JP5351849B2 - 増幅回路 - Google Patents

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Description

本発明は、低雑音であり且つ直線性にも優れた増幅回路に関する。
図14は、直線性に優れた増幅回路として提案された従来の増幅回路140の回路図である(例えば非特許文献参照)。
この増幅回路140は、適応バイアス発生部141によって電力増幅部142にバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部142は、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ドレインにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。
適応バイアス発生部141は、NMOSトランジスタM1のゲートと適応バイアス入力端子Gとの間に抵抗R1が接続され、NMOSトランジスタM1のドレインとゲートとの間が抵抗R2を介してダイオード接続されて構成されている。
そして、適応バイアス発生部141のNMOSトランジスタM1のソースからの出力がNMOSトランジスタM2のゲートに印加されるようにして電力増幅部142にバイアスが供給される。
図14のような回路では、適応バイアス発生部141における適応バイアス入力端子Gの電位をVgとすると、消費電流および線形性の観点からVgはクラスCバイアスされることが望ましい。即ち、Vg>V(RFIN)+Vth(M1)に設定されることが理想的である。ここで、V(RFIN)はRF入力端子RFINにおけるRF入力信号の電圧であり、Vth(M1)はNMOSトランジスタM1の閾値電圧である。
次に、図15を用いて従来の増幅回路140の回路の動作を説明する。図15は、図14の回路の動作を説明するための図である。
図15(a)は、電力増幅部142へのRF入力信号の振幅が小さい時のRF入力電圧V(RFIN)と適応バイアス発生部131のNMOSトランジスタM1に発生する電流Iadpとの関係を示す図である。
図15(a)において、VAVE(RFIN)はRF入力電圧の平均値である。この図におけるように、電力増幅部142へのRF入力信号の振幅が小さい時は、適応バイアス発生部141のNMOSトランジスタM1及び抵抗R2から成るMOSダイオードは、クラスCバイアスされている為、オフ状態が保持される。従って電流Iadpは流れない。
図15(b)は、電力増幅部142へのRF入力信号の振幅が大きい時のRF入力電圧V(RFIN)と適応バイアス発生部141のNMOSトランジスタM1に発生する電流Iadpとの関係を示す図である。
図15(b)に示すように、電力増幅部142へのRF入力信号が大きい時は、適応バイアス発生部141の入力端子Gの電位Vgが低い方に引っ張られる瞬間が発生する。即ち、適応バイアス発生部141のNMOSトランジスタM1のゲート−ソース電圧をVgs(M1)とすると、
Vgs(M1)=Vg−V(RFIN)>Vth(M1)
が成立する瞬間が生じる。そして、その瞬間だけNMOSトランジスタM1がオンとなり、電流Iadpが流れる。そのため、流れた電流Iadpに相当する電荷分だけ、電力増幅部142のNMOSトランジスタM2のゲートの電位が上昇し、NMOSトランジスタM2のゲート−ソース電圧Vgs(M2)が高くなる。
ここで、NMOSトランジスタM2の閾値電圧をVth(M2)とすると、Vgs(M2)−Vth(M2)が高ければ、MOSトランジスタの線形性は高くなる。従って、図14に示された構成によれば、NMOSトランジスタM2の線形性が向上し、結果的に、図14の増幅回路140の線形性が向上することになる。
このように、図14の増幅回路140は、適応バイアス発生部141のNMOSトランジスタM1及び抵抗R2から成るMOSダイオードがオンであるときに、即ち、RF入力信号の振幅が大きいときのみ、電力増幅部142に流れる電流を増やす。従って、この電力増幅回路140は、低雑音(低歪)であり、且つ、電力効率に優れる。また、適応バイアス発生部141を構成する素子は、電力増幅部142を構成する素子と同一仕様の素子(MOSトランジスタ)によって形成されるため、プロセスの変動による特性のばらつきを生ぜず、従って、その影響を受けない。
図14を参照して説明した適応バイアス発生部141は、いわゆるプリディストータとして機能する。適応バイアス発生部141の歪み特性は、電力増幅部142の歪み特性と逆位相の歪み特性を有するため、電力増幅部142に上述の適応バイアス発生部141を付加することによって増幅回路140全体での歪み特性が改善される。
IEEE Microwaves & Wireless Component Letters(MWCL) 2003 "A 0.25um 20dBm 2.4GHz CMOS Power Amplifier with an Integrated Diode Linearizer" Chemg-Chi Yen, Huey-Ru Chuang.
しかしながら、適応バイアス発生部141への入力電流Iadpは、抵抗R1と、抵抗R2及びNMOSトランジスタM1からなるMOSダイオードとを通過して電力増幅部142のNMOSトランジスタM2のゲートに印加されるので、バイアス電流自体が大きな熱雑音を含むため、増幅回路140全体でのSNRが不十分であるという問題を残す。
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、直線性に優れ且つ低雑音である増幅回路を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するべく、ここに、以下に列記するような技術を提案する。
(1)第2のMOSトランジスタ(M2)を用いた電力増幅部(102)と、電力増幅部(102)にバイアスを供給する適応バイアス発生部(101)と、前記第2のMOSトランジスタ(M2)のゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部(103)とで構成された増幅回路(100)において
前記適応バイアス発生部(101)は、一端に所定電圧が供給されるインダクタ素子(L1)と、ゲートが前記インダクタ素子(L1)の他端に接続される第1MOSトランジスタ(M1)と、一端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のドレインに接続される抵抗素子(R2)と、抵抗素子(R2)に並列接続される容量素子(C2)とを備え、
前記第1MOSトランジスタ(M1)のソースからバイアス電流を発生し、前記インダクタ素子(L1)は、第1のインダクタ(L1)と、該第1のインダクタ(L1)の両端に接続される第1の容量(C1A)及び第2の容量(C1B)とを有するπ型フィルタ構造を備え、前記電力増幅部(102)への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部(101)が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部(102)に供給することにより優れた線形性が得られ、前記π型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
上記(1)の増幅回路では、前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することによって、線形性に優れた特性が実現されるとともに、特定帯域のノイズを低減したり、バイアスの帯域を制限することによりノイズを低減したりすることができる増幅回路が実現される
(2)第2のMOSトランジスタ(M2)を用いた電力増幅部(802)と、電力増幅部(802)にバイアスを供給する適応バイアス発生部(801)と、前記第2のMOSトランジスタ(M2)のゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部(803)とで構成された増幅回路(800)において
前記適応バイアス発生部(801)は、一端に所定電圧が供給される抵抗素子(R1)と、ゲートが前記抵抗素子(R1)の他端に接続される第1MOSトランジスタ(M1)と、一端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のドレインに接続されるインダクタ素子(L2)と、前記抵抗素子(R1)に並列接続される容量素子(C1)とを備え、
前記第1MOSトランジスタ(M1)のソースからバイアス電流を発生し、前記インダクタ素子(L2)は、第1のインダクタ(L1)と、該第1インダクタ(L1)の両端に接続される第1の容量(C1A)及び第2の容量(C1B)とを有するπ型フィルタ構造を備え、前記電力増幅部(802)への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部(801)が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部(802)に供給することにより優れた線形性が得られ、前記π型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
上記(2)の増幅回路では、前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することによって、線形性に優れた特性を得るとともに、特定帯域のノイズを低減したり、バイアスの帯域を制限することによりノイズを低減したりすることができる増幅回路が実現される
(3)第2のMOSトランジスタ(M2)を用いた電力増幅部(102)と、電力増幅部(102)にバイアスを供給する適応バイアス発生部(101)と、前記第2のMOSトランジスタ(M2)のゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部(103)とで構成された増幅回路(100)において
前記適応バイアス発生部(101)は、一端に所定電圧が供給されるインダクタ素子(L1)と、ゲートが前記インダクタ素子(L1)の他端に接続される第1MOSトランジスタ(M1)と、一端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のドレインに接続される抵抗素子(R2)と、抵抗素子(R2)に並列接続される容量素子(C2)とを備え、
前記第1MOSトランジスタ(M1)のソースからバイアス電流を発生し、
前記インダクタ素子(L1)は、直列接続される第1のインダクタ(L1A)及び第2のインダクタ(L1B)と、該第1及び第2のインダクタ(L1A,L1B)の接続点に接続される第1の容量(C1)とを有するT型フィルタ構造を備え、
前記電力増幅部(102)への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部(101)が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部(102)に供給することにより優れた線形性が得られ、前記T型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
上記(3)の増幅回路では、前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することによって、線形性に優れた特性が実現されるとともに、特定帯域のノイズを低減したり、バイアスの帯域を制限することによりノイズを低減したりすることができる増幅回路が実現される。
(4)第2のMOSトランジスタ(M2)を用いた電力増幅部(802)と、電力増幅部(802)にバイアスを供給する適応バイアス発生部(801)と、前記第2のMOSトランジスタ(M2)のゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部(803)とで構成された増幅回路(800)において
前記適応バイアス発生部(801)は、一端に所定電圧が供給される抵抗素子(R1)と、ゲートが前記抵抗素子(R1)の他端に接続される第1MOSトランジスタ(M1)と、一端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタ(M1)のドレインに接続されるインダクタ素子(L1)と、前記抵抗素子(R1)に並列接続される容量素子(C1)とを備え、
前記第1MOSトランジスタ(M1)のソースからバイアス電流を発生し、前記インダクタ素子(L2)は、直列接続される第1のインダクタ(L1A)及び第2のインダクタ(L1B)と、該第1及び第2のインダクタ(L1A,L1B)の接続点に接続される第1の容量(C1)とを有するT型フィルタ構造を備え、
前記電力増幅部(802)への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部(801)が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部(802)に供給することにより優れた線形性が得られ、前記T型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
上記(4)の増幅回路では、前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することによって、線形性に優れた特性を得るとともに、特定帯域のノイズを低減したり、バイアスの帯域を制限することによりノイズを低減したりすることができる増幅回路が実現される。
(5)前記所定電圧は固定であり、前記インダクタ素子のインダクタンス値、前記抵抗素子の抵抗値、前記容量素子の容量値、および、前記第1のMOSトランジスタのW/L値のうちの少なくとも1つが可変であることを特徴とする請求項(1)乃至(4)のいずれかに記載の増幅回路。
上記(5)の増幅回路では、(1)乃至(4)のいずれかの増幅回路において特に、前記所定電圧は固定であり、前記インダクタ素子のインダクタンス値、前記抵抗素子の抵抗値、前記容量素子の容量値、および、前記第1のMOSトランジスタのW/L値のうちの少なくとも1つが可変であるため、要求仕様に良く合致した特性の増幅回路が実現される。
(6)前記インダクタ素子は、ボンディングワイヤにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の増幅回路。
上記(6)の増幅回路では、(1)ないし(4)の何れか一の増幅回路において特に、半導体チップ上に形成されるインダクタ素子の代わりに、ボンディングワイヤをインダクタとして用いることができる増幅回路が実現される。
(7)前記電力増幅部は、ゲートに前記入力信号が供給され、ドレインに負荷が接続されると共に前記ドレインから出力信号を出力する第2MOSトランジスタを備えることを特徴とする請求項(乃至(4)のいずれかに記載の増幅回路。
上記(7)の増幅回路では、(1)乃至)の何れか一の増幅回路において特に、第2MOSトランジスタの出力として、低雑音且つ直線性に優れた出力特性が得られる。
(8)前記第2MOSトランジスタのゲートに印加する入力信号中のDC成分を阻止するDC阻止用の容量素子を更に備えたことを
特徴とする(7)の増幅回路。
上記(8)の増幅回路では、(7)の増幅回路において特に、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性が得られる。
)前記固定バイアス発生部は、バイアス電流源と、ドレインに前記バイアス電流源からの電流が供給されゲートが前記ドレインと接続される第3MOSトランジスタ(M3)と、前記第3MOSトランジスタのゲートに接続されバイアス電流を入力信号に印加するバイアス用インダクタ素子とを備えることを特徴とする請求項(乃至(8)のいずれかに記載の増幅回路。
上記()の増幅回路では、()の増幅回路において特に、第3MOSトランジスタによるカレントミラー効果によってバイアス用インダクタ素子を介して第3MOSトランジスタのゲートに供給している。これによりRF入力信号が小さいときのバイアス電流を精度良く制御でき、増幅回路の効率を向上させることができる。また、電力増幅部のDCバイアス電流を、カレントミラー効果によって設定できるので、広い周波数範囲に渡って動作が安定した増幅回路を実現することができる。
本発明の増幅回路によれば、適応バイアス発生部のインピーダンス素子であるインダクタ、容量素子、および、MOSトランジスタのインピーダンス共振を利用してバイアス電流を増加させることによって線形性を向上させることができる。そして、更に、このバイアス電流は、主としてインピーダンス素子であるインダクタ素子、および、容量素子という熱雑音を発生しない素子中を通過してくるので低雑音であり、このため極めて高いSNRが得られる。
本発明の一つの実施の形態としての増幅回路の構成を表す回路図である。 図1の増幅回路のDC等価回路を表す図である。 図1の増幅回路のAC等価回路を表す図である。 図1の増幅回路の適応バイアス発生部における入力電圧及び容量素子の容量値をパラメータにして、線形性を表すパラメータとして用いられる相互変調歪みOIP3をシミュレーションした結果を示す図である。 相互変調歪みの定義とその測定方法について説明するための図である。 図1の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する利得のシミュレーション結果を示す図である。 図1の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する相互変調歪みOIP3のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の他の実施の形態としての増幅回路を表す回路図である。 図8の増幅回路のDC等価回路を表す図である 図8の回路のAC等価回路を表す図である。 図8の増幅回路の適応バイアス発生部における入力電圧及び容量素子の容量値をパラメータにして、線形性を表すパラメータとして用いられる相互変調歪みOIP3をシミュレーションした結果を示す図である。 図8の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する利得のシミュレーション結果を示す図である。 図8の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する相互変調歪みOIP3のシミュレーション結果を示す図である。 従来の増幅回路の回路図である。 図14の回路の動作を説明するための図である。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一つの実施の形態としての増幅回路の構成を表す回路図である。
図1(a)の増幅回路100は、適応バイアス発生部101によって電力増幅部102にバイアスを供給する構成に加えて、固定バイアス発生部103からもバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部102は、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ソースにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。尚、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性を得るために、RF入力端子RFINは、DC阻止用の容量素子CINを介してNMOSトランジスタM2のゲートに接続されている。
また、適応バイアス発生部101は、NMOSトランジスタM1のゲートと適応バイアス入力端子Gとの間にインダクタL1が接続され、NMOSトランジスタM1のドレインとゲートとの間が抵抗R2を介してダイオード接続され、更に、この抵抗R2に容量素子C2が並列接続されて構成されている。
そして、適応バイアス発生部101の出力は、ソース接地増幅器である電力増幅部102のNMOSトランジスタM2のゲートに印加される。
即ち、この適応バイアス発生部101は、より一般的に言えば、一端(適応バイアス入力端子G)に所定電圧(適応バイアス入力電圧Vg)が供給されるインダクタ素子(インダクタL1)と、ゲートが前記インダクタの他端に接続される第1MOSトランジスタ(NMOSトランジスタM1)と、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続される抵抗素子(抵抗R2)と、前記抵抗素子に並列接続される容量素子(容量素子C2)と、を備え、前記第1MOSトランジスタ(NMOSトランジスタM1)のソースからバイアス電流を発生することを特徴とするバイアス発生回路である。
ここで、インダクタ素子(インダクタL1)は半導体チップ上の素子として形成されるが、その素子の代わりに、半導体チップのパッドとリードフレームとを結線するボンディングワイヤをインダクタL1として用いてもよい。
ここで、インダクタ素子(インダクタL1)は、図1(b)に示すように、インダクタL1と、インダクタL1の一端と接地間に接続される容量C1Aと、インダクタL1の他端と接地間に接続される容量C1Bと、を有するπ型フィルタ構造にしてもよい。
または、インダクタ素子(インダクタL1)は、図1(c)に示すように、直列接続されたインダクタL1A、L1Bと、インダクタL1A、L1Bの接続点と接地間に接続される容量C1Aと、を有するT型フィルタ構造にしてもよい。
図1(b)に示すπ型フィルタ構造や図1(c)に示すT型フィルタ構造によれば、特定帯域のノイズを低減したり、バイアスの帯域を制限することによりノイズを低減したりすることもできる。
一方、固定バイアス発生部103は、NMOSトランジスタM3のドレインと電源VDDとの間にバイアス電流源Ibiasが接続され、NMOSトランジスタM3のドレインとゲートとの間が短絡回路でダイオード接続され、更に、ゲートがバイアス供給用のインダクタL3を介して電力増幅部102のNMOSトランジスタM2のゲートに接続されて構成されている。そして、NMOSトランジスタM3は、自らのドレイン電流をカレントミラー効果で、電力増幅部102のバイアス電流として供給する。
上述のような構成の増幅回路100では、適応バイアス発生部101において、適応バイアス入力端子Gの適応バイアス入力電圧Vgを既述の図14の従来例における抵抗R1の代わりにインダクタL1に入力し、また、ダイオード接続用の抵抗R2と並列に容量素子C2を配置することによってバイアス電流への熱雑音の重畳を最小化し、その結果として増幅回路100のSNRを向上させることを可能にしている。
更に、固定バイアス発生部103は、バイアス電流を分離するために、インダクタL3を使用しており、バイアス電流源Ibiasからの固定バイアス電流Ibiasを、NMOSトランジスタM3によるカレントミラー効果によってインダクタL3を介してNMOSトランジスタM2のゲートに供給している。
上述のような回路構成を採ることによって、RF入力信号が小さいときのバイアス電流を精度良く制御でき、電力増幅部102の効率、従って増幅回路100の効率を向上させることができる。更にまた、電力増幅部102のDCバイアス電流を、カレントミラー効果によって設定できるので、広い周波数範囲に渡って動作が安定した増幅回路100を実現することができる。
次に、図2を参照して図1の増幅回路100のDC的な動作を説明し、図3を参照して図1の増幅回路100の高周波でのAC的な動作を説明する。
図2は、図1の増幅回路100のDC等価回路を表す図である。
図2(a)は、図1の増幅回路100中、電力増幅部102について、その負荷ZLを純抵抗RLとして簡略化した電力増幅部102−1として表し、適応バイアス発生部101について、そのインダクタL1の部分を短絡し且つ容量素子C2の部分を開放にして簡略化した適応バイアス発生部101−1として表し、更に、固定バイアス発生部103については、そのインダクタL3の部分を短絡して簡略化した固定バイアス発生部103−1として表して、DCに関わる部分のみを残した図であり、図2(b)は、図2(a)の等価回路を表す図である。
この場合、適応バイアス発生部101−1のNMOSトランジスタM1のゲート−ソース電圧をVgs(M1)、閾値電圧をVth(M1)とすると、Vgs(M1)<Vth(M1)なので、既述の図14(a)におけると同様に、電流Iadp=0となり、電力増幅部102−1は固定バイアス発生部103−1からのバイアス電流のみで動作する。
図3は、図1の増幅回路100の回路のAC等価回路を表す図である。
図3(a)は、図1の増幅回路100中、電力増幅部102について、そのDC阻止用容量素子CINの部分を短絡し且つインダクタL3の部分を開放として簡略化した電力増幅部102−2として表すと共に、固定バイアス発生部103を省略し、ACに関わる部分のみを残した図1を簡略化した図であり、図3(b)は、図3(a)の等価回路を表す図である。
以下ではRF入力電圧V(RFIN)は十分に大きく、適応バイアス発生部は、図2(b)で表されているところと同様に、電流Iadpが間欠的に流れるものとする。
この図3(b)では、高周波信号のAC的な経路(ACパス)がパス1およびパス2の2つ存在する事が明示されている。即ち、第1の経路(パス1)として、適応バイアス入力端子GからインダクタL1、NMOSトランジスタM2のゲート−ソース間容量Cgs(M1)を通るパス1と、第2の経路として、適応バイアス入力端子GからインダクタL1、容量素子C2、NMOSトランジスタのドレイン−ソース間容量Cds(M1)を通るパス2と、が存在することが分かる。
この2つのAC的な経路の共振インピーダンスで電流Iadpが決まる。即ち、電流Iapdは、NMOSトランジスタM1の相互コンダクタンスをgm1、ゲート−ソース電圧をVgs(M1)とすると、gm1×vgs(M1)による定常的な電流と、2つのACパスを流れる電流との総和で決まる。
よって、電流Iapdの増加に従って、電力増幅部102−2のNMOSトランジスタM2のゲート−ソース電圧Vgs(M2)も増大し、増幅器の線形性をより高めることができる。さらに、ACパスを2つ有することにより、容量素子C2の制御範囲を広く取ることができる。
このように、共振インピーダンスの制御によって電流Iadpを制御し、ひいては電力増幅部102−2の特性を適切に調整することができる。
図4は、適応バイアス発生部101における入力電圧Vg及び容量素子C2の容量値をパラメータにして、線形性を表すパラメータとして用いられる相互変調歪みOIP3(Output Interrecept Point 3rd)をシミュレーションした結果を示す図である。ここで、図4は、適応バイアス発生部101において、ダイオード動作しているNMOSトランジスタM1についての動作状態を示しており、電力増幅部のNMOSトランジスタM2についての動作状態を示すものではない。
ここで相互変調歪みOPI3の定義とその測定方法について図5を用いて説明する。
図5(a)に示すように、測定装置は、一般的な相互変調ひずみ測定装置を用いる。相互変調ひずみ測定装置は、周波数f1、振幅P1の信号S1を発生する信号源51と、周波数f2、振幅P2の信号S2を発生する信号源52と、2つの信号源51、52からの信号S1、S2を加算し加算した信号S3を被測定回路(DUT)54に入力する入力信号発生源53と、被測定回路54からの出力信号を測定するスペクトルアナライザ55と、を備えている。
図5(b)に示すように、出力信号には、周波数f1及び周波数f2を有する基本波信号と、周波数2×f1−f2及び周波数2×f2−f1の3次混変調歪みの発生周波数を有する相互変調信号とが含まれる。基本波信号のピーク値をP0(dBm)、基本波信号のピーク値と相互変調信号のピーク値との差をΔIM(dB)としたとき、相互変調歪みOPI3(dBm)は、OPI3=P0+ΔIM/2と定義される。
図4に示すように、相互変調歪みOIP3が既述の適応バイアス発生部101における容量素子C2の容量値C2軸上に沿って2つのピークを有している。適応バイアス発生部101の入力電圧Vgが高くなると、インダクタL1及び容量素子C2の2つのACパスによる共振インピーダンスによる電流よりもMOSダイオードを定常的に流れる電流の方が、相互変調歪みOIP3の支配要因になっていることが分かる。しかし、適応バイアス発生部の入力電圧Vgの低い領域では、インダクタL1及び容量素子C2の2つのACパスによる共振インピーダンスによる電流が、相互変調歪みOIP3の支配要因になっていることが分かる。
図6は、図1の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する利得のシミュレーション結果を示す図である。適応バイアス発生部を付加した場合は、固定バイアス発生部のみの場合と比べて、RF入力電圧の入力レベルが小さくなっても高い利得を維持していることが分かる。
図7は、図1の増幅回路におけるRF入力電圧の入力レベルに対する相互変調歪みOIP3のシミュレーション結果を示す図である。適応バイアス発生部を付加した場合は、固定バイアス発生部のみの場合と比べて、RF入力電圧の入力レベルが大きい場合であっても高い相互変調歪みOIP3を維持していることが分かる。
(第2の実施の形態)
次に、図8を用いて本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
図8は、本発明の2の実施の形態としての増幅回路を表す回路図である。
図8の増幅回路800は、適応バイアス発生部801によって第1の実施の形態と同様の電力増幅部802にバイアスを供給する構成に加えて、固定バイアス発生部803からもバイアスを供給するように構成されている。
電力増幅部802は、NMOSトランジスタM2のドレインと電源VDDとの間に負荷抵抗ZLが接続され、ゲートにはRF入力信号が入力されるRF入力端子RFINが設けられ、ソースにはRF出力信号が出力されるRF出力端子RFOUTが設けられたソース接地増幅器を成している。尚、入力信号中のDC成分の変動に影響されない出力特性を得るために、RF入力端子RFINは、DC阻止用の容量素子CINを介してNMOSトランジスタM2のゲートに接続されている。
また、適応バイアス発生部801は、NMOSトランジスタM1のゲートと適応バイアス入力端子Gとの間に抵抗R1と容量素子C1との並列回路が接続され、NMOSトランジスタM1のドレインとゲートとの間がインダクタL2を介してダイオード接続されて構成されている。
そして、適応バイアス発生部801の出力は、ソース接地増幅器である電力増幅部802のNMOSトランジスタM2のゲートに印加される。
即ち、この適応バイアス発生部801は、より一般的に言えば、一端(適応バイアス入力端子G)に所定電圧が供給される抵抗素子(抵抗R1)と、ゲートが前記抵抗素子の他端に接続される第1MOSトランジスタ(NMOSトランジスタM1)と、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続されるインダクタ素子(インダクタL2)と、前記抵抗素子に並列接続される容量素子(容量素子C1)と、を備え、
前記第1MOSトランジスタ(NMOSトランジスタM1)のソースからバイアス電流を発生することを特徴とするバイアス発生回路である。
一方、固定バイアス発生部803は、NMOSトランジスタM3のドレインと電源VDDとの間にバイアス電流源Ibiasが接続され、NMOSトランジスタM3のドレインとゲートとの間が短絡回路でダイオード接続され、更に、ゲートがバイアス供給用のインダクタL3を介して電力増幅部802のNMOSトランジスタM2のゲートに接続されて構成されている。そして、NMOSトランジスタM3は、自らのドレイン電流をカレントミラー効果で、電力増幅部802のバイアス電流として供給する。
上述のような構成の増幅回路800では、適応バイアス発生部801において、適応バイアス入力端子Gの適応バイアス入力電圧Vgを抵抗R1と容量素子C1との並列回路に入力し、また、ダイオード接続用のインダクタL2を配置することによってバイアス電流への熱雑音の重畳を最小化し、その結果として増幅回路100のSNRを向上させることを可能にしている。
尚、固定バイアス発生部803については、上述のとおり、図1の実施の形態における固定バイアス発生部と同様の構成を有する。即ち、バイアス電流を分離するために、インダクタL3を使用しており、バイアス電流源Ibiasからの固定バイアス電流Ibiasを、NMOSトランジスタM3によるカレントミラー効果によってインダクタL3を介してNMOSトランジスタM2のゲートに供給している。
上述のような回路構成を採ることによって、RF入力信号が小さいときのバイアス電流を精度良く制御でき、電力増幅部802、従って増幅回路800、の効率を向上させることができる。更にまた、電力増幅部802のDCバイアス電流を、カレントミラー効果によって設定できるので、広い周波数範囲に渡って動作が安定した増幅回路800を実現することができる。
次に、図9を参照して図8の増幅回路800のDC的な動作を説明し、図10を参照して図8の増幅回路800の高周波でのAC的な動作を説明する。
図9は、図8の増幅回路800のDC等価回路を表す図である。
図9(a)は、図8の増幅回路800中、電力増幅部802について、その負荷ZLを純抵抗RLとし簡略化した電力増幅部802−1として表し、適応バイアス発生部801について、その容量素子C1の部分を開放にし且つインダクタL2の部分を短絡して簡略化した適応バイアス発生部801−1として表し、更に、固定バイアス発生部803については、そのインダクタL3の部分を短絡して簡略化した固定バイアス発生部803−1として表して、DCに関わる部分のみを残した図であり、図9(b)は、図9(a)の等価回路を表す図である。
この場合、適応バイアス発生部801−1のNMOSトランジスタM1のゲート−ソース電圧をVgs(M1)、閾値電圧をVth(M1)とすると、Vgs(M1)<Vth(M1)なので、既述の図15(a)におけると同様に、電流Iadp=0となり、電力増幅部802−1は固定バイアス発生部803−1からのバイアス電流のみで動作する。
図10は、図8の回路のAC等価回路を表す図である。
図10(a)は、図9のDC阻止用容量素子CINの部分を短絡し、インダクタL3の部分を開放として固定バイアス発生部を省略し、ACに関わる部分のみを残した図8を簡略化した図であり、その等価回路を図11(b)に示す。
以下ではRF入力電圧V(RFIN)は十分に大きく、適応バイアス発生部801−2は、既述の図15(b)におけると同様に、電流Iadpは間欠的に流れるものとする。
この図10(b)では、高周波信号のAC的な経路(ACパス)が1つ存在する事が明示されている。即ち、経路として、適応バイアス入力端子Gから、抵抗R1及び容量素子C1、NMOSトランジスタM1のゲート−ソース間容量Cgs(M1)を通るパスが存在することが分かる。
即ち、既述の第1の実施の形態では2つあった高周波信号の経路(ACパス)のうちNMOSトランジスタM1のドレイン−ソース間容量Cds(M1)を通るパスがインダクタL2によって開放状態になっている。高周波帯域ではインダクタL2のインピーダンス値Z(L2)が大きくなるので、適応バイアス発生部801が共振状態となることはほとんど無い。
このAC的な1つの経路の共振インピーダンスで電流Iadpが決まる。換言すれば、電流Iapdは、NMOSトランジスタM1の相互コンダクタンスをgm1、ゲート−ソース電圧をVgs(M1)とすると、gm1×vgs(M1)による定常的な電流と、1つのACパスを流れる電流の総和で決まる。
よって、電流Iapdの増加に従って、NMOSトランジスタM2のゲート−ソース電圧Vgs(M2)も増大し、増幅回路800の線形性をより高めることができる。更に、ACパスが1つなので、制御が容易にできる。
このように、第1の実施の形態と同様に、共振インピーダンスの制御によって電流Iadpを制御することができる。
図11は、図8の増幅回路800の適応バイアス発生部801の入力電圧Vg及び容量素子C2の容量値をパラメータにして、線形性を表すパラメータである相互変調歪みOIP3をシミュレーションした結果を表す図である。ここで、図11は、適応バイアス発生部801において、ダイオード動作しているNMOSトランジスタM1についての動作状態を示しており、電力増幅部のNMOSトランジスタM2についての動作状態を示すものではない。
相互変調歪みOPI3の定義とその測定方法については図5を参照して既述のとおりである。
図11に示すように、相互変調歪みOIP3が容量素子C1の容量値C1軸上に沿って1つのピークを有している。適応バイアス発生部の入力電圧Vgが高くなると、ACパスによる共振インピーダンスによる電流よりもMOSダイオードを定常的に流れる電流の方が、相互変調歪みOIP3の支配要因になっていることが分かる。
しかし、適応バイアス発生部の入力電圧Vgの低い領域では、ACパスによる共振インピーダンスによる電流が、相互変調歪みOIP3の支配要因になっていることが分かる。
ACパスを1つしか持たない第2の実施の形態では、適応バイアス発生部801の容量素子C1の容量値C1を変化させた時のOIP3曲線は極大値を1つだけ持つ形を呈し、このため制御が容易である。
図12は、図8の増幅回路800におけるRF入力電圧の入力レベルに対する増幅器の利得のシミュレーション結果を表す図である。
図12のとおり、適応バイアス発生部801を付加した場合は、第1の実施の形態と同様の特性を示し、固定バイアス発生部803のみの場合と比べて、RF入力電圧の入力レベルが小さくなっても高い利得を維持していることが分かる。
図13は、図8の増幅回路800におけるRF入力電圧の入力レベルに対する相互変調歪みOIP3のシミュレーション結果を示す。
第2の実施の形態による適応バイアス発生部801を付加した場合は、固定バイアス発生部803のみの場合と比べて、RF入力電圧の入力レベルが大きい場合でも高い相互変調歪みOIP3を維持していることが分かる。さらに、既述の第1の実施の形態との比較においても、RF入力電圧の入力レベルが大きい場合でも更に高い相互変調歪みOIP3を維持していることが分かる。
上述した第1及び第2の実施の形態では、増幅器(電力増幅部)の外部からMOSダイオードに印加される適応バイアス発生部の入力電圧Vgを変動させて増幅器の動作点を決めているが、適応バイアス発生部の入力電圧Vgを固定とし、増幅器内のインピーダンス素子の素子値、例えば抵抗R2の抵抗値、容量素子C2の容量値、インダクタL1のインダクタンス値、NMOSトランジスタM1のW/L値、等のうちの何れかを増減してもよい。
この場合、素子値の増減は、増幅回路の開発過程で要求仕様を満たすための各パラメータとして種々試算しながら可変設定して各最適値を見出す課程で行われるのが1つのケースである。そして、製品段階では、各素子値をこのようにして見出された最適値に固定するという方法がとられることが多い。しかしながら、製品として出荷される段階においても素子値が可変である形態をとるように増幅回路を構成し、ユーザ側で最適な素子値に調整し得るようにしてもよい。
素子値の増減を可能にする方法としては、受動素子については、既知の素子値を持つ複数の同種の素子を、直列或いは並列に接続して組み合わせることを可能にした切替え回路(スイッチ)を外部から操作可能にして、所望の仕様を充足するような組み合わせを設定する等の方法が考えられる。また、NMOSトランジスタのW/L値についても同様に、複数に分割して形成された各個のNMOSトランジスタの(並列)接続の数を外部から操作可能にして、所望の仕様を充足するような組み合わせを行って1つのNMOSトランジスタとして用いるようにする等の方法が考えられる。
このように素子値を増減することによって、増幅器に加算するバイアス電流値を制御すると、プロセス変動に追従することが容易になる。
更に、雑音を発生しない容量素子C2の容量値を増減させてバイアス電流を制御することにより、広い制御範囲に渡って低雑音特性を実現することも出来る。
100,140,800……………………………増幅回路
101,141,801……………………………適応バイアス発生部
102,142,802……………………………電力増幅部
103,803………………………………………固定バイアス発生部

Claims (9)

  1. 第2のMOSトランジスタを用いた電力増幅部と、電力増幅部にバイアスを供給する適応バイアス発生部と、前記第2のMOSトランジスタのゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部とで構成された増幅回路において
    前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給されるインダクタ素子と、ゲートが前記インダクタ素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続される抵抗素子と、抵抗素子に並列接続される容量素子とを備え、
    前記第1MOSトランジスタのソースからバイアス電流を発生し、
    前記インダクタ素子は、第1のインダクタと、該第1のインダクタの両端に接続される第1の容量及び第2の容量とを有するπ型フィルタ構造を備え、
    前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することにより優れた線形性が得られ、前記π型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
  2. 第2のMOSトランジスタを用いた電力増幅部と、電力増幅部にバイアスを供給する適応バイアス発生部と、前記第2のMOSトランジスタのゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部とで構成された増幅回路において
    前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給される抵抗素子と、ゲートが前記抵抗素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続されるインダクタ素子と、前記抵抗素子に並列接続される容量素子とを備え、
    前記第1MOSトランジスタのソースからバイアス電流を発生し、
    前記インダクタ素子は、第1のインダクタと、該第1インダクタの両端に接続される第1の容量及び第2の容量とを有するπ型フィルタ構造を備え、
    前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することにより優れた線形性が得られ、前記π型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
  3. 第2のMOSトランジスタを用いた電力増幅部と、電力増幅部にバイアスを供給する適応バイアス発生部と、前記第2のMOSトランジスタのゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部とで構成された増幅回路において
    前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給されるインダクタ素子と、ゲートが前記インダクタ素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続される抵抗素子と、抵抗素子に並列接続される容量素子とを備え、
    前記第1MOSトランジスタのソースからバイアス電流を発生し、
    前記インダクタ素子は、直列接続される第1のインダクタ及び第2のインダクタと、該第1及び第2のインダクタの接続点に接続される第1の容量とを有するT型フィルタ構造を備え、
    前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することにより優れた線形性が得られ、前記T型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
  4. 第2のMOSトランジスタを用いた電力増幅部と、電力増幅部にバイアスを供給する適応バイアス発生部と、前記第2のMOSトランジスタのゲートに固定バイアスを供給する固定バイアス発生部とで構成された増幅回路において
    前記適応バイアス発生部は、一端に所定電圧が供給される抵抗素子と、ゲートが前記抵抗素子の他端に接続される第1MOSトランジスタと、一端が前記第1MOSトランジスタのゲートに接続され他端が前記第1MOSトランジスタのドレインに接続されるインダクタ素子と、前記抵抗素子に並列接続される容量素子とを備え、
    前記第1MOSトランジスタのソースからバイアス電流を発生し、
    前記インダクタ素子は、直列接続される第1のインダクタ及び第2のインダクタと、該第1及び第2のインダクタの接続点に接続される第1の容量とを有するT型フィルタ構造を備え、
    前記電力増幅部への入力信号レベルに応じて、前記適応バイアス発生部が適応的に変化するバイアスを前記電力増幅部に供給することにより優れた線形性が得られ、前記T型フィルタ構造を有することにより特定帯域のノイズを低減することを特徴とする増幅回路。
  5. 前記所定電圧は固定であり、前記インダクタ素子のインダクタンス値、前記抵抗素子の抵抗値、前記容量素子の容量値、および、前記第1MOSトランジスタのW/L値のうちの少なくとも1つが可変であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の増幅回路。
  6. 前記インダクタ素子は、ボンディングワイヤにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の増幅回路。
  7. 前記電力増幅部は、ゲートに前記入力信号が供給され、ドレインに負荷が接続されると共に前記ドレインから出力信号を出力する第2MOSトランジスタを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の増幅回路。
  8. 前記第2MOSトランジスタのゲートに印加する入力信号中のDC成分を阻止するDC阻止用の容量素子を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の増幅回路。
  9. 前記固定バイアス発生部は、バイアス電流源と、ドレインに前記バイアス電流源からの電流が供給されゲートが前記ドレインと接続される第3MOSトランジスタ(M3)と、前記第3MOSトランジスタのゲートに接続されバイアス電流を入力信号に印加するバイアス用インダクタ素子とを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の増幅回路。
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