリセルにより置換し(ステップS17)、再度、低抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがあるか判断する(ステップS12)。
高抵抗状態での抵抗値が基準外のメモリセルがなければ、高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminを記憶する(ステップS18)。この記憶は、抵抗値の測定に用いる装置に予め設けておいたメモリに行わせてもよく、単に紙等に記録しておくだけでもよい。
このようなメモリセルアレイ51に関する処理とは別に、参照セルアレイ53についても処理を行う。上述の方法で形成された磁気抵抗変化素子1rでは、固定磁性層103の磁化の向きと自由磁性層105の磁化の向きとが同方向に揃っている。従って、磁気抵抗変化素子1rは低抵抗状態となっている。そこで、全ての参照セルの低抵抗状態での抵抗値を測定する(ステップS21)。
次いで、全ての参照セルの低抵抗状態での抵抗値Rrlnを記憶する(ステップS22)。この記憶は、抵抗値の測定に用いる装置に予め設けておいたメモリに行わせてもよく、単に紙等に記録しておくだけでもよい。また、「n」の値は、1から参照セルの個数までの自然数である。つまり、参照セルの個数が16であれば、「n=1、2、・・・、16」である。
続いて、全ての参照セルを高抵抗状態に変化させ、高抵抗状態での抵抗値を測定する(ステップS23)。
次いで、全ての参照セルの高抵抗状態での抵抗値Rrhnを記憶する(ステップS24)。この記憶は、抵抗値の測定に用いる装置に予め設けておいたメモリに行わせてもよく、単に紙等に記録しておくだけでもよい。
そして、ステップS18の処理及びステップS24の処理が終了した後、判定器56が行う比較に用いる参照セルを選択し、記憶部55に記憶させる(ステップS31)。この参照セルの選択に当たっては、先ず、最大値Rmlmaxと最小値Rmhminとの平均値を算出する。そして、参照セルの個数と同数の抵抗値Rrln、及び参照セルの個数と同数の抵抗値Rrhnを組み合わせて、参照セル群の合成抵抗の値が、最大値Rmlmaxと最小値Rmhminとの平均値と同程度となるものを算出する。
このようにして、制御情報を作成することができる。制御情報は、半導体記憶装置の製造時に作成して記憶部55に記憶させておいてもよく、また、メモリセルアレイ51への情報の書き込みの直前に作成して記憶部55に記憶させてもよい。つまり、不変の制御情報を予め記憶部55に記憶させておいてもよく、また、メモリセルアレイ51の起動のたびに、制御情報を作成し記憶部55に記憶させてもよい。また、記憶部55が制御回路54の内部に設けられていてもよい。
次に、本願発明者が実際に製造した半導体記憶装置について説明する。
先ず、低抵抗状態での抵抗値が1000Ω、高抵抗状態での抵抗値が1600Ωとなるように、32678個の磁気抵抗変化素子1mを作製した。このとき、ワード線WLmの数は512本、ビット線BLmの数は64本とした。また、磁気抵抗変化素子1mの作製と並行して、磁気抵抗変化素子1mと同じ条件で16個の磁気抵抗変化素子1rを作製した。このとき、ワード線WLrの数は4本、ビット線BLrの数は4本とした。全ての磁気抵抗変化素子1mが設計通りに作製されれば、参照抵抗値(狙い参照抵抗値)は1300Ωとなる。
次いで、32678個の磁気抵抗変化素子1mの高抵抗状態での抵抗値及び低抵抗状態での抵抗値を測定した。この結果、図13に示す分布が得られた。つまり、磁気抵抗変化素子1mの抵抗値は、低抵抗状態でも高抵抗状態でも設計通りとはならず、1000Ω、1600Ωからずれたものが多数存在した。また、高抵抗状態での抵抗値のばらつきが低抵抗状態での抵抗値のばらつきよりも大きくなった。更に、低抵抗状態での抵抗値の最大値Rmlmaxは1120Ωであり、高抵抗状態での抵抗値の最小値Rmhminは1420Ωであった。従って、これらの平均値は1270Ωであった。
従って、参照抵抗値は、平均値と同程度の1255Ω〜1285Ωであることが好ましい。つまり、1270Ωと、1120Ω及び1420Ωとの相違が150Ωであるため、参照抵抗値は、平均値からのずれ量が10%となる1255Ω〜1285Ωであることが好ましい。
その一方で、16個の参照セルについて、低抵抗状態での抵抗値及び高抵抗状態での抵抗値を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
Figure 0005316114
このような場合、例えば、低抵抗状態とした参照セルNo.5と高抵抗状態とした参照セルNo.14とを直列に接続し、低抵抗状態とした参照セルNo.13と高抵抗状態とした参照セルNo.8とを直列に接続し、これらの組み合わせを並列に接続すれば(図1)、約1271Ωの参照抵抗値が得られる。従って、この情報を制御情報として記憶部55に記憶させておけば、判定器56は適切な参照電流値を用いた比較及び判定を行うことができる。また、他の組み合わせを選択して、参照抵抗値が1270Ω程度になるようにしてもよい。
なお、メモリセル及び参照セルの構造はスピン注入型である必要はなく、書き込み配線型であってもよい。即ち、図14に示すように、層間絶縁膜16上に書き込みワード線32が設けられていてもよい。この場合、メモリセルでは、書き込みワード線32と磁気抵抗変化素子1mとの間に、層間絶縁膜33が形成され、この層間絶縁膜にプラグ34が形成される。また、プラグ34とプラグ17とを接続する導電層31が層間絶縁膜16上に形成され、プラグ34と磁気抵抗変化素子1mの下部電極101とを接続する導電層35が層間絶縁膜33上に形成される。参照セルの構造も同様である。
また、参照セルアレイ53に含まれる磁気抵抗変化素子1rの数は2個以上であれば特に限定されないが、4個以上であることが望ましく、チップ面積の観点から許容される範囲で可能な限り多いことが望ましい。参照セル群を構成する参照セルの選択の幅が広くなるからである。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、
参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイと、
前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段と、
前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置。
(付記2)
前記制御情報は、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられていることを特徴とする付記1に記載の半導体記憶装置。
(付記3)
前記参照抵抗値の前記平均値からのずれ量は所定の範囲内に収まっていることを特徴とする付記2に記載の半導体記憶装置。
(付記4)
前記所定の範囲は、前記平均値と前記最小値及び前記最大値との相違の10%であることを特徴とする付記3に記載の半導体記憶装置。
(付記5)
前記参照セルアレイは4個以上設けられており、
前記制御手段は、2個の低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び2個の高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を選択することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
(付記6)
記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを形成する工程と、
参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイを形成する工程と、
前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段を形成する工程と、
前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を作成する工程と、
前記制御情報を記憶する記憶手段を形成する工程と、
前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
(付記7)
前記制御情報として、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられたものを作成することを特徴とする付記6に記載の半導体記憶装置の製造方法。
(付記8)
前記参照抵抗値の前記平均値からのずれ量を所定の範囲内に収めることを特徴とする付記7に記載の半導体記憶装置の製造方法。
(付記9)
前記所定の範囲は、前記平均値と前記最小値及び前記最大値との相違の10%であることを特徴とする付記8に記載の半導体記憶装置の製造方法。
(付記10)
前記参照セルアレイを4個以上形成し、
前記制御手段として、2個の低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び2個の高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を選択するものを形成することを特徴とする付記6乃至9のいずれか1項に記載の半導体記憶装置の製造方法。
51:メモリセルアレイ
52:制御回路
53:参照セルアレイ
54:制御回路
55:記憶部
56:判定器

Claims (4)

  1. 記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、
    参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイと、
    前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段と、
    前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御情報は、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられていることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記参照セルは4個以上設けられており、
    前記制御手段は、2個の低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び2個の高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を選択することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 記憶用磁気抵抗変化素子を備えた複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを形成する工程と、
    参照用磁気抵抗変化素子を備えた複数の参照セルを含み、参照電流を出力する参照セルアレイを形成する工程と、
    前記参照電流から求められる参照抵抗値と前記記憶用磁気抵抗変化素子の抵抗値とを比較して当該メモリセルに記憶されている情報を判定する判定手段を形成する工程と、
    前記参照セルアレイが前記参照電流を出力する際に、前記複数の参照用磁気抵抗変化素子から選択される高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を特定する情報並びにこれらの接続関係を示す制御情報を作成する工程と、
    前記制御情報を記憶する記憶手段を形成する工程と、
    前記制御情報に基づいて前記参照セルアレイの動作を制御する制御手段を形成する工程と、
    を有し、
    前記制御情報として、前記複数のメモリセルの低抵抗状態での抵抗値の最大値及び高抵抗状態での抵抗値の最小値の平均値に関連付けられたものを作成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  4. 前記参照セルを4個以上形成し、
    前記制御手段として、2個の低抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子及び2個の高抵抗状態の参照用磁気抵抗変化素子を選択するものを形成することを特徴とする請求項に記載の半導体記憶装置の製造方法。
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