JPH09324557A - 建築物の制振構造 - Google Patents

建築物の制振構造

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Publication number
JPH09324557A
JPH09324557A JP14271796A JP14271796A JPH09324557A JP H09324557 A JPH09324557 A JP H09324557A JP 14271796 A JP14271796 A JP 14271796A JP 14271796 A JP14271796 A JP 14271796A JP H09324557 A JPH09324557 A JP H09324557A
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JP
Japan
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vibration
elasto
plastic
main frame
damper
Prior art date
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Application number
JP14271796A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Takahashi
泰彦 高橋
Tsuyoshi Sano
剛志 佐野
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとが互いに並
列関係に配置されるため、振動が別経路を介して伝播さ
れることになり、粘性ダンパーによる微小振動の減衰効
果が十分に得られない場合もあると共に、弾塑性ダンパ
ーの交換作業が著しく困難になってしまう。 【解決手段】 主架構14の下辺となる梁部材12aの
中央部から立設した間柱18の頂部18aを、弾塑性ダ
ンパー20,20aおよび粘性ダンパー22を介して上
辺となる梁部材12に結合する。弾塑性ダンパー20,
20aを2個設け、一対の弾塑性ダンパー20,20a
の間に粘性ダンパー22を介在して、それぞれを直列配
置して取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の制振構
造、とりわけ、主架構が柱部材および梁部材により矩形
状に構成され、この矩形状の主架構の下辺から間柱を立
設するようにした建築物の制振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の建築物の制振構造としては、例
えば実開平4−111870号公報(Int.Cl. E04H 9/0
2 )に開示されたものがある。これは図8に示すよう
に、主架構を構成する隣接する柱部材1,1と天井相当
部分の梁2との両交差部分からV字状のブレース3を垂
設し、このブレース3下端と前記両柱部材1,1との間
に鉛押し出しダンパーとして構成される弾塑性ダンパー
4,4を設けると共に、ブレース3下端と水平材6との
間に粘性剪断ダンパーとして構成される粘性ダンパー5
を設けるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記弾塑性ダンパー
4,4は、これが降伏することによって振動エネルギー
が吸収される構造となっており、この弾塑性ダンパー
4,4では大きな振動の減衰に有効となる。しかしなが
らこの弾塑性ダンパー4,4は、これが塑性化するまで
の比較的小さな振動に対しては制振効果が得られないこ
と、当該ダンパー4,4が塑性化すると高い制振効果が
得られるが入力振動終了後に主架構と弾塑性ダンパー
4,4の双方に変形や応力が残留することなどの問題が
ある。
【0004】一方、前記粘性ダンパー5は粘性流体が移
動するときの減衰抵抗によって振動を減衰できるように
なっており、小さな振動から振動減衰の効果が期待でき
る。この粘性ダンパー5に関しては非常に高い粘性減衰
係数を有する高減衰力オイルダンパーなどが提案され実
用化に向けて開発が進められているが、粘性ダンパー5
としてこのような高性能なものを用いる場合、大振動の
入力時にこの粘性ダンパー5から主架構に伝達される高
い減衰力に対応するため、ダンパー5と主架構の接続部
や主架構自体に補強などを施したり、ダンパー5の粘性
減衰特性に非線形性を持たせてダンパー5からの入力を
制限するなどの配慮が必要となる。
【0005】そして、かかる従来の建築物の制振構造に
あっては、ブレース3下端に設けられる弾塑性ダンパー
4,4と粘性ダンパー5とは互いに並列関係に配置され
るようになっている。このため、柱部材1,1と梁2と
からなる主架構に入力された振動は常に前記弾塑性ダン
パー4,4と前記粘性ダンパー5とに独立して入力され
ることになる。このため、建築物に微小振動が入力され
た場合には、粘性ダンパー5で微小振動を効果的に吸収
したとしても、別経路を介して弾塑性ダンパー4,4に
振動が伝達されてしまうため、この弾塑性ダンパー4,
4によって振動が伝播されてしまう。このため、前記弾
塑性ダンパー4,4と粘性ダンパー5とを併設したにも
かかわらず、粘性ダンパー5による微小振動の減衰効果
が十分に得られない場合もある。
【0006】また、建築物に大きな振動が入力された場
合には、粘性ダンパー5と並列関係にあってブレース3
下端と柱部材1,1との間に独立に強固に固定した弾塑
性ダンパー4,4には残留変形や残留応力が生じ、これ
に伴って主架構にも変形や応力が残留するので、これら
弾塑性ダンパー4,4の交換が必要になることもある。
これら弾塑性ダンパー4,4の交換を行う際には、当該
弾塑性ダンパー4,4周りの変形を矯正してから行う必
要があるなど、その交換作業が非常に煩雑であるという
各種課題があった。
【0007】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、建築物に小さな振動および大きな振動のいずれが入
力された場合にも効果的に振動を減衰すると共に、大き
な振動の入力により残留変形が生じた弾塑性ダンパーの
交換を容易に行うことができる建築物の制振構造を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、水平方向および上下方向に適宜間隔を隔
てて配置された柱部材と梁部材とによって矩形状の主架
構が構成された建築物において、矩形状の主架構の下辺
から間柱を立設し、この間柱の頂部を、直列に配置され
る弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとを介して前記主架構
の上辺に結合することにより構成する。
【0009】また、前記間柱は、この間柱の頂部と前記
主架構の下辺とを連結する斜材を介して支持することが
望ましい。
【0010】更に、前記間柱を主架構の下辺の中央部よ
り片側に寄せて配置すると共に、前記斜材を、間柱を寄
せた側のみに配置し、かつ、間柱を寄せた側とは反対側
に開口部スペースを形成することが望ましい。
【0011】以上の構成により本発明の建築物の制振構
造にあっては、建築物に振動が入力されると、矩形状の
主架構の変形を伴いつつこの主架構の下辺から立設した
間柱は主架構の上辺との間で相対変位し、この相対変位
に起因して間柱の頂部と主架構の上辺との間に配置され
た弾塑性ダンパーおよび粘性ダンパーに振動が入力され
る。このとき弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとは直列に
配置されているので、建築物に入力された振動力は前記
弾塑性ダンパーと前記粘性ダンパーとの相関性をもって
減衰することができる。即ち、建築物に小さな振動が入
力された場合には、粘性ダンパーが作用して振動減衰
し、大きな振動が入力された場合には、弾塑性ダンパー
と粘性ダンパーとが作用して振動減衰する。このため、
建築物に入力される振動の大小にかかわらず効果的に振
動減衰することができる。ところで、大きな振動入力に
より前記弾塑性ダンパーに残留変形や残留応力が生じて
これを交換する際にも、この弾塑性ダンパーと直列配置
されている粘性ダンパーが変形吸収機能を備えているこ
とにより、新たな弾塑性ダンパーの取付け時に粘性ダン
パーで融通を利かせることができて、この弾塑性ダンパ
ーの交換作業が著しく容易になる。
【0012】また、弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとを
直列配置したことにより、主架構に弾塑性ダンパーの降
伏耐力以上の荷重が入力されるのを防止でき、主架構の
設計を簡単化することができる。
【0013】また、前記間柱は、その頂部と主架構の下
辺とを連結する斜材を介して支持することにより、この
斜材によって間柱の倒れを防止しつつ、間柱の剛性を高
めることができる。従って、この間柱と主架構の上辺と
の間の相対変位に起因する振動入力を前記弾塑性ダンパ
ーおよび前記粘性ダンパーに効率良く伝達することがで
き、確実かつ十分に振動減衰することができる。また、
前記斜材により間柱の倒れが防止されることにより、こ
の間柱と主架構の下辺との結合部分をピン結合とするこ
ともできる。
【0014】更に、前記間柱を主架構の下辺の中央部よ
り片側に寄せて配置すると共に、前記斜材を、間柱を寄
せた側のみに配置し、かつ、間柱を寄せた側とは反対側
に開口部スペースを形成することにより、間柱を寄せた
側とは反対側には主架構内に広いスペースが確保され、
かつ、斜材が存在しないことにより、当該開口部スペー
スに入口ドアや窓などを自由にレイアウトできて、設計
自由度を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1は本発明にかかる建
築物の制振構造の一実施形態を示す概略構成図である。
【0016】即ち、本実施形態の建築物は、それぞれ適
宜間隔をもって配置される柱部材10,10a…および
梁部材12,12a…によってラーメン構造となる主架
構14が矩形状に構築されている。尚、図1はラーメン
構造によって門形フレームとして構成される1つの主架
構14を便宜上示してある。
【0017】前記主架構14の下辺となる梁部材12a
の中央部には、図外の間仕切り壁等を取付けるための間
柱18が立設されている。この間柱18はRC造柱また
はS造柱として比較的大きな断面をもって構築され、下
辺の梁部材12aとの結合剛性が大きく、かつ、曲げ剛
性が大きく設定される。尚、前記間柱18は壁状に形成
することもできる。
【0018】前記間柱18の頂部18aは、弾塑性ダン
パー20,20aおよび粘性ダンパー22を介して上辺
となる梁部材12の図中右端部近傍に結合される。本実
施形態では前記弾塑性ダンパー20,20aは2個設け
られ、これら一対の弾塑性ダンパー20,20aの間に
前記粘性ダンパー22を介在して取付けることにより、
これら弾塑性ダンパー20,20aと粘性ダンパー22
とは互いに直列関係をもって配置される。
【0019】一方の弾塑性ダンパー20は間柱18の頂
部から上下方向に配置されると共に、この弾性ダンパー
20の上端に水平方向に粘性ダンパー22が配置され、
そして、この粘性ダンパー22の他端に上下方向に他方
の弾塑性ダンパー20aが配置されて、上辺の梁部材1
2に結合される。
【0020】前記弾塑性ダンパー20,20aは降伏す
る時の塑性吸収エネルギーで振動を減衰するようになっ
ており、このときの降伏耐力が大きいことから大きな振
動に対して減衰力を発生する。一方、前記粘性ダンパー
22は粘性流体の移動で振動減衰するので小さな振動か
ら減衰力を発生するが、この粘性ダンパー22には高い
減衰係数を付与して大きな振動領域まで減衰効果が発揮
されるように設定される。
【0021】以上の構成により本実施形態の建築物の制
振構造にあっては、建築物に地震による振動力が入力さ
れると、矩形状の主架構14は四隅の角部の剛結状態を
保持しつつ柱部材10,10a…および梁部材12,1
2a…がたわみ変形され、この変形に伴って下辺の梁部
材12aから立設された間柱18には、上辺の梁部材1
2との間で相対変位が生ずる。この相対変位に起因して
前記間柱18の頂部と上辺の梁部材12との間に配置さ
れた弾塑性ダンパー20,20aと粘性ダンパー22と
に振動が入力される。このとき、前記弾塑性ダンパー2
0,20aと粘性ダンパー22とは直列に配置されてい
るので、建築物に入力された振動力を前記弾塑性ダンパ
ー20,20aおよび前記粘性ダンパー22両者の相関
性をもって減衰することができる。
【0022】即ち、建築物に小さな振動が入力された場
合には、粘性ダンパー22が作用して振動減衰し、大き
な振動が入力された場合には、弾塑性ダンパー20,2
0aが降伏して、これら弾塑性ダンパー20,20aと
粘性ダンパー22とが同時に作用して振動減衰する。こ
のため、建築物に入力される振動の大小にかかわらず効
果的に振動減衰することができる。
【0023】また、前記弾塑性ダンパー20,20aと
前記粘性ダンパー22とが直列配置されていることによ
り、主架構14には前記弾塑性ダンパー20,20aの
降伏耐力以上の荷重が入力されるのが防止される。この
点を詳述すると、例えば上述した高い粘性減衰係数のエ
ネルギー吸収能に優れた粘性ダンパーを単独で用いる
と、層間応答速度が大きくなるにつれて減衰力が非常に
大きくなり主架構に損傷を及ぼすおそれがある。従っ
て、このような高性能粘性ダンパーを組み込む場合に
は、主架構に対して損傷に対する対策を施す必要があ
る。ここに、降伏することによってエネルギー吸収を行
う弾塑性ダンパー20,20aを採用し、この弾塑性ダ
ンパー20,20aと前記粘性ダンパー22とを直列配
置することで、主架構14には弾塑性ダンパー20,2
0aの降伏耐力以上の荷重が入力されないことから、こ
の主架構14の設計を著しく簡単化することができる。
【0024】更に、本実施形態では前記主架構14に大
きな振動が入力されて前記弾塑性ダンパー20,20a
に残留変形や残留応力が生じた場合に、この弾塑性ダン
パー20,20aを交換する必要があるが、この弾塑性
ダンパー20,20aの交換時には、この弾塑性ダンパ
ー20,20aと前記粘性ダンパー22との両者が直列
配置されていることにより弾塑性ダンパー20,20a
の交換作業が容易になる。即ち、直列配置された前記粘
性ダンパー22が変形吸収機能を備えていることによ
り、この粘性ダンパー22の当該機能で弾塑性ダンパー
20,20aの残留変形分を吸収して、新たな弾塑性ダ
ンパー20,20aの取付けを容易にすることができ
る。
【0025】本実施形態では前記間柱18が下辺の梁部
材12aの中央部から立設されるようになっており、こ
の間柱18と柱部材10,10aのいずれか一方との間
が図外の入口ドアの配置スペースSとなっている。
【0026】以上説明したことをまとめると、中小の
振動入力に対しては、主に粘性ダンパー22によって振
動吸収効果が得られる。大きな振動入力に対しては、
小振幅時には主に粘性ダンパー22が働き、大振幅時に
は粘性ダンパー22と弾塑性ダンパー20,20aの両
方が働いて、振動吸収効果を発揮する。弾塑性ダンパ
ー20,20aの降伏耐力を適当に設定することによ
り、粘性ダンパー22および弾塑性ダンパー20,20
aからなるダンパー系と主架構14との接続部や主架構
14自体に伝達される減衰力が過大とならないように容
易に制御できる。振動入力終了時に主架構14とダン
パー系の双方に応力が残留しない。このため、仮に弾塑
性ダンパー20,20aを交換する必要が生じても交換
が容易である。
【0027】図2は他の実施形態を示し、前記実施形態
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。尚、図2は図1に対応する制振構造の概略
構成図である。
【0028】即ち、この実施形態の建築物の制振構造に
あっては、間柱30を比較的曲げ剛性の小さい材料を用
いて構成し、この間柱30をその頂部30aと下辺の梁
部材12aの両端とを連結する斜材32,32aを介し
て支持するようになっている。前記斜材32,32aの
両端は間柱30の頂部30aおよび梁部材12aにそれ
ぞれピン結合されるようになっている。
【0029】勿論、この実施形態にあっても前記間柱3
0の頂部30aを、直列配置される弾塑性ダンパー2
0,20aと粘性ダンパー22とを介して上辺の梁部材
12に結合するようになっている。
【0030】従って、この実施形態にあっては間柱30
が斜材32,32aを介して支持されることにより、こ
の間柱30自体の曲げ剛性が小さいにもかかわらず、そ
の倒れを防止しつつ、間柱30の剛性を高めることがで
きる。このため、前記間柱30と上辺の梁部材12との
間の相対変位に起因する振動入力を前記弾塑性ダンパー
20,20aおよび前記粘性ダンパー22に効率良く伝
達することができ、延いては、これら弾塑性ダンパー2
0,20aおよび粘性ダンパー22の機能を十分に発揮
させて、確実かつ十分に振動減衰することができる。
【0031】この実施形態では前記斜材32,32aに
より間柱30の倒れを防止できることにより、この間柱
30と下辺の梁部材12aとの結合部分をピン結合とす
ることもできる。
【0032】図3,図4,図5はそれぞれ他の実施形態
を示し、前記実施形態と同一構成部分に同一符号を付し
て重複する説明を省略して述べる。即ち、前記図2の実
施形態では間柱30を1本設けたのに対して、これら実
施形態では間柱40,41を適宜間隔を隔てて2本設
け、それぞれの間柱40,41を斜材42,42aによ
って支持するようにしたものである。
【0033】即ち、図3は対峙した2本の間柱40,4
1のうち、一方の間柱40を斜材42で、他方の間柱4
1を斜材42aで支持するようになっており、これら斜
材42,42aは対峙する間柱40,41の外側となる
方向、即ち、対向する間柱40,41の反対側に配置さ
れる。それぞれの斜材42,42aは、間柱40,41
の頂部40a,41aと下辺の梁部材12aの端部とを
連結する。
【0034】また、図4は前記図3の実施形態に対して
対峙する間柱40,41の頂部40a,41a間を連結
部材44を介して互いに連結してある。このように間柱
40,41を連結部材44で連結することにより、それ
ぞれの間柱40,41の支持剛性をより高めることがで
きる。
【0035】ところで、前記図3,図4に示す実施形態
では斜材42,42aを間柱40,41の外側に配置す
ることにより、両間柱40,41間に入口ドアとか窓な
どの開口部を形成することができる。
【0036】更に、図5は斜材42,42aを対峙する
間柱40,41間に交差状態で配置し、それぞれの下端
を相手側の間柱40,41の下端に連結するようになっ
ている。このように斜材42,42aを間柱40,41
間に配置することにより、これら間柱40,41の外側
となる両側の柱部材10,10aとの間のスペースに、
入口ドアとか窓などの開口部を任意に形成することがで
きる。
【0037】ところで、前記図3,図4,図5に示す実
施形態にあっても、対峙した間柱40,41のそれぞれ
の頂部40a,41aを、直列配置される弾塑性ダンパ
ー20,20aと粘性ダンパー22とを介して上辺の梁
部材12aに結合してある。
【0038】図6は他の実施形態を示し、前記実施形態
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。即ち、この実施形態では1本の間柱50を
下辺の梁部材12aの中央部より片側に寄せて配置する
と共に、斜材52を、間柱50を寄せた側のみに配置し
てある。そして、前記間柱50を寄せた側とは反対側に
大きな開口部スペースSを形成するようになっている。
【0039】従って、この実施形態では前記間柱50を
寄せた側とは反対側には広い開口部スペースSを確保で
き、かつ、このスペースSには斜材52が存在しないこ
とにより、当該開口部スペースSに入口ドアや窓などを
自由にレイアウトすることができて、設計自由度を高め
ることができる。
【0040】この実施形態では前記間柱50の頂部50
aと上辺の梁部材12aとの間に設けられる弾塑性ダン
パー20,20aと粘性ダンパー22とを、前記開口部
スペースS側に配置した場合を開示したが、これに限る
ことなく図7に示すように前記弾塑性ダンパー20,2
0aと粘性ダンパー22とを斜材52の配置側に設ける
ことにより、前記開口部スペースSをより高く広く確保
することができる。
【0041】以上説明した他の実施形態にあっても、最
初に説明した一実施形態と同様の作用・効果を奏するこ
とはもちろんである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す建築物の制振構造にあっては、矩形状の主架構の下
辺から間柱を立設し、この間柱の頂部を、直列に配置さ
れる弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとを介して前記主架
構の上辺に結合したので、建築物に振動が入力される
と、矩形状の主架構の変形を伴いつつ間柱は主架構の上
辺との間で相対変位し、この相対変位に起因して前記弾
塑性ダンパーおよび前記粘性ダンパーに振動が入力され
る。このとき弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとは上述し
たように直列に配置されているので、建築物に入力され
た振動力は前記弾塑性ダンパーと前記粘性ダンパーとの
相関性をもって減衰することができ、小さな振動が入力
された場合には粘性ダンパーが作用して振動減衰し、大
きな振動が入力された場合には弾塑性ダンパーと粘性ダ
ンパーとが作用して振動減衰する。このため、建築物に
入力される振動の大小にかかわらず効果的に振動減衰す
ることができる。また、大きな振動入力により前記弾塑
性ダンパーに残留変形や残留応力が生じてこれを交換す
る際にも、この弾塑性ダンパーと直列配置されている粘
性ダンパーが変形吸収機能を備えていることにより、新
たな弾塑性ダンパーの交換作業を著しく容易に行うこと
ができる。
【0043】更に、弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとを
直列配置したことにより、主架構に弾塑性ダンパーの降
伏耐力以上の荷重が入力されるのを防止でき、主架構の
設計を簡単化することができる。
【0044】また、本発明の請求項2の制振構造にあっ
ては、前記間柱を、その頂部と主架構の下辺とを連結す
る斜材を介して支持したので、この斜材によって間柱の
倒れを防止しつつ、間柱の剛性を高めることができる。
従って、この間柱と主架構の上辺との間の相対変位に起
因する振動入力を前記弾塑性ダンパーおよび前記粘性ダ
ンパーに効率良く伝達することができ、確実かつ十分に
振動減衰することができる。
【0045】更に、本発明の請求項3の制振構造にあっ
ては、前記間柱を主架構の下辺の中央部より片側に寄せ
て配置すると共に、前記斜材を、間柱を寄せた側のみに
配置し、かつ、間柱を寄せた側とは反対側に開口部スペ
ースを形成したので、主架構内の間柱を寄せた側とは反
対側に広いスペースを確保することができ、かつ、斜材
が存在しないことにより、当該開口部スペースに入口ド
アや窓などを自由にレイアウトすることができて、設計
自由度を高めることができるという各種優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる建築物の制振構造の一実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図3】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図5】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図6】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図7】本発明の他の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図8】従来の制振構造を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10,10a 柱部材 12,12a 梁部材 14 主架構 18,30,40,41,50 間柱 18a,30a,40a,41a,50a 頂部 20,20a 弾塑性ダンパー 22 粘性ダンパー 32,32a,42,42a,52 斜材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 2/56 643 E04B 2/56 643A 651 651A 651D 651L 651S 652 652H 652T F16F 7/12 F16F 7/12 15/02 8919−3J 15/02 F 8919−3J K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向および上下方向に適宜間隔を隔
    てて配置された柱部材と梁部材とによって矩形状の主架
    構が構成された建築物において、矩形状の主架構の下辺
    から間柱を立設し、この間柱の頂部を、直列に配置され
    る弾塑性ダンパーと粘性ダンパーとを介して前記主架構
    の上辺に結合したことを特徴とする建築物の制振構造。
  2. 【請求項2】 前記間柱は、この間柱の頂部と前記主架
    構の下辺とを連結する斜材を介して支持したことを特徴
    とする請求項1に記載の建築物の制振構造。
  3. 【請求項3】 前記間柱が主架構の下辺の中央部より片
    側に寄せて配置されると共に、前記斜材が間柱を寄せた
    側のみに配置され、かつ、間柱を寄せた側とは反対側に
    開口部スペースが形成されることを特徴とする請求項2
    に記載の建築物の制振構造。
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