JP5312084B2 - ガスコンロ - Google Patents

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本発明は、天板上に載置され調理容器をバーナ上に支持する五徳を備えるガスコンロに関する。
ガスコンロには、調理の際にコンロ内部への煮こぼれの侵入を防止するため、バーナの上方を覆うように保護キャップが設けられている。
例えば、下記特許文献1に示されたガスコンロでは、バーナ上端部の円周方向に所定の間隔を存して上方に突出する複数の突起に、バーナ上端部の円周方向に沿って環状に延びる線バネを保持し、保護キャップは、バーナ上端部を覆う覆板と、その下方に延設されて各突起に隣接する複数の足部と、足部の下端部に形成されて上記線バネに掛止する掛止爪とを備えている。
かかる構成により、保護キャップは、バーナの上端部に容易に取り付けられると共に、線バネに掛止爪が掛止されることによりバーナの上端部から不用意に外れないように保持される。
特開2007−298248号公報
上記のように構成されたガスコンロでは、保護キャップが容易に外れないように取り付けられているから、調理の際の煮こぼれが保護キャップとバーナ上端部に侵入した場合等に清掃のため、保護キャップを取り外す必要が生じたとき、その取り外しが困難である。
また、清掃しないでそのまま使用すると、煮こぼれが滞積してバーナ上端部に電食反応が生じて脱亜鉛現象が起き、バーナ上端部の形状が保てなくなるおそれがある。
それでも、ユーザが保護キャップをバーナ上端部から外して清掃した後、再度取り付ける際には、元の正しい取り付け状態に戻せないおそれがある。その場合には、二次空気の流れが変化して燃焼不良となる可能性も考えられる。
本発明は、以上の事情に鑑み、保護キャップをバーナ上端部から容易に取り外して清掃できると共に、保護キャップを取り付ける際には確実に正しい取り付け状態に設定できるガスコンロを提供することを目的とする。
本発明のガスコンロは、上端部外周に多数の炎孔を有し、天板に開設された開口に臨んで天板の上方に突出するバーナと、前記天板上に載置される五徳とを備え、前記五徳は、前記バーナの上方を覆うように設けられた保護キャップと、前記天板上に載置されて前記バーナの上方に延出する複数の五徳爪と、調理容器を支持するように一体に形成され、前記五徳爪は、前記バーナの上方に延出した上爪部の先端部が前記保護キャップの縁部と結合し、該上爪部の下面が前記保護キャップの底面から外側に向けて下方に傾斜して形成され、前記保護キャップは、上面が前記上爪部の上端より低く且つ中央部から前記縁部に向けて下方に傾斜して形成され、該縁部にて上方に突出する外縁突出部と、該上爪部の先端部と該外縁突出部との間に形成された溝部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、五徳は、バーナの上方を覆うように設けられた保護キャップと、天板上に載置されてバーナの上方に延出する複数の五徳爪とを、調理容器を支持するように一体に形成してなるため、五徳をガスコンロから取り外すことで保護キャップをバーナ上端部から容易に取り外して清掃できると共に、保護キャップを取り付ける際には、五徳をガスコンロに取り付けるのみで確実に正しい取り付け状態に設定できる。
五徳爪の上爪部の下面は、保護キャップの底面から下側に向けて下方に傾斜して形成されているので、調理の際の煮こぼれの多くは保護キャップの縁部から落下するが、一部が五徳爪の上爪部の下面から五徳爪の下端部を伝わり流れるようになる
また、保護キャップの上面が前記上爪部の上端より低く且つ中央部から縁部に向けて下方に傾斜して形成されているので、調理の際の煮こぼれが保護キャップの上面において中央部から縁部に流れ、多くが保護キャップの縁部から落下するが、一部が保護キャップの縁部から五徳爪の上爪部の下面を通って五徳爪の下端部を伝わり流れるようになる
更に、保護キャップは、その縁部にて上方に突出する外縁突出部と、該上爪部の先端部と該外縁突出部との間に形成された溝部を有するので、調理の際の煮こぼれが保護キャップの上面において中央部から縁部に流れ、更に外縁突出部で堰き止められ溝部及び五徳爪の上爪部の下面を通って五徳爪の下端部を伝わり流れる。従って、煮こぼれがバーナ上端部に滞積するのを抑制することができる。
また、本発明において、前記保護キャップは、中央部に調理容器の底の温度を検出する温度検出手段が出没可能な穴を有することが好ましい。
この好ましい形態によれば、温度検出手段により調理容器の底の温度を検出することができると共に、調理の際の煮こぼれが保護キャップに形成されている穴から五徳爪の上爪部の下面を通って五徳爪の下端部を伝わり流れるので、バーナ上端部に滞積するのを抑制することができる。
また、本発明において、前記保護キャップは、前記温度検出手段が出没可能な穴の周縁に、上方に突出する内縁突出部が形成されていることが好ましい。
この好ましい形態によれば、温度検出手段により調理容器の底の温度を検出することができると共に、調理の際の煮こぼれが保護キャップの内縁突出部で堰き止められ五徳爪の上爪部の下面を通って五徳爪の下端部を伝わり流れるので、バーナ上端部に滞積するのを抑制することができる。
本発明のガスコンロの第1実施形態を示す斜視図である。 図1のII‐II線断面図である。 第1実施形態のガスコンロに用いられる五徳の変形例の斜視図である。 第2実施形態のガスコンロに用いられる五徳の斜視図である。 図4のV−V線断面図である。 第3実施形態のガスコンロに用いられる五徳の斜視図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明のガスコンロの第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1のII‐II線断面図である。
天板10は、セラミックガラス等のガラス製、又はアルミニウム等の金属製の平板で構成されている。天板10にはバーナ用開口12が開設されており、このバーナ用開口12に臨んでバーナ14が天板10の上方に突出している。
バーナ14は、天板10で覆われるコンロ本体内に配置される混合管16、混合管16の下流端部から上方に延びバーナ用開口12を通して天板10の上方に突出する内外2重筒構造のバーナボディ18、及びバーナボディ18上に載置される環状のバーナヘッド20から構成されている。
バーナヘッド20の下面外周部には多数の歯形が垂設されており、バーナ14の上端部外周にこれら歯形間の隙間で構成される多数の炎孔22が設けられている。
ここで、炎孔22に形成される火炎が後述の五徳爪24に触れると、燃焼不良を生ずるため、各五徳爪24に合致する周方向部分に設けられる炎孔22を開口面積の小さな小炎孔22aに形成し、火炎が五徳爪24に触れないようにしている。
尚、バーナボディ18の外周には、その外筒部の上端から垂下する筒状のスカート部18aが設けられている。
また、バーナ14には、スカート部18aの外側に位置させて、点火電極26、及び失火検知用の熱電対が付設されている。
天板10上には、バーナ用開口12を囲うようにして、バーナ14の上方を覆うように設けられ中央部に調理容器の底の温度を検出する鍋底温度センサ(温度検出手段)30が出没可能な穴28aが形成された保護キャップ28、及び天板10上に載置されバーナ14の上方に延出すると共に、バーナ14の上方に延出した上爪部24aの先端部が保護キャップ28の縁部と結合し、上爪部24aの下面が保護キャップ28の底面から径方向外側に向けて下方に傾斜して形成されている複数の五徳爪24が、調理容器を支持するように一体に形成された五徳32が載置されている。
保護キャップ28は、煮こぼれがバーナヘッド20を伝わって炎孔22に付着することを防止するものである。
また、天板10には、バーナ用開口12の周縁とバーナ14(スカート部18a)の外周面との間の隙間から煮こぼれがコンロ本体内に落下することを防止するため、この隙間を閉塞する環状のバーナリング(図示省略)が装着されている。
バーナリングは、その下面外周部に装着した環状パッキンを介して天板10上に着座しており、バーナリングの内周にバーナ14のスカート部18aが嵌合している。
また、バーナリングには、点火電極26用の挿通孔と熱電対用の挿通孔とが形成されており、点火電極28と熱電対とを各挿通孔に挿通することでバーナリングが回り止めされる。
鍋底温度センサ30は、上下方向に長手の支持パイプ34と、支持パイプ34の上端に設けられた感熱ヘッド36とで構成される。感熱ヘッド36にはサーミスタ等の温度検出素子が内蔵されている。そして、温度検出素子に接続されるリード線38が支持パイプ34を通してコンロ本体内のコントローラに接続される。また、感熱ヘッド36は支持パイプ34に対し感熱ヘッド36に内蔵するばねで上方に付勢される。
支持パイプ34の下端部は、コンロ本体内に設けられたブラケット40にこれに取付けるバンド部材42との間に挟み込むようにして固定されている。そして、支持パイプ34は、バーナヘッド20で囲われるバーナ内周空間を通して上方に延び支持パイプ34の上端の感熱ヘッド36が五徳32に載置する調理容器の底面に当接する。このようにして、鍋底温度センサ3により調理容器の温度が検出される。
五徳32は、向かい合う二対の五徳爪24のうち一方の対は、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bとを有する形状に形成されている。
また、もう一対は、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bに加えて、脚部24bの下端から径方向内方に所定の長さ延びる下爪部24cを有する形状に形成されている。
また、向かい合う二対の五徳爪24の上爪部24aの先端部24eは、環状板の保護キャップ28に溶接等で固着されている。
また、上記のように小炎孔22aを形成しても、五徳32を五徳爪24が小炎孔22aの形成部分に合致するように位置決めしないと、火炎が五徳爪24に触れて燃焼不良を生ずる。そこで、天板10の上面に周方向4箇所の突起44を突設すると共に、向かい合う二対の五徳爪24に突起44に対応する周方向4箇所の孔24dを形成し、各孔24dに各突起44を係合させることで、五徳爪24が小炎孔22aの形成部分に合致する正規位置に五徳32を位置決めできるようにしている。
本実施形態によれば、五徳32は、バーナ14の上方を覆うように設けられた保護キャップ28と、天板10上に載置されてバーナ14の上方に延出する複数の五徳爪24とを、調理容器を支持するように一体に形成してなるため、五徳32をガスコンロから取り外すことで保護キャップ28をバーナ14の上端部から容易に取り外して清掃できると共に、保護キャップ28を取り付ける際には、五徳32をガスコンロに取り付けるのみで確実に正しい取り付け状態に設定できる。
また、本実施形態によれば、保護キャップ28は、中央部に調理容器の底の温度を検出する鍋底温度センサ30が出没可能な穴28aが形成され、五徳爪24の上爪部24aの下面24a1が、保護キャップ28の底面から径方向外側に向けて下方に傾斜して形成されているため、鍋底温度センサ30により調理容器の底の温度を検出することができると共に、調理の際の煮こぼれが保護キャップ28の中央部に形成された穴28aから五徳爪24の上爪部24aの下面24a1を通って五徳爪24の下端部を伝わり流れるので、バーナヘッド20に滞積するのを抑制することができる。
また、本実施形態において、調理容器の底の温度を検出する鍋底温度センサ30を省略することができる。この場合、図3に示すように、五徳33は図1に示した穴28aがない形状に形成される。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のガスコンロに用いられる五徳の斜視図である。図5は、図4のV−V線断面図である。第2実施形態のガスコンロは、第1実施形態のガスコンロにおいて鍋底温度センサ30を省略すると共に、五徳50を次のように形成したものである。
五徳50は、向かい合う二対の五徳爪24のうち一方の対が、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bとを有する形状に形成されている。
また、もう一対が、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bに加えて、脚部24bの下端から径方向内方に所定の長さ延びる下爪部24cを有する形状に形成されている。
また、向かい合う二対の五徳爪24の上爪部24aの先端部24eは、円状板の保護キャップ52に溶接等で固着されている。
保護キャップ52は、上面52aが上爪部24aの上端より低く且つ中央部から縁部に向けて下方に傾斜して形成されている。
また、保護キャップ52は、その縁部にて上方に突出する外縁突出部54と、前記上爪部24aの先端部24eと外縁突出部54との間に形成された溝部56とを有する。
また、天板10の上面に周方向4箇所の突起44を突設すると共に、向かい合う二対の五徳爪24に突起44に対応する周方向4箇所の孔24dを形成し、各孔26dに各突起44を係合させることで、五徳爪24が小炎孔22aの形成部分に合致する正規位置に五徳32を位置決めできるようにしている。
本実施形態によれば、保護キャップ52は、上面52aが上爪部24aの上端より低く且つ中央部から縁部に向けて下方に傾斜して形成されているため、調理の際の煮こぼれが保護キャップ52の上面52aにおいて中央部から縁部に流れ、更に保護キャップ52の縁部から五徳爪24の上爪部24aの下面24a1を通って五徳爪24の下端部を伝わり流れるので、バーナ14の上端部に滞積するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、保護キャップ52は、その縁部にて上方に突出する外縁突出部54と、結合部24eと外縁突出部54との間に形成された溝部56とを有するため、調理の際の煮こぼれが保護キャップ52の上面52aにおいて中央部から縁部に流れ、更に外縁突出部54で堰き止められ溝部56及び五徳爪24の上爪部24aの下面24a1を通って五徳爪24の下端部を伝わり流れるので、バーナ14の上端部に滞積するのを抑制することができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態のガスコンロに用いられる五徳の斜視図である。第3実施形態のガスコンロは、五徳60を次のように形成したものである。
五徳60は、向かい合う二対の五徳爪24のうち一方の対が、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bとを有する形状に形成されている。
また、もう一対が、調理容器の載置部となる径方向内方に所定の長さ延びる上爪部24aと、上爪部24aの外端部から垂下する脚部24bに加えて、脚部24bの下端から径方向内方に所定の長さ延びる下爪部24cを有する形状に形成されている。
また、向かい合う二対の五徳爪24の上爪部24aの先端部24eは、環状板の保護キャップ62に溶接等で固着されている。
保護キャップ62は、中央部に調理容器の底の温度を検出する鍋底温度センサ30が出没可能な穴62aを有する。
また、保護キャップ62は、鍋底温度センサ30が出没可能な穴62aの周縁に、上方に突出する内縁突出部64が形成されている。
本実施形態によれば、保護キャップ62は、鍋底温度センサ30が出没可能な穴62aの周縁に、上方に突出する内縁突出部64が形成されているため、鍋底温度センサ30により調理容器の底の温度を検出することができると共に、調理の際の煮こぼれが保護キャップ62の内縁突出部64で堰き止められ五徳爪24の上爪部24aの下面24a1を通って五徳爪24の下端部を伝わり流れるので、バーナ14の上端部に滞積するのを抑制することができる。
10…天板、12…バーナ用開口、14…バーナ、16…混合管、18…バーナボディ、18a…スカート部、20…バーナヘッド、22…炎孔、22a…小炎孔、24…五徳爪、24a…上爪部、24a1…上爪部の下面、24b…脚部、24c…下爪部、24d…下爪部の孔、24e…先端部、26…点火電極、28…保護キャップ、28a…穴、30…鍋底温度センサ、32…五徳、33…五徳、34…支持パイプ、36…感熱ヘッド、38…リード線、40…ブラケット、42…バンド部材、44…天板上の突起、50…五徳、52…保護キャップ、52a…上面、54…外縁突出部、56…溝部、60…五徳、62…保護キャップ、62a…穴、64…内縁突出部。

Claims (3)

  1. 上端部外周に多数の炎孔を有し、天板に開設された開口に臨んで天板の上方に突出するバーナと、
    前記天板上に載置される五徳とを備え、
    前記五徳は、前記バーナの上方を覆うように設けられた保護キャップと、前記天板上に載置されて前記バーナの上方に延出する複数の五徳爪と、調理容器を支持するように一体に形成され、
    前記五徳爪は、前記バーナの上方に延出した上爪部の先端部が前記保護キャップの縁部と結合し、該上爪部の下面が前記保護キャップの底面から外側に向けて下方に傾斜して形成され、
    前記保護キャップは、上面が前記上爪部の上端より低く且つ中央部から前記縁部に向けて下方に傾斜して形成され、該縁部にて上方に突出する外縁突出部と、該上爪部の先端部と該外縁突出部との間に形成された溝部とを有することを特徴とするガスコンロ。
  2. 請求項1記載のガスコンロにおいて、
    前記保護キャップは、中央部に調理容器の底の温度を検出する温度検出手段が出没可能な穴を有することを特徴とするガスコンロ。
  3. 請求項2記載のガスコンロにおいて、
    前記保護キャップは、前記温度検出手段が出没可能な穴の周縁に、上方に突出する内縁突出部が形成されていることを特徴とするガスコンロ。
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