JP5312082B2 - ガラス手摺りおよびガラス手摺りの施工方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の技術においては、まず、ガラス面材が、床基礎材の上に取り付けられた固定部材によって固定されるとともに接着剤で接着されてから、このガラス面材の上端部に笠木が接着固定され、その後、この笠木が壁固定具を用いて壁面に固定されている。
そこで、予め笠木を壁面に固定してから、ガラス面材の上端部を笠木に取り付けるなどしてガラス手摺りの施工を行いたいという要望がある。しかし、例えば特許文献1に記載の技術のように笠木の溝とガラス面材の上端部とが嵌合するような構成であった場合、笠木を壁面に固定してから、この笠木の溝にガラス面材を挿入するのは困難であった。
前記笠木30(40,50,60)は、この笠木30(40,50,60)の長さ方向に延在するとともに下方に向かって開口し、前記ガラス面材20の上端部20aが挿入される溝部30a(40a,50a,60a)を備えており、
前記溝部30a(40a,50a,60a)は、前記笠木30(40,50,60)の中央部分に向かって垂直に設けられるとともに、前記ガラス面材20の上端部20aの一方の側面が当接する緩衝材31a(41a,51a,61a)が取り付けられた垂直面部31(41,51,61)と、
この垂直面部31(41,51,61)に対向するとともに、前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間に隙間をあけて設けられる対向面部32(42,52,62)とを有しており、
前記対向面部32(42,52,62)と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間には、前記溝部30a(40a,50a,60a)に挿入されたガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a(41a,51a,61a)側に押し付けるようにして固定するための固定材33(43,53,63)が挿入されており、
前記対向面部32(42,52,62)の上下方向の長さは、前記垂直面部31(41,51,61)の上下方向の長さよりも短いことを特徴とする。
さらに、前記対向面部32(42,52,62)と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に前記固定材33(43,53,63)が挿入されているので、前記溝部30a(40a,50a,60a)に挿入されたガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a(41a,51a,61a)側に押し付けるようにして容易かつ確実に固定することができる。
これによって、前記ガラス手摺り10を、建物内の床1の上に容易かつ確実に設置することが可能となる。
前記笠木30(40,50)は、この笠木30(40,50)の長さ方向に沿って中空状に形成されていることを特徴とする。
前記笠木30(40,50)の上部の内側面と、前記ガラス面材20の上端部20aとの間には隙間Sが形成されていることを特徴とする。
前記笠木40,50は、この笠木40,50の下面の中央に、この笠木40,50の長さ方向に沿って配置されるとともに、この笠木40,50の下面よりも該笠木40,50の中央側に向かって凹むようにして形成される凹部40b,50bを備えており、
この凹部40b,50bの中央に前記溝部40a,50aが設けられており、
この凹部40b,50bは、前記溝部40a,50aの開口縁部よりも下方に位置する前記緩衝材41a,51aおよび固定材43,53の下端部を収容する収容スペースとなっていることを特徴とする。
予め、前記床1の上面に、前記ガラス面材20の下端部20bが嵌め込まれる嵌め込み溝部4aを有する下枠4を、前記壁2と壁3との間にわたって取り付けておき、
続いて、前記壁2と壁3との間の所定の高さ位置に、前記笠木30(40,50,60)を、前記下枠4の上方に位置するようにして架け渡して固定し、
続いて、前記ガラス面材20の上端部20aを前記笠木30(40,50,60)の溝部30a(40a,50a,60a)に斜めに挿入してから、このガラス面材20の上端部20aを軸にしながら該ガラス面材20を垂直となるように回転させ、その後、このガラス面材20の上端部20aを前記溝部30a(40a,50a,60a)に挿入した状態で、このガラス面材20の下端部20bを前記下枠4の嵌め込み溝部4aに嵌め込み、
続いて、前記溝部30a(40a,50a,60a)の対向面部32(42,52,62)と前記ガラス20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に、前記固定材33(43,53,63)を挿入して、前記ガラス面材20の上端部20aを前記緩衝材31a(41a,51a,61a)側に押し付けるようにして固定し、
その後、前記下枠4および前記ガラス面材20の下端部20aを化粧材5で被覆することを特徴とする。
また、前記ガラス面材20の上端部20aを前記笠木30(40,50,60)の溝部30a(40a,50a,60a)に斜めに挿入してから、このガラス面材20の上端部20aを軸にしながら該ガラス面材20を垂直となるように回転させ、その後、このガラス面材20の上端部20aを前記溝部30a(40a,50a,60a)に挿入した状態で、このガラス面材20の下端部20bを前記下枠4の嵌め込み溝部4aに嵌め込むので、前記ガラス面材20を前記建物内の床1上に容易かつ確実に立設させることができる。
さらに、前記溝部30a(40a,50a,60a)の対向面部32(42,52,62)と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に、前記固定材33(43,53,63)を挿入して、前記ガラス面材20の上端部20aを前記緩衝材31a(41a,51a,61a)側に押し付けるようにして固定するので、前記溝部30a(40a,50a,60a)に挿入されたガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a(41a,51a,61a)側に押し付けるようにして、より容易かつ確実に固定することができる。
これによって、前記ガラス手摺り10を、建物内の床1の上に、より容易かつ確実に設置することが可能となる。
その上、前記ガラス面材20を固定した後に、前記下枠4および前記ガラス面材20の下端部20bを化粧材5で被覆するので、この化粧材5によって前記下枠4およびガラス面材20の下端部20bを遮蔽することができ、外観性に優れる。
さらに、対向面部とガラス面材の上端部の他方の側面との間の隙間に固定材が挿入されているので、溝部に挿入されたガラス面材の上端部を、緩衝材側に押し付けるようにして容易かつ確実に固定することができる。
これによって、ガラス手摺りを、建物内の床の上に容易かつ確実に設置することが可能となる。
図1は本発明に係るガラス手摺りの一例を示す斜視図である。
図1において符号10は、ガラス手摺りを示す。このガラス手摺り10は、建物内の床1に立設されるガラス面材20と、このガラス面材20の上端部20aに設けられるとともに、前記床1に所定の間隔をあけて配置された壁2と壁3との間に架け渡されて固定される笠木30とを有するものである。
そして、このガラス手摺り10は、前記床1に、下階6の部屋の上部空間に面して設置されたものである。なお、下階6の部屋の上部空間は吹き抜け部であってもよく、適宜変更可能である。
なお、図2に示すように、前記ガラス手摺り10の上方には、前記中間階7から利用できる収納棚7aが設けられている。
この下枠4は断面視略凹字型に形成されることによって前記嵌め込み溝部4aを有しており、この嵌め込み溝部4aは、前記下枠4の長さ方向に沿って、すなわち前記壁2と壁3との間にわたって形成されている。そして、この嵌め込み溝部4aの底面に、前記ガラス面材20の下端部20bが載せられるゴム等の弾性材4bが設けられており、この弾性材4bの上に、この弾性材4bに載せられたガラス面材20の下端部20bの一方の側面と、他方の側面に密接するパッキン材4cが設けられている。
この笠木30は、廃材から得られた木粉(セルロース系微粉粒)と樹脂との混合材料を押出成形してなる中空状のものであり、図3のような側面視において、平仮名の「の」の字に近い形状となるように形成されている。下面には、この笠木の長さ方向に延在するとともに下方に向かって開口し、前記ガラス面材20の上端部20aが挿入される溝部30aが形成されている。この溝部30aは、前記笠木30の中央部分に向かって垂直に設けられる垂直面部31と、この垂直面部31に対向する対向面部32とを有している。
また、この笠木30は、使用状態を示す図2および図4に示すように、前記溝部30aに前記ガラス面材20の上端部20aを挿入するようにしてガラス手摺り10を構成するものである。このガラス面材20の上端部20aは、前記垂直面部31に、前記ガラス面材20の上端部20aの一方の側面が当接する緩衝材31aを取り付け、前記対向面部32と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に、ガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a側に押し付けるようにして固定するための固定材33を挿入することで固定される。
この固定金具70は、前記壁2および壁3の表面に固定される固定板部71と、この固定板部71の一端部から、この固定板部71に対して直角に設けられるとともに、前記笠木30の側部の内側面に当接する当接板部72とからなる略L字型の部材である。
前記固定板部71および当接板部72には、それぞれ、止着材73を設けるための孔部71a,72aが形成されている。
その他の一例として、図6に示すような笠木40が挙げられる。
この笠木40は、この笠木40の長さ方向に沿って中空状に形成されており、前記ガラス面材20の上端部20aが挿入される溝部40aを備えている。また、この溝部40aは、緩衝材41aが取り付けられた垂直面部41と対向面部42とを有しており、この対向面部42と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間には固定材43が挿入される構成となっている。
また、この笠木40の上部の内側面と、前記ガラス面材20の上端部20aとの間には隙間Sが形成されるようになっている。
これにより、前記緩衝材41aおよび固定材43の下端部を前記凹部40b内に確実に収容することができるので、前記笠木40を正面(背面)または下方から見たときに、前記緩衝材41aおよび固定材43の下端部が、前記笠木40の下面からはみ出すことを確実に防ぎ、外観性の向上を図ることができる。
この笠木50は、この笠木50の長さ方向に沿って中空状に形成されるとともに、断面視略楕円状に形成されており、前記ガラス面材20の上端部20aが挿入される溝部50aを備えている。また、この溝部50aは、緩衝材51aが取り付けられた垂直面部51と対向面部52とを有しており、この対向面部52と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間には固定材53が挿入される構成となっている。
また、この笠木50の上部の内側面と、前記ガラス面材20の上端部20aとの間には隙間Sが形成されるようになっている。
さらに、この笠木50は、この笠木50の下面の中央に、この笠木50の長さ方向に沿って配置されるとともに、この笠木50の下面よりも該笠木50の中央側に向かって凹むようにして形成される凹部50bを備えており、前記笠木40の凹部40bと同じく、前記緩衝材51aおよび固定材53の下端部を収容し、これら緩衝材51aおよび固定材53の下端部が、前記笠木50の下面からはみ出すことを確実に防ぎ、外観性の向上を図ることができる。
この笠木60は、断面視略円形状に形成されており、前記ガラス面材20の上端部20aが挿入される溝部60aを備えている。また、この溝部60aは、緩衝材61aが取り付けられた垂直面部61と対向面部62とを有しており、この対向面部62と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間には固定材63が挿入される構成となっている。なお、前記対向面部62は、前記垂直面部61の上端部に一体的に設けられるとともに、円弧状に形成されたものである。
また、この笠木60の溝部60aの上面と、前記ガラス面材20の上端部20aとの間には隙間S2が形成されるようになっており、上部から圧力がかかっても、この隙間S2を利用して前記笠木60を撓むように変形させることができ、前記笠木60の破損を確実に防ぐことができる。
なお、この笠木60を前記壁2および壁3に固定する際の固定金具は、上述した固定金具70の形態に限られるものではなく、固定金具の当接板部が、前記対向面部62に合わせて湾曲したものでもよいし、適宜変更可能である。
まず、予め、前記床1の上面に、前記下枠4を、前記壁2と壁3との間にわたって取り付けておく。この下枠4は、図2に示すように、木ネジ等によって前記床1を構成する壁1aの上面に固定する。この下枠4の嵌め込み溝部4aには、予め底面に前記弾性材4bを設けておく。
この固定金具70を用いる際の手順は、まず、前記笠木30を固定すべき位置に、前記固定金具70の上面が水平な状態を維持しながら、前記固定板部71を前記壁2および壁3の表面にそれぞれ固定する。この時、壁2および壁3に固定された双方の固定金具70,70の、固定板部71,71同士と、当接板部72,72同士とがそれぞれ向き合うようにする。
続いて、図5(a),(b)に示すように、前記笠木30を、前記溝部30aに前記当接板部72が挿入されるようにして上方から下方に移動させた後、前記笠木30を、この笠木30の側部の内側面と、前記当接板部72とが当接するように水平移動させる。
その後、図5(c)に示すように、前記笠木30の側部と当接板部72とを止着材73によって止め着けて連結する。このようにして前記笠木30が前記壁2および壁3の表面に固定される。なお、前記笠木30の側部には、前記当接板部72の孔部72aと対応し、前記止着材73が設けられる孔部34が形成されているものとする。
この時、前記パッキン材4cを、前記ガラス面材20の下端部20bの一方の側面と他方の側面とに密接するようにして前記嵌め込み溝部4a内に設けるようにする。
さらに、前記対向面部32と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に前記固定材33が挿入されているので、前記溝部30aに挿入されたガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a側に押し付けるようにして容易かつ確実に固定することができる。
これによって、前記ガラス手摺り10を、建物内の床1の上に容易かつ確実に設置することが可能となる。
また、前記ガラス面材20の上端部20aを前記笠木30の溝部30aに斜めに挿入してから、このガラス面材20の上端部20aを軸にしながら該ガラス面材20を垂直となるように回転させ、その後、このガラス面材20の上端部20aを前記溝部30aに挿入した状態で、このガラス面材20の下端部20bを前記下枠4の嵌め込み溝部4aに嵌め込むので、前記ガラス面材20を前記建物内の床1上に容易かつ確実に立設させることができる。
さらに、前記溝部30aの対向面部32と前記ガラス面材20の上端部20aの他方の側面との間の隙間に、前記固定材33を挿入して、前記ガラス面材20の上端部20aを前記緩衝材31a側に押し付けるようにして固定するので、前記溝部30aに挿入されたガラス面材20の上端部20aを、前記緩衝材31a側に押し付けるようにして、より容易かつ確実に固定することができる。
これによって、前記ガラス手摺り10を、建物内の床1の上に、より容易かつ確実に設置することが可能となる。
その上、前記ガラス面材20を固定した後に、前記下枠4および前記ガラス面材20の下端部20bを化粧材5で被覆するので、この化粧材5によって前記下枠4およびガラス面材20の下端部20bを遮蔽することができ、外観性に優れる。
すなわち、上述のように吹き抜け部に面して設けられるものとしてもよいし、階段周囲の手摺りとして設けられるものとしてもよく、適宜変更可能である。
2 壁
3 壁
10 ガラス手摺り
20 ガラス面材
20a 上端部
30 笠木
30a 溝部
31 垂直面部
31a 緩衝材
32 対向面部
33 固定材
Claims (5)
- 建物内の床に立設されるガラス面材と、このガラス面材の上端部に設けられるとともに、前記床に所定の間隔をあけて配置された壁と壁との間に架け渡されて固定される笠木とを有するガラス手摺りにおいて、
前記笠木は、この笠木の長さ方向に延在するとともに下方に向かって開口し、前記ガラス面材の上端部が挿入される溝部を備えており、
前記溝部は、前記笠木の中央部分に向かって垂直に設けられるとともに、前記ガラス面材の上端部の一方の側面が当接する緩衝材が取り付けられた垂直面部と、
この垂直面部に対向するとともに、前記ガラス面材の上端部の他方の側面との間に隙間をあけて設けられる対向面部とを有しており、
前記対向面部と前記ガラス面材の上端部の他方の側面との間の隙間には、前記溝部に挿入されたガラス面材の上端部を、前記緩衝材側に押し付けるようにして固定するための固定材が挿入されており、
前記対向面部の上下方向の長さは、前記垂直面部の上下方向の長さよりも短いことを特徴とするガラス手摺り。 - 請求項1に記載のガラス手摺りにおいて、
前記笠木は、この笠木の長さ方向に沿って中空状に形成されていることを特徴とするガラス手摺り。 - 請求項2に記載のガラス手摺りにおいて、
前記笠木の上部の内側面と、前記ガラス面材の上端部との間には隙間が形成されていることを特徴とするガラス手摺り。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス手摺りにおいて、
前記笠木は、この笠木の下面の中央に、この笠木の長さ方向に沿って配置されるとともに、この笠木の下面よりも該笠木の中央側に向かって凹むようにして形成される凹部を備えており、
この凹部の中央に前記溝部が設けられており、
この凹部は、前記溝部の開口縁部よりも下方に位置する前記緩衝材および固定材の下端部を収容する収容スペースとなっていることを特徴とするガラス手摺り。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス手摺りを建物内の床に立設するガラス手摺りの施工方法であって、
予め、前記床の上面に、前記ガラス面材の下端部が嵌め込まれる嵌め込み溝部を有する下枠を、前記壁と壁との間にわたって取り付けておき、
続いて、前記壁と壁との間の所定の高さ位置に、前記笠木を、前記下枠の上方に位置するようにして架け渡して固定し、
続いて、前記ガラス面材の上端部を前記笠木の溝部に斜めに挿入してから、このガラス面材の上端部を軸にしながら該ガラス面材を垂直となるように回転させ、その後、このガラス面材の上端部を前記溝部に挿入した状態で、このガラス面材の下端部を前記下枠の嵌め込み溝部に嵌め込み、
続いて、前記溝部の対向面部と前記ガラスの上端部の他方の側面との間の隙間に、前記固定材を挿入して、前記ガラス面材の上端部を前記緩衝材側に押し付けるようにして固定し、
その後、前記下枠および前記ガラス面材の下端部を化粧材で被覆することを特徴とするガラス手摺りの施工方法。
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