JP5308407B2 - 増幅回路 - Google Patents
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Description
この増幅回路400は、適応バイアス発生部410によって電力増幅部420にバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部420は、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ドレインにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。
そして、適応バイアス発生部410のNMOSトランジスタM1のソースからの出力がNMOSトランジスタM2のゲートに印加されるようにして電力増幅部420にバイアスが供給される。
図5(a)は、電力増幅部420へのRF入力信号の振幅が小さい時のRF入力電圧V(RFIN)と131のNMOSトランジスタM1に発生する電流Iadpとの関係を示す図である。
図5(b)は、電力増幅部420へのRF入力信号の振幅が大きい時のRF入力電圧V(RFIN)と適応バイアス発生部410のNMOSトランジスタM1に発生する電流Iadpとの関係を示す図である。
Vgs(M1)=Vg−V(RFIN)>Vth(M1)
が成立する瞬間が生じる。そして、その瞬間だけNMOSトランジスタM1がオンとなり、電流Iadpが流れる。そのため、流れた電流Iadpに相当する電荷分だけ、電力増幅部420のNMOSトランジスタM2のゲートの電位が上昇し、NMOSトランジスタM2のゲート−ソース電圧Vgs(M2)が高くなる。
このように、図4の増幅回路400は、適応バイアス発生部410のNMOSトランジスタM1及び抵抗R2から成るMOSダイオードがオンであるときに、即ち、RF入力信号の振幅が大きいときのみ、電力増幅部420に流れる電流を増やす。従って、この電力増幅回路400は、低雑音(低歪)であり、且つ、電力効率に優れる。また、適応バイアス発生部410を構成する素子は、電力増幅部420を構成する素子と同一仕様の素子(MOSトランジスタ)によって形成されるため、プロセスの変動による特性のばらつきを生ぜず、従って、その影響を受けない。
本発明は、このような未解決の課題に鑑みてなされたものであり、電力増幅器のNMOSトランジスタとバイアス部のNMOSトランジスタとの温度差によって生じる特性の差分を補正し、広い温度範囲で一定の仕様を満たす特性が得られる増幅回路を提供することをその目的とする。
(1)電力増幅部と、
前記電力増幅部に適応バイアス電流を供給する適応バイアス発生部と、
固定バイアス電流を生成する固定バイアス発生部と、を含んで構成され、
前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給される第1抵抗素子と、ゲートが前記第1抵抗素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続される第2抵抗素子と、を備え、前記第1MOSトランジスタのソースから入力信号に応じて連続的に変化する前記適応バイアス電流を発生する増幅回路であって、
前記電力増幅部は、ゲートに前記入力信号および前記適応バイアス電流が供給され、ドレインに負荷抵抗が接続されると共に前記ドレインから出力信号を出力する第2MOSトランジスタを有し、
前記適応バイアス発生部は、前記第1MOSトランジスタおよび第2MOSトランジスタの温度差によって生じる閾値の差分を補正するように前記第1抵抗素子に流れる電流を補正する電流制御部を備え、
前記固定バイアス発生部は、前記第2MOSトランジスタのゲートに供給される固定バイアス電流を生成し、
前記電流制御部は、前記第1抵抗素子の両端の電位差と所定の設定値とを比較する電圧比較器を備え、前記電圧比較器における比較結果に基づいて前記第1抵抗素子に流れる電流を補正することを特徴とする増幅回路。
上記(1)の増幅回路では、電流制御部によって第1抵抗素子に流れる電流を補正することにより適応バイアス電流を調節することができ、結果的に電力増幅部のMOSトランジスタが線形性を維持できるバイアス条件で動作可能になる。
また、上記の増幅回路では、前記電力増幅部の第2MOSトランジスタが、そのゲートに供給された入力信号に応じて負荷抵抗を通してドレイン電流を流し、前記ドレインから出力信号を出力する。
さらに、上記の増幅回路では、固定バイアス発生部が前記第2MOSトランジスタのゲートに供給される固定バイアス電流を生成する。
上記(2)の増幅回路では、(1)の増幅回路において特に、電圧発生器により、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第1MOSトランジスタのバルク電圧を制御することができ、結果的に電力増幅部のMOSトランジスタが線形性を維持できるバイアス条件で動作可能になる。
上記(3)の増幅回路では、(1)の増幅回路において特に、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第1抵抗素子の一端に供給される電圧の値を制御することによって、結果的に電力増幅部のMOSトランジスタが線形性を維持できるバイアス条件で動作可能になる。
上記(4)の増幅回路では、(1)の増幅回路において特に、抵抗制御部により、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第2抵抗素子の抵抗値を制御することによって、結果的に電力増幅部のMOSトランジスタが線形性を維持できるバイアス条件で動作可能になる。
上記(5)の増幅回路では、(1)乃至(4)の何れかの増幅回路において特に、DC阻止容量素子によって前記第2MOSトランジスタのゲートに印加する前記入力信号のDC成分が阻止されるため、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性を得ることができる。
上記(6)の増幅回路では、(1)乃至(5)の何れか一の増幅回路において特に、前記固定バイアス発生部は、ドレインにバイアス電流源からの電流が供給されゲートが前記ドレインと接続される第3MOSトランジスタのゲートから、バイアス用インダクタを通して前記第2MOSトランジスタのゲートにバイアス電流を供給する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一つの実施の形態としての増幅回路の構成を表す回路図である。
図1の増幅回路100は、適応バイアス発生部110によって電力増幅部120にバイアスを供給する構成に加えて、固定バイアス発生部130からもバイアスを供給するように構成されている。
電圧比較器111は、抵抗R1の両端の電位Vg、V1(両電位の差分)を測定している、即ち、抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定していることになる。
以上のような構成において、適応バイアス発生部110は、次の表1に示す既定の制御規則に従って電流Iadjを流すことができる。この場合、両NMOSトランジスタM2−M1間の特性差および線形性に関する要求値は全て設定電圧VCNTに反映される。
このように、MOSダイオードの構成要素である抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定することによって、発熱による代表的なMOSトランジスタの特性変動パラメータである閾値Vthを制御している。
次に、図2を参照して本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態としての増幅回路の構成を表す回路図である。
この増幅回路200は、適応バイアス発生部210によって電力増幅部220にバイアスを供給する構成に加えて、固定バイアス発生部230からもバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部220は、図1の第1の実施の形態における電力増幅部120と同様に、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ソースにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。また、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性を得るために、RF入力端子RFINは、DC阻止用の容量素子CINを介してNMOSトランジスタM2のゲートに接続されている点も図1と同様である。
電圧比較器211は、抵抗R1の両端の電位Vg、V1(両電位の差分)を測定している、即ち、抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定していることになる。
また、適応バイアス発生部210は、次の表2に示すような既定の制御規則に従って電流Iadjを流すことができる。この場合、両NMOSトランジスタM2−M1間の特性差および線形性に関する要求値は全て設定電圧VCNTに反映される。
このように、MOSダイオードを構成する抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定することによって、発熱によって変動するMOSトランジスタのゲート電位を制御している。
増幅器は、第1の実施形態と同様に、さらに、バイアス電流源Ibias、バイアス用インダクタL3、及び、NMOSトランジスタM3、から成る固定バイアス発生部を有する。
次に、図3を参照して本発明に係る第3の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の第3の実施の形態としての増幅回路の構成を表す回路図である。
この増幅回路300は、適応バイアス発生部310によって電力増幅部320にバイアスを供給する構成に加えて、固定バイアス発生部330からもバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部320は、図1の第1の実施の形態における電力増幅部120と同様に、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ソースにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。また、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性を得るために、RF入力端子RFINは、DC阻止用の容量素子CINを介してNMOSトランジスタM2のゲートに接続されている点も図1と同様である。
電圧比較器311は、抵抗素子R1の両端の電位Vg、V1を測定している、すなわち、抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定していることになる。
また、適応バイアス発生部301は、次の表3に示すような既定の制御規則に従って電流Iadjを流すことができる。この場合、両NMOSトランジスタM2−M1間の特性差および線形性に関する要求値は全て設定電圧VCNTに反映される。
このように、MOSダイオードを構成する抵抗素子R1に流れる電流Iapdそのものを測定することによって、可変抵抗R20の抵抗値を制御している。即ち、NMOSトランジスタM1、M2の温度差によって生じる差分を補正し、所望の適応バイアス電流を電力増幅器に供給することができる。
増幅器は、第1及び第2の実施形態と同様に、さらに、バイアス電流源Ibias、バイアス用インダクタL3、及び、NMOSトランジスタM3、から成る固定バイアス発生部を有する。
Claims (6)
- 電力増幅部と、
前記電力増幅部に適応バイアス電流を供給する適応バイアス発生部と、
固定バイアス電流を生成する固定バイアス発生部と、を含んで構成され、
前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給される第1抵抗素子と、ゲートが前記第1抵抗素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続される第2抵抗素子と、を備え、前記第1MOSトランジスタのソースから入力信号に応じて連続的に変化する前記適応バイアス電流を発生する増幅回路であって、
前記電力増幅部は、ゲートに前記入力信号および前記適応バイアス電流が供給され、ドレインに負荷抵抗が接続されると共に前記ドレインから出力信号を出力する第2MOSトランジスタを有し、
前記適応バイアス発生部は、前記第1MOSトランジスタおよび第2MOSトランジスタの温度差によって生じる閾値の差分を補正するように前記第1抵抗素子に流れる電流を補正する電流制御部を備え、
前記固定バイアス発生部は、前記第2MOSトランジスタのゲートに供給される固定バイアス電流を生成し、
前記電流制御部は、前記第1抵抗素子の両端の電位差と所定の設定値とを比較する電圧比較器を備え、前記電圧比較器における比較結果に基づいて前記第1抵抗素子に流れる電流を補正することを特徴とする増幅回路。 - 前記電流制御部は、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第1MOSトランジスタのバルク電圧を制御するための電圧信号を生成する電圧発生器を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
- 前記電流制御部は、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第1抵抗素子の一端に供給される電圧の値を制御することを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
- 前記電流制御部は、前記電圧比較器における前記比較結果に基づいて前記第2抵抗素子の抵抗値を制御する抵抗制御部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
- 前記入力信号を前記第2MOSトランジスタのゲートに印加する前記入力信号のDC成分を阻止するDC阻止容量素子を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の増幅回路。
- 前記固定バイアス発生部は、バイアス電流源と、ドレインに前記バイアス電流源からの電流が供給されゲートが前記ドレインと接続される第3MOSトランジスタと、前記第3MOSトランジスタのゲートに接続されバイアス電流を前記第2MOSトランジスタのゲートに供給するバイアス用インダクタと、を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の増幅回路。
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