JP5314474B2 - コイン投出装置 - Google Patents

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本発明は、コイン投出装置、特に回胴式遊技機にコインを供給する際に適用して好適なコイン投出装置に関する。
コイン(メダルとも呼ばれる)が遊技媒体として使用されるゲーム機には、いわゆる「パチスロ」と呼ばれる回胴式遊技機がある。
このような遊技機では、コインを貯留すると共に、当たり役に応じて所定枚数を払出すためにコインホッパとも呼ばれるコイン投出装置が用いられている。
一般的なコイン投出装置としては、コインを貯留する貯留タンクと、コインを捕捉し回転力により投出す回転ディスクと、該回転ディスクを回転させるモータと、投出す際にコインを検出してカウントする検出センサと、これら各部材を保持するベースフレーム等により構成されている。
従来のコイン投出装置としては、例えば特許文献1には、図1に一部破断して示す回転ディスクを備えたものが開示されている。この回転ディスク152は、モータにより矢印で示す時計方向に回転される。この円盤状の回転ディスク152には、コイン132よりも大きいコイン穴162が形成され、これによりコインを1枚ずつ捕捉すると共に、そのコインを該ディスクの回転により案内部材142に沿ってその終端部へ送る。
案内部材142の終端付近には、可動ローラ148が設けられており、送られてきたコイン132がこの可動ローラ148を押し拡げることにより、その反力によりコイン132を機外へ投出されるようになっている。この可動ローラ148は、裏側のセンサ検出子と連結されており、コイン132に押し拡げられる毎に、連動するセンサにより投出しが検知されるようになっている。
ところで、一般にパチスロでは、外径が25mmのφ25mmコインと、30.3mmや30.8mmのφ30mmコインと呼ばれるものが使用されており、そのために、パチスロ用のコイン投出装置には、φ25mm(小径)仕様とφ30mm(大径)仕様があり、それに合せて回転ディスクも専用のものがそれぞれ用意されていた。
従って、このようなコイン投出装置には、小径用と大径用それぞれの回転ディスクを発注し、製作し、在庫管理を行なう必要がある上に、各仕様のコイン投出装置を組付けたり、在庫管理を行なう等の必要があるという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、外径の異なる大小2種類の径からなるコインを1つのコイン投出装置で払出す(投出す)ことができるコイン投出装置も、例えば特許文献2に開示されている。
特開2002−123851号公報 特許第3748621号公報
しかしながら、前記特許文献2のコイン投出装置には、特に小径コインを使用する場合、円滑にコインを投出すことができず、その上回転ディスクが停止するロック現象等のエラーが起こりやすいという問題があった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、大径と小径のいずれかのコインをも投出することができる上に、小径コインでもロック現象等のエラーを起こすことなく円滑に投出すことができるコイン投出装置を提供することを課題とする。
本発明は、ベースプレート上に回転可能に支持されていると共に、大径コインと小径コインをそれぞれ個別に捕捉可能な複数のコイン穴が、円周方向に等間隔に貫通形成され、各コイン穴の裏側には周端部が開放された形状の押出部により仕切られたコイン収容部が形成されている、一方向に回転される回転ディスクと、コインを投出方向に排出する排出口を除いた前記回転ディスクの周囲に配設された円筒面ガイドと、該円筒面ガイドの回転方向前端から前記排出口まで配設された直線ガイドと、該直線ガイドの排出口側端部に対向して配設され、前記回転ディスクの回転に伴って前記押出部により押し出されるコインに接触する、排出口方向に付勢された可動ローラとを備えたコイン投出装置において、前記回転ディスクの収容部を構成する前記押出部には、回転方向前方の前方壁部に接触した小径の前方コインに連続して接触した小径の後方コインに当接し、且つ、該後方コイン上の当接位置と該後方コインの中心とを通る直線を、該後方コインが前記可動ローラに初期位置で接触した状態のときに、該初期位置の可動ローラの中心より前記排出口側に位置させる、当接端部が形成されているようにしたことにより、前記課題を解決したものである。
本発明によれば、回転ディスクの収容部を構成する押出部には、回転方向前方の前方壁部に接触した小径の前方コインに連続して接触した小径の後方コインに当接し、且つ、該後方コイン上の当接位置と該後方コインの中心とを通る直線を、該後方コインが前記可動ローラに初期位置で接触した状態のときに、該初期位置の可動ローラの中心より排出口側に位置させる、当接端部が形成されているようにしたので、後方コインが可動ローラに接触する初期位置でコイン押出部の当接端部が該コインを押すベクトルの方向を、可動ローラとの接触位置より排出口方向にできるため、小径コインでも確実に排出することができる。
従来のコイン投出装置の要部を示す平面図 本発明に係る一実施形態のコイン投出装置の主要部を示す分解斜視図 ベースプレートに円筒面ガイド及び排出プレートを取付けた状態を示す斜視図 回転ディスクを拡大して示す斜視図 本実施形態のコイン投出装置を構成するベースユニットを示す斜視図 上部半分を切断した状態の回転ディスクを示す平面図と斜視図 上部全体を切断した状態の回転ディスクである投出部を示す平面図と斜視図 ベースユニットの裏側を示す斜視図 本実施形態におけるコイン押出部の特徴を示す拡大平面図 回転ディスクによりコインが送り出される図5の後の段階を示す斜視図 回転ディスクによりコインが送り出される図10の後の段階を示す斜視図 回転ディスクによりコインが送り出される図11の後の段階を示す斜視図 回転ディスクの収容部と収容される小径コインの関係を示す平面図 本実施形態の作用を説明するための図9に相当する拡大平面図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図2は、本発明に係る一実施形態のコイン投出装置の主要部を示す分解斜視図である。
この分解斜視図に示されるように、本実施形態のコイン投出装置は、土台部分を構成するフレームユニット10と、該フレームユニット10の斜面部に取付けられるベースプレート12と、該ベースプレート12上に回転可能に支持される回転ディスク14と、該回転ディスク14の周囲を囲みコインを排出口方向に誘導する円筒面ガイド16と、更に排出口へ誘導する排出プレート(直線ガイド)18とを配置したベースユニット20と、該ベースユニット20の上部に取付けられ、回転ディスク14に供給するコインを貯める貯留タンク22を備えている。
図3には、ベースプレート12に左半分の上部を切断した円筒面ガイド16と直線ガイドである排出プレート18を取付けた状態を示す。
本実施形態のコイン投出装置では、この図3の状態のベースプレートのほぼ中央部にあるモータの回転軸Sに、図4に示す回転ディスク14の中心穴を嵌合させて該回転ディスク14を固定することにより、図5にφ35mmの大径コインCと共に示すベースユニット20が完成する。
なお、この図5では、円筒面ガイド16の上部半分が切断されており、以下のベースユニット20の説明では原則として回転ディスク14と円筒面ガイド16は上部半分が切断されている状態で示す。
回転ディスク14の上部には、図4に示したように円周方向に等間隔で複数のコイン穴30が裏側に貫通して形成されている。又、各コイン穴30の周囲上部には傾斜した誘い込み部30Aが形成されている。
このコイン穴30は、小径コインでも1枚しか入らない大きさ(直径)に形成され、図6に回転ディスク14の上部半分を切断した状態を、又、図7に上部全体を切除した状態の平面図と斜視図をそれぞれ示すように、各コイン穴30の裏側、即ち回転ディスク14の下部にはそれぞれ同形状のコイン押出部32に囲まれた空間からなるコイン収容部34が形成されている。
各コイン穴30に対応するコイン収容部34は、図示されているように内側が略半円形状でディスク周端側が開放された形状のコイン押出部32により仕切られ、その開放周端部が前記円筒面ガイド16により遮蔽された空間として形成され、その内部にコインCを収納可能になっている。
また、このベースユニット20では、前記図3、図5に示したようにコイン排出口36の一端を構成する可動ローラ38がコインCの周端部と接触する位置に回転可能に支持され、且つ該コイン排出口36方向に後述するばねにより付勢されていると共に長穴の範囲を移動可能になっている。
この可動ローラ38の対向する位置には、前記排出プレート18が取付けられ、コイン排出口36の他端を構成している。この排出プレート18は、前後を逆に取付けることにより、コイン排出口36の幅を大径用と小径用に合うように、それぞれのコインの直径より狭く調整できるように異なる幅で形成されている。
また、ベースユニット20では、図8に示すようにベースプレート12の裏側に前記回転ディスク14を回転させるモータ40が付設されていると共に、前記可動ローラ38を付勢するばね42と、該可動ローラ38を支持し、ばね42の付勢力に抗して回転させる検出レバー43と、該レバー43の動きからコインの通過を検知する検出センサ(フォトインタラプタ)44等からなるセンサユニットが付設されている。
更に、本実施形態では、前記コイン収容部34の空間を構成するコイン押出部32には、図9にコイン排出口近傍を拡大して示すように、回転ディスク14の回転方向前方の前方壁部32Aに接触した小径の前方コインCaに連続して接触した小径の後方コインCbに当接する当接端部32Bが形成されている。そして、この当接端部32Bは、これが当接する前記後方コインCb上の当接位置Pと該後方コインCbの中心とを通る直線Vが、該後方コインCbが前記可動ローラ38に初期位置で接触した状態のときに、該初期位置の前記可動ローラ38の中心38Aより前記排出口36側に位置するように、回転方向に突出した形状に形成されている。
以上の構成からなる本実施形態のコイン投出装置においては、モータ40により回転ディスク14が回転されると、コイン穴30で捕捉されたコインCはコイン収容部34の押出部32により押出されると共に、前記円筒面ガイド16及び直線ガイドである排出プレート18に順次誘導されて、前記図5に2つの大径コインを例に示したように、排出口36の方向に運ばれる。
その後、図5に続く動作として説明すると、図10に示すように排出プレート18により誘導されるコインCは初期位置にある前記可動ローラ38に接触し、更に押されると該可動ローラ38を外側に移動させ排出口36を拡げる。
次いで、可動ローラ38が最大量押し拡げられた図11の状態を超えると図12に示すように可動ローラ38が付勢力により元の初期位置に戻ると同時に、コインCが排出口36から排出され、図示しない投出部方向へ送り出される。
1枚のコインCが排出される毎に、前記レバー43に支持されている可動ローラ38が図5の待機位置(初期位置)と図11の最大離隔位置との間の動作を繰り返すことになり、それが前記検出センサ44によりコインの排出枚数として検出される。
φ25mmの小径コインの場合も、図13に斜線を引いて2つのコイン収容部34を示すように、各収容部34には小径コインC(便宜上、同一の符号を使用する)でも2枚同時に収容することができないため、基本的なコインの送り出し動作は前述したφ30mmの大径コインの場合と同じである。
ところが小径コインの場合は、まれに排出口36から排出されないことが起こり、それが原因で回転ディスクが停止するロック状態等のエラーになることがある。
このような現象等のエラーが生じることを防止するべく、本発明者が鋭意検討した結果、前記コイン押出部32を前記図9に示した形状にすることが有効であることを知見した。
即ち、コイン収容部34に収容されるコインCは、円筒面ガイド16に誘導されている間は1枚ずつであるが、直線状の排出プレート18に誘導されるようになると、その領域が広がるため、第2のコインがコイン穴30から供給されて2枚収容されるようになる。
この場合、通常、コインの排出が円滑に行なわれている限りは後方に位置するコインが排出される。ところが、円滑に後方のコインが排出されない場合には、前方コインCaに後方コインCbが連続して接触した状態になることが起こり得る。
この場合、前記図9に相当する図14に示すように、後方コインCbに対する押出部32の当接端部32Bと後方コインCbの中心とを通る直線Vが、初期位置の可動ローラ38の中心に対して排出口36と反対側に位置すると、図示されている状態に嵌り込むことになる。その結果、押出部32の当接端部32Bが押すことにより後方コインCbに作用する、その中心を通るベクトルは、直線Vに矢印を付して示すように可動ローラ38との接触位置より右側(回転方向)に作用することになるため、該後方コインCbは排出口36から排出できないことになる。
これに対して、前記図9に示したように、押出部32の当接端部32Bが当接する後方コインCb上の当接位置(接点)Pと該後方コインCbの中心とを通る直線が、初期位置の可動ローラ38の中心より排出口36側に位置する場合は、後方コインCbが初期位置の可動ローラ38に接触した段階で、その中心を通る直線Vと矢印で示すベクトルがコインの接触位置より左の排出口36側に作用することになるため、該排出口36の方向に押出されることになり、φ25mmの小径コインCの場合でも確実に排出させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)小径コイン及び大径コインの両用のコイン投出装置(コインホッパ)において、回転ディスクを共通で使用できる上に、小径コインでも排出ミス等のエラーを起こさせることなく確実に投出すことができる。
(2)小径コイン及び大径コインの両用のコイン投出装置(コインホッパ)において、回転ディスクを共通で使用できるので、部品を共通化することにより、部品コストの低減、管理コストの低減を図ることができる上に、大径コインから小径コインまたはその逆の使用に、回転ディスクを交換することなく、短時間で簡単に仕様変更することができる。
なお、前記実施形態では、後方コインCbが可動ローラ38に接触する初期位置で、該後方コインCbに当接する押出部32の当接端部32Bの形状が、前記図9に示したように回転方向に突出したものに限定されない。
10…フレームユニット
12…ベースプレート
14…回転ディスク
16…円筒面ガイド
18…排出プレート(直線ガイド)
20…ベースユニット
22…貯留タンク
30…コイン穴
32…コイン押出部
32A…前方壁部
32B…当接端部
34…コイン収容部
36…コイン排出口
38…可動ローラ
40…モータ
42…ばね
43…検出レバー
44…検出センサ
C…コイン
Ca…前方コイン
Cb…後方コイン

Claims (1)

  1. ベースプレート上に回転可能に支持されていると共に、大径コインと小径コインをそれぞれ個別に捕捉可能な複数のコイン穴が、円周方向に等間隔に貫通形成され、各コイン穴の裏側には周端部が開放された形状の押出部により仕切られたコイン収容部が形成されている、一方向に回転される回転ディスクと、
    コインを投出方向に排出する排出口を除いた前記回転ディスクの周囲に配設された円筒面ガイドと、
    該円筒面ガイドの回転方向前端から前記排出口まで配設された直線ガイドと、
    該直線ガイドの排出口側端部に対向して配設され、前記回転ディスクの回転に伴って前記押出部により押し出されるコインに接触する、排出口方向に付勢された可動ローラとを備えたコイン投出装置において、
    前記回転ディスクの収容部を構成する前記押出部には、
    回転方向前方の前方壁部に接触した小径の前方コインに連続して接触した小径の後方コインに当接し、且つ、該後方コイン上の当接位置と該後方コインの中心とを通る直線を、該後方コインが前記可動ローラに初期位置で接触した状態のときに、該初期位置の可動ローラの中心より前記排出口側に位置させる、
    当接端部が形成されていることを特徴とするコイン投出装置。
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