JP5310093B2 - 流体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、噴射ヘッドから流体を噴射する技術に関する。
印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷するプリンター(いわゆるインクジェットプリンター)は、高品質の画像を簡便に印刷可能であることから、今日では、画像の出力手段として広く使用されている。また、この技術を応用して、インクの代わりに、適切な成分に調製した各種の流体(例えば、機能材料の微粒子が分散された液体や、ジェルなどの半流動体など)を、基板上に噴射すれば、電極や、センサ、バイオチップなど、各種の精密な部品を、簡便に製造することも可能と考えられる。
こうした技術では、流体を正確に噴射するために専用の噴射ヘッドが用いられているが、流体を正確に噴射するためには、噴射ヘッド内に導いた流体の性状(例えば、粘度)についても、適切な範囲内に保っておくことが必要である。このため、流体の性状が変化した際には、噴射ヘッドにキャップを装着し、吸引ポンプでキャップ内に負圧を印加することによって、噴射ヘッドから流体を吸い出して新しい流体に入れ替えるようになっている。また、流体を吸いだした後にキャップ内に流体が残っていると、キャップ内で流体が乾燥して固化したり、キャップを噴射ヘッドから外した際に流体が周囲に飛び散るなどの不都合が生じる。そこで、キャップ内に外気を取り込みながら吸引ポンプを駆動する動作(空吸引動作)を行うことにより、キャップ内に残った流体を排出する技術が用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2007−203562号公報
しかし、こうした空吸引動作では、キャップと噴射ヘッドの表面との間に流体が残ってしまい易く、その結果、残った流体がキャップを外した際に飛び散って周囲を汚してしまう等の不都合が生じる場合があるという問題があった。すなわち、キャップと噴射ヘッドの表面との間の隙間や、キャップと噴射ヘッドの表面とによって作られるカドに流体が入り込むと、流体は表面張力によって噴射ヘッドとキャップとの間に貼り付いてしまうので、空吸引動作を行っても流体が吸引されずにそのまま残ってしまう。その結果、残った流体がキャップを取り外した際に飛び散って周囲を汚す等の不都合が生じることがあった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、キャップと噴射ヘッドとの境目に付着した流体を効率よく排除可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の流体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、噴射ヘッドに設けられた噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、前記噴射ヘッドに当接して前記噴射口を取り囲む閉空間を形成する環状の第一環状部と、前記第一環状部の内側に該第一環状部より高さの低い環状の第二環状部と、を備えるキャップと、前記閉空間に負圧を印加することにより、前記噴射口から前記流体を吸い出す吸引ポンプと、前記閉空間を外部と連通させることにより、該閉空間の負圧を開放する負圧開放手段と、前記噴射ヘッドと前記キャップとを当接、離間させる移動機構と、前記第一環状部と前記第二環状部とによって形成される開口部に負圧を作用させる負圧作用手段と、を備え、前記キャップが前記噴射ヘッドに当接し、前記閉空間外部と連通された状態で、前記開口部に負圧を作用させることを要旨とする。
かかる本発明の流体噴射装置は、噴射ヘッドにキャップを装着し、吸引ポンプでキャップ内の閉空間に負圧を印加することにより、噴射口からインクを吸引する。また、キャップ内の閉空間を外部と連通させることにより、閉空間に印加された負圧を開放する。更に、キャップと噴射ヘッドとの当接面の近傍には開口部が設けられており、キャップ内の閉空間を外部と連通させた後に、この開口部に負圧を作用させる。
キャップ内の閉空間を外部と連通させた後に開口部に負圧を作用させれば、閉空間に対して開口部が負圧になるので、開口部の周囲の流体を開口部に吸い込むことができる。そして、開口部を噴射ヘッドとキャップとの当接面の近傍に設けておけば、噴射ヘッドとキャップとの当接面の近傍に付着した流体を開口部に吸い込んで取り除くことが可能となる。
尚、噴射ヘッドとキャップとの境目に付着した流体の一部分に負圧が作用すると、その部分に引きずられて流体全体が移動するので、流体を開口部に吸い込んで取り除くことができる。このため、開口部は、噴射ヘッドとキャップとの当接面に密接して設けられている必要は必ずしもなく、付着した流体の一部分に負圧を作用させることができる範囲内に設けられていればよい。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、前記第二環状部の高さは、前記噴射ヘッドと前記キャップとが当接した状態において、前記噴射ヘッドに付着した前記液体と前記第二環状部とが接する高さであってもよい。
インクジェットプリンターを例にとって本実施例の流体噴射装置の構成を示した説明図である。 クリーニング機構によってクリーニング動作が行われる様子を示した説明図である。 本実施例のキャッピングユニットの構成を示した説明図である。 本実施例のキャッピングユニットによって付着したインク滴が排出される様子を示した説明図である。 キャップ部材の内側に仕切部材を設けキャップ部材と仕切部材との間に負圧を発生させる変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。 第2実施例のキャッピングユニットを示した説明図である。 第2実施例のキャッピングユニットによってキャップ部材と噴射ヘッドとの境目に付着したインク滴が取り除かれる様子を示した説明図である。 キャッピングプレートを変形させることによって負圧を発生させる変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。 キャップ内に負圧を印加する際およびキャップ内の負圧を開放する際に部材が変形する変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.流体噴射装置の構成:
B.第1実施例:
B−1.第1実施例のキャッピングユニット:
B−2.変形例:
C.第2実施例:
C−1.第2実施例のキャッピングユニット:
C−2.第1変形例:
C−3.第2変形例:
A.流体噴射装置の構成 :
図1は、インクジェットプリンターを例にとって本実施例の流体噴射装置の構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンター10は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うためのプラテンローラー40などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカートリッジ26や、インクカートリッジ26が装着されるキャリッジケース22、キャリッジケース22の底面側(印刷媒体2に向いた側)に搭載されてインクを噴射する噴射ヘッド24などが設けられている。こうした構成を用いて、インクジェットプリンター10は、プラテンローラー40によって紙送りを行うとともに、キャリッジ20を往復動しながら噴射ヘッド24よりインクを噴射することによって、印刷媒体2に画像を印刷する。
このようなインクジェットプリンターでは、高品質な画像を印刷するためにインクを正確に噴射することが重要であり、そのためには、噴射ヘッド24に導いたインクについても、粘度などの性状を適切な範囲に保っておくことが重要である。そこで、インクジェットプリンター10は、画像を印刷するための種々の構成に加えて、噴射ヘッド24内のインクの性状が悪化した場合にインクを排出する動作(クリーニング動作)を行うためのクリーニング機構100を備えている。クリーニング機構100は、図示されているように、プラテンローラー40が設けられた印刷範囲の隣に設けられており、キャッピングユニット110や、キャッピングユニット110に接続された吸引ポンプ120などから構成されている。
図2は、クリーニング機構100によってクリーニング動作が行われる様子を示した説明図である。図2(a)に示されている様に、クリーニング動作を行う際には、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24の表面に装着し、キャッピングユニット110に接続された吸引ポンプ120を駆動させる。吸引ポンプ120を駆動させると、キャッピングユニット110内の空間に負圧が印加されるので、噴射ヘッド24から性状が劣化したインクを吸い出して新しいインクに入れ替えることができる。吸い出したインクは廃液タンク130へと排出され、廃液タンク130内の吸収材に吸収された後に蒸発して処理される。
インクを吸い出した後は、再び印刷を行うために、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24から取り外す。ここで、インクを吸い出した直後は、キャップ内にインクが溜まっているので、キャッピングユニット110をそのまま取り外してしまうと、中のインクが飛び散って周囲を汚してしまう等の不都合が生じる。そこで、キャッピングユニット110を取り外す前に、大気開放弁140を開けてキャップ内に空気を取り込む動作(大気開放動作)を行う(図2(b)を参照)。こうすると、キャップ内の負圧が開放されることによって、噴射ヘッド24からのインクの吸い出しが止まるので、吸引ポンプ120によってキャップ内に溜まっていたインクを排出して、キャップ内を空の状態にすることが可能となる。
もっとも、キャッピングユニットと噴射ヘッドとの間の隙間や、キャッピングユニットと噴射ヘッドの表面との境目の部分は、インクが表面張力によって貼り付きやすいため、大気開放動作を行ってもインクが排出されずにそのまま残ってしまう場合がある。こうした場合、残ったインクがキャップを外した際に飛び散って周囲を汚してしまったり、あるいは、残ったインクが乾燥して固着してしまう等の不都合を生じることがある。そこで、本実施例のインクジェットプリンター10は、キャッピングユニット110を次のような構成とすることにより、キャップと噴射ヘッドとの間に張り付いたインク滴を効率よく排出可能としている。
B.第1実施例 :
B−1.第1実施例のキャッピングユニット :
図3は、本実施例のキャッピングユニットの構成を示した説明図である。図3(a)に示されている様に、本実施例のキャッピングユニット110は、おおまかには、土台となるキャッピングプレート112の上にキャップ部材114が立設された構造をしている。また、キャップ部材114の内側には、溝が設けられており(図中に「A」と示した部分を参照)、この溝には、キャップ部材114内の流路を介して負圧ポンプ150が接続されている。そして、負圧ポンプ150を駆動させることによって、溝の中の空間に負圧を発生させることが可能となっている。尚、前述したクリーニング動作に用いる吸引ポンプ120(図2(a)を参照)は、キャッピングプレート112の底面を介してキャップ内に接続されているが、図3では簡単のために図示を省略した。
図3(b)には、本実施例のキャッピングユニットを噴射ヘッドに装着してクリーニング動作を行っている様子が示されている。図示されている様に、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着した状態では、キャップ部材114の溝(図中に「A」と示した部分を参照)が、噴射ヘッド24とキャップ部材114との当接面のすぐ下に位置する。このため、キャップ部材114と噴射ヘッド24との境目にインク滴が付着すると、図示されている様に、インク滴によって溝が覆われた状態となる。この状態から本実施例のキャッピングユニットは、次のようにして付着したインク滴を排出する。
図4は、本実施例のキャッピングユニットによって付着したインク滴が排出される様子を示した説明図である。クリーニング動作(図3(b)を参照)を終了したら、図4(a)に示されている様に、まず、大気開放弁140を開いてキャップ内に外気を取り込む。キャップ内に外気が取り込まれると、キャップ内の負圧が開放されるので、噴射ヘッド24からのインクの吸い出しが止まる。それとともに、キャップ内に溜まっていたインクが吸引ポンプ120によって排出されていく。
キャップ内に外気を取り込んでキャップ内に溜まったインクを排出したら、次いで、図4(b)に示されている様に、負圧ポンプ150を駆動させて、キャップ部材114に設けられた溝に負圧を発生させる。図示されている様に、キャップ部材114に設けられた溝は、キャップ部材114と噴射ヘッド24との当接面の近傍に位置しているので、溝に負圧を発生させれば、キャップ部材114と噴射ヘッド24との境目に付着したインク滴を負圧によって溝に吸い込むことができる。これにより、キャップ内に溜まったインクだけでなく、噴射ヘッド24とキャップ部材114との間に付着したインク滴も取り除くことが可能となる。
この様に、本実施例のキャッピングユニット110では、噴射ヘッド24とキャップ部材114との当接面の近傍に溝を開口させており、この溝に負圧を発生させることによって、噴射ヘッド24とキャップ部材114との境目に付着したインク滴を取り除くことが可能である。こうして付着したインク滴を取り除いておけば、キャッピングユニットを取り外す際にインク滴が飛散して周囲を汚してしまう不都合を回避することが可能となる。
また、インク滴が付着した状態でキャッピングユニットを噴射ヘッドから取り外した場合、インクの一部は飛散せずにキャップ部材の表面に残り、やがて乾燥してキャップ部材の表面に固着してしまうことがある。こうした場合、次にキャッピングユニットを装着する際には、固着したインクによってキャップ部材と噴射ヘッドとの間の密着性が悪化してしまう虞がある。これに対して、本実施例のキャッピングユニットでは、付着したインクを取り除いてからキャッピングユニットを取り外すことができるので、キャップ部材にインクが固着してしまう事態を回避するとも可能となっている。
尚、本実施例のキャッピングユニット110では、上述した様に、キャップ内の負圧を開放して噴射ヘッド24からのインクの吸い出しを停止した後に、更に溝に負圧を発生させている(図4(b)を参照)。ここで、溝はキャップ内の空間に開口しているので、溝に負圧を発生させると、発生させた負圧がキャップ内にも及ぶことになる。しかし、キャップ内には空気パイプ118を介して外気が流入しているので、溝に負圧を発生させてもキャップ内がただちに負圧になってしまうことはない。このため、溝に負圧を発生させた際に噴射ヘッド24からインクが吸い出されたり、また、キャッピングユニット110が負圧によって噴射ヘッド24に貼り付いてしまったりする虞がない。
尚、上述した説明では、大気開放弁140を開けてキャップ内の負圧を開放し、キャップ内に溜まったインクが排出された後に、溝に負圧を発生させるものとして説明した。しかし、大気開放弁140を開けたら直ちに溝に負圧を発生させてもよい。こうした場合、キャップ内に負圧が残っている間は、キャップ内の負圧と溝の負圧とが打ち消しあうので付着したインク滴はほとんど移動しない。しかし、キャップ内の負圧が次第に開放されていくと、それに伴って溝の負圧がインク滴に作用していくので、やがてインク滴を溝に吸い込んで取り除くことができる。こうすれば、キャップ内の負圧が開放されると直ちに付着したインク滴が取り除かれるので、キャッピングユニット110を取り外すまでに要する時間を短縮してクリーニング動作を迅速に完了させることが可能となる。
また、付着したインク滴を取り除くためには、キャップ内の負圧が開放された状態で溝に負圧を発生させればよく、必ずしもキャップ内を外部と連通させた状態で負圧を発生させる必要はない。例えば、図4(b)に示した例では、負圧ポンプ150を駆動させる際に大気開放弁140を閉じておいてもよい。こうした場合でも、溝の体積はキャップ内の空間の体積に比べて小さいので、溝に負圧を発生させてもキャップ内が直ちに負圧になってしまうことはない。このため、キャップ内の負圧によって噴射ヘッド24からインクが吸い出されてしまったり、負圧によってキャッピングユニット110が貼り付いてしまうことがなく、インクを排出した後にキャッピングユニット110を直ちに取り外すことが可能である。
更に、上述した説明では、付着したインク滴によって溝が覆われているものとして説明したが(図4(a)を参照)、溝がインク滴によって覆われていない場合でも同様のことが起こり得る。例えば、付着したインク滴が小さい場合、インク滴が溝を覆いきれずに隙間が生じてしまい、溝に発生させた負圧が隙間を通る空気の流れとなって逃げてしまう虞がある。しかし、このような場合でも、キャップ内の空間から溝に向かう空気の流れが生じると、その空気の流れに乗ってインク滴が移動していくので、インク滴を溝の中へと吸い込むことができる。このため、たとえ溝がインク滴に塞われていない場合でも、インク滴を溝の中へと吸い込んで取り除くことが可能となる。
B−2.変形例 :
前述した実施例のキャッピングユニットでは、キャップ部材に設けた溝に負圧を発生させて、付着したインク滴を取り除くものとして説明した。しかし、キャップ部材の内側に別の部材を設けておき、その部材とキャップ部材との間に負圧を発生させるものとしてもよい。
図5は、キャップ部材の内側に仕切部材を設け、キャップ部材と仕切部材との間に負圧を発生させる変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。図示されているように、変形例のキャッピングユニット110では、キャップ部材114の内側に仕切部材116が設けられており、キャップ部材114と仕切部材116との間の隙間に、負圧ポンプ150が接続されている。この隙間は、図示されている様に、噴射ヘッド24とキャップ部材114との当接面の近傍で開口しており、負圧ポンプ150を駆動すると、この開口部分に負圧を発生させることができる。これにより、図示されている様に、キャップ部材と仕切部材116との間に付着したインク滴を開口部から吸い込んで取り除くことが可能となっている。
C.第2実施例 :
前述した第1実施例のキャッピングユニットでは、負圧ポンプによってキャップ部材の溝に負圧を発生させていた(図4を参照)。しかし、負圧ポンプによって負圧を発生させるのではなく、キャッピングユニットの少なくとも一部の部材を変形させることによって、負圧を発生させることも可能である。以下では、キャッピングユニットの部材が変形することによって負圧を発生させる第2実施例のキャッピングユニットについて説明する。
C−1.第2実施例のキャッピングユニット :
図6は、第2実施例のキャッピングユニットを示した説明図である。図示されている様に、第2実施例のキャッピングユニットは、ゴム製のキャップ部材114の中に空間が設けられている。また、この空間は、キャップ部材114に設けられた溝穴(図中に「A」と示した部分を参照)を介して外部と接続されている。こうした構成のキャッピングユニット110を用いた場合、次のようにして付着したインク滴を取り除くことが可能である。
図7は、第2実施例のキャッピングユニットによって、キャップ部材と噴射ヘッドとの境目に付着したインク滴が取り除かれる様子を示した説明図である。図7(a)には、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着した様子が示されている。図示されている様に、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着した状態では、キャップ部材114の上部が噴射ヘッド24に押し付けられて変形し、それに伴ってキャップ部材114の中に設けられた空間も潰れて体積が小さくなった状態となる。
図7(b)には、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24から取り外していく際に、付着したインク滴が取り除かれる様子が示されている。図示されている様に、キャッピングユニット110を下げていくと、キャップ部材114がゴムの弾性によって元の形状に戻っていく。このとき、キャップ部材114の中に設けられた空間も元の形状に戻っていくので、空間の体積が広がっていき、それにともなって空間内に負圧が発生する。そして、この負圧が、キャップ部材114と噴射ヘッド24との境目に付着していたインク滴に溝穴を介して作用し、インク滴を空間内に引き込んでいく。これにより、付着したインク滴を取り除くことが可能となる。
また、第2実施例のキャッピングユニットでは、キャップ部材114の空間内に吸い込んだインク滴を、キャッピングユニット110を再び噴射ヘッド24に装着する際に取り除くことが可能である。すなわち、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着すると、キャップ部材114の中の空間が押し潰されて中に入っていたインクが溝穴を介してキャップ内に放出される。キャップ内に放出されたインクは、噴射ヘッド24から吸い出したインクとともに吸引ポンプ120を介して廃液タンク130へと排出することができる(図2(b)を参照)。こうすれば、キャップ部材114の空間にインクが溜まってしまい、インク滴を吸い込めなくなくなってしまうことがないので、付着したインク滴をより確実に取り除くことが可能となる。
C−2.第1変形例 :
前述した第2実施のキャッピングユニットでは、キャップ部材を変形させることによって負圧を発生させていた。しかし、キャッピングプレートを変形させることよって負圧を発生させることも可能である。
図8は、キャッピングプレートを変形させることによって負圧を発生させる変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。図8(a)に示されている様に、変形例のキャッピングユニット110では、キャップ部材114およびキャッピングプレート112の内側に仕切部材116が設けられており、キャップ部材114およびキャッピングプレート112と、仕切部材116との間に空間が設けられている。そしてこの空間は、噴射ヘッド24とキャップ部材114との当接面の近傍で開口している。更に、キャッピングプレート112の底面には、キャッピングユニット110を上下に駆動させる駆動アーム122が接続されており、駆動アーム122が駆動してキャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着した際には、図示されている様に、キャッピングプレート112が駆動アーム122に押されて変形するようになっている。
図8(b)には、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24から取り外す際に、キャップ部材114と噴射ヘッド24との境目に付着したインク滴が取り除かれる様子が示されている。図示されている様に、キャッピングユニット110を取り外す際には、駆動アーム122が図の下向きに駆動し、これに伴ってキャッピングプレート112が元の形状に戻ってく。このとき、キャップ部材114およびキャッピングプレート112と、仕切部材116との間の空間に着目すると、キャッピングプレート112が元の形状に戻ることによって、この空間の体積が広がっていくので、この空間に負圧が発生する。そして、この負圧が空間の開口部分(キャップ部材114と噴射ヘッド24との当接面の近傍)に作用するので、キャップ部材114と噴射ヘッド24との境目に付着したインク滴を空間に吸い込んで取り除くことが可能となる。
尚、上述した第2実施例のキャッピングユニット(図7を参照)および変形例のキャッピング(図8を参照)では、部材が弾性力によって元の形状に戻るものとして説明した。しかし、必ずしも弾性力によって元の形状に戻る必要はない。例えば、図7に示したキャッピングユニットでは、キャップ部材の表面が粘着力等によって噴射ヘッドの表面に貼り付き、その状態でキャッピングユニットを噴射ヘッドから引き離すことによって、キャップ部材が元の形状に戻るものとしてもよい。あるいは、図8に例示した変形例のキャッピングユニットでは、キャッピングプレート自身の弾性力で元の形状に戻るのではなく、駆動アームに引っ張られることによって元の形状に戻るものとしてもよい。こうした場合も、空間の体積が広がることによって負圧が生じるので、空間の開口部の近傍に付着したインク滴を吸い込んで取り除くことが可能となる。
C−3.第2変形例 :
前述した第2実施例のキャッピングユニットおよび変形例のキャッピングユニットでは、キャッピングユニットを着脱する動作に伴って部材が変形するものとして説明した。しかし、キャッピングユニットの着脱に伴って部材を変形させるのではなく、キャップ内に負圧を印加する際や、キャップ内の負圧を開放する際に部材を変形させるものとしてもよい。
図9は、キャップ内に負圧を印加する際およびキャップ内の負圧を開放する際に部材が変形する変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。図9(a)に示されている様に、変形例のキャッピングユニット110では、クリーニング動作(図2(a)を参照)の際にキャップ内に負圧が印加されることによって、キャップ部材114がキャップ内に引き込まれるように変形する。そして、キャップ内の負圧が開放されると、図9(b)に示されている様に、キャップ部材114が元の形状に戻り、それにともなってキャップ部材114と仕切部材116との間の空間の体積が広がっていく。これにより、この空間に負圧が発生し、空間の開口部に付着したインク滴を吸い込んで取り除くことが可能となる。
また、この変形例のキャッピングユニット110では、空間の開口部をインク滴で覆うことができるので、空間に生じた負圧が空気の流れとなって逃げてしまう虞を回避して、負圧をインク滴に十分に作用させることが可能となっている。すなわち、キャップ部材114と仕切部材116との接触点に着目すると(図9(a)に黒色の矢印で示した部分を参照)、この部分では、インク滴が表面張力によってキャップ部材114と仕切部材116との両方に貼り付いた状態となっている。このため、キャップ部材114が仕切部材116から離れていく際は、図9(b)に示されている様に、インク滴がキャップ部材114および仕切部材116の両方に貼り付いた状態のままで、キャップ部材114と仕切部材116とが離れていく。その結果、図示されている様に、インク滴がキャップ部材114と仕切部材116との間を跨いで付着した状態(インク滴がキャップ部材114と仕切部材116との間を架橋した状態)となる。こうして、インク滴によって開口部が塞がれた状態になるので、生じた負圧が空気の流れとなって逃げてしまう虞を回避できる。これにより、生じた負圧をインク滴に十分に作用させることが可能となり、インク滴をより確実に取り除くことが可能となる。
以上、本実施例の流体噴射装置をインクジェットプリンターを例にとって説明したが、本発明は上記すべての実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、本実施例では、キャリッジが左右に移動しながら印刷を行うプリンター(いわゆるシリアルプリンタ)を例に説明したが、本実施例のキャッピングユニットを、多数の噴射ヘッドが備えられたプリンター(いわゆるラインヘッドプリンター)に搭載するものとしてもよい。
10…インクジェットプリンター、 20…キャリッジ、 24…噴射ヘッド、
100…クリーニング機構、 110…キャッピングユニット、
112…キャッピングプレート、 114…キャップ部材、
116…仕切部材、 118…空気パイプ、 120…吸引ポンプ、
130…廃液タンク、 140…大気開放弁

Claims (2)

  1. 噴射ヘッドに設けられた噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、
    前記噴射ヘッドに当接して前記噴射口を取り囲む閉空間を形成する環状の第一環状部と、前記第一環状部の内側に該第一環状部より高さの低い環状の第二環状部と、を備えるキャップと、
    前記閉空間に負圧を印加することにより、前記噴射口から前記流体を吸い出す吸引ポンプと、
    前記閉空間を外部と連通させることにより、該閉空間の負圧を開放する負圧開放手段と、
    前記噴射ヘッドと前記キャップとを当接、離間させる移動機構と、
    前記第一環状部と前記第二環状部とによって形成される開口部に負圧を作用させる負圧作用手段と、
    を備え、
    前記キャップが前記噴射ヘッドに当接し、前記閉空間外部と連通された状態で、前記開口部に負圧を作用させる流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置であって、
    前記第二環状部の高さは、前記噴射ヘッドと前記キャップとが当接した状態において、前記噴射ヘッドに付着した前記液体と前記第二環状部とが接する高さである流体噴射装置。
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