JP5314201B1 - 振動抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物の振動を適切に抑制できるとともに、装置全体の小型化及び製造コストの削減を図ることができる振動抑制装置を提供する。
【解決手段】振動抑制装置では、第1支持部材2は、その一端部が、一対の梁の一方である第1梁BDにおける、一対の柱の一方PLとの接合部と一対の柱PL、PRの間の中心との間の所定の第1部位R1に連結され、第1部位R1から一対の梁の他方である第2梁BUに向かって斜めに延びている。第2支持部材3は、その一端部が、第1梁BDにおける、一対の柱の他方PRとの接合部と一対の柱の間の中心との間の所定の第2部位R2に連結され、第2部位R2から第2梁BUに向かって斜めに延びるとともに、他端部が、第1支持部材2の他端部に連結されている。回転マス23、33を有するマスダンパ4、5は、その一端部が第2梁に連結されるとともに、他端部が第1及び第2支持部材2、3の他端部に連結されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに平行に鉛直に延びる一対の柱と、互いに平行に水平に延びる上下一対の梁とを互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する構造物の振動を抑制するための振動抑制装置に関する。
従来、この種の振動抑制装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この振動抑制装置は、左右一対の柱と上下一対の梁を互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する構造物に設けられており、柱材で構成された第1支持部材及び第2支持部材と、回転マスを有するマスダンパと、オイルダンパを備えている。第1及び第2支持部材は、逆V字型のブレースを構成している。具体的には、第1支持部材は、その一端部が左側の柱と下側の梁との接合部(以下「第1接合部」という)に固定され、右方に向かって斜め上方に延びており、第2支持部材は、その一端部が右側の柱と下側の梁との接合部(以下「第2接合部」という)に固定され、左方に向かって斜め上方に延びており、第1及び第2支持部材の他端部は、連結部材を介して互いに連結されている。
また、マスダンパ及びオイルダンパは、連結部材を中心として互いに対称に設けられている。具体的には、マスダンパの一端部は連結部材に、他端部は取付具を介して上側の梁の左端部に、それぞれ取り付けられている。また、オイルダンパの一端部は連結部材に、他端部は取付具を介して上側の梁の右端部に、それぞれ取り付けられている。このように、マスダンパ、第1及び第2支持部材は、一対の梁に対して直列に設けられている。以上の構成の従来の振動抑制装置では、構造物の振動に伴い、上下一対の梁の間の相対変位が第1及び第2支持部材を介して、マスダンパ及びオイルダンパに伝達される。これにより、マスダンパの慣性質量効果とオイルダンパの減衰効果が得られることによって、構造物の振動が抑制される。
特開2012−122228号公報(図2など)
図9(a)及び(b)は、一対の柱、一対の梁及び従来の振動抑制装置を、構造物の振動時以外の通常時及び振動時について、それぞれモデル化して示している(オイルダンパは省略)。上述したように、従来の振動抑制装置では、第1及び第2支持部材が固定された第1及び第2接合部は、柱と梁を接合した部分であるため、その剛性が比較的高い。このため、図9(b)に示すように(通常時を二点鎖線で図示)、構造物の振動時、第1及び第2支持部材を介してマスダンパに伝達される変位が、上下の梁の間の相対変位δとほぼ同じになり、比較的小さいので、マスダンパ、第1及び第2支持部材から成る付加振動系による構造物の振動の吸収効果が十分に得られず、ひいては、構造物の振動を適切に抑制することができなくなってしまう。
また、回転マスを有するマスダンパ及び支持部材を直列に連結した付加振動系を用いて構造物の振動を適切に抑制するには、この付加振動系の固有振動数が構造物の固有振動数に同調するように、回転マスの質量及び支持部材の剛性(ばね定数)を設定するのが好ましい。従来の振動抑制装置では、第1及び第2支持部材が上述した剛性の高い第1及び第2接合部にそれぞれ固定されているので、構造物の振動時、第1及び第2支持部材は、マスダンパの反力に対して変形(変位)しにくくなり、第1及び第2支持部材の実質的な剛性が高くなる。
この場合、これらの第1及び第2支持部材を含む付加振動系の固有振動数が「sqrt(k/m)/2π」(ここで、kは第1及び第2付加振動系の剛性(ばね定数)、mは回転マスによる等価質量)で表される。以上から、従来の振動抑制装置では、構造物の振動を適切に抑制すべく、付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数に同調させるには、第1及び第2支持部材の高い剛性に見合うように、回転マスの質量が比較的大きな大型のマスダンパを用いなければならず、ひいては、装置全体の大型化及びコストの増大を招いてしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、構造物の振動を適切に抑制できるとともに、装置全体の小型化及び製造コストの削減を図ることができる振動抑制装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いに平行に鉛直に延びる一対の柱と、互いに平行に水平に延びる上下一対の梁とを互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する構造物の振動を抑制するための振動抑制装置であって、柱材で構成され、一端部が、一対の梁の一方である第1梁における、一対の柱の一方との接合部と一対の柱の間の中心との間の所定の第1部位に連結され、第1部位から一対の梁の他方である第2梁に向かって斜めに延びる第1支持部材と、柱材で構成され、一端部が、第1梁における、一対の柱の他方との接合部と一対の柱の間の中心との間の所定の第2部位に連結され、第2部位から第2梁に向かって斜めに延びるとともに、他端部が、第1支持部材の他端部に連結された第2支持部材と、回転可能な回転マスを有し、一端部が第2梁に連結され、他端部が第1及び第2支持部材の他端部に連結されており、構造物の振動に伴って第1及び第2支持部材を介して伝達された一対の梁の間の相対変位を、回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、を備え、第1及び第2支持部材の一端部は、第1及び第2部位に固定されずにそれぞれ当接しており、鋼線で構成され、プレテンションが付与されるとともに、一端部が第1支持部材に連結され、他端部が第1梁に連結された第1ケーブルと、鋼線で構成され、プレテンションが付与されるとともに、一端部が第2支持部材に連結され、他端部が第1梁に連結された第2ケーブルと、をさらに備え、第1支持部材及び第1梁の少なくとも一方には、第1ピンが取り付けられ、第2支持部材及び第1梁の少なくとも一方には、第2ピンが取り付けられており、第1及び第2ケーブルは、その途中で第1及び第2ピンにそれぞれ巻き掛けられていることを特徴とする。
この構成によれば、柱材から成る第1支持部材は、その一端部が、一対の梁の一方である第1梁における、一対の柱の一方との接合部と一対の柱の間の中心との間の所定の第1部位に連結されており、第1部位から一対の梁の他方である第2梁に向かって、斜めに延びている。また、柱材から成る第2支持部材は、その一端部が、第1梁における、一対の柱の他方との接合部と一対の柱の間の中心との間の所定の第2部位に連結され、第2部位から第2梁に向かって斜めに延びており、他端部が、第1支持部材の他端部に連結されている。さらに、回転マスを有するマスダンパの一端部が第2梁に連結され、他端部が、第1及び第2支持部材の他端部に連結されている。
以上の構成の振動抑制装置では、構造物が振動するのに伴い、一対の梁の間に相対変位が生じると、この相対変位が、第1及び第2支持部材を介してマスダンパに伝達され、それにより、マスダンパの回転マスが回転し、マスダンパ、第1及び第2支持部材から成る付加振動系が振動する。したがって、付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数に同調(共振)させることによって、構造物の振動エネルギが付加振動系で吸収され、ひいては、構造物の振動が抑制される。
また、図10(a)及び(b)は、第1及び第2支持部材の一端部を下側の梁の第1及び第2部位にそれぞれ連結した場合における一対の柱、一対の梁及び振動抑制装置の一例を、構造物の振動時以外の通常時及び振動時について、それぞれモデル化して示している。一対の柱及び一対の梁はラーメン構造を構成しているので、構造物の振動時、図10(b)に示すように(通常時を二点鎖線で図示)、一対の柱が梁の長さ方向の一方の側に曲げ変形すると、それに伴い、一対の梁は、ほぼサイン波状に曲げ変形し、一対の梁の各々のうちの長さ方向の一方の側の部分が上方に凸に、他方の側の部分が下方に凸に、曲げ変形する。図示しないが、これとは逆に、一対の柱が梁の長さ方向の他方の側に曲げ変形すると、一対の梁は、この場合にもほぼサイン波状に曲げ変形し、一対の梁の各々のうちの長さ方向の他方の側の部分が上方に凸に、一方の側の部分が下方に凸に、曲げ変形する。
本発明によれば、前述した構成から明らかなように、また図10に示すように、第1及び第2支持部材がほぼ逆V字状に設けられていることと、第1及び第2支持部材が、前述した従来の場合と異なり、第1梁における、一対の柱との2つの接合部の間の第1及び第2部位にそれぞれ連結されていることから、構造物の振動時、図10(b)に示すように、互いに連結された第1及び第2支持部材の他端部は、下側の梁に対する、マスダンパが連結された上側の梁の変位Δの方向と反対方向に変位する。これにより、構造物の振動時、マスダンパには、一対の梁の間の相対変位Δと第1及び第2支持部材の変位を足し合わせたより大きな変位が伝達されるので、マスダンパ、第1及び第2支持部材から成る付加振動系による構造物の振動の吸収効果が十分に得られ、ひいては、構造物の振動を適切に抑制することができる。
また、前述した従来の場合と異なり、第1及び第2支持部材が、柱と梁の接合部ではなく、第1梁における一対の柱との2つの接合部の間の第1及び第2部位にそれぞれ連結されているので、構造物の振動時、従来の場合と比較して、第1及び第2支持部材は、マスダンパの反力に対して変形(変位)しやすくなり、第1及び第2支持部材の実質的な剛性が低くなる。このため、回転マスの質量が比較的小さな小型のマスダンパを用いることが可能になり、それにより、装置全体の小型化及び製造コストの削減を図ることができる。
なお、これまで、第1及び第2支持部材の一端部を下側の梁の第1及び第2部位にそれぞれ連結するとともに、マスダンパを上側の梁に連結した場合における振動抑制装置の作用・効果について説明したが、これとは上下を逆に、すなわち、第1及び第2支持部材の一端部を上側の梁の第1及び第2部位にそれぞれ連結するとともに、マスダンパを下側の梁に連結した場合にも、これらの作用・効果を同様に得ることができる。また、図10はあくまで一例であり、振動抑制装置は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で、いわゆる当業者が想到し得る種々の構成を採用できることは、もちろんである。例えば、マスダンパの位置や数は、任意であり、また、第1及び第2支持部材は、必ずしも互いに連結された両者の他端部を中心として、互いに対称に設けられていなくてもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「接合」は、ボルトや溶接などによって複数の部材を互いに接続することをいう。
また、前述した構成によれば、第1支持部材の一端部が、第1梁の第1部位に固定されずに当接しており、プレテンションが付与された第1ケーブルの一端部及び他端部が、第1支持部材及び第1梁にそれぞれ連結されている。この第1ケーブルによって、第1支持部材の一端部は、第1部位に当接した状態に保持されており、すなわち、第1支持部材の一端部は、第1ケーブルを介して、第1部位に連結されている。同様に、第2支持部材の一端部が、第1梁の第2部位に固定されずに当接しており、プレテンションが付与された第2ケーブルの一端部及び他端部が、第2支持部材及び第1梁にそれぞれ連結されている。この第2ケーブルによって、第2支持部材の一端部は、第2部位に当接した状態に保持されており、すなわち、第2支持部材の一端部は、第2ケーブルを介して、第2部位に連結されている。
以上の構成により、第1及び第2支持部材、並びに第1及び第2ケーブルの剛性(ばね定数)は、マスダンパの反力に対して、バイリニアな特性を有する。以下、この点について説明する。
図11は、第1及び第2支持部材の一端部を下側の梁に連結するとともに、両支持部材を互いの他端部を中心として互いに対称に配置した場合における、マスダンパの反力Pと、マスダンパが連結された第1及び第2支持部材の他端部の変位(マスダンパに入力される変位)xとの関係の一例を、モデル化して示している。図11に示すように、この例では、マスダンパの反力Pにより作用する軸力Nが、第1支持部材に対しては第1ケーブルのプレテンションと反対方向に、第2支持部材に対しては第2ケーブルのプレテンションと同方向に、それぞれ作用する。また、同図の(a)は軸力Nが第1ケーブルのプレテンションよりも小さい場合について、同図の(b)は軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上である場合について、それぞれ示している。
まず、釣合いの条件より、マスダンパの反力Pと軸力Nの間には、次式(1)が成立する。ここで、θは、第1及び第2支持部材が第1梁とそれぞれなす角度である。
N=P/2cosθ ……(1)
また、第1及び第2支持部材の長さをそれぞれLpとし、第1及び第2支持部材のヤング係数をEpとし、第1及び第2支持部材の断面積をそれぞれApとすると、軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以下のとき(図11(a))には、変位xは、上記式(1)と仮想仕事法より、次式(2)で表される。なお、変位xの発生に伴い、第1支持部材が第1梁となす角度θと、第2支持部材が第1梁となす角度θは、厳密には互いに異なる値になるが、両者の差が非常に小さいので、この式(2)では、互いに同じであるとみなしている。
x={(P/2cosθ)(1/2cosθ)Lp・2}/(Ep・Ap)
=P・Lp/(2cos 2 θ・Ep・Ap) ……(2)
この式(2)から、軸力Nが第1ケーブルのプレテンションよりも小さいとき(図11(a))には、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k1は、次式(3)で表される。
k1=P/x=1/{Lp/(2cos 2 θ・Ep・Ap)} ……(3)
また、軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上のとき(図11(b))には、それにより第1支持部材が第1梁から離れるため、変位xは、上記式(1)と仮想仕事法より、次式(4)で表される。なお、上記式(2)と同様、変位xの発生に伴い、第1支持部材が第1梁となす角度θと、第2支持部材が第1梁となす角度θは、厳密には互いに異なる値になるが、両者の差が非常に小さいので、この式(4)では、互いに同じであるとみなしている。
x={P・Lp/(2cos 2 θ・Ep・Ap)}
+{P・Lc/(4cos 2 θ・Ec・Ac)} ……(4)
ここで、Lcは第1ケーブルの長さであり、Ecは第1ケーブルのヤング係数、Acは第1ケーブルの断面積である。
この式(4)から、軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上であるとき(図11(b))には、第1ケーブル、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k2は、次式(5)で表される。
k2=P/x=1/{[Lp/(2cos 2 θ・Ep・Ap)]
+[Lc/(4cos 2 θ・Ec・Ac)]} ……(5)
これらの式(3)と式(5)の比較から明らかなように、軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上であるときの第1ケーブル、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k2は、軸力Nが第1ケーブルのプレテンションよりも小さいときの第1及び第2支持部材の全体のばね定数k1よりも小さくなる。このことは、マスダンパの反力Pが図11の場合と反対方向に作用することによって、軸力Nが第1支持部材に対して第1ケーブルのプレテンションと同方向に、第2支持部材に対して第2ケーブルのプレテンションと反対方向に、それぞれ作用する場合にも、同様に当てはまる。すなわち、軸力Nが第2ケーブルのプレテンション以上であるときの第2ケーブル、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k4は、軸力Nが第2ケーブルのプレテンションよりも小さいときの第1及び第2支持部材の全体のばね定数k3よりも小さくなる。
以上から、変位xとマスダンパの反力Pとの関係として、図12に示すようなバイリニアな関係を得ることができ、第1及び第2支持部材の剛性並びに第1及び第2ケーブルの剛性は、マスダンパの反力Pに対して、バイリニアな特性を有する。これにより、例えば、マスダンパ、第1及び第2支持部材から成る付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数に同調させて構造物の振動を抑制する場合に、変位xが大きくなるのに伴ってマスダンパの反力Pが構造物の振動に同調して過大にならないうちに、より小さな剛性(=k2又はk4)を得ることが可能になり、それにより、付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数と異ならせることができるので、マスダンパの反力Pを抑制できる。したがって、構造物、マスダンパ、第1及び第2支持部材に過大な応力が発生するのを防止することができる。
さらに、前述した構成によれば、第1ケーブルが、その途中で、第1支持部材及び第1梁の少なくとも一方に設けられた第1ピンに巻き掛けられており、第2ケーブルが、その途中で、第2支持部材及び第1梁の少なくとも一方に設けられた第2ピンに巻き掛けられている。これにより、第1及び第2ケーブルの長さを大きくすることによって、前記式(5)から明らかなように、軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上である場合における第1ケーブル、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k2と、軸力Nが第2ケーブルのプレテンション以上である場合における第2ケーブル、第1及び第2支持部材の全体のばね定数k4を、より小さくすることができる。
したがって、前述した効果、すなわち、構造物、マスダンパ、第1及び第2支持部材に過大な応力が発生するのを防止できるという効果を、確実に得ることができる。また、第1及び第2ケーブルを第1及び第2ピンにそれぞれ巻き掛けるので、巻き掛けない場合と比較して、両者をコンパクトに配置することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の振動抑制装置において、第1部位は、一方の柱から他方の柱側に向かって、一対の柱の間の長さの1/4の位置に設定されており、第2部位は、他方の柱から一方の柱側に向かって、一対の柱の間の長さの1/4の位置に設定されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明の説明において図10を参照して述べたように、構造物の振動時、一対の柱が梁の長さ方向の一方の側又は他方の側に曲げ変形すると、一対の梁は、ほぼサイン波状に曲げ変形する。この場合、一対の柱の各々の軸線同士の間の長さをLとすると、一対の梁の各々のうちの、一対の柱の各々の軸線からほぼL/4の長さの位置の部分が、上方又は下方に凸に最も大きく曲げ変形する。
この構成によれば、第1部位、すなわち第1梁の第1支持部材との連結部分が、一方の柱から他方の柱側に向かって、一対の柱の間の長さ(L)の1/4の位置に設定されている。また、第2部位、すなわち第1梁の第2支持部材との連結部分が、他方の柱から一方の柱側に向かって、一対の柱の間の長さ(L)の1/4の位置に設定されている。以上により、構造物の振動時、第1梁の曲げ変形を利用した第1及び第2支持部材の他端部の変位を、最も大きくすることができるので、マスダンパに伝達される変位をより増大でき、ひいては、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の振動抑制装置において、第1梁と第2梁の間には、第1及び第2梁と平行に水平に延びるとともに、一対の柱に接合された第3梁が設けられていることを特徴とする。
構造物の振動時、上下一対の梁の間の相対変位は、基本的には、両者が上下方向に離れるほど、より大きくなる。上述した構成によれば、第3梁が、第1梁と第2梁の間に設けられており、その分、第1梁と第2梁が上下方向により大きく離れているので、マスダンパに伝達される変位を増大させることができ、ひいては、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の振動抑制装置において、第3梁は、互いに連結され、水平方向に対向する一対の梁材を有しており、第1及び第2支持部材は、一対の梁材の間を上下方向に貫通していることを特徴とする。
この構成によれば、第3梁の一対の梁材が、互いに連結され、水平方向に対向しており、これら一対の梁材の間を、第1及び第2支持部材が貫通している。これにより、構造物の振動時、第3梁に対して、第1及び第2支持部材を支障なく変位させることができるので、両支持部材を介して、マスダンパに変位を適切に伝達でき、ひいては、請求項による効果を適切に得ることができる。
また、マスダンパは、回転マスの回転慣性効果を利用して構造物の振動を抑制するため、回転マスの回転に伴い、マスダンパの反力や反力トルクが発生し、第1及び第2支持部材に伝達されることによって、第1及び第2支持部材が弱軸方向に座屈したり、大きくねじられたりするおそれがある。上述したように、第1及び第2支持部材が、水平方向に互いに対向する一対の梁材の間を貫通しているので、この反力や反力トルクによる第1及び第2支持部材の弱軸方向の座屈やねじれを、これらの一対の梁材によって防止することができる。したがって、第1及び第2支持部材を介してマスダンパに伝達される構造物の変位を、マスダンパの反力や反力トルクの影響を受けることなく、回転マスの回転運動に良好に変換でき、それにより、構造物の振動の抑制を適切に行うことができる。また、上述した第1及び第2支持部材の弱軸方向の座屈やねじれの防止効果を、既存の第3梁を利用して得ることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の振動抑制装置において、第1支持部材及び一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方と、第2支持部材及び一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方には、滑性を有する表面材が貼り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1支持部材及び一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方と、第2支持部材及び一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方に、滑性を有する表面材が貼り付けられているので、構造物の振動時、第1及び第2支持部材が梁材に当接するような場合でも、両支持部材を滑らかに変位させることができ、それにより、マスダンパに変位を適切に伝達することができる。
本発明の第1実施形態による振動抑制装置を、これを適用した構造物の一部とともに示す正面図である。 案内機構などを拡大して示す側面図である。 第1マスダンパの断面図である。 図1のIV−IV線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態による振動抑制装置及び下側梁の一部を拡大して示す正面図である。 図5のVI−VI線に沿う断面図である。 第2実施形態の変形例及び下側梁の一部を拡大して示す正面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 従来の振動抑制装置を、一対の柱及び一対の梁とともに、(a)構造物が振動していない通常時について、(b)構造物の振動時について、それぞれモデル化して示す図である。 本発明による振動抑制装置を、一対の柱及び一対の梁とともに、(a)構造物が振動していない通常時について、(b)構造物の振動時について、それぞれモデル化して示す図である。 本発明の振動抑制装置におけるマスダンパの反力と第1及び第2支持部材との関係を、(a)マスダンパの反力による軸力が第1ケーブルのプレテンションよりも小さい場合について、(b)軸力Nが第1ケーブルのプレテンション以上である場合について、それぞれモデル化して示す図である。 マスダンパの反力と第1及び第2支持部材の他端部の変位との関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1に示す構造物Sは、互いに平行に鉛直に延びる左右の柱PL、PRと、互いに平行に左右方向に水平に延びる複数の梁BU、BM1、BM2、BD(図1には4つのみ図示)とを互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する高層建築物であり、地盤(図示せず)に立設されている。以下、図1に示す4つの梁BU、BM1、BM2、BDを、上側から順に、「上側梁BU」「第1中間梁BM1」「第2中間梁BM2」及び「下側梁BD」という。
左右の柱PL、PR、上側及び下側の梁BU、BDはいずれも、H型鋼で構成されている。なお、左右の柱PL、PR、上側及び下側の梁BU、BDは、角型鋼管などで構成されていてもよい。また、第1及び第2中間梁BM1、BM2の構成は、上側及び下側の梁BU、BDの構成と異なっており、その詳細な説明については後述する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による振動抑制装置は、第1支持部材2、第2支持部材3、第1マスダンパ4及び第2マスダンパ5を備えている。第1支持部材2は、H型鋼から成る柱材で構成され、その下端部2aが、下側梁BDの後述する第1部位R1に接合され、連結されている。また、第1支持部材2は、第1部位R1から上側梁BUに向かって斜めに延びており、第1及び第2中間梁BM1、BM2を上下方向に貫通している。
第2支持部材3は、第1支持部材2と同様にH型鋼から成る柱材で構成され、その下端部3aが、下側梁BDの後述する第2部位R2に接合され、連結されている。また、第2支持部材3は、第2部位R2から上側梁BUに向かって斜めに延びており、第1及び第2中間梁BM1、BM2を上下方向に貫通している。また、第1及び第2支持部材2、3は、その上端部が第1連結部材6を介して互いに連結されており、第1連結部材6から延びる鉛直線を中心として、左右方向に互いに対称に逆V字状に配置されている。なお、第1及び第2支持部材2、3を、他の柱材、例えば角型鋼管などで構成してもよい。
上記の第1部位R1の位置は、左柱PLの軸線ALから当該第1部位R1の中心までの長さが、左右の柱PL、PRの各々の軸線AL、ARの間の長さ(以下「左右柱間長さ」という)Lのほぼ1/4(=L/4)になるように、設定されている。第1支持部材2の下端部2aの中心は、第1部位R1の中心に一致している。また、第2部位R2の位置は、右柱PRの軸線ARから当該第2部位R2の中心までの長さが左右柱間長さLのほぼ1/4(=L/4)になるように、設定されている。第2支持部材3の下端部3aの中心は、第2部位R2の中心に一致している。
また、前述した第1連結部材6の上面には、第2連結部材7が取り付けられており、第2連結部材7と上側梁BUの間には、案内機構11が設けられている。この案内機構11は、構造物Sの振動時、第1及び第2支持部材2、3が上側梁BUに対して左右方向に移動するのを案内するためのものであり、図1及び図2に示すように、上側梁BUの下面に一体に設けられた一対の基部12、12と、各基部12の下面に一体に設けられた一対の第1案内突起13、13と、第2連結部材7の上面に一体に設けられた第2案内突起14を有している。
一対の基部12、12は、上側梁BUの長さ方向の中央の部位に、互いに所定の間隔を存した状態で配置されており、一対の第1案内突起13、13は、前後方向(図1の奥行き方向)に所定の間隔を存した状態で配置されている。第2案内突起14は、左右方向に、第2連結部材7の全体にわたって延びており、一対の第1案内突起13、13の間に配置されている。
第1及び第2マスダンパ4、5は、本発明の発明者が提案した特願2012−158921号に開示されたものと同様に構成されているので、以下、これらの第1及び第2マスダンパ4、5について簡単に説明する。図3に示すように、第1マスダンパ4は、内筒21、ボールねじ22、第1回転マス23、及び制限機構24を有している。内筒21は、円筒状の鋼材で構成されている。内筒21の一端部は開口しており、他端部は、自在継ぎ手を介して第1フランジ25に取り付けられている。
また、ボールねじ22は、ねじ軸22aと、ねじ軸22aに多数のボール22bを介して螺合するナット22cを有している。ねじ軸22aの一端部は、上述した内筒21の開口に収容されており、ねじ軸22aの他端部は、自在継ぎ手を介して第2フランジ26に取り付けられている。また、ナット22cは、軸受け27を介して、内筒21に回転自在に支持されている。
第1回転マス23は、比重の大きな材料、例えば鉄で構成され、円筒状に形成されている。また、第1回転マス23は、内筒21及びボールねじ22を覆っており、軸受け28を介して、内筒21に回転自在に支持されている。第1回転マス23と内筒21の間には、一対のリング状のシール材29、29が設けられている。これらのシール材29、29、第1回転マス23及び内筒21によって形成された空間には、シリコンオイルで構成された粘性体30が充填されている。
以上のように構成された第1マスダンパ4では、内筒21及びねじ軸22aの間に相対変位が発生すると、この相対変位がボールねじ22で回転運動に変換された状態で、制限機構24を介して第1回転マス23に伝達されることによって、第1回転マス23が回転する。以下、このように内筒21及びねじ軸22aの間の相対変位を第1回転マス23の回転運動に変換する第1マスダンパ4の動作を、「第1マスダンパ4の回転変換動作」という。
前記制限機構24は、この第1マスダンパ4の回転変換動作を制限するものであり、リング状の回転滑り材24aと、複数のねじ24b及びばね24c(2つのみ図示)で構成されている。回転滑り材24aは、第1回転マス23とボールねじ22のナット22cとの間に配置されている。この回転滑り材24aが配置された第1回転マス23の部分には、複数のばね収容孔23aが形成されている。これらのばね収容孔23aは、周方向に等間隔に配置されており、径方向に貫通している。各ばね収容孔23aには、ねじ24bがねじ込まれるとともに、ねじ24bと回転滑り材24aの間に、ばね24cが収容されている。
以上の構成により、ねじ24bを強く締め付けると、回転滑り材24aがばね24cの付勢力でナット22cに強く押し付けられることによって、第1回転マス23は、回転滑り材24aを介してナット22cに一体に連結された状態になる。
また、この状態からねじ24bを緩めると、その締付度合が低くなり、第1マスダンパ4の軸線方向に作用する荷重(以下「軸荷重」という)が、ねじ24bの締付度合に応じて定まる制限荷重に達するまでは、第1回転マス23がナット22cと一体に回転する。一方、第1マスダンパ4の軸荷重が制限荷重に達すると、回転滑り材24aとナット22c又は第1回転マス23との間に滑りが発生することによって、第1マスダンパ4の回転変換動作が制限される。この状態では、回転滑り材24aとナット22c又は第1回転マス23との間に発生する摩擦抵抗によって、第1マスダンパ4の回転変換動作の制限により低下した第1回転マス23の回転慣性力が補われる。
第1マスダンパ4の第1フランジ25は、上側梁BUの左端部に一体に設けられた取付具8に取り付けられており、それにより、第1マスダンパ4は、上側梁BUに連結されている。また、第2フランジ26は、第2連結部材7の左側面に取り付けられており、これにより、第1マスダンパ4は、第1及び第2支持部材2、3に連結されている。第1マスダンパ4は、第1及び第2フランジ25、26の自在継ぎ手により、前後方向に延びる軸線を中心とした取付具8及び第2連結部材7に対する回動のみが許容されている。
第2マスダンパ5は、第1マスダンパ4と同様、内筒31、ねじ軸32a、第2回転マス33、第1及び第2フランジ35、36を有しており、その構成は第1マスダンパ4とまったく同じであるので、その詳細な説明を省略する。第2マスダンパ5の第1フランジ35は、上側梁BUの右端部に一体に設けられた取付具9に取り付けられており、これにより、第2マスダンパ5は、上側梁BUに連結されている。また、第2フランジ36は、第2連結部材7の右側面に取り付けられており、これにより、第2マスダンパ5は、第1及び第2支持部材2、3に連結されている。以上により、第1及び第2マスダンパ4、5は、第2連結部材7を中心として、互いに対称に設けられている。第2マスダンパ5は、第1及び第2フランジ35、36の自在継ぎ手により、前後方向に延びる軸線を中心とした取付具9及び第2連結部材7に対する回動のみが許容されている。
また、第1及び第2支持部材2、3の剛性(ばね定数)、並びに第1及び第2回転マス23、33の質量は、第1及び第2支持部材2、3並びに第1及び第2マスダンパ4、5から成る付加振動系の固有振動数が構造物Sの一次固有振動数に同調するように、設定されている。この一次固有振動数は、構造物Sの振動モードが一次モードのときの固有振動数のことである。
なお、第1及び第2支持部材2、3の剛性、並びに第1及び第2回転マス23、33の質量を、付加振動系の固有振動数が構造物Sの2次以上のn次固有振動数(n=2、3、……)に同調するように、設定してもよい。あるいは、様々な地震動入力(過渡応答)や設計諸元変動に対して制振効果を低下させないため、第1及び第2支持部材2、3の剛性を、定点理論に基づく任意モードの最適同調条件解の約1.2倍に設定してもよい。ここで、定点理論に基づく任意モードの最適同調条件解とは、第1及び第2支持部材2、3並びに第1及び第2マスダンパ4、5から成る付加振動系の固有振動数を、構造物Sの任意の振動モードの固有振動数に最適に同調させるための解を示す。
次に、前記第1及び第2中間梁BM1、BM2の構成について説明する。第1及び第2中間梁BM1、BM2は、互いに同様に構成されているので、両者を代表して、第1中間梁BM1について説明する。
図1及び図4に示すように、第1中間梁BM1は、前後方向に互いに対向する一対の梁材41、41と、両者41、41を互いに連結する上下一対の連結板42、42で構成されている。各梁材41は、鋼材で構成され、その左端部が左柱PLに、右端部が右柱PRに、それぞれ接合されており、左右方向に水平に延びている。第1及び第2支持部材2、3は、一対の梁材41、41の間を上下方向に貫通しており、一対の梁材41、41と、第1及び第2支持部材2、3との間には、若干の間隔が空いている。
また、各連結板42は、鋼板で構成されており、構造物Sの振動時を含めて、第1及び第2支持部材2、3に干渉しないような位置に配置されている(図1参照)。また、一対の梁材41、41の第1及び第2支持部材2、3と対向する面の各々には、滑性を有する材料、例えばフッ素樹脂で構成された表面材43が貼り付けられている。
以上のように、第1実施形態によれば、柱材から成る第1支持部材2は、その下端部2aが、下側梁BDの所定の第1部位R1に接合され、連結されており、第1部位R1から上側梁BUに向かって斜めに延びている。また、柱材から成る第2支持部材3は、その下端部3aが、下側梁BDの所定の第2部位R2に接合され、連結されており、第2部位R2から上側梁BUに向かって斜めに延びている。さらに、第1及び第2支持部材2、3の上端部は、第1連結部材6を介して互いに連結されており、両者2、3の上端部には、第1及び第2マスダンパ4、5の一端部が、第1及び第2連結部材6、7を介して連結されている。
さらに、第1部位R1は、左柱PLから右柱PRに向かって、左右柱間長さL(左右の柱PL、PRの各々の軸線AL、ARの間の長さ)のほぼ1/4(=L/4)の位置に設定されている。また、第2部位R2は、右柱PRから左柱PLに向かって、左右柱間長さLのほぼ1/4(=L/4)の位置に設定されている。
以上により、構造物Sの振動時、前述した図10を用いて説明したように、第1及び第2マスダンパ4、5には、上側及び下側の梁BU、BDの間の相対変位と第1及び第2支持部材2、3の変位を足し合わせたより大きな変位が伝達されるので、第1及び第2支持部材2、3並びに第1及び第2マスダンパ4、5から成る付加振動系による構造物Sの振動の吸収効果が十分に得られ、ひいては、構造物Sの振動を適切に抑制することができる。この場合、下側梁BDの曲げ変形を利用した第1及び第2支持部材2、3の上端部の変位を、最も大きくすることができるので、第1及び第2マスダンパ4、5に伝達される変位をより増大でき、ひいては、構造物Sの振動をより適切に抑制することができる。
また、第1及び第2支持部材2、3が、下側梁BDにおける左右の柱PL、PRとの2つの接合部の間の第1及び第2部位R1、R2にそれぞれ連結されているので、構造物Sの振動時、前述した従来の場合と比較して、第1及び第2支持部材2、3は、第1及び第2マスダンパ4、5の反力に対して変形(変位)しやすくなり、第1及び第2支持部材2、3の実質的な剛性が低くなる。このため、第1及び第2マスダンパ4、5として、回転マスの質量が比較的小さな小型のマスダンパを用いることが可能になり、それにより、装置全体の小型化及び製造コストの削減を図ることができる。
さらに、上側梁BUと下側梁BDの間に、第1及び第2中間梁BM1、BM2が設けられており、その分、上側梁BUと下側梁BDが上下方向により大きく離れているので、第1及び第2マスダンパ4、5に伝達される変位を増大させることができ、ひいては、構造物Sの振動をより適切に抑制することができる。
また、第1及び第2中間梁BM1、BM2の一対の梁材41、41が、互いに連結され、前後方向に対向しており、両梁材41、41の間を、第1及び第2支持部材2、3が上下方向に貫通している。これにより、構造物Sの振動時、第1及び第2中間梁BM1、BM2に対して、第1及び第2支持部材2、3を支障なく変位させることができるので、両支持部材2、3を介して、第1及び第2マスダンパ4、5に変位を適切に伝達でき、ひいては、上述した効果を適切に得ることができる。
同じ理由により、第1及び第2マスダンパ4、5の反力や反力トルクによる第1及び第2支持部材2、3の弱軸方向の座屈やねじれを、一対の梁材41、41によって防止することができる。したがって、第1及び第2支持部材2、3を介して第1及び第2マスダンパ4、5に伝達される構造物Sの変位を、両マスダンパ4、5の反力や反力トルクの影響を受けることなく、第1及び第2回転マス23、33の回転運動に良好に変換でき、それにより、構造物Sの振動の抑制を適切に行うことができる。また、上述した第1及び第2支持部材2、3の弱軸方向の座屈やねじれの防止効果を、既存の第1及び第2中間梁BM1、BM2を利用して得ることができる。
さらに、第1及び第2マスダンパ4、5が、第1及び第2支持部材2、3の上端部を中心として、互いに対称に設けられているので、両マスダンパ4、5の反力トルクを、互いに打ち消し合うように作用させることができる。これにより、上述した一対の梁材41、41による弱軸方向の座屈やねじれの防止効果と相俟って、第1及び第2マスダンパ4、5の反力トルクによる第1及び第2支持部材2、3のねじれを確実に防止することができる。
また、一対の梁材41、41の第1及び第2支持部材2、3と対向する面の各々には、滑性を有する材料で構成された表面材43が貼り付けられているので、構造物Sの振動時、第1及び第2支持部材2、3が梁材41、41に当接するような場合でも、両支持部材2、3を滑らかに変位させることができ、それにより、第1及び第2マスダンパ4、5に変位を適切に伝達することができる。
次に、図5及び図6を参照しながら、本発明の第2実施形態による振動抑制装置について説明する。第1実施形態に対する第2実施形態の主な相違点は、第1及び第2支持部材2、3の下端部2a、3aが、下側梁BDの第1及び第2部位R1、R2にそれぞれ固定されておらず、一対の第1ケーブル51、51及び第2ケーブル(図示せず)をそれぞれ介して、第1及び第2部位R1、R2にそれぞれ連結されていることである。図5及び図6では、第1実施形態と同じ構成要素については、同じ符号を付している。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5及び図6に示すように、一対の第1ケーブル51、51は、第1支持部材2を中心として、前後方向に対称に設けられている。各第1ケーブル51は、鋼線で構成され、その一端部が、第1取付板52を介して第1支持部材2の下部に連結され、他端部が、第2取付板53を介して下側梁BDの第1部位R1に連結されており、第1支持部材2の長さ方向に延びている。また、第1ケーブル51には、所定のプレテンションが付与されている。
上記の第1取付板52は、鋼板で構成され、第1支持部材2の一対のフランジ2b、2b及びウェブ2cから成る3点で支持されており、その主面が第1支持部材2の長さ方向に直交するように配置されている。また、第1取付板52の側面は、フランジ2b、2bの側面と面一になっている。さらに、第1取付板52には、第1支持部材2の長さ方向に貫通する取付孔52aが形成されている。第1ケーブル51の一端部は、取付孔52aに下方から挿入され、取付孔52aよりも上方に突出しており、この一端部には、ねじが切られ、ナット54が螺合するとともに固定されている。ナット54は、上述した第1ケーブル51のプレテンションによって、第1取付板52の上面に接触した状態に保持されている。
また、上記の第2取付板53は、第1取付板52と同様に鋼板で構成され、一対の支持板55、55及び下側梁BDのウェブWEから成る3点で支持されており、その主面が第1支持部材2の長さ方向に直交するように配置されている。これらの支持板55、55の各々は、鋼板で構成され、下側梁BDの上下のフランジFL、FL及びウェブWEから成る3点で支持されており、その主面が下側梁BDの長さ方向に直交するように配置されている。また、第2取付板53及び支持板55、55は、下側梁BDのフランジFL、FL及びウェブWEで画成された空間に収容されている。
さらに、第1支持部材2の下端部2a、下側梁BDの上側のフランジFL、及び第2取付板53にはそれぞれ、第1支持部材2の長さ方向に貫通する案内孔2d、案内孔AP、及び取付孔53aが形成されている。これらの案内孔2d、案内孔AP及び取付孔53aは、前述した第1取付板52の取付孔52aと同一直線上に配置されており、下側梁BDの案内孔APの中心は、その第1部位R1の中心と一致している。なお、図5には、第1支持部材2を中心として、前側の案内孔2d、案内孔AP及び取付孔53aを図示しているが、後ろ側にも同様に案内孔2d、案内孔AP及び取付孔53aが設けられていることは、もちろんである。
第1ケーブル51は、上方から、第1支持部材2の案内孔2d、下側梁BDの案内孔AP及び第2取付板53の取付孔53aの順に挿入され、その他端部が取付孔53aよりも下方に突出しており、この他端部には、ねじが切られ、ナット56が螺合するとともに固定されている。ナット56は、前述した第1ケーブル51のプレテンションによって、第2取付板53の下面に接触した状態に保持されている。
第1支持部材2の下端部2aは、下側梁BDの第1部位R1に固定されずに、当接しており、プレテンションが付与された第1ケーブル51によって、第1部位R1に当接した状態に保持されている。以上により、第1支持部材2の下端部2aは、一対の第1ケーブル51、51を介して、第1部位R1に連結されている。
また、第1ケーブル51は、その途中で、第1ピン57に巻き掛けられている。第1ピン57は、第1支持部材2のウェブ2cに取り付けられ、第1取付板52と第1支持部材2の下端部2aの間に配置されており、前後方向(図5の奥行き方向)に若干延びている。また、第1支持部材2のフランジ2b、2bの第1ピン57に対応する部位には、鋼板で構成された支持板58が取り付けられており、支持板58は、その主面が前後方向に直交するように配置されている。第1ピン57は、支持板58に形成された孔(図示せず)に挿入されている。以上の構成により、第1ピン57は、第1支持部材2のウェブ2c及び支持板58から成る2点で支持されている。
図示しないが、一対の第2ケーブルは、第1ケーブル51と同様、鋼線で構成されており、第2支持部材3を中心として前後方向に対称に設けられている。また、各第2ケーブルは、その一端部及び他端部が、第2支持部材3及び下側梁BDにそれぞれ連結されるとともに、その途中で、第2支持部材3に取り付けられた第2ピン(図示せず)に、巻き掛けられている。第2ケーブルを連結するための構成は、第1ケーブル51のそれと同様であるので、その詳細な説明については省略する。
また、第2支持部材3の下端部3aは、下側梁BDの第2部位R2に固定されずに当接しており、プレテンションが付与された第2ケーブルによって、第2部位R2に当接した状態に保持されている。以上により、第2支持部材3の下端部3aは、一対の第2ケーブルを介して、第2部位R2に連結されている。
以上のように、第2実施形態によれば、第1支持部材2の下端部2aが、下側梁BDの第1部位R1に固定されずに当接しており、プレテンションが付与された第1ケーブル51の一端部及び他端部が、第1支持部材2及び下側梁BDにそれぞれ連結されている。第1支持部材2の下端部2aは、この第1ケーブル51によって第1部位R1に当接した状態に保持されており、すなわち、第1支持部材2の下端部2aは、第1ケーブル51を介して、第1部位R1に連結されている。同様に、第2支持部材3の下端部3aが、下側梁BDの第2部位R2に固定されずに当接しており、プレテンションが付与された第2ケーブルの一端部及び他端部が、第2支持部材3及び下側梁BDにそれぞれ連結されている。第2支持部材3の下端部3aは、この第2ケーブルによって第2部位R2に当接した状態に保持されており、すなわち、第2支持部材3の下端部3aは、第2ケーブルを介して、第2部位R2に連結されている。
以上により、前述した図11及び図12を用いて説明したように、第1及び第2支持部材2、3並びに第1及び第2ケーブル51の剛性(ばね定数)は、第1及び第2マスダンパ4、5の反力に対して、バイリニアな特性を有する。したがって、第1及び第2支持部材2、3の変位の増大に伴って第1及び第2マスダンパ4、5の反力が過大にならないうちに、第1及び第2支持部材2、3などの剛性としてより小さな剛性を得ることができ、それにより、第1及び第2マスダンパ4、5などから成る付加振動系の固有振動数を構造物Sの一次固有振動数と異ならせることができるので、第1及び第2マスダンパ4、5の反力を抑制でき、ひいては、構造物S、第1及び第2支持部材2、3並びに第1及び第2マスダンパ4、5に過大な応力が発生するのを防止することができる。
また、第1ケーブル51が、その途中で、第1支持部材2に設けられた第1ピン57に巻き掛けられており、第2ケーブルが、その途中で、第2支持部材3に取り付けられた第2ピンに巻き掛けられている。これにより、第1及び第2ケーブル51の長さを大きくすることによって、前記式(5)から明らかなように、軸力Nが第1ケーブル51のプレテンション以上である場合における第1ケーブル51、第1及び第2支持部材2、3の全体のばね定数(k2)と、軸力Nが第2ケーブルのプレテンション以上である場合における第2ケーブル、第1及び第2支持部材2、3の全体のばね定数(k4)を、より小さくすることができる。したがって、上述した効果、すなわち、構造物Sなどに過大な応力が発生するのを防止できるという効果を、確実に得ることができる。また、第1及び第2ケーブル51を第1及び第2ピン57にそれぞれ巻き掛けるので、巻き掛けない場合と比較して、両者51をコンパクトに配置することができる。
さらに、第1ケーブル51の上部、第1取付板52、ナット54及び第1ピン57が、第1支持部材2のフランジ2b、2bとウェブ2cによって形成された空間に設けられており、第1ケーブル51の下部、第2取付板53支持板55、55及びナット56が、下側梁BDのフランジFL、FLとウェブWEで形成された空間に設けられているので、第1ケーブル51などの各部品を第1支持部材2及び下側梁BDから大きくはみ出させることなく、装置全体をコンパクト化することができる。この効果は、第2ケーブルなどの各部品についても、同様に得ることができる。
次に、図7及び図8を参照しながら、第2実施形態の変形例について説明する。図7及び図8に示すように、この変形例では、第1ケーブル51を巻き掛けるための第1ピン57が設けられておらず、また、図示しないが、第2ケーブルを巻き掛けるための第2ピンも設けられていない。さらに、ナット54と第1取付板52の間には、すなわち、第1ケーブル51と第1支持部材2との連結部分には、第1皿ばね61が設けられている。第1皿ばね61は、8つのばね座金61aを交互に異なる向きで重ねた、いわゆる直列8段タイプのものである。以上の構成は、第2ケーブルについても同様であり、第2ケーブルの一端部と第2支持部材3との連結部分には、第2皿ばね(図示せず)が設けられている。
以上のように、この変形例によれば、第1皿ばね61が、第1ケーブル51と第1支持部材2との連結部分に設けられているので、第1支持部材2の下端部2aは、第1皿ばね61が第1ケーブル51のプレテンションに応じて変形することにより、下側梁BDの第1部位に当接した状態に保持されている。同様に、第2皿ばねが、第2ケーブルと第2支持部材との連結部分に設けられているので、第2支持部材3の下端部3aは、第2皿ばねが第2ケーブルのプレテンションに応じて変形することにより、下側梁BDの第2部位に当接した状態に保持されている。
以上から、第1皿ばね61の剛性(ばね定数)を適切に設定することによって、軸力N(図11参照)が第1ケーブル51のプレテンション以上であるときの第1ケーブル51、第1皿ばね61、第1及び第2支持部材2、3の全体のばね定数をより小さくすることができるとともに、軸力Nが第2ケーブルのプレテンション以上であるときの第2ケーブル、第2皿ばね、第1及び第2支持部材2、3の全体のばね定数をより小さくすることができる。したがって、第2実施形態と同様、構造物S、第1及び第2支持部材2、3、並びに第1及び第2マスダンパ4、5に過大な応力が発生するのを防止できるという効果を、確実に得ることができる。
なお、第1ケーブル51の一端部及び他端部の少なくとも一方を、ナット54、56を用いずに、溶接などで第1及び第2取付板52、53にそれぞれ取り付けてもよい(変形例については、第1ケーブル51の他端部のみ)。また、第1ケーブル51を、第1支持部材2の長さ方向に延びるように設けているが、鉛直に延びるように設けてもよい。さらに、第1ケーブル51の一端部を、第1支持部材2の下部に連結しているが、第1支持部材2の任意の部位に連結してもよい。また、第1ケーブル51の他端部を、下側梁BDの第1部位R1に連結しているが、下側梁BDの任意の部位に連結してもよい。以上のことは、第2ケーブルについても同様に当てはまる。
なお、本発明は、説明した実施形態(第1及び第2実施形態並びに変形例を含む)に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、第1部位R1を、左柱PLから右柱PR側に向かって、左右柱間長さL(左右の柱PL、PRの各々の軸線AL、AR同士の間の左右方向の長さ)の1/4の位置に設定しているが、下側梁BDにおける、左柱PLとの接合部と左右の柱PL、PRの間の中心との間の他の適当な位置に設定してもよい。同様に、第2部位R2を、右柱PRから左柱PL側に向かって、左右柱間長さLの1/4の位置に設定しているが、下側梁BDにおける、右柱PRとの接合部と左右の柱PL、PRの間の中心との間の他の適当な位置に設定してもよい。この場合、左柱PLから第1部位までの長さと、右柱PRから第2部位までの長さを、互いに同じ大きさに設定してもよく、あるいは、互いに異なる大きさに設定してもよい。
また、実施形態では、第1及び第2支持部材2、3の下端部2a、3aを、下側梁BDの第1及び第2部位R1、R2にそれぞれ連結するとともに、第1及び第2マスダンパ4、5を上側梁BUに連結しているが、これとは上下を逆に、すなわち、第1及び第2支持部材の上端部を、上側梁の第1及び第2部位にそれぞれ連結するとともに、第1及び第2マスダンパを下側梁に連結してもよい。さらに、実施形態では、第1及び第2支持部材2、3を、その上端部を中心として、互いに対称になるように設けているが、互いに対称にならないように設けてもよい。
また、実施形態では、第1及び第2マスダンパ4、5を、第1及び第2支持部材2、3の上端部を中心として、互いに対称になるように配置しているが、第1及び第2支持部材2、3の上端部の左方又は右方に、前後方向に互いに重なるように配置してもよい。さらに、実施形態では、本発明におけるマスダンパとして、第1及び第2マスダンパ4、5から成る2つのマスダンパを用いているが、マスダンパの数は、1つでも、3つ以上でもよい。また、実施形態では、第1及び第2マスダンパ4、5に、粘性体30が設けられているが、この粘性体30を省略してもよい。
さらに、実施形態では、表面材43を、一対の梁材41、41の第1及び第2支持部材2、3と対向する面の各々に貼り付けているが、これに代えて、又はこれとともに、第1及び第2支持部材2、3の一対の梁材41、41と対向する面の各々に貼り付けてもよい。また、実施形態では、第1中間梁BM1を、一対の梁材41、41と一対の連結板42、42で構成しているが、第1中間梁BM1の左右の端部を、単一のH型鋼や角型鋼管で構成するとともに、それ以外の部分を、一対の梁材41、41と一対の連結板42、42で構成してもよい。この場合にも、各連結板42は、第1及び第2支持部材2、3と干渉しない位置に配置されることは、もちろんである。この第1中間梁BM1のバリエーションは、第2中間梁BM2についても、同様に当てはまる。さらに、実施形態では、本発明における第3梁の数は、第1及び第2中間梁BM1、BM2の2つであるが、1つでも、3つ以上でもよく、あるいは、両者BM1、BM2を省略してもよい。
また、実施形態では、第1及び第2ピン57を、第1及び第2支持部材2、3にそれぞれ取り付けているが、これに代えて、又はこれとともに、下側梁BDに取り付けてもよい。あるいは、第1及び第2ピン57を省略してもよい。さらに、実施形態では、第1皿ばね61を、第1ケーブル51の一端部と第1支持部材2との連結部分に設けているが、これに代えて、又はこれとともに、第1ケーブル51の他端部と下側梁BDとの連結部分に設けてもよい。このことは、第2皿ばねについても同様に当てはまる。あるいは、第1及び第2皿ばね61を省略してもよい。また、実施形態では、本発明における第1及び第2弾性体として、第1及び第2皿ばね61をそれぞれ用いているが、他の弾性体、例えば、コイルばねなどの他のばねや、ゴムなどを用いてもよい。
さらに、実施形態は、左右一対の柱PL、PRに対して、本発明による振動抑制装置を適用した例であるが、本発明はこれに限らず、前後一対の柱に対しても適用可能である。また、これまでに述べたバリエーションを適宜、組み合わせてもよいことは、もちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
S 構造物
PL 左柱(一対の柱の一方)
PR 右柱(一対の柱の他方)
BU 上側梁(第2梁)
BD 下側梁(第1梁)
R1 第1部位
R2 第2部位
2 第1支持部材
2a 下端部(第1支持部材の一端部)
3 第2支持部材
3a 下端部(第2支持部材の一端部)
4 第1マスダンパ(マスダンパ)
5 第2マスダンパ(マスダンパ)
23 第1回転マス(回転マス)
33 第2回転マス(回転マス)
BM1 第1中間梁(第3梁)
BM2 第2中間梁(第3梁)
41 梁材
43 表面材
51 第1ケーブル
57 第1ピン
61 第1皿ばね(第1弾性体)

Claims (5)

  1. 互いに平行に鉛直に延びる一対の柱と、互いに平行に水平に延びる上下一対の梁とを互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する構造物の振動を抑制するための振動抑制装置であって、
    柱材で構成され、一端部が、前記一対の梁の一方である第1梁における、前記一対の柱の一方との接合部と前記一対の柱の間の中心との間の所定の第1部位に連結され、当該第1部位から前記一対の梁の他方である第2梁に向かって斜めに延びる第1支持部材と、
    柱材で構成され、一端部が、前記第1梁における、前記一対の柱の他方との接合部と前記一対の柱の間の中心との間の所定の第2部位に連結され、当該第2部位から前記第2梁に向かって斜めに延びるとともに、他端部が、前記第1支持部材の他端部に連結された第2支持部材と、
    回転可能な回転マスを有し、一端部が前記第2梁に連結され、他端部が前記第1及び第2支持部材の他端部に連結されており、前記構造物の振動に伴って前記第1及び第2支持部材を介して伝達された前記一対の梁の間の相対変位を、前記回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、を備え、
    前記第1及び第2支持部材の前記一端部は、前記第1及び第2部位に固定されずにそれぞれ当接しており、
    鋼線で構成され、プレテンションが付与されるとともに、一端部が前記第1支持部材に連結され、他端部が前記第1梁に連結された第1ケーブルと、
    鋼線で構成され、プレテンションが付与されるとともに、一端部が前記第2支持部材に連結され、他端部が前記第1梁に連結された第2ケーブルと、をさらに備え、
    前記第1支持部材及び前記第1梁の少なくとも一方には、第1ピンが取り付けられ、前記第2支持部材及び前記第1梁の少なくとも一方には、第2ピンが取り付けられており、
    前記第1及び第2ケーブルは、その途中で前記第1及び第2ピンにそれぞれ巻き掛けられていることを特徴とする振動抑制装置。
  2. 前記第1部位は、前記一方の柱から前記他方の柱側に向かって、前記一対の柱の間の長さの1/4の位置に設定されており、
    前記第2部位は、前記他方の柱から前記一方の柱側に向かって、前記一対の柱の間の長さの1/4の位置に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
  3. 前記第1梁と前記第2梁の間には、当該第1及び第2梁と平行に水平に延びるとともに、前記一対の柱に接合された第3梁が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動抑制装置。
  4. 前記第3梁は、互いに連結され、水平方向に対向する一対の梁材を有しており、
    前記第1及び第2支持部材は、前記一対の梁材の間を上下方向に貫通していることを特徴とする、請求項3に記載の振動抑制装置。
  5. 前記第1支持部材及び前記一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方と、前記第2支持部材及び前記一対の梁材の互いに対向する面の少なくとも一方には、滑性を有する表面材が貼り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の振動抑制装置。
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