図3には、この発明に係るSRAMの一実施例の全体ブロック図が示されている。同図において、各ブロックの配置は実際の半導体チップ上での幾何学的な配置に合わせて示されている。半導体チップは、同図において点線で示したように横中央部に縦長に設けられたアドレス入力回路領域と、縦中央部に横長に設けられた間接論理領域とにより全体として4つのエリアに分けられる。これらの4つのエリアには、特に制限されないが、それぞれが同じメモリセルアレイとアドレス/データバス論理領域を有する。1つのエリアは、同図の左右に2個ずつのアレイ(9M array) に分けられる。1つのアレイが約9Mビットのような記憶容量を持つので、チップ全体では8×9=72Mビットのような大きな記憶容量を持つようにされる。
図4には、図3の1つのアレイの詳細ブロック図が示されている。1つのアレイ(9M array) は、同図(図2でも同じ)の縦方向に1Mビットずつの9個のモジュール(1M module)に分けられる。各モジュール(1M module)は、2ビットずつのデータ入出力(I/O(0),I/O(1) 〜I/O(16),I/O(17))が割り当てられる。前記図3で4つに分けられた1つのエリアは、横中央部に縦長に設けられたアドレス/データバス論理領域を挟んで上記アレイ(9M array) が2個割り当てられる。アドレス/データバス論理領域は、上記それを挟む2つのアレイ(9M array) のうちいずれか一方のアレイ(9M array) を選択する。したがって、この実施例のSRAMは、各アレイからそれぞれ2×9ビットずつパラレルにデータの書き込み/読み出しを行うことができる。4つのアレイを同時に選択する動作モード、あるいはメモリ選択回路の設定を行うと、72ビットのデータ入出力が可能になる。もしも、4つのアレイのうち1つのアレイのみを選択する動作モード、あるいはメモリ選択回路の設定を行うと、18ビットのデータ入出力が可能になる。
図5には、図4の1つのモジール(1M module)を説明するためのメモリマット構成図が示されている。図5は、図3との関係では縦横が入れ代わっている。つまり、図4の1つのモジュールを90°回転させて示したのが図5のモジール(1M module)である。図5において、モジール(1M module)は、左右(図4では上下)に2つに分けられる。更に上下(図4では左右)にBLK0〜BLK7からなるメモリブロックに分けられる。例示的に示されているメモリブロックBLK0は、上記のように最小制御単位であるメモリマットMAT00とメモリマットMAT01の2つに分割されている。これにより、最小制御単位であるメモリマットは、1モジール(1M module)当たり、2×8=16個となる。1つのアレイでは、9個のモジュールを有するので16×9=144個のメモリマットが設けられる。そして、チップ全体では8個のアレイが設けられるので、144×8=1152個のメモリマットが設けられることになる。
上記メモリブロックBLK0に設けられる2つのメモリマットMAT00,MAT01と、それに隣接するメモリブロックBLK1に設けられる2つのメモリマットが1組とされて、その中央角部にタイミング制御回路が設けられる。メモリブロックBLK7に隣接して前記アドレス/データバス論理領域が設けられ、アドレスレジスタAREG、データレジスタDREG0,1が設けられる。アドレスレジスタAREGは、モジール中央部を延長される信号バスを通してアドレス信号が伝えられる。上記メモリブロックBLK1〜BLK7のメモリマット上を書き込み信号を伝えるライトデータバス(Write Data Bus) と、読み出し信号を伝えるリードデータバス(Read Data Bus) とが、これらのメモリマットを串刺しするように延長される。
1つのメモリマットMAT00等は、264本のワード線と260対の相補ビット線とで構成される。このうち、正規ワード線は256本とされ、正規相補ビット線は256対とされる。そして残りのワード線及び相補ビット線は、上記正規ワード線及び相補ビット線に発生した不良を救済するための冗長用とされる。この実施例では、上記メモリマットMAT0とMAT1のような各メモリマットにおいて、それぞれの1対の相補ビット線を利用して、書き込みダミービットと読み出しダミービットが形成される。
図6には、図4の1つのモジール(1M module)をより詳細に説明するためのメモリマット構成図が示されている。代表として例示的に示されているメモリマットMAT00とMAT01には、ワード線WLを選択するワード選択回路SWDが設けられる。これらのワード線選択回路SWDは、互いに隣接するように配置される。前記図5に示したように、メモリマットMAT00,MAT01間を延長するようにアドレス信号線等の信号バス9が設けられている。このように最小制御単位であるメモリマット近傍までX系とY系アドレス信号を並走して伝えるようにすることにより、X系アドレスとY系アドレスとのスキューを小さくすることができ、上記スキューによるメモリ選択遅延を小さくすることができる。
ワード線選択回路は、後述する制御回路を通した上記アドレス信号線からのアドレス信号を受けて解読して1つのワード線の選択信号を形成するデコード回路と、それを増幅してワード線WLを駆動するワード線駆動回路から構成される。上記メモリマットMAT00においては、上記アドレス選択回路に隣接して設けられる1対の相補ビット線分を利用して、書き込み(Write)ダミービットが設けられる。他方のメモリマットMAT01においては、上記アドレス選択回路に隣接して設けられる1対の相補ビット線分を利用して、読み出し(Read)ダミービットが設けられる。
上記メモリブロックBLK0のメモリマットMAT00,MAT01及び隣接するメモリブロックBLK1のメモリマットMAT10,MAT11の4個が1組とされる。これら4個のメモリマット00,01及び10,11の中央角部にタイミング制御回路CONTが設けられる。上記メモリマットMAT00とメモリマットMAT10との間には、メモリマットMAT00とMAT10のそれぞれに対応してカラム選択回路YSW、センスアンプSA、ライトアンプWAがそれぞれ配置される。これら2組のカラム選択回路YSW、センスアンプSA、ライトアンプWAの間には、データバス等及び上記カラム選択回路YSW、センスアンプSA、ライトアンプWAを選択する選択回路が配置され、縦方向に延長される前記ライトデータバス(Write Data Bus) と、読み出し信号を伝えるリードデータバス(Read Data Bus) に導かれる。
同図では、メモリマットMAT00等を後の説明との整合性を採るために回路記号1で示している。2は、前記アドレス選択回路を示している。3は、前記タイミング制御回路CONTを示している。4は、各メモリマットに対応して設けられるカラム選択回路YSW、センスアンプSA、ライトアンプWAを示している。5は、上記書き込みダミービットを示している。6は、上記読み出しダミービットを示している。7は、メモリセル(MC)を示している。8は、前記アドレス/データバス論理領域の前記レジスタ及びドライバを示している。9は、アドレス信号等の信号バスを示している。
この実施例では、1つのモジュール当たり、1個のメモリマットが選択されて前記アドレス/データバス論理領域の前記レジスタ等に導かれる。それ故、アドレス選択回路2を挟んで左右に設けられるメモリマットMAT00,MAT01等において、両方のメモリマットが同時に選択されることはない。これにより、上記のように書き込みダミービットを一方のメモリマットMAT00に割り付け、読み出しダミービットを他方のメモリマットMAT01に割り付けても問題ない。つまり、メモリマットMAT00が選択されたときには、メモリマットMAT00の書き込みダミービットと、選択されないメモリマットMAT01の読み出しダミービットとを用いることができる。逆に、メモリマットMAT01が選択されたときには、メモリマットMAT01の読み出しダミービットと、選択されないメモリマットMAT00の書き込みダミービットとを用いることができる。このような構成とすることにより、前記特許文献1のような構成に比べて大幅な回路の簡素化を図ることができる。
この実施例では、書き込みダミービット及び読み出しダミービットを前記のように隣接するマット間のアドレス選択回路に隣接して配置していること、及びタイミング制御回路も上記マット回路に設けていることにより、上記書き込みダミービット及び読み出しダミービットの動作制御を行うタイミング制御回路を共通に形成することでき、しかも接続配線が容易になるものである。
この実施例では、上記のように非選択メモリマットに設けられる書き込みダミービット又は読み出しダミービットを用いる構成とすることにより、特許文献1のようなダミーワード線は存在しない。読み出しダミービット6では、前記のような1対分の相補ビット線分のうち一方をダミービット線とすると、他方をダミーセル選択線として利用する。書き込みダミービットでは、前記のような1対分の相補ビット線分のうち一方をダミービット出力線とすると、他方をダミービット入力線として用いる。このようにダミーワード線を必要としないので、それに接続されるダミーセル等及び選択回路等も必要としない。これにより、前記特許文献1の構成に比べて大幅な回路簡素化が可能になる。特に、前記のように1152個ものメモリマットが設けられる構成では、本願発明のように上記ダミーワード線が不要であること、及び1つのメモリマットには1つの相補ビット線に相当する分しかダミー回路を必要としないことがメモリチップ全体でみると大きな回路規模の差となって現れる。
図7には、図6の2つのメモリマットと制御回路との関係を説明するブロック図が示されている。同図では、代表としてメモリマット1(MAT00とMAT01)及び制御回路3(CONT)が例示的に示されている。メモリマット1(MAT00)のワード線WLは、アドレス選択回路2により選択される。アドレス選択回路2(SWD+RDEC)は、制御回路3(CONT)を介してX系アドレス信号SXADDRが供給され、それをX系デコーダRDECで解読し、ワード線駆動回路でワード線WLの選択信号を形成する。メモリマット1(MAT00)の相補ビット線BT,BBは、前記回路4(YSW/SA/WA)に含まれるカラム選択回路YSWで選択される。カラム選択回路YSWは、カラムデコーダCDECで選択され、メモリマット1(MAT00)の相補ビット線BT,BBをライトアンプWAの出力端子又はセンスアンプSAの入力端子と接続させる。カラムデコーダCDECは、制御回路3(CONT)を介してY系アドレス信号SYADDRが供給され、それを解読して上記カラム選択回路YSWの選択信号を形成する。ライトアンプWAは、制御信号DICMRにより動作し、センスアンプSAは、制御信号RENMRにより動作する。データマルチプレクサDMAXは、上記センスアンプSAで増幅された読み出し信号を選択出力する。メモリマット1(MAT01)側にも上記同様な各回路が設けられる。
制御回路3(CONT)は、上記ワード線の選択に用いられるX系アドレス信号AXと相補ビット線の選択に用いられるY系アドレス信号AY、マット選択信号MAT、ブロック選択信号BLK、書き込み制御信号DIC、及び読み出し制御信号RENとを受けて、上記メモリマット1(MAT00、MAT01)等に対する前記のようなアドレス信号供給と、ライトアンプWA、センスアンプSAの制御信号及び書き込みダミービット5に対する入力信号WDMB及び読み出しダミービット6に対する選択信号TEを形成する。上記制御回路3(CONT)は、書き込み動作のときに、上記入力信号WDMBに対応した書き込みダミービット5からの出力信号WDMを受信すると、書き込み動作を終了させる。上記制御回路3(CONT)は、読み出し動作のときには、上記選択信号TEに対応した読み出しダミービット6からの出力信号RDMを受信すると、当該読み出し動作を終了させる。具体的な終了動作は、上記メモリマット1(MAT00、MAT01)の選択ワード線を非選択にし、相補ビット線のイコライズ動作を実施する。
図8には、前記メモリマットからの読み出し経路を説明するための回路図が示されている。同図では、代表としてワード線WL255が選択され、カラムスイッチにより相補ビット線BB0,BT0が選択された状態を示している。メモリセルは、図10(A)に示されているように、ビット線BB側の駆動MOSFETQD1がオン状態で、ビット線BT側の駆動MOSFETQD2がオフ状態となっている。したがって、Pチャネル型の負荷MOSFETQL1はオフ状態で、Pチャネル型の負荷MOSFETQL2はオン状態である。そして、ワード線WLの選択動作によりアドレス選択用MOSFETQT1,QT2がオン状態にされる。
図8において、図示しないプリチャージ回路によりプリチャージされた上記ビット線BB0は、上記ワード線WL255によりオン状態にされている前記図10(A)に示したアドレス選択MOSFETQT1及び上記オン状態の駆動MOSFETQD1を通してビット線BB0のプリチャージレベルを放電させる電流経路が形成される。ビット線BTは、それに対応した駆動MOSFETQD2がオフ状態にあるために上記ワード線WL255の選択レベルによりアドレス選択MOSFETQT2がオン状態となっていても、放電させる電流経路が形成されない。これにより相補ビット線BTは、プリチャージレベルのハイレベルを維持する。上記のように相補ビット線BB0がロウレベルに、BT0がハイレベルであるためにカラムスイッチを通したセンスアンプSAの入力端子にレベル差が生じて、センスアンプSAがそれを増幅する。
図9には、前記メモリマットからの書き込み経路を説明するための回路図が示されている。同図では、代表としてワード線WL255が選択され、カラムスイッチにより相補ビット線BB0,BT0が選択された状態を示している。メモリセルは、図10(B)に示されているように、ビット線BB側の駆動MOSFETQD1がオフ状態で、ビット線BT側の駆動MOSFETQD2がオン状態となっている。したがって、Pチャネル型の負荷MOSFETQL1はオン状態で、Pチャネル型の負荷MOSFETQL2はオフ状態である。そして、ワード線WLの選択動作によりアドレス選択用MOSFETQT1,QT2がオン状態にされている。図9には、このようなメモリセルの記憶状態を反転させるような書き込みが行われる例を示している。
ワード線WL255の選択レベルにより図10(B)に示したアドレス選択MOSFETQT1がオン状態になっている。図9においてカラム選択信号YS0によりカラムスイッチMOSFETQ5,Q6がオン状態になっている。ライトアンプWAのMOSFETQ1がオン状態となると、上記カラムスイッチのMOSFETQ5、ビット線BB及び上記メモリセルのアドレス選択MOSFETQT1を通して、共通接続されたMOSFETQD1、QL1のドレイン及び駆動MOSFETQD2のゲートからなる記憶ノードを放電させる電流経路を形成する。このとき、図10(B)のメモリセルのビット線BB側の駆動MOSFETQD1がオフ状態で、Pチャネル型の負荷MOSFETQL1がオン状態になっている。これにより、上記ライトアンプWAによる書き込み電流によって上記記憶ノードを放電させる電流に対して、それを阻止するような電流が上記Pチャネルの負荷MOSFETQL1から流れる。つまり、記憶状態を維持するような電流がPチャネル負荷MOSFETから流れる。
上記Pチャネル負荷MOSFETQL1から流れる電流は、上記ライトアンプWAのMOSFETQ1に流れる電流よりも小さいか、上記記憶ノードの電位をロウレベルに向けて放電させる。このような放電動作によって上記オン状態になっていた駆動MOSFETQD2のゲート電位を低下させ、負荷MOSFETQL2のゲート電圧をその分上昇させるというトリガとなる。これにより、オフ状態の駆動MOSFETQD1の電位が上昇し、上記記憶ノードの電位低下を助長するように作用し、それがまた上記駆動MOSFETQD2に流れる電流を減少させ、上記負荷MOSFETQL2からの電流によって上記駆動MOSFETQD1のゲート電圧を上昇させるという正帰還ループが作用する。これと同時に、ビット線BTからのアドレス選択MOSFETQT2を通した電流は、上記駆動MOSFETQD2の電流減少分が上記駆動MOSFETQD1のゲート電圧を上昇させるようにも作用する。このようにして、最終的には駆動MOSFETQD1がオン状態で負荷MOSFETQL1がオフ状態となり、駆動MOSFETQD2がオフ状態で負荷MOSFETQL2がオン状態となるように反転する。
図1には、この発明に係るダミービットと制御回路の一実施例の回路図が示されている。同図の各回路ブロックの回路記号は、前記図7のものと対応している。書き込みダミービット5は、前記図10に示したメモリセルを構成する各回路素子と同じ形態で形成された素子がそのまま用いられる。メモリマットMAT00の相補ビット線のうちの一方、例えば反転ビット線BBに対応した配線を用いて入力信号WDMBの入力線が構成される。上記相補ビット線の他方である非反転ビット線BTに対応した配線を用いて出力信号WDMの出力線が構成される。
図1の書き込みダミービットの入力線と出力線との間には、前記図10に示したメモリセルを構成するNチャネル型アドレス選択MOSFETQT1に対応したMOSFETのソース−ドレイン経路が接続される。このMOSFETQT1のゲートは、定常的に電源電圧に接続されてオン状態にされている。上記出力線と電源電圧とのには、前記メモリセルを構成するPチャネル負荷MOSFETQL1に対応したMOSFETが設けられる。つまり、メモリセルを構成する6個のMOSFETQD1,QD2,QL1,QL2及びQT1,QT2のうち、上記2つのMOSFETQT1とQL1に対等したものが選ばれて上記入力線及び出力線に接続される。しかも、本願において特徴的なことは、複数のメモリセル分に対応した複数の上記MOSFETが上記同様に接続される。つまり、上記入力線と出力線には、複数のメモリセル分に対応した上記MOSFETQT1,QL1に対応したものが並列形態に接続される。
読み出しダミービット6は、前記書き込みビッ5トと同様に前記図10に示したメモリセルを構成する各回路素子と同じ形態で形成された素子がそのまま用いられる。メモリマットMAT01の相補ビット線のうちの一方、例えば反転ビット線BBに対応した配線を用いて選択信号TEを伝える選択線が構成される。上記相補ビット線のうちの他方である非反転ビット線BTに対応した配線を用いて出力信号RDMの出力線が構成される。上記出力線と回路の接地電位の間には、前記図10のメモリセルを構成するNチャネル型駆動MOSFETQD1とアドレス選択MOSFETQT1に対応したMOSFETのソース−ドレイン経路が直列形態に接続される。上記アドレス選択MOSFETQT1に対応したMOSFETのゲートは、定常的に電源電圧に接続されてオン状態にされている。上記駆動MOSFETQD1に対応したMOSFETのゲートは、上記選択線TEに接続される。つまり、メモリセルを構成する6個のMOSFETQD1,QD2,QL1,QL2及びQT1,QT2のうち、上記2つのMOSFETQT1、QD1に対応したMOSFETが選ばれて上記選択線と出力線に接続される。しかも、本願において特徴的なことは、複数のメモリセル分に対応した複数の上記MOSFETが上記同様に接続される。つまり、上記選択線と出力線には、複数のメモリセル分に対応した上記MOSFETが並列形態に接続される。
通常のメモリセルは、データの記憶や読み出しや書き込みに用いられる複数のセルトランジスタを有する。複数のセルトランジスタは、トランジスタ間で接続されたり、電源線や接地線、ビット線、ワード線に接続されたりしている。読出し及び書込みのダミーセルは、データの書き込みができない。通常のメモリセルに用いられるセルトランジスタを有する。ダミーセルはセル内のトランジスタの接続関係は通常のメモリセルと異なる。また、ダミーセルが通常セルと形状が類似している。さらに、ダミーセルは通常セルと通常同じセルサイズになることが多い。ただし、セルの境界の定義等により変わることもあるため、必ずしも同じ大きさでなくてはならないものではない。セルトランジスタの接続関係が通常とダミーで異なるため、接続配線、接続部等の形状が異なることが多い。
制御回路CONT(3)には、上記書き込みビット5の入力線及び出力線をプリチャージするPチャネル型のプリチャージMOSFETQP1,QP2、上記読み出しビット6の出力線をプリチャージするPチャネル型のプリチャージMOSFETQP3がそれぞれ設けられる。上記読み出しダミービット6の選択線は、読み出し制御信号REN、ブロック選択信号BLKを受ける論理ゲート回路G2により読み出しモードと判定され、正規ワード線の選択遅延時間を考慮した遅延時間をインバータ回路列DL1で形成し、選択信号TE0を発生させる。この信号TE0は、ゲート回路G5を通して上記選択線TEに伝えられる。ゲート回路G5は、テスト信号TESTにも対応して上記選択信号TEを選択状態にする。上記出力線からの出力信号RDMの変化を2つのインバータ回路列からなる検知回路で検出し、検知信号RDM0を発生させる。この信号RDM0はゲート回路G6に伝えられ、読み出しワードリセット信号RPLSが形成される。この信号RPLSは、ゲート回路G9を通してワード線のリセット信号RWPLSとされる。この信号RWPLSは、ゲート回路G12、G13を制御してアドレス信号SXADD〔20:0〕、SYADD〔15:0〕の出力を停止させる。これにより、選択ワード線が非選択にされる。
上記書き込みダミービット5の入力線は、書き込み制御信号DIC、ブロック選択信号BLKを受ける論理ゲート回路G1により書き込みモードと判定され、正規ワード線の選択遅延時間を考慮した遅延時間をインバータ回路列DL1で形成し、書き込みパルスに対応したパルスRPLSを発生させ、ライトアンプWAのMOSFETを模したMOSFETN1を駆動して入力信号WDMBを発生させる。この実施例のSRAMは、後述するようにクロックの1サイクル中の前半に読み出し動作が行われ、後半に書き込み動作が行われる。それ故、書き込み動作の開始は、上記読み出し制御信号RENがロウレベルにされて、これに応じて信号TE0がハイレベルにされて、読み出しダミービット6を通してRDMがハイレベルにされて読み出し動作が終了したことをゲート回路G6,G7で判定する。
上記ゲート回路G7の出力信号のハイレベルにより、ライトアンプWAに対応したNチャネルMOSFETQN1がオン状態となり、入力線WDMBをロウレベルにする。この入力線WDMBのロウレベルが前記ダミービットのMOSFETを介して出力線WMDに伝えられる。つまり、前記図10(B)のようなメモリセルの書き込み動作と同様な電流経路により電流が流れて、上記記憶ノードに対応した出力線WDM0のレベル低下を2つのインバータ回路列からなる検知回路で検出し、検知信号WDM0を発生させる。この信号WDM0によりゲート回路G8は、書き込み用ワード線のリセット信号RWPLSを形成する。この信号RWPLSは、上記ゲート回路G9を通して信号RWPLSをロウレベルにする。この信号RWPLSは、前記同様にゲート回路G12、G13を制御してアドレス信号SXADD〔20:0〕、SYADD〔15:0〕の出力を停止させる。これにより、選択ワード線が非選択にされる。
ラッチ(Latch)回路FF1,FF2は、アドレス信号AX,AYを上記RPLSに対応して取り込む。すなわち、上記MAT,BLKによりメモリマットが選択されたことを検知し、アドレス信号AX,AYの取り込みが行われる。上記信号WPLSに対応してゲート回路G10によりライトアンプWAを活性化させる信号DICMR(図7参照)が形成される。上記信号RPLSに対応してゲート回路G11によりセンスアンプSAを活性化させる信号RENR(図7参照)が形成される。
図2には、図1のダミービットと制御回路の動作を説明するための波形図が示されている。この実施例では、クロックRCCがロウレベルとなる前半サイクルがリードモード(Read)とされ、上記クロックRCCがハイレベルとなる後半サイクルがライトモード(Write)とされる。上記クロックRCCに対応して読み出し信号RENがハイレベルにされる。これに対応して、信号PRLSがハイレベルにされ、選択されたメモリマットに対応してアドレス信号AX/AYが取り込まれてAXL/AYLが生成される。上記信号PRLSがハイレベルに対応して信号RWPLSがハイレベルにされて、前記取り込まれアドレス信号に対応してワード線WLが選択される。相補ビット線(BT,BB)に読み出し信号Bite Line が得られる。
上記ワード線WLの選択動作に対応したメモリマットの選択動作と並行して読み出しダミービット6に選択信号TE(図示せず)が伝えられ、出力線からは信号RDMが出力されて、RDM0がロウレベルになり、これに対応して信号PRLSがロウレベルにされる。これに対応してRWPLSがロウレベルとなり、上記読み出し動作のワード線WLをロウレベルにリセットする。これと同時に相補ビット線のイコライズ動作が実施される。
クロックRCCの後半サイクルでの書き込み信号DICのハイレベルであることと、上記信号PRLSのロウレベルへの変化から読み出し動作が終了したことを判定して、信号WPLSがハイレベルにされる。これに対応して書き込み用アドレス信号の取り込みが行われ、書き込みのワード線WLの選択が行われる。相補ビット線(BT,BB)に書き込み信号Bite Line が伝えられる。
上記ワード線WLの選択動作に対応したメモリマットの選択動作と並行して書き込みダミービット5の入力線に書き込み信号が伝えられ、図示しない書き込みの検知信号WDM0に対応して信号WRLSがロウレベルにされる。これに対応してRWPLSがロウレベルとなり、上記書き込み動作のワード線WLをロウレベルにリセットする。これと同時に相補ビット線のイコライズ動作が実施される。この相補ビット線のイコライズ終了と、次の読み出しサイクルまでの時間がサイクルマージンとされる。
この実施例のSRAMメモリでは、前記のように外部クロックRCCのロウレベルにメモリセルの読み出し、ハイレベルの期間にメモリセルの書き込み動作が行われる仕様を想定している。本実施例の特徴は、読み出しダミービットと書き込みダミービットを有すると同時に、読み出しパルスRPLSがクロックRCCのロウレベルよりも長い場合に、読み出しアドレス信号を伸張するためのラッチ回路FF1,FF2を内部に有する。また、読み出しダミービットから出力されたパルス信号RPLSを書き込みダミービットの入力とし、同一メモリアレイにおいて読み出し動作と書き込み動作が連続した場合、書き込みパルスWPLSは読み出しパルスRPLSの終了直後としている。本構成によれば、同一メモリアレイにおいてリード−ライトが連続した場合、外部クロックRCCのデューティにかかわらずリードパルスRPLS期間を延ばすことが可能となるために、サイクル時間の高速化を図ることが可能となる
この実施例のSRAMは、BLKアドレス信号により当該メモリアレイが選択され、且つ読み出し信号RENが選択されると読み出しダミービット選択信号TEがダミービットに入力される。ダミービットは、メモリセルと同じ形態で構成され、読み出し電流経路と同等の経路のものが用いられているで、メモリセルトランジスタの実力に応じたパルス幅をもった信号RDMが制御回路3に返される。制御回路3の論理回路部では、アドレス信号を読み出しダミービットにより返されたパルス幅RPLSに変換し、前記図7で説明されたロウデコーダRDEC、カラムデコーダCDECに入力する。RDEC及びCDECでは各アドレス信号をワード線選択信号およびカラム選択信号にデコードする。これにより、ワード線選択信号およびカラム選択信号は読み出しダミービットによって決定された、メモリセルトランジスタの実力に応じたパルス幅とすることができる。
前記説明したように、読み出しダミービットは、ダミービット選択信号TEがハイレベルに選択されるとダミービットのアクセスMOSFET(QT)およびドライバMOSFET(QD)に対応したMOSFETを通じて出力線RDMがロウレベルに引き抜かれる。上記信号TEがハイレベルなってから出力線RDMがロウレベルとなる遅延時間はアクセスMOSFET(QT)およびドライバMOSFET(QD)の実力に依存するため、正規ビットのメモリセルの読み出し時間の実力を反映させた検知信号RDM0を得ることができる。
BLKアドレス信号により当該メモリアレイが選択され、且つ書き込み信号DICが選択されると読み出しダミービット選択信号PRLSが書き込みダミービットに入力され、メモリセルトランジスタの実力に応じたパルス幅をもった信号WMDが制御回路3に返されて書き込みパルスWPLSが生成される。以下、読み出し動作と同様にワード線選択信号およびカラム選択信号は、書き込みダミービットによって決定された、メモリセルトランジスタの実力に応じたパルス幅WPLSとすることができる。
前記説明したように、書き込みダミービット選択信号WDMBをロウレベルにすると、書き込みダミービットのアクセスMOSFET(QT)を通じて出力線WDMをロウレベルに引き抜く。出力線WDMがロウレベルとなる遅延時間は、オン状態のロードMOSFET(QL)とアクセスMOSFET(QT)の比率によって決まることになり、正規ビットにおいてメモリセルの内部ノードが反転する時間の実力を反映している。
この実施例で、書き込みダミービットでは、複数のメモリセルに相当するアクセスMOSFETや、ロードMOSFETを用い、読み出しダミービットでは、複数のメモリセルに相当するアクセスMOSFET及びドライブMOSFETを用いている。このことは、実際の正規メモリセルの電流に対して上記複数倍の大きな電流を流すことを意味する。また、上記複数のメモリセル分の合成電流を形成することも意味している。
上記複数倍の大きな電流を用いて検知信号を形成するということは、上記検知信号から書き込みパルスWPLSや読み出しパルスRPLSが生成されて、それにより実際に正規メモリセルのワード線がリセットされるまでの時間遅延を補償させることができるという効果がある。つまり、メモリセルに先行して、それ実力に反映された検知信号を形成してメモリセルの読み出し又は書き込みが終了したとほぼ同じタイミングでワード線をリセットさせるようにするものである。つまり、書き込みダミービットや読み出しダミービットにメモリセルと同じものを用いて書き込みパルスWPLSや読み出しパルスRPLSを生成したのでは、それを用いて実際のワード線をリセットするまでの時間だけ過剰にワード線を選択状態にしてしまい、それが高速アクセスを阻害する要因になる。
上記複数のメモリセル分の合成電流を形成することは、複数のメモリセルの特性バラツキを吸収させるという効果がある。複数のメモリセルの中には1部に大きな電流を流すものや小さな電流しか流さないものが存在しても、上記のようにそれらを合成されせると平均的なメモリセルに対応した電流を形成することができる。つまり、メモリセルの平均的な実力に相当した書き込みパルスWPLSや読み出しパルスRPLSを生成することができる。このようなパルスWPLSや読み出しパルスRPLSにより、書き込みや読み出しが不能なものは不良品として排除する。特定のワード線やビット線に書き込みや読み出しが不能なセルが存在するなら、欠陥メモリセルとして冗長回路に置き換えられる。
特許文献1のように1つのダミー素子で、タイミングを代表させると、1つのダミー素子の特性バラツキがそのままタイミング調整を行うこととなる。したがって、ダミー素子の特性により極端に短いタイミング調整を行うと、メモリセルの特性に問題がなくとも大半がエラーとして判定されてしまう。逆に、ダミー素子の特性により極端に長いタイミング調整を行うこととなると、内部メモリ回路としては正常でも、外部から短い周期のクロックに同期して動作させるとエラーになってしまうという問題が生じる。本願発明では、このようなタイミング調整を行うダミー素子の特性バラツキに依存せず、安定して信頼性の高いメモリタイミング制御を行うことが可能となる。つまり、本願実施例のSRAMでは、設計通りの周期での書き込みや読み出しを行って、それで書き込みや読み出しに不良が発生すればメモリセルの特性不良とすることができる。
図11には、読み出しダミービットとそれが設けられるメモリマットの一実施例の回路図が示されている。この実施例では、出力線RDMに接続されるダミーセルの数が選択信号RDC0、RDC1、RDC2により選択可能にされる。この実施例では、上記選択信号RDC0、RDC1、RDC2によりダミーセルの数が可変にされることを例示的に示すものである。選択信号RDC0、RDC1、RDC2のうち1つのみが選択されてダミーセルが1つでもよいということを意味するものではない。読み出しダミービット6の形成エリアに設けられるダミーセルDMCのうち、上記読み出しパルスPRLSを形成するのに使用しないワード線255等に対応した素子は、出力線RDMの寄生容量がビット線BT等の寄生容量と同じになるように出力線RDMに接続されている。これの寄生容量を付加するために設けられたMOSFETは、定常的にオフ状態にされるようNチャネルMOSFETのゲートが回路の接地電位点に接続されている。更に、ワード線選択回路SWD側には、読み出しダミービット6を構成する素子が、正規メモリセルMCを構成する素子と同等のパターン依存性を持つようにするための形状ダミーPDが設けられる。
図12には、書き込みダミービットとそれが設けられるメモリマットの一実施例の回路図が示されている。この実施例では、出力線WDMに接続されるダミーセルの数が選択信号WDC0、WDC1、WDC2により選択可能にされる。この実施例では、上記選択信号WDC0、WDC1、WDC2によりダミーセルの数が可変にされることを例示的に示すものである。選択信号WDC0、WDC1、WDC2のうち1つのみが選択されてダミーセルが1つでもよいということを意味するものではない。書き込みダミービット5の形成エリアに設けられるダミーセルDMCのうち、上記書き込みパルスWRLSを形成するのに使用しないワード線WL255等に対応した素子は、出力線WDMの寄生容量がビット線BT等の寄生容量と同じになるように出力線WDMに接続されている。これの寄生容量を付加するために設けられたMOSFETは、定常的にオフ状態にされるようNチャネルMOSFETのゲートが回路の接地電位点に接続されている。更に、ワード線選択回路SWD側には、書き込みダミービット5を構成する素子が、正規メモリセルMCを構成する素子と同等のパターン依存性を持つようにするための形状ダミーPDが設けられる。
この実施例では、前記図1のMOSFETQN1は、MOSFETQN1’とQN1”の直列回路から構成される。MOSFETQN1’は、前記図9のライトアンプのMOSFETQ1に相当するものであり、MOSFETQN1”は、前記9のカラムスイッチMOSFETQ5に相当するものである。前記図1等では、それを1つのMOSFETQN1に置き換えたものである。したがって、図1等においても、この実施例のように2つのMOSFETQN1’とQN1”で構成してもよい。
図13には、メモリセルの素子レイアウト図が示されている。破線で囲まれた部分が拡散層である。2つのPチャネルMOSFET(PMOS)形成領域を挟んで2つのNチャネルMOSFET(NMOS)を形成する領域が配置される。前記駆動MOSFETQD1と負荷MOSFETQL1(QN2とQL2も同様)は、ゲート電極Gが共通化されている。上記駆動MOSFETQD1とアドレス選択MOSFETQT1(QD2とQT2も同様)は、拡散層ソース,ドレインS,Dが共通化されている。これらの共通化されたゲートGと拡散層は、第1層目配線M1により接続されて、メモリセルMCが形成される。アドレス選択MOSFETの他方のソース,ドレインは、上記配線層M1を介して図示しないビット線BBとBTに接続され、ゲートは上記M1を介して図示しないワード線WLに接続される。同図に示したCONは、拡散層と配線層M1とを接続するコンタクト部、ゲート電極層と配線層M1とを接続するコンタクト部を示している。コンタクト部は、上と下の層の配線等を隔てる層間絶縁膜に設けられた穴であり、穴の中に金属等の導電物質が埋め込まれており、上と下の層を接続する。
図14には、図11の回路図に対応した一実施例の素子レイアウト図が示されている。前記図13に示したようなメモリセルMCが同図の縦方向に並んで配置される。同図には、ワード線WL0〜WL2に対応したメモリマットが例示的に示されている。ダミーセルは、図13のようなメモリセルの拡散層及びゲート層を同じくし、第1層目配線M1のパターンを変更して、選択線TEに接続するノード、出力線RDMに接続するノードが形成される。この各ノードは、同図に横方向に延長される相補ビット線BB,BTを構成する配線層に接続されて、選択線TE及び出力線RDMが形成される。形状ダミーPDは、正規メモリセル側のパターンと対称的になるように拡散層、ゲート電極及び配線層M1が設けられる。
図15には、図12の回路図に対応した一実施例の素子レイアウト図が示されている。前記図13に示したようなメモリセルMCが同図の縦方向に並んで配置される。同図には、ワード線WL0〜WL2に対応したメモリマットが例示的に示されている。ダミーセルは、図13のようなメモリセルの拡散層及びゲート層を同じくし、第1層目配線M1のパターンを変更して、入力線WDMBに接続するノード、出力線WDMに接続するノードが形成される。この各ノードは、同図に横方向に延長される相補ビット線BB,BTを構成する配線層に接続されて、入力線WDMB及び出力線WDMが形成される。形状ダミーPDは、正規メモリセル側のパターンと対称的になるように拡散層、ゲート電極及び配線層M1が設けられる。
図16には、この発明に係る書き込みダミービットの他の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、18個のメモリセルに対応した前記MOSFETQTが入力線WDMBに接続される。そして、出力線WDMには、上記18個のメモリセルに対応した前記MOSFETQT及びQLが接続される。また、6個のメモリセルに対応した上記MOSFETQTが選択信号WDMC0により追加可能にされる。PチャネルMOSFETQLのゲートは、電源電圧VDDが印加されて定常的にオフ状態にされる。16個のメモリセルに対応した上記MOSFETQTが選択信号WDMC1により追加可能にされる。24個のメモリセルに対応した上記MOSFETQTが選択信号WDMC2により追加可能にされる。
上記選択信号WDMC2〜0をすべて選択にすると、最大で64個のメモリセルに対応したMOSFETQTを上記入力線WDMBと出力線WDMに接続することができる。つまり、選択信号WDMC2〜0の組み合わせにより、最小が18個、24個、34個、40個、42個、48個、58個、最大64個のいずれかを選択することができる。前記図5のようにワード線が264本ある場合には、相補ビット線に接続される残り200個のメモリセルに対応した素子は、それがオフ状態となるようにされて、上記入力線WDMBに接続される。これにより、上記入力線WDMBは、相補ビット線BBと同じ寄生容量を持つようにされる。
図17には、この発明に係る書き込みダミービットの更に他の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、18個のメモリセルに対応した前記MOSFETQTが入力線WDMBに接続される。このうち、8個のメモリセルに対応した負荷MOSFETQLのゲートに回路の接地電位VSSが供給されてオン状態にされる。他の構成は、前記図15と同様である。つまり、前記反転書き込み条件に近似せさるために上記PチャネルMOSFETQLが8個分オン状態にされる。実際のメモリセルでは、書き込み状態とともにPチャネルMOSFETQLがオン状態からオフ状態に切り換わるが、この実施例ではそれに近似させるためにオフ状態のMOSFETを10個とオン状態のMOSFETを8個のように振り分けて上記反転書き込み状態に近づけるものである。
前記図16及び図17の選択信号WDMC2〜0は、例えばヒューズの選択的な切断により形成される。メモリチップをウェハ上に形成した時点で動作タイミングを判定し、レーザー光線等によるヒューズの選択的な切断により、個々のチップに対応して最適なパルスWPLS、RPLSを選ぶようにする。ヒューズを電気的に切断できるようにするならは、SRAM出荷前に上記パルス幅を設定することができる。あるいは、電気的に書き込み可能なROMを設けておいて、電気的な書き込みにより上記選択信号WDMC2〜0を形成するようにしてもよい。このことは、読み出しダミービット6のダミーセルについても同様である。
図18は、SRAMのメモリセルの一般的な動作を説明するためのタイミング図が示されている。図18(A)は、リードサイクルが示されている。リードサイクルでのワードパルス幅T1はビット線がセンスアンプで正しく増幅できる振幅になる時間を確保する必要がある。ビット線の振幅は小さいためイコライズ時間T2は短くて良い。
図18(B)は、ライトサイクルが示されている。この例では、メモリセルの内部ノードが反転する時間は、ビット線が前記図18(A)に示したセンスアンプで正しく増幅できる振幅になる時間T1より一般的に短いので、T3<T1で良い。一方、ライトサイクルでは、ビット線はフル振幅となるため、ライトサイクルでのビット線イコライズ時間T4はリードサイクルでのビット線イコライズ時間T2より長い時間を必要とする。
同図の例では、T1+T2からなるリードサイクルに要する時間は、T3+T4からなるライトサイクルよりも長いので、メモリサイクルを読み出しダミービットで設定しても、ライトサイクルでは問題にならない。しかし、メモリセルの反転動作の時間が長く、しかも上記イコライズT4に長い時間がかかるケースでは、メモリサイクルを書き込み動作要する時間に設定する必要がある。この場合には、書き込みダミービットを用いてメモリサイクルを設定すればよい。また、上記のように書き込み時間が短くて良いということは、メモリセルでのデータ保持能力が小さいことを意味する。高信頼性化等のために、データ保持能力を大きくすると、言い換えると、前記図10の負荷MOSFETQL1、QL2からの電流を大きくして安定化を優先させたものでは、上記ライトサイクルがリードサイクルよりも長くなることが予測される。この場合には、書き込みダミーセルによって、メモリサイクルを決定されるようにしてもよい。
この実施例のようにクロックの1サイクル中にリードサイクルとライトサイクルとが連続して実施される仕様では、この実施例のように読み出しダミービットと書き込みダミービットの両方を設け、図18に示した特性を有するメモリセルにおいては、1サイクル中にリードサイクルに長い時間を割り当てることにより、リードサイクルとライトサイクルを合わせた1サイクルでの時間を短くすること、言い換えるとこのような仕様のメモリアクセスの高速化を図ることができる。
図19には、正規メモリセルの一実施例の説明図が示されている。図19(A)には、回路パターンが示され、図19(B)には、素子の相互接続が示されている。図19(A)のコンタクトC1〜C12は、図19(B)のコンタクトC1〜C12に対応している。図19(A)は、前記図13と同様であるので説明を省略する。図19(B)において、太線は、アルミニュウム等の第1層金属配線M1を示している。
図20には、読み出しダミーセルの一実施例の説明図が示されている。図20(A)には回路パターンが示されて、図20(B)には素子の相互接続が示されている。下地の拡散層及びゲート電極は、前記図19の正規メモリセルと同じであるが、配線M1による接続が以下の点で図19の正規メモリセルの接続と異なる。コンタクトC2とC3が配線M1で接続されてMOSFETQT1のドレインとソースが接続される。コンタクトC3とC5は接続されず、コンタクトC5とC6が接続されて、MOSFETQL1のドレインとソースが接続される。コンタクトC8とC10が接続されず、コンタクトC7、C8及びC9と接続されてMOSFETQL2のソース及びドレインを接地線VSSに接続させる。このときコンタクトC7は上層のVDDと接続させない。そして、コンタクトC10は設けない。これにより、前記説明したような1つの読み出しダミーセルを形成することができる。
図21には、書き込みダミーセルの一実施例の説明図が示されている。図21(A)には、回路パターンが示され、図21(B)には素子の相互接続が示されている。下地の拡散層及びゲート電極は、前記図19の正規メモリセルと同じであるが、配線M1による接続が以下の点で図19の正規メモリセルの接続と異なる。コンタクトC3とC4が配線M1で接続されてMOSFETQD1のソースとドレインが接続される。コンタクトC8とC10は接続されず、コンタクトC7,C8及びC9が接続されてMOSFETQL2のソース及びドレインを接地線VSSに接続させる。このとき、上記コンタクトC7を上層のVDDには接続させない。コンタクトC10とC11が配線M1により接続され、MOSFETQT2のソースとドレインとが接続される。これにより、前記説明したような1つの書き込みダミーセルを形成することができる。
図22には、この発明に係るSRAMの応用例の概念図が示されている。PCは、パーソナルコンピュータであり、支社Aにおいては部門A〜B毎にLANにより相互に接続される。また、支社Aの部門間のLANはルータにより相互により接続される。また、支社A〜Cは、ルータを介してインターネットにより相互に接続される。この実施例のSRAMは、上記ルータに搭載されており、パーソナルコンピュータPC同士のデータ転送を行う中継メモリとして使用される。
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、ダミーセルは通常セルと形状が類似していればよい。ダミーセルは通常セルと通常同じセルサイズになることが多いが、必ずしも全く同じ大きさでなくてはならないものではなく、製造上の誤差等は当然に許容される。そして、通常セルが複数のセルトランジスタを有し、ダミーセルも前記複数のセルトランジスタのいくつか(全部または一部)を含み、通常セルのトランジスタの接続関係と異なる接続関係である。メモリマットの構成は、種々の実施形態を採ることができる。制御回路3において、前記読み出しダミービット及び書き込みダミービットをアクセスし、その出力信号よりメモリセルの選択タイミング信号を形成する論理構成は、種々の実施形態を採ることができる。