JP5310744B2 - フィルムコンデンサ用フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムコンデンサ用高誘電性フィルムおよびフィルムコンデンサに関する。
近年、プラスチック絶縁体は、絶縁抵抗が高く、周波数特性に優れ、柔軟性にも優れるという特徴を有しているため、通信用、電子機器用、電力用、中・低圧進相用、インバータ用などのフィルムコンデンサや、圧電素子、焦電素子、転写体担持用誘電体などの膜材料として期待されている。
フィルムコンデンサは通常、誘電性樹脂フィルムの表面にアルミニウムまたは亜鉛を蒸着した構造のフィルム、またはアルミニウム箔と誘電性樹脂フィルムを積層したフィルムから構成されており、近年、金属蒸着により誘電性樹脂フィルム上に電極を形成したものも多用されている。
フィルムコンデンサ用の高誘電性フィルムは、通常、誘電性樹脂をフィルム形成樹脂とする単一層として形成されており、フィルム形成樹脂としては、一般的に誘電率の高いポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの非フッ素系熱可塑性樹脂やフッ化ビニリデン(VdF)などのフッ素系樹脂が検討されている。
しかし、最近の高エネルギー密度化への要求に対して有機化合物である樹脂だけでは限界があり、高誘電性の無機粒子を配合することも行われている(特許文献1〜4)。
特開2000−294447号公報 特開2002−356619号公報 特開2007−005531号公報 特開2008−034189号公報
これまでは高誘電性の無機粒子を樹脂に均一に分散させることによりフィルムの比誘電率や耐電圧の向上を追及してきているが、高誘電性無機粒子を高充填率で誘電性樹脂に配合するとフィルム自体の機械的強度、特に伸びが低下する。この機械的強度を担保するため、フィルムの厚さを厚くしているが、静電容量はフィルムの厚みに反比例するため、静電容量が小さくなるなどの問題がある。さらには高温での絶縁抵抗の低減が著しいという欠点をもつ。
一方、フィルムコンデンサの薄膜化への要請も高く、高誘電性無機粒子を高充填率で誘電性樹脂に配合した薄く機械的強度に優れたフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムの出現も強く望まれている。
本発明者らは、こうした機械的強度および高温での絶縁抵抗の向上への要望について鋭意検討を重ねたところ、ゴム粒子を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)とゴム粒子(B)とを含むフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムに関する。
配合するゴム粒子(B)は、平均1次粒子径が0.1〜2.0μmのものが好ましく、また、アクリルゴム、ブタジエンゴムおよびシリコーンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。またゴム粒子(B)は、ポリメタクリル酸メチル、およびアクリロニトリル/スチレン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種で表面が被覆されているゴム粒子であることが好ましく、また、架橋ゴム粒子であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(A)としては、フッ化ビニリデン(VdF)系樹脂が好ましい。
本発明のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムは、さらに高誘電性無機粒子(C)を含むことが好ましい。
高誘電性無機粒子(C)としては、
(C1)式(C1):
1 a1b1C1
(式中、M1は2族金属元素;Nは4族金属元素;a1は0.9〜1.1;b1は0.9〜1.1;c1は2.8〜3.2である;M1とNはそれぞれ複数であってもよい)で示される複合酸化物粒子、
(C2)式(C2):
2 a23 b2c2
(式中、M2とM3は異なり、M2は周期表の2族金属元素、M3は周期表の第5周期の金属元素;a2は0.9〜1.1;b2は0.9〜1.1;c2は2.8〜3.2である)
で示される複合酸化物粒子、および
(C3)周期表の2族金属元素および4族金属元素よりなる群から選ばれる少なくとも3種の金属元素を含む複合酸化物粒子
よりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
熱可塑性樹脂(A)とゴム粒子(B)の組合せとしては、たとえば熱可塑性樹脂(A)がVdF系樹脂であり、ゴム粒子(B)のゴムがアクリルゴムである組合せ、熱可塑性樹脂(A)がVdF系樹脂であり、ゴム粒子(B)のゴムがブタジエンゴムである組合せ、熱可塑性樹脂(A)がVdF系樹脂であり、ゴム粒子(B)のゴムがシリコーンゴムである組合せ、また、熱可塑性樹脂(A)がVdF系樹脂であり、ゴム粒子(B)がポリメタクリル酸メチルおよびアクリロニトリル/スチレン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種で表面が被覆されているゴム粒子である組合せが好ましい。
また、本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、ゴム粒子(B)を1〜30質量部含むことが好ましく、高誘電性無機粒子(C)は10〜300質量部含まれていることが好ましい。
高誘電性無機粒子(C)は、その一部または全部が、比誘電率(20℃、1kHz)が100以上の高誘電性無機粒子(c1)の表面を比誘電率(20℃、1kHz)が10以下の低誘電性化合物(c2)で表面処理して得られる表面処理高誘電性無機粒子であってもよい。
本発明はまた、本発明のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムの少なくとも片面に絶縁性樹脂層が設けられてなる積層型のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムにも関する。
本発明はさらに、本発明のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムの少なくとも片面に電極層が設けられてなるフィルムコンデンサにも関する。
本発明によれば、高誘電性無機粒子を高充填率で誘電性樹脂に配合した薄く機械的強度に優れたフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムを提供することができる。
本発明のフィルムコンデンサ用フィルムは、熱可塑性樹脂(A)中にゴム粒子(B)、さらに好ましくは高誘電性無機粒子(C)が分散している。本発明のフィルムは、これらの熱可塑性樹脂(A)とゴム粒子(B)と、さらに好ましくは高誘電性無機粒子(C)とを含むフィルム形成組成物を用いることで製造できる。
以下、各成分について説明する。
(A)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂(A)は、フッ素系熱可塑性樹脂(a1)であっても、非フッ素系熱可塑性樹脂(a2)であってもよい。
(a1)含フッ素系熱可塑性樹脂
含フッ素系熱可塑性樹脂(a1)としては、フッ化ビニリデン(VdF)系樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などが例示できるが、比誘電率が高い点から、VdF系樹脂が好ましい。
VdF系樹脂としては、VdFの単独重合体(PVdF)のほか、VdFと共重合可能な他の単量体の1種または2種以上との共重合体が例示でき、これらのうち、比誘電率が4以上、さらには6以上、なかでも7以上、特に8以上のものが、耐電圧、絶縁性、誘電率の向上、さらにはフィルムとしたときの比誘電率が高い点から好ましい。
VdF系樹脂としては、フッ化ビニリデン(VdF)の単独重合体(PVdF)でも、VdFと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。また、VdFの単独重合体とVdF共重合体とのブレンド、またはVdF共重合体同士のブレンドであってもよい。
VdFと共重合可能な他の単量体としては、たとえば、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)、モノフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などの含フッ素オレフィン類;含フッ素アクリレート、官能基含有含フッ素単量体などがあげられる。これらのうち、溶剤溶解性が良好な点から、TFE、CTFE、HFPが好ましい。共重合割合は、VdFが50モル%以上、好ましくは60モル%以上であることが、比誘電率が高い点、溶剤溶解性が高い点から好ましい。
なかでも、VdF単位60〜100モル%、TFE単位0〜40モル%およびHFP0〜40モル%を含む重合体であることが、比誘電率が8以上であり好ましい。
具体的には、VdFの単独重合体(PVdF)、VdF/TFE系共重合体、VdF/TFE/HFP系共重合体、VdF/HFP系共重合体、VdF/CTFE系共重合体などが例示でき、特に比誘電率が高い点、溶剤溶解性が良好な点から、PVdF、VdF/TFE系共重合体、VdF/HFP系共重合体が好ましい。
VdF/TFE系共重合体の場合、その組成比は、VdF単位が60〜95モル%でTFE単位が5〜40モル%であることが、特にVdF単位が70〜90モル%でTFE単位が10〜30モル%であることが、耐電圧が高くなる点から好ましい。また、VdF系樹脂自体の誘電損失を下げるために、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、CH2=CHCF3、CH2=CFCF3などと共重合することも好ましい。この場合、VdFとは直接反応しにくいので、TFEのような上記の共重合可能な他の単量体とともに共重合することもできる。また、VdF系樹脂自体の比誘電率(20℃、1kHz)は比誘電率が4以上、さらには6以上、なかでも7以上、特に8以上のものがフィルムの誘電率をさらに高める点から好ましい。なお、上限値はとくに制限はないが、通常12、好ましくは10である。
(a2)非フッ素系熱可塑性樹脂
非フッ素系の熱可塑性樹脂(a2)としては、誘電率の向上と誘電損失の低減に有効である点からは、セルロース系樹脂が好ましく例示できる。
セルロース系樹脂としては、たとえばモノ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、酢酸セルロースプロピオネートなどのエステル置換セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのエーテルで置換されたセルロースなどが例示できる。これらの中でも、誘電損失の温度係数が低い点から、(モノ、ジ、トリ)酢酸セルロース、メチルセルロースが好ましい。
そのほか、たとえば可撓性、加工性が良好な点からポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ(スチレン−メタアクリレート)共重合体などのポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィンなどのポリオレフィン樹脂が好ましい。さらに強度を高めるためにはポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのアクリル樹脂が好ましい。さらに、耐熱性が良好な点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルスルホン(PES)などがあげられる。そのほか絶縁性を高めるためにはポリカーボネート(PC)、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、また高誘電性を補足する点から奇数ポリアミド、シアノプルラン、銅フタロシアニン系ポリマーなどがあげられる。
これらのなかでも、溶剤への溶解性に優れている点からセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種、特にセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂およびアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
また、非フッ素系熱可塑性樹脂(a2)は、VdF系樹脂(a1)とブレンドして用いてもよく、その場合それぞれの特性を有効に発揮できる。
ブレンドする場合、VdF系樹脂(a1)と親和性が高い点から、セルロース系樹脂、ポリエステルおよびポリメタクリル酸メチルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
セルロース系樹脂をブレンドする場合、VdF系樹脂(a1)とセルロース系樹脂の合計質量に占めるセルロース系樹脂の割合は、誘電率が高く、誘電損失が低い点から99.9質量%以下、さらに機械特性が良好な点から80質量%以下が好ましい。また、誘電損失が低く機械特性が良好で誘電率が高い点から0.1質量%以上、さらに誘電損失の温度依存性が低い点から2質量%以上が好ましい。
他の非フッ素系熱可塑性樹脂(a2)は、VdF系樹脂(a1)の特徴である高い誘電率を損なわない範囲で混合できるが、(a1)/(a2)の比率(質量比)を30/70〜100/0、好ましくは70/30〜100/0とすることが好ましい。
(B)ゴム粒子
本発明において、ゴム粒子(B)はフィルムに機械的強度、特に伸びを与え、さらにゴム弾性などの性質を付与する役割をもっている。
そうした役割を果たすのに好適なゴム粒子のゴムとしては、限定的ではないが、アクリルゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、シリコンアクリル複合ゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのジエン系ゴム;VdF−テトラフルオロエチレン(TFE)系ゴムなどのフッ素系ゴムなどが例示できる。
これらのうち比誘電率が高く、分散性が良好な点から、アクリルゴム、ブタジエンゴムおよびシリコーンゴムが好ましい。
また、これらのゴム粒子の表面をポリメタクリル酸メチル、およびアクリロニトリル/スチレン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種で被覆した、いわゆるコア−シェルゴム粒子であってもよい。このコア−シェルゴム粒子を用いるときは、フッ化ビニリデン系樹脂との相溶性の点で優れている。
また、ゴム粒子は未架橋ゴム(生ゴム)粒子でもよいし、架橋されたゴム粒子でもよいが、耐溶剤性が良好な点から、架橋ゴム粒子が好ましい。ゴムの架橋は公知の定法に従って行えばよい。
ゴム粒子(B)の粒子径は、平均一次粒子径で0.1〜2.0μm、さらには0.15〜1.5μm、特に0.2〜1.0μm程度であることが、樹脂への分散性とフィルムの強度向上を両立させることができる点から好ましい。
ゴム粒子(B)の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。少なすぎるとフィルムの機械的強度、特に伸びの向上効果が小さくなる傾向にある。上限は30質量部である。多くなりすぎると樹脂への分散性が不良となる傾向にある。好ましい上限は20質量部である。
(C)高誘電性無機粒子
高誘電性無機粒子(C)は、熱可塑性樹脂(A)を含むフィルムに、より一層高い誘電率を付与することができる。
高誘電性無機粒子(C)としては、高誘電性の無機粒子であれば特に制限されないが、つぎの(C1)〜(C3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(C1)式(C1):
1 a1b1C1
(式中、M1は2族金属元素;Nは4族金属元素;a1は0.9〜1.1;b1は0.9〜1.1;c1は2.8〜3.2である;M1とNはそれぞれ複数であってもよい)で示される複合酸化物粒子。
2族金属元素M1としては、Be、Mg、Ca、Sr、Baなどが、4族金属元素NとしてはTi、Zrなどが好ましく例示できる。
具体的には、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、ジルコン酸ストロンチウムなどが例示でき、特にチタン酸バリウムが比誘電率が高い点から好ましい。
(C2)式(C2):
2 a23 b2c2
(式中、M2とM3は異なり、M2は周期表の2族金属元素、M3は周期表の第5周期の金属元素;a2は0.9〜1.1;b2は0.9〜1.1;c2は2.8〜3.2である)で示される複合酸化物粒子。
複合酸化物(C2)としては、具体的には、スズ酸マグネシウム、スズ酸カルシウム、スズ酸ストロンチウム、スズ酸バリウム、アンチモン酸マグネシウム、アンチモン酸カルシウム、アンチモン酸ストロンチウム、アンチモン酸バリウム、ジルコン酸マグネシウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウム、インジウム酸マグネシウム、インジウム酸カルシウム、インジウム酸ストロンチウム、インジウム酸バリウムなどがあげられる。
(C3)周期表の2族金属元素および4族金属元素よりなる群から選ばれる少なくとも3種の金属元素を含む複合酸化物粒子。
複合酸化物(C3)において、周期表の2族金属元素の具体例としては、たとえばBe、Mg、Ca、Sr、Baなどがあげられ、周期表の4族金属元素の具体例としては、たとえば、Ti、Zr、Hfなどがあげられる。
周期表の2族金属元素と4族金属元素から選ばれる3種以上の好ましい組合せとしては、たとえば、Sr、Ba、Tiの組合せ、Sr、Ti、Zrの組合せ、Sr、Ba、Zrの組合せ、Ba、Ti、Zrの組合せ、Sr、Ba、Ti、Zrの組合せ、Mg、Ti、Zrの組合せ、Ca、Ti、Zrの組合せ、Ca、Ba、Tiの組合せ、Ca、Ba、Zrの組合せ、Ca、Ba、Ti、Zrの組合せ、Ca、Sr、Zrの組合せ、Ca、Sr、Ti、Zrの組合せ、Mg、Sr、Zrの組合せ、Mg、Sr、Ti、Zrの組合せ、Mg、Ba、Ti、Zrの組合せ、Mg、Ba、Zrの組合せなどがあげられる。
複合酸化物(C3)としては、具体的には、チタン酸ジルコン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウムなどがあげられる。
なお、これらの複合酸化物粒子に加えて、チタン酸ジルコン酸鉛、アンチモン酸鉛、チタン酸亜鉛、チタン酸鉛、酸化チタンなどの他の複合酸化物粒子を併用してもよい。
高誘電性無機粒子(C)の粒子径は、平均粒子径で2μm以下、さらには1.2μm以下、特に0.01〜0.5μm程度であることが、フィルムの表面平滑性や均一分散性に優れる点から好ましい。
また、高誘電性無機粒子(C)は、その一部または全部が、比誘電率(20℃、1kHz)が100以上の高誘電性無機粒子(c1)の表面を比誘電率(20℃、1kHz)が10以下の低誘電性化合物(c2)で表面処理して得られる表面処理高誘電性無機粒子であってもよい。
高誘電性無機粒子(c1)としては、比誘電率(20℃、1kHz)が100以上の高誘電性の無機粒子であれば特に制限されない。好ましい比誘電率(20℃、1kHz)は500以上、さらには1000以上である。高誘電性無機粒子(c1)の比誘電率に上限は特にないが、現状では3000程度である。
高誘電性無機粒子(c1)としては、具体的には前記(C1)〜(C3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
高誘電性無機粒子(c1)の粒子径は、平均粒子径で2μm以下、さらには1.2μm以下、特に0.01〜0.5μm程度であることが、フィルムの表面平滑性や均一分散性に優れる点から好ましい。
低誘電性化合物(c2)は、樹脂との相溶性、密着性を高め、絶縁性を向上させる役割を有しており、比誘電率(20℃、1kHz)が10以下の低誘電性の化合物であれば特に制限されず、無機化合物でも、有機化合物でもよい。好ましい比誘電率(20℃、1kHz)としては誘電正接が低く良好な点から5以下、さらには4以下である。高温での誘電特性が良好な点から、さらには3以下が好ましい。低誘電性化合物(c2)の比誘電率の下限は特にないが、通常2程度である。
また、高誘電性無機粒子(c1)と低誘電性化合物(c2)の比誘電率の差は、90以上、また100以上、さらには200以上、特に300以上であることが、高誘電性かつ低誘電正接を実現できる点から好ましい。
さらには、熱可塑性樹脂(A)の比誘電率(20℃、1kHz)と低誘電性化合物の比誘電率(20℃、1kHz)との差は、10以下、さらには5以下、特に3以下であることが、熱可塑性樹脂への高誘電性無機粒子の分散性が良好な点から好ましい。
低誘電性化合物(c2)の具体例としては、有機化合物、特につぎの(c2a)〜(c2e)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物が高誘電性かつ誘電正接が低い点から好ましい。
(c2a)有機チタン化合物
有機チタン化合物としては、たとえば、アルコキシチタニウム、チタニウムキレート、チタニウムアシレートなどのカップリング剤があげられ、とくに高誘電性無機粒子(c1)との親和性が良好な点から、アルコキシチタニウム、チタニウムキレートが好ましい。
具体例としては、テトライソプロピルチタネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシチタンジイソステアレート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエチルーアミノエチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネートなどがあげられる。とくに高誘電性無機粒子(c1)との親和性が良好な点からテトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネートが好ましい。
(c2b)有機シラン化合物
有機シラン化合物としては、たとえば、高分子型、低分子型があり、また官能基の数の点からモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランなどのカップリング剤があげられ、とくに高誘電性無機粒子(c1)との親和性が良好な点から低分子型のアルコキシシランが好ましい。
また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクロキシシラン、メルカプトシランなども好適に使用できる。
(c2c)有機ジルコニウム化合物
有機ジルコニウム化合物としては、たとえば、アルコキシジルコニウム、ジルコニウムキレートなどのカップリング剤があげられる。
(c2d)有機アルミニウム化合物
有機アルミニウム化合物としては、たとえば、アルコキシアルミニウム、アルミニウムキレートなどのカップリング剤があげられる。
(c2e)有機リン化合物
有機リン化合物としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸キレートなどがあげられる。
これらのなかでも、高誘電性無機粒子(c1)との親和性が良好な点から、アルコキシチタニウム、チタニウムキレートおよびアルコキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
高誘電性無機粒子(c1)の低誘電性化合物(c2)による表面処理方法としては、たとえばつぎの方法が例示できるが、これらに限定されるものではない。
(表面処理方法1)湿式処理法
高誘電性無機粒子(c1)に水溶性有機溶剤を加え、高速撹拌機やホモジナイザーで撹拌しスラリーを調製する。この高誘電性無機粒子(c1)のスラリーに低誘電性化合物(c2)を必要に応じて水で希釈して添加し、高速撹拌機やホモジナイザーで撹拌する。ついでこのスラリーをそのまま、または加熱しながら撹拌する。得られた分散液をろ過し乾燥処理を行い、表面処理を施した高誘電性無機粒子(C)を製造する。乾燥後、凝集している場合は、ボールミル、ビーズミルなどで粉砕処理を行なえばよい。
(表面処理方法2)乾式処理法
高誘電性無機粒子(c1)を乾式ミキサーや乾式ビーズミル、ヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いて撹拌しながら、必要により溶剤で希釈した低誘電性化合物(c2)を仕込み、撹拌を続けた後乾燥処理することにより表面処理を施した高誘電性無機粒子(C)を製造する。乾燥後、凝集している場合は、ボールミル、ビーズミルなどで粉砕処理を行なえばよい。
低誘電性化合物(c2)の量は、高誘電性無機粒子(c1)100質量部に対して0.1〜20質量部、さらには0.5〜10質量部、特に1〜5質量部が好ましい。多くなりすぎると、過剰分の低誘電性化合物(c2)が電気特性などに悪影響を与える場合があり、少なくなりすぎると、表面処理が施されていない高誘電性無機粒子(c1)が残存する可能性が高くなる。
表面処理された高誘電性無機粒子(C)は、高誘電性無機粒子(c1)の表面の全部または一部が低誘電性化合物(c2)で覆われている。
高誘電性無機粒子(C)の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは30質量部以上、特に好ましくは50質量部以上、さらには100質量部以上である。少なすぎるとフィルムの誘電率の向上効果が小さくなる。上限は300質量部である。多くなりすぎるとフィルムとしての強度の点、表面荒れの点で問題が生じる。好ましい上限は200質量部である。
(D)他の成分
高誘電性無機粒子(C)と熱可塑性樹脂(A)との親和性を高めるために、親和性向上剤を配合してもよい。親和性向上剤は、高誘電性無機粒子(C)を熱可塑性樹脂(A)に均一に分散させると共に、高誘電性無機粒子(C)と熱可塑性樹脂(A)をフィルム中でしっかり結合させる役割を果たし、ボイドの発生を抑制し、誘電率を高めることができる。
親和性向上剤としては、カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物が有効である。
カップリング剤としては、たとえば、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤などが例示できる。
チタン系カップリング剤としては、たとえば、モノアルコキシ型、キレート型、コーディネート型などがあげられ、とくに高誘電性無機粒子(C)との親和性が良好な点から、モノアルコキシ型、キレート型が好ましい。
シラン系カップリング剤としては、たとえば、高分子型、低分子型があり、また官能基の数の点からモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ダイポーダルアルコキシシランなどがあげられ、とくに高誘電性無機粒子(C)との親和性が良好な点から低分子型のアルコキシシランが好ましい。
ジルコニウム系カップリング剤としては、たとえば、モノアルコキシジルコニウム、トリアルコキシジルコニウムなどがあげられる。
ジルコアルミネート系カップリング剤としては、たとえば、モノアルコキシジルコアルミネート、トリアルコキシジルコアルミネートなどがあげられる。
界面活性剤としては、高分子型、低分子型があり、官能基の種類の点から非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤があり、これらが使用でき、熱安定性が良好な点から、高分子型の界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、アルコール誘導体などがあげられ、とくに、高誘電性無機粒子(C)との親和性が良好な点から、ポリエーテル誘導体が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、たとえば、スルホン酸やカルボン酸、およびそれらの塩を含有するポリマーなどがあげられ、とくに、熱可塑性樹脂(A)との親和性が良好な点から、具体的にはアクリル酸誘導体系ポリマー、メタクリル酸誘導体系ポリマー、無水マレイン酸系共重合体が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、たとえば、アミン系化合物やイミダゾリンなどの含チッ素系複合環を有する化合物やそのハロゲン化塩があげられるが、熱可塑性樹脂(A)への攻撃性が低い点から、含チッ素系複合環を有する化合物が好ましい。塩型としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのハロゲンアニオンを含むアンモニウム塩があげられる。誘電率が高い点からハロゲンアニオンを含むアンモニウム塩が好ましい。
エポキシ基含有化合物としては、エポキシ化合物またはグリシジル化合物などがあげられ、低分子量化合物でも高分子量化合物でもよい。なかでも、熱可塑性樹脂(A)との親和性がとくに良好な点から、エポキシ基を1個有する低分子量の化合物が好ましい。なお、カップリング剤に分類されるエポキシ基含有カップリング剤(たとえばエポキシシランなど)は、本発明ではエポキシ基含有化合物には含めず、カップリング剤に含める。
エポキシ基含有化合物の好ましい例としては、とくに熱可塑性樹脂(A)との親和性に優れている点から、式:
Figure 0005310744
(式中、Rは水素原子、または酸素原子、チッ素原子もしくは炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香環;lは0または1;mは0または1;nは0〜10の整数)
で示される化合物があげられる。
具体例としては、
Figure 0005310744
などのケトン基やエステル基を有するものがあげられる。
親和性向上剤は、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができるが、具体的には、その配合量は、高誘電性無機粒子(C)100質量部に対して、0.01〜30質量部が、さらには0.1〜25質量部が、とくには1〜20質量部が、均一に分散させることができ、得られるフィルムの誘電率が高い点から好ましい。
さらに本発明において、任意成分として、他の補強用フィラーなどの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませてもよい。
補強用フィラーとしては、たとえばシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、ガラス、アルミナ、硼素化合物の粒子または繊維があげられる。
そのほか、可塑剤、レベリング剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明のフィルム形成組成物は、以上に説明した熱可塑性樹脂(A)(必要に応じて以上説明した他の成分(D)などを含有していてもよい。以下同様)と高誘電性無機粒子(C)とゴム粒子(B)を混合することにより調製することができる。
フィルムは、従来公知の種々の公知の方法により形成することができるが、簡便さや得られるフィルムの均質性に優れる点からコーティング法(キャスト法)で製造することが有利である。
コーティング法では、熱可塑性樹脂(A)に、高誘電性無機粒子(C)およびゴム粒子(B)、さらに必要に応じて他の添加剤(D)などを加えて溶剤に溶解または分散させたコーティング用組成物から、各種のコーティング法に従ってフィルムを作製する。
コーティング用溶剤としては、熱可塑性樹脂(A)を溶解または均一に分散し得る任意の溶媒を使用できるが、特に、極性有機溶媒が好ましい。なかでも極性有機溶媒としては、たとえばケトン系溶剤、エステル系溶媒、カーボネート系溶媒、環状エーテル系溶媒、アミド系溶剤が好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド等が好ましくあげられる。
コーティング方法としては、ナイフコーティング法、キャストコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ブレードコーティング法、ロッドコーティング法、エアドクタコーティング法、カーテンコーティング法、ファクンランコーティング法、キスコーティング法、スクリーンコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、押出コーティング法、電着コーティング法などが使用できるが、これらのうち操作性が容易な点、膜厚のバラツキが少ない点、生産性に優れる点からロールコーティング法、グラビアコーティング法、キャストコーティング法が好ましい。
コーティング法によれば、高濃度の均一な組成物が調製でき、コーティングが容易である点から、得られる高誘電性フィルムの膜厚を20μm以下、好ましくは15μm以下、さらには10μm以下にすることができる。膜厚の下限は機械的強度の維持の点から約2μmである。
かくして得られる本発明のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムは、熱可塑性樹脂(A)中に高誘電性無機粒子(C)と平均1次粒子径が0.1〜2.0μmのゴム粒子(B)が分散しているフィルムである。
本発明のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムには、さらに電気絶縁性を向上させるために、絶縁性樹脂塗膜層をフィルムの少なくとも片面に設けてもよい。
この絶縁性樹脂塗膜層は、高誘電性無機粒子を含有するフィルムコンデンサ用フィルムの課題である低い電気絶縁性を向上させると同時に耐電圧も向上させる。その理由は明らかではないが、電圧の分圧により相対的に膜厚が薄い方により電圧がかかる。つまり高い絶縁性を有する絶縁性樹脂の方に高電圧がかかり、フィルムへの電圧負荷が低減されるからと推定される。
片面のみに設ける場合は、絶縁抵抗を向上させかつ高誘電率を維持する点で有利であり、両面に設ける場合はより電気絶縁性を向上させる点で有利である。
絶縁性樹脂塗膜層を構成する絶縁性樹脂は、体積抵抗率1013Ω・cm以上、好ましくは1014Ω・cm以上、特に1015Ω・cm以上の非フッ素系の樹脂であることが、電気絶縁性と耐電圧の向上効果が優れる点から好ましい。上限は、できるだけ電気絶縁性が高い(体積抵抗率が大きい)方が好ましいことから、できるだけ大きいものが好ましい。
この点から、具体的には、たとえばセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂などがあげられる。具体例については、非フッ素系熱可塑性樹脂(a2)で前記したものがあげられる。
さらに、耐熱性が良好な点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルスルホン(PES)など、そのほか絶縁性を高めるためにはポリカーボネート(PC)、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)などもあげられる。
また別の観点から、溶剤可溶型の非フッ素系樹脂であることが、絶縁性樹脂層の形成が容易な点から好ましい。
特に好ましい具体例は、たとえばセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
絶縁性樹脂層は、絶縁性樹脂のみで構成されていてもよいし、他の添加剤が含まれていてもよい。
他の添加剤としては、たとえば可塑剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、チタン酸バリウムなどの無機酸化物、ゴム微粒子などが例示できる。その種類および配合量は、本発明の効果である絶縁性および耐電圧の向上効果を損なわない範囲で選定すればよい。
本発明に用いる絶縁性樹脂層は、以上に説明した絶縁性樹脂(必要に応じて以上説明した他の添加剤などを含有する非フッ素系樹脂組成物も含めて言う。以下同様)を用いて、従来公知の溶融押出法やコーティング法により、フィルム上に積層(形成)することができる。簡便さや得られる積層型フィルムが均質性に優れる点からコーティング法(キャスト法)で積層することが有利である。
コーティング法では、絶縁性樹脂に、必要に応じて他の添加剤を加えて溶剤に溶解または分散させたコーティング用組成物から、各種のコーティング法に従ってフィルムを作製する。
絶縁性樹脂層の形成用溶剤としては、絶縁性樹脂を溶解し得る任意の溶媒を使用できるが、熱可塑性樹脂(A)、特にVdF系樹脂に親和性を有する溶剤を用いるときは、密着性や耐久性に優れた絶縁性樹脂層を形成できる。
好ましい溶剤としては、極性有機溶媒が好ましい。なかでも極性有機溶媒としては、たとえばケトン系溶剤、エステル系溶媒、カーボネート系溶媒、環状エーテル系溶媒、アミド系溶剤が好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が好ましくあげられる。
コーティング方法としては、ナイフコーティング法、キャストコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ブレードコーティング法、ロッドコーティング法、エアドクタコーティング法、カーテンコーティング法、ファクンランコーティング法、キスコーティング法、スクリーンコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、押出コーティング法、電着コーティング法などが使用できるが、これらのうち操作性が容易な点、膜厚のバラツキが少ない点、生産性に優れる点からロールコーティング法、グラビアコーティング法、キャストコーティング法が好ましい。
得られる絶縁性樹脂層の厚さは、良好な絶縁性および耐電圧の向上が得られる点から、0.5μm以上、好ましくは1μm以上、さらには2μm以上が好ましい。上限は、高誘電性を維持する点から、5μm、好ましくは3μmである。
本発明の高誘電性フィルムの少なくとも片面に電極層を積層することにより、フィルムコンデンサを作製することができる。
フィルムコンデンサの構造としては、たとえば、電極層と高誘電性フィルムが交互に積層された積層型(特開昭63−181411号公報、特開平3−18113号公報など)や、テープ状の高誘電性フィルムと電極層を巻き込んだ巻回型(高誘電性フィルム上に電極が連続して積層されていない特開昭60−262414号公報などに開示されたものや、高誘電性フィルム上に電極が連続して積層されている特開平3−286514号公報などに開示されたものなど)などがあげられる。構造が単純で、製造も比較的容易な、高誘電性フィルム上に電極層が連続して積層されている巻回型フィルムコンデンサの場合は、一般的には片面に電極を積層した高誘電性フィルムを電極同士が接触しないように2枚重ねて巻き込んで、必要に応じて、巻き込んだ後に、ほぐれないように固定して製造される。
電極層は、特に限定されないが、一般的に、アルミニウム、亜鉛、金、白金、銅などの導電性金属からなる層であって、金属箔として、または蒸着金属被膜として用いる。本発明においては、金属箔と蒸着金属被膜のいずれでも、また、両者を併用しても構わない。電極層を薄くでき、その結果、体積に対して容量を大きくでき、誘電体との密着性に優れ、また、厚さのバラつきが小さい点で、通常は、蒸着金属被膜が好ましい。蒸着金属被膜は、一層のものに限らず、たとえば、耐湿性を持たせるためにアルミニウム層にさらに半導体の酸化アルミニウム層を形成して電極層とする方法(たとえば特開平2−250306号公報など)など、必要に応じて積層にしてもよい。蒸着金属被膜の厚さも特に限定されないが、好ましくは100〜2,000オングストローム、より好ましくは200〜1,000オングストロームの範囲とする。蒸着金属被膜の厚さがこの範囲である時に、コンデンサの容量や強度がバランスされ好適である。
電極層として蒸着金属被膜を用いる場合、被膜の形成方法は特に限定されず、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを採用することができる。通常は、真空蒸着法が用いられる。
真空蒸着法としては、たとえば成形品のバッチ方式と、長尺品で使用される半連続(セミコンテニアス)方式と連続(air to air)方式などがあり、現在は、半連続方式が主力として行われている。半連続方式の金属蒸着法は、真空系の中で金属蒸着、巻き取りした後、真空系を大気系に戻し、蒸着されたフィルムを取り出す方法である。
半連続方式については、具体的にはたとえば、特許第3664342号明細書に図1を参照して記載されている方法で行うことができる。
高誘電性フィルム上に金属薄膜層を形成する場合、あらかじめ高誘電性フィルム表面に、コロナ処理、プラズマ処理など、接着性向上のための処理を施しておくこともできる。電極層として金属箔を用いる場合も、金属箔の厚さは特に限定されないが、通常は、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは3〜15μmの範囲である。
固定方法は、特に限定されず、たとえば、樹脂で封止したり絶縁ケースなどに封入したりすることにより、固定と構造の保護とを同時に行えばよい。リード線の接続方法も限定されず、溶接、超音波圧接、熱圧接、粘着テープによる固定などが例示される。巻き込む前から電極にリード線を接続しておいてもよい。絶縁ケースに封入する場合など、必要に応じて、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で開口部などを封止して酸化劣化などを防止してもよい。
本発明の高誘電性フィルムが絶縁性樹脂塗膜層を有する積層型の場合、電極層は絶縁性樹脂塗膜層上に設けてもよいし、他方の面に設けてもよい。
このようにして得られたフィルムコンデンサは、高誘電性、高絶縁性でかつ高耐電圧であって、機械的強度、特に伸びに優れたものである。
つぎに本発明を実施例などをあげて具体的に説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
なお、本明細書で使用している特性値は、つぎの方法で測定したものである。
(厚さ)
デジタル測長機((株)仙台ニコン製のMF−1001)を用いて、基板に載せたフィルムを室温下にて測定する。絶縁性樹脂塗膜層を設ける場合の絶縁性樹脂塗膜層の厚さは、最終的な積層型フィルムの全厚を同様にして測定し、フィルムの厚さを引いた厚さとする。
(誘電損失および比誘電率)
複合フィルムを真空中で両面にアルミニウムを蒸着しサンプルとする。このサンプルをLCRメーター((株)エヌエフ回路設計ブロック製のZM2353)にて、ドライエアー雰囲気下、室温(20℃)および80℃下で、周波数100Hz、1kHz、10kHzでの静電容量と誘電正接を測定する。得られた各静電容量と誘電正接の測定値から比誘電率および誘電損失(%)を算出する。
(電気絶縁性)
デジタル超絶縁計/微小電流計にて、体積抵抗率(Ω・cm)をドライエアー雰囲気下、DC500Vで測定する。
(耐電圧)
耐電圧・絶縁抵抗試験器(菊水電子工業(株)製のTOS9201)を用いて、基板に載せたフィルムをドライエアー雰囲気下にて測定する。昇圧速度は100V/sで測定する。
(機械的強度)
引張試験機(ORIENTEC(株)製のRTC−1225A)を用いて、引張破断伸度(%)を測定する。
実施例1
1Lセパラブルフラスコ中にN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学(株)製)640質量部とポリフッ化ビニリデン(PVdF)(ARKEMA社製のKAYNAR761。比誘電率9.2(1kHz、20℃))160質量部を入れ、80℃、3時間スリーワンモーターにて攪拌し、20質量%濃度のPVdF溶液を得た。このPVdF溶液は透明の均一溶液であった。
得られたPVdF溶液20質量部に、コアがアクリルゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のEXL2313。平均1次粒子径0.6μm。ゴム粒子No.1)0.8質量部、DMAc4質量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)(キシダ化学(株)製)16質量部を加えた。この混合物に直径1mmのジルコニアビーズを同質量加えて卓上遊星ボールミル((有)Gokin Planetaring製のPlanet M)に入れ、室温下、回転数600rpmで10分間分散処理を行った。分散処理後の混合物をステンレススチール製のメッシュ(真鍋工業(株)製の80メッシュ)に通してジルコニアビーズを取り除いて、ゴム分散溶液を作製しフィルム形成組成物とした。この組成物をマイクログラビアコーターを用いて、離型処理を施した38μm厚のPETフィルム上にキャストし、150℃の6mの乾燥炉、続いて180℃の6mの乾燥炉に通すことにより、PETフィルム上に膜厚6.8μmのキャストフィルムを形成した。ついで、PETフィルムから剥離することにより、膜厚6.8μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、ゴム粒子としてコアがブタジエンゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のKCA801N。平均1次粒子径0.2μm。ゴム粒子No.2)を用いたほかは同様にして膜厚7.0μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、PVdFに代えてVdF/TFE共重合体(ダイキン工業(株)製のVP−50。比誘電率8.4(1kHz、20℃))を用いたほかは同様にして膜厚7.1μmのVdF系樹脂(VdF/TFE共重合体)のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表1に示す。
比較例1
ゴム粒子を配合しなかったほかは実施例1と同様にして高誘電性フィルムを作製した。
得られた比較用の高誘電性フィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0005310744
表1から、ゴム粒子を配合することにより、VdF系樹脂の単独使用に比して耐電圧、体積抵抗率、および伸びの向上が図れていることが分かる。
実施例4
1Lセパラブルフラスコ中にN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学(株)製)640質量部とポリフッ化ビニリデン(PVdF)(ARKEMA社製のKAYNAR761。比誘電率9.2(1kHz、20℃))160質量部を入れ、80℃、3時間スリーワンモーターにて攪拌し、20質量%濃度のPVdF溶液を得た。このPVdF溶液は透明の均一溶液であった。
別途、平均粒子1μmのチタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム(日本化学工業(株)製のBCTZ。比誘電率1000(1kHz、20℃))18質量部をDMAc9質量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)(キシダ化学(株)製)5質量部、上記20質量%濃度のPVdF溶液2質量部に加えた。この混合物に直径1mmのジルコニアビーズを同質量加えて卓上遊星ボールミル((有)Gokin Planetaring製のPlanet M)に入れ、室温下、回転数800rpmで5分間分散処理を行った。ついで、コアがアクリルゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子No.1を2質量部添加し、さらに回転数800rpmで10分間分散処理を行った。分散処理後の混合物をステンレススチール製のメッシュ(真鍋工業(株)製の80メッシュ)に通してジルコニアビーズを取り除いて、複合酸化物分散液とした。
この分散液34質量部と上記PVdF溶液を50質量部(PVdF10質量部、DMAc40質量部含有)、MIBKを26.7質量部混合し、フィルム形成組成物を調製した。
この組成物をマイクログラビアコーターを用いて、離型処理を施した38μm厚のPETフィルム上にキャストし、150℃の6mの乾燥炉、続いて180℃の6mの乾燥炉に通すことにより、PETフィルム上に膜厚7.7μmのキャストフィルムが形成された積層フィルムを得た。ついで、PETフィルムから剥離することにより、膜厚7.7μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
実施例5
実施例4において、ゴム粒子としてコアがブタジエンゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子No.2を用いたほかは同様にして膜厚8.0μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
実施例6
実施例4において、ゴム粒子としてコアがシリコンアクリル複合ゴムでシェルがアクリロニトリル/スチレン共重合体(三菱レイヨン(株)製のSX−005。平均1次粒子径0.2μm。ゴム粒子No.3)を用いたほかは同様にして膜厚7.3μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
実施例7
実施例4において、ゴム粒子としてコアがアクリルゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のEX2315。平均1次粒子径0.3μm。ゴム粒子No.4)を用いたほかは同様にして膜厚7.1μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
実施例8
実施例4において、ゴム粒子としてコアがブタジエンゴムでシェルがポリメタクリル酸メチルであるゴム粒子No.5(三菱レイヨン(株)製のKW4426。平均1次粒子径0.5〜1.0μm)を用いたほかは同様にして膜厚7.3μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
比較例2
ゴム粒子を配合しなかったほかは実施例4と同様にして高誘電性フィルムを作製した。
得られた比較用の高誘電性フィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005310744
表2から、高誘電性無機粒子を配合した場合でも、さらにゴム粒子を配合することにより、耐電圧、体積抵抗率、および伸びの向上が図れていることが分かる。
実施例9
実施例4において、ゴムNo.1の添加量を0.2質量部(PVdF100質量部に対して5質量部)にしたほかは同様にして膜厚6.9μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表3に示す。
実施例10
実施例4において、ゴムNo.1の添加量を1.0質量部(PVdF100質量部に対して10質量部)にしたほかは同様にして膜厚8.6μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表3に示す。
実施例11
実施例4において、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウムの添加量を5.1質量部(PVdF100質量部に対して50質量部)にしたほかは同様にして膜厚6.6μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表3に示す。
実施例12
実施例4において、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウムの添加量を25.7質量部(PVdF100質量部に対して250質量部)にしたほかは同様にして膜厚7.2μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表3に示す。
実施例13
実施例4において、PVdFに代えてVdF/TFE共重合体(ダイキン工業(株)製のVP−50。比誘電率8.4(1kHz、20℃))を使用したほかは同様にして膜厚7.5μmのVdF系樹脂(VdF/TFE共重合体)のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0005310744
表3から、ゴム粒子の配合量が多い方が、伸びの向上が図れていることが分かる。また高誘電性無機粒子の配合量を増加した場合でも(実施例12)、必要な耐電圧、電気絶縁性と伸びが確保されていることが分かる。
実施例14
3Lセパラブルフラスコ中にN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学(株)製)640質量部と酢酸セルロース(AC)(ダイセル化学工業(株)製のL−20)160質量部を入れ、80℃、3時間メカニカルスターラーにて攪拌し、20質量%濃度のAC溶液を得た。
PVdF溶液に代えてこのAC溶液を用いたほかは実施例4と同様にして複合酸化物分散液、さらにはフィルム形成組成物を調製した。
この組成物をマイクログラビアコーターを用いて、離型処理を施した38μm厚のPETフィルム上にキャストし、150℃の6mの乾燥炉、続いて180℃の6mの乾燥炉に通すことにより、PETフィルム上に膜厚7.8μmのキャストフィルムが形成された積層フィルムを得た。ついで、PETフィルムから剥離することにより、膜厚7.8μmのAC樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表4に示す。
実施例15
3Lセパラブルフラスコ中にN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学(株)製)640質量部とポリメタクリル酸メチル(PMMA)(キシダ化学(株)製)160質量部を入れ、80℃、3時間メカニカルスターラーにて攪拌し、20質量%濃度のPMMA溶液を得た。
AC溶液に代えてこのPMMA溶液を用いたほかは実施例14と同様にして複合酸化物分散液、さらにはフィルム形成組成物を調製した。
この組成物をマイクログラビアコーターを用いて、離型処理を施した38μm厚のPETフィルム上にキャストし、130℃の12mの乾燥炉に通すことにより、PETフィルム上に膜厚7.6μmのキャストフィルムが形成された積層フィルムを得た。ついで、PETフィルムから剥離することにより、膜厚7.6μmのPMMA樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表4に示す。
実施例16
実施例14において、AC溶液に代えて、PVdF溶液45質量部(PVdF9質量部、DMAc36質量部含有)およびAC溶液5質量部(AC1質量部、DMAc4質量部含有)を併用したほかは同様にして、膜厚7.5μmのPVdF/ACのブレンドのフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表4に示す。
実施例17
実施例4において、高誘電性無機粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業(株)製のST−03。平均粒子径0.3μm)を用いたほかは同様にして膜厚7.5μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表4に示す。
実施例18
実施例4において、高誘電性無機粒子としてジルコン酸ストロンチウム(高純度化学(株)製。平均粒子径1μm)を用いたほかは同様にして膜厚7.0μmのVdF系樹脂のフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られたフィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、引張破断伸度、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0005310744
表4から、熱可塑性樹脂として酢酸セルロース(AC)を用いた場合(実施例14)、メチルメタクリレート(PMMA)を用いた場合(実施例15)、さらにはPVdFとACをブレンドして併用した場合(実施例16)でも必要な耐電圧と電気絶縁性が確保されており、高誘電性無機粒子をチタン酸ストロンチウムに変更した場合(実施例17)およびジルコン酸ストロンチウムに変更した場合(実施例18)でも耐電圧と電気絶縁性と伸びに大きな変化はないことが分かる。
実施例19
実施例4で得られた高誘電性フィルムの片面に15質量%濃度のポリエステル溶液からなるコーティング用組成物をバーコーターで塗布し、180℃で3分間熱風乾燥して絶縁性樹脂層を形成し、積層型高誘電性フィルムを作製した。絶縁性樹脂層の厚さは、1.1μmであった。
得られた積層型高誘電性フィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表5に示す。
実施例20
平均粒子径1.0μmのチタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム(日本化学工業(株)製のBCTZ)100質量部を純水100質量部に加え撹拌し、スラリーを調製した。
このスラリーに低誘電性化合物であるテトラメトキシシラン(比誘電率3(1kHz、20℃))1質量部をDMAcに溶解した溶液(濃度1質量%)を加え、さらに直径1mmのジルコニアビーズを同質量加えて卓上遊星ボールミルに入れ、室温下、回転数800rpmで15分間分散処理を行い、表面処理高誘電性無機粒子のスラリーを調製した。このスラリーをステンレススチール製のメッシュに通してジルコニアビーズを取り除いた後、真空乾燥機にて100℃で乾燥することで表面処理高誘電性無機粒子を得た。
実施例4において、高誘電性無機粒子として上記の表面処理高誘電性無機粒子を用いたほかは同様にして膜厚7.2μmのフィルムコンデンサ用フィルムを得た。
得られた積層型高誘電性フィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表5に示す。
実施例21
実施例20で得られた高誘電性フィルムの片面に15質量%濃度のポリエステル溶液からなるコーティング用組成物をバーコーターで塗布し、180℃で3分間熱風乾燥して絶縁性樹脂層を形成し、積層型高誘電性フィルムを作製した。絶縁性樹脂層の厚さは、1.3μmであった。
得られた積層型高誘電性フィルムについて、体積抵抗率、耐電圧、20℃および80℃における各周波数(100Hz、1kHz、10kHz)での誘電損失および比誘電率を算出した。結果を表5に示す。
Figure 0005310744
表5から、電気絶縁層をさらに設けた場合(実施例19、21)は高い電気絶縁性に加えて耐電圧が大きく向上しており、また、高誘電性無機粒子を低誘電性化合物で表面処理した場合(実施例20、21)は電気絶縁性が向上していることが分かる。
実施例22(フィルムコンデンサの作製)
実施例4で製造した高誘電性フィルムの両面に、真空蒸着装置((株)真空デバイス製のVE−2030)により3Ω/□を目標にしてアルミニウムを蒸着して電極を形成した。これらのアルミニウム電極に電圧印加用のリード線を取り付け、スタンプ型(簡易評価用)のフィルムコンデンサを作製した。

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂(A)中にゴム粒子(B)が分散しており、該ゴム粒子がアクリルゴム、ブタジエンゴム、シリコンアクリル複合ゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴムおよびフッ素系ゴムよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    ゴム粒子(B)の表面がポリメタクリル酸メチルおよびアクリロニトリル/スチレン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種で被覆されており、
    ゴム粒子(B)の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上であり、
    熱可塑性樹脂(A)が、フッ化ビニリデン系樹脂を含む
    フィルムコンデンサ用高誘電性フィルム。
  2. ゴム粒子(B)が、アクリルゴムおよびブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のフィルム。
  3. ゴム粒子(B)の平均1次粒子径が0.1〜2.0μmである請求項1又は2記載のフィルム。
  4. 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、ゴム粒子(B)を〜30質量部含む請求項1〜のいずれかに記載のフィルム。
  5. 熱可塑性樹脂(A)中にゴム粒子(B)と高誘電性無機粒子(C)が分散している請求項1〜のいずれかに記載のフィルム。
  6. 高誘電性無機粒子(C)が、
    (C1)式(C1):
    a1b1C1
    (式中、Mは2族金属元素;Nは4族金属元素;a1は0.9〜1.1;b1は0.9〜1.1;c1は2.8〜3.2である;MとNはそれぞれ複数であってもよい)で示される複合酸化物粒子、
    (C2)式(C2):
    a2 b2c2
    (式中、MとMは異なり、Mは周期表の2族金属元素、Mは周期表の第5周期の金属元素;a2は0.9〜1.1;b2は0.9〜1.1;c2は2.8〜3.2である)で示される複合酸化物粒子、および
    (C3)周期表の2族金属元素および4族金属元素よりなる群から選ばれる少なくとも3種の金属元素を含む複合酸化物粒子
    よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項記載のフィルム。
  7. 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、ゴム粒子(B)を〜30質量部、および高誘電性無機粒子(C)を10〜300質量部含む請求項または記載のフィルム。
  8. 高誘電性無機粒子(C)の一部または全部が、比誘電率(20℃、1kHz)が100以上の高誘電性無機粒子(c1)の表面を比誘電率(20℃、1kHz)が10以下の低誘電性化合物(c2)で表面処理して得られる表面処理高誘電性無機粒子である請求項のいずれかに記載のフィルム。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムの少なくとも片面に絶縁性樹脂層が設けられてなる積層型のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルム。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用高誘電性フィルムの少なくとも片面に電極層が設けられてなるフィルムコンデンサ。
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