以下、実施形態を図面を用いて説明する。図中、太線で示した信号線は、複数本で構成されている。また、太線が接続されているブロックの一部は、複数の回路で構成されている。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。末尾に”Z”の付いている信号は、正論理を示している。先頭に”/”または末尾に”X”の付いている信号は、負論理を示している。図中の二重の四角印は、外部端子を示している。外部端子は、例えば、半導体チップ上のパッド、あるいは半導体チップが収納されるパッケージのリードである。外部端子を介して供給される信号には、端子名と同じ符号を使用する。
図1は、一実施形態における半導体集積回路SEMの例を示している。半導体集積回路SEMは、第1電圧生成回路VPPGEN、第2電圧生成回路VOOGEN、第3電圧生成回路VARYGEN、複数の内部回路INC、電圧制御回路VCNTおよび寄生トランジスタPTRを有している。第1電圧生成回路VPPGENは、電源電圧VDDに基づいて、電源電圧VDDより高い第1高レベル電圧VPPを生成する。第2電圧生成回路VOOGENは、電源電圧VDDに基づいて、電源電圧VDDより高く、第1高レベル電圧VPPより低い第2高レベル電圧VOOを生成する。第2電圧生成回路VOOGENは、バーンイン試験時に生成動作を停止する。第3電圧生成回路VARYGENは、電源電圧VDDに基づいて、電源電圧VDDより低い第3高レベル電圧VARYを生成する。
内部回路INCは、第1高レベル電圧VPPを受けて個別に動作するとともに、バーンイン試験中に同時に動作する。電圧制御回路VCNTは、バーンイン試験時に、第2高レベル電圧VOOが供給される第2高レベル電圧線VOOを第3高レベル電圧VARYが供給される第3高レベル電圧線VARYに接続する。寄生トランジスタPTRは、第1高レベル電圧VPPをベースで受け、第2高レベル電圧VOOをエミッタで受けている。
バーンイン試験時に、内部回路INCが同時に動作を開始することで、第1高レベル電圧VPPは一時的に低下する。第2電圧生成回路VOOGENは、バーンイン試験中に動作を停止する。第2高レベル電圧線VOOは、バーンイン試験中に電圧制御回路VCNTにより第3高レベル電圧線VARYに接続される。これにより、第2高レベル電圧VOOは、第3高レベル電圧VARYまで低下する。寄生トランジスタPTRのベースに供給される第1高レベル電圧VPPが一時的に低下するバーンイン試験時に、寄生トランジスタPTRのエミッタに供給される第2高レベル電圧VOOを下げることで、寄生トランジスタPTRがオンすることを防止できる。これにより、ラッチアップの発生を防止でき、第1高レベル電圧VPPが低下することを防止できる。この結果、内部回路INCに所望のストレスを印加でき、バーンイン試験を確実に実施できる。
図2は、別の実施形態における半導体集積回路SEMの例を示している。例えば、半導体集積回路SEMは、シリコン基板上にCMOSプロセスを使用して形成されたDRAMである。半導体集積回路SEMは、クロックバッファ10、アドレスバッファ12、パワーダウン制御回路14、モードレジスタ16、コマンドデコーダ18、データ入出力回路20、バーンイン制御回路22、電源回路24、メモリコア制御回路26、データ制御回路28およびメモリコア30を有している。
半導体集積回路SEMは、クロック信号CLKに同期して動作するが、クロック信号CLKに非同期で動作してもよい。半導体集積回路SEMは、システムLSI等に搭載されるマクロ(IP)として設計されてもよく、パッケージに封入された半導体デバイスとして設計されてもよい。半導体集積回路SEMは、セルフリフレッシュモード中にリフレッシュ動作を自動的に実行するためのリフレッシュタイマ、リフレッシュアドレスカウンタ等を有している。本発明は、メモリセルのリフレッシュ動作の制御には関係しないため、リフレッシュ動作に関係する回路および動作の詳細は記載しない。
クロックバッファ10は、クロック端子を介してクロック信号CLKを受け、内部クロック信号ICLKを出力する。内部クロック信号ICLKは、クロックに同期して動作する回路に供給される。アドレスバッファ12は、アドレス端子を介してアドレス信号ADを受け、受けたアドレス信号をロウアドレス信号RAおよびコラムアドレス信号CAとして出力する。ロウアドレス信号RAおよびコラムアドレス信号CAは、アドレス端子ADに同時に供給されてもよく、時分割で供給されてもよい。
パワーダウン制御回路14は、チップイネーブル信号CE2が低レベルの間、半導体集積回路SEMを低消費電力モードに移行させる。特に限定されないが、低消費電力モードは、パワーダウンモードとセルフリフレッシュモードを含む。パワーダウンモードでは、半導体集積回路SEMの消費電力を大幅に下げるために、電源回路24による電圧VPP、VOO、VARY、VPERIの生成が停止される。メモリセルMCに保持されているデータは失われる。セルフリフレッシュモードでは、電源回路24は動作し、メモリセルMCのデータを保持するために、セルフリフレッシュ動作のみが周期的に実行される。
例えば、パワーダウン制御回路14は、パワーダウン信号PDZが高レベルのときに、チップイネーブル信号CEの低レベルへの変化に応答して通常動作モードからパワーダウンモードに移行するために、ローパワー信号ULPZを活性化する。パワーダウン制御回路14は、パワーダウン信号PDZが低レベルのときに、チップイネーブル信号CEの低レベルへの変化に応答して通常動作モードからセルフリフレッシュモードに移行するために、セルフリフレッシュ動作を実行するための回路を起動する。セルフリフレッシュモードでは、パワーダウン制御回路14は、ローパワー信号ULPZは非活性化状態に保持する。
モードレジスタ16は、例えば、モードレジスタ設定コマンド信号MRSとともに供給されるアドレス信号ADに応じて設定される。モードレジスタ16により、パワーダウン信号PDZの他に、バースト長やリードレイテンシなどの動作仕様が変更される。
コマンドデコーダ18は、コマンド端子を介してコマンド信号CMDを受け、受けた信号を解読し、メモリコア30を動作させるための内部コマンド信号ICMDや、バーンイン試験を制御する内部コマンド信号を出力する。特に限定されないが、コマンド信号CMDは、チップイネーブル信号/CE1、ライトイネーブル信号/WEおよびアウトプットイネーブル信号/OEを含む。なお、ロウアドレスストローブ信号/RASおよびコラムアドレスストローブ信号/CASを、コマンド信号CMDに含めてもよい。また、コマンドデコーダは、コマンド信号CMDがモードレジスタ16の設定コマンドを示すときに、モードレジスタ設定コマンド信号MRSを内部コマンド信号として出力する。コマンドデコーダ18は、コマンド信号CMDがバーンイン試験を示すときに、バーンイン信号BIZを内部コマンド信号として出力する。コマンドデコーダ18は、コマンド信号CMDが試験モードを示すときに、試験信号TESZを内部コマンド信号として出力する。
データ入出力バッファ20は、読み出し動作時に、メモリコア30からデータバスDBを介して転送される読み出しデータをデータ端子DQに出力する。データ入出力バッファ20は、書き込み動作時に、データ端子DQを介して供給される書き込みデータを受信し、受信したデータをデータバスDBを介してメモリコア30に転送する。
バーンイン制御回路22は、バーンイン信号BIZが高レベルに活性化されているときに、アドレス信号AD(試験コード)に応じてバーンイン信号WBIZ、電源選択信号CONZおよび全ワード線選択信号WLALLZを出力する。バーンイン信号WBIZ、電源選択信号CONZおよび全ワード線選択信号WLALLZは、バーンイン試験時の内部回路の動作を制御するバーンイン制御信号である。なお、バーンイン信号WBIZ、電源選択信号CONZおよび全ワード線選択信号WLALLZは、コマンド信号CMDおよびアドレス信号ADに応じてコマンドデコーダ18により生成されてもよい。また、バーンイン信号WBIZ、電源選択信号CONZおよび全ワード線選択信号WLALLZは、モードレジスタ設定コマンド信号MRSに応じてモードレジスタ16により生成されてもよい。
電源回路24は、外部電源電圧VDDおよび接地電圧VSSを用いて、第1高レベル電圧VPP、第2高レベル電圧VOO、内部電圧VARY、VII、VPREI、ワード線WLのリセット電圧VNNおよびpMOSトランジスタの基板電圧VBBを生成する。第1高レベル電圧VPPおよび第2高レベル電圧VOOは、電源電圧VDDより高い。内部電圧VARY、VIIは、電源電圧VDDより低い。内部電圧VPERIは、電源電圧VDDと同じ値である。リセット電圧VNNおよび基板電圧VBBは負電圧である。
例えば、第1高レベル電圧VPPは、ワード線WLの高レベル電圧に使用される。例えば、第2高レベル電圧VOOは、オン抵抗を下げたいトランジスタのゲート電圧に使用される。例えば、内部電圧VARYは、メモリコア30の電源電圧に使用される。例えば、内部電圧VPERIは、外部端子に接続される回路の電源電圧に使用される。例えば、内部電圧VIIは、メモリコア30と外部端子に接続される回路を除く周辺回路の電源電圧に使用される。バーンイン試験時の電源回路24の動作は、図3で説明する。
メモリコア制御回路26は、内部コマンド信号ICMD(読み出しコマンド、書き込みコマンドおよびリフレッシュコマンド)に応じて、メモリコア30の動作を制御する制御信号CNTを出力する。メモリコア制御回路26は、モードレジスタ16からのバースト長情報、リードレイテンシ情報に応じて制御信号CNTを生成する。
データ制御回路28は、例えば、読み出し動作時に動作する並列直列変換回路および書き込み動作時に動作する直列並列変換回路を有している。並列直列変換回路は、メモリコア30から出力される並列の読み出しデータを直列データに変換し、データバスDBに順次に出力する。直列並列変換回路は、データバスDBに順次に供給される直列の書き込みデータを並列データに変換し、メモリコア30に出力する。
メモリコア30は、メモリセルアレイARY、ワードデコーダWDEC、プリチャージ回路PRE、センスアンプSA、コラムスイッチCSW、コラムデコーダCDEC、リードアンプRAおよびライトアンプWAを有している。プリチャージ回路PRE、センスアンプSAおよびコラムスイッチCSWは、センスアンプ領域SAAに形成される。
メモリセルアレイARYは、マトリックス状に配置された複数のダイナミックメモリセルMCと、図の横方向に並ぶメモリセルMCの列に接続された複数のワード線WLと、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列に接続された複数のビット線対BL、/BLとを有している。メモリセルMCは、データを電荷として保持するためのキャパシタと、このキャパシタの一端である記憶ノードをビット線BL(または/BL)に接続するためのトランスファトランジスタとを有している。例えば、トランスファトランジスタは、キャパシタの一端である記憶ノードとビット線BL(または/BL)との間に接続され、キャパシタの他端は、基準電圧線に接続されている。基準電圧線に供給される基準電圧は、例えば、プリチャージ電圧と同じである。なお、メモリセルアレイARYは、図7に示すように、複数のロウブロックRBLK0−1を有している。読み出し動作、書き込み動作およびリフレッシュ動作では、ロウブロックRBLK0−1のいずれかが動作する。
ワードデコーダWDECは、ロウアドレス信号RAをデコードし、ワード線WLを選択するためのロウデコード信号を生成する。ワードデコーダWDECの例は、図6に示す。プリチャージ回路PREは、動作していないセンスアンプSAに接続されたビット線対BL、/BLをプリチャージ電圧に設定する。センスアンプSAは、メモリセルアレイARYのアクティブ期間およびリフレッシュ動作期間に動作し、ビット線BL、/BLの電圧差を増幅する。
コラムデコーダCDECは、読み出し動作および書き込み動作においてアクセスされるメモリセルMCに接続されたビット線対BL、/BLを選択するために、コラムアドレス信号CAをデコードする。コラムスイッチCSWは、コラムデコーダCDECからのデコード信号であるコラム選択信号CL(図7)に応じて、ビット線対BL、/BLをデータ線DT、/DTを介してリードアンプRAまたはライトアンプWAに接続する。
リードアンプRAは、読み出しアクセス動作時に、コラムスイッチCSWを介して出力される相補の読み出しデータを増幅する。ライトアンプWAは、書き込みアクセス動作時に、データバスDBを介して供給される相補の書き込みデータを増幅し、ビット線対BL、/BLに供給する。
図3は、図2に示した電源回路24の例を示している。電源回路24は、電源起動制御回路PONCNT、電圧制御回路VCNTおよび電圧生成回路VGENを有している。
電源起動制御回路PONCNTは、電源起動時に電源電圧VDDが供給されたときと、ローパワー信号ULPZが非活性化されたときに、スタータ信号STT0Zを所定の期間高レベルに活性化する。リセットや初期化が必要な回路は、スタータ信号STT0Zの活性化中にリセットまたは初期化される。電源起動制御回路PONCNTの動作の例は図4に示す。
電圧制御回路VCNTは、スイッチ回路SW1−2を有している。スイッチ回路SW1は、高レベルのバーンイン信号WBIZおよび低レベルの電源選択信号CONZを受けている間、または高レベルの試験信号TESZを受けている間、第2高レベル電圧線VOOを内部電圧線VPERIに接続する。スイッチ回路SW2は、高レベルのバーンイン信号WBIZおよび高レベルの電源選択信号CONZを受けている間、第2高レベル電圧線VOOを内部電圧線VPERIに接続する。スイッチ回路SW1−2の例は、図5に示す。
電圧生成回路VGENは、第1高レベル電圧VPP、第2高レベル電圧VOO、内部電圧VARY、VII、VPREI、負電圧VNNおよび基板電圧VBBを生成する電圧生成器VPPGEN、VOOGEN、VARYGEN、VIIGEN、VPERIGEN、VNNGEN、VBBGENを有している。なお、電圧生成回路VGENは、メモリセルMCの基準電圧およびビット線BL、/BLのプリチャージ電圧を生成する電圧生成回路も有している。
電圧生成器VOOGENは、高レベルのバーンイン信号WBIZを受けている間、第2高レベル電圧VOOの生成を停止する。電圧生成器VPPGEN、VOOGEN、VARYGEN、VIIGEN、VPERIGEN、VNNGENは、パワーダウンモード中、電圧の生成動作を停止する。この際、内部電圧線VPERIは、外部電源線VDDに接続される。さらに必要に応じて、正の電圧線VPP、VOO、VARY、VIIの少なくともいずれかを、外部電源線VDDに接続してもよい。また、負の電圧線VNN、VBBを、接地線VSSに接続してもよい。
図4は、図3に示した電源起動制御回路PONCNTの動作の例を示している。まず、半導体集積回路SEMに電源電圧VDDの供給が開始される(PON;図4(a))。スタータ信号STT0Zの電圧は、電源電圧VDDに追従して上昇する(図4(b))。電源起動制御回路PONCNTは、内部回路をリセット可能な所定の電圧までスタータ信号STT0Zを上昇した後、スタータ信号STT0Zを低レベルに変化する(図4(c))。電源電圧VDDが供給された後、半導体集積回路SEMは、通常動作モードNRMに設定される。
次に、モードレジスタ設定コマンドMRSとともにパワーダウンモードのエントリコマンドPDENTが供給される(図4(d))。これにより、ローパワー信号ULPZが活性化され、半導体集積回路SEMは、パワーダウンモードPDMに移行する(図4(e))。次に、モードレジスタ設定コマンドMRSとともにパワーダウンモードのエクジットコマンドPDEXTが供給される(図4(f))。これにより、ローパワー信号ULPZが非活性化され、半導体集積回路SEMは、通常動作モードNRMに移行する(図4(g))。通常動作モードNRMに移行するとき、電源起動制御回路PONCNTは、スタータ信号STT0Zを所定の期間活性化する(図4(h))。これにより、パワーダウンモードPDM中に内部電圧が供給されていなかった内部回路がリセットされ、内部回路は正常な状態に初期化される。
なお、電源起動制御回路PONCNTの動作とは関係しないが、半導体集積回路SEMを試験するテストシステムTSYS(図12)が、バーンイン試験のエントリを示すコマンド信号CMD(バーンインコマンドBI)を半導体集積回路SEMに供給する(図4(i))。このとき、半導体集積回路SEMはバーンイン試験モードBIMに移行する。テストシステムTSYSは、通常動作モードNRM時より高い電源電圧VDDを半導体集積回路SEMに供給する(図4(j))。
図5は、図3に示したスイッチ回路SW1−2の例を示している。スイッチ回路SW1は、レベルシフタLSFTおよびpMOSトランジスタPM1を有している。スイッチ回路SW2は、レベルシフタLSFTおよびpMOSトランジスタPM2を有している。各レベルシフタLSFTは、入力端子で受ける高レベルVIIを高レベルVPPに変換する。レベルシフタLSFTにより、pMOSトランジスタPM1−2の高レベルのゲート電圧は、ソース電圧またはドレイン電圧より常に高くなる。これにより、各pMOSトランジスタPM1−2は、ゲートで高レベルを受けているときに確実にオフする。
スイッチ回路SW1は、高レベルのバーンイン信号WBIZおよび低レベルの電源選択信号CONZを受けているとき、または高レベルの試験信号TESZを受けているときに、pMOSトランジスタPM1のゲートを低レベルに設定する。これにより、pMOSトランジスタPM1はオンし、内部電圧VPERIを第2高レベル電圧線VOOに出力する。
スイッチ回路SW2は、高レベルのバーンイン信号WBIZおよび高レベルの電源選択信号CONZを受けているときに、pMOSトランジスタPM2のゲートを低レベルに設定する。これにより、pMOSトランジスタPM2はオンし、内部電圧VARYを第2高レベル電圧線VOOに出力する。
図6は、図2に示したワードデコーダWDECの例を示している。ワードデコーダWDECは、プリデコーダPDEC1−2、オア回路OR、サブワードドライバSWDRV、メインワードデコーダMWDECおよびサブワードデコーダSWDECを有している。
プリデコーダPDEC1は、下位のロウアドレス信号RA1−0に応じて、サブワードドライバSWDRVに出力するサブワード信号SWLZ(SWL0−3Zのいずれか)を活性化する。プリデコーダPDEC2は、上位のロウアドレス信号RA7−2に応じて、メインワードデコーダMWDECに出力するメインワード信号MWLZ(MWL0−63Zのいずれか)を活性化する。なお、この例では、256本のワード線WL0−255を選択するためのワードデコーダWDECを記載している。このため、8本のロウアドレス信号RA7−0を用いている。しかし、ワード線WLの本数およびロウアドレスRAのビット数は、これに限定されるものではない。
オア回路ORを介して高レベルのサブワード信号SWLZ(例えば、SWL0Z)受けるサブワードドライバSWDRVは、高レベルのワードドライブ信号WLDV(例えば、WLDV0)および低レベルのワードリセット信号WLRSTZ(例えば、WLRST0Z)を出力する。オア回路ORを介して低レベルのサブワード信号SWLZ(例えば、SWL1−3Z)受けるサブワードドライバSWDRVは、低レベルのワードドライブ信号WLDV(例えば、WLDV1−3)および高レベルのワードリセット信号WLRSTZ(例えば、WLRST1−3Z)を出力する。各ワードドライブ信号WLDVおよび各ワードリセット信号WLRSTZは、63個のサブワードデコーダSWDECに共通に接続されている。
オア回路ORを介して高レベルのメインワード信号MWLZ(例えば、MWL0Z)を受けるメインワードデコーダMWDECは、低レベルのメインワード信号MWLX(例えば、MWL0X)を出力する。オア回路ORを介して低レベルのメインワード信号MWLZ(例えば、MWL1−62Z)を受けるメインワードデコーダMWDECは、高レベルのメインワード信号MWLX(例えば、MWL1−62X)を出力する。各メインワード信号MWLXは、4個のサブワードデコーダSWDECに共通に接続されている。
サブワードデコーダSWDECは、ワード線WL毎に形成されている。サブワードデコーダSWDECは、ワードドライブ信号WLDVと負電圧線VNNの間に直列に接続されたpMOSトランジスタPM3およびnMOSトランジスタNM3と、ワード線WLと負電圧線VNNの間に直列に接続されたnMOSトランジスタNM4とを有している。トランジスタPM3は、ワード線WLを高レベルVPPに駆動するために設けられる。トランジスタNM3、NM4は、ワード線WLをリセットレベルVNNに設定するために設けられる。
これにより、通常動作モード中およびセルフリフレッシュモード中、ロウアドレス信号RA7−0に応じて活性化されたサブワード信号SWLZおよびメインワード信号MWLZに対応する1本のワード線WLが高レベルVPPに活性化される。なお、バーンイン試験モード中、全ワード線選択信号WLALLZが高レベルに活性化されることで、全てのワード線WL0−255が高レベルVPPに活性化される。
図7は、図2に示したセンスアンプ領域SAAの例を示している。例えば、図は、1つのデータ端子DQに対応するセンスアンプ領域SAAの一部を示している。メモリMEMが16ビットのデータ端子DQを有するとき、データ端子DQ毎に図7の回路が形成される。メモリブロックRBLK0−1は、図2に示したメモリセルアレイARY内に形成され、1つのセンスアンプ領域SAAを共有する。
プリチャージ制御信号線BRS0(またはBRS1)は、メモリブロックRBLK0(またはRBLK1)に対応するプリチャージ回路PREに共通に接続される。プリチャージ制御信号線BRS0−1のレベルは、プリチャージ制御信号BRSZに同期して変化する。スイッチ制御信号線BT0(またはBT1)は、メモリブロックRBLK0(またはRBLK1)に対応する接続スイッチBTに共通に接続される。接続スイッチBTは、nMOSトランジスタを有し、ビット線BL(/BL)とセンスアンプSAのビット線SBL(/SBL)とを接続する。
具体的には、メモリブロックRBLK0がアクセスされるとき、スイッチ制御信号BT0が高レベルに設定され、スイッチ制御信号BT1が低レベルに設定される。これにより、メモリブロックRBLK0側の接続スイッチBTはオンし、メモリブロックRBLK1側の接続スイッチBTはオフする。メモリブロックRBLK1がアクセスされるとき、スイッチ制御信号BT1が高レベルに設定され、スイッチ制御信号BT0が低レベルに設定される。これにより、メモリブロックRBLK1側の接続スイッチBTはオンし、メモリブロックRBLK0側の接続スイッチBTはオフする。例えば、スイッチ制御信号BT0−1の高レベルは、ビット線BL、/BLの高レベル電圧(VARY)より高い電圧(VOO)に設定される。これにより、ビット線BL、/BLの高レベル電圧を、接続スイッチBT0(またはBT1)を介してセンスアンプSAに確実に伝達できる。
センスアンプ活性化信号線PSA、NSAは、センスアンプ領域SAAのセンスアンプSAに共通に接続される。センスアンプ活性化信号線PSA、NSAのレベルは、メモリコア制御回路26により生成されるセンスアンプ制御信号に同期して変化する。コラムスイッチ信号線CL(CL0−2)は、コラムスイッチCSWにそれぞれ接続される。コラムスイッチ信号線CLは、コラムアドレスCAに応じて選択され、コラムスイッチ信号線CLのレベルは、メモリコア制御回路26により生成されるコラム制御信号に同期して変化する。
図8は、図7に示したスイッチ制御信号BTの生成回路BTGENの例を示している。生成回路BTGENは、ソースで第2高レベル電圧VOOを受け、基板で第1高レベル電圧VPPを受けるpMOSトランジスタPM5と、ソースで接地電圧VSSを受け、基板で基板電圧VBBを受けるnMOSトランジスタNM5とを有している。トランジスタPM5、NM5は、ゲートで入力信号を受け、ドレインからスイッチ制御信号線BT0(またはBT1)を出力する。
なお、半導体集積回路SEMは、図8に示した生成回路BTGENと同じ構造を有する論理回路を有していてもよい。論理回路は、ソースで第2高レベル電圧VOOを受け、基板で第1高レベル電圧VPPを受けるpMOSトランジスタと、ソースで接地電圧VSSを受け、基板で基板電圧VBBを受けるnMOSトランジスタとを有している。これ等pMOSトランジスタおよびnMOSトランジスタは、共通のn型ウエル領域内に形成される。
図9は、図8に示した生成回路BTGENのトランジスタ構造の例を示している。なお、図8で説明した論理回路のトランジスタ構造も、図9と同じである。例えば、pMOSトランジスタPM5は、n型ウエル領域NW内に形成されている。nMOSトランジスタNM5は、n型ウエル領域NW内に形成されたp型ウエル領域PW内に形成されている。n型ウエル領域NWは、濃度の低いn型拡散層N−により形成されている。p型ウエル領域PWは、濃度の低いp型拡散層P−により形成されている。
pMOSトランジスタPM5のソース(VOO)およびドレイン(BT0またはBT1)は、濃度の高いp型拡散層P+により形成されている。pMOSトランジスタPM5において、n型ウエル領域NW用の基板電圧(VPP)は、濃度の高いn型拡散層N+を介して供給される。nMOSトランジスタNM5のソース(VSS)およびドレイン(BT0またはBT1)は、濃度の高いn型拡散層N+により形成されている。nMOSトランジスタNM5において、p型ウエル領域PW用の基板電圧(VBB)は、濃度の高いp型拡散層P+を介して供給される。
図10は、図8に示した生成回路BTGENの寄生トランジスタ構造を示している。図9に示したトランジスタ構造では、pMOSトランジスタPM5のソース(P+)がエミッタとなり、pMOSトランジスタPM5の電圧VPPの供給部(N+)がベースとなり、p型ウエル領域PW(P−)がコレクタとなる寄生トランジスタPTRが形成される。また、nMOSトランジスタNM5のソース(N+)がエミッタとなり、nMOSトランジスタNM5の電圧VBBの供給部(P+)がベースとなり、n型ウエル領域NW(N−)がコレクタとなる寄生トランジスタNTRが形成される。また、n型ウエル領域NWは、抵抗成分RPWを有する。
例えば、バーンイン試験モード中に、全ワード線選択信号WLALLZが高レベルに活性化されたとき、全てのワード線WLが負電圧VNNから第1高レベル電圧VPPに変化する。このとき、第1高レベル電圧VPPが第2高レベル電圧VOOより低くなると、寄生トランジスタPTRはオンする。第2高レベル電圧線VOOから寄生トランジスタNTRのベースに電流が流れることで、寄生トランジスタNTRはオンする。これにより、寄生トランジスタPTR、NTRから形成されるサイリスタがオンする。すなわち、ラッチアップが発生する。ラッチアップが発生すると、n型ウエル領域NWの基板電圧である第1高レベル電圧線VPPから接地線VSSに電荷が流れ、第1高レベル電圧VPPは低下する。
図11は、図2に示した半導体集積回路SEM内の電圧の例を示している。通常動作モードNRM中及びセルフリフレッシュモードモードSLFM中、電圧VDD、VOO、VPP、VARY、VII、VPERI、VNN、VBBは、それぞれ1.8V、2.1V、2.7V、1.2V、1.2V、1.8V、−0.3V、−0.3Vに設定される。パワーダウンモードPDM中、電圧VDD、VOO、VPP、VARY、VII、VPERI、VNN、VBBは、それぞれ1.8V、0V、0V、0V、0V、1.8V、0V、−0.3Vに設定される。電圧VPERIは、電圧線VPERIを外部電源線VDDに接続することにより1.8Vに設定される。
バーンイン試験モードBIM中、電圧VDD、VOO、VPP、VARY、VII、VPERI、VNN、VBBは、それぞれ3.1V、3.1V(2.4V)、5.0V、2.4V、2.4V、3.1V、−0.5V、−0.5Vに設定される。外部電源電圧VDDは、半導体集積回路SEMを試験するテストシステムTSYSから供給される。電圧VOOは、電圧線VOOを電圧線VPERIまたは電圧VARYに接続することで設定される。電圧VPP、VARY、VII、VPERI、VNN、VBBは、電圧生成回路VGENが電源電圧VDDに応じて生成する。
図12は、図2に示した半導体集積回路SEMをバーンイン試験するテストシステムTSYSの例を示している。例えば、図12に示したテストシステムTSYSは、ウエハWAF状態の半導体集積回路SEMをバーンイン試験するために恒温槽TCを有している。これにより、テストシステムTSYSは、いわゆるウエハバーンイン試験を実施する。なお、テストシステムTSYSは、ウエハWAFから切り出され、パッケージに収納された半導体集積回路SEMのバーンイン試験を実施してもよい。この場合、半導体集積回路SEMが搭載されたバーンイン基板が恒温槽TCに配置される。
この例では、ウエハWAF上で互いに隣接する4つの半導体集積回路SEMが同時にバーンイン試験される。すなわち、4つの半導体集積回路SEMが、テスタTESTに同時に接続される。ここで、半導体集積回路SEMに供給される共通の信号CLK、CE2、CMD、ADは、テスタTEST内の共通のドライバを使用して生成される。パス/フェイル判定のために半導体集積回路SEM毎に必要なデータ信号DQ(DQA、DQB、DQC、DQD)は、テスタTEST内の個別のドライバおよびコンパレータを使用して生成され、判定される。
半導体集積回路SEMは、例えば、プローブカードのプローブPRBを介してテスタTESTに接続される。テスタTESTに一度に接続する半導体集積回路SEMの数は、テスタTESTの端子数(チャネル数)と半導体集積回路SEMの端子数に依存する。
図13は、図2に示した半導体集積回路SEMのバーンイン試験動作の例を示している。先ず、テスタTESTは、通常の電源電圧VDD(例えば、1.8V)を半導体集積回路SEMに供給し、バーンインコマンドBIをおよび所定の試験コード(アドレス信号AD)を半導体集積回路SEMに出力する(図13(a))。このとき、半導体集積回路SEMは、高温状態の恒温槽TC内に配置されている。図2に示したバーンイン制御回路22は、コマンドデコーダ18からのバーンイン信号BIZおよび試験コードに応答して、バーンイン信号WBIZを高レベルに設定する(図13(b))。
テスタTESTは、バーンインコマンドの半導体集積回路SEMへの出力に合わせて、電源電圧VDDをバーンイン用の値(例えば、3.1V)まで上昇する(図13(c))。電源電圧VDDの上昇により、電源回路24が生成する内部電圧VPERI、第1高レベル電圧VPPおよび内部電圧VARY、VIIも上昇する(図13(d、e、f))。電源回路24は、バーンイン信号WBIZの活性化に応答して、電圧生成器VOOGENによる第2高レベル電圧VOOの生成を停止し、スイッチ回路SW1(PM1)をオンする。これにより、内部電圧VPERIが第2高レベル電圧線VOOに供給され、第2高レベル電圧VOOは、内部電圧VPERIと等しくなる(図13(g))。
次に、テスタTESTは、第2高レベル電圧VOOを切り替えるための試験コードをアドレス信号ADとして半導体集積回路SEMに供給する。バーンイン制御回路22は、試験コードに応答して、電源選択信号CONZを高レベルに設定する(図13(h))。電源回路24は、電源選択信号CONZの活性化に応答して、スイッチ回路SW1(PM1)をオフし、スイッチ回路SW2(PM2)をオンする。これにより、内部電圧VARYが第2高レベル電圧線VOOに供給され、第2高レベル電圧VOOは、内部電圧VARY(例えば、2.4V)まで低下する(図13(i))。
この状態で、テスタTESTは、全てのワード線WLを選択するための試験コードをアドレス信号ADとして半導体集積回路SEMに供給する。バーンイン制御回路22は、試験コードに応答して、全ワード線選択信号WLALLZを高レベルに設定する(図13(j))。図6に示したワードデコーダWDECは、全ワード線選択信号WLALLZに応答して全てのワード線WLを高レベル(VPP)に活性化する。電圧生成器VPPGENにより生成される第1高レベル電圧VPPは、多数のワード線WLの電圧を上昇するために使用される。このため、第1高レベル電圧VPPは、一時的に低下し、ワード線WLの電圧上昇とともに元のレベル(例えば、5.0V)に戻る(図13(k))。
電圧生成器VPPGENによる第1高レベル電圧VPPの生成能力は、ワード線選択信号WLALLZが活性化されたときの第1高レベル電圧VPPが2.4V以上になるように設計されている。換言すれば、バーンイン試験中、第1高レベル電圧VPPは、スイッチ回路SW2がオンしているときの第2高レベル電圧VOO(=VARY)より低くなることはない。これにより、図10に示したラッチアップの発生を防止でき、第1高レベル電圧VPPを正常な値(例えば、5.0V)に維持できる(図13(l))。これにより、ワード線WLを介して全メモリセルMCのトランスファトランジスタのゲートにストレスが印加される。複数のトランスファトランジスタは、バーンイン試験中に同時に動作する内部回路である。
第1高レベル電圧VPPが正常な値に戻った後、テスタTESTは、第2高レベル電圧VOOを元の値に切り替えるための試験コードを半導体集積回路SEMに供給する。バーンイン制御回路22は、試験コードに応答して、電源選択信号CONZを低レベルに設定する(図13(m))。電源回路24は、電源選択信号CONZの非活性化に応答して、スイッチ回路SW2(PM2)をオフし、スイッチ回路SW1(PM1)をオンする。これにより、第2高レベル電圧VOOは、再び内部電圧VPERI(例えば、3.1V)まで上昇する(図13(n))。なお、第2高レベル電圧VOOを元の値に戻すための試験コードの供給タイミングは、第1高レベル電圧VPPが内部電圧VPERI(この例では、3.1V)以上に上昇した後であれば、いつでもよい。
第2高レベル電圧VOOを正常な値(3.1V)に戻すことで、第2高レベル電圧VOOを受けて動作する回路(図8に示した生成回路BTGEN等)は、正常に動作する。これにより、半導体集積回路SEMを正常に動作でき、正常なバーンイン試験を実施できる。一方、第2高レベル電圧VOOがバーンイン試験中に内部電圧VPERI(3.1V)に保持される場合、第1高レベル電圧VPPは、電圧値の低下により第2高レベル電圧VOOより低くなる。これにより、図10に示したサイリスタがオンし、ラッチアップが発生すると、第1高レベル電圧VPPは、さらに低くなる(図13(o))。
バーンイン試験中のワード線WLの電圧は、第1高レベル電圧VPPに設定される。このため、ラッチアップが発生すると、ワード線WLを高電圧(この例では、5.0V)に維持できなくなり、正常なバーンイン試験を実施できない。換言すれば、ワード線WLが接続されるメモリセルMCのトランスファトランジスタのゲートにストレスを与えることができない。
バーンイン試験によるストレスの印加後、テスタTESTは、ワード線WLを非活性化するための試験コードをアドレス信号ADとして半導体集積回路SEMに供給する。バーンイン制御回路22は、試験コードに応答して、全ワード線選択信号WLALLZを低レベルに設定する(図13(p))。ワードデコーダWDECは、全ワード線選択信号WLALLZに応答して全てのワード線WLを低レベルに非活性化する。
この後、テスタTESTは、バーンイン試験を終了するための試験コードをアドレス信号ADとして半導体集積回路SEMに供給する。バーンイン制御回路22は、試験コードに応答して、バーンイン信号WBIZを低レベルに非活性化する(図13(q))。バーンイン信号WBIZの非活性化により、スイッチ回路SW1(PM1)がオフし、第2高レベル電圧線VOOと内部電圧線VPERIとの接続が解除される。
テスタTESTは、バーンイン信号WBIZの非活性化に合わせて、電源電圧VDDを通常の値(例えば、1.8V)に戻す(図13(r))。電源電圧VDDの下降により、電源回路24が生成する内部電圧VPERI、第1高レベル電圧VPP、第2高レベル電圧VOOおよび内部電圧VARY、VIIも下降する(図13(s、t、u、v))。そして、バーンイン試験が終了する。この後、メモリセルMCへの試験データの書き込みと読み出しチェックが実施され、ストレスの印加により不良になったメモリセルMCが検出される。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態は、DRAM等の半導体集積回路SEMに適用する例について述べた。しかし、例えば、上述した実施形態は、SRAM、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等の他の半導体メモリ、あるいはCPU等のロジックLSIに適用してもよい。上述した実施形態は、図10に示したように、第1高レベル電圧VPPがベースに供給され、第2高レベル電圧VOOがエミッタに供給される寄生トランジスタPTRを有する半導体集積回路SEMに適用可能である。特に、第1高レベル電圧VPPを受けて動作する多数の内部回路がバーンイン試験時に同時に動作する半導体集積回路SEMに適用することで、顕著な効果を得ることができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。