JP5305612B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、各々独立した複数の架構を有する建物であって、例えば、いずれかの架構に貯水槽などの重量物が設置される建物に関する。
住宅等の建物においては複数の部屋が設けられ、その部屋ごとに各々異なる物品や設備等が収容される。この場合、建物を支えるための基礎にかかる荷重は場所ごとに相違する。また、高さが互いに異なる複数の建物ユニットを用いてユニット式建物を構築し、低い方の建物ユニットの上部に収容スペースを形成するとともに、その収容スペース内に空調機器等を設置した建物が提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる建物では、収納スペースを形成した部分の負担重量とそれ以外の部分の負担重量とが相違し、前者の部分に対応する基礎は他の部分に比して基礎にかかる荷重が大きくなると考えられる。
特開2004−251023号公報
上記のとおり建物の基礎にかかる荷重が場所ごとに相違する場合、それが原因で局部的に基礎が沈下し(換言すれば、基礎の沈下量が場所ごとに相違し)、それに伴い、床下地盤上において基礎に近接して設けられる防湿コンクリート等に変形や破損等が生じるおそれが懸念される。
また、建物として、各々独立した複数の架構を備えるものが考えられる。こうした複数の架構を有する構造では、特に各架構に対応する基礎部分でそれぞれ沈下量が相違し、やはり上記のとおり床下地盤上の防湿コンクリート等に変形や破損等が生じるおそれが懸念される。
本発明は、建物を支持する基礎の沈下量が場所ごとに相違する場合であっても、それに伴う構造物の変形や破損等を抑制することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
本発明の建物は、各々独立した複数の架構(主架構K1、スキップ架構K2)が基礎(基礎11)上に設置され、それら複数の架構により構築されるものであって、前記複数の架構又はその下方の基礎にそれぞれ水平方向に近接して設けられる構造物(防湿コンクリート61や床材等)を、前記複数の架構又はその下方の基礎に対して不連続としたことを特徴とする。
各々独立した複数の架構を有する建物では、各架構を通じて基礎に作用する荷重がそれぞれ相違し、基礎の各部位ではそれぞれ異なる態様で沈下が生じると考えられる。この点、本発明では、複数の架構又はその下方の基礎と、それに水平方向に近接して設けられる防湿コンクリート等の構造物とが不連続になっている。つまりこれにより、各架構又は基礎と、それに水平方向に近接する構造物とが鉛直方向に互いに相対移動可能となる。そのため、各架構に対応する基礎がそれぞれ異なる態様で沈下しても、すなわち基礎の沈下量が場所ごとに相違しても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
特に、前記複数の架構の負担重量(詳しくは、単位面積当たりの負担重量)がそれぞれ相違するものである場合、基礎の局所的な沈下が生じる蓋然性が高まる。例えば、複数の架構のうちいずれかに、建物内で使用する水を貯める貯水槽(貯水タンクユニット41b)を設置した建物では、各架構の負担重量が相違し、基礎の局所的な沈下が生じる蓋然性が一層高まる。すなわち、貯水槽は重量物であり、それを設置した架構は負担重量が大きくなる。かかる場合、負担重量が相違する架構又はその下方の基礎に対して前記構造物を不連続に設けるとよい。これにより、負担重量が異なる複数の架構又はその下方の基礎に近接して設けられる構造物(防湿コンクリート等)に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
貯水槽は、例えばヒートポンプ式温水装置等の給湯設備で用いられる貯水タンクであり、この貯水槽を建物内に設置することで、貯水槽内の水(温水)を建物内で都合よく利用できる。すなわち、住宅等の建物では、キッチン設備、浴室、温水式床暖房設備などがそれぞれ異なる場所に設けられるが、これら設備類に対して好適に水(温水)の供給を行うことができる。望ましくは、建物の中心又はその付近に貯水槽が設置されるとよい。
また、建物を構築する敷地が狭小地である場合、すなわち隣地境界線までの場所の余裕がない場合には、貯水槽(ヒートポンプ式温水装置の貯水タンク等)を屋外に設置できないことも考えられるが、上記のように建物内に貯水槽を設置する構造とすることで、狭小地における貯水槽の設置対策にもなる。
前記複数の架構として、建物の全体構造を構成する主架構(主架構K1)と、その主架構から独立して設けられ同主架構とは異なる高さに床を形成するスキップ架構(スキップ架構K2)とを備える建物では、前記主架構及び前記スキップ架構、又はそれらの下方の基礎に対して前記構造物を不連続に設けるとよい。
主架構とスキップ架構とをそれぞれ独立して設けた建物では、スキップ架構を追加しても主架構の構造計算等が複雑になることはなく、量産化やレイアウトの多様化に適した構造を実現できる。また、こうした利点を有する建物について、上記のとおり各架構又はその下方の基礎に対して防湿コンクリート等の構造物を不連続に設けたため、各架構に対応する基礎の沈下量が相違しても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
ここで、前記スキップ架構により形成される床上に、建物内で使用する水を貯める貯水槽(貯水タンクユニット41b)を設置することが好ましい。つまり、スキップ架構によれば、通常の階高とは異なる任意の天井高さの空間部を形成することが容易であり、貯水槽を収納するための収納スペースを容易に形成できる。
一方で、複数の架構の負担重量がそれぞれ相違するものである場合、そのうち相対的に負担重量が大きい架構又はその下方の基礎に水平方向に近接して設けられる構造物(防湿コンクリート61や床材等)を、前記負担重量が大きい架構又はその下方の基礎に対して不連続にするとよい。例えば、複数の架構のうちいずれかに、建物内で使用する水を貯める貯水槽(貯水タンクユニット41b)を設置した建物では、その貯水槽を設置した架構又はその下方の基礎に対して前記構造物を不連続に設けるとよい。
上記構成では、負担重量が大きい架構又は基礎と、それに水平方向に近接する構造物とが鉛直方向に互いに相対移動可能となる。したがって、負担重量が大きい架構を支える基礎について、他の基礎よりも沈下量が大きくなったとしても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
前記複数の架構として、建物の全体構造を構成する主架構(主架構K1)と、その主架構から独立して設けられ同主架構とは異なる高さに床を形成するスキップ架構(スキップ架構K2)とを備え、前記スキップ架構の負担重量を前記主架構よりも大きくした建物では、前記スキップ架構又はその下方の基礎に対して前記構造物を不連続に設けるとよい。ここで、前記スキップ架構により形成される床上に、建物内で使用する水を貯める貯水槽(貯水タンクユニット41b)を設置することが好ましい。
主架構とスキップ架構とをそれぞれ独立して設けた建物では、スキップ架構を追加しても主架構の構造計算等が複雑になることはなく、量産化やレイアウトの多様化に適した構造を実現できる。また、こうした利点を有する建物について、上記のとおりスキップ架構(すなわち負担重量が大きい架構)又はその下方の基礎に対して防湿コンクリート等の構造物を不連続に設けたため、スキップ架構に対応する基礎の沈下量が、主架構に対応する基礎の沈下量よりも大きくなっても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
前記貯水槽から供給される水を使用する水使用設備(浴槽32、フロアキャビネット44、床暖房設備46等)を、前記貯水槽を設置した架構とは異なる架構に設置した建物では、前記貯水槽と前記水使用設備とを接続する給水配管(給水配管42,45,47)が伸縮自在に構成されていることが好ましい。給水配管としては、蛇腹状又はコイル状(螺旋巻線状)に形成された伸縮自在な筒体からなるフレキシブル配管が用いられるとよい。
貯水槽を設置した架構(すなわち負担重量が相対的に大きい架構)と、水使用設備を設置した架構(すなわち負担重量が相対的に小さい架構)とでは、各架構に対応する基礎において沈下量が異なると考えられ、それに起因して、貯水槽と水使用設備とを接続する給水配管に負荷がかかる。しかしながら上記構成では、基礎の沈下に伴い給水配管に負荷がかかっても、給水配管が伸長又は収縮することで同給水配管にかかる負荷が吸収される。したがって、当該配管の破損等を抑制できる。
前記複数の架構がそれぞれ基礎の異なる部位に連結して設けられている建物では、各架構に対応する基礎で沈下量が異なり防湿コンクリート等の構造物の破損が生じ易いと考えられる。この点、上記のとおり複数の架構とそれに水平方向に近接して設けられる防湿コンクリート等の構造物とを不連続としたため、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
以下に、発明を具体化した一実施形態である建物について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態の建物全体を示す概略縦断面図である。本実施形態では、建物10として陸屋根タイプの二階建て住宅を例示している。建物10は、骨組として鋼材が利用された骨組構造を有し、この骨組構造に外壁その他の各種建築材が設けられて構築されるものとなっている。
図1に示すように、建物10が構築される地盤には、鉄筋コンクリート造の布基礎からなる基礎11が設けられており、その基礎11上に建物10が構築されている。建物10は、基礎11上に形成された下階部分としての一階部分12と、その一階部分12の上方に連続して形成された上階部分としての二階部分13と、その二階部分13の上方に形成された屋根部分14とを備えている。なおここでは詳細な説明は省略するが、一階部分12と二階部分13との境界部15は、周知のように一階天井面と二階床面とを含むそれらの間にある各部材によって構成されている。
建物10の一階部分12には、例えば居室21,22、浴室23及び収納室24がそれぞれ形成され、同二階部分13には、例えば居室25,26が形成されている。また、本建物10には、一階部分12と二階部分13とをつなぐ階段27が設けられている。
居室21は、一階床高さの位置に床面が設けられるとともに一階天井高さの位置に天井面が設けられる通常の一階居室として構築されているのに対し、居室22は、その床面が居室21の床面(一階床高さの位置)よりも低位に設けられるとともに、天井面が居室21の天井面(一階天井高さの位置)よりも低位に設けられている。すなわち、居室22の床面は、基礎11と一階部分12との境界部よりも低位に設けられている。居室22には、空調装置31が設けられている。また、浴室23には浴槽32やシャワー設備33等が設けられている。
建物10の一階部分12にはスキップ床35が設けられており、そのスキップ床35と一階/二階部分の境界部15との間に、スキップスペースとしての収納室24が形成されている。収納室24は、概ね建物10の中心部(間取りの中心)であって、階段27に隣接して設けられている。この場合、収納室24と階段27とを区画する壁部には出入り口(開口部)36が設けられており、その出入り口36を通じて収納室24と階段27との間の出入りが可能となっている。なお、出入り口36には引き戸等の扉体(図示略)が設けられている。
収納室24はその空間内の高さが1m〜1.4mの範囲に設定されている。1.4mを上限としたのは、建築基準法上、居室とみなされないための上限値だからであり、1mを下限としたのは、収納室24内の空間に家人が容易に立ち入ることができるとともに収納力を高めるためである。ただし、下限の1mは家人が立ち入ることを前提としなければ必要条件とはならない。
スキップ床35は、居室22の天井部の一部を構成するものとなっているが、上記のとおり居室22の床面が居室21の床面よりも低位に設けられていることから、その居室22においては十分な天井高さが確保されている。
上記建物10では、一階部分12にスキップ床35が設けられて上記のとおり十分な高さを有する収納室24が設けられているにもかかわらず、一階/二階部分の境界部15の高さ位置は一般的な二階建て住宅と何ら変わらないようになっている。つまり、建物全体の高さ寸法を大きくすることなく、家人が入り込むことのできる十分な高さを有した中間階収納が実現できるようになっている。これにより、従来の一般的な二階建て住宅と外壁等の各種部材を共有化できる。したがって、斜線規制による弊害がなく、コストダウンを図ることができる。
収納室24には、スキップ床35上にヒートポンプ式温水装置41が設置されている。このヒートポンプ式温水装置41は、ヒートポンプユニット41aと貯水タンクユニット41bとからなり、例えば大気からの吸熱によりヒートポンプユニット41aにて水を加熱し、その加熱後の温水を貯水タンクユニット41bに蓄える構造となっている。ここで、貯水タンクユニット41bは、例えば、約400リットルの貯水が可能であり、満水時には重量が400〜500kgになる重量物として構成されている。
ヒートポンプ式温水装置41には給水配管42が接続され、その給水配管42が浴室23内の浴槽32やシャワー設備33等に接続されている。したがって、貯水タンクユニット41bに蓄えられた温水は、給水配管42を介して浴室23の各部に供給され、当該浴室23内にて使用される。
また、本実施形態では、二階部分13の居室26をダイニングキッチンとしており、その居室(ダイニングキッチン)26にはフロアキャビネット(キッチン設備)44が設けられている。フロアキャビネット44には給湯設備が設けられており、当該フロアキャビネット44とヒートポンプ式温水装置41とは給水配管45により接続されている。その他、二階部分13の居室26の床部には温水式の床暖房設備46が設けられており、その床暖房設備46とヒートポンプ式温水装置41とは給水配管47により接続されている。
したがって、貯水タンクユニット41bに蓄えられた温水は、給水配管45,47を介してフロアキャビネット44や床暖房設備46に供給され、これらフロアキャビネット44や床暖房設備46にて使用される。
給水配管42,45,47としては、折り曲げ柔軟性を有し、かつ蛇腹状に形成された伸縮自在な筒体からなるフレキシブル配管が用いられる。又は、給水配管42,45,47として、コイル状(螺旋巻線状)に形成された伸縮自在な筒体からなるフレキシブル配管が用いられてもよい。
次に、上記建物10の具体的構造について図2に基づいて説明する。なお図2では、建物10の一階部分12についてのみ具体的構造を示すものとしている。
本実施形態の建物10は、その全体構造を構成する主架構K1と、収納スペース構築のためのスキップ架構K2とを備えている。すなわち、建物10において、居室22とその上方の収納室24とはスキップ架構K2により構築されており、それ以外が主架構K1により構築されている。主架構K1とスキップ架構K2とは、各々独立した骨組み構造体となっており、以下の説明では、主架構K1とスキップ架構K2とを分けてその具体的に構造を説明する。
まず主架構K1の概要について説明する。基礎11のうち図示される各部(基礎11a,11b,11c,11d,11e)上には、それぞれ角形鋼よりなる下階柱51a,51b,51c,51d,51eが立設されており、それら各下階柱51a〜51eの上端には、H形鋼よりなる複数の上階床梁52a,52b,52cが連結されている。その連結構造は、例えばコーナ金具(図示略)がそれぞれにボルト止めされたり溶接されたりすることにより実現されている。なお、下階柱51c,51dについては、スキップ架構K2の奥側に見える上部のみを示している。そして、上階床梁52a〜52cの上下にそれぞれ上階床材、下階天井材等が組み付けられることで、一階/二階部分の境界部15(図1参照)が構築されている。
主架構K1により構築される居室21においては、基礎11a,11bの上方に床材53が組み付けられている。また、同じく主架構K1により構築される浴室23においては、床材54が組み付けられ、一部が床下に入り込むようにして浴槽32が設置されている。
上階床梁52a〜52cの上方に構築される二階部分の構造について略述すると、上階床梁52a〜52cには例えばコーナ金具がそれぞれにボルト止めされたり溶接されたりすることにより、角形鋼よりなる複数の上階柱55a,55b,55c,55dの下端が連結されている。
次いで、スキップ架構K2について説明する。上述したとおり、スキップ架構K2は居室22とその上方の収納室24とを構築するものであり、居室22に対応する基礎11c,11d上には、それぞれスキップ柱56a,56bが立設されている。ここで、基礎11c,11dは、主架構K1を構成する下階柱51c,51dを支えるための下部構造でもあり、基礎11c,11dの長手方向(紙面に直交する方向)にずらして、主架構K1の下階柱51c,51dとスキップ架構K2のスキップ柱56a,56bとが基礎11c,11dにそれぞれ連結されている。なお、基礎11c,11dの幅方向(紙面の左右方向)にずらして、下階柱51c,51dとスキップ柱56a,56bとを基礎11c,11dに連結することも可能である。図面では正面視のため一対のスキップ柱56a,56bのみが見えるようになっているが、実際には居室22の平面視で少なくとも四隅となる位置にそれぞれスキップ柱が設けられている。
各スキップ柱56a,56bの上端には、H形鋼よりなるスキップ床梁57が連結されている。その連結構造は、例えばコーナ金具がそれぞれにボルト止めされたり溶接されたりすることにより実現される。スキップ床梁57は、その上下に組み付けられた収納室床材及び居室天井材(いずれも図示略)とともに、居室22と収納室24との境界部であるスキップ床35(図1参照)を構築している。居室22においては、基礎11c,11dの天端(上端)よりも低い位置に居室床材58が設置されている。
また、建物10の下方において床下地盤上には防湿コンクリート61が打設されている。すなわち、居室21の下方において基礎11a,11bの各立ち上げ部の間には防湿コンクリート61aが設けられ、居室22の下方において基礎11c,11dの各立ち上げ部の間には防湿コンクリート61bが設けられ、浴室23の下方において基礎11d,11eの各立ち上げ部の間には防湿コンクリート61cが設けられている。なお、防湿コンクリート61は、各架構の下方の基礎11に水平方向に近接して設けられる「構造物」に相当する。この構造物として、防湿コンクリート61に代えて、モルタル層を設ける構成であってもよい。
ところで、上記構造の建物10では、主架構K1とスキップ架構K2とが独立した構造体となっているため、各架構K1,K2の負担重量が相違すると、それに起因して、基礎11の各部位でそれぞれ異なる態様で沈下が生じると考えられる。特に本実施形態では、スキップ架構K2により構築されるスキップ床35上に、重量物であるヒートポンプ式温水装置41を設置しているため、スキップ架構K2の負担重量が大きくなり、同スキップ架構K2を支える基礎(図2の基礎11c,11d)において局所的な沈下が生じるおそれがある。かかる場合、局所的な基礎11の沈下によって、防湿コンクリート61等に破損等が生じるおそれがある。
そこで本実施形態の建物10では、各架構K1,K2に対応する基礎11(11a〜11e)と、それに水平方向に近接して設けられる防湿コンクリート61とを不連続とし、それらが鉛直方向に互いに相対移動可能となる構造を採用する。具体的には、例えば図3に示すように、基礎11dの立ち上げ部と防湿コンクリート61cの周縁部との間に、これら両者を分断させ、かつ基礎11dの立ち上げ部側面に対して相対移動可能な中間材63を介在させる構成とする。中間材63は、例えば木製又は合成樹脂製の板材であり、基礎11が延びる方向(図3では紙面直交方向)に沿って設けられている。なお図示は省略するが、基礎11と防湿コンクリート61とが近接する他の部位においても、両者の間に中間材を設ける構成が採用されている。
上記構成とすることで、主架構K1とスキップ架構K2とでそれぞれに対応する基礎11の沈下量が相違しても、基礎11と防湿コンクリート61との鉛直方向の相対移動が許容され、防湿コンクリート61が破損するといった不都合が回避できる。
主架構K1とスキップ架構K2とがそれぞれ基礎の異なる部位に連結して設けられている建物では、各架構に対応する基礎で沈下量が異なり防湿コンクリート等の構造物の破損が生じ易いと考えられる。この点、上記のとおり各架構K1,K2と防湿コンクリート61とを不連続としたため、防湿コンクリート61に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
上記のようにヒートポンプ式温水装置41を建物10内に設置した構成によれば、ヒートポンプ式温水装置41から供給される温水を建物10内で都合よく利用できる。特に本実施形態では、ヒートポンプ式温水装置41を収納する収納室24を、フロアキャビネット44や温水式の床暖房設備46を備える二階居室26や浴室23に隣接して設けたため、温水を利用する各設備に対して都合よく温水が供給できる。例えば、給水配管の短縮化が可能となり、温水を効率よく各設備に供給できる。なお、建物内の各部屋に温水を効率よく供給するには、建物の中心又はその付近にヒートポンプ式温水装置41が設置されることが望ましい。
建物10を構築する敷地が狭小地である場合、すなわち隣地境界線までの場所の余裕がない場合には、ヒートポンプ式温水装置41を屋外に設置できないことも考えられるが、上記のように建物10内にヒートポンプ式温水装置41を設置する構造とすることで、狭小地におけるヒートポンプ式温水装置41の設置対策にもなる。
また、上記のようにヒートポンプ式温水装置41をスキップ架構K2に設けるとともに、ヒートポンプ式温水装置41からの給水を使用する水使用設備(浴槽32、フロアキャビネット44、床暖房設備46等)を主架構K1に設けた建物構造では、各架構K1,K2に対応する基礎の沈下量の違いから給水配管42,45,47に負荷がかかり、同給水配管42,45,47が破損するおそれがある。この点、本実施形態では、給水配管42,45,47を伸縮自在な構成としたため、基礎11の沈下に伴い給水配管42,45,47に負荷がかかっても、給水配管42,45,47が伸長又は収縮することで同給水配管にかかる負荷が吸収される。したがって、給水配管42,45,47の破損等を抑制できる。
主架構K1とスキップ架構K2とをそれぞれ独立して設けた建物では、スキップ架構K2を追加しても主架構K1の構造計算等が複雑になることはなく、量産化やレイアウトの多様化に適した構造を実現できる。ヒートポンプ式温水装置41を収納するための収納室24は、通常の階高を有する部屋とは異なり天井高さが低くてよいが、スキップ架構K2によれば、こうした収納室24を容易に形成することができる。
収納室24は人の出入りが可能な空間であるため、当該収納室24に入り込んでヒートポンプ式温水装置41の設置工事やメンテナンス等を行うことができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、各架構K1,K2に対応する基礎11(11a〜11e)と、それに水平方向に近接して設けられる防湿コンクリート61とを不連続としたが、これを変更する。例えば、重量物であるヒートポンプ式温水装置41を設置するスキップ架構K2についてのみ、基礎11(11c,11d)と防湿コンクリート61とを不連続とする構成にしてもよい。つまりこの場合、主架構K1に対応する基礎と、スキップ架構K2に対応する基礎とを比較すると、後者の方が単位面積当たりの負担重量が大きく、沈下量が大きくなると想定される。これにより、負担重量が大きいスキップ架構K2と防湿コンクリート61とが鉛直方向に互いに相対移動可能となり、スキップ架構K2を支える基礎11(11c,11d)について、他の基礎よりも沈下量が大きくなったとしても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
上記実施形態では、基礎とそれに近接する防湿コンクリート等の構造物とを不連続にする構成を採用したが、これを変更し、基礎上に構築される架構とそれに近接する構造物とを不連続にする構成を採用してもよい。すなわち、主架構K1やスキップ架構K2を構成する柱材に水平方向に近接して設けられる床材等を、当該柱材に対して不連続とする構成であってもよい。
上記実施形態では、建物10が構築される地盤に鉄筋コンクリート造の布基礎からなる一体の基礎11を設けたが、これを変更する。例えば、主架構K1を支える基礎とスキップ架構K2を支える基礎とをそれぞれ個別に独立させて設けてもよい。かかる場合、工場等にて複数の基礎ブロックを製造し、それを建築現場に運搬して据え付ける、いわゆるプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いて基礎を構築してもよい。架構ごとに異なる基礎を用いる場合、各架構に対応する基礎の沈下量がそれぞれ相違する可能性が高まるが、上記のとおり基礎と防湿コンクリート等の構造物とを不連続にすることにより、防湿コンクリート等の変形や破損を抑制できる。
上記実施形態の建物10では、複数の架構として、主架構K1と、同主架構K1とは異なる高さに床を形成するスキップ架構K2とを設けたが、これを変更し、いずれも床高さを同じとする複数の架構を有する構造であってもよい。本構成にあっても、複数の架構又はその下方の基礎と、それに水平方向に近接して設けられる防湿コンクリート等の構造物とを不連続にすることにより、各架構又は基礎と、それに水平方向に近接する構造物とが鉛直方向に互いに相対移動可能となる。したがって、各架構に対応する基礎がそれぞれ異なる態様で沈下しても、すなわち基礎の沈下量が場所ごとに相違しても、防湿コンクリート等の構造物に対して変形や破損等が及ぶことを抑制できる。
本実施形態の建物を示す概略縦断面図。 建物の具体的構造を示す縦断面図。 基礎周りの構成を拡大して示す断面図。
符号の説明
10…建物、11…基礎、12…一階部分、13…二階部分、15…境界部、21,22…居室、23…浴室、24…収納室、25,26…居室、32…浴槽、33…シャワー設備、35…スキップ床、41…ヒートポンプ式温水装置、41a…ヒートポンプユニット、41b…貯水タンクユニット、42,45,47…給水配管、44…フロアキャビネット、46…床暖房設備、51…下階柱、52…上階床梁、56…スキップ柱、57…スキップ床梁、K1…主架構、K2…スキップ架構。

Claims (9)

  1. 建物の全体構造を構成する主架構と、その主架構から独立して設けられ同主架構とは異なる高さに床を形成するスキップ架構とが基礎上に設置されることにより構築される建物であって、
    前記スキップ架構は、上下方向に延びる複数本のスキップ柱と、これら各スキップ柱の上端に連結されて水平方向に延びるスキップ床梁とを備え、
    前記スキップ床梁の上方に第1の室が形成され、前記スキップ床梁の下方に第2の室が形成され、
    前記各スキップ柱の下端は、互いに平行に延びる一対の基礎の天端上に設置され、
    前記第2の室の床材は、前記一対の基礎の天端よりも低い位置に設置され、
    前記主架構及び前記スキップ架構、又はそれらの下方の基礎にそれぞれ水平方向に近接して設けられる構造物を、前記主架構及び前記スキップ架構、又はそれらの下方の基礎に対して不連続としたことを特徴とする建物。
  2. 前記主架構は、前記基礎上に設置される下階部分と、その下階部分の上方に設置される上階部分とを備え、
    前記下階部分は、前記基礎の天端上に設置され、上下方向に延びる複数本の下階柱を備え、
    前記上階部分は、前記各下階柱の上端に連結されて水平方向に延びる上階床梁と、前記上階床梁に連結されて上下方向に延びる複数本の上階柱とを備え、
    前記上階柱及び前記下階柱は角形鋼によって構成されるとともに、前記上階床梁及び前記スキップ床梁はH形鋼によって構成されており、
    前記スキップ床梁は前記上階床梁よりも低い位置に配置されており、前記第1の室は前記スキップ床梁と前記上階床梁との間に形成されている請求項1に記載の建物。
  3. 前記構造物は、前記一対の基礎の間であって前記床材の下方に設けられた防湿コンクリートである請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記主架構と前記スキップ架構とではそれぞれ負担重量が相違するものである請求項1乃至3のいずれかに記載の建物。
  5. 前記第1の室には、建物内で使用する水を貯める貯水槽が設置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の建物。
  6. 前記貯水槽は前記スキップ架構の前記スキップ床梁上に形成される床上に設置されている請求項5に記載の建物。
  7. 前記貯水槽から供給される水を使用する水使用設備が前記主架構に設置され、前記貯水槽と前記水使用設備とを接続する給水配管が伸縮自在に構成されている請求項5又は6に記載の建物。
  8. 前記スキップ架構を支える前記一対の基礎は、前記主架構を支える基礎とは独立したものである請求項1乃至7のいずれかに記載の建物。
  9. 前記主架構と前記スキップ架構とはそれぞれ基礎の長手方向にずらした部位に連結して設けられている請求項1乃至7のいずれかに記載の建物。
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