以下に、本発明の画像形成装置、原稿給紙装置及び原稿給紙方法を実施するための形態について、図1〜図11を参照しながら説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.画像形成装置全体の構成
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本例の画像形成装置1の概略構成図である。
本例の画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、原稿給紙装置10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、搬送部23と、2次転写部60と、定着部80とを備える。また、画像形成装置1は、制御部200を備えている。
原稿給紙装置10は、原稿をセットする原稿給紙トレイ11と、原稿搬送部17とを備えている。なお、原稿給紙トレイ11の詳細な構成については、後述する。
原稿搬送部17は、原稿給紙トレイ11における搬送方向の下流側に設置されている。原稿搬送部17は、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16と、引き伸ばし部18とを有している。
原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gを、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読み取り位置に1枚ずつ搬送される。また、引き伸ばし部18は、複数のローラ12と搬送ドラム13の間に設置されている。原稿給紙トレイ11にセットされた原稿GがZ折り原稿の場合、引き伸ばし部18は、搬送された原稿Gにおける折り返し部を引き伸ばす。そして、複数のローラ12及び搬送ドラム13は、引き伸ばし部18により折り返し部が引き伸ばされた原稿Gを、画像読取部30の読み取り位置に搬送する。
また、搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿給紙装置10によって搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号として出力する。出力された画像信号はA/D変換され、これにより画像データが作成される。
また、画像読取部30は、画像処理部36を有している。画像処理部36は、A/D変換によって作成された画像データにシェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、制御部200のRAM203(図4参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙のサイズに応じて複数設けられている。この用紙は、給紙部21(図4参照)により給紙されて搬送部23に送られる。また、用紙収納部20の近傍には、不図示の手差部が設けられている。この手差部からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
搬送部23は、2次転写部60の下流側に設けられ、搬送ローラと、2次転写部60の近傍に設けられた不図示のレジストローラ対とを備える。給紙部より給紙されて搬送部23に送られてくる用紙は、搬送ローラ及びレジストローラ対により転写位置である2次転写部60に搬送される。レジストローラ対は、2次転写部60においてトナー像の転写が可能になるタイミングで、用紙を2次転写部60に送り出す。
画像読取部30と用紙収納部20の間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yはイエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mはマゼンタのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは代表して第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部と、露光部と、現像部44と、クリーニング装置を有している。感光体41は、駆動モータ(図示を省略する)によって反時計回りに回転する。帯電部は感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部は、原稿Gから読み取られた画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行い感光体41に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面には、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に付着したトナーは、中間転写ベルト50に転写される。クリーニング装置は、中間転写ベルト50に転写した後、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、駆動モータ(図示を省略する)で感光体41の回転方向とは逆方向の時計回りに回転する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部が設けられている。この1次転写部は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加することで、感光体41上に形成されたトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の下流側には、2次転写部60が配置されている。2次転写部60は、中間転写ベルト50が張架された転写上ローラ52と、中間転写ベルト50を挟んで転写上ローラ52側に押圧された転写下ローラ61からなる転写ローラ対で構成されている。
2次転写部60では、搬送部23においてレジストローラ対で狭持されて搬送されてきた用紙を転写下ローラ61で中間転写ベルト50側に押圧する。そして、2次転写部60は、搬送部23から送られてきた用紙上に中間転写ベルト50に形成されたカラーのトナー像を転写する。
定着部80は、2次転写部60の、用紙が搬送される下流側(排出側)に設けられており、一対の上定着ローラ81及び下定着ローラ82からなる定着ローラ対を有する。定着部80では、未定着のトナー像を有する用紙を上定着ローラ81及び下定着ローラ82で狭持して加圧加熱することに、用紙にトナー像を定着させる。
定着部80の下流には、一対の排紙ローラ25が配置されている。定着部80を通過して用紙は、一対の排紙ローラ25によって排紙される。
また、一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙を折ったり、用紙に対してステーブル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
2.原稿給紙装置10の構成例
次に本例の画像形成装置1における原稿給紙装置10の原稿給紙トレイ11の構成について説明する。
図2は、本例の原稿給紙装置10を示す平面図である。
図2に示すように、原稿給紙トレイ11は、略平板状に形成されている。原稿給紙トレイ11には、第1ガイド溝11aと、第2ガイド溝11bと、第3ガイド溝11cが形成されている。
第1ガイド溝11a及び第2ガイド溝11bは、原稿給紙トレイ11における搬送方向の下流側において原稿搬送部17の近傍に設置されている。第1ガイド溝11aは、搬送方向と直交し、かつ原稿給紙トレイ11の主面部と平行をなす幅方向の一側に形成されており、第2ガイド溝11bは、幅方向の他側に形成されている。そして、第1ガイド溝11a及び第2ガイド溝11bは、それぞれ幅方向と略平行に形成されている。
第3ガイド溝11cは、原稿給紙トレイ11における搬送方向の上流側に配置されている。第3ガイド溝11cは、幅方向の略中間に形成されている。そして、第3ガイド溝11cは、搬送方向と略平行に形成されている。
また、原稿給紙トレイ11には、第1サイドガイド部91と、第2サイドガイド部92と、後部ガイド部93が設けられている。第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部92及び後部ガイド部93は、原稿給紙トレイ11に載置された原稿Gを保持すると共に原稿Gのサイズを検出する。
第1サイドガイド部91は、第1ガイド溝11aに移動可能に取り付けられている。第2サイドガイド部92は、第2ガイド溝11bに移動可能に取り付けられている。また、後部ガイド部93は、第3ガイド溝11cに移動可能に取り付けられている。
次に、図3A及び図3Bを参照して、第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部及び後部ガイド部93の構成について説明する。
図3A及び図3Bは、第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部及び後部ガイド部93を示す説明図である。
なお、第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部及び後部ガイド部93は、それぞれ同様の構成を有しているため、ここでは第1サイドガイド部91について説明する。
図3Aに示すように、第1サイドガイド部91は、ガイド部本体94と、ガイド片95と、検出部98を有している。ガイド部本体94は、略直方体状に形成されている。ガイド部本体94の一面は、原稿給紙トレイ11に載置された原稿Gの端部が当接するガイド面94aとなっている。ガイド面94aには、支持溝94bが形成されている。第1サイドガイド部91のガイド面94aと第2サイドガイド部92のガイド面94aは、互いに対向する。また、後部ガイド部93のガイド面94aは、搬送方向の下流側に向けられる。
支持溝94bは、ガイド面94aにおける搬送方向及び幅方向に直交する上下方向に所定の長さで延在している。支持溝94bには、ガイド片95が移動可能に支持されている。ガイド片95は、支持溝94bが延在する方向に摺動する。
ガイド片95は、略平板状に形成されている。また、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92のガイド片95は、搬送方向の上流側から下流側にかけて上下方向の高さが低くなるように傾斜している。図3Bに示すように、原稿給紙トレイ11に載置された原稿Gの端部をガイド面94aに当接した際、ガイド片95は、原稿Gの上面に接触すると共に、支持溝94bに沿って上下方向の上方に向けて移動する。そのため、原稿Gは、ガイド片95と原稿給紙トレイ11の主面部によって挟持される。
さらに、ガイド片95には、ガイド部本体94に収容された磁石97が接続されている。磁石97は、ガイド片95と一体に支持溝94bに沿って移動する。また、ガイド部本体94には、検出部98が収容されている。すなわち、第1サイドガイド部91は、第1の検出部の一例を示す検出部98を有しており、第2サイドガイド部92は、第2の検出部の一例を示す検出部98を有している。また、後部ガイド部93は、第3の検出部の一例を示す検出部98を有している。検出部98は、ガイド片95に接続された磁石97と対向する位置に配置されている。
検出部98は、ホール素子により構成されている。検出部98は、磁石97が移動した際に生じる磁束の変化を検出する。そして、検出部98は、磁束の変化からガイド片95と原稿給紙トレイ11の間に配置された原稿Gの厚さを検出する。
なお、本例の画像形成装置1及び原稿給紙装置10では、検出部98としてホール素子を用いて、原稿Gの厚さを検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。原稿Gの厚さを検出する検出部としては、例えば、機械式のセンサや、発光部と受光部からなる光センサ等その他各種の検出部を適用できるものである。
3.制御系の構成
次に、画像形成装置1の制御系の構成について図4を参照して説明する。
図4は、画像形成装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、画像形成装置1は、制御部200を備える。制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、を有する。さらに、画像形成装置1は、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)204と、操作表示部205を有する。なお、ROM202としては、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。
制御部200は、画像読取部30、画像処理部36、画像形成部40、給紙部21、原稿給紙装置10、操作表示部205及びHDD204にそれぞれシステムバス207を介して接続され、装置全体を制御する。
HDD204は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部205は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部205は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部205は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。
画像読取部30は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例を示すPC(パーソナルコンピュータ)220から送信される画像データは、画像処理部36に送られ、画像処理される。画像処理部36は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。また、画像形成部40は、画像処理部36によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。
原稿給紙装置10は、第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部92及び後部ガイド部93の検出部98が検出した検出信号を制御部200に出力する。制御部200は、受信した信号に基づいて原稿搬送部17の搬送動作や、操作表示部205に表示させる情報を制御する。また、制御部200は、第1サイドガイド部91、第2サイドガイド部92及び後部ガイド部93のガイド部本体94の移動を検出する。
なお、本例では、外部装置としてパーソナルコンピュータを用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置は、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を用いることができる。
4.セットされる原稿の種類及び向きのパターン
次に、図5〜図9を参照して、原稿給紙装置10の原稿給紙トレイ11にセットされる原稿Gの向き及び種類について説明する。
図5〜図9は、原稿給紙装置10の原稿給紙トレイ11にセットされる原稿のパターンを示す説明図である。
なお、図5A〜図8Bに示す原稿Ga、Gb、Gc、Gdは、長手方向又は短手方向の略中間の位置にて2つに折り返し、さらにこの折り返した部分を更に折り返した原稿、いわゆるZ折り原稿である。
図5A及び図5Bに示すように、パターン1の原稿Gaの向きは、2回折り返した折り返し部G1が搬送方向の上流側に配置されたものである。そのため、折り返し部G1は、後部ガイド部93側に配置される。そして、このパターン1に示す原稿Gaのセットの向きが正常のセットの向きである。
そして、パターン1に示す原稿Gaのセットの向きの場合、幅方向の一端部である第1箇所Aと、幅方向の他端部である第2箇所Bの厚さは、同じになる。これに対して、原稿Gaにおける搬送方向の上流側の第3箇所Cの厚さは、搬送方向の下流側の第1箇所A及び第2箇所Bの厚さよりも厚くなる。
図6A及び図6Bに示すパターン2の原稿Gbの向きは、折り返し部G1が搬送方向の下流側に配置されたものである。折り返し部G1は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92側に配置される。このパターン2に示す原稿Gbにおけるセットの向きの場合、パターン1と同様に、第1箇所Aと第2箇所Bの厚さは、同じになる。しかしながら、第1箇所A及び第2箇所Bの厚さは、第3箇所Cの厚さよりも厚くなる。
図7A及び図7Bに示すパターン3の原稿Gcの向きは、折り返し部G1が幅方向の一側に配置されたものである。そのため、折り返し部G1は、第1サイドガイド部91側に配置される。また、図8A及び図8Bに示すパターン4の原稿Gdは、折り返し部G1が幅方向の他側に配置されたものである。そのため、折り返し部G1は、第2サイドガイド部92側に配置される。
そして、パターン3の原稿Gcと、パターン4の原稿Gdの場合、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが異なる。
図6A〜図8Bに示すパターン2の原稿Gb、パターン3の原稿Gc及びパターン4の原稿Gdのセットの向きは、原稿給紙装置10の原稿搬送部17で搬送する際に、原稿搬送部17内で紙詰まりが発生する異常なセットの向きである。
図9に示すパターン5の原稿Geは、折り返し部G1を有さない原稿、すなわち通常の原稿である。パターン5の原稿Geの場合、第1箇所A、第2箇所B及び第3箇所Cの原稿Geの厚さは、全て等しくなる。
5.原稿給紙装置の動作
次に、上述した構成を有する画像形成装置1における原稿給紙装置10の動作の一例について図10及び図11を参照して説明する。
図10及び図11は、原稿給紙装置10の動作を示すフローチャートである。
まず、図10に示すように、原稿Gが原稿給紙トレイ11に載置された後に、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が開始されたか否かを制御部200は、判断する(ステップS11)。制御部200は第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が開始されたと判断した場合(ステップS11のYSE判定)、制御部200は、後部ガイド部93の移動が開始されたか否かを判断する(ステップS12)。
ここで、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92が移動した後に、後部ガイド部93が移動するということは、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92のガイド面94aが原稿Gの両端部に当接したと判断できる。すなわち、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了する。このとき、第1サイドガイド部91のガイド片95及び第2サイドガイド部92のガイド片95が原稿Gの上面に接触する。
次に、制御部200は、後部ガイド部93の移動が開始されたと判断した場合(ステップS12のYSE判定)、第1サイドガイド部91の検出部98は、原稿Gの第1箇所Aの厚さを検出し、第2サイドガイド部92の検出部98は、原稿Gの第2箇所Bの厚さを検出する(ステップS13)。そして、第1サイドガイド部91の検出部98は、検出した第1箇所Aの厚さに関する情報、いわゆる第1検出情報を出力する。同様に、第2サイドガイド部92の検出部98は、検出した第2箇所Bの厚さに関する情報、いわゆる第2検出情報を制御部200に出力する。
次に、制御部200は、受信した情報に基づいて第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが等しいか否かを判断する(ステップS14)。ここで、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが異なる場合、図7A及び図7Bに示すパターン3の原稿Gc、又は図8A及び図8Bに示すパターン4の原稿Gdのセットの向きであると分かる。ステップS14の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが異なると判断した場合(ステップS14のNO判定)、制御部200は、セットされた原稿Gの向きがパターン3又はパターン4の向きであると判断する。
上述したように、図7A及び図7Bに示すパターン3の原稿Gcのセットの向き及び図8A及び図8Bに示すパターン4の原稿Gdのセットの向きは、紙詰まりが発生し易い異常なセットの向きである。制御部200は、操作表示部205に警告を表示させて、使用者に原稿Gのセットの向きを正すように報知する(ステップS15)。
上述したように、制御部200は、サイドガイド部91、92を移動させてから後部ガイド部93を移動させた場合、後部ガイド部93の移動を開始した時点で、パターン3の原稿Gc又はパターン4の原稿Gdの向きか否かを判断することができる。これにより、原稿Gを原稿給紙トレイ11にセットし、後部ガイド部93を移動させた時点で原稿Gのセットの向きの異常を素早く検出することができる。
また、ステップS14の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが等しいと判断した場合(ステップS14のYES判定)、制御部200は、後部ガイド部93の移動が完了したか否かを判断する(ステップS16)。後部ガイド部93の移動が完了したか否かの判断は、例えば次のようにして行われる。
例えば、後部ガイド部93の移動が開始された後に後部ガイド部93が0.5秒間停止した際に、制御部200は、後部ガイド部93の移動が完了したと判断する。または、操作表示部205の画像形成処理を開始するSTARTボタンが押下された際に、制御部200は、後部ガイド部93の移動が完了したと判断する。
なお、後部ガイド部93の移動が完了すると、後部ガイド部93のガイド面94aが原稿Gの搬送方向の上流側の端部に当接する。また、後部ガイド部93のガイド片95が原稿Gの上面に接触する。
ステップS16の処理において、制御部200は、後部ガイド部93の移動が完了したと判断した場合(ステップS16のYES判定)、後部ガイド部93の検出部98によって原稿Gの第3箇所Bの厚さ検出する(ステップS17)。そして、後部ガイド部93の検出部98は、検出した第3箇所Cの厚さに関する情報、いわゆる第3検出情報を制御部200に出力する。
次に、制御部200は、受信した情報に基づいて第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが等しいか否かを判断する(ステップS18)。ここで、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが等しい場合、すなわち、原稿Gにおける第1箇所A、第2箇所C及び第3箇所Cの全ての厚さが等しくなる。そのため、原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gは、図9に示す折り返し部を有さない通常の原稿Geであると分かる。
そして、ステップS18の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが等しいと判断した場合(ステップS18のYES判定)、セットされた原稿Gは、折り返し部を有さない通常の原稿Geあると判断する。そして、操作表示部205のSTARTボタンが押下されると、制御部200は、通常の画像形成処理を開始する(ステップS19)。
原稿給紙装置10は、原稿搬送部17を用いて原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gを画像読取部30の読み取り位置まで搬送する。このとき、原稿搬送部17は、引き伸ばし部18を駆動させずに原稿Gを搬送する。
また、ステップS18の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが異なると判断した場合(ステップS18のNO判定)、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aの厚さよりも厚いか否かを判断する(ステップS20)。ここで、第3箇所Cの厚さが、第1箇所Aの厚さよりも厚い場合、原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gは、図5A及び図5Bに示すパターン1の原稿Gaのセットの向きであると分かる。
そして、ステップS20の処理において、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aよりも厚いと判断した場合(ステップS20のYES判定)、セットされた原稿Gの向きは、正常の向きであるパターン1の原稿Gaであると判断する。操作表示部205のSTARTボタンが押下されると、制御部200は、Z折り原稿の画像形成処理を開始する(ステップS21)。
原稿給紙装置10は、原稿搬送部17を用いて原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gを画像読取部30の読み取り位置まで搬送する。このとき、原稿搬送部17は、引き伸ばし部18を駆動し、原稿Gの折り返し部G1を引き伸ばし部18によって引き伸ばす。そして、原稿搬送部17は、引き伸ばしたG1を画像読取部30の読み取り位置まで搬送する。
また、第3箇所Cの厚さが、第1箇所Aの厚さよりも薄い場合、原稿給紙トレイ11にセットされた原稿Gは、図6A及び図6Bに示すパターン2の原稿Gbのセットの向きであると分かる。そして、ステップS20の処理において、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aよりも厚くない、すなわち薄いと判断した場合(ステップS20のNO判定)、制御部200は、セットされた原稿Gの向きがパターン2の向きであると判断する。
上述したように、図6A及び図6Bに示すパターン2の原稿Gbのセットの向きは、紙詰まりが発生し易い異常なセットの向きである。制御部200は、操作表示部205に警告を表示させて、使用者に原稿Gのセットの向きを正すように報知する(ステップS22)。
また、ステップS11の処理において、制御部200が第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動の開始を検出しない場合(ステップS11のNO判定)、制御部200は、処理Kを行う。
図11に示すように、制御部200は、後部ガイド部93の移動が開始されたか否かを判断する(ステップ41)。なお、ステップS41の処理において、制御部200が後部ガイド部93の移動の開始を検出しない場合(ステップS41のNO判定)、制御部200は、処理Gを行い、図10に示すステップS11の処理を行う。
また、ステップS41の処理において、制御部200は、後部ガイド部93の移動が開始されたと判断した場合(ステップS41のYES判定)、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が開始されたか否かを判断する(ステップS42)。
ステップS42の処理において、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が開始されたと判断した場合(ステップS42のYES判定)、後部ガイド部93の移動が完了したと判断する。すなわち、後部ガイド部93のガイド面94aがセットされた原稿Gの搬送方向の上流側の端部に当接し、後部ガイド部93のガイド片95が原稿Gの上面に接触する。
次に、後部ガイド部93の検出部98は、原稿Gの搬送方向の上流側の厚さ、すなわち原稿Gの第3箇所Cの厚さを検出する(ステップS43)。そして、後部ガイド部93の検出部98は、検出した第3箇所Cの厚さに関する情報(第3検出情報)を制御部200に出力する。
次に、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了したか否かを判断する(ステップS44)。このステップS44の処理の判断は、例えば図10に示すステップS16の処理の判断と同様に行われる。
例えば、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が開始された後に第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92が0.5秒間停止した際に、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了したと判断する。または、操作表示部205の画像形成処理を開始するSTARTボタンが押下された際に、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了したと判断する。
なお、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了すると、第1サイドガイド部91のガイド面94aが原稿Gの幅方向の一端部に当接し、第2サイドガイド部92のガイド面94aが原稿Gの幅方向の他端部に当接する。また、第1サイドガイド部91のガイド片95及び第2サイドガイド部92のガイド片95が原稿Gの上面に接触する。
ステップS44の処理において、制御部200は、第1サイドガイド部91及び第2サイドガイド部92の移動が完了したと判断した場合(ステップS44のYES判定)、第1サイドガイド部91は、原稿Gの第1箇所Aの厚さを検出する。また、第2サイドガイド部92は、原稿Gの第2箇所Bの厚さを検出する(ステップS45)。そして、第1サイドガイド部91は、検出した第1箇所Aの厚さに関する情報(第1検出情報)を制御部200に出力し、第2サイドガイド部92は、検出した第2箇所Bの厚さに関する情報(第2検出情報)を制御部200に出力する。
なお、本例では、第3箇所Cの厚さの検出処理を、ステップS42の処理の後に行う例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS45の処理において、第1箇所A及び第2箇所Bの厚さを検出するときに、第3箇所Cの厚さを検出してもよい。
次に、制御部200は、受信した情報に基づいて、第1箇所Aの厚さと第2箇所Bの厚さが等しいか否かを判断する(ステップS46)。ステップS46の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが異なると判断した場合(ステップS46のNO判定)、制御部200は、操作表示部205に警告を表示させて、使用者に原稿Gのセットの向きを正すように報知する(ステップS47)。
また、ステップS46の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第2箇所Bの厚さが等しいと判断した場合(ステップS46のYES判定)、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが等しいか否かを判断する(ステップS48)。
ステップS48の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが等しいと判断した場合(ステップS48のYES判定)、セットされた原稿Gは、折り返し部を有さない通常の原稿Geあると判断する。そして、操作表示部205のSTARTボタンが押下されると、制御部200は、通常の画像形成処理を開始する(ステップS49)。
また、ステップS48の処理において、制御部200は、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さが異なると判断した場合(ステップS48のNO判定)、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aの厚さよりも厚いか否かを判断する(ステップS50)。そして、ステップS50の処理において、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aよりも厚いと判断した場合(ステップS50のYES判定)、セットされた原稿Gの向きは、正常の向きであるパターン1の原稿Gaであると判断する。
操作表示部205のSTARTボタンが押下されると、制御部200は、Z折り原稿の画像形成処理を開始する(ステップS51)。すなわち、原稿給紙装置10は、原稿Gの折り返し部G1を引き伸ばし部18で引き伸ばし、画像読取部30の読み取り位置まで搬送する。
ステップS50の処理において、制御部200は、第3箇所Cの厚さが第1箇所Aよりも厚くない、すなわち薄いと判断した場合(ステップS50のNO判定)、セットされた原稿Gの向きは、異常と判断されるパターン2の原稿Gbであると判断する。制御部200は、操作表示部205に警告を表示させて、使用者に原稿Gのセットの向きを正すように報知する(ステップS52)。
上述した工程により原稿給紙装置10における原稿の給紙動作が完了する。
上述したように、本例の原稿給紙装置10によれば、原稿Gを原稿給紙装置10の原稿給紙トレイ11にセットし、ガイド部により原稿を保持した段階で、原稿Gの折り返し部G1の向き及び、折り返し部G1の有無を検出することができる。すなわち、原稿Gを搬送する工程の前に、原稿Gのセットの向きの異常を検出することができる。その結果、セットの向きが異常な原稿(パターン2、パターン3及びパターン4)が原稿搬送部17に搬送されることがないため、原稿搬送部17で紙詰まりが発生したり、画像形成処理に異常が発生したりすることを防ぐことができる。
なお、ステップS18及びステップS20の処理において、第1箇所Aの厚さと、第3箇所Cの厚さを比較した例を説明したが、これに限定されるものではなく、第2箇所Bの厚さと第3箇所Cの厚さを比較してもよい。
また、本例の原稿給紙装置10によれば、折り返し部G1を有さない原稿と、折り返し部G1を有するZ折り原稿が混在する原稿の束が原稿給紙トレイ11にセットされても、混在するZ折り原稿の折り返し部G1の向きを検出することができる。
以上、画像形成装置及び原稿給紙装置の実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の画像形成装置及び原稿給紙装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、4組の画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを用いてカラー画像を形成する構成としたが、本発明に係る画像形成装置としては、1つの画像形成部を用いて単色画像を形成する構成としてもよい。また、画像形成装置としては複写機に限らず、プリンタやファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
また、上述した実施の形態例では、原稿給紙装置の制御を画像形成装置本体に設けた制御部で行う例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、原稿給紙装置に画像形成装置本体とは別の制御部を設け、この制御部によって原稿給紙装置を制御してもよい。
さらに、上述した実施の形態例では、検出部を第1サイドガイド部、第2サイドガイド部及び後部ガイド部と一体に形成した例を説明したが、これに限定されるものではない。原稿給紙トレイにセットされた原稿の厚さを検出する検出部を、第1サイドガイド部、第2サイドガイド部及び後部ガイド部とは、別部材として構成してもよい。
また、原稿給紙トレイにセットされた原稿の厚さを検出する検出部の数は、3つに限定されるものではない。少なくとも原稿の搬送方向の下流側で、かつ幅方向の両端部の第1箇所及び第2箇所と、搬送方向の上流側の端部の第3箇所の厚さを検出できればよい。そのため、第1箇所、第2箇所及び第3箇所の厚さを検出する検出部の他に、他の箇所の厚さを検出する検出部を設けてもよい。