JP2010179509A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射ヘッドとキャップとの境目に付着した流体を排除可能とする。
【解決手段】キャップ内の閉空間と流路抵抗を介して連通させた負圧保持空間をキャップの中に設けておく。そして、キャップ内の閉空間に負圧を印加して噴射ヘッドから流体を吸い出したら、キャップ内の閉空間に外気を取り込むことによって負圧を開放する。すると、負圧保持空間とキャップ内の閉空間との間には流路抵抗があるので、キャップ内の閉空間に外気が取り込まれても、負圧保持空間には外気が直ちには流入してこない。このため、流路抵抗の部分に負圧保持空間からの負圧が作用した状態となっている。そして、流路抵抗は側壁部材と噴射ヘッドとの当接面の近傍に設けられているので、当接面の近傍に付着した流体には、負圧が作用することとなり、付着した流体を負圧保持空間へと引き込んで取り除くことが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、噴射ヘッドから流体を噴射する技術に関する。
印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷するプリンター(いわゆるインクジェットプリンター)は、高品質の画像を簡便に印刷可能であることから、今日では、画像の出力手段として広く使用されている。また、この技術を応用して、インクの代わりに、適切な成分に調製した各種の流体(例えば、機能材料の微粒子が分散された液体や、ジェルなどの半流動体など)を、基板上に噴射すれば、電極や、センサ、バイオチップなど、各種の精密な部品を、簡便に製造することも可能と考えられる。
こうした技術では、流体を正確に噴射するために専用の噴射ヘッドが用いられているが、流体を正確に噴射するためには、噴射ヘッド内に導いた流体の性状(例えば、粘度)についても、適切な範囲内に保っておくことが必要である。このため、流体の性状が変化した際には、噴射ヘッドにキャップを装着し、吸引ポンプでキャップ内に負圧を印加することによって、噴射ヘッドから流体を吸い出して新しい流体に入れ替えるようになっている。また、流体を吸いだした後にキャップ内に流体が残っていると、キャップ内で流体が乾燥して固化したり、キャップを噴射ヘッドから外した際に流体が周囲に飛び散るなどの不都合が生じる。そこで、キャップ内に外気を取り込みながら吸引ポンプを駆動する動作(空吸引動作)を行うことにより、キャップ内に残った流体を排出する技術が用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2007−203562号公報
しかし、こうした空吸引動作では、キャップと噴射ヘッドの表面との間に流体が残ってしまい易く、その結果、残った流体がキャップを外した際に飛び散って周囲を汚してしまう等の不都合が生じる場合があるという問題があった。すなわち、キャップと噴射ヘッドの表面との間の隙間や、キャップと噴射ヘッドの表面とによって作られるカドに流体が入り込むと、流体は表面張力によって噴射ヘッドとキャップとの間に貼り付いてしまうので、空吸引動作を行っても流体が吸引されずにそのまま残ってしまう。その結果、残った流体がキャップを取り外した際に飛び散って周囲を汚す等の不都合が生じることがあった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、キャップと噴射ヘッドとの間に入り込んだ流体を効率よく排出可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の流体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、
噴射ヘッドの表面に設けられた噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、
底面部材と、該底面部材を取り囲んで立設された側壁部材とを有し、該側壁部材を前記噴射ヘッドに当接することによって、前記噴射口の周囲に閉空間を形成するキャップと、
前記キャップに接続されて該キャップ内の閉空間に負圧を印加することにより、前記噴射口から流体を吸引する吸引ポンプと、
前記キャップ内の閉空間を該キャップの外部と連通させることで、該キャップ内の閉空間の負圧を開放する負圧開放手段と
を備え、
前記キャップ内には、前記側壁部材と前記噴射ヘッドとの当接面の近傍で前記閉空間と流路抵抗を介して連通した負圧保持空間が形成されていることを要旨とする。
かかる本発明の流体噴射装置は、噴射ヘッドにキャップを装着し、吸引ポンプでキャップ内に負圧を印加することにより、噴射口からインクを吸引する。また、キャップ内に外気を取り込むことにより、キャップ内に印加された負圧を開放する。ここで、キャップの中には、キャップの側壁部材と噴射ヘッドとの当接面の近傍で流路抵抗を介してキャップ内の閉空間と連通された負圧保持空間が設けられている。
負圧保持空間は、流路抵抗を介してキャップ内の閉空間と連通しているため、キャップ内の閉空間に外気が取り込まれても、負圧保持空間には外気が直ちには流入してこない。このため、キャップ内に外気を取り込んでからしばらくの間は、流路抵抗の部分に負圧保持空間からの負圧が作用した状態となっている。そして、その流路抵抗は側壁部材と噴射ヘッドとの当接面の近傍に設けられているので、当接面の近傍に付着した流体には、負圧が作用することとなり、付着した流体を負圧保持空間へと引き込んで取り除くことが可能となる。
尚、噴射ヘッドと側壁部材との境目に付着した流体滴の一部分に負圧保持空間の負圧が作用すると、流体滴の表面張力によって、流体滴全体に負圧が及ぶ。従って、負圧保持空間と閉空間との間の流路抵抗は、噴射ヘッドと側壁部材との境目に設けられている必要は必ずしもなく、付着した流体滴の表面張力が及ぶ範囲内に設けられていればよい。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、負圧保持空間とキャップ内の閉空間との間に設けられた絞りの形態で、流路抵抗を構成するものとしてもよい。
流路抵抗は、流路を長く形成したり、流路の中にフィルター等の抵抗物を設ける等の種々の形態で構成することが可能であるが、絞りの形態で構成すれば、キャップの構成を複雑化することがない。また、長い流路を形成したり、フィルター等を設ける場合に比べて目詰まり等が生じ難いので、付着した流体に負圧保持空間の負圧をより確実に作用させることが可能となる。
尚、絞りは、キャップ内に外気を取り込んだ際に負圧保持空間の負圧が保持される程度の流路抵抗を有していればよく、必ずしも絞りと呼べるほど流路が狭められている必要はない。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、キャップ内に負圧が印加されると、側壁部材が変形することによって、負圧保持空間と閉空間との間の絞りを狭めるものとしてもよい。
こうすれば、キャップ内に負圧を印加することによって絞りが狭められた状態となるので、その後にキャップ内に外気を取り込んだ際には、負圧保持空間に外気がより流入し難い状態となる。このため、負圧保持空間により強い負圧を保持しておくことができ、その結果、付着したインク滴を強い負圧によってより確実に取り除くことが可能となる。
インクジェットプリンターを例にとって本実施例の流体噴射装置のおおまかな構成を示した説明図である。 クリーニング機構によってクリーニング動作が行われる様子を示した説明図である。 本実施例のキャッピングユニットの構成を示した説明図である。 噴射ヘッドとキャップ部材との間に付着したインクを効率よく排出する様子を概念的に示した説明図である。 キャップ部材に柔らかい部材を用いることによりキャップ部材がキャップ内に吸い込まれるようにした変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。 キャッピングプレートに柔らかい部材を用いた変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。 外側空間がキャップ内の一部分に設けられた変形例のキャッピングユニットを例示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.流体噴射装置の構成:
B.本実施例のキャッピングユニット:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
A.流体噴射装置の構成 :
図1は、インクジェットプリンターを例にとって本実施例の流体噴射装置の構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンター10は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うためのプラテンローラー40などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカートリッジ26や、インクカートリッジ26が装着されるキャリッジケース22、キャリッジケース22の底面側(印刷媒体2に向いた側)に搭載されてインクを噴射する噴射ヘッド24などが設けられている。こうした構成を用いて、インクジェットプリンター10は、プラテンローラー40によって紙送りを行うとともに、キャリッジ20を往復動しながら噴射ヘッド24よりインクを噴射することによって、印刷媒体2に画像を印刷する。
このようなインクジェットプリンターでは、高品質な画像を印刷するためにインクを正確に噴射することが重要であり、そのためには、噴射ヘッド24に導いたインクについても、粘度などの性状を適切な範囲に保っておくことが重要である。そこで、インクジェットプリンター10は、画像を印刷するための種々の構成に加えて、噴射ヘッド24内のインクの性状が悪化した場合にインクを排出する動作(クリーニング動作)を行うためのクリーニング機構100を備えている。クリーニング機構100は、図示されているように、プラテンローラー40が設けられた印刷範囲の隣に設けられており、キャッピングユニット110や、キャッピングユニット110に接続された吸引ポンプ120などから構成されている。
図2は、クリーニング機構100によってクリーニング動作が行われる様子を示した説明図である。図2(a)に示されている様に、クリーニング動作を行う際には、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24の表面に装着し、キャッピングユニット110に接続された吸引ポンプ120を駆動させる。吸引ポンプ120を駆動させると、キャッピングユニット110内の空間に負圧が印加されるので、噴射ヘッド24から性状が劣化したインクを吸い出して新しいインクに入れ替えることができる。吸い出したインクは廃液タンク130へと排出され、廃液タンク130内の吸収材に吸収された後に蒸発して処理される。
インクを吸い出した後は、再び印刷を行うために、キャッピングユニット110を噴射ヘッド24から取り外す。ここで、噴射ヘッド24からインクを吸い出した直後は、キャッピングユニット110内にインクが入っているので、キャッピングユニット110をそのまま取り外してしまうと、中のインクが飛び散って周囲を汚してしまう等の不都合が生じることがある。そこで、キャッピングユニット110を取り外す前に、図2(b)に示されている様に、大気開放弁140を開けてキャッピングユニット110内に空気を取り込みながら吸引ポンプ120を駆動する動作(空吸引動作)を行う。こうすると、キャッピングユニット110内の負圧が開放されることによって噴射ヘッド24からのインクの吸い出しが止まるとともに、キャッピングユニット110の中に溜まったインクを吸い出して廃液タンク130へと排出することが可能となる。
もっとも、キャッピングユニットと噴射ヘッドとの間の隙間や、キャッピングユニットと噴射ヘッドの表面との境目の部分は、インクが表面張力によって貼り付きやすいため、空吸引動作を行ってもインクが排出されずに残ってしまう場合がある。こうした場合、残ったインクがキャップを外した際に飛び散って周囲を汚してしまったり、あるいは、残ったインクが乾燥して固着してしまう等の不都合を生じることがある。そこで、本実施例のインクジェットプリンター10は、次の様な構造のキャッピングユニット110を採用することにより、キャップと噴射ヘッドとの間に張り付いたインク滴を空吸引動作の際に効率よく排出可能としている。
B.本実施例のキャッピングユニット :
図3は、本実施例のキャッピングユニットの構成を示した説明図である。図3(a)に示されている様に、本実施例のキャッピングユニット110は、土台となるキャッピングプレート112の上にゴム製のキャップ部材114が立設されており、また、キャップ部材114の内側には仕切部材116が設けられている。この仕切部材116とキャップ部材114との間には隙間が設けられており、また、仕切部材116とキャッピングプレート112との間にも隙間が形成されている。
図3(b)には、本実施例のキャッピングユニット110を噴射ヘッド24に装着した様子が示されている。前述した様に、仕切部材116はキャップ部材114およびキャッピングプレート112から離して設けられているので、キャッピングユニット110の中には、仕切部材116の内側の空間(内側空間)と、仕切部材116の外側の空間(外側空間)とが形成された状態となっている。更に、仕切部材116は、キャッピングプレート112からの高さがキャップ部材114よりも僅かに低く形成されており、噴射ヘッド24の表面との間に狭い隙間が形成されるようになっているため、この隙間を介して外側空間と内側空間とが連通するようになっている。そして、大気開放弁140(図2を参照)に接続された空気パイプ118は、キャッピングプレート112の底から仕切部材116を通って内側空間の中で開口しており、大気開放弁140を開くことによって、内側空間内に空気を取り込むことが可能となっている。こうした構成を採用することにより、本実施例のキャッピングユニット110では、キャップ部材114と噴射ヘッド24との間に付着したインクを、空吸引動作の際に効率よく排出することが可能となっている。この点について、次の図4を参照しながら説明する。
図4は、噴射ヘッドとキャップ部材との間に付着したインクを効率よく排出する様子を概念的に示した説明図である。図4(a)には、空吸引動作を開始した後のキャップ内の様子が示されている。尚、前述した様に、キャップ内の空間は吸引ポンプ120によって吸引されているので、空吸引動作を開始する直前の状態では、内側空間および外側空間に負圧が印加された状態となっている。また、空吸引動作を開始すると、空気パイプ118を介してキャップ内に外気が流入するとともに、キャップ内に貯まったインクが吸引ポンプ120によって吸い出され、その結果、キャップ内のインクの液面が低下していく。
大気開放弁140を開けて空吸引動作を開始すると、内側空間の負圧が開放されていく。一方、外側空間は、キャップ部材114の上端部(噴射ヘッド24と当接している端部)の内側に形成された流路を介して内側空間と連通しているが、この流路には流路抵抗が存在するので、内側空間に外気が流入しても外側空間には外気がすぐには入ってこない。このため外側空間の負圧は内側空間よりも遅れて開放されていく。換言すれば、内側空間の負圧が開放された後でも、外側空間にはまだ負圧が残った状態となっている。その結果、図中に白抜きの矢印で示した様に、付着しているインク滴(図中に細かいハッチングを付して示した部分を参照)に対して、負圧が残った外側空間へと吸い込む力が働くので、付着したインク滴を外側空間へと引き込んで取り除くことが可能となる(図4(b)を参照)。
尚、外側空間にインク滴を引き込むと(図4(b)を参照)、今度は、インクの下側の空間(図中に荒いハッチングを付した空間)が、上側の空間よりも遅れて負圧が解放されるので、インク滴を外側空間に吸い込んだ後も、インクには下向きに吸い込まれる力が働き続ける(図中に白抜きで示した矢印を参照)。このため、付着していたインクを外側空間の中に十分に引き込んで、より確実に取り除くことが可能となる。
上述した説明では、付着したインク滴によって外側空間と内側空間とを連通する流路が閉塞されているものとして説明した(図4(a)を参照)。しかし、外側空間と内側空間との間の流路がインク滴によって閉塞されていない場合でも同様のことが起こり得る。例えば、付着したインク滴が小さい場合、インク滴と仕切部材との間に隙間が生じるので、内側空間と外側空間との圧力の差が隙間を通る空気の流れとなって逃げてしまい、インク滴に及ぼす圧力が減ってしまう虞がある。しかし、このような場合でも内側空間から外側空間に向かう空気の流れが生じると、その空気の流れに乗ってインク滴が移動していくので、インク滴を外側空間へと移動させることができる。このため、たとえ外側空間と内側空間との間の流路がインク滴によって閉塞されていない場合でも、インク滴を外側空間へ引き込んで取り除くことが可能となる。
以上に説明した様に、本実施例のキャッピングユニットでは、キャップ内の空間が内側空間と外側空間とに分かれており、内側空間と外側空間との間の流路は、ある程度の流路抵抗を有している。このため、外側空間は内側空間よりも遅れて負圧が開放されるようになっており、その結果、外側空間に残った負圧によって、内側空間から外側空間に向かう圧力が生じるようになっている。そして、内側空間と外側空間とは、キャップ部材が噴射ヘッドに当接している箇所の近傍で連通しているので、生じた圧力をキャップ部材と噴射ヘッドとの間に付着したインクに作用させることが可能となっている。その結果、キャップ部材と噴射ヘッドとの間に付着したインクを外側空間へと吸い込んで取り除くことが可能となっている。
尚、流路が狭くなれば、流路抵抗が大きくなり外側空間の負圧を長い間保持しておくことが可能となる。その結果、キャップ部材と噴射ヘッドとの間に付着したインクに十分な期間に亘って力を及ぼして確実にインク滴を吸い込むことが可能となる。また、キャッピングユニットを噴射ヘッドから取り外すと、仕切部材と噴射ヘッドとが離れるので、仕切部材と噴射ヘッドとの間の流路が狭く形成されている場合であっても、目詰まり等の不都合が生じる虞がない。
また、本実施例のキャッピングユニットでは、仕切部材に気体が透過し難い部材(例えば、金属)を用いるものとしてもよい。一般にインクジェットプリンターでは、噴射ヘッドに密着させる都合から、キャップ部材はゴムなどの柔らかい部材を用いて形成されている。しかし、仕切部材は噴射ヘッドの表面から離して設けられているので(図3(b)を参照)、ゴムなどの柔らかい部材を用いる必要がなく、金属等の部材を用いることも可能である。したがって、仕切り部材に金属等の気体が透過し難い部材を用いることにより、気体の透過を防いで噴射口内のインクの性状をより長期間に渡って適切に保つことが可能となる。
C.変形例 :
上述した実施例には、いくつかの変形例が考えられる。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
C−1.第1変形例 :
図5は、キャップ部材に弾性を有する部材を用いることにより、キャップ部材がキャップ内に吸い込まれるようにした変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。図5(a)に示されている様に、変形例のキャッピングユニット110では、吸引ポンプ120を駆動してキャップ内に負圧を印加すると、キャップ部材114がキャップ内に吸い込まれていく。これにより、キャップ部材114と仕切部材116とがほぼ接触した状態となり(図5(a)に黒色の矢印で示した部分を参照)、キャップ部材114と噴射ヘッド24との当接部の近傍に形成された流路が狭められる。その結果、外側空間と内側空間とがほとんど遮断された状態となる。
一方、キャップ内に空気を取り込んだ際には、キャップ内の負圧が開放されるのに伴ってキャップ部材114が元の形状に戻っていくので、それにとともに、外側空間と内側空間との境界の流路が開いていく(図5(b)を参照)。このように、変形例のキャッピングユニット110では、キャップ部材114が元の形状に戻るのに合わせて流路が閉じた状態から徐々に開いていくので、外側空間の負圧の開放をより遅らせることが可能となっている。このため、外側空間により強い負圧を残すことが可能となり、その結果、付着したインク滴を強い力で吸い込んでより確実に取り除くことが可能となる。
更に、図5(b)に示されている様に、キャップ内の負圧が開放されてキャップ部材114が元の形状に戻っていくと(図中の白抜きの矢印を参照)、キャップ部材114に貼り付いたインク滴もキャップ部材114につられてキャップの外側へと移動していく。こうしてインク滴をキャップ部材114の復元力によって外側空間へと導いておけば、インク滴に圧力が作用した際に、インク滴が外側空間に吸い込まれずに他の部分に付着してしまう虞を回避することも可能となる。
また、変形例のキャッピングユニットでは、キャップ部材114と仕切部材116との間をインク滴で塞ぐことができるので、内側空間と外側空間との間に生じた圧力が空気の流れとなって逃げてしまう虞を回避して、生じた圧力をインク滴に十分に作用させることが可能となっている。すなわち、キャップ部材114と仕切部材116との接触点に着目すると(図5(a)に黒色の矢印で示した部分を参照)、この部分では、インク滴が表面張力によってキャップ部材114と仕切部材116との両方に貼り付いた状態となっている。このため、キャップ部材114が仕切部材116から離れていく際は、インク滴がキャップ部材114および仕切部材116の両方に貼り付いた状態のままで、キャップ部材114と仕切部材116とが離れていき、その結果、インク滴がキャップ部材114と仕切部材116との間を跨いで付着した状態(インク滴がキャップ部材114と仕切部材116との間を架橋した状態)となる。すると、インク滴によって内側空間から外側空間への空気の流入が妨げられるので、内側空間と外側空間との間に生じた圧力が空気の流れとなって逃げてしまう虞を回避できる。これにより、生じた圧力をインク滴に十分に作用させることが可能となり、その結果、インク滴をより確実に取り除くことが可能となる。
また、変形例のキャッピングユニットでは、キャップ部材114が仕切部材116の上にせり出していることから、付着したインク滴を、より強い圧力が働く箇所に位置させておくことが可能となっている。すなわち、キャップ部材114が仕切部材116の上にせり出しているため、キャップ部材114と噴射ヘッド24との間にインクが付着した際には、付着したインクが仕切部材116の上端部の隙間に位置する。この部分は、内側空間から外側空間へ向かう流路が狭く絞られている箇所なので、生じる圧力が特に強く、また、流路が折れ曲がっておらず、ほぼ真っ直ぐになっているので、空気の流れが生じた際に空気の勢いが特に強い。このため、この箇所に付着したインクを位置させておくことにより、インク滴に強い力を作用させてインク滴を確実に取り除くことが可能となる。
尚、仕切部材116には、変形し難い部材を用いるものとしてもよい。前述した様に、仕切部材116は噴射ヘッド24に当接しないので、硬い部材を用いて形成しておくことが可能である。こうすれば、仕切部材116はキャップ内の負圧によって内側に倒れ込んでしまうことがないので、キャップ部材114と仕切部材116とをより確実に当接させることが可能となる。
C−2.第2変形例 :
図6は、キャッピングプレートに柔らかい部材を用いた変形例のキャッピングユニットを示した説明図である。図6(a)に示されている様に、変形例のキャッピングユニットでは、キャップ内を負圧にした際に、外側空間の負圧によってキャッピングプレート112がキャップ中に引き込まれるように変形する。そして、キャップ内に空気を取り込んで負圧を開放すると、内側空間から外側空間に空気が流入して外側空間の負圧が弱まっていくのに伴って、キャッピングプレート112が元の形状に戻っていく(図6(b)を参照)。
ここで、外側空間の負圧が弱まっていく際には、キャッピングプレート112が元の形状に戻っていくのに伴って、外側空間の体積が増加していく。すると、体積が増加した分だけ外側空間の圧力が低下するので、この圧力の低下によって負圧の弱まった分を打ち消すことができる。このように、変形例のキャッピングユニット110では、キャッピングプレート112を変形させることによって、外側空間の負圧の弱まりを打ち消すことが可能となっており、その結果、外側空間に強い負圧を残して、インク滴をより確実に取り除くことが可能となっている。
C−3.第3変形例 :
前述した実施例では、キャップの内側全体に仕切部材が設けられており、外側空間がキャップの内側全体に設けられているものとして説明した(図3を参照)。しかし、外側空間は、キャップ部材と噴射ヘッドとが当接する部分の近傍で内側空間と連通するように設けられていればよく、必ずしもキャップの内側全体に設けられている必要はない。
図7は、外側空間がキャップ内の一部分に設けられた変形例のキャッピングユニットを例示した説明図である。図7(a)に示されている例では、仕切部材116がキャップ部材114の内側に立設されており、この仕切部材116とキャップ部材114との間に外側空間が形成されるようになっている。図7(b)には、変形例のキャッピングユニット110を噴射ヘッド24の表面に装着した様子が示されている。図示されている様に、変形例のキャッピングユニット110においても、前述した実施例のキャッピングユニットと同様に、キャップ部材114と噴射ヘッド24とが当接した箇所の近傍(キャップ部材114の上端部の内側)で、外側空間と内側空間とが連通している。このため、大気開放弁140を開けて空気を取り込んで内側空間から外側空間へ向かう圧力を生じさることにより、噴射ヘッド24とキャップ部材114との間に付着したインク滴に圧力を作用させて、インク滴を外側空間へと吸い込んで取り除くことが可能となっている。
また、変形例のキャッピングユニットでは、キャップ部材114の内側だけに外側空間を設ければよいので、キャッピングユニットの構成をより簡素に保つことも可能となっている。これに対して、前述した実施例のキャッピングユニットでは(図3を参照)、外側空間の体積が大きいため、外側空間に空気が流入した際に負圧が開放され難く、強い負圧を残すことができる。このため、付着したインク滴を外側空間に強く引き込むことが可能となっている。
以上、本実施例のインクジェットプリンターについて説明したが、本発明は上記すべての実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、本実施例では、キャリッジが左右に移動しながら印刷を行う、いわゆるシリアルプリンターを例に説明したが、本実施例のキャッピングユニットを、多数の噴射ヘッドが備えられた、いわゆるラインヘッドプリンターに搭載するものとしてもよい。
10…インクジェットプリンター、 20…キャリッジ、 24…噴射ヘッド、
100…クリーニング機構、 110…キャッピングユニット、
112…キャッピングプレート、 114…キャップ部材、
116…仕切部材、 118…空気パイプ、 120…吸引ポンプ、
130…廃液タンク、 140…大気開放弁

Claims (3)

  1. 噴射ヘッドの表面に設けられた噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、
    底面部材と、該底面部材を取り囲んで立設された側壁部材とを有し、該側壁部材を前記噴射ヘッドに当接することによって、前記噴射口の周囲に閉空間を形成するキャップと、
    前記キャップに接続されて該キャップ内の閉空間に負圧を印加することにより、前記噴射口から流体を吸引する吸引ポンプと、
    前記キャップ内の閉空間を該キャップの外部と連通させることで、該キャップ内の閉空間の負圧を開放する負圧開放手段と
    を備え、
    前記キャップ内には、前記側壁部材と前記噴射ヘッドとの当接面の近傍で前記閉空間と流路抵抗を介して連通した負圧保持空間が形成されている流体噴射装置。
  2. 前記流路抵抗は絞りである請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 請求項2に記載の流体噴射装置であって、
    前記側壁部材は、前記キャップ内に負圧が印加されると、前記絞りを狭める方向に変形する部材である流体噴射装置。
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