JP5307061B2 - 内燃機関のオイル劣化防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関、特に、スラッジ生成及びオイル劣化の抑制に好適な内燃機関のオイル劣化防止装置に関する。
一般に、自動車用等の内燃機関においては、クランク室内に漏れ出たブローバイガスを吸気通路に還流させて燃焼させるブローバイガス還流装置を備え、未燃成分を含むブローバイガスが大気中に放出されるのを防止するようにしている。かかるブローバイガス還流装置として、例えば特許文献1には、吸気弁リフトを連続可変とし吸気量制御が可能な内燃機関において、吸気通路に負圧制御弁を設けると共にその下流側の負圧を制御して、クランクケース内から、オイル戻し通路、ヘッドカバー内を介して吸気通路へブローバイガスの循環を行うものが開示されている。
ところが、ヘッドカバー内を介して吸気通路へブローバイガスの循環を行う場合、比較的低温であるヘッドカバー内は冷間時に水蒸気が凝縮して水分が発生し易く、これがブローバイガス中のNOx等と反応することによって酸性物質が形成されることが知られている。かかる酸性物質のオイルへの混入は、オイルの劣化を加速すると共に、潤滑油の各機能を低下させる。
この問題に対処するために、特許文献2には、動弁室から潤滑油を戻すオイル戻し通路の下端の開口端をオイルパンに貯留された潤滑油の中に沈める一方、カムシャフトを貫通する軸孔を形成し、軸孔の一端をクランク室に連通する第1ブローバイガス通路を配設すると共に、軸孔の他端を吸気通路に連通する第2ブローバイガス通路を配設したブローバイガス還流装置が開示されている。
特開2006−132360号公報 特開平07−150923号公報
ところで、特許文献2に記載の技術は、動弁室から潤滑油を戻すオイル戻し通路の下端の開口端をオイルパンに貯留された潤滑油の中に沈めるようにしているので、クランク室に吹き抜けたブローバイガスがオイル戻し通路を通って動弁室に流入することが防止され、また、クランク室のブローバイガスは、第1ブローバイガス通路、カムシャフトを貫通する軸孔、第2ブローバイガス通路を通って吸気通路に吸引されるので、動弁室に流入することが防止されるとしている。
しかしながら、この特許文献2に記載の技術では、クランク室から吸気通路へのブローバイガス還流通路を、回転部材であるカムシャフトに貫通して形成される軸孔を利用して構成しているので、回転部材であるカムシャフトの軸孔と第1及び第2のブローバイガス通路との、それぞれの接続ないしは連通構造が複雑であり、コスト上昇が避けられないという問題がある。さらに、動弁室の動弁機構の潤滑のためにオイルを供給すると、このオイルの供給に伴いブローバイガスも僅かではあるが動弁室に流入することは避けられず、オイルから分離したブローバイガスが動弁室に滞留することとなり、上述したNOx等と水分との反応によって酸性物質が形成され、スラッジの発生やオイルの劣化が、今なお生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上述の問題を解消し、コスト上昇を伴わない簡単な構成で、スラッジの生成及びオイルの劣化をさらに抑制することができる内燃機関のオイル劣化防止装置を提供することにある。
上記課題を解決する本発明係る内燃機関のオイル劣化防止装置の一形態は、シリンダーヘッドの動弁室領域と、シリンダーブロック下方のクランク室領域とを分断して形成すると共に、該動弁室領域からクランク室領域へのオイル戻し通路の下端開口部を該クランク室領域のオイル中に油没させ、クランク室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第1のブローバイガス還流通路と、動弁室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第2のブローバイガス還流通路と、クランク室領域に新気を導入する第1の新気導入通路と、動弁室領域に新気を導入する第2の新気導入通路とを設け、前記第2の新気導入通路の吸気系への接続位置は、前記第2のブローバイガス還流通路の吸気系への接続位置よりも吸気通路の上流側であり、且つ両接続位置がスロットルバルブより上流側であることを特徴とする。
上記一形態によれば、シリンダーヘッドの動弁室領域と、シリンダーブロック下方のクランク室領域とが分断して形成されるので、動弁室領域へのブローバイガスの流入が防止される。そして、動弁室の動弁機構の潤滑のために供給されるオイルに伴い動弁室領域にブローバイガスが流入したとしても、前記第2の新気導入通路の吸気系への接続位置は、前記第2のブローバイガス還流通路の吸気系への接続位置よりも吸気通路の上流側であり、且つ両接続位置がスロットルバルブより上流側であるので、スロットルバルブの開度位置に関係なく、吸気通路の管路抵抗差圧により、動弁室領域への第2の新気導入通路からの新気の導入と、第2のブローバイガス還流通路によるその排出とが常時行われる。したがって、この動弁室領域のブローバイガスは第2のブローバイガス還流通路を介して直ちに吸気系に還流されるので、動弁室領域に滞留することがなく、NOx等と水分との反応によって酸性物質が形成されるのが防止され、スラッジの発生やオイルの劣化が抑制される。
ここで、上記の一形態において、前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とは第1の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とが連通され、前記第1の新気導入通路は該チェーンケース内部領域を介して前記クランク室領域に新気を導入するようにしてもよい。
また、上記の形態において、前記第1の仕切り壁に、前記動弁室領域から前記チェーンケース内部領域への流れのみを許容する一方向弁が設けられていてもよい。
この形態によれば、クランク室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第1のブローバイガス還流通路と、動弁室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第2のブローバイガス還流通路とが兼用できる。
さらに、上記の一形態において、前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とは第2の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とが連通され、前記第2のブローバイガス還流通路は該チェーンケース内部領域を介して前記動弁室領域のブローバイガスを吸気系に還流するようにしてもよい。
この形態によれば、比較的低温であるチェーンケース内部領域においてもブローバイガスの滞留を軽減し、NOx等と水分との反応による酸性物質の形成を防止することができる。
また、上記の形態において、前記第2の仕切り壁に、前記チェーンケース内部領域から前記クランク室領域への流れのみを許容する一方向弁が設けられていてもよい。
この形態によれば、クランク室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第1のブローバイガス還流通路と、動弁室領域及びチェーンケース内部領域のブローバイガスを吸気系に還流する第2のブローバイガス還流通路とが兼用できる。
さらに、上記の一形態において、前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とは第2の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とが連通され、前記第2の新気導入通路が前記チェーンケースの下方に開口されると共に、前記第2のブローバイガス還流通路が前記ヘッドカバーに開口されるようにしてもよい。
この形態によれば、前記第2の新気導入通路が前記チェーンケースの下方に開口されると共に、前記第2のブローバイガス還流通路が前記ヘッドカバーに開口されるので、ブローバイガスの還流に伴うオイルの流出を低減することができる。
本発明によれば、コスト上昇を伴わない簡単な構成で、スラッジの生成及びオイルの劣化をさらに抑制することができるという、優れた作用効果が奏される。
本発明に係る内燃機関のオイル劣化防止装置の第1の実施形態を概略的に示す模式的側断面図である。 同じく、第2の実施形態を概略的に示す模式的部分側断面図である。 同じく、第3の実施形態を概略的に示す模式的部分側断面図である。 同じく、第4の実施形態を概略的に示す模式的部分側断面図である。 同じく、第5の実施形態を概略的に示す模式的部分側断面図である。
以下、本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて詳述する。なお、添付の図面において、ブローバイガスを伴う気体ないしは流体のエンジン10本体内での流れ方向は、細い実線矢印で示され、また、エンジン10本体に導入される新気の流れ方向は白抜きの矢印、及びエンジン10本体から還流されるブローバイガスを伴う気体ないしは流体の流れ方向は斜線を施した矢印で、それぞれ示されている。
図1には、本発明に係る内燃機関のオイル劣化防止装置の第1の実施形態の模式的側断面図が概略的に示されている。エンジン10は、シリンダーブロック12と、シリンダーブロック12の下部に設けられたクランクケース14と、シリンダーブロック12の上部に設けられたシリンダーヘッド16と、シリンダーヘッド16の上部に設けられてこれを上方から覆うヘッドカバー18と、クランクケース4の下部に設けられてこれを下方から覆うオイルパン20とを備えている。本実施形態では、シリンダーブロック12とクランクケース14が一体に形成されているが、これらは別体で形成されてもよい。
シリンダーヘッド16には動弁室22が区画形成されている。具体的には、動弁室22はシリンダーヘッド16とヘッドカバー18により画成され、両者に囲まれた空間領域からなる。動弁室22には、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁と、吸気弁及び排気弁をそれぞれ閉方向に付勢するバルブスプリングと、吸気弁及び排気弁をそれぞれ開方向に駆動する吸気カムシャフト及び排気カムシャフトとからなる不図示の動弁機構が設けられている。さらに、動弁室22には、この動弁機構の潤滑のために図示しないオイル供給口からオイルが供給される。
他方、クランクケース14とオイルパン20によりクランク室24が区画形成され、クランク室24には不図示のピストンにコネクティングロッドを介して連結されたクランクシャフト(図1に一点鎖線でその回転中心軸Cのみ示す)が配設されると共に、その底部のオイルパン20にオイルが貯留される。さらに、シリンダーブロック12とシリンダーヘッド16には、これらを上下に貫通し、動弁室22とクランク室24とを連通するオイル落としないしは戻し通路19が形成されている。このオイル戻し通路19は好ましくは複数(図示では3個)設けられる。オイル戻し通路19は、動弁機構の潤滑を終えてシリンダーヘッド16上に滞留したオイルをクランク室24領域、延いてはオイルパン20へ向けて落とすための通路である。本実施の形態では、これらのオイル戻し通路19の下端開口部19Aは、クランク室24領域の下方のオイルパン20内のオイル中に油没されている。
さらに、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトとクランクシャフトとは、それぞれ、シリンダーヘッド16とクランクケース14とから長手方向の前方(図1の右側)に突出されており、不図示のスプロケット及びドライブチェーンにより連結されている。そして、これらを覆うチェーンケース26が設けられる。チェーンケース26は、シリンダーヘッド16、シリンダーブロック12及びクランクケース14の前端面に接続され、ヘッドカバー18の下端面に接続されると共に、オイルパン20の上端面に接続されている。チェーンケース26内には、図示しないオイル供給口からチェーン駆動部潤滑のためのオイルが供給される。
特に、この第1の実施形態では、チェーンケース26内は、動弁室22とは仕切り壁28でもって仕切られ、非連通或いは隔離状態とされている一方で、クランク室24、特にオイルパン20内とは連通口30を介して連通されている。よってチェーンケース26内に供給される潤滑オイルは連通口30を通じてオイルパン20内に戻され、他方、チェーンケース26内にブローバイガスが侵入したとしてもこれは動弁室22に侵入しない。換言すると、シリンダーヘッド16の動弁室22の領域と、シリンダーブロック12下方のクランク室24領域とが分断して形成されているのである。
そして、上述の吸気ポートに連通する吸気通路32には、スロットルバルブ34とその上流端にエアクリーナー36が設けられている。スロットルバルブ34の下流側には不図示のサージタンクが設けられ、多気筒内燃機関であるエンジン10の各気筒の吸気ポートにサージタンクから吸気を分配するようになっている。また、各気筒の排気ポートには不図示の排気通路が接続される。
なお、本実施形態のエンジンは車両用火花点火式内燃機関であり、吸気ポートに燃料噴射するインジェクタ―と、シリンダーヘッド16に取り付けられた点火プラグ(図示せず)とを有するが、エンジンの種類、気筒数、用途等に特に限定はない。
そして、この第1の実施形態では、クランク室24を画成している領域とスロットルバルブ34の下流側が第1のブローバイガス還流通路38により接続、連通されている。第1のブローバイガス還流通路38は、クランク室24領域のブローバイガスを吸気通路32、特にスロットルバルブ34の下流のサージタンクに送るための通路である。第1のブローバイガス還流通路38、特にその入口部には、吸気負圧の大きさに応じて開度が変更される第1のPCVバルブ40が設けられている。
他方、クランク室24を画成している領域と、スロットルバルブ上流側の吸気通路32とは、第1の新気導入通路42により連通されている。より具体的には、本第1の実施形態では、第1の新気導入通路42はチェーンケース26に接続、開口され、その内部領域が連通口30を介してクランク室24の領域に連通されている。
また、動弁室22を画成している領域と吸気通路32とは、第2のブローバイガス還流通路44及び第2の新気導入通路48により接続、連通されている。そして、第2のブローバイガス還流通路44、特にその入口部には、第1のブローバイガス還流通路38と同様に、吸気負圧の大きさに応じて開度が変更される第2のPCVバルブ46が設けられている。さらに、第2の新気導入通路48の吸気通路32への接続位置48Aは、第2のブローバイガス還流通路44の吸気通路32への接続位置44Aよりも吸気通路32の上流側であり、且つ両接続位置はスロットルバルブ34よりも上流側である。この両者の接続位置はできるだけ離れていることが好ましく、本実施形態では、第2の新気導入通路48の吸気通路32への接続位置48Aはエアクリーナー36の直下流側であるのに対し、第2のブローバイガス還流通路44の吸気通路32への接続位置44Aはスロットルバルブ34の直上流側である。なお、第1の新気導入通路42の吸気通路32への接続位置42Aは、スロットルバルブ34よりも上流側であれば、特にこだわる必要はない。
次に、上述の構成になる内燃機関のオイル劣化防止装置の第1の実施形態におけるブローバイガスと新気の流れについて、図1を参照して説明する。
スロットルバルブ34の開度が小さいエンジンの軽負荷時には、第1のPCVバルブ40が開かれ、クランク室24内のブローバイガスは吸気負圧により第1のブローバイガス還流通路38を通じて吸気通路32、特に不図示のサージタンクに吸引され、その後シリンダーブロック12内の燃焼室で燃焼される。一方、このとき、クランク室24内からのブローバイガスの排出に伴い、クランク室24には第1の新気導入通路42、チェーンケース26の内部領域、及び連通口30を通じてスロットルバルブ34の上流側の吸気通路32から新気が補充される。
また、動弁室22領域に関しては、スロットルバルブ34より上流側で、第2の新気導入通路48の吸気通路32への接続位置48Aよりも下流側に位置された第2のブローバイガス還流通路44Aの吸気通路32への接続位置44Aに起因して生ずる吸気通路32の管路抵抗差圧によって、第2のPCVバルブ46が開かれると共に、動弁室22領域のブローバイガスが第2のブローバイガス還流通路44Aを介して吸気通路32に吸引され、同時に、第2の新気導入通路48を介して、動弁室22に大気圧にほぼ等しい新気が導入される。なお、この動弁室22領域の換気、すなわち、動弁室22領域への第2の新気導入通路48からの新気の導入と、第2のブローバイガス還流通路44によるその排出とは、スロットルバルブ34の開度位置に関係なく、上述の管路抵抗差圧が存在する限り行われる。したがって、この動弁室22領域のブローバイガスは、第2のブローバイガス還流通路44を介して直ちに吸気通路32に還流されるので、動弁室22領域に滞留することがなく、動弁室22領域に水分が存在していたとしても、その接触機会が著しく減少される。かくて、ブローバイガス中のNOx等と水分との反応によって酸性物質が形成されるのが防止され、スラッジの発生やオイルの劣化が抑制されるのである。
他方、スロットルバルブ全開(WOT)時等のエンジンの高負荷時には、第1のPCVバルブ40が閉じられ、第1のブローバイガス還流通路38を通じたブローバイガスの還流は停止される。また、クランク室24内のブローバイガスが第1の新気導入通路42を通じて(逆流して)スロットルバルブ34の上流側の吸気通路32に戻されることがある。しかしながら、第1の新気導入通路42の吸気通路32への接続位置42Aにおいては圧力がほぼ大気圧であるため、そのブローバイガスの還流量は少ない。
一方、エンジンの負荷状態に拘わらず、オイル戻し通路19はその下端開口部がオイル中に油没しているので、クランク室24内のブローバイガスがオイル戻し通路19を通じて動弁室22に至ることはない。
結果的に、動弁室22へのブローバイガスの存在が常に阻止され、これにより以下の理由でスラッジの生成を抑制し、オイルの劣化を抑制することができる。すなわち、ブローバイガスは、燃料成分であるHC(炭化水素)、既燃焼ガスに含まれるNOx及びSOx、水分のほか、クランク室24内のオイルの攪拌、蒸発によって生成された気体としてのオイルミストを含んでいる。また、特に低温時に外気と接触するヘッドカバー18の内面に結露等による凝縮水が生じやすいので、ヘッドカバー18の内面及び動弁室22には水が存在する傾向にある。一方、ブローバイガス中に含まれるNOxやSOxと、結露等によって生じる水との反応によってできる酸性物質(硝酸水等)が、スラッジを生成する際の触媒となり、さらにオイルを酸化させる。従ってブローバイガス及び水がある環境では、スラッジの生成が誘発され、またオイルの劣化も促進されてしまう。
しかし、本実施形態では、動弁室22において凝縮水は発生するものの、ブローバイガスが存在しないため、酸性物質の生成を防止することができ、これを以て動弁室22内ひいては全てのオイルにおけるスラッジ生成及びオイル劣化を抑制することができる。特にヘッドカバー18の内面におけるスラッジの生成や付着も効果的に防止することができる。この点につき、ヘッドカバー18の内面に付着したスラッジは動弁室22内のオイルで洗い流されることを期待できないため、本実施形態の構成は非常に有利である。また、他の利点として、動弁室22内のスラッジによる第2の新気導入通路48の閉塞も防止できる点が挙げられる。
次に、上記第1の実施形態の他の第2乃至第5の実施形態について、以下に説明する。なお、これらの第2乃至第5の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の構成要素には図中同一符号を付して、重複する説明を回避し、以下には相違点を中心に説明することにする。
そこで、図2に示す第2の実施形態では、第1の仕切り壁28に、動弁室22領域からチェーンケース26の内部領域への流れのみを許容する一方向弁50が設けられている。そして、その結果として、第2のPCVバルブ及び第2のブローバイガス還流通路が省略されている点が主に異なる。この第2の実施形態によれば、クランク室24領域のブローバイガスを吸気通路32に還流する第1のブローバイガス還流通路38と、動弁室22領域のブローバイガスを吸気通路32に還流する第2のブローバイガス還流通路とが兼用できる。
また、図3に示す第3の実施形態では、第1の実施形態における第1の仕切り壁を廃止して、チェーンケース26の内部領域と動弁室22の領域とを連通し、その代わりに、チェーンケース26の内部領域とクランク室24の領域とを第2の仕切り壁52でもって仕切って非連通としている。そして、第2のブローバイガス還流通路44がチェーンケース26の下方に接続、開口されると共に、第1の新気導入通路42がクランクケース14に直接に接続、開口されている点が主に異なる。
この第3の実施形態によれば、動弁室22の領域のブローバイガスがチェーンケース26の内部領域、及び第2のブローバイガス還流通路44を介して、吸気通路32に還流されるので、比較的低温であるチェーンケース26の内部領域においてもブローバイガスの滞留を軽減し、NOx等と水分との反応による酸性物質の形成を防止することができる。
さらに、図4に示す第4の実施形態では、上記第3の実施形態における第2の仕切り壁52に、チェーンケース26の内部領域からクランク室24の領域への流れのみを許容する一方向弁54が設けられている。そして、その結果として、第2のPCVバルブ及び第2のブローバイガス還流通路が省略されている点が主に異なる。この第4の実施形態によれば、クランク室24領域のブローバイガスを吸気通路32に還流する第1のブローバイガス還流通路38と、動弁室22領域のブローバイガスを吸気通路32に還流する第2のブローバイガス還流通路とが兼用できる。
最後に、図5に示す第5の実施形態では、上記第3の実施形態における第2の新気導入通路48と第2のブローバイガス還流通路44との接続、開口位置を入れ替えた点が主に異なる。すなわち、第2の新気導入通路48がチェーンケース26の下方に開口されると共に、第2のブローバイガス還流通路44がヘッドカバー18に開口されている。
この第5の実施形態によれば、第2の新気導入通路48がチェーンケース26の下方に開口されると共に、第2のブローバイガス還流通路48がヘッドカバー18に開口されるので、ブローバイガスの還流に伴うオイルの流出を低減することができる。
以上、本発明の好適実施形態を述べたが、本発明は上記以外の他の実施形態を採ることも可能である。例えば、第1のブローバイガス還流通路38に、ブローバイガスからオイルを分離するためのオイルセパレータを設けてもよい。また、オイル戻し通路を、シリンダーヘッド及びシリンダーブロックの外部に設けられた配管で画成してもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 エンジン
12 シリンダーブロック
14 クランクケース
16 シリンダーヘッド
18 ヘッドカバー
19 オイル戻し通路
20 オイルパン
22 動弁室
24 クランク室
26 チェーンケース
28 仕切り壁
30 連通口
32 吸気通路
34 スロットルバルブ
38 第1のブローバイガス還流通路
40 第1のPCVバルブ
42 第1の新気導入通路
44 第2のブローバイガス還流通路
44A 第2のブローバイガス還流通路の吸気系への接続位置
46 第2のPCVバルブ
48 第2の新気導入通路
48A 第2の新気導入通路の吸気系への接続位置

Claims (6)

  1. シリンダーヘッドの動弁室領域と、シリンダーブロック下方のクランク室領域とを分断して形成すると共に、該動弁室領域からクランク室領域へのオイル戻し通路の下端開口部を該クランク室領域のオイル中に油没させ、クランク室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第1のブローバイガス還流通路と動弁室領域のブローバイガスを吸気系に還流する第2のブローバイガス還流通路と、クランク室領域に新気を導入する第1の新気導入通路と、動弁室領域に新気を導入する第2の新気導入通路とを設け、前記第2の新気導入通路の吸気系への接続位置は、前記第2のブローバイガス還流通路の吸気系への接続位置よりも吸気通路の上流側であり、且つ両接続位置が、スロットルバルブの開度位置に関係なく、吸気通路の管路抵抗差圧により、動弁室領域への第2の新規導入通路からの新規の導入と、第2のブローバイガス還流通路によるその排出とが常時行われる、スロットルバルブより上流側であることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とは第1の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とが連通され、前記第1の新気導入通路は該チェーンケース内部領域を介して前記クランク室領域に新気を導入することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記第1の仕切り壁に、前記動弁室領域から前記チェーンケース内部領域への流れのみを許容する一方向弁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とは第2の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とが連通され、前記第2のブローバイガス還流通路は該チェーンケース内部領域を介して前記動弁室領域のブローバイガスを吸気系に還流することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記第2の仕切り壁に、前記チェーンケース内部領域から前記クランク室領域への流れのみを許容する一方向弁が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記シリンダーヘッドの上部にヘッドカバーが設けられ、これらシリンダーヘッドとヘッドカバーにより前記動弁室領域が画成され、前記シリンダーヘッド及びヘッドカバーにチェーンケースが接続され、該チェーンケース内部領域と前記クランク室領域とは第2の仕切り壁でもって非連通とされると共に、該チェーンケース内部領域と前記動弁室領域とが連通され、前記第2の新気導入通路が前記チェーンケースの下方に開口されると共に、
    前記第2のブローバイガス還流通路が前記ヘッドカバーに開口されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
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