JP2015209667A - 構造物の制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成により、構造物の変位をマスダンパに伝達する支持部材の座屈を確実に排除でき、構造物の振動を適切に抑制することができる構造物の制振装置を提供する。【解決手段】本発明による構造物の制振装置は、一端部が第1梁B1と左右の柱PL、PRとの接合部に連結され、第3梁B3に向かって互いに近づくように斜めに延びる左右のケーブル2L、2Rと、柱材で構成され、一端部が、第1梁B1と第3梁B3との間に配置された第2梁B2に連結され、第3梁B3に向かって延び、左右のケーブル2L、2Rの他端部が連結された圧縮材3と、回転可能な回転マス23を有し、圧縮材3と第3梁B3に連結され、構造物Sの振動に伴ってケーブル2L、2R及び圧縮材3を介して伝達された第1梁B1と第3梁B3の間の層間変位ΔAを、回転マス23の回転運動に変換するマスダンパ4と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、構造物の振動を抑制するための構造物の制振装置に関する。
本出願人は、構造物の制振装置を、例えば特許文献1にすでに開示している。この制振装置は、主として高層の構造物に適用されるものであり、柱材で構成された支持部材と、回転マスを有するマスダンパを備えている。支持部材は上下方向に延びており、その上端部は構造物の上端部に連結され、下端部は、構造物が立設された支持体に連結されている。マスダンパは、支持部材に直列に連結されている。この構成では、地震時などに構造物が振動し、その上端部が左右方向に繰り返し往復動する(揺動)すると、その変位が支持部材を介してマスダンパに伝達され、回転マスの回転に変換されることによって、構造物の振動が抑制される。
また、この制振装置では、構造物が揺動するのに伴い、柱材で構成された支持部材に引張荷重と圧縮荷重が交互に作用し、圧縮荷重の作用時には支持部材が座屈するおそれがあるため、これを防止するための座屈防止機構が設けられている。この座屈防止機構は、構造物の上下方向の複数の箇所に、その外周に沿って水平に延びるように設けられた、例えばコンクリート製の複数のスラブと、各スラブに形成された拘束孔などで構成され、複数のスラブの拘束孔に支持部材が通されている。この構成により、構造物の揺動に伴い、圧縮荷重が作用することによって支持部材が側方に若干たわんだときに、支持部材が拘束孔の縁部に当接し、その変位が拘束されることによって、支持部材の座屈が防止される。
特許第5149453号公報
上述したように、従来の制振装置では、柱材で構成され、構造物の上端部と支持体の間に長く延びる支持部材の座屈を防止するために、複数のスラブなどで構成される複数の座屈防止機構を設けなければならず、装置のコストや重量の増加の原因になる。なお、支持部材の座屈の防止のために、上記のような座屈防止機構を設ける代わりに、例えば支持部材の断面を大きくすることが考えられる。しかし、その場合には、支持部材が長くなると、それに応じてその断面が過大化するおそれがあり、装置の重量化などの不具合を招く。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、簡便な構成により、構造物の変位をマスダンパに伝達する支持部材の座屈を確実に排除できるとともに、構造物の振動を適切に抑制することができる構造物の制振装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いに間隔を隔てて配置された一対の柱と、一対の柱にそれぞれ接合され、上下方向に互いに間隔を隔てて順に配置された第1梁、第2梁及び第3梁とを有する構造物の振動を抑制するための構造物の制振装置であって、一端部が第1梁と一対の柱との接合部にそれぞれ連結され、第3梁に向かって互いに近づくように斜めに延びる一対のケーブルと、柱材で構成され、一端部が第2梁に連結されるとともに、第3梁に向かって延び、一対のケーブルの他端部が連結された圧縮材と、回転可能な回転マスを有し、圧縮材と第3梁に連結され、構造物の振動に伴って一対のケーブル及び圧縮材を介して伝達された第1梁と第3梁の間の相対変位を、回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、を備えることを特徴とする。
以下、図3を参照しながら、上述した本発明による構造物の制振装置の構成及び動作を説明する。同図に示すように、構造物は、一対の柱と、一対の柱に接合された第1〜第3梁を有しており、第1〜第3梁は、上下方向にこの順に配置されている。第1梁と一対の柱との接合部には、一対のケーブルの各一端部が連結されている。これらの一対のケーブルは、第3梁に向かって互いに近づくように斜めに延び、各他端部が圧縮材に連結されている。この圧縮材は、柱材で構成され、第2梁に連結されるとともに、第3梁に向かって延びている。さらに、回転マスを有するマスダンパは、圧縮材と第3梁に連結されている。
以上の構成の制振装置では、構造物が通常の状態(図3(a)及び(b)の二点鎖線)から振動し、例えば同図(b)に実線で示すように右方に揺動すると、第1梁と第3梁の間に相対変位(以下「層間変位」という)ΔAが発生する。この層間変位ΔAの発生に伴い、一対のケーブルのうち、第1梁と右側の柱との接合部に連結された右側のケーブルが、上方に引っ張られることによって、そのケーブルに引張荷重Ftが作用する。この引張荷重Ftが圧縮材に圧縮荷重及び曲げ荷重として作用することによって、圧縮材がマスダンパ側に曲げ変形し、圧縮材の先端部の変位(以下「入力変位」という)ΔBがマスダンパに入力されることによって、マスダンパの回転マスが回転する。一方、上記のように構造物が右方に揺動する場合、左側のケーブルには圧縮方向の荷重Fc、すなわちケーブルを緩ませる方向の荷重が作用するため、この左側のケーブルは、基本的には、層間変位ΔAの伝達に関与しない。
以上のように、構造物が右方に揺動する場合には、層間変位ΔAは、右側のケーブル及び圧縮材を介してマスダンパに伝達され、入力変位ΔBとしてマスダンパに入力される。これにより、マスダンパの回転マスが回転することによって、マスダンパ、右側のケーブル及び圧縮材から成る付加振動系が振動する。一方、図示しないが、構造物が図3の左方に揺動する場合には、一対のケーブル及び圧縮材の動作が左右逆になることにより、層間変位ΔAは、左側のケーブル及び圧縮材を介してマスダンパに伝達・入力され、それにより、マスダンパ、左側のケーブル及び圧縮材から成る付加振動系が振動する。したがって、これらの付加振動系の固有振動数を構造物の固有振動数に同調(共振)させることにより、構造物の振動エネルギを付加振動系で吸収することによって、構造物の振動が抑制される。
また、上述したように、構造物の振動に伴い、その揺動の方向にかかわらず、一対のケーブルは引張荷重Ftを支持する引張材として機能し、圧縮方向の荷重Fcは、第2梁と第3梁の間に延びる、比較的短い柱材で構成された圧縮材によって支持される。したがって、従来の場合と異なり、格別の座屈防止機構などを設けることなく、簡便な構成によって、層間変位ΔAをマスダンパに伝達するための支持部材の座屈を確実に排除することができる。
さらに、マスダンパからの反力トルクは、柱材で構成された圧縮材で支持され、ケーブルには作用しないので、反力トルクによるケーブルのねじれを容易かつ確実に防止することができる。
なお、図3は、本発明の構成及び動作の理解を容易にするためのものであり、本発明は、これに限定されることなく、後述するような種々の変更や変形が可能である。また、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「接合」は、ボルトや溶接などによって複数の部材を互いに剛に連結することをいう。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構造物の制振装置において、第1梁と第2梁の間には、一対の柱に接合された少なくとも1つの中間梁が配置され、第2梁と第3梁は、隣り合うように配置されていることを特徴とする。
構造物の振動時、第1梁と第3梁との層間変位ΔAは、両梁間の距離が大きいほど、より大きくなる。この構成によれば、第1梁と第2梁の間に少なくとも1つの中間梁が設けられており、その分、第1梁と第3梁との距離がより大きく確保される。これにより、層間変位ΔAを増大させ、それに応じてマスダンパへの入力変位ΔBを増大させることによって、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
また、第2梁と第3梁は隣り合うように配置されており、すなわち、両梁の間には中間梁は存在しない。これにより、両梁の間に延びる圧縮材が短い長さに保持されるので、圧縮材の座屈を確実に防止することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の構造物の制振装置において、第3梁に設けられ、圧縮材に係合し、圧縮材を第3梁の長さ方向に案内するガイド部材をさらに備えることを特徴とする。
前述したように、構造物が揺動するのに伴い、圧縮材は、マスダンパに対して離接するように往復動するとともに、その際、マスダンパから反力トルクを受ける。この構成によれば、反力トルクが作用した状態で往復動する圧縮材を、ガイド部材によって、第3梁の長さ方向、すなわちマスダンパに対して離接する方向に円滑に案内でき、それにより、マスダンパへの層間変位ΔAの伝達を良好に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の制振装置において、一対のケーブルに、所定のプレテンションが付与されていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、図3に示したように、構造物の右方への揺動時、左側のケーブルに圧縮方向の荷重Fcが作用する場合に、ケーブルに付与されたプレテンションが圧縮方向の荷重Fcによって相殺されるまでは、左側のケーブルは、付加振動系と一緒に振動し、付加振動系の一部として機能する。
したがって、付加振動系のケーブル及び圧縮材から成る支持部材の全体の剛性として、プレテンションが相殺されるまでの左右の両ケーブルの剛性を含む、より大きな剛性と、プレテンションが相殺された後の右側のケーブルのみの剛性を含む、より小さな剛性とから成る、バイリニアな特性が得られる。したがって、このような支持部材のバイリニアな剛性を利用して、例えば、付加振動系の固有振動数を、マスダンパへの入力変位ΔBが小さい場合と大きい場合において、互いに異なるように設定することが可能になる。
また、ケーブルにプレテンションを付与することによって、圧縮材が設けられた第2梁に作用する長期荷重(スラブなどの固定荷重や積載荷重)をキャンセルできるという利点も得られる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の構造物の制振装置において、一対のケーブルは、互いに異なる剛性を有することを特徴とする。
この構成によれば、一対のケーブルの剛性が互いに異なるので、一方のケーブルを含む付加振動系の固有振動数と、他方のケーブルを含む付加振動系の固有振動数を、互いに異なるように設定できる。この場合、例えば、一方の付加振動系の固有振動数を構造物の1つの(例えば1次モードの)固有振動数に同調し、他方の付加振動系の固有振動数を構造物の他の1つの(例えば2次モードの)固有振動数に同調するように、多重同調させてもよい。あるいは、2つの付加振動系の異なる固有振動数の平均値を、構造物の1つの(例えば1次モードの)固有振動数に同調させてもよい。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の構造物の制振装置において、圧縮材は、第2梁の長さ方向の中心からずれた位置に配置され、一対のケーブルは、圧縮材に対して互いに異なる角度で延びていることを特徴とする。
この構成のように、圧縮材に対する一対のケーブルの設置角度が異なる場合には、同じ大きさの層間変位ΔAに対し、ケーブルに作用する引張荷重Ft(軸力)が異なるため、一対のケーブルの間で見かけの剛性が異なる。したがって、この構成においても、請求項5の場合と同様、一方のケーブルを含む付加振動系の固有振動数と、他方のケーブルを含む付加振動系の固有振動数を、互いに異なるように設定でき、請求項5と同様の作用を得ることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の構造物の制振装置において、第1梁と一対の柱材との接合部にそれぞれ取り付けられた一対の第1滑車と、第2梁の所定の部位に取り付けられた一対の第2滑車と、さらに備え、一対のケーブルの各々は、第1滑車及び第2滑車に巻き回されていることを特徴とする。
この構成によれば、一対のケーブルの各々が、その途中において、第1及び第2滑車に巻き回されているため、両滑車の一方は、他方に対して動滑車として機能する。この動滑車機能により、層間変位ΔAは、第1及び第2滑車によるケーブルの折返し数に比した増幅された状態で、圧縮材に伝達される。その結果、マスダンパへの入力変位ΔBが増大するので、構造物の制振効果をさらに高めることができる。
本発明の第1実施形態による制振装置を、構造物の一部とともに示す正面図である。 図1のX−X線に沿う断面図である。 本発明による制振装置の構成及び動作を(a)構造物の非振動時、及び(b)構造物の振動時について、模式的に示す図である。 マスダンパの断面図である。 ケーブルにプレテンションを付与した場合の支持部材の入力変位と支持部材の反力(=マスダンパの反力)との関係を示す図である。 構造物への制振装置の設置例を示す図である。 第1実施形態の変形例による制振装置を示す図である。 第1実施形態の他の変形例による制振装置を示す図である。 本発明の第2実施形態による3つの制振装置を示す図である。 本発明の第2実施形態による他の3つの制振装置を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1〜図6は、第1実施形態による制振装置を示す。図1に示すように、構造物Sは、左右方向に互いに間隔を隔てて配置され、鉛直に延びる左右一対の柱P(左柱PL、右柱PR)と、上下方向に互いに等間隔に配置され、水平に延びる5つの梁Bとを互いに接合した井桁状のラーメン構造を有する高層建築物であり、地盤(図示せず)に立設されている。
これらの一対の柱P及び5つの梁Bはいずれも、H形鋼で構成されている。これらの部材を角形鋼管などで構成してもよい。また、各梁Bの上側には、コンクリートなどで構成されたスラブSLが敷設されている。以下、5つの梁Bを上側から順に、第1梁B1、第1中間梁BM1、第2中間梁BM2、第2梁B2及び第3梁B3という。
図1に示すように、実施形態による制振装置は、左右一対のケーブル2(左ケーブル2L、右ケーブル2R)、圧縮材3、及びマスダンパ4などで構成されている。
左右のケーブル2L、2Rは、互いに同じ断面積を有する鋼線などで構成されており、図1及び図2に示すように、互いに左右対称に配置されるとともに、前後2組で構成されている。各左ケーブル2Lは、その上端部が第1梁B1と左柱PLとの接合部に、取付部材(図示せず)を介して連結され、第3梁B3の中央付近まで斜め下方に延びるとともに、下端部において圧縮材3に連結されている。
同様に、各右ケーブル2Rは、上端部が第1梁B1と右柱PRとの接合部に、取付部材(図示せず)を介して連結され、第3梁B3の中央付近まで斜め下方に延びるとともに、下端部において圧縮材3に連結されている。
第1、第2中間梁BM1、BM2及び第2梁B2の上側の各スラブSLの所定位置には、上下方向に貫通するケーブル通し孔2aが形成されている。各ケーブル2は、対応するケーブル通し孔2aに通されるとともに、第1、第2中間梁BM1、BM2及び第2梁B2の前側又は後ろ側を通って、上下方向に延びている。
圧縮材3は、H形鋼から成る比較的短い柱材で構成されており、第2梁B2の長さ方向の中心に配置され、その上端部が第2梁B2の下側のフランジに連結されている。圧縮材3は、第2梁B2から第3梁B3の付近まで鉛直に延びており、また、2つのフランジ3a、3aが左右方向に互いに対向し、ウェブ3bが第2梁B2と平行になるように配置されている。
圧縮材3には、複数のケーブル連結部5が一体に設けられている。これらのケーブル連結部5は、例えば鋼製のものであり、圧縮材3のフランジ3a、3aの前端及び後端にそれぞれ左右2つずつ、取付板5aを介して取り付けられている。また、各ケーブル2の下端部には雄ねじ(図示せず)が形成されており、各ケーブル2は、この雄ねじに螺合したナット(図示せず)によってケーブル連結部5に連結されている。
また、第3梁B3上のスラブSLの上面には、第3梁B3の長さ方向の中心に、前後一対のガイド部材6、6が設けられている。これらのガイド部材6、6は、例えば鋼製で、側断面が三角形の突起状のものであり、両者の間に圧縮材3のウェブ3bの下端部が係合している。この構成により、圧縮材3は、左右方向に移動する際に、ガイド部材6、6によって案内される。なお、ガイド部材6、6及びウェブ3bの互いに係合する面の少なくとも一方に、フッ素樹脂などから成る滑性を有する表面板(図示せず)を貼り付けてもよく、それにより、ガイド部材6、6による圧縮材3の案内を、より円滑に行うことができる。
マスダンパ4は、圧縮材3と第3梁B3の間に配置され、両者に連結されている。このマスダンパ4は、本発明の発明者が提案した特願2012−158921号に開示されたものと同様に構成されているので、以下、その構成及び動作について簡単に説明する。図4に示すように、マスダンパ4は、内筒21、ボールねじ22、回転マス23、及び制限機構24を有している。内筒21は、円筒状の鋼材で構成されている。内筒21の一端部は開口しており、他端部は、マスダンパ4が発生するトルクでは動かない程度の摩擦を有する自在継ぎ手を介して、第1フランジ25に取り付けられている。
また、ボールねじ22は、ねじ軸22aと、ねじ軸22aに多数のボール22bを介して螺合するナット22cを有している。ねじ軸22aの一端部は、上述した内筒21の開口に収容されており、ねじ軸22aの他端部は、マスダンパ4が発生するトルクでは動かない程度の摩擦を有する自在継ぎ手を介して、第2フランジ26に取り付けられている。また、ナット22cは、軸受け27を介して、内筒21に回転自在に支持されている。
回転マス23は、比重の大きな材料、例えば鉄で構成され、円筒状に形成されている。また、回転マス23は、内筒21及びボールねじ22を覆っており、軸受け28を介して、内筒21に回転自在に支持されている。回転マス23と内筒21の間には、一対のリング状のシール材29、29が設けられている。これらのシール材29、29、回転マス23及び内筒21によって形成された空間には、シリコンオイルで構成された粘性体30が充填されている。
以上のように構成されたマスダンパ4では、内筒21及びねじ軸22aの間に相対変位が発生すると、この相対変位がボールねじ22で回転運動に変換された状態で、制限機構24を介して回転マス23に伝達されることによって、回転マス23が回転する。以下、このように内筒21及びねじ軸22aの間の相対変位を回転マス23の回転運動に変換するマスダンパ4の動作を、「マスダンパ4の回転変換動作」という。
前記制限機構24は、このマスダンパ4の回転変換動作を制限するものであり、リング状の回転滑り材24aと、複数のねじ24b及びばね24c(2つのみ図示)で構成されている。回転滑り材24aは、回転マス23とボールねじ22のナット22cとの間に配置されている。この回転滑り材24aが配置された回転マス23の部分には、複数のばね収容孔23aが形成されている。これらのばね収容孔23aは、周方向に等間隔に配置されており、径方向に貫通している。各ばね収容孔23aには、ねじ24bがねじ込まれるとともに、ねじ24bと回転滑り材24aの間に、ばね24cが収容されている。
以上の構成により、ねじ24bを強く締め付けると、回転滑り材24aがばね24cの付勢力でナット22cに強く押し付けられることによって、回転マス23は、回転滑り材24aを介してナット22cに一体に連結された状態になる。
また、この状態からねじ24bを緩めると、その締付度合が低くなり、マスダンパ4の軸線方向に作用する荷重(以下「軸荷重」という)が、ねじ24bの締付度合に応じて定まる制限荷重に達するまでは、回転マス23がナット22cと一体に回転する。一方、マスダンパ4の軸荷重が制限荷重に達すると、回転滑り材24aとナット22c又は回転マス23との間に滑りが発生することによって、マスダンパ4の回転変換動作が制限される。この状態では、回転滑り材24aとナット22c又は回転マス23との間に発生する摩擦抵抗によって、マスダンパ4の回転変換動作の制限により低下した回転マス23の回転慣性力が補われる。
マスダンパ4の第1フランジ25は、第3梁B3の右端部に一体に設けられた取付具7に取り付けられており、それにより、マスダンパ4は、第3梁B3に連結されている。また、第2フランジ26は、圧縮材3の右側のフランジ3aに取り付けられており、これにより、マスダンパ4は、圧縮材3に連結されている。マスダンパ4は、第1及び第2フランジ25、26の自在継ぎ手により、前後方向に延びる軸線を中心とした取付具7及び圧縮材3に対する回動のみが許容されている。
以上の構成を有する第1実施形態の制振装置によれば、図3を用いて説明したように、構造物Sが振動時に図1の左右の一方の側に揺動すると、その一方の側のケーブル2(以下「引張側ケーブル2」という)に引張荷重Ftが作用することにより、第1梁B1と第3梁B3との間の層間変位ΔAが、引張側ケーブル2及び圧縮材3を介して、マスダンパ4に伝達され、入力変位ΔBとして入力される。これにより、マスダンパ4の回転マス23が回転することによって、マスダンパ4、引張側ケーブル2及び圧縮材3から成る付加振動系が振動する。
一方、引張側ケーブル2と反対側のケーブル2(以下「圧縮側ケーブル2」という)には、圧縮方向の荷重Fcが作用するため、圧縮側ケーブル2は、層間変位ΔAの伝達には関与しない。したがって、マスダンパ4、引張側ケーブル2及び圧縮材3から成る付加振動系の固有振動数を構造物Sの固有振動数に同調(共振)させることにより、構造物Sの振動エネルギを付加振動系で吸収することによって、構造物Sの振動を適切に抑制することができる。
例えば、本実施形態では、左右のケーブル2L、2Rの剛性(ばね定数)が互いに同一であるとともに、ケーブル2及び圧縮材3の剛性と回転マス23の質量は、付加振動系の固有振動数が構造物Sの一次固有振動数(構造物Sの振動モードが一次モードのときの固有振動数)に同調するように、設定されており、それにより、構造物Sの一次モードの振動が適切に抑制される。
また、構造物Sの振動に伴い、その揺動の方向にかかわらず、左右のケーブル2L、2Rの一方が、引張荷重Ftを支持する引張側ケーブル2として機能し、圧縮方向の荷重Fcは、圧縮材3によって支持される。したがって、従来の場合と異なり、格別の座屈防止機構などを設けることなく、簡便な構成によって、層間変位ΔAをマスダンパ4に伝達するための支持部材の座屈を確実に排除することができる。
さらに、マスダンパ4からの反力トルクは、柱材で構成された圧縮材3で支持され、ケーブル2には作用しないので、反力トルクによるケーブル2のねじれを容易かつ確実に防止することができる。
また、第1梁B1及び第2梁B2が、第1及び第2中間梁BM1、BM2の上下両側に配置されていることで、第1梁B1と第3梁B3との距離が十分に確保されるので、両梁B1、B3間の層間変位ΔAを増大させ、それに応じてマスダンパ4への入力変位ΔBを増大させることができ、したがって、構造物Sの振動をより適切に抑制することができる。また、第2梁B2と第3梁B3は隣り合うように配置されていることで、両梁B2、B3の間に延びる圧縮材3が短い長さに保持されるので、圧縮材3の座屈を確実に防止することができる。
また、マスダンパ4から反力トルクを受けた状態で往復動する圧縮材3を、ガイド部材6、6によって第3梁の長さ方向に円滑に案内でき、したがって、マスダンパ4への層間変位ΔAの伝達を良好に行うことができる。
なお、一対のケーブル2、2に、所定のプレテンションを付与してもよい。このようなプレテンションは、例えば、ケーブル2をケーブル連結部5に取り付けるための前述したナットの締付け力を増加させ、調整することによって、容易に付与することができる。
このようにプレテンションが付与された状態では、圧縮側ケーブル2は、プレテンションが圧縮方向の荷重Fcによって相殺されるまでは、付加振動系と一緒に振動し、付加振動系の一部として機能する。その結果、図5に示すように、付加振動系のケーブル2及び圧縮材3から成る支持部材の全体の剛性k(ばね定数=支持部材の反力P/支持部材の入力変位δ)として、プレテンションが相殺されるまでの左右の両ケーブル2、2の剛性を含む、より大きな剛性k1と、プレテンションが相殺された後の一方のケーブル2のみの剛性を含む、より小さな剛性k2とから成る、バイリニアな特性が得られる。
このようなバイリニアな剛性を利用し、例えば、入力変位ΔBの増大に伴ってマスダンパ4の反力Pが過大にならないうちに、支持部材の剛性をより小さな剛性に切り替えることができる。それにより、付加振動系の固有振動数が構造物Sの一次固有振動数と一致しなくなることで、マスダンパ4の反力Pを抑制でき、ひいては、構造物S、ケーブル2やマスダンパ4に過大な応力が発生するのを防止することができる。
また、ケーブル2にプレテンションを付与することによって、圧縮材3が設けられた第2梁B2に作用する長期荷重(スラブSLなどの固定荷重や積載荷重)をキャンセルできるという利点も得ることができる。
図6は、上述したケーブル2、2、圧縮材3及びマスダンパ4などを有する制振装置の構造物Sへの設置例を示す。同図(a)は、複数の制振装置を構造物Sの4層ごとに配置したものであり、上側の制振装置のマスダンパ4が設けられた第3梁と、下側の制振装置の第1梁が共用されている。同図(b)は、複数の制振装置を構造物Sの1層ごとにずらしながら配置したものであり、(a)の場合よりも制振装置の設置数が多いため、制振性能を高めることができる。
また、図6(c)は、制振装置の構成要素の配置を(a)及び(b)の場合とは上下逆に、すなわち、圧縮材3及びマスダンパ4を上側に、ケーブル2を下側に配置したものである。制振装置の設置数は(b)の場合と同じであるので、(b)と同等の制振性能を得ることができる。
また、上記のように構造物Sに複数の制振装置を設置する場合、複数の制振装置の間で、ケーブル2及び圧縮材3の剛性や回転マス23の質量を変えることによって、付加振動系の固有振動数を互いに異なるように設定してもよい。例えば、構造物Sの1次〜n次モード(n=2、3、……)の固有振動数に同調するように設定してもよく、そのような多重同調によって、構造物Sの振動をより良好に抑制することができる。
次に、図7を参照しながら、第1実施形態の変形例について説明する。この変形例は、一対のケーブル2、2の剛性を互いに異なるように設定したものである。具体的には、図7の左ケーブル2Lは、断面積が小さいことで、より低い剛性を有し、右ケーブル2Rは、断面積が大きいことで、より高い剛性を有する。
したがって、この変形例によれば、左右のケーブル2L、2R間の剛性の相違から、左ケーブル2Lを含む付加振動系の固有振動数と、右ケーブル2Rを含む付加振動系の固有振動数を、互いに異なるように設定できる。この場合、例えば、剛性が低い左ケーブル2Lを含む付加振動系の固有振動数を構造物の1次モードの固有振動数に同調し、剛性が高い右ケーブル2Rを含む他方の付加振動系の固有振動数を構造物の2次モードの固有振動数に同調するように、多重同調させてもよい。
これにより、多重同調を、1つの制振装置によって行うことができる。あるいは、2つの付加振動系の異なる固有振動数の平均値を、構造物Sの1つの(例えば1次モードの)固有振動数に同調させてもよい。
図8は、第1実施形態の別の変形例を示す。この変形例では、圧縮材3は、第2梁B2の長さ方向の中心から右側にずれた位置に配置されており、それにより、圧縮材3の中心を通る鉛直線に対する右ケーブル2Rの角度θRは、左ケーブル2Lの角度θLよりも小さくなっている。
このため、同じ大きさのマスダンパ4の反力に対し、右ケーブル2Rに作用する引張荷重Ft(軸力)がより大きくなるため、右ケーブル2Rの見かけの剛性が低くなる。したがって、この変形例においても、左ケーブル2Lを含む付加振動系の固有振動数と、右ケーブル2Rを含む付加振動系の固有振動数を、互いに異なるように設定でき、前述した図7の変形例の場合と同様の効果を得ることができる。
次に、図9及び図10を参照しながら、本発明の第2実施形態による制振装置について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の制振装置に対して、第1滑車8及び第2滑車9を付加したものである。両図に示すように、第1滑車8及び第2滑車9はいずれも、左右一対で構成されており、図9(a)〜(c)の例では、第1滑車8は、第1梁B1と左柱PL及び右柱PRとの接合部にそれぞれ設けられ、第2滑車9は、第2梁B2の上面の左右のケーブル2L、2Rに対応する位置にそれぞれ設けられている。
これらの第1及び第2滑車8、9に対し、左右のケーブル2L、2Rは次のように設けられている。例えば、右ケーブル2Rは、一端部が第1梁B1と右柱PRとの接合部に連結されており、そこから中間のスラブSLのケーブル通し孔2a(図9には図示せず)を通って、斜め下方に延び、第2滑車9に巻き回された後、斜め上方に延びるとともに、第1滑車8に巻き回された後、再び斜め下方に延び、他端部において圧縮材3のケーブル連結部5(図9には図示せず)に連結されている。左ケーブル2Lもまた、第1及び第2滑車8、9に同様に巻き回されている。
以上のように、左右のケーブル2L、2Rの各々が、その途中において第1及び第2滑車8、9に巻き回されているため、両滑車8、9の一方は他方に対して動滑車として機能する。この動滑車機能により、層間変位ΔAが、第1及び第2滑車8、9によるケーブル2の折返し数に応じて増幅された状態で、圧縮材3に伝達される。その結果、マスダンパ4への入力変位ΔBが増大するので、構造物Sの制振効果をさらに高めることができる。
図9(b)に示す例は、同図(a)の例に対して、補強用の一対の間柱10、10を設けたものである。各間柱10は、下端部が第2梁B2の第2滑車9付近に連結され、鉛直上方に延びるとともに、上端部において第2中間梁BM2に連結されている。この構成によれば、圧縮材3及び第2滑車9を取り付けた第2梁B2の上下方向の変位が、間柱10で防止されることによって、上述した動滑車機能による層間変位ΔAの増幅効果を安定して得ることができる。
図9(c)に示す例は、上記の間柱10に代えて、補強用の一対のブレース11、11を設けたものである。各ブレース11は、上端部が第2梁B2の第2滑車9付近に連結され、斜め下方に延びるとともに、下端部において、第3梁B3と左柱PL又は右柱PRとの接合部に連結されている。この構成においても、第2梁B2の上下方向の変位がブレース11で防止されることによって、動滑車機能による層間変位ΔAの増幅効果を安定して得ることができる。
図10に示す例は、図9の例と比較して、第2滑車9の配置及び数が異なるとともに、左右のケーブル2L、2Rをたすき掛け状に配置したものである。第1滑車8は、図9の場合と同様、第1梁B1と左柱PL及び右柱PRとの接合部に1つずつ設けられている。一方、第2滑車9は、第2梁B2と左柱PL及び右柱PRとの接合部に、前後に2つずつ設けられている(各1つのみ図示)。
これらの第1及び第2滑車8、9に対し、ケーブル2L、2Rはたすき掛け状に設けられている。例えば、右ケーブル2Rは、第1梁B1と右柱PRとの接合部から、斜め下方に延び、左側の前後の第2滑車9、9の一方に巻き回された後、斜め上方に延び、右側の第1滑車8に巻き回された後、再び斜め下方に延び、左側の第2滑車9、9の他方に巻き回された後、他端部において圧縮材3の左側のケーブル連結部5(図10には図示せず)に連結されている。左ケーブル2Lもまた、第1及び第2滑車8、9に同様に巻き回されている。
以上の構成によれば、図9の場合と同様、第1及び第2滑車8、9による動滑車機能によって、層間変位ΔAが増幅された状態で圧縮材3に伝達される。また、図9の場合と比較し、第1及び第2滑車8、9によるケーブル2の折返し数が多いことで、より高い層間変位ΔAの増幅機能が得られるとともに、ケーブル2の他端部が圧縮材3に、より水平に近い角度で連結されることで、マスダンパ4への入力変位ΔBが増大するので、構造物Sの制振効果をさらに高めることができる。
また、図10(b)に示す例は、第2梁B2の圧縮材3付近と第2中間梁BM2との間に、1つの間柱10を設けたものである。さらに、図10(c)に示す例は、第2梁B2の圧縮材3付近と、第3梁B3と左柱PL及び右柱PRとの接合部との間に、それぞれブレース11を設けたものである。以上の構成によれば、前述した図9(b)及び(c)の場合と同様、圧縮材3を取り付けた第2梁B2の上下方向の変位が、間柱10又はブレース11で防止されることによって、上述した動滑車機能による層間変位ΔAの増幅効果を安定して得ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態及び変形例に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、1つの制振装置において、圧縮材3の右側に1つのマスダンパ4を配置しているが、マスダンパの数は複数でもよく、例えば圧縮材3の左右両側にマスダンパ4をそれぞれ配置してもよい。また、マスダンパ4は、特開2014−052066号公報に示されるような流体駆動によるものでもよい。さらに、第1滑車8、9の数も任意であり、両滑車8、9によるケーブル2の折返し数が多いほど、より高い層間変位ΔAの増幅効果を得ることができる。
さらに、実施形態では、圧縮材3を案内するガイド部材6は、突起状であるが、これに限らず、左右方向に延びるレール状のものでもよく、また、圧縮材3と第2梁B2との接合をピン接合としてもよい。
また、実施形態では、本発明における中間梁の数が、第1及び第2中間梁BM1、BM2の計2つであるが、1つでも、3つ以上でもよい。あるいは、中間梁を省略すること、すなわち、順に隣り合う構造物Sの3つの梁を第1梁〜第3梁として、本発明を適用することも可能である。
また、実施形態は、左右一対の柱PL、PRに対して、本発明の制振装置を適用した例であるが、本発明はこれに限らず、前後一対の柱に対しても適用可能である。また、これまでに述べたバリエーションを適宜、組み合わせてもよいことは、もちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
S 構造物
P 柱
PL 左柱
PR 右柱
B 梁
B1 第1梁
B2 第2梁
B3 第3梁
BM1 第1中間梁(中間梁)
BM2 第2中間梁(中間梁)
ΔA 層間変位(第1梁と第3梁の間の相対変位)
2 ケーブル
2L 左ケーブル
2R 右ケーブル
3 圧縮材
4 マスダンパ
6 ガイド部材
8 第1滑車
9 第2滑車
23 回転マス

Claims (7)

  1. 互いに間隔を隔てて配置された一対の柱と、当該一対の柱にそれぞれ接合され、上下方向に互いに間隔を隔てて順に配置された第1梁、第2梁及び第3梁とを有する構造物の振動を抑制するための構造物の制振装置であって、
    一端部が前記第1梁と前記一対の柱との接合部にそれぞれ連結され、前記第3梁に向かって互いに近づくように斜めに延びる一対のケーブルと、
    柱材で構成され、前記第2梁に連結されるとともに、前記第3梁に向かって延び、前記一対のケーブルの他端部が連結された圧縮材と、
    回転可能な回転マスを有し、前記圧縮材と前記第3梁に連結され、前記構造物の振動に伴って前記一対のケーブル及び前記圧縮材を介して伝達された前記第1梁と前記第3梁の間の相対変位を、前記回転マスの回転運動に変換するマスダンパと、
    を備えることを特徴とする構造物の制振装置。
  2. 前記第1梁と前記第2梁の間には、前記一対の柱に接合された少なくとも1つの中間梁が配置され、前記第2梁と前記第3梁は、隣り合うように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の構造物の制振装置。
  3. 前記第3梁に設けられ、前記圧縮材に係合し、当該圧縮材を前記第3梁の長さ方向に案内するガイド部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造物の制振装置。
  4. 前記一対のケーブルに、所定のプレテンションが付与されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  5. 前記一対のケーブルは、互いに異なる剛性を有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  6. 前記圧縮材は、前記第2梁の長さ方向の中心からずれた位置に配置され、前記一対のケーブルは、前記圧縮材に対して互いに異なる角度で延びていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  7. 前記第1梁と前記一対の柱材との接合部にそれぞれ取り付けられた一対の第1滑車と、
    前記第2梁の所定の部位に取り付けられた一対の第2滑車と、さらに備え、
    前記一対のケーブルの各々は、前記第1滑車及び前記第2滑車に巻き回されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の構造物の制振装置。
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