JP5316053B2 - 有気孔ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 - Google Patents

有気孔ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイヤモンド焼結体等硬脆材の研削加工に用いるダイヤモンド砥石において、特に超砥粒の結合剤にビトリファイドボンドを用いたものに関する。
従来、ダイヤモンド焼結体等の硬脆材の研削加工を行う工具として、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の超砥粒をビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石が知られている。ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石においては、研削を行うにつれて目潰れが発生するため、切れ味が持続せず切り残しが発生し、研削の効率と加工精度の悪化を招いている。このため、目潰れしたダイヤモンドを脱落させ切れ刃を持ったダイヤモンド砥粒を突き出させるドレッシング(目立て)を頻繁に行う必要がある。
ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石には、気孔が無く切れ味に劣るがダイヤモンド砥粒保持力が強くて砥石の磨耗が少なく砥石寿命が長い無気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石と、気孔を有しておりドレッシングが容易に行なえる有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石がある。
従来の有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石は、気孔を有する分、ビトリファイドボンドの含有率が少なくなるためにダイヤモンド砥粒の保持力が低く砥石寿命が短いという問題があった。有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石は、ビトリファイドボンド含有率を増やすことでダイヤモンド砥粒の保持力が上がり、砥石寿命を向上させることができるが、目潰れしたダイヤモンド砥粒が脱落しにくいため切れ味の持続性が悪化してしまう。このため、切れ味の持続性と砥石寿命の両者の優れた有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石が求められている。
この問題を解決するものとして、例えば特許文献1に記載されているように、破砕性と保持力の異なるダイヤモンド砥粒を用いることにより、低保持力で低破砕性のダイヤモンド砥粒が脱落して高保持力で高破砕性のダイヤモンド砥粒に衝突し、高保持力で高破砕性のダイヤモンド砥粒が目潰れしたものを破砕させることにより、切れ刃を創生して切れ味が持続するといった方法が開示されている。
また、特許文献2にはビトリファイドボンド中に添加されたCBN微粉又はダイヤモンド微粉が長切り屑を短く切断することで、長切り屑によるボンドのすり減り摩耗を減らし砥石寿命の向上を図る方法が開示されている。
また、特許文献3には、実施例に示されるように空気中850℃、または真空中1000℃でダイヤモンド砥粒を加熱処理することによりビトリファイドボンドとの接合性を高めダイヤモンド砥粒の保持力を増加させて砥石寿命の向上を図る方法が開示されている。
特開平11−277439 特開平7−96464 特開昭59−69266
しかしながら、特許文献1の方法では、高保持力で高破砕性のダイヤモンド砥粒の突き出しが無くなった時点で研削不能となるため切れ味の持続性に限界があり、次のドレッシングを行なうまでの時間を表す目立て間寿命が短い。
特許文献2の方法では、CBN微粉またはダイヤモンド微粉をボンドに添加することでボンドの耐磨耗性が高くなるため、目潰れしたダイヤモンド砥粒が研削中に脱落しにくい状態となり、切れ味が持続しない。
また、特許文献3の方法では、ダイヤモンド砥粒が加熱処理して高保持力状態のもののみを使用しているため目潰れしたダイヤモンド砥粒が研削中に脱落しにくい状態となり、切れ味が持続しない。さらに、ダイヤモンドの熱的損傷を受ける650℃以上での加熱処理を行なうため、ダイヤモンド砥粒の磨耗が過剰に早い。
本発明は上記問題を鑑みてなされたもので、その目的とする処は、切れ味の持続性、砥石寿命、研削の効率に優れた有気孔ビトリファイドボンド砥石を提供することである。
本発明の第1の観点に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石は、超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンドにより結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石において、超砥粒は、第1の超砥粒群と、第2の超砥粒群とからなり、前記第1、第2の超砥粒群は表面の性質が異なることを特徴とする。
また、前記第2の超砥粒群は、前記第1の超砥粒群よりも大きさが大きいようにしてもよい。
また、前記第1の超砥粒群及び前記第2の超砥粒群は同一の素材からなるようにしてもよい。
また、前記第1の超砥粒群及び前記第2の超砥粒群は何れもダイヤモンド砥粒からなるようにしてもよい。
また、前記第1の超砥粒群の一部は、前記気孔に接触する超砥粒を有し、前記超砥粒の前記気孔に接触するの面の表面積が50%以上の割合となるようにしてもよい。
また、前記第1の超砥粒群は、内部に含まれる全超砥粒に対して体積比で10〜50%であるようにしてもよい。
また、前記第1の超砥粒群の平均粒径は、前記第2の超砥粒の平均粒径の1/20〜1/1であるようにしてもよい
また、前記気孔の体積が全体の体積の10〜40%であるようにしてもよい。
更に、本発明の第2の観点に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石は、超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンドにより結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石において、前記超砥粒は、前記気孔と前記ビトリファイドボンドとの境界部に複数配置される砥粒を有する第1の超砥粒群と、前記第1の超砥粒群より前記ビトリファイドボンドとの濡れ性が高く、前記ビトリファイドボンドにほぼ内包して複数配置された第2の超砥粒群とを含むことを特徴とする。
また、本発明の第3の観点に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石の製造方法は、同一素材で表面の性質が異なる2種類以上の超砥粒群と、ビトリファイドボンドを含む混合物を成形し、気孔を形成するよう焼成を行うことで製造されることを特徴とする。
また、前記超砥粒群が、熱処理を行ったダイヤモンド砥粒と、熱処理を行っていないダイヤモンド砥粒を含むようにしてもよい。
また、前記熱処理は、大気雰囲気中で300〜600℃の温度範囲で行われることが好ましい。
請求項1の発明によれば、超砥粒は、第1の超砥粒群と、第2の超砥粒群とからなり、前記第1、第2の超砥粒群は表面の性質が異なるよう構成したので、第1の超砥粒群の一部の砥粒は気孔とビトリファイドボンドとの境界部に接触した状態で、ビトリファイドボンドに対する保持力が弱い状態で固定される。そのため、研削加工時には気孔周りに配置された砥粒が目潰れ状態となる前に脱落するので、新たな砥粒による研削が行われ常に切れ味の良い状態を持続することができる。
また、脱落した砥粒は遊離砥粒となって被削材を研削する効果を発生させ、更にビトリファイドボンドを削るので、ビトリファイドボンドとの濡れ性が高くビトリファイドボンド内に配置される第2の超砥粒群を構成する砥粒を突き出させ、あるいはビトリファイドボンド内部に配置されたダイヤモンド砥粒で目潰れしたものを脱落させるので、更に切れ味が持続する。
更に、ビトリファイドボンド内に配置された砥粒はビトリファイドボンドに全面を覆われた状態となっているので、砥粒が強固に保持されている。そのため、過剰な砥石摩耗を防ぐことができ砥石寿命の向上を図ることができる。
請求項2の発明によれば、第2の超砥粒群は、前記第1の超砥粒群よりも大きさが大きいことで、砥粒の脱落性を向上させることができ、より切れ味の持続性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、第1の超砥粒群及び第2の超砥粒群を同一の素材から複数の性質を持つ超砥粒群を構成することにより、製造コスト低減を図ることができる。
請求項4の発明によれば、第1の超砥粒群及び第2の超砥粒群は何れもダイヤモンド砥粒からなるため良好な研削性能を有する砥石の製作が可能になる。
請求項5の発明によれば、第1の超砥粒群の一部は、前記気孔に接触する超砥粒を有し、前記超砥粒の前記気孔に接触するの面の表面積が50%以上の割合であるため、第1の超砥粒群を効果的に脱落させることができる。
請求項6の発明によれば、第1の超砥粒群は、内部に含まれる全超砥粒に対して体積比で10〜50%であることにより、遊離砥粒としての効果をより高めることができる。
請求項7の発明によれば、第1の超砥粒群の平均粒径は、第2の超砥粒の平均粒径の1/20〜1/1であることにより、遊離砥粒として働く効果が十分に得られるとともに被削材の加工仕上がりを高めることができる。
請求項8の発明によれば、気孔の体積が全体の体積の10〜40%であることにより、気孔空間周りに配置されたダイヤモンド砥粒の脱落を効果的に行なうことができる。
請求項9の発明によれば、超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンドにより結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石において、超砥粒は、気孔とビトリファイドボンドとの境界部に複数配置された第1の超砥粒群と、第1の超砥粒群よりビトリファイドボンドとの濡れ性が高く、ビトリファイドボンドにほぼ内包して複数配置された第2の超砥粒群とを含むことにより、超砥粒が、結合材から分離して被作材との間で研削を行う砥粒と、結合材内部で研削を行う砥粒に分かれることで、研削効率を向上させた砥石を実現することができる。
請求項10の発明によれば、同一素材で表面粗さの異なる2種類以上の超砥粒群とビトリファイドボンドを含む混合物を成形し、気孔を形成するよう焼成を行うことで製造されるため、結合材との濡れ性の異なる砥粒を内部に生成し、気孔とビトリファイドボンドとの境界部に複数配置された超砥粒群と、ビトリファイドボンドにほぼ内包して複数配置された超砥粒群とを構成することができる。
請求項11の発明によれば、同一素材で表面の性質が異なる2種類以上の超砥粒群が、熱処理を行うことでダイヤモンド砥粒と、熱処理を行っていないダイヤモンド砥粒を含むことで、ビトリファイドボンド内と気孔空間の周りにダイヤモンド砥粒を配置することができる。
請求項12に記載の発明によれば、ダイヤモンド砥粒の熱処理は、大気雰囲気中で300〜600℃の温度範囲で行われることにより、ダイヤモンド砥粒が熱的損傷を受けることなく、ダイヤモンド砥粒最表面の構成元素である炭素に酸素が化学結合し、ビトリファイドボンドとの濡れ性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石の全体図。 本発明の実施形態に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石の断面模式図。 本発明の実施形態に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石の研削時の断面模式図。 従来(比較例)の有気孔ビトリファイドボンド砥石の断面模式図。
以下、本発明の実施の形態に係る有気孔ビトリファイドボンド砥石について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態を図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石の全体図であり、図2は本発明の実施形態に係る有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石の断面模式図である。有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石5は、中心に工具への取付部を備えた円盤状の砥石基板7とその外周に焼結により固着された砥石層6とから構成される。砥粒層6は、ダイヤモンド砥粒1a、1b、2とそれを結合するビトリファイドボンド3、そしてビトリファイドボンド3内部に形成された気孔4から構成される。有気孔ビトリファイドボンドダイヤモンド砥石5に含まれるダイヤモンド砥粒は、気孔4の周りに配置されたダイヤモンド砥粒1a(第1の超砥粒群)と、ビトリファイドボンド3の中に配置されたダイヤモンド砥粒2(第2の超砥粒群)とを備えて構成されている。気孔4の周りに配置されたダイヤモンド砥粒1aは、砥粒の表面積の50%以上が気孔に面するように配置されている。一方、ビトリファイドボンド3の中に配置されたダイヤモンド砥粒2は表面積のほぼ全部がビトリファイドボンド3に接触している。
次に本実施の形態による有気孔ビトリファイドボンド砥石5の研削時の作用について図3を用いて説明する。
有気孔ビトリファイドボンド砥石5は、上述のように構造されており、主たる研削加工は被削材との接触面に突き出たダイヤモンド砥粒2によって行われる。ビトリファイドボンド3にほぼ全面接触しているダイヤモンド砥粒2は、結合が良好でダイヤモンド砥粒保持力が強いため脱落が起こりにくい状態となっている。そのため、研削抵抗がある程度増大しても脱落が生じず、ダイヤモンド砥粒2が目潰れする形態で研削が行われるので砥石の損耗を抑えることができる。
この際、気孔4の周りに配置されたダイヤモンド砥粒1aは、ビトリファイドボンド3に接触している表面積が50%に満たないため、ダイヤモンド砥粒保持力が低く脱落が起こり易い状態で固定されている。したがって、研削抵抗に耐えられなくなったダイヤモンド砥粒1aが脱落し、新たな切れ刃が現れるため切れ味が優れたものとなる。
更に、脱落したダイヤモンド砥粒1aは、ビトリファイドボンド3で強固に保持されたダイヤモンド砥粒2と被削材との間に入り込み、遊離砥粒として働くので固定砥粒のみの場合に較べて研削能率が向上する。また、脱落したダイヤモンド砥粒1aが遊離砥粒として、目潰れしたダイヤモンド砥粒2とビトリファイドボンド3とを適度に目立てするため、切れ味の持続性が良い砥石とすることが可能となる。
また、本実施の形態による有気孔ビトリファイドボンド砥石5は内部に気孔4を有しているため、気孔4が遊離砥粒として働いたダイヤモンド砥粒1aを捕捉し、再度研削として作用させる効果も得られるので研削能率の高い砥石を得ることができる。
上記の効果によって、切れ味と砥石寿命が優れるとともに、切れ味の持続性と研削の効率に優れた砥石を得ることが出来る。
次に、本実施の形態である有気孔ビトリファイドボンド砥石5の製造方法について説明する。
本実施の形態である内部に気孔を有する有気孔ビトリファイドボンド砥石5は、熱処理を行っていない(非熱処理の)ダイヤモンド砥粒1と、熱処理を行ったダイヤモンド砥粒2と、ビトリファイドボンド3とを秤量・混合し、型に込めコールドプレスを行い、内部に大気を含んだ状態でビトリファイドボンド3の軟化点以上となる温度で焼成を行うことで、製造することができる。
熱処理を行ったダイヤモンド砥粒2は、混合前に予め大気雰囲気中で300〜600℃の範囲で熱処理してあることにより、ダイヤモンド砥粒最表面の構成元素である炭素に酸素が化学結合し、ビトリファイドボンド3との濡れ性(いわゆる結合力)が良好な状態となっている。また、ダイヤモンド砥粒は、加熱温度が高いほど濡れ性が良くなり、加熱温度が低いと濡れ性を向上させる効果が低下するので加熱温度によって濡れ性を調整することができる。
熱処理による濡れ性の調整により、焼成段階で軟化して融液となったビトリファイドボンド3は濡れ性の良好な熱処理したダイヤモンド砥粒2を優先的に取り込んで結合するためビトリファイドボンド3内にダイヤモンド砥粒2を配置できる。また、非熱処理のダイヤモンド砥粒1の多くはビトリファイドボンド3の外へはじかれるので気孔4空間の周りにダイヤモンド砥粒1aを配置できる。なお、非熱処理のダイヤモンド砥粒1であっても、その周辺にビトリファイドボンド3が多く気孔4が少ない状態である場合はビトリファイドボンド3内に配置され、ほぼ全ての表面積がビトリファイドボンド3と接触するダイヤモンド砥粒1bとなる。
このような構成によれば、超砥粒としてのダイヤモンド砥粒を、気孔4を含んだ状態でビトリファイドボンド3により結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石5において、超砥粒は、濡れ性が低くビトリファイドボンド内の気孔の周囲に配置された第1の超砥粒群1と、事前に熱処理を行うことで濡れ性を向上させ、ビトリファイドボンド3内部に配置されるようにした第2の超砥粒群2とを含むように構成し、それぞれの表面の性質を異ならしめたことにより、第1の超砥粒群1は気孔4とビトリファイドボンド3との境界部に接触した状態で、ビトリファイドボンド3に対する保持力が弱い状態で固定される。そのため、研削加工時には超砥粒1aが目潰れ状態となる前に脱落するので、新たな砥粒による研削が行われ常に切れ味の良い状態を持続することができる。
また、脱落した砥粒1aは遊離砥粒となって被削材を研削する効果を発生させ、更にビトリファイドボンド3を削るので、第2の超砥粒群2を突き出させ、あるいはビトリファイドボンド3の内部に配置されたダイヤモンド砥粒で目潰れしたものを脱落させるので、更に切れ味が持続する。
更に、ビトリファイドボンド内に配置された砥粒2はビトリファイドボンド3に全面を覆われた状態となっているので、保持力が強く構成されている。そのため、過剰な砥石5の摩耗を防ぐことができ砥石寿命の向上を図ることができる。
また、第2の超砥粒群2は、第1の超砥粒群よりも大きさが大きいことにより、砥粒の脱落性を向上させることができ、より切れ味の持続性を図ることができる。
また、第1の超砥粒群1a及び第2の超砥粒群2は同一の素材からなることによることにより、製造コストの削減を図ることが可能になる。
また、第1の超砥粒群1a及び第2の超砥粒群2は何れもダイヤモンド砥粒からなるため、良好な研削性能を有する砥石5の製作が可能になる。
また、第1の超砥粒群を構成する超砥粒1aは、気孔4に接触する面とビトリファイドボンド3と接触する面とを有し、気孔4に接触する面の表面積が50%以上の割合であるため、第1の超砥粒群1aを効果的に脱落させることができる。尚、50%未満では、気孔4の空間の周りに配置されたダイヤモンド砥粒1の保持力が大きくなり脱落し難い状態となり、目潰れを発生させ、研削効率が低下する恐れがあるため好ましくない。
また、第1の超砥粒群1aは、内部に含まれる全超砥粒に対して体積比で10〜50%であることにより、遊離砥粒としての効果をより高めることができる。10%未満であった場合には遊離砥粒として働く砥粒数が少ないため被削材を研削する効果がない。また、50%を超える場合にはビトリファイドボンド3内に配置する砥粒が少なくなるため砥石5の寿命が低下してしまう。
また、第1の超砥粒群1aの平均粒径は、第2の超砥粒2の平均粒径の1/20〜1/1であることにより、遊離砥粒として働く効果が十分に得られるとともに被削材の加工仕上がりを高めることができる。気孔空間の周りに配置されたダイヤモンド砥粒の平均粒径が、ビトリファイドボンド3内部に配置されたダイヤモンド砥粒2の平均粒径の1/20未満であった場合には遊離砥粒として研削への寄与が小さいものとなり、1/1を超える平均粒径であった場合には遊離砥粒として働いた際の負荷が大きくなるため加工面のチッピングが大きくなる問題が生じるため好ましくない。
また、気孔4の体積が全体の体積の10〜40%であることにより、気孔4空間周りに配置されたダイヤモンド砥粒1の脱落を効果的に行なうことができる。気孔4空間の体積比は、10%未満の場合には気孔4空間周りのダイヤモンド砥粒1の数が不足し遊離砥粒の効果が得られにくく、40%を超える場合にはビトリファイドボンド3の割合が減るため、ビトリファイドボンド3のブリッジ内に配置されたダイヤモンド砥粒2の保持力が弱まり、切れ刃を持ったダイヤモンド砥粒までも過剰に脱落し砥石寿命を損なうため好ましくない。
また、超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンド3により結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石5において、超砥粒は、気孔4とビトリファイドボンド3との境界部に複数配置された第1の超砥粒群1aと、第1の超砥粒群1aよりビトリファイドボンド3との濡れ性が高く、ビトリファイドボンド3にほぼ内包して複数配置された第2の超砥粒群2とを含むことにより、超砥粒が、結合材から分離して被作材との間で研削を行う砥粒1と、結合材内部で研削を行う砥粒2に分かれることで、研削効率を向上させた砥石を実現することができる。
また、同一素材で表面粗さの異なる2種類以上の超砥粒群とビトリファイドボンド3を含む混合物を成形し、気孔4を形成するよう焼成を行うことで製造されるため、結合材3との濡れ性の異なる砥粒を内部に生成し、気孔4とビトリファイドボンド3との境界部に複数配置された第1の超砥粒群1aと、ビトリファイドボンド3にほぼ内包して複数配置された第2の超砥粒群2とを構成することができる。
また、同一素材で表面粗さの異なる2種類以上の超砥粒群が、焼成前に熱処理を行ったダイヤモンド砥粒2と、焼成前に熱処理を行っていないダイヤモンド砥粒1を含むことにより、ビトリファイドボンド内と気孔空間の周りにダイヤモンド砥粒を配置することができる。
また、焼成前に行うダイヤモンド砥粒2の熱処理は、大気雰囲気中で300〜600℃の温度範囲で行われることにより、ダイヤモンド砥粒2が熱的損傷を受けることなく、ダイヤモンド砥粒2の最表面の構成元素である炭素に酸素が化学結合し、ビトリファイドボンド3との濡れ性を高めることができる。熱処理温度が300℃未満であった場合は、ダイヤモンド砥粒2の最表面の構成元素である炭素に酸素を化学結合させることができず、600℃を超える場合はダイヤモンド砥粒2が熱的損傷を受けてしまうため好ましくない。
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、セグメントタイプの砥粒層を有する砥石で説明したが、外周全域に砥粒層を持つリング状であってもよく、又はドリルビットのように軸端に取り付けて使用される形態であっても良い。また、砥粒層と砥石基板との接合方法は焼結に限らず、例えば接着剤を用いた方法によるものでも良い。
次に、本実施の形態による有気孔ビトリファイドボンド砥石5の研削性能について説明する。なお、上述した本実施の形態による有気孔ビトリファイドボンド砥石5を実施例とし、図4に示すように、ビトリファイドボンド3の中に埋め込まれる形で配置するダイヤモンド砥粒2のみからなる有気孔ビトリファイドボンド砥石5を比較例とした。
実施例及び比較例の有気孔ビトリファイドボンド砥石5は、非熱処理のダイヤモンド砥粒1と、熱処理をしたダイヤモンド砥粒2と、ビトリファイドボンド3とを、表1に示す配合表に従い混合、成形し、窒素雰囲気中で焼成を行い製作した。非熱処理のダイヤモンド砥粒は平均粒径5μm、熱処理したダイヤモンド砥粒は平均粒径25μmを使用した。また、ビトリファイドボンド3との濡れ性の調整のため、ダイヤモンド砥粒は非熱処理のものを用い、ダイヤモンド砥粒は500℃で予め熱処理したものを使用した。
実施例と比較例の研削試験を下記の条件で行った。
・研削盤:牧野CNV2−40 工具研削盤
被削材:ダイヤモンド焼結体と超硬の複合材
被削材寸法:幅8.0mm、厚み3.2mm(ダイヤモンド焼結体厚さ0.5mm、超硬厚さ2.7mm)
・砥石周速:12m/s
・総切込量:0.05mm
・切込深さ:0.001mm/pass
研削試験結果を表2に示す。実施例の有気孔ビトリファイドボンド砥石5は、研削量は比較例に較べて20%向上し、研削比(研削して得られた工作物の除去体積を砥石摩耗体積で除した値)は30%向上しており、研削の効率と砥石寿命が優れたものである。また、同様の試験を繰返し3回行ったが切れ味の低下は認められず切れ味の持続性の良い砥石であることを確認した。
Figure 0005316053
Figure 0005316053
1a:気孔空間の周りに配置されたダイヤモンド砥粒
1b:ビトリファイドボンドの中に配置されたダイヤモンド砥粒
2:ビトリファイドボンドの中に配置されたダイヤモンド砥粒
3:ビトリファイドボンド
4:気孔
5:有気孔ビトリファイドボンド砥石

Claims (7)

  1. 超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンドにより結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石において、
    前記超砥粒は、第1の超砥粒群と、第2の超砥粒群とからなり、前記第1、第2の超砥粒群は表面の性質が異なり、
    前記第1の超砥粒群の一部は、前記気孔に接触する超砥粒を有し、前記超砥粒の前記気孔に接触する面の表面積が50%以上の割合であることを特徴とする有気孔ビトリファイドボンド砥石。
  2. 前記第1の超砥粒群は、内部に含まれる全超砥粒に対して体積比で10〜50%であることを特徴とする請求項1に記載のうち何れか一項に記載の有気孔ビトリファイドボンド砥石。
  3. 前記第1の超砥粒群の平均粒径は、前記第2の超砥粒の平均粒径の1/20〜1/1であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有気孔ビトリファイドボンド砥石。
  4. 前記気孔の体積が全体の体積の10〜40%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のうち何れか一項に記載の有気孔ビトリファイドボンド砥石。
  5. 超砥粒を、気孔を含んだ状態でビトリファイドボンドにより結合及び保持してなる有気孔ビトリファイドボンド砥石において、
    前記超砥粒は、前記気孔と前記ビトリファイドボンドとの境界部に複数配置される砥粒を有する第1の超砥粒群と、
    前記第1の超砥粒群より前記ビトリファイドボンドとの濡れ性が高く、前記ビトリファイドボンドにほぼ内包して複数配置された第2の超砥粒群とを含むことを特徴とする有気孔ビトリファイドボンド砥石。
  6. 同一素材で表面の性質が異なる2種類以上の超砥粒群と、ビトリファイドボンドを含む混合物を成形し、気孔を形成するよう焼成を行うことで製造され、前記超砥粒群が、熱処理を行ったダイヤモンド砥粒と、熱処理を行っていないダイヤモンド砥粒を含むことを特徴とする有気孔ビトリファイドボンド砥石の製造方法。
  7. 前記熱処理は、大気雰囲気中で300〜600℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項6に記載の有気孔ビトリファイドボンド砥石の製造方法。
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