JP5304842B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置においては、画像が形成された用紙を定着するための定着ユニットが用いられている。定着ユニットでは、内部にハロゲンランプヒータ等の加熱手段を備えた定着回転部材によって画像形成済みの用紙を挟持搬送することで、用紙に画像を加熱定着させる。定着回転部材としては、加熱手段を備える加熱ローラと加圧ローラのローラ対や、ローラ対に定着ベルトを張架したもの等が用いられる。
従来の定着ユニットでは、用紙が定着回転部材の同じ箇所を通過するために、定着回転部材における用紙の側端部(以下、用紙端部と呼ぶ)と接触する箇所に傷が発生してしまい、その傷により画像品質の劣化が生じていた。そこで、例えば、特許文献1に記載のように、定着回転部材をその軸方向、即ち、用紙搬送方向と直交する方向に揺動させることで用紙が定着回転部材の同じ箇所を通過することを防止する技術が提案されている。
特開2006−91224号公報
ところで、用紙が定着ユニットのローラ対とそれ以外の他のローラ対に同時に挟持搬送されている状態で定着回転部材が揺動すると、画像ズレ、紙シワ等の不具合が発生してしまうという問題があった。
本発明の課題は、定着回転部材の揺動により生じる画像ズレや紙シワ等の不具合を防止することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に記載の画像形成装置は、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部において画像が形成された用紙を定着回転部材により挟持搬送することで前記用紙に画像を加熱定着させる定着ユニットと、
前記定着ユニットの少なくとも前記定着回転部材をその軸方向に一体的に揺動させる揺動機構と、
前記定着回転部材と他の回転部材に前記用紙が同時に挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量を前記用紙の紙剛度に基づいて決定し、当該決定された揺動量で前記揺動機構により前記定着回転部材を揺動させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記用紙の紙剛度が小さいほど前記定着回転部材の揺動量が小さくなるように決定する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記定着回転部材と他の回転部材に前記用紙が同時に挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量は、前記用紙が前記定着回転部材のみに挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量及び前記用紙が前記定着回転部材に挟持搬送されていない状態における前記定着回転部材の揺動量より小さくなるように決定される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御部は、前記定着回転部材により前記用紙が挟持搬送されているときの前記定着回転部材の用紙搬送方向下流側に設けられている搬送ローラの圧着力が前記定着回転部材により前記用紙が挟持搬送されていないときの前記搬送ローラの圧着力より小さくなるように制御する。
本発明によれば、定着回転部材の揺動により生じる画像ズレや紙シワ等の不具合を防止することができる。
画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。 画像形成装置の概略構成例を示す図である。 図1の記憶部に記憶されている揺動量テーブルの一例を示す図である。 定着ユニットの揺動機構の概略構成例を示す図である。 図1の制御部により実行される定着ユニットの揺動制御に係るタイミングチャートである。 図5のT3〜T4における、用紙と、二次転写ローラと、定着ユニットのローラ対と、排紙ローラとの関係を示す図である。 図5のT4〜T5における、用紙と、二次転写ローラと、定着ユニットのローラ対と、排紙ローラとの関係を示す図である。 図5のT6以降における、用紙と、二次転写ローラと、定着ユニットのローラ対と、排紙ローラとの関係を示す図である。 定着ユニットの揺動制御に加えて定着ユニットのローラ対の圧着力の制御を行う場合のタイミングチャートである。
本発明の実施形態における画像形成装置の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態ではカラーの画像形成装置1を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限らず、例えばモノクロの画像形成装置によっても本発明を実現することは可能である。
図1に、画像形成装置1の機能ブロック図の一例を示す。図2に、画像形成装置1内部の概略構成の一例を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、制御部10、操作表示部20、記憶部30、通信部40、画像読取部50、画像処理部60、画像形成部70等を備えて構成され、各部はバス80を介して接続されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部10のCPUは、記憶部30に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置1各部の動作を集中制御する。
例えば、制御部10は、記憶部30に記憶されているプログラムとの協働により、画像読取部50により原稿トレイ11aに載置された原稿から画像を読み取り、読み取った原稿の画像及び操作表示部20から入力された画像形成条件等のジョブ情報に基づいてジョブを実行し、用紙Pに画像形成して出力する。また、制御部10は、記憶部30に記憶されているプログラムとの協働により、外部装置等から送信された画像データや各画像データの画像形成条件等を含むジョブ情報を通信部40により受信し、受信したジョブ情報に基づいてジョブを実行し、用紙Pに画像を形成して出力する。
ここで、画像形成条件としては、画像形成に用いる用紙Pの種類、用紙サイズ等を含む。
また、制御部10は、記憶部30に記憶されているプログラムとの協働により、揺動機構23の揺動制御を行う。
操作表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部10から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの表示画面上は、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルに覆われており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部10に出力する。また、操作表示部20は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部10に出力する。
記憶部30は、不揮発メモリ等により構成され、画像形成装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、制御部10によって演算処理された処理結果のデータ等を記憶する。
本実施の形態において、記憶部30は、用紙テーブル300、揺動量テーブル301を記憶している。
用紙テーブル300は、用紙の種類と、その用紙の紙剛度を示す指標値(ここでは、紙斤量(g/m)を用いる)とを対応付けて記憶する。用紙の種類と紙剛度を示す指標値の対応関係は、操作表示部20から設定することができる。
揺動量テーブル301は、図3に示すように、紙剛度を示す指標値(ここでは、紙斤量を用いる)と、その紙剛度における第1の揺動量、第2の揺動量及び第3の揺動量を対応付けて記憶するテーブルである。第1の揺動量とは、その紙剛度の用紙が定着ユニット22のローラ対と他のローラ対の2箇所以上で同時に挟持搬送されているときの定着ユニット22の揺動量(ここでは、1秒当たりの揺動量。以下同じ。)である。第2の揺動量とは、その紙剛度の用紙が定着ユニット22にのみ挟持搬送されているときの定着ユニット22の揺動量である。第3の揺動量とは、その紙剛度の用紙が定着ユニット22に挟持搬送されていないときの定着ユニット22の揺動量である。各紙剛度毎の第1の揺動量〜第3の揺動量の関係は、第1の揺動量<第2の揺動量<第3の揺動量である。
ここで、紙剛度とは、用紙に曲げの力を与えたときの抵抗性を示す値であり、紙剛度が小さいほどコシがなくシワになりやすく、紙剛度が大きいほどコシがありシワが生じにくい。よって、揺動量テーブル301では、紙剛度が小さくなるにつれて揺動量が小さくなるように紙剛度と揺動量の関係が規定されている。ここでは、紙剛度を示す指標値として紙斤量を用いた例を示しているが、紙剛度そのもので表すこととしてもよい。
なお、定着ユニット22の揺動による用紙Pへの影響の大きさは、紙剛度の他に、定着回転部材(ここでは、定着ユニット22のローラ対(加熱ローラ22aと加圧ローラ22b))と他の回転部材(ローラ対)との距離にも依存するため、画像形成装置1の機種により上記揺動量テーブル301の内容は異なる。
更に、記憶部30は、定着ユニット22のローラ対により用紙が挟持搬送されているときの排紙ローラ27の圧着力と、定着ユニット22のローラ対により用紙が挟持搬送されていないときの排紙ローラ27の圧着力をそれぞれ記憶している。
通信部40は、モデム、LANアダプタやルータ等によって構成され、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続されたPC(Personal Computer)等の外部装置との通信制御を行い、ジョブ情報等の受信等を行う。
画像読取部50は、図1に示すように、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部11と読取部12とを備えている。自動原稿送り部11は、原稿トレイ11aに載置された原稿dを読取個所であるコンタクトガラスに搬送する。読取部12は、コンタクトガラスに載置された原稿dに光を投射し、反射された光をCCD(Charge Coupled Device)により読み取って光電変換することにより原稿dの画像信号を取得し、画像処理部60に出力する。
画像処理部60は、画像読取部50により出力された画像(アナログ画像信号)にA/D変換処理、シェーディング補正、画像圧縮処理等の各種画像処理を施した後、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に色分解し、デジタルの画像データとして画像形成部70に出力する。
画像形成部70は、入力された画像データに基づいて、給紙部25から搬送された用紙Pに電子写真方式により画像形成を行う。図2に示すように、画像形成部70は、露光ユニット2Y、2M、2C、2Kと、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kと、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと、帯電部5Y、5M、5C、5Kと、クリーニング部6Y、6M、6C、6Kと、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kと、中間転写ベルト8と、ベルトクリーニング部9と、二次転写ローラ21と、定着ユニット22と、揺動機構23と、給紙部25と、排紙ローラ27を含む搬送部26と、を備えて構成されている。
露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、LD等のレーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ等から構成される。露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、画像処理部60から送られる画像データに基づいて、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面をレーザビームにより走査露光する。このレーザビームの走査露光により、帯電部5Y、5M、5C、5Kによって帯電された感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの画像形成位置に潜像が形成、すなわち画像が書き込まれる。感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの画像形成位置とは、感光体ドラム上に潜像が形成される位置のことをいう。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成された潜像は、対応する現像ユニット3Y、3M、3C、3Kによる現像によって顕像化され、各感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上にはトナー像が形成される。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成されて担持されたトナー像は一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより、中間転写ベルト8上の所定位置に順次転写され、一次転写される。
トナー像の転写を終えた各感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上の表面は、クリーニング部6Y、6M、6C、6Kによって残留トナーが除去される。
中間転写ベルト8は、複数のローラに懸架され回転可能に支持された半導電性エンドレスベルトであり、ローラの回転に伴って回転駆動される。
この中間転写ベルト8は、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによりそれぞれの感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに圧着される。これにより各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面に現像された各トナー像は、各一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより順次中間転写ベルト8に転写(一次転写)される。一方、給紙部25では制御部10から指示された種類の用紙Pが給紙され、搬送部26により二次転写ローラ21による転写位置に搬送される。そして、二次転写ローラ21による転写位置で、転写ローラ21のローラ対が用紙Pを挟持搬送することにより用紙Pにカラー画像のトナー像が転写(二次転写)される。転写後、用紙Pは定着ユニット22に搬送され、用紙Pに転写されたトナー像が熱定着され、排紙ローラ27により排出トレイ28に排出される。排紙ローラ27は、用紙搬送経路上において定着ユニット22の下流側に位置する搬送ローラである。中間転写ベルト8の残留トナーはベルトクリーニング部9により除去される。
搬送部26の搬送経路上には、用紙Pの位置を検知するための検知手段として複数のフォトセンサが設けられている。検知手段には、例えば、二次転写ローラ21のニップ部に用紙Pが存在するか否かを検知するための二次転写紙検知センサSE1、定着ユニット22のニップ部に用紙Pが存在するか否かを検知するための定着ユニット紙検知センサSE2、排紙ローラ27のニップ部に用紙Pが存在するか否かを検知するための排紙ローラ紙検知センサSE3が含まれる。制御部10は、これらのフォトセンサからの出力に基づいて、用紙Pの用紙位置や搬送状態を判断し、画像形成部70の各部の動作を制御する。
定着ユニット22は、加熱ローラ22a及び加圧ローラ22bからなるローラ対等の定着回転部材を備えて構成されている。定着回転部材は、画像形成済みの用紙を加熱しながら挟持搬送するための回転部材であり、上記のローラ対の他、定着ベルトを用いるもの等がある。
加熱ローラ22aは、その軸方向に延在するハロゲンランプヒータ等の加熱手段221を備える。加熱ローラ22aは、図示しないモータ等の回転駆動手段により駆動されることにより回転する。加圧ローラ22bは、例えば、図示しないソレノイド等の圧着駆動手段により駆動されて加熱ローラ22aに圧着し、加熱ローラ22aとの間に定着ニップを形成する。このとき、加圧ローラ22bは加熱ローラ22aの回転に伴って回転する。これにより、加熱ローラ22aと加圧ローラ22bとは、用紙Pを定着ニップで挟持して搬送しながら加熱及び加圧して、用紙P上のトナー像を溶融定着する。回転駆動手段や圧着駆動手段は、制御部10により駆動制御される。
なお、加熱手段221としては、ハロゲンランプヒータの他、誘導加熱ヒータや抵抗発熱体を用いることとしてもよい。
ここで、用紙Pが定着ユニット22を通過するとき、用紙Pの端部が定着ユニット22の定着回転部材(本実施の形態においては、加熱ローラ22a)と接触するので、用紙Pが毎回同じ箇所を通過すると用紙端部により傷が発生し、これにより画像品質を劣化させてしまう。そこで、画像形成装置1においては、定着ユニット22の下部に揺動機構23を設け、揺動機構23により定着ユニット22の全体を用紙Pの搬送方向xに直交するy方向(定着回転部材の軸方向)に揺動させることで用紙Pが加熱ローラ22aの同じ箇所を通過することを防止している。
図4に、揺動機構23の概略構成の一例を模式的に示す。図4において、手前から奥に向かう方向xが用紙Pの搬送方向であり、この搬送方向に直交する方向yが揺動方向である。図4に示すように、揺動機構23は、画像形成装置1の内部に固定された基台23aと、基台23aに対して回転自在に設けられた一対の支持ローラ23bと、一対の支持ローラ23bに掛け渡され、定着ユニット22が載置される揺動板23cとを備えている。
基台23aは、下方に延びている第一突起部23dを備えている。この第一突起部23dには偏心カム23eが回転自在に取り付けられている。一方、揺動板23cは、下方に延びている一対の第二突起部23fを備えている。また、この第二突起部23fには偏心カム23eを揺動方向で挟む一対の揺動用ローラ23gが回転自在に取り付けられている。一対の揺動用ローラ23gは偏心カム23eに当接しており、図示しないモータの駆動により偏心カム23eが回転すると、それに追従して第二突起部23fが揺動方向に揺動する。すなわち、この揺動は、第二突起部23fを介して揺動板23cにも伝わるため、揺動板23c及び定着ユニット22全体も揺動方向に揺れることになる。なお、偏心カム23eを回転させるためのモータは、制御部10により駆動制御される。定着ユニット22の揺動幅は、例えば、±6mm程度である。この揺動幅は、定着条件や目的により適宜変更してもよいが、用紙通過位置ばらつき(〜±2mm程度)より大きい幅である。
ここで、用紙Pが定着ユニット22のローラ対と定着ユニット22以外の他のローラ対に同時に挟持搬送されている状態で揺動機構23により定着ユニット22を揺動させると、画像ズレ、紙シワ等の不具合が発生してしまう。この不具合は、用紙Pの紙剛度により異なる。
そこで、制御部10は、図5のタイミングチャートに示すように揺動機構23を制御することで、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されている状態のときには、用紙Pの紙剛度に応じた揺動量(定着ユニット22のローラ対のみに挟持されている状態又は定着ユニット22に挟持されていない状態のときよりも小さい揺動量)で定着ユニット22を揺動させるよう制御する。
図5に示すT1は、ジョブの実行が開始されるタイミングである。T2は、給紙部25から給紙された用紙P先端が二次転写ローラ21のニップ部に到達し、二次転写紙検知センサSE1の出力が紙検知無しを示す信号(例えば、「0」)から紙検知有りを示す信号(例えば、「1」)に変化するタイミングである。T3は、用紙P先端が定着ユニット22のニップ部に到達し、定着ユニット紙検知センサSE2が紙検知無しを示す信号(例えば、「0」)から紙検知有りを示す信号(例えば、「1」)に変化するタイミングである。T4は、用紙Pの後端が二次転写ローラ21を抜けて、二次転写紙検知センサSE1の出力が紙検知有りを示す信号から紙検知無しを示す信号に変化するタイミングである。T5は、用紙P先端が排紙ローラ27のニップ部に到達し、排紙ローラ紙検知センサSE3の出力が紙検知無しを示す信号(例えば、「0」)から紙検知有りを示す信号(例えば、「1」)に変化するタイミングである。T6は、用紙Pの後端が定着ユニット22から抜けて、定着ユニット紙検知センサSE2の出力が紙検知有りを示す信号から紙検知無しを示す信号に変化するタイミングである。T8は、用紙Pの後端が排紙ローラ27から抜けて、排紙ローラ紙検知センサSE3の出力が紙検知有りを示す信号から紙検知無しを示す信号に変化するタイミングである。
図5において、ジョブの実行が開始されると(T1)、制御部10は、揺動機構23を駆動して定着ユニット22の揺動を開始させる。具体的には、制御部10は、実行されているジョブ情報に含まれる用紙種類、記憶部30に記憶されている用紙テーブル300、及び揺動量テーブル301を参照し、ジョブで使用される用紙Pの紙剛度に応じた第3の揺動量を取得する。そして、揺動機構23を制御し、取得された第3の揺動量で定着ユニット22を揺動させる。
用紙Pの先端が二次転写ローラ21に到達することにより二次転写紙検知センサSE1の出力が紙検知無しを示す信号から紙検知有りを示す信号に変化し(T2)、更に、用紙Pの先端が定着ユニット22に到達することにより定着ユニット紙検知センサSE2の出力が紙検知無しを示す信号から紙検知有りを示す信号に変化すると(T3)、制御部10は、用紙Pが二次転写ローラ21と定着ユニット22のローラ対に同時に挟持搬送されている状態であると判断し、揺動機構23を制御して、定着ユニット22の揺動量を第1の揺動量に変更する。具体的には、制御部10は、実行されているジョブ情報に含まれる用紙種類、記憶部30に記憶されている用紙テーブル300及び揺動量テーブル301を参照し、ジョブで使用される用紙Pの紙剛度に応じた第1の揺動量を取得する。そして、揺動機構23を制御し、取得された第1の揺動量で定着ユニット22を揺動させる。
図6Aに、図5のT3〜T4における用紙Pと、二次転写ローラ21、定着ユニット22の加熱ローラ22a及び加圧ローラ22b、排紙ローラ27との関係を示す。図6Aに示すように、図5のT3〜T4においては、用紙Pは、二次転写ローラ21と、定着ユニット22のローラ対に同時に挟持搬送された状態であり、最も揺動量の小さい第1の揺動量で定着ユニット22が揺動される。
用紙Pの後端が二次転写ローラ21から抜けて、二次転写紙検知センサSE1の出力が紙検知有りを示す信号から紙検知無しを示す信号に変化すると(T4)、制御部10は、用紙Pが定着ユニット22のローラ対のみ挟持搬送された状態であると判断し、揺動機構23を制御して、定着ユニット22の揺動量を第2の揺動量に変更する。具体的には、制御部10は、実行されているジョブ情報に含まれる用紙種類、記憶部30に記憶されている用紙テーブル300及び揺動量テーブル301を参照し、ジョブで使用される用紙Pの紙剛度に応じた第2の揺動量を取得する。そして、揺動機構23を制御し、取得された第2の揺動量で定着ユニット22を揺動させる。
図6Bに、図5のT4〜T5における用紙Pと、二次転写ローラ21のローラ対、定着ユニット22のローラ対(加熱ローラ22a及び加圧ローラ22b)、排紙ローラ27のローラ対との関係を示す。図6Bに示すように、図5のT4〜T5においては、用紙Pは、定着ユニット22のローラ対のみに挟持搬送された状態であり、第2の揺動量で定着ユニット22が揺動される。
用紙Pの先端が排紙ローラ27に到達し、排紙ローラ紙検知センサSE3の出力が紙検知無しを示す信号から紙検知有りを示す信号に変化すると(T5)、制御部10は、用紙Pが定着ユニットのローラ対と排紙ローラ27に同時に挟持搬送されている状態であると判断し、揺動機構23を制御して、定着ユニット22の揺動量を第1の揺動量に変更する。具体的には、制御部10は、実行されているジョブ情報に含まれる用紙種類、記憶部30に記憶されている用紙テーブル300及び揺動量テーブル301を参照し、ジョブで使用される用紙Pの紙剛度に応じた第1の揺動量を取得する。そして、揺動機構23を制御し、取得された第1の揺動量で定着ユニット22を揺動させる。
用紙Pの後端が定着ユニット22から抜けて、定着ユニット紙検知センサSE2の出力が紙検知有りを示す信号から紙検知無しを示す信号に変化すると(T6)、制御部10は、用紙Pが定着ユニット22のローラ対に挟持搬送されていない状態であると判断し、揺動機構23を制御して、定着ユニット22の揺動量を第3の揺動量に変更する。具体的には、制御部10は、実行されているジョブ情報に含まれる用紙種類、記憶部30に記憶されている用紙テーブル300及び揺動量テーブル301を参照し、ジョブで使用される用紙Pの紙剛度に応じた第3の揺動量を取得する。そして、揺動機構23を制御し、取得された第3の揺動量で定着ユニット22を揺動させる。
図6Cに、図5のT6以降における用紙Pと、二次転写ローラ21、定着ユニット22の加熱ローラ22a及び加圧ローラ22b、排紙ローラ27との関係を示す。図6Cに示すように、図5のT6以降においては、用紙Pは、加熱ローラ22a及び加圧ローラ22bのローラ対のみに挟持搬送された状態、即ち、定着ユニット22に挟持搬送されていない状態であり、最も揺動量が多い第3の揺動量で定着ユニット22が揺動される。
用紙Pの後端が定着ユニット22を抜けてから所定時間経過すると(T7)、制御部10は、揺動機構23の駆動を停止して、定着ユニット22の揺動を停止する。
以上の図5に示す制御部10により、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に同時に用紙Pが挟持搬送されている間(T3〜T4、T5〜T6)は、用紙Pの紙剛度に応じた第1の揺動量により定着ユニット22が揺動される。従って、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されているという、用紙Pに画像ズレやシワが生じてしまう状態においては、用紙Pが紙剛度が小さくシワになりやすい種類の用紙であるほど定着ユニット22の揺動量を小さくしてシワを防止し、用紙Pの剛度が大きくシワになりにくい種類の用紙であるほど揺動量を大きくしてできるだけ定着ユニット22の揺動量を確保することができる。
また、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されている間の第1の揺動量は、定着ユニット22のみで用紙Pの搬送が行われている間(T4〜T5)の第2の揺動量及び定着ユニット22で用紙Pを搬送していない間(T1〜T3、T6〜T7)の第3の揺動量よりも小さい。従って、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されているという、用紙Pに画像ズレやシワが生じてしまう状態においては、それ以外の状態のときよりも定着ユニット22の揺動量が小さくなるように制御するので、定着ユニット22の揺動による画像ズレや紙シワを防止することができる。
また、本実施の形態においては、定着ユニット22のみで用紙Pの搬送が行われている間(T4〜T5)及び定着ユニット22で用紙Pを搬送していない間(T1〜T3、T6〜T7)においても用紙Pの紙剛度に応じた揺動量で定着ユニット22を揺動させるので、用紙Pがシワになりやすいか否かに応じてきめ細かく揺動量を制御することができる。また、第1の揺動量<第2の揺動量<第3の揺動量となるように揺動量が制御されるので、用紙Pの搬送状態が定着ユニット22の揺動によって紙シワが生じやすい状態であるか否かに応じてよりきめ細かく揺動量を制御することができる。
なお、図5に示すタイミングチャートは、ジョブにより画像形成される枚数が1枚である場合を示している。ジョブが連続して用紙に画像を形成する場合には、ジョブの最終用紙が定着ユニット22を抜けてから所定時間が経過するまで定着ユニット22の揺動が継続される。
ここで、図5に示すタイミングチャートのように、定着ユニット紙検知センサSE2及び排紙ローラ紙検知センサSE3の双方が用紙検知有りを示す信号を示している間(T5〜T6)、制御部10は、排紙ローラ27の圧着駆動手段を制御して、排紙ローラ27の圧着力を小さくすることが好ましい。定着ユニット22のローラ対に用紙Pが挟持搬送されている場合、排紙ローラ27の圧着力が弱くても(又は無であっても)用紙Pは搬送される。また、定着ユニット22と排紙ローラ27の両方の圧着力が強いと、定着ユニット22が揺動することにより両方のニップ部に用紙Pが強く引っ張られてシワがよりやすくなるが、一方の圧着力が弱ければ(又は、無であれば)、用紙Pは他方のローラ対のみで搬送されているときと程同じ状態となり、定着ユニット22が揺動してもシワがよりにくくなる。そこで、定着ユニット22のローラ対と排紙ローラ27の双方に用紙Pが挟持搬送されている場合は、されていないときよりも排紙ローラ27の圧着力を小さくする(例えば、2.0N→0.5N以下にする)か又は無しにすることで、紙シワの発生をより確実に防止できるようにすることができる。
以上説明したように、画像形成装置1によれば、制御部10は、記憶部30に記憶されている揺動量テーブル301を参照して用紙Pの紙剛度に基づいて定着ユニット22の揺動量を決定し、決定された揺動量で定着ユニット22の加熱ローラ22a及び加圧ローラ22bが揺動するように揺動機構23を制御する。具体的には、用紙Pの紙剛度が小さくなるほど揺動量が小さくなるように揺動量を決定する。従って、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されているという、用紙Pに画像ズレやシワが生じてしまう状態においては、用紙Pが紙剛度が小さくシワになりやすい種類の用紙であるほど定着ユニット22の揺動量を小さくして紙シワを防止し、用紙Pの剛度が大きくシワになりにくい種類の用紙であるほど揺動量を大きくしてできるだけ定着ユニット22の揺動量を確保することができる。
また、制御部10は、定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に用紙Pが同時に挟持搬送されている間の第1の揺動量は、定着ユニット22のみで用紙Pの搬送が行われている間の第2の揺動量及び定着ユニット22で用紙Pを搬送していない間の第3の揺動量よりも小さくなるように決定する。従って、用紙Pが定着ユニット22のローラ対と他のローラ対に同時に挟持搬送されているという、用紙Pに画像ズレやシワが生じてしまうような状態においては、それ以外の状態のときよりも定着ユニット22の揺動量を小さくするので、定着ユニット22の揺動による画像ズレや紙シワを防止することができる。
また、制御部10は、定着ユニット22のローラ対により用紙Pが挟持搬送されているときの排紙ローラ27の圧着力が、定着ユニット22のローラ対により用紙Pが挟持搬送されていないときの排紙ローラ27の圧着力より小さくなるように制御する。従って、排紙ローラ27の搬送力を必要としなくても定着回転部材の搬送力により用紙Pを搬送できる状態においては排紙ローラ27の圧着を小さくするので、紙シワの発生をより確実に防止することが可能となる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の好適な一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、定着ユニット22全体をその軸方向に揺動させる場合を例にとり説明したが、これに限定されず、少なくとも定着回転部材を一体的にその軸方向に揺動させる定着回転部材の揺動機構を備える構成であれば、図5、図7に示すタイミングチャートのように揺動機構を制御して定着回転部材の揺動を制御することにより、本願発明を実現することができる。
また、画像形成装置1を中間転写ベルトを用いて二次転写ローラにより用紙に画像を形成する構成として説明したが、例えば、モノクロの画像形成装置のように、感光体に形成されたトナー像を転写ローラにより直接用紙に形成する構成としてもよい。
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROM、不揮発性メモリ、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 画像形成装置
10 制御部
20 操作表示部
30 記憶部
40 通信部
50 画像読取部
11 自動原稿送り部
12 読取部
60 画像処理部
70 画像形成部
22 定着ユニット
22a 加熱ローラ
22b 加圧ローラ
23 揺動機構
23a 基台
23b 支持ローラ
23c 揺動板
23d 第一突起部
23e 偏心カム
23f 第二突起部
23g 揺動用ローラ
25 給紙部
26 搬送部
27 排紙ローラ
80 バス

Claims (3)

  1. 用紙に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部において画像が形成された用紙を定着回転部材により挟持搬送することで前記用紙に画像を加熱定着させる定着ユニットと、
    前記定着ユニットの少なくとも前記定着回転部材をその軸方向に一体的に揺動させる揺動機構と、
    前記定着回転部材と他の回転部材に前記用紙が同時に挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量を前記用紙の紙剛度に基づいて決定し、当該決定された揺動量で前記揺動機構により前記定着回転部材を揺動させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記用紙の紙剛度が小さいほど前記定着回転部材の揺動量が小さくなるように決定する画像形成装置。
  2. 前記定着回転部材と他の回転部材に前記用紙が同時に挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量は、前記用紙が前記定着回転部材のみに挟持搬送されている状態における前記定着回転部材の揺動量及び前記用紙が前記定着回転部材に挟持搬送されていない状態における前記定着回転部材の揺動量より小さくなるように決定される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記定着回転部材により前記用紙が挟持搬送されているときの前記定着回転部材の用紙搬送方向下流側に設けられている搬送ローラの圧着力が前記定着回転部材により前記用紙が挟持搬送されていないときの前記搬送ローラの圧着力より小さくなるように制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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