JP5304581B2 - 内燃機関燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関にて、内燃機関の排気処理部の状態に応じて排気処理用燃料増量を実行する内燃機関燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関の高回転高負荷時に排気浄化触媒が過熱すると、排気浄化触媒が劣化したり溶損したりするおそれがある。これを防止するために、内燃機関の運転状態が排気浄化触媒の過熱状態あるいは過熱を招きやすい状態となると、燃料を増量させて混合気を過濃状態にする燃料増量処理を実行する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
このことにより増量した燃料の蒸発潜熱や、燃焼時に高温による燃料分解時の吸熱作用により排気の温度を低下させることで、排気浄化触媒の過熱を防止する処理を行っている。
特に特許文献1は、内燃機関の運転状態に応じて燃焼室における混合気の攪拌程度を切り替える気流制御弁が設けられている構成において、気流制御弁の作動状況が異なっても燃料増量に過不足を生じさせないように制御する技術である。
特開2002−130011号公報(第6−7頁、図9)
ところで内燃機関の燃焼は、定常運転時に燃費向上の観点から理論空燃比(場合によりリーン空燃比)となるように燃料噴射量が精密に制御され、加速時などの出力増加が要求される場合にはリッチ空燃比となるように燃料噴射量が制御されている。
このような空燃比制御が行われている際に、燃焼室内の燃焼とは直接関係ない燃料増加がなされると、燃焼室内の燃焼状態が予想したものとは異なるものとなり、エミッションや燃焼速度に影響するおそれがある。特に燃焼速度に変化を来すと、予定している出力が得られなくなり、車両用内燃機関などでは加速時のもたつきなどが生じてドライバーに違和感を与えるおそれがある。
本発明は、内燃機関の燃焼室内での燃焼に対する影響を抑制しつつ、排気浄化触媒などのために噴射される燃料量増加を可能とすることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関燃料噴射制御装置は、燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関における内燃機関燃料噴射制御装置であって、内燃機関の運転状態及び排気処理部の状態に応じて、前記燃焼室での燃焼に必要とされる燃焼用燃料量と排気処理用燃料増量に必要とされる排気対策用燃料量とを算出するとともに、内燃機関の運転状態又は温度センサの検出値に基づいて前記排気処理部が所定温度以上と判断されるときに、そうでないときよりも前記排気対策用燃料量が多くなるように同排気対策用燃料量を算出する燃料量算出手段と、前記燃料噴射弁からの前記排気対策用燃料量の燃料を含めた噴射燃料による空燃比が、燃焼室内にて前記燃焼用燃料量の燃料が燃焼されることによって想定される想定燃焼空燃比よりも低くなるか否かを判定する燃焼空燃比過濃状態検出手段と、前記燃焼空燃比過濃状態検出手段にて前記噴射燃料による空燃比が前記想定燃焼空燃比より低くなると判定されると、この空燃比低下程度に応じて吸気上死点よりも前での燃料噴射量分を増加させる噴射調節手段とを備え、前記燃焼用燃料量が内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量を含んでいる場合は、前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料が、前記燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出されるタイミングである吸気上死点よりも前に噴射されることを特徴とする。
想定燃焼空燃比よりも低くなる場合、すなわち燃焼に関して過剰な燃料が噴射される場合には、燃焼室での燃焼が想定より悪化することを抑制するため、噴射調節手段は、空燃比低下程度に応じて吸気上死点よりも前での燃料噴射量分を増加させている。このことにより燃焼にとっては過剰な燃料のすべてあるいは一部が燃焼対象とならずに排気側に排出できる。
このことにより燃焼室内での燃焼に対する影響を抑制しつつ、排気浄化触媒などのために噴射される燃料量増加を可能とすることができる
また、燃焼用燃料量がパワー増量を含んでいる場合は、このパワー増量分は排気対
策用燃料の効果も生じる。このため、排気対策用燃料量からパワー増量を除いた燃料量の燃料が、燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出されるタイミングで燃料噴射を開始することにより、燃料の消費を抑制して、かつ十分に排気処理部の状態に応じて必要とされる排気対策用燃料量の燃料を排気系に供給できる。
請求項に記載の内燃機関燃料噴射制御装置では、請求項に記載の内燃機関燃料噴射制御装置おいて、前記パワー増量が前記排気対策用燃料量よりも多い場合には、噴射燃料が前記燃焼室での燃焼に利用されるタイミングで燃料噴射を開始することを特徴とする。
パワー増量が排気対策用燃料量よりも多い場合には、パワー増量により排気処理部に対して必要とする燃料量を排気中に供給できる。したがって実際には排気対策用燃料量は不要となるので、排気対策用燃料量を増加しなくても実質的に排気対策用燃料量増加と同等の処理となる。
請求項に記載の内燃機関燃料噴射制御装置では、請求項1又は2に記載の内燃機関燃料噴射制御装置おいて、前記燃焼用燃料量の燃料を噴射するための燃料噴射時期を内燃機関の運転状態に基づいて算出し、同燃料噴射時期が吸気上死点以前である場合、及び同燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり且つ前記排気対策用燃料量が前記燃焼用燃料量に含まれる内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量以下の場合には、1回の燃料噴射で燃料を噴射し、前記燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり、且つ前記排気対策用燃料量が前記パワー増量よりも多い場合には、吸気上死点よりも前に前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料を噴射し、吸気上死点よりも後に前記燃焼用燃料量の燃料を噴射し、燃料噴射を2回実行することをその要旨とする。
請求項4に記載の内燃機関燃料噴射制御装置は、燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関における内燃機関燃料噴射制御装置であって、内燃機関の運転状態及び排気処理部の状態に応じて、前記燃焼室での燃焼に必要とされる燃焼用燃料量と排気処理用燃料増量に必要とされる排気対策用燃料量とを算出するとともに、内燃機関の運転状態又は温度センサの検出値に基づいて前記排気処理部が所定温度以上と判断されるときに、そうでないときよりも前記排気対策用燃料量が多くなるように同排気対策用燃料量を算出する燃料量算出手段と、前記燃料噴射弁からの前記排気対策用燃料量の燃料を含めた噴射燃料による空燃比が、燃焼室内にて前記燃焼用燃料量の燃料が燃焼されることによって想定される想定燃焼空燃比よりも低くなるか否かを判定する燃焼空燃比過濃状態検出手段と、前記燃焼空燃比過濃状態検出手段にて前記噴射燃料による空燃比が前記想定燃焼空燃比より低くなると判定されると、この空燃比低下程度に応じて吸気上死点よりも前での燃料噴射量分を増加させる噴射調節手段と、を備え、前記燃焼用燃料量の燃料を噴射するための燃料噴射時期を内燃機関の運転状態に基づいて算出し、同燃料噴射時期が吸気上死点以前である場合、及び同燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり且つ前記排気対策用燃料量が前記燃焼用燃料量に含まれる内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量以下の場合には、1回の燃料噴射で燃料を噴射し、前記燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり、且つ前記排気対策用燃料量が前記パワー増量よりも多い場合には、吸気上死点よりも前に前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料を噴射し、吸気上死点よりも後に前記燃焼用燃料量の燃料を噴射し、燃料噴射を2回実行することをその要旨とする。
実施の形態1の筒内噴射型ガソリンエンジン及びその電子制御系の概略構成図。 実施の形態1の電子制御ユニットにて実行される燃料噴射制御処理のフローチャート。 同じく燃料噴射制御処理のフローチャート。 実施の形態1にて燃料噴射時期のベース進角値を算出するマップの構成説明図。 実施の形態1の制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射量の説明図。 同じく制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射量の説明図。 同じく制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射量の説明図。 同じく制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射量の説明図。 同じく制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射期間の説明図。 同じく制御の一例を示す燃料噴射時期及び燃料噴射期間の説明図。
[実施の形態1]
図1は、内燃機関燃料噴射制御装置が実現されている構成を示しており、具体的には、車両用筒内噴射型ガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2の概略構成及び電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)4を含む電子制御系の概略構成を示している。尚、エンジン2の出力は変速機(図示略)を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、燃焼室6内に燃料を噴射する燃料噴射弁8、及び燃料噴射により燃焼室6内に形成された混合気に点火する点火プラグ10が設けられている。燃焼室6に接続している吸気ポート12は吸気弁14により開閉される。
吸気ポート12を形成している吸気マニホールド16はサージタンク18に接続され、サージタンク18の上流側の吸気通路20にはスロットルモータ22によって開度が調節されるスロットルバルブ24が設けられている。このスロットルバルブ24の開度(スロットル開度TA)により吸入空気量が調整される。スロットル開度TAはスロットル開度センサ26により検出され、サージタンク18に供給される吸入空気量GAはサージタンク18の上流側の吸気通路20に設けられた吸入空気量センサ28により検出されて、それぞれの信号はECU4に読み込まれている。
燃焼室6に接続している排気ポート30は排気弁32により開閉される。排気ポート30に接続された排気通路34の途中には、排気浄化触媒36(三元触媒やNOx吸蔵還元触媒など)が設けられている。尚、図1では排気浄化触媒36は1つ示しているが、複数種類の触媒が配置されていても良い。
ここで吸気弁14は吸気カム38によりリフトされることで開閉駆動される。また排気弁32は排気カム40によりリフトされることで開閉駆動される。エンジン2のクランクシャフト42の回転に吸気カムシャフト38a及び排気カムシャフト40aが連動することにより吸気カム38及び排気カム40がエンジン回転数NEの1/2の回転数で連動回転し、吸気弁14及び排気弁32がエンジン2の各行程に対応して開閉駆動される。
ECU4はデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路である。このECU4は、スロットル開度センサ26及び吸入空気量センサ28以外に、アクセルペダル44の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ46からの信号を入力している。更にECU4は、クランクシャフト42の回転からエンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ48、吸気カムシャフト38aの回転から基準クランク角を決定する基準クランク角センサ50、排気通路34に設けられて排気成分から空燃比を検出する空燃比センサ52などから、それぞれ信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも、車速センサなどの制御に必要なセンサが設けられている。
ECU4は、上述した各種センサからの検出内容に基づいて、エンジン2の燃料噴射時期、燃料噴射量、点火時期、及びスロットル開度TAなどを制御する。これらの制御により、定常走行時には、燃焼室6内へ理論空燃比の混合気を導入して燃焼させ、加速時には理論空燃比よりもリッチな空燃比の混合気を導入して出力を増大させている。
次にECU4により実行される制御の内、燃料噴射制御処理について説明する。図2に燃料噴射制御処理のフローチャートを示す。本処理は、エンジン2の始動後に一定のクランク角回転毎に繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まず負荷率KL、エンジン回転数NE、スロットル開度TA、排気浄化触媒推定温度Tcatを含めた各種データが、ECU4内の作業RAMに読み込まれる(S102)。
ここで負荷率KLは、機関負荷を表す指標の1つであり、エンジン2の1回転当たりの基準最大吸入空気量に対する1回転当たりの実際の吸入空気量GA/NEの割合である。このような負荷としては、負荷率KL以外に、サージタンク18内の吸気圧を測定して、この吸気圧を用いても良い。
排気浄化触媒推定温度Tcatは、エンジン運転状態に基づいて推定計算により算出される。例えばエンジン回転数NE、吸入空気量GA、点火時期、及び燃料噴射量により推定することができる。推定値でなく排気浄化触媒36内やその下流に温度センサを設定して実測しても良い。
次に燃料噴射時期として基準クランク角からの進角値で表される燃料噴射時期のベース進角値Ainjbaseが算出される(S104)。ここでは負荷率KLとエンジン回転数NEとをパラメータとするマップMAPbaseにより算出する。マップMAPbaseの一例を図4に示す。燃料噴射時期のベース進角値Ainjbaseは、エンジン2が高負荷、高回転数であるほど大きくなり、低負荷、低回転数であるほど小さく設定される。
次に燃料のパワー増量係数dFpwr(≧1)が算出される(S106)。ここでは負荷率KLとエンジン回転数NEとをパラメータとするマップMAPpwrにより算出する。
このパワー増量係数dFpwrは、車両ドライバーがアクセルペダル44を深く踏み込んだ場合に、エンジン出力を大きく増加させて加速度を十分に高めるために設定される。すなわち吸入空気量の急速な増加により負荷率KLが上限に近づいた状態となった場合に、エンジン出力増強のために定常走行時における燃焼室6内の空燃比(ここでは理論空燃比:14.5)よりも高濃度の出力空燃比(=12.5)にするためである。
したがってパワー増量時でなければ、燃料のパワー増量係数dFpwr=1(増量なし)であるが、パワー増量時であれば、燃料のパワー増量係数dFpwrには1より大の一定値が設定される。
次に燃料の触媒過熱時増量係数dFot(≧1)が算出される(S108)。この値は、前述したごとく、排気浄化触媒36が過熱状態(更に過熱直前状態も含めても良い)であることが、排気浄化触媒推定温度Tcatから判明した場合に、排気浄化触媒36の冷却を行ったり、あるいは昇温を抑制するために設定される。すなわち排気浄化触媒36が過熱状態にある場合に、空燃比を小さくして通常よりも過剰な燃料が噴射されるようにするために、目標空燃比を、より高濃度側に補正するものである。触媒過熱時増量係数dFotはマップMAPotにより排気浄化触媒推定温度Tcatに応じて算出される。実際には排気浄化触媒36が過熱状態でなければ、触媒過熱時増量係数dFot=1(増量なし)に設定されるが、過熱状態であれば、排気浄化触媒推定温度Tcatに応じた1より大の値が設定される。
そして上述したごとく設定されたパワー増量係数dFpwrの設定状態に応じてパワー増量された分の燃料量を噴射するために燃料噴射時期の進角が要求されるが、その要求に該当するパワー増量時進角量Ainjdpwrが算出される(S110)。このパワー増量時進角量Ainjdpwrは、パワー増量係数dFpwrとエンジン回転数NEとに基づいて演算処理Upwrにより求めることができる。
次に燃料噴射時期のベース進角値Ainjbaseをパワー増量時進角量Ainjdpwrにて進角補正したと仮定して、その仮定した燃料噴射時期(Ainjbase+Ainjdpwr)が、吸気上死点を示す進角値TDCin以上か否かが判定される(S112)。すなわち仮定した燃料噴射時期が、吸気上死点以前のタイミングとなるか否かが判定される。
ここでAinjbase+Ainjdpwr≧TDCinであれば(S112でYES)、すなわち仮定した燃料噴射時期が吸気上死点か又は吸気上死点より前のタイミングであれば、次に触媒過熱時増量係数dFotがパワー増量係数dFpwr以上か否かが判定される(S114)。これは触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果が、パワー増量係数dFpwrによりまかなえるか否かを判定している。
dFot≧dFpwrである場合(S114でYES)、すなわち触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果がパワー増量係数dFpwrによりまかなえることができない、あるいは丁度まかなえる場合には、その差分(dFot−dFpwr)に基づき、燃料噴射時期を進角させるための差分進角量AinjDが算出される(S116)。この差分進角量AinjDは、差分(dFot−dFpwr)とエンジン回転数NEとに基づいて演算処理Uotにより求めることができる。この演算処理Uotは前記演算処理Upwrと同じである。
そして差分進角量AinjDのみを用いて、式1に示すごとく、実噴射時期を算出する(S120)。
[式1] 実噴射時期 ← TDCin + AinjD
こうして一旦本処理を出る。すなわち吸気上死点よりも差分進角量AinjD前のタイミングが燃料噴射時期となる。
尚、dFot<dFpwrである場合(S114でNO)、すなわち触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果がパワー増量係数dFpwrによりまかなえることができる場合には、差分進角量AinjD=0とし(S118)、前記式1のごとく実噴射時期を設定して(S120)、一旦本処理を出る。このように差分進角量AinjD=0である場合には、前記式1では実噴射時期=TDCin、すなわち吸気上死点が燃料噴射時期となる。
このように前記式1にて設定した実噴射時期で、燃料噴射弁8による燃料噴射が開始され、全燃料噴射量TAUに対応する燃料噴射期間の間、燃料噴射が継続する。この全燃料噴射量TAUは、別途、式2に示すごとくに算出されている。
[式2] TAU ← TAUbase・MAX(dFot,dFpwr)
ここで基本燃料噴射量TAUbaseは、吸入空気量GAに対して燃焼時に理論空燃比を達成するように算出された値である。そして、この基本燃料噴射量TAUbaseに対して、MAX(dFot,dFpwr)を掛け算した値を、全燃料噴射量TAUとして設定している。
演算子MAX()は、()内の値の大きい方を抽出するものである。したがって前記式2は、触媒過熱時増量係数dFotとパワー増量係数dFpwrとで大きい方を、基本燃料噴射量TAUbaseに掛け算して全燃料噴射量TAUを求めていることを意味する。
ここでステップS106で求められたパワー増量係数dFpwr及びステップS108で求められた触媒過熱時増量係数dFotの値に応じた処理例を図5から図8のグラフに示す。
dFot≧dFpwr(S114でYES)において、触媒過熱時増量係数dFot=1(触媒過熱時増量なし)、パワー増量係数dFpwr=1(パワー増量なし)である場合には、演算処理Uotによる計算(S116)により差分進角量AinjD=0(°CA)である。したがって図5に示すごとく、実噴射時期は吸気上死点(進角値TDCin)であり、吸気上死点から基本燃料噴射量TAUbase分の燃料噴射期間の燃料噴射が実行される。したがって燃焼室6内にて燃焼される混合気の空燃比は理論空燃比となり、想定燃焼空燃比(燃焼室6内にて燃焼されることが想定される混合気の空燃比)が実現されている。
触媒過熱時増量係数dFot>1(触媒過熱時増量あり)、パワー増量係数dFpwr=1(パワー増量なし)である場合には、演算処理Uotによる計算(S116)により差分進角量AinjD>0である。したがって図6に示すごとく、実噴射時期は吸気上死点(進角値TDCin)より差分進角量AinjD(>0)分進角したタイミングとなる。このタイミングにて前記式2に示した計算で得られているTAUbase・dFot分の燃料噴射期間の燃料噴射が実行される。
この図6の場合、吸気上死点前に噴射される燃料量はTAUbase・(dFot−1)であり、吸気上死点以後に噴射される燃料量はTAUbase・1である。すなわち合計でTAUbase・dFot分の燃料が噴射されるが、燃焼室6内にて燃焼される混合気の空燃比は理論空燃比となり、想定燃焼空燃比が実現されている。
触媒過熱時増量係数dFot>1(触媒過熱時増量あり)、パワー増量係数dFpwr>1(パワー増量あり)で、dFot≧dFpwrである場合には、演算処理Uotによる計算(S116)により差分進角量AinjD>0である。したがって図7に示すごとく、実噴射時期は吸気上死点(進角値TDCin)より差分進角量AinjD(>0)分進角したタイミングとなり、このタイミングにてTAUbase・dFot分の燃料噴射期間の燃料噴射が実行される。したがって吸気上死点前に噴射される燃料量はTAUbase・(dFot−dFpwr)であり、吸気上死点以後に噴射される燃料量はTAUbase・dFpwrである。すなわち合計でTAUbase・dFot分が噴射されるが、燃焼室6内にて燃焼される混合気の空燃比は出力空燃比(=12.5)となり、想定燃焼空燃比が実現されている。
触媒過熱時増量係数dFot>1(触媒過熱時増量あり)、パワー増量係数dFpwr>1(パワー増量あり)で、dFot<dFpwrである場合には(S114でNO)、差分進角量AinjD=0である(S118)。触媒過熱時増量係数dFot=1(触媒過熱時増量なし)、パワー増量係数dFpwr>1(パワー増量あり)の場合にもdFot<dFpwrであり(S114でNO)、差分進角量AinjD=0である。
したがって図8に示すごとく、実噴射時期は吸気上死点(進角値TDCin)となり、このタイミングにてTAUbase・dFpwr分の燃料噴射期間の燃料噴射が実行される。したがって吸気上死点前には燃料は噴射されず、吸気上死点以後に噴射される燃料量はTAUbase・dFpwrとなる。すなわち燃焼室6内にて燃焼される混合気の空燃比は出力空燃比(=12.5)となり、想定燃焼空燃比が実現されている。
次に、仮定した燃料噴射時期(Ainjbase+Ainjdpwr)が、吸気上死点を示す進角値TDCin未満の進角値(Ainjbase+Ainjdpwr<TDCin)である場合(S112でNO)、次に触媒過熱時増量係数dFotがパワー増量係数dFpwrを越えているか否かが判定される(S122)。これは触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果が、パワー増量係数dFpwrにてまかなえないか否かを判定している。
dFot>dFpwrである場合(S122でYES)、すなわち触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果がパワー増量係数dFpwrによりまかなえることができない場合には、その差分(dFot−dFpwr)により生じる燃料噴射時期を進角させるための差分進角量AinjDが算出される(S124)。この差分進角量AinjDは、前述したごとく、差分(dFot−dFpwr)とエンジン回転数NEとに基づく演算処理Uotにより求めることができる。
そしてこのように求めた差分進角量AinjDのみを用いて、式3に示すごとく、第1実噴射時期aを算出する(S126)。
[式3] 第1実噴射時期a ← TDCin + AinjD
この式3による第1実噴射時期aは、図9に示すごとく、触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果がパワー増量係数dFpwrによりまかなえない分[TAUbase・(dFot−dFpwr)]を吸気上死点(進角値TDCin)までの期間(排気行程終了直前)にて噴射するためのタイミングを示している。
次に式4に示すごとく、前記ステップS110にて求めたパワー増量係数dFpwrにより生じる燃料噴射時期を進角させるためのパワー増量時進角量Ainjdpwrのみを用いて、第2実噴射時期bを算出する(S128)。
[式4] 第2実噴射時期b ← Ainjbase+Ainjdpwr
この式4による第2実噴射時期bは、図9に示したごとく、パワー増量係数dFpwrにて増量された燃料量TAUbase・dFpwrを噴射するタイミングを示しており、吸気上死点(進角値TDCin)よりも遅角したタイミングとなっている。すなわち、燃料噴射弁8は第1実噴射時期aと第2実噴射時期bとで2回噴射を実行することになる。第2実噴射時期bにて噴射される燃料は、吸気行程での噴射であり燃焼室6内にて燃焼されるものである。したがって触媒過熱時増量係数dFot>1であっても、触媒過熱時増量係数dFotに影響されずに想定燃焼空燃比が実現されている。
尚、dFot≦dFpwrである場合(S122でNO)、すなわち触媒過熱時増量係数dFot分の冷却効果がパワー増量係数dFpwrによりまかなえる場合には、第1実噴射時期aは設定せず(S130)、第2実噴射時期bのみが設定される(S128)。
このことにより図10に示すごとく第2実噴射時期bによる1回噴射のみが実行されて、想定燃焼空燃比が実現される。
上述した構成において請求項との関係は、ECU4が燃焼空燃比過濃状態検出手段、噴射調節手段、燃料量算出手段に相当する。
ECU4が実行する処理との関係は、ステップS114,S122が燃焼空燃比過濃状態検出手段としての処理に、ステップS116,S120,S124,S126が噴射調節手段としての処理に相当する。吸入空気量GA及びエンジン回転数NEにより設定される基本燃料噴射量TAUbaseの算出処理及びステップS106,S108が燃料量算出手段としての処理に相当する
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)分割噴射の場合(S124〜S128)では、第1実噴射時期aは、排気対策用燃料量[触媒過熱時増量係数dFotによる燃料増加分:TAUbase・(dFot−dFpwr)]が燃焼室6での燃焼に利用されずに排気系(排気ポート30側)に排出されるタイミングで燃料噴射を開始するように設定されている。すなわち排気行程にて噴射が完了するように、実際には吸気上死点で完了するように設定されている。
1つの燃料噴射にて行う場合(S116,S120)では、燃焼用燃料量分の燃料噴射がなされる前に、排気対策用燃料量分の燃料のみが燃焼室6での燃焼に利用されずに排気系に排出されるタイミングで、すなわち排気行程となるタイミングで燃料噴射を開始するように設定されている。実際には排気対策用燃料量分と燃焼用燃料量分との境界は吸気上死点である。
したがって分割噴射の場合も、分割せずに一連で行う1つの燃料噴射の場合も、いずれも共に、排気対策用燃料量分の燃料は燃焼室6内での燃焼の対象とならず、燃焼用燃料量のみが燃焼室6での燃焼に利用されることになるので、燃焼室6での燃焼には排気対策用燃料量は影響することがない。
このようにして燃焼室6内での燃焼に対する影響を抑制しつつ、排気処理部(ここでは排気浄化触媒36)のために噴射される燃料量増加を可能とすることができる。
このことにより燃焼室6内で燃焼される混合気の空燃比である燃焼空燃比を必要な空燃比に維持でき、高精度な出力制御、エミッション対策や燃費対策を十分に図ることができる。
(2)燃焼用燃料量がパワー増量(パワー増量係数dFpwrによる燃料増加分)を含んでいる場合は、このパワー増量分は排気対策用燃料の効果も生じる。このため排気対策用燃料量からパワー増量を除いた燃料量が、燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出されるタイミングで燃料噴射を開始するように燃料噴射時期が設定される(S116,S120,S124,S126)。このことにより燃料消費を抑制しつつ、かつ排気浄化触媒36の過熱状態に応じて必要とされる排気対策用燃料量を十分に排気系に供給できる。
特に、パワー増量が排気対策用燃料よりも大きい量であれば、実際には排気対策用燃料量は不要となるので、排気対策用燃料のための噴射時期を設定しなくても良くなる(S114あるいはS122でNO、S118,S130)。このことにより、実質的に排気浄化触媒36のために噴射される燃料量増加が十分にできることになる。
(3)本実施の形態では吸気弁14と排気弁32とは共にバルブタイミングが固定されている。排気弁32は吸気上死点(進角値TDCin)が閉弁タイミングとして設定されている。吸気弁14は吸気上死点(進角値TDCin)が開弁タイミングとして設定されている。
このため分割噴射の場合、排気対策用燃料量分の燃料噴射時期を、その燃料噴射終了タイミングが吸気上死点以前となるタイミングに設定することにより(S126)、排気対策用燃料量は確実に燃焼対象とならずに排気系に供給できる。
1噴射の場合も、燃料噴射時期を、排気対策用燃料量分のみが、排気弁32が開弁している期間の終期側、すなわち吸気上死点前から吸気上死点までに噴射されるようにしていることにより、全燃料噴射量TAUの内で排気対策用燃料量分が確実に燃焼対象とならずに排気系に供給できる。
このように吸気上死点を基準として排気対策用燃料量のみが燃焼室6での燃焼に利用されずに排気系に排出される燃料噴射時期を設定することで、容易に燃焼側の空燃比を必要な空燃比に維持でき、高精度な出力制御、エミッション対策や燃費対策が可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、吸気上死点(進角値TDCin)を、排気対策用燃料量分の燃料のみが燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出される最終タイミングの基準として用いるのではなく、排気弁32の閉弁タイミングを、前記実施の形態1における吸気上死点の代わりに用いて、前述した図2〜10に示した処理を実行するものである。
このことによっても前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記図1にて説明した吸気カムシャフト38a及び排気カムシャフト40aに可変動弁機構が設けられていることにより、吸気弁14及び排気弁32のバルブタイミングがエンジン運転状態に応じて調節がなされている。
このような排気弁32の閉弁タイミングや吸気弁14の開弁タイミングが調節されている構成においても、本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べたごとくの燃料噴射制御処理(図2,3)がなされている。すなわち吸気上死点を、排気対策用燃料量分の燃料のみが燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出される最終タイミングの基準としている。
このように可変動弁機構が設けられたエンジンにおいて排気対策用燃料量分を吸気上死点より前で噴射しても、従来のごとく排気対策用燃料量が燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出されるようにすることを全く考慮していないものに比較して、燃焼室6内での空燃比のリッチ化を抑制し、適切な空燃比状態に近づけることが可能となる。
このことにより、高精度な出力制御、エミッション対策や燃費対策が可能となる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、前記実施の形態3と同様に吸気カムシャフト38a及び排気カムシャフト40aに可変動弁機構が設けられている。
そして本実施の形態では、前記実施の形態1にて述べた燃料噴射制御処理(図2,3)において、吸気上死点の代わりに排気弁32の閉弁タイミングを、排気対策用燃料量分の燃料のみが燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出される最終タイミングの基準としている。
このことにより、可変動弁機構が設けられたエンジンにおいても、十分に高精度な出力制御、エミッション対策や燃費対策が可能となる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態において、特に第1実噴射時期aはその噴射終了タイミングを吸気上死点(進角値TDCin)としていたが、噴射終了タイミングを吸気上死点よりも前となるように第1実噴射時期aを設定しても良い。いずれにしても第1実噴射時期aからその噴射終了タイミングまでの期間が排気行程内に含まれれば良い。
・前記実施の形態における燃料噴射時期、噴射期間などの計算手法は一例であり、他の計算手法を用いて、燃料噴射時期、噴射期間などを計算しても良い。
・前記実施の形態3において、可変動弁機構は、排気弁の閉弁タイミングと吸気弁の開弁タイミングとの両方でなく、いずれかが調節されているものでも良く、前記実施の形態3と同様な効果を生じる。
・前記実施の形態4において、可変動弁機構は、排気弁の閉弁タイミングと吸気弁の開弁タイミングとの両方でなく、いずれかが調節されているものでも良い。特に排気弁の閉弁タイミングが調節されている場合には、前記実施の形態4と同様な効果を生じる。
2…エンジン、4…ECU、6…燃焼室、8…燃料噴射弁、10…点火プラグ、12…吸気ポート、14…吸気弁、16…吸気マニホールド、18…サージタンク、20…吸気通路、22…スロットルモータ、24…スロットルバルブ、26…スロットル開度センサ、28…吸入空気量センサ、30…排気ポート、32…排気弁、34…排気通路、36…排気浄化触媒、38…吸気カム、38a…吸気カムシャフト、40…排気カム、40a…排気カムシャフト、42…クランクシャフト、44…アクセルペダル、46…アクセル開度センサ、48…エンジン回転数センサ、50…基準クランク角センサ、52…空燃比センサ。

Claims (4)

  1. 燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関における内燃機関燃料噴射制御装置であって、
    内燃機関の運転状態及び排気処理部の状態に応じて、前記燃焼室での燃焼に必要とされる燃焼用燃料量と排気処理用燃料増量に必要とされる排気対策用燃料量とを算出するとともに、内燃機関の運転状態又は温度センサの検出値に基づいて前記排気処理部が所定温度以上と判断されるときに、そうでないときよりも前記排気対策用燃料量が多くなるように同排気対策用燃料量を算出する燃料量算出手段と、
    前記燃料噴射弁からの前記排気対策用燃料量の燃料を含めた噴射燃料による空燃比が、燃焼室内にて前記燃焼用燃料量の燃料が燃焼されることによって想定される想定燃焼空燃比よりも低くなるか否かを判定する燃焼空燃比過濃状態検出手段と、
    前記燃焼空燃比過濃状態検出手段にて前記噴射燃料による空燃比が前記想定燃焼空燃比より低くなると判定されると、この空燃比低下程度に応じて吸気上死点よりも前での燃料噴射量分を増加させる噴射調節手段と、
    を備え
    前記燃焼用燃料量が内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量を含んでいる場合は、前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料が、前記燃焼室での燃焼に利用されずに排気系に排出されるタイミングである吸気上死点よりも前に噴射される
    ことを特徴とする内燃機関燃料噴射制御装置。
  2. 請求項に記載の内燃機関燃料噴射制御装置おいて、前記パワー増量が前記排気対策用燃料量よりも多い場合には、噴射燃料が前記燃焼室での燃焼に利用されるタイミングで燃料噴射を開始することを特徴とする内燃機関燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関燃料噴射制御装置おいて、前記燃焼用燃料量の燃料を噴射するための燃料噴射時期を内燃機関の運転状態に基づいて算出し、同燃料噴射時期が吸気上死点以前である場合、及び同燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり且つ前記排気対策用燃料量が前記燃焼用燃料量に含まれる内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量以下の場合には、1回の燃料噴射で燃料を噴射し、
    前記燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり、且つ前記排気対策用燃料量が前記パワー増量よりも多い場合には、吸気上死点よりも前に前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料を噴射し、吸気上死点よりも後に前記燃焼用燃料量の燃料を噴射し、燃料噴射を2回実行する
    ことを特徴とする内燃機関燃料噴射制御装置。
  4. 燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関における内燃機関燃料噴射制御装置であって、
    内燃機関の運転状態及び排気処理部の状態に応じて、前記燃焼室での燃焼に必要とされる燃焼用燃料量と排気処理用燃料増量に必要とされる排気対策用燃料量とを算出するとともに、内燃機関の運転状態又は温度センサの検出値に基づいて前記排気処理部が所定温度以上と判断されるときに、そうでないときよりも前記排気対策用燃料量が多くなるように同排気対策用燃料量を算出する燃料量算出手段と、
    前記燃料噴射弁からの前記排気対策用燃料量の燃料を含めた噴射燃料による空燃比が、燃焼室内にて前記燃焼用燃料量の燃料が燃焼されることによって想定される想定燃焼空燃比よりも低くなるか否かを判定する燃焼空燃比過濃状態検出手段と、
    前記燃焼空燃比過濃状態検出手段にて前記噴射燃料による空燃比が前記想定燃焼空燃比より低くなると判定されると、この空燃比低下程度に応じて吸気上死点よりも前での燃料噴射量分を増加させる噴射調節手段と、
    を備え、
    前記燃焼用燃料量の燃料を噴射するための燃料噴射時期を内燃機関の運転状態に基づいて算出し、同燃料噴射時期が吸気上死点以前である場合、及び同燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり且つ前記排気対策用燃料量が前記燃焼用燃料量に含まれる内燃機関の出力増強に必要とされるパワー増量以下の場合には、1回の燃料噴射で燃料を噴射し、
    前記燃料噴射時期が吸気上死点よりも後であり、且つ前記排気対策用燃料量が前記パワー増量よりも多い場合には、吸気上死点よりも前に前記排気対策用燃料量から前記パワー増量を除いた燃料量の燃料を噴射し、吸気上死点よりも後に前記燃焼用燃料量の燃料を噴射し、燃料噴射を2回実行する
    ことを特徴とする内燃機関燃料噴射制御装置。
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