JP5315676B2 - Mimo通信装置及びmimo通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MIMO通信装置及びMIMO通信方法に関するものである。
OFDM(OFDMAを含む、以下同様)通信などの通信方式では、送信側と受信側で信号のタイミングの同期や周波数の同期をとることが重要である。このような通信方式で、タイミングや周波数の同期がとれていないと、シンボル間干渉、キャリア間干渉、シンボル間の位相回転・サブキャリア間の位相回転が生じる。
例えば、特許文献1には、タイミングオフセットによって受信側におけるFTT窓の時間位置ずれが生じた場合に、復調信号の位相誤差を補正する技術が開示されている。
特開2000−295195号公報
ここで、複数のアンテナ素子を用いたMIMO通信(OFDM−MIMO通信)の場合、図13に示すように、送信側は複数のアンテナ素子103a,103bで複数の信号A,Bを送信し、受信側は複数のアンテナ素子101a,101bで信号を受信する。
MIMO通信の場合、受信側の各アンテナ素子101a,101bは、それぞれ、送信側から送信された複数の信号A,Bを受信する。
このようなMIMO通信において、図13に示すように、受信側のアンテナ素子101a,101bの系統102a,102bごとにしか位相回転量の推定・補正を行わなかったり、受信側の全アンテナ素子101a,101bで共通の位相回転量の推定・補正しか行わなかったりすると、一方の送信信号Aに関して位相回転の補正ができたとしても、他方の送信信号Bに関しては、位相回転が残留することになる。
そこで、本発明は、MIMO通信において、送信信号ごとに、位相回転量を推定することを目的とする。
本発明は、複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信装置であって、受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定部を備え、前記位相回転量推定部は、受信信号に含まれる複数の送信信号ごとに位相回転量を推定する演算を行うことを特徴とするMIMO通信装置である。
上記本発明によれば、複数の送信信号ごとに位相回転量を推定することができる。
前記位相回転量推定部は、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに設けられているのが好ましい。この場合、複数の受信アンテナ素子の各系統において送信信号ごとに位相回転量を推定することができる。
それぞれの前記位相回転量推定部によって推定された各位相回転量に基づいて、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正する位相回転量補正部を備えているのが好ましい。
この場合、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正することができる。
前記位相回転量推定部は、送信信号ごとの位相回転量を、複数の受信アンテナ素子によって受信した複数の受信信号を用いて推定するのが好ましい。受信アンテナ素子間の距離が近い場合、伝送路中の雑音が大きい場合、又は位相回転量の推定に使用できる信号数が少ない場合には、各受信アンテナ素子によって受信した複数の受信信号を用いて、送信信号ごとの位相回転量を求めることで、位相回転量の推定精度を向上させることができる。
前記位相回転量推定部によって推定された送信信号ごとの位相回転量に基づいて、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正する位相回転量補正部を備えているのが好ましい。この場合、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正することができる。
前記位相回転量推定部は、送信信号ごとの位相回転量の平均値を算出するよう構成されているのが好ましい。複数の送信アンテナ素子(送信信号源)間の距離が近い場合には、送信信号ごとの位相回転量は近い値となる。したがって、送信信号ごとの位相回転量の平均値をとることで、位相回転量の推定精度を向上させることができる。
前記位相回転量推定部によって推定された送信信号ごとの位相回転量の平均値に基づいて、位相回転量を補正する位相回転量補正部を備えているのが好ましい。この場合、位相回転量の平均値に基づいて位相回転量が補正される。
また、他の観点からみた本発明は、複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信方法であって、受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定ステップを含み、前記位相回転量推定ステップでは、複数の送信信号ごとに位相回転量を推定する演算を行うことを特徴とするMIMO通信方法である。
本発明によれば、複数の送信信号ごとに位相回転量を推定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、通信方式としてWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access, IEEE802.16)を例として説明する。
図1は、WiMAXにおいて採用されているOFDMのサブキャリア配置を示している。OFDMは、周波数多重方式の一種であり、周波数軸上で直交するように多数配置された搬送波(サブキャリア)にQAM変調をかけ、デジタル情報の伝送を行う通信方式である。
OFDMのサブキャリアには、データサブキャリア(Data Sub−Carrier)、パイロットサブキャリア(Pilot Sub−Carrier)、ヌルサブキャリア(Null Sub−Carrier)の3種類がある。
データサブキャリア(データ信号)は、データや制御用メッセージを送信するためのサブキャリアである。パイロットサブキャリアは、受信側及び送信側で既知の信号(パイロット信号)であり、伝送路周波数応答の算出などに用いられる。
ヌルサブキャリアは、実際には何も送信されないサブキャリアであり、低周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、高周波数域側のガードサブバンド(ガードサブキャリア)、及びDCサブキャリア(中心周波数サブキャリア)によって構成されている。
図2は、WiMAXの上りPUSCのヌルサブキャリアを除いたデータサブキャリア及びパイロットサブキャリアの2次元配置を示している。図2において、横軸は周波数軸であり、縦軸は時間軸である。
図2の横軸のl(1〜L)はサブキャリア番号を示している。サブキャリア番号は、ヌルサブキャリアを除くサブキャリアについて、周波数の小さい順に番号を付したものである。なお、ヌルサブキャリアを含めた全サブキャリアの数を1024とした場合、データサブキャリア及びパイロットサブキャリアの総数Lは、840となる。
図2の縦軸のkは、シンボル番号を示している。シンボル番号は、到来時間の早い順にシンボルに番号を付したものである。
なお、図2では、シンボル方向(時間軸方向)に3個×周波数軸方向に4個の計12個のサブキャリアによって1つのタイル構造を構成している。タイルは、ユーザ割当の際の最小単位となるものである。
タイルの四隅には、パイロットサブキャリアが配置され、タイル内の他のサブキャリアはデータサブキャリアとされている。
図2に示すように、上記タイルが時間軸方向及び周波数軸方向に規則的に並んでいる。この結果、パイロットサブキャリアは、図2の2次元配置において分散配置されている。
図3は、本実施形態に係る通信装置1の機能ブロックを示している。なお、図3には、前記通信装置1に対して信号を送信する送信側通信装置における複数のアンテナ素子21a,21bを示している。以下では、送信側の第1アンテナ素子21aが送信する信号を「信号A」といい、送信側の第2アンテナ素子21bが送信する信号を「信号B」という。
図3の通信装置1は、複数のアンテナ素子11a,11bを有しており、マルチアンテナシステムとして構成されている。なお、ここでの通信装置1は、主に、移動端末との間で通信を行う基地局を想定する。
通信装置1は、アンテナ素子11a,11bごとに、FFT等の信号処理を行う信号処理系統15a,15bを有している。各アンテナ素子11a,11bに対応する各系統15a,15bは、それぞれ、RF部12a,12b、BB部13a,13b、FFT部14a,14bを有している。
また、通信装置1は、各系統15a,15bにおいてFFT処理された信号を受けて、フィルタリング処理を行うフィルタ処理部16を有している。
前記RF(Radio Frequency)部12a,12bは、受信した信号搬送波周波数からベースバンド周波数への変換などを行う。前記BB(Base Band)部13a,13bは、送信側で付加されたGI(Guard Interval)の除去や、A/D変換などを行う。前記FFT部14a,14bは、信号の直/並列変換、離散フーリエ変換などを行う。前記フィルタ処理部16は、FFT部14a,14bからの出力信号に対して適当なウェイトをかけて合成し、各サブキャリアにおける所望信号を抽出する。このウェイトは、パイロットサブキャリアから計算により求められる。
送信側通信装置2と受信側通信装置1との間の伝送路は、フェージング伝送路となっている。送信側通信装置2のアンテナ21から送信されたサブキャリアは、フェージング伝搬路を通過すると、その振幅と位相が変化する。変化量は、サブキャリアの位置(時間軸方向位置と周波数軸方向位置)によって変わる。
本実施形態の通信装置1では、各アンテナ素子11a,11bの信号処理系統15a,15bは、それぞれ、送信信号A,Bごとの信号処理系統15a−1,15a−2,15b−1,15b−2を有している。
つまり、第1アンテナ素子11aに対応する第1系統15aは、送信信号Aの位相回転量推定・補正を行う第1子系統15a−1と、送信信号Bの位相回転量推定・補正を行う第2子系統15a−2と、を有している。
また、第2アンテナ素子11bに対応する第2系統15bは、送信信号Aの位相回転量推定・補正を行う第3子系統15b−1と、送信信号Bの位相回転量推定・補正を行う第4子系統15b−2と、を有している。
各子系統15a−1,15a−2,15b−1,15b−2は、送信信号Aを受信した信号又は送信信号Bを受信した信号の位相回転量を推定する位相回転量推定部17a−1,17a−2,17b−1,17b−2を備えている。
また、通信装置1は、それぞれの子系統15a−1,15a−2,15b−1,15b−2における信号に対し、位相回転量の補正を行う位相回転量補正部18a−1,18a−2,18b−1,18b−2を有している。
これらの位相回転量補正部によって、各アンテナ素子で受信した信号を送信号ごとに補正し、補正された信号によってフィルタ処理部16がフィルタリング処理を行うため、復調誤差を最小化することができる。
さて、本実施形態における各位相回転量推定部の基本機能は次のとおりである。ここでは、図4のサブキャリア配置(図2と同様にWiMAXの上りPUSC)において、位相回転量を求めることを考える。なお、周波数方向(図4の横軸方向)に1サブキャリア進むごとに生じる周波数軸方向の位相回転量をX、時間方向(図4の縦軸方向)に1シンボル進むごとに生じる時間軸方向の位相回転量をYとする。
まず、図4のサブキャリア配置において、従来の位相回転量推定を適用した場合の推定方法を説明する。従来の位相回転量推定では、一定周波数間隔のサブキャリア間、又は一定時間間隔のサブキャリア間(シンボル間)で位相回転量を求めていた。
したがって、図4のサブキャリア配置で周波数軸方向の位相回転量Xを求めようとすると、周波数間隔を、例えば、図4のパイロットサブキャリアaとパイロットサブキャリアbとの間の周波数間隔に相当する3×Δfに決めておき、この周波数間隔3×Δfで求まる位相回転量Z1から、周波数軸方向における1サブキャリアごとの位相回転量X=Z1/3を求めることになる。
同様に、従来の位相回転量推定で、時間軸方向の位相回転量Yを求めようとすると、時間間隔を、例えば、図4のパイロットサブキャリアgとパイロットサブキャリアhとの間の時間間隔に相当するΔtに決めておき、この時間間隔Δtで求まる位相回転量Z4から、時間軸方向の1シンボルごとの位相回転量Y=Z4を求めることになる。
なお、位相回転量Z1,Z4は、それぞれ、Z1=3X+N1(N1:推定誤差)、Z4=Y+N4(N4:推定誤差)である。
よって、
Xの推定値=Z1/3=X+N1/3
Yの推定値=Z4=Y+N4
となる。
これに対し、本実施形態の位相回転量推定部17a−1,17a−2,17b−1,17b−2では、上記のような推定方法を用いてもよいが、好ましくは、固定された一つの周波数間隔又は時間間隔だけで位相回転量を求めるのではなく、位相回転量を求める際に、パイロットサブキャリア間の位置関係として複数のものを用いて、位相回転量推定精度を向上させる。これは、図4のサブキャリア配置では、パイロットサブキャリア間の位置関係として、周波数間隔、時間間隔、及び方向が異なる多様な位置関係が存在することを利用したものである。
具体的には、本実施形態の位相回転量推定部は、周波数方向の位相回転量Xを推定するのに、パイロットサブキャリアa,b(周波数間隔3Δf)だけでなく、これとは異なる位置関係にあるパイロットサブキャリアc,dやパイロットサブキャリアe,fを用いる。
ここで、パイロットサブキャリアc,dは、時間軸方向に2Δt離れた位置関係を有し、パイロットサブキャリアe,fは、周波数軸方向に3Δf離れ、時間軸方向に2Δt離れた位置関係を有するものである。
また、パイロットサブキャリアe,f間での位相回転量Z3は、周波数間隔3Δfの場合における位相回転量と、時間間隔2Δtの場合における位相回転量を加えたものと考えることができる。
つまり、パイロットサブキャリアe,f間での位相回転量Z3から、パイロットサブキャリアc,d間での位相回転量Z2を引くと、周波数間隔3Δfでの位相回転量を求めることができる。
このように、ある周波数間隔(3Δf)での位相回転量は、その周波数間隔(3Δf)を持つパイロットサブキャリア同士を用いて算出したもの(Z1)だけではなく、周波数と時間とからみた位置関係が異なる他のパイロットサブキャリア同士を用いて算出したもの(Z3−Z2)も用いて求めることができる。
同様に、本実施形態の位相回転量推定部17a−1,17a−2,17b−1,17b−2は、時間方向の位相回転量Xを推定するのに、パイロットサブキャリアg,h(時間間隔Δt)だけでなく、これとは異なる位置関係にあるパイロットサブキャリアc,dを用いる。
ここで、パイロットサブキャリアc,dは、前述のように、時間軸方向に2Δt離れた位置関係を有するものである。したがって、パイロットサブキャリアc,d間での位相回転量Z2は、時間間隔Δtの場合における位相回転量を2倍したものと考えることができる。
つまり、パイロットサブキャリアc,d間での位相回転量Z2を、2で割れば、時間間隔Δtでの位相回転量を求めることができる。
このように、ある時間間隔(Δt)での位相回転量は、その周波数間隔(Δt)を持つパイロットサブキャリア同士を用いて算出したもの(Z4)だけではなく、周波数と時間とからみた位置関係が異なる他のパイロットサブキャリア同士を用いて算出したもの(Z2/2)も用いて求めることができる。
したがって、本実施形態の位相回転量推定部は、周波数軸方向の位相回転量Xや時間軸方向の位相回転量Yを、例えば、次のようにして求めることができる。
Xの推定値=(Z1/3+(Z3−Z2)/3)/2=X+(N1+N3−N2)/6
Yの推定値=(Z2/2+Z4)/2=Y+N2/4+N1/2
なお、位相回転量Z2,Z3は、それぞれ、Z2=2Y+N2(N2:推定誤差)、Z3=3X+2Y+N3(N3:推定誤差)である。
本実施形態の位相回転量推定部では、位相回転量を推定するのに用いるサンプル数が従来よりも多くなり、推定誤差を抑制し、推定精度を向上させることができる。
さて、ここで、タイミングオフセット、周波数オフセットの計算方法について説明する。伝送路がシングルパスの場合の位相回転量の算出方法は次のとおりである。
タイミングオフセットを計算するためには、周波数f,時間tのパイロットサブキャリアAについての伝送路周波数応答H(f,t)と、前記パイロットサブキャリアAから周波数軸方向にΔfだけ離れて位置する周波数f+Δf,時間tのパイロットサブキャリアBについての伝送路周波数応答H(f+Δf,t)と、を用いて、周波数方向の位相回転量を求める。
まず、タイミングオフセット・周波数オフセットのない場合における周波数f,時間tのパイロットサブキャリアAについての伝送路周波数応答をH0とする。
このとき、タイミングオフセットT0、周波数オフセットF0があるとすると、周波数f,時間tのパイロットサブキャリアAの伝送路周波数応答H(f,t)は、下記式(1)のようになる。
Figure 0005315676
また、周波数f+Δf,時間tのパイロットサブキャリアBについての伝送路周波数応答H(f+Δf,t)は、下記式(2)のようになる。
Figure 0005315676
そして、周波数軸方向に並ぶ2つのパイロットサブキャリアA,B間の位相回転量θは、H(f,t)とH(f+Δf,t)との相関値を算出し、その相関値の偏角argを求めることによって得られ、下記(3)式が成り立つ。なお、式(3)において「*」は、複素共役である。
Figure 0005315676
したがって、下記式(4)によって、タイミングオフセットT0を計算することができる。ただし、−1/(2Δf)<T0≦1/(2Δf)とする。
Figure 0005315676
なお、周波数オフセットF0についても同様に求めることができ、具体的には、時間軸方向に並ぶ2つのパイロットサブキャリア間の相関値を求めて、当該相関値から時間方向の位相回転量θを算出し、当該位相回転量θから周波数オフセットF0を求めればよい。
さらに、伝送路がマルチパスフェージング環境である場合において、タイミングオフセット、周波数オフセットをとることを考える。n番目のパスにおけるタイミングオフセットをTn、周波数オフセットをFnとする。このとき周波数f、時間tにおける周波数応答H(f,t)は、式(5)で表される。
Figure 0005315676
上記式(5)のように、マルチパス環境下では、伝送路周波数応答は複雑な形になるため、各パスのタイミングオフセットT0〜TN、周波数オフセットF0〜FNを振幅に応じて重み付け平均した式(6)のTmean,式(7)のFmeanを推定することを考える(図5(a)(b)参照)。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
まず、準備として、式(8),式(9)を定義し、式(5)を式(10)のように置きかえる。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
このとき、周波数f、時間tについて、式(11)の平均をとると、式(11)の右辺第2項が消えて、式(12)が得られる。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
さらに、任意のnについて、式(13)(14)が成り立つとすると、式(12)の位相を計算することによって、式(15)のように、(TmeanΔf+FmeanΔt)を求めることができる。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
なお、式(11)の時点で、位相を計算し、周波数f、時間tについて平均をとることによって、(TmeanΔf+FmeanΔt)を求めることも可能である。
そして、2通りのパターン(Δf1,Δt1),(Δf2),Δt2)について、
TmeanΔf1+FmeanΔt1
TmeanΔf2+FmeanΔt2
を求め、上記2パターンから得られる連立方程式を解くことにより、Tmean,Fmeanを導出することができる。なお、Δf1Δf2≠Δf2Δf1である。
上記のようなオフセットの算出方法によれば、TmeanΔf,FmeanΔfをそれぞれ求めて、Tmean,Fmeanを導出する場合に比べて、様々なパターン(Δfk,Δfk)(k=1〜K)の情報を総合して、オフセットTmean,Fmeanを推定するため、高精度な推定が可能である。
以下、上記のような基本機能を有する位相回転量推定部17a−1,17a−2,17b−1,17b−2の詳細について説明する。各位相回転量推定部は、それぞれ、図6に示すように、FFT部14a,14bから出力された周波数領域の受信信号を逐次的に保存する第1バッファ部171を備えている。本実施形態における位相回転量推定では、時間的に前のパイロットサブキャリアを使用することがあるため、任意のパイロットサブキャリアを使用できるように、受信信号を第1バッファ部171に蓄積する。
また、位相回転量推定部は、第1バッファ171に蓄積された受信信号(パイロットサブキャリア)を用いて、伝送路周波数応答を算出する伝送路周波数応答計算部172を有している。伝送路周波数応答計算部172は、参照信号生成部172aによって生成された参照信号(既知信号)を用いて、パイロットサブキャリアごとに伝送路周波数応答Hを算出する。伝送路周波数応答計算部172によって算出された伝送路周波数応答Hは、第2バッファ部173に蓄積される。
さらに、位相回転量推定部では、任意の2つのパイロットサブキャリアの伝送路周波数応答の相関値(H*H)を求める相関計算部174を備えている。相関計算部174によって算出された相関値は、相関値記憶部175に保存される。
さらにまた、位相回転量推定部は、相関計算部174によって算出された相関値(複素数)の偏角argを求めて、位相回転量を算出する位相回転量計算部176を備えている。ここでの位相回転計算部176は、算出した偏角argから、さらにタイミングオフセット及び/又は周波数オフセットを算出することができる。
相関値計算部174は、具体的には、下記式(16)〜(19)に従って、第1相関値S(3Δf,0)、第2相関値S(0,2Δt)、第3相関値S(3Δf,2Δt)、第4相関値(3Δf,−2Δt)の演算を行う。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
相関値計算部174による上記式(16)〜(19)の演算は、図2及び図4に示すようなWiMAX(モバイルWiMAX)の上りPUSCのサブキャリア配置において、受信したタイル(ユーザ割り当ての最小単位;図7参照)毎に、行われる。ユーザ割り当ての最小単位毎に演算を行うことで、どのようなユーザ割り当てが行われても、精度良く演算を行うことができる。
つまり、完全に任意の2つのパイロットサブキャリアを演算に用いると、あるユーザに割り当てられているバースト領域中のパイロットと、他のユーザに割り当てられているバースト領域中のパイロットを用いて、演算を行ってしまう可能性がある。
ユーザが異なると伝送路周波数応答も異なるために演算の精度が低下するが、ユーザ割り当ての最小単位内でのパイロットサブキャリアの組み合わせを演算に用いることで、ユーザ割り当ての影響を受けずに精度良く演算を行うことができる。
なお、図7では、タイルの左上隅のパイロットサブキャリアP1の周波数をf、時間をtとしている。したがって、タイルの右上隅のパイロットサブキャリアP2の周波数はf+Δf、時間はtである。タイルの左下隅のパイロットサブキャリアP3の周波数はf、時間は2Δtである。タイルの右下隅のパイロットサブキャリアP4の周波数はf+3Δf、時間は2Δtである。
式(16)〜式(19)に示す相関値S(nΔf,mΔt)は、各式(16)〜式(19)の右辺第1項に示す「前に求めた相関値Sprev(nΔf,mΔt)」を、各式(16)〜式(19)の右辺第2項で更新することによって求められる。
前に求めた相関値Sprev(nΔf,mΔt)は、別のタイルに基づいて直前に更新された相関値S(nΔf,mΔt)であり、相関値記憶部165に保存されている。相関計算部164は、前に求めた相関値Sprevを、当該相関値記憶部165から取得するとともに、更新した相関値Sを相関値記憶部165へ記憶させる。
相関値S(nΔf,mΔt)の更新の際には、各式(16)〜式(19)の右辺第1項には重み係数α1〜α4が掛けられ、同第2項には(1−α1)〜(1−α4)が掛けられる。伝送路中のノイズが大きいときにはノイズの影響を抑えるため、(1−α1)〜(1−α4)を小さくすべく、重み係数α1〜α4は大きくし、伝送路中のノイズが小さいときには伝送路変動への追従性能を高めるため、重み係数α1〜α4は小さくするのが好ましい。
さて、式(16)に示す第1相関値S(3Δf,0)は、パイロットサブキャリア間の周波数間隔が3Δfで、時間間隔が0である場合の伝送路周波数応答相関値を表している。この第1相関値S(3Δf,0)を更新するために、式(16)では、パイロットサブキャリアP1とパイロットサブキャリアP2との間での伝送路周波数応答相関値H(f,t)*H(f+3Δf,t)と、パイロットサブキャリアP3とパイロットサブキャリアP4との間での伝送路周波数応答相関値H(f,t+2Δt)*H(f+3Δf,t+2Δt)とを用いている。
式(17)に示す第2相関値S(0,2Δt)は、パイロットサブキャリア間の周波数間隔が0で、時間間隔が2Δtである場合の伝送路周波数応答相関値を表している。この第2相関値S(0,2Δt)を更新するために、式(17)では、パイロットサブキャリアP1とパイロットサブキャリアP3との間での伝送路周波数応答相関値H(f,t)*H(f,t+2Δt)と、パイロットサブキャリアP2とパイロットサブキャリアP4との間での伝送路周波数応答相関値H(f+3Δf,t)*H(f+3Δf,t+2Δt)とを用いている。
式(18)に示す第3相関値S(3Δf,2Δt)は、パイロットサブキャリア間の周波数間隔が3Δfで、時間間隔が2Δtである場合の伝送路周波数応答相関値を表している。この第3相関値S(3Δf,2Δt)を更新するために、式(18)では、パイロットサブキャリアP1とパイロットサブキャリアP4との間での伝送路周波数応答相関値(f,t)*H(f+3Δf,t+2Δt)を用いている。
式(19)に示す第4相関値S(3Δf,−2Δt)は、パイロットサブキャリア間の周波数間隔が3Δfで、時間間隔が−2Δtである場合の伝送路周波数応答相関値を表している。この第4相関値S(3Δf,−2Δt)を更新するために、式(7)では、パイロットサブキャリアP3とパイロットサブキャリアP2との間での伝送路周波数応答相関値(f,t+2Δt)*H(f+3Δf,t)を用いている。
そして、位相回転量計算部176は、前記第1相関値〜第4相関値それぞれについての偏角argを計算する。さらに、位相回転量計算部176は、偏角argから、タイミングオフセットT^mean及び周波数オフセットF^meanを算出する。
タイミングオフセットT^meanは、下記式(20)のように、各偏角に、適切な重みβ1〜β4を付けて加算し、2πΔfで除算することによって算出される。
Figure 0005315676
周波数オフセットF^meanは、下記式(21)のように、各偏角に、適切な重みγ1〜γ4を付けて加算し、2πΔtで除算することによって算出される。
Figure 0005315676
重みβ1〜β4や重みγ1〜γ4は、下記式(22)〜(25)を満たすように設定されるのが好ましい。また、サブキャリア間隔が小さく、多くの回数更新している相関値に対しては大きい重みβ,γをつけるのが望ましい。
なお、式(20)式(21)では、相関値の偏角を演算してから重み付き演算を行っていたが、相関値の重み付き演算を行ってから偏角を演算してもよい。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
Figure 0005315676
前述のように、本実施形態では、推定したオフセットを用いて、位相回転量補正部18a−,18a−2,18b−1,18b−2が、各アンテナ素子で受信した送信信号ごとに、FFT後の位相回転の補償を行う。まず、タイミングオフセットの補正は、推定したタイミングオフセットの平均値Tmeanを用いて、サブキャリアに応じた位相回転の補償を行う。
例えば、補正前において、式(26)に示すように、タイミングオフセットTmeanがあった場合、式(27)に示すように、Tmeanで補正することにより、位相回転量を0にすることができる(図8参照)。なお、補正は、あるサブキャリアを基準として行われる。OFDMAの場合には、各ユーザが割り当てられた領域内で、推定・補正を行うのが好ましい。
Figure 0005315676
Figure 0005315676
上記のようにFFT後の位相回転補正を行うことで、隣接したサブキャリア間における伝送路周波数応答特性の変化量を小さくすることができる。また、伝送路周波数応答特性の推定が容易になる。
また、周波数オフセットの補正は、推定したFmeanの分だけ、FFT後の周波数領域信号の周波数を補正すればよい。
上記実施形態のように、送信信号A,Bごとに、位相回転を補正することで、シンボル間の位相回転・サブキャリア間の位相回転を、送信信号A,Bごとに防ぐことができ、復調誤差を小さくすることができる。
さて、以下では、図3において、各アンテナ素子11a,11bの各信号処理系統15a,15bにおいて、複数の信号源からの複数の送信信号A,Bをそれぞれ推定する方法について説明しておく。各アンテナ素子11a,11bの受信信号から、複数の信号源からの送信信号を推定するには、伝送路周波数応答を推定して逆行列演算を行う方法や、アダプティブアレーを用いる方法がある。ここでは、伝送路周波数応答を推定して逆行列演算を行う方法について説明する。
複数の受信アンテナ素子k(k=1,2)における受信信号をXk、信号源A,Bからの送信信号をS1,S2、信号源A,Bから受信アンテナ素子kへの伝送路周波数応答をHk1,Hk2とすると、雑音を考慮しない場合、下記式(28)の関係が成り立つ。
Figure 0005315676
伝送路周波数応答Hkl(k,l=1,2)をすべて推定できた場合、下記式(29)のように伝送路周波数応答の逆行列を受信信号にかけることで、受信信号Xkから送信信号の推定値を得ることができる。
Figure 0005315676
そして、伝送路周波数応答の推定は、パイロット信号(パイロットサブキャリア)から行うことができる。前記伝送路周波数応答を求めるためには、各信号源からの信号を識別する必要があるが、WiMAXでは、一方の信号源からパイロット信号を送信している場合には、他方はパイロット信号の送信を止めることによって、各信号源からのパイロット信号を区別することができる。
また、上記のように位相回転量の推定・補正を行うことによって伝送路周波数応答の推定精度の向上が達成できる理由は下記のとおりである。
まず、一つの信号源からパイロット信号S1が到来している場合、各アンテナ素子の受信信号Xkは下記式(30)のように表される。なお、下記式においてNは雑音を表している。
Figure 0005315676
パイロット信号S1は既知なので、信号源に対する伝送路周波数応答の推定値H^は、下記式(31)によって導出することができる。
Figure 0005315676
ここで、近接するパイロット信号を利用して伝送路周波数応答の推定精度を向上させることを考える。パイロット間の位相回転を完全に補償できたとすると、近接するパイロット間で伝送路周波数応答が一致するので、下記式(32)の等式が成り立つ。
Figure 0005315676
したがって、下記式(33)のように各パイロットにおける伝送路周波数応答の推定値を平均化し、その平均値を伝送路周波数応答の推定値とすることで、雑音の影響を抑えて、伝送路周波数応答の推定精度を上げることができる。
Figure 0005315676
なお、パイロット信号間の位相回転を補正できていない場合は、パイロット信号間で伝送路周波数応答が異なる。したがって、位相回転を補正せずに平均化処理を行っても伝送路周波数応答の推定精度はあまり向上しない。
図9は、第2実施形態に係る通信装置1を示している。第2実施形態では、位相回転量推定部を、受信アンテナ素子11a,11bの系統ごとには設けず、単に送信信号A,B
ごとに設けられている。
つまり、第1の位相回転量推定部17−1は、第1受信アンテナ素子11a及び第2受信アンテナ素子11bによって受信した受信信号に含まれる複数の送信信号A,Bのうち、送信信号Aについての位相回転量を推定する。このため、第1位相回転量推定部17−1には、第1受信アンテナ素子11a及び第2受信アンテナ素子11bによって受信した受信信号それぞれに含まれる送信信号A,Aが与えられる。
また、第2の位相回転量推定17−2は、第1受信アンテナ素子11a及び第2受信アンテナ素子11bによって受信した受信信号に含まれる複数の送信信号A,Bのうち、送信信号Aについての位相回転量を推定する。このため、第2位相回転量推定部17−2には、第1受信アンテナ素子11a及び第2受信アンテナ素子11bによって受信した受信信号それぞれに含まれる送信信号B,Bが与えられる。
一方、位相回転量補正部18a−1,18b−1,18a−2,18b−2は、図3の第1実施形態と同様に、各アンテナ素子11a,11bの系統において複数の送信信号の系統15a−1,15b−1,15a−2,15b−2ごとに設けられている。
一般に、複数のアンテナ素子11a,11b間ではオフセット量が異なるが、アンテナ素子11a,11b同士が近く配置されていれば、遅延波やドップラー波の分布が近くなるため、オフセット値も近い値となる。したがって、複数のアンテナ素子11a,11b間の距離が近い場合や伝送路中の雑音が大きい場合や、オフセット(位相回転量)の推定に使用できる信号数が少ない場合には、位相回転量推定部17−1,17−2によって、複数のアンテナ素子11a,11b系統のオフセット推定値(位相回転量推定値)を平均化することで、推定精度を向上させることができる。
具体的には、位相回転量推定部17−1,17−2は、各アンテナ11a,11bの系統における相関値Sを求め、それらの相関値Sの平均値を求める。そして、位相回転量推定部17−1,17−2は、相関値Sの平均値から、タイミングオフセットT^mean及び周波数オフセットF^meanを導出する。
第1の位相回転量推定部17−1で推定した送信信号AのタイミングオフセットT^mean及び周波数オフセットF^meanは、送信信号Aの位相回転量を補正する位相回転量補正部18a−1,18b−1に与えられ、補正が行われる。
また、第1の位相回転量推定部17−2で推定した送信信号BのタイミングオフセットT^mean及び周波数オフセットF^meanは、送信信号Bの位相回転量を補正する位相回転量補正部18a−2,18b−2に与えられ、補正が行われる。
なお、第2実施形態において、説明を省略した点については、図3に示すものと同様であり、以下の他の実施形態についても同様である。
図10は、第3実施形態に係る通信装置1を示している。この第3実施形態の通信装置1は、主に、共通ユーザからの送信信号を用いて位相回転量(オフセット量)の推定精度を向上させるものである。
一般に、複数の異なる送信信号間では、位相回転量は異なる。しかし、複数の送信信号源が近い距離にある場合には、位相回転量は近い値になる。特に、同じユーザが複数の送信アンテナ素子を用いて通信している場合、各送信アンテナ素子間の距離は比較的近く、位相回転量(オフセット量)も近い値となる。これを利用し、各送信信号A,Bについてのオフセット値を平均化することで、推定精度を向上させることができる。特に、伝送路中の雑音が大きい場合や、オフセット推定に使用できるパイロット信号数が少ない場合には、非常に有効である。
具体的には、複数の受信アンテナ素子11a,11bの各系統15a,15bにそれぞれ、位相回転量推定部17a,17b及び位相回転量補正部18a,18bが設けられている。各系統15a,15bの各位相回転量推定部17a,17bは、各送信信号A,Bにおけるそれぞれの相関値Sの平均を計算し、平均した結果から最終的なオフセット推定値(位相回転量推定値)を、各系統15a,15bごとに導出する。なお、各送信信号A,Bごとにオフセット推定値を算出し、算出されたオフセット推定値の平均をとったものを最終的なオフセット推定値としてもよい。
そして、各位相回転量補正部18a,18bでは、各位相回転量推定部17a,17bによって推定されたオフセット推定値に基づいて、補正が行われる。
図11は、第4実施形態に係る受信側の通信装置1を示している。なお、図11では、受信側通信装置1及び送信側通信装置2からなる通信システム全体を示している。
この通信装置1は、送信信号A,Bごとの位相回転量推定部17−1,17−2を有しており、これらの位相回転量推定部17−1,17−2は、図9に示す第2実施形態の位相回転量推定部17−1,17−2と同様の機能を有する。つまり、第1の位相回転量推定部17−1は、送信側通信装置2の第1アンテナ素子21aから送信される送信信号Aの位相回転量(オフセット量)を推定し、第2の位相回転量推定部17−2は、送信側通信装置2の第2アンテナ素子21bから送信される送信信号Bの位相回転量(オフセット量)を推定する。
第4実施形態では、位相回転量推定部17−1,17−2の推定結果を用いて、受信側の通信装置1で補正を行うのではなく、推定結果を送信側通信装置2へフィードバックして、送信側で調整(補正)を行う。このため、受信側通信装置1は、送信部20a,20bを、各位相回転量推定部17−1,17−2に対応して送信信号ごとに備えている。これらの送信部20a,20bは、推定結果から、送信タイミングや送信周波数を補正するための送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報を生成し、送信側の通信装置2へ送信する。送信側の通信装置2は、通信装置1から送信タイミング調整情報及び周波数調整情報を受け取ると、調整部22a,22bによって、各送信信号A,Bの送信タイミング乃至送信周波数(搬送波周波数)を調整する。
送信側の通信装置2で、送信タイミング乃至送信周波数が調整されることで、シンボル間干渉、キャリア間干渉・シンボル間の位相回転・サブキャリア間の位相回転を防ぐことができる。
ここで、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)は、算出される度に、送信部20a,20bによって送信側の通信装置2へ送信してもよいが、算出される度に送信すると、頻繁に送信することになる。そこで、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)が、所定の閾値を超えたときに、送信側への送信を行うようにすることで、不必要な通知を減らし、通信資源を有効に活用できる。
また、送信部20a,20bは、推定結果から算出された送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)を、そのまま送信側へ送信してもよいが、算出された送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)に対してステップサイズμ(0<μ≦1)を乗じたものを、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報として、送信側へ送信するのが好ましい。この場合、算出された補正値の推定精度が低い場合でも、送信側では安定して補正することができる。また、受信側で平均化処理を行う必要がなくなくので、受信機の構成を簡略化できる。
なお、図11は、通信装置1の主に受信機能に着目した機能ブロック図であるため、受信側通信装置1の送信部20a、20bから、送信側通信装置2の調整部22a,22bに、直接、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報が送信されるように描かれている。ただし、実際には、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報は、通信装置1のアンテナ素子11a,11bから発生される無線信号によって、通信装置2へ送信されるものである。
図12は、第5実施形態に係る受信側の通信装置1を示している。なお、図12においても、受信側通信装置1及び送信側通信装置2からなる通信システム全体を示している。
この通信装置1は、受信アンテナ素子11a,11bの系統15a,15bごとの位相回転量推定部17a,17bを有しており、これらの位相回転量推定部17a,17bは、図10に示す第3実施形態の位相回転量推定部17a,17bと同様の機能を有する。つまり、第1の位相回転量推定部17aは、第1アンテナ素子11aで受信された受信信号に含まれる送信信号A,Bのオフセット推定値を平均化する。また、第2の位相回転量推定部17bは、第2アンテナ素子11bで受信された受信信号に含まれる送信信号A,Bのオフセット推定値を平均化する。
また、第5実施形態の通信装置1は、各アンテナ素子11a,11bで受信した信号の受信電力を推定する受信電力推定部30a,30bを、それぞれの系統15a,15bごとに有している。
それぞれの位相回転量推定部で推定されたオフセット(タイミングオフセット乃至周波数オフセット)は、合成部31によって、受信電力推定部30a,30bで推定された受信電力の大きさに応じた重み付けがなされて、合成される。つまり、それぞれの系統15a,15bで推定されたオフセットは、それぞれの系統の受信電力の大きさで重み付けがなされた上で、合成される。
このように、各アンテナ素子11a,11bに対応した複数のオフセットを、受信電力で重み付けすることで、受信電力が大きい系統のオフセット推定値が大きく重み付けされる。したがって、送信タイミングを調整するための送信タイミング調整情報乃至送信周波数を調整するための送信周波数調整情報として最適な値が得られる。
合成部31によって重み付け合成されたタイミングオフセット及び周波数オフセットを用いて、送信部20は、送信タイミングや送信周波数を補正するための送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報を生成し、送信側の通信装置2へ送信する。送信側の通信装置2は、通信装置1から送信タイミング調整情報及び周波数調整情報を受け取ると、調整部22a,22bによって、各送信アンテナ21a,21bからの送信信号A,Bの送信タイミング乃至送信周波数(搬送波周波数)を調整する。
送信側の通信装置2で、送信タイミング乃至送信周波数が調整されることで、シンボル間干渉、キャリア間干渉・シンボル間の位相回転・サブキャリア間の位相回転を防ぐことができる。
ここでは、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)は、算出される度に、送信部20によって送信側の通信装置2へ送信してもよいが、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)が、所定の閾値を超えたときに、送信側への送信を行うようにしてもよい。
また、送信部20は、合成部31によって重み付け合成されたタイミングオフセット及び周波数オフセットから算出された送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)を、そのまま送信側へ送信してもよいが、算出された送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報(補正値)に対してステップサイズμ(0<μ≦1)を乗じたものを、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報として、送信側へ送信してもよい。
なお、図12は、通信装置1の主に受信機能に着目した機能ブロック図であるため、受信側通信装置1の送信部20から、送信側通信装置2の調整部22に、直接、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報が送信されるように描かれている。ただし、実際には、送信タイミング調整情報乃至送信周波数調整情報は、通信装置1のアンテナ素子11a,11bから発生される無線信号によって、通信装置2へ送信されるものである。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図を逸脱しないかぎり、様々な変形が可能である。
OFDMのサブキャリア構造を示す図である。 サブキャリアの周波数−時間2次元配列である。 実施形態に係る通信装置のブロック図である。 位相回転量推定の基本概念説明図である。 (a)はタイミングオフセットの重み付け平均の説明図であり、(b)は周波数オフセットの重み付け平均の説明図である。 位相回転量推定部のブロック図である。 タイルごとのタイミングオフセット、周波数オフセット計算例のための説明図である。 位相回転補正の説明図である。 第2実施形態に係る通信装置のブロック図である。 第3実施形態に係る通信装置のブロック図である。 第4実施形態に係る通信装置のブロック図である。 第5実施形態に係る通信装置のブロック図である。 受信アンテナ素子系統ごとに位相回転量推定・補正を行う場合の説明図である。
符号の説明
1:通信装置、11a,11b:アンテナ素子、12a,12b:RF部、13a,13b:BB部、14a,14b:FFT部、15a:第1系統、15b:第2系統、16:フィルタ処理部、17a−1,17a−2,17b−1,17b−2:位相回転量推定部、18a−1,18a−2,18b−1,18b−2:位相回転量補正部、171:第1バッファ、172:伝送路周波数応答計算部、173:第2バッファ、174:相関計算部、175:相関値記憶部、176:位相回転量計算部

Claims (6)

  1. 複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信装置であって、
    受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定部を備え、
    前記位相回転量推定部は、受信信号に含まれる複数の送信信号ごとに位相回転量を推定する演算を行い、
    前記位相回転量推定部は、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに設けられていることを特徴とするMIMO通信装置。
  2. それぞれの前記位相回転量推定部によって推定された各位相回転量に基づいて、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正する位相回転量補正部を備えていることを特徴とする請求項記載のMIMO通信装置。
  3. 複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信装置であって、
    受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定部を備え、
    前記位相回転量推定部は、受信信号に含まれる複数の送信信号ごとに位相回転量を推定する演算を行い、
    前記位相回転量推定部は、複数の受信アンテナ素子によって受信した複数の受信信号に対してウェイトをかけて合成するフィルタリング処理を行うフィルタリング処理部より手前において、各送信信号の系統ごとに複数設けられ、
    複数の前記位相回転量推定部は、それぞれ、送信信号ごとの位相回転量を、複数の受信アンテナ素子によって受信した複数の受信信号を用いて推定することを特徴とするMIMO通信装置。
  4. 複数の前記位相回転量推定部によって推定された送信信号ごとの位相回転量に基づいて、複数の受信アンテナ素子の各系統において各送信信号の系統ごとに位相回転量を補正する位相回転量補正部を備えていることを特徴とする請求項記載のMIMO通信装置。
  5. 複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信方法であって、
    受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定ステップを含み、
    前記位相回転量推定ステップでは、複数の受信アンテナ素子の各系統において複数の送信信号の系統ごとに位相回転量を推定する演算を行うことを特徴とするMIMO通信方法。
  6. 複数の送信アンテナ素子によって送信された複数の送信信号を、複数の受信アンテナ素子によって受信するMIMO通信方法であって、
    受信信号の位相回転量を推定する位相回転量推定ステップを含み、
    前記位相回転量推定ステップでは、受信信号に含まれる複数の送信信号ごとに位相回転量を推定する演算を行い、
    前記位相回転量を推定する演算は、複数の受信アンテナ素子によって受信した複数の受信信号であって当該受信信号にウェイトをかけて合成されるフィルタリング処理が行われる前の複数の受信信号を用いて、各送信信号の系統ごとに行われる
    ことを特徴とするMIMO通信方法。
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