JP5312829B2 - コイルばねの製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
前記コイルばねをワーク支持台上に載せるとともに、前記コイルばねのうち、これから加工すべき先行の巻き部に隣接して次に加工すべき後行の巻き部を含みこれより後方に位置する巻き部に当接する保持面を有する保持ユニットと前記ワーク支持台との間で前記コイルばねを挟み込んで保持した後、
これから加工すべき先行の巻き部に対し、この先行の巻き部側のみに向けて傾斜する押圧面をもった片刃状の拡開ツールを押し当ててこの先行の巻き部を塑性変形させる一方、この先行の巻き部と隣接する後行の巻き部に対しては前記拡開ツールが非当接であるかあるいは弾性限度内での一時的な変形を許容しつつ当接するようにして、両巻き部間のピッチを拡開させる工程と、
前記拡開ツールの押圧状態を解除する工程とを、各巻き部毎に順次行うコイルばねの製造方法であって、
前記保持ユニットには前記保持面から前記コイルばね側へ向けて変形規制部が突出形成されており、この変形規制部は、前記拡開ツールが前記先行の巻き部に押し当てている状態では、前記後行の巻き部とさらにその後方に隣接する巻き部との間に割って入り前記後行の巻き部の後端に当接することで、前記後行の巻き部が後方へ押し倒されるのを規制して塑性変形しないようにするところに特徴を有する。
前記コイルばねを載せるワーク支持台と、
前記コイルばねのうち、これから加工すべき先行の巻き部に隣接して次に加工すべき後行の巻き部に当接する保持面を有し前記コイルばねを前記ワーク支持台との間で挟み込んで保持する保持ユニットと、
前記先行の巻き部側のみに向けて傾斜する押圧面をもった片刃状に形成され、前記先行の巻き部に当接してこれを塑性変形させる一方、この先行の巻き部と隣接する後行の巻き部に対しては非当接であるかあるいは弾性限度内での一時的な変形を許容しつつ当接するようにして、両巻き部間のピッチを拡開させる拡開ツールと、
前記拡開ツールを前記先行の巻き部に押し当てる押圧位置と前記先行の巻き部から解離した解除位置とに移動させる拡開ツール移動ユニットと、
前記拡開ツールで前記先行の巻き部を塑性変形させた後、前記拡開ツール移動ユニットで前記拡開ツールを前記解除位置に至らしめた状態で、前記コイルばねと前記拡開ツールのいずれか一方を他方に対して前記両巻き部間のピッチだけ順次相対移動させて、前記後行の巻き部を前記拡開ツールと対応する位置に至らす送りユニットと、
さらに、前記保持ユニットの前記保持面から前記コイルばね側へ向けて突出して設けられ、前記後行の巻き部とさらにその後方に隣接する巻き部との間に割って入り前記後行の巻き部の後端に当接することで、前記後行の巻き部が後方へ押し倒されるのを規制して塑性変形しないようにする変形規制部とを備えて構成されているところに特徴を有する。
これから加工すべき先行の巻き部に拡開ツールを押し当ててこの先行の巻き部を塑性変形させる一方、この先行の巻き部に隣接する後行の巻き部に対しては拡開ツールが非当接であるかあるいは弾性限度内での一時的な変形を許容しつつ当接するようにしているため、拡開ツールによる押圧状態を解除したときには、後行の巻き部は自然状態に保持・復帰される。これにより、後行の巻き部を一端とする塑性変形前の巻き部間のピッチ位置が位置ずれするのを防止でき、ひいては巻き部間の拡開量が変化するのを防止できる。その結果、各巻き部間が所定の拡開量で湾曲されたコイルばねを確実に得ることができる。
以下、参考例1を図1ないし図4によって説明する。本参考例によって得られるコイルばね10は、例えば、トルクコンバータのダンパスプリングとして使用されるものであり、図4に示すように、一定の曲率をもって湾曲状に形成されている。なお、以下の説明において、前後方向については各図の左側を前方、右側を後方とし、上下方向については各図を基準とする。
図1に示すように、ワーク支持台40に直線状コイル20を載せ、ワーク支持台40の一端に先行の巻き部21aが位置するように直線状コイル20を位置決めして配置する。そして、保持ユニット移動装置によって保持ユニット50を保持位置に至らしめ、保持ユニット50の保持面51とワーク支持台40の支持面41との間に直線状コイル20を挟み込み、直線状コイル20を保持する。このとき、保持ユニット50の保持面51は、後行の巻き部21bを含めてこれより後方に位置する各巻き部21に当接する一方、先行の巻き部21aには非当接とされる。またこのとき、拡開ツール30は、解除位置に留め置かれ、先行の巻き部21aの上方にその押圧面31を臨ませる。
図5及び図6は、本発明の参考例2を示す。参考例2では、拡開ツール30aの形状及び保持ユニット50の保持位置が参考例1とは異なる。
拡開ツール30aは、非対称両刃状をなし、先行の巻き部21a側に傾斜する第1の押圧面31aを有するとともに、後行の巻き部21b側に傾斜する第2の押圧面33aを有する。第1の押圧面31aは第2の押圧面33aより大きい面積でかつ長い斜辺をもっている。また、保持ユニット50の保持面51は、保持位置において、後行の巻き部21bと先行の巻き部21aとは反対側で隣接する3番目の巻き部21cを含めてこれより後行に位置する各巻き部21に当接し、先行及び後行の両巻き部21a、21bとは非当接とされる。
図7は本発明の実施形態1を示す。実施形態1では、保持ユニット50aの形状が参考例1とは異なる。
保持ユニット50aには、保持位置において、後行の巻き部21bの後端(倒れ方向)に当接可能な変形規制部52が形成されている。この変形規制部52は、保持面51の1箇所から下方に突出して形成されている。変形規制部52の先端角は丸みをもっており、後行の巻き部21bが傷付くのを規制可能となっている。
図8は本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、保持ユニット50bの形状が参考例1とは異なる。
保持ユニット50bには、保持位置において、後行の巻き部21bを含めてこれより後方に位置する各巻き部21の後端(倒れ方向)にそれぞれ当接可能な複数の変形規制部52が形成されている。これら変形規制部52は、各巻き部21間のピッチに対応する一定間隔をあけて、保持面51の複数個所から下方に突出して形成されている。実施形態2によれば、後行の巻き部21bとこれより後方に位置する各巻き部21が塑性変形されるのを確実に防止でき、各巻き部21間が所定の拡開量で湾曲されたコイルばね10をよりいっそう高い精度をもって得ることができる。
図9は本発明の参考例3を示す。参考例3では、拡開ツール30と直線状コイル20との間に第1及び第2の介在ユニット80,85が設けられている点で参考例1とは異なる。
第1の介在ユニット80は先行及び後行の両巻き部21a、21b間を境界として前方に位置し、第2の介在ユニット85は後方に位置している。第2の介在ユニット85は保持ユニット50、50a、50bの役割を兼用している。
図10及び図11は本発明の参考例4を示す。参考例4では、拡開ツール30bの形状、拡開ツール30bの移動方向、保持ユニット50cの形状及び位置ずれ規制部90が別途設けられている点で参考例1とは異なる。
拡開ツール30bの先端面は尖鋭状ではなくフラットな押圧面31bとされている。そして、この拡開ツール30bは、解除位置から押圧位置にかけて斜め下前方へ向けて移動される。先行の巻き部21aは拡開ツール30bの移動方向と対向して配置されている。
図12は本発明の参考例5を示す。参考例5では、拡開ツール30cの形状、拡開ツール30cの移動方向、保持ユニット50dの形状及び位置ずれ規制部90が別途設けられている点で参考例1とは異なる。
拡開ツール30cは、保持ユニット50dと略対称な形状をなし、その後端に先行の巻き部21aの後端と当接可能な第1の爪部34が下方に突出して形成されている。また、拡開ツール30cは、上下方向に加えて前後方向に移動可能とされ、解除位置では保持ユニット50dに接近する一方、押圧位置では保持ユニット50dから離間する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1,2では、一定の曲率で湾曲するコイルばねを成形するものであったが、本発明によれば、先行及び後行の両巻き部間に挿入される拡開ツールの挿入深さを途中で変化させることにより、各巻き部間の拡開量が所定の変化率で変化した湾曲状のコイルばねを成形するものであってもよい。
(2)送りユニットは、解除位置における拡開ツールを後方へ移動させることで後行の巻き部を拡開ツールと対応する位置に至らす構成であってもよい。
(3)実施形態1、2では、変形規制部は、保持位置において、後行の巻き部との間に若干の隙間をあけていてもよい。
(4)実施形態1,2に、参考例4、5における位置ずれ規制部を設けてもよい。
20…直線状コイル(直線状のコイルばね)
21…巻き部
21a…先行の巻き部
21b…後行の巻き部
30、30a、30b、30c…拡開ツール
40…ワーク支持台
50、50a、50b、50c、50d…保持ユニット
Claims (2)
- 複数の巻き部からなる直線状のコイルばねを成形した後に、湾曲状に成形する製造方法であり、
前記コイルばねをワーク支持台上に載せるとともに、前記コイルばねのうち、これから加工すべき先行の巻き部に隣接して次に加工すべき後行の巻き部を含みこれより後方に位置する巻き部に当接する保持面を有する保持ユニットと前記ワーク支持台との間で前記コイルばねを挟み込んで保持した後、
これから加工すべき先行の巻き部に対し、この先行の巻き部側のみに向けて傾斜する押圧面をもった片刃状の拡開ツールを押し当ててこの先行の巻き部を塑性変形させる一方、この先行の巻き部と隣接する後行の巻き部に対しては前記拡開ツールが非当接であるかあるいは弾性限度内での一時的な変形を許容しつつ当接するようにして、両巻き部間のピッチを拡開させる工程と、
前記拡開ツールの押圧状態を解除する工程とを、各巻き部毎に順次行うコイルばねの製造方法であって、
前記保持ユニットには前記保持面から前記コイルばね側へ向けて変形規制部が突出形成されており、この変形規制部は、前記拡開ツールが前記先行の巻き部に押し当てている状態では、前記後行の巻き部とさらにその後方に隣接する巻き部との間に割って入り前記後行の巻き部の後端に当接することで、前記後行の巻き部が後方へ押し倒されるのを規制して塑性変形しないようにすることを特徴とするコイルばねの製造方法。 - 複数の巻き部からなる直線状のコイルばねを成形した後に、湾曲状に成形する製造装置であり、
前記コイルばねを載せるワーク支持台と、
前記コイルばねのうち、これから加工すべき先行の巻き部に隣接して次に加工すべき後行の巻き部に当接する保持面を有し前記コイルばねを前記ワーク支持台との間で挟み込んで保持する保持ユニットと、
前記先行の巻き部側のみに向けて傾斜する押圧面をもった片刃状に形成され、前記先行の巻き部に当接してこれを塑性変形させる一方、この先行の巻き部と隣接する後行の巻き部に対しては非当接であるかあるいは弾性限度内での一時的な変形を許容しつつ当接するようにして、両巻き部間のピッチを拡開させる拡開ツールと、
前記拡開ツールを前記先行の巻き部に押し当てる押圧位置と前記先行の巻き部から解離した解除位置とに移動させる拡開ツール移動ユニットと、
前記拡開ツールで前記先行の巻き部を塑性変形させた後、前記拡開ツール移動ユニットで前記拡開ツールを前記解除位置に至らしめた状態で、前記コイルばねと前記拡開ツールのいずれか一方を他方に対して前記両巻き部間のピッチだけ順次相対移動させて、前記後行の巻き部を前記拡開ツールと対応する位置に至らす送りユニットと、
さらに、前記保持ユニットの前記保持面から前記コイルばね側へ向けて突出して設けられ、前記後行の巻き部とさらにその後方に隣接する巻き部との間に割って入り前記後行の巻き部の後端に当接することで、前記後行の巻き部が後方へ押し倒されるのを規制して塑性変形しないようにする変形規制部とを備えて構成されていることを特徴とするコイルばねの製造装置。
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JP2008075692A JP5312829B2 (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | コイルばねの製造方法及びその製造装置 |
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JP2009226450A JP2009226450A (ja) | 2009-10-08 |
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