JP5304288B2 - 印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷方法及び印刷装置に関する。
電磁波(例えば紫外線(UV))の照射によって硬化するインク(例えばUVインク)を用いて印刷を行なう印刷装置が知られている。このような印刷装置では、ノズルから媒体(紙、フィルムなど)にインクを吐出した後、媒体に形成されたドットに電磁波を照射する。こうすることにより、ドットが硬化して媒体に定着するので、液体を吸収しにくい媒体に対しても良好な印刷を行うことができる(例えば特許文献1参照)。
特開2000-158793号公報
UVインクで画像を印刷したときに、画像が印刷された領域と、画像が印刷されない領域との間で光沢性が異なることになる。そこで、画像が印刷されていない領域に無色透明なUVクリアインク(加工液の一種)のドットを形成し、媒体の表面を均一な光沢にすることが考えられる。
しかし、画像を印刷するためのUVカラーインクによるドットと、クリアインクのような加工液によるドットとが接触すると、インクの滲みによって画質が劣化するおそれがある。同様に、画像を印刷するためのUVカラーインクによるドットと、背景を印刷するための白インクのような背景用インクによるドットとが接触しても、インクの滲みの問題が生じる。
本発明は、インクの滲みによる画質の劣化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、媒体の表面を加工するための加工液であって、電磁波が照射されると硬化する加工液を吐出する第2ノズルと、前記電磁波を照射する照射部と、を用いた印刷方法であって、前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出して前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷することと、前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出して、前記媒体上の前記画像以外の領域に加工用ドットを形成することと、前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射することと、前記電磁波の照射後に、前記カラードットと前記加工用ドットとが接触した後、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射することと、を有する印刷方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンターの構成を示すブロック図である。 印刷領域周辺の概略図である。 図3A及び図3Bは、各ヘッドのノズル配置の説明図である 図4A〜図4Cは、媒体上に着弾したUVインク(ドット)の形状と、UVの照射タイミングの説明図である。 カラーインクだけで印刷した場合を示す説明図である(第1比較例)。 カラードットを形成しない画素にクリアドットを形成した場合を示す概略図である(第2比較例)。 本実施形態のドットの形成位置の説明図である。 本実施形態の本硬化時のドットの説明図である。 画像形成後に全面にクリアインクを塗布した場合を示す説明図である。 画像形成後に全面にクリアインクを塗布した場合を示す説明図である。 本実施形態の概略説明図である。 プリンタードライバーが行なう処理のフロー図である。 本実施形態のプリンター1による印刷処理のフロー図である。 第2実施形態の印刷領域周辺の概略図である。 図15A〜図15Cは、第3実施形態の印刷領域周辺の概略図と、印刷動作の説明図である。 第4実施形態のシリアルプリンターの斜視図である。 第4実施形態のヘッド32の構成の説明図である。 第5実施形態の印刷領域周辺の概略図である。 第5実施形態のプリンターによる印刷処理のフロー図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、媒体の表面を加工するための加工液であって、電磁波が照射されると硬化する加工液を吐出する第2ノズルと、前記電磁波を照射する照射部と、を用いた印刷方法であって、前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出して前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷するとともに、前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出して、前記媒体上の前記画像以外の領域に加工用ドットを形成することと、前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射することと、を有する印刷方法が明らかとなる。
このような印刷方法によれば、カラードットと加工用ドットとの間でインクの滲みによる画質の劣化を抑制することができる。
かかる印刷方法であって、前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記カラードット及び前記加工用ドットを仮硬化させる照射量で、前記カラードット及び前記加工用ドットに前記電磁波を照射し、前記電磁波の照射後に前記カラードット及び前記加工用ドットの径が拡張することによって前記カラードットと前記加工用ドットとが接触した後に、更に前記カラードット及び前記加工用ドットに前記電磁波を照射するが望ましい。
このような印刷方法によれば、カラードット及び加工用ドットを拡張させた後にドットを固化しているので、カラードットと加工用ドットとの隙間が減少し、光沢をより均一にすることができる。
かかる印刷方法であって、前記カラードットが形成されてから前記照射部の前記電磁波が照射されるまでの時間、及び、前記加工用ドットが形成されてから前記照射部の前記電磁波が照射されるまでの時間の少なくとも一方に応じて、前記領域が決定されることが望ましい。
このような印刷方法によれば、電磁波を照射する際にカラードットと加工用ドットが接触しないようにすることができる。
かかる印刷方法であって、前記カラードット及び前記加工用ドットに前記電磁波が照射された後、前記カラードット及び前記加工用ドットの上に前記加工液が塗布されて、前記カラードット及び前記加工用ドットの上に塗布された前記加工液に前記電磁波が照射されることが望ましい。
このような印刷方法によれば、表面の高低差を小さくすることができ、光沢を良好にすることができる。
かかる印刷方法であって、前記第2ノズルとは別に、前記加工液を吐出する第3ノズルが設けられており、前記第3ノズルよりも前記媒体の搬送方向の下流側に、前記照射部とは別の照射部が設けられていてもよい。
このような印刷方法によれば、媒体を搬送方向に搬送させるのに従ってカラードットの形成、加工用ドットの形成、カラードットと加工用ドットが接触する前の電磁波の照射、カラードット及び加工用ドット上への加工液の塗布、塗布された加工液への電磁波の照射と順に行なうことができる。
かかる印刷方法であって、前記第1ノズルは、所定のノズルピッチで並んでおり、前記第3ノズルは、前記所定のノズルピッチよりも狭いノズルピッチで並んでいることが望ましい。
このような印刷方法によれば、加工液を塗布する際に、高い密度でドットを形成することができ、媒体の表面に多少凹凸がある場合でも表面を均一にできる。
また、媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、媒体の表面を加工するための加工液であって、電磁波が照射されると硬化する加工液を吐出する第2ノズルと、前記電磁波を照射する照射部と、前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出させて前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷するとともに、前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出させて、前記媒体上の前記画像以外の領域に加工用ドットを形成し、且つ、前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記照射部から前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射させるコントローラーと、
を有する印刷装置が明らかとなる。
また、媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、前記画像の背景を印刷するための背景用インクであって、電磁波が照射されると硬化する背景用インクを吐出する第2ノズルと、前記電磁波を照射する照射部と、を用いた印刷方法であって、前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出して前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷するとともに、前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出して、前記媒体上の前記画像以外の領域に背景用ドットを形成することと、前記媒体に形成された前記カラードットと前記背景用ドットとが接触する前に、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記背景用ドットに照射することと、を有する印刷方法が明らかとなる。
このような印刷方法によれば、カラードットと背景用ドットとの間でインクの滲みによる画質の劣化を抑制することができる。
===第1実施形態===
第1実施形態では、印刷装置としてラインプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。
<プリンターの構成について>
図1は、プリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2は、印刷領域周辺の概略図である。
プリンター1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置(不図示)にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューター読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーは、インターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
そして、コンピューター110は、プリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
なお、「印刷装置」とは、媒体に画像を印刷する装置を意味し、例えばプリンター1が該当する。また、「印刷制御装置」とは、印刷装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタードライバーをインストールしたコンピューター110が該当する。
本実施形態のプリンター1は、液体の一例として、紫外線(以下、UV)の照射によって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインク)を吐出することにより、媒体に画像を印刷する装置である。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。なお、本実施形態のプリンター1は、CMYKの4色のUVインク(カラーインク)と、無色透明のUVインク(クリアインク)を用いて画像を印刷する。
本実施形態のプリンター1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30、照射ユニット40)を制御して、印刷データに従って媒体に画像を印刷する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bと、ベルト24とを有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙ローラ(不図示)によって給紙された媒体は、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が媒体を搬送することによって、媒体がヘッドユニット30に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した媒体は、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の媒体は、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット30は、媒体にUVインクを吐出するためのものである。なお、本実施形態では、UVインクとして、画像を形成するためのカラーインクと無色透明のクリアインクを用いる。ヘッドユニット30は、搬送中の媒体に対して各インクを吐出することによって、媒体にドットを形成し、画像を媒体に印刷する。本実施形態のプリンター1はラインプリンターであり、ヘッドユニット30の各ヘッドは媒体幅分のドットを一度に形成することができる。なお、図2に示すように、搬送方向の上流側から順に、ブラックのUVインクを吐出するブラックインクヘッドK、シアンのUVインクを吐出するシアンインクヘッドC、マゼンダのUVインクを吐出するマゼンダインクヘッドM、イエローのUVインクを吐出するイエローインクヘッドY、クリアインクを吐出する第1クリアインクヘッドCL1及び第2クリアインクヘッドCL2の各ヘッドが設けられている。なお、以下、カラーインクを吐出する各色のヘッドのことをカラーインク用ヘッドともいい、クリアインクを吐出する各ヘッドのことをクリアインク用ヘッドともいう。また、クリアインク用ヘッドのうち、第1クリアインクヘッドCL1のことを単に第1ヘッドCL1ともいい、第2クリアインクヘッドCL2のことを単に第2ヘッドCL2ともいう。
なお、ヘッドユニット30の構成の詳細ついては、後で説明する。
照射ユニット40は、媒体に着弾したUVインクに向けてUVを照射するものである。媒体上に形成されたドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより、硬化する。本実施形態の照射ユニット40は、仮硬化用照射部42、及び本硬化用照射部44を備えている。
仮硬化用照射部42は、媒体に形成されたドットを仮硬化させるためのUVを照射する。なお、本実施形態において、仮硬化とは、ドット間の滲みを防止するために行なう硬化のことである。
仮硬化用照射部42は、クリアインク用ヘッドの第1ヘッドCL1と第2ヘッドCL2の間に設けられている。また、仮硬化用照射部42の媒体幅方向の長さは媒体幅以上である。そして、仮硬化用照射部42は、ヘッドユニット30のカラーインク用ヘッド及び第1ヘッドCL1によって形成されたドットにUVを照射する。
本実施形態の仮硬化用照射部42は、UV照射の光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を備えている。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。
なお、仮硬化の詳細については後述する。
本硬化用照射部44は、媒体に形成されたドットを本硬化させるためのUVを照射する。なお、本実施形態において、本硬化とは、ドットを完全に固化させるために行なう硬化のことである。
本硬化用照射部44は、第2ヘッドCL2よりも搬送方向下流側に設けられている。また、本硬化用照射部44の媒体幅方向の長さは媒体幅以上である。そして、本硬化用照射部44は、ヘッドユニット30の各ヘッドによって形成されたドットにUVを照射する。
本実施形態の本硬化用照射部44は、UV照射の光源として、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を備えている。
なお、本硬化の詳細については後述する。
検出器群50には、ロータリー式エンコーダ(不図示)、紙検出センサ(不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダは、上流側搬送ローラ23Aや下流側搬送ローラ23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、媒体の搬送量を検出することができる。紙検出センサは、給紙中の媒体の先端の位置を検出する。
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<印刷動作について>
プリンター1がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、まず、搬送ユニット20によって給紙ローラ(不図示)を回転させ、印刷すべき媒体をベルト24上に送る。媒体はベルト24上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30、及び照射ユニット40の下を通る。この間に、ヘッドユニット30の各ヘッドのノズルからインクを断続的に吐出させることによって媒体にドットを形成するとともに、照射ユニット40の各照射部からUVを照射させる。こうして媒体に画像が印刷される。そして、最後にコントローラー60は、画像の印刷が終了した媒体を排紙する。
<ヘッドの構成について>
図2に示すように本実施形態のプリンター1はカラーインク用ヘッドとクリアインク用ヘッドと有している。
カラーインク用ヘッドは、画像を印刷するためのUVインクをインク色毎に吐出する。本実施形態では、カラーインク用ヘッドとして、搬送方向の上流側から順に、ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンダインクヘッドM、イエローインクヘッドYが設けられている。カラーインク用ヘッドは、クリアインク用ヘッド及び各照射部よりも搬送方向の上流側に設けられている。なお、カラーインク用ヘッドのノズル配置については後述する。
クリアインク用の第1ヘッドCL1は、媒体の表面を加工するための加工液の一種である無色透明のクリアインクを吐出する。本実施形態では、第1ヘッドCL1は画像以外の領域にクリアインクを吐出する。第1ヘッドCL1は、カラーインク用ヘッドと仮硬化用照射部42との間に設けられている。なお、第1ヘッドCL1のノズル配置については後述する。
クリアインク用の第2ヘッドCL2は、媒体の全面にクリアインクを吐出(以下、塗布ともいう)する。第2ヘッドCL2は、仮硬化用照射部42と本硬化用照射部44との間に設けられている。なお、第2ヘッドCL2のノズル配置については後述する。
図3A及び図3Bは、各ヘッドのノズル配置の説明図である。
図3Aは、カラーインク用ヘッド、若しくは、クリアインク用ヘッドの第1ヘッドCL1のノズルの配置を示している。これらの各ヘッドは、図に示すように「A列」「B列」の2個のノズル列を備える。
各列のノズルは、搬送方向と交差する方向(ノズル列方向)に沿って、1/180インチの間隔(ノズルピッチ)で並んでいる。また、A列のノズルのノズル列方向の位置と、B列のノズルのノズル列方向の位置は、半ノズルピッチ分(1/360インチ)だけずれている。これにより、1/360インチの解像度でカラードット、若しくは、クリアドットを形成可能になっている。
図3Bは、クリアインク用の第2ヘッドCL2のノズルの配置を示している。第2ヘッドCL2は、上流側ヘッドCL2aと下流側ヘッドCL2bを備えている。上流側ヘッドCL2a及び下流側ヘッドCL2bは、それぞれ、前述のカラーインク用のヘッド若しくはクリアインク用の第1ヘッドCL1と同様に、「A列」「B列」の2個のノズル列を備えている。
第2ヘッドCL2において、上流側ヘッドCL2aのノズルのノズル列方向の位置と、下流側ヘッドCL2bのノズルのノズル列方向の位置は、1/4ノズルピッチ分(1/720インチ)だけずれている。これにより、1/720インチの解像度で第2クリアドットを形成可能になっている。このように第2ヘッドCL2は、カラーインク用の各ヘッド若しくはクリアインク用の第1ヘッドCL1と比べて、ノズル列が2倍なので、高い密度でドットを形成することが可能である。
なお、これらの各ノズル列のノズル列方向の長さは、媒体幅分の長さ以上であり、これにより媒体幅分のドットを一度に形成することができる。
<仮硬化及び本硬化について>
図4A〜図4Cは、媒体上に着弾したUVインク(ドット)の形状と、UVの照射タイミングの説明図である。なお、図4A、図4B、図4Cの順で照射タイミングが遅くなっている。
ドット形成直後にドットの広がりを止めるようにUVを照射した場合、例えば図4Aのようになる。この場合、滲みを抑制することができるが、ドットによって構成される媒体表面の凹凸が大きくなるため光沢が悪化する。
一方、ドットが十分に広がってから初めてUVを照射した場合、例えば図4Cのようになる。この場合、光沢は良好になる。但し、他のインクとの間で滲みが生じやすくなる。
本実施形態のプリンター1では、照射ユニット40として、仮硬化用照射部42と本硬化用照射部44とを備えており、ドット形成後に仮硬化、本硬化の2段階の硬化を行なっている。以下、各硬化の機能について説明する。
仮硬化の機能は、ドット間の滲みを防止することである。第1仮硬化の際にドットに照射されるUVの照射量は少なく、第1仮硬化の後においてもUVインク(ドット)は完全に固化せず広がり続けている。但し、仮硬化が行われた後では、ドットが接触しても滲みの問題が起こりにくくなる。
本硬化の機能は、インクを完全に固化させることである。この本硬化のUVの照射量は、仮硬化でのUVの照射量よりも多い。すなわち、仮硬化の照射量<本硬化の照射量となっている。
<比較例の課題と本実施形態の概略>
(第1比較例)
図5は、カラーインクだけで印刷した場合を示す説明図である。なお、以下の説明において、各色のカラーインクによって形成されたドットのことをカラードットともいう。
UVインクを用いた場合、通常の水性インクのドットと比較して、ドットによる表面の凹凸が大きい(例えば5〜10μm程度の高低差の凹凸がある)。通常の水性インクの場合、ドットの凹凸よりも紙の凹凸の方が大きいので、ドットによる表面の凹凸は目立たない。これに対し、UVインクの場合、カラーインクだけで印刷すると光沢のムラが生じることになり、これにより画質が劣化する(課題1とする)。そこで、このような課題1に対して、カラードットの形成されていない部分(画像以外の領域)にクリアインクによるドット(以下、クリアドット)を形成するという対処が考えられる。
また、ドット密度の変化で画像の濃淡を表現するため、画像の濃淡に応じて表面の凹凸も異なる(課題2とする)。図5中の厚みのある部分が画像の濃い部分を示し、薄い部分が画像の淡い部分を示している。このような課題2に対して、画像形成後に全面にクリアインクを塗布するという対処が考えられる。
(第2比較例)
第2比較例は、上述した課題1に対処した比較例である。
図6は、カラードットを形成しない画素にクリアドットを形成した場合を示す概略図である。図中四角の升目は、媒体上の画素を示している。また、丸印はドットを示しており、ハッチングされたドットは、カラードット、ハッチングされていないドットは、クリアドットをそれぞれ示している。
通常、ドットは、図6に示すように媒体上の画素よりも大きく形成される。なぜなら、隙間無く塗り潰し画像を印刷できるようにするためである。この比較例では、カラードットを形成していない画素に、クリアドットを形成している。
しかし、このような場合、図中の黒で塗り潰した部分で、滲みの問題が生じる(課題3とする)。
(本実施形態の概略1)
図7は、本実施形態のドットの形成位置の説明図である。図7(及び後述する図8)においても図中四角の升目は、媒体上の画素を示している。また、丸印はドットを示しており、ハッチングされたドットは、カラードット、ハッチングされていないドットは、クリアドットをそれぞれ示している。
本実施形態では、前述した第2比較例の課題3に対処するため、ドット形成時、カラードットと接触しないようにクリアドットを形成する。例えば、図7に示すようにカラードットを形成する画素と隣接する画素にはクリアドットを形成しないようにする。
なお、ドット形成後にはドットの径が拡張するが、本実施形態では、仮硬化前においてもカラードットとクリアドットは非接触になるようにしている。これにより、光沢を均一にしつつ、滲みを抑制することができる。
また、図8は、本実施形態の本硬化時のドットの説明図である。
仮硬化後であれば、本硬化前にカラードットとクリアドットが拡張して接触しても、インクが滲みにくい。つまり、仮硬化後ではカラードットとクリアドットが接触しても図6のような滲みの問題が発生しない。そこで、本実施形態では、この間(仮硬化から本硬化までの間)にカラードットとクリアドットが接触するようにコントローラー60が仮硬化のUV照射量を調整している。このように、仮硬化時のUV照射量を制御すれば、仮硬化前にカラードットとクリアドットが非接触状態でも、本硬化時に接触状態にすることが可能である。これにより、印刷画像の光沢をより均一にできる。
(第3比較例)
第3比較例は、前述した課題2に対処した比較例である。
図9、図10は、画像形成後に全面にクリアインクを塗布した場合を示す説明図である。
図9では、図5の画像形成後に、全面にクリアインクを塗布している。図9のように全面に均一にクリアインクを塗布しても、媒体に直接に多量のクリアインクを塗布すると、インクが水平方向(面方向)に移動し、インクの凝集が起こる。
このため、図10のようになり、画像以外の領域では、クリアインクが凝集し、均一な光沢は得られない(課題4とする)。
(本実施形態の概略2)
図11は本実施形態の概略説明図である。
本実施形態では、第3比較例の課題4に対処するため、カラードットの形成されていない部分(画像以外の領域)にクリアドットを形成する。その後、カラードットとクリアドットを仮硬化し、仮硬化後、全面にクリアインクを塗布する。
このように、本実施形態では、仮硬化されたインクの上にクリアインクを塗布しているので、図10のような凝集が生じにくくなる。このように、クリアインクの塗布によって、高低差(凹凸)を小さくすることができる。これにより光沢を良好にすることができる。
<第1実施形態の印刷処理について>
図12は、プリンター1の印刷時にプリンタードライバーが行なう処理のフロー図である。
プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、プリンター1が解釈できる形式の印刷データに変換し、印刷データをプリンターに出力する。アプリケーションプログラムからの画像データを印刷データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・接触ドット検出処理・クリアドット除去処理・ラスタライズ処理・コマンド付加処理などを行う。以下に、プリンタードライバーが行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間にCl平面が追加されたCMYKCl色空間のデータに変換する処理である。なお、CMYK色空間の画像データは、プリンターが有するインクの色に対応したデータであり、Cl平面の画像データは、CMYK平面の画像データで画像の無い領域に画像があることを示すデータである。言い換えると、プリンタードライバーは、RGBデータに基づいて、CMYK平面の画像データで画像の無い領域に画像があることを示すデータを生成する。また、Cl平面の画像データの階調値は、CMYK平面の画像データの平均階調値である。
この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)に基づいて、行われる。なお、色変換処理後の画素データは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンターが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などが利用される。ハーフトーン処理されたデータは、印刷解像度(例えば720×720dpi)と同等の解像度である。ハーフトーン処理後の画像データでは、画素ごと1ビット又は2ビットの画素データが対応しており、この画素データは各画素でのドットの形成状況(ドットの有無、ドットの大きさ)を示すデータになる。なお、ハーフトーン処理後のCMYKCl色空間の画像データのうちのCl平面の画像データは、各画素でのクリアドットの形成状況を示すデータである。
接触ドット検出処理は、Cl平面の画像データを用いて、カラードットと接触するクリアドットを検出する処理である。以下、その手法について説明する。
まず、プリンタードライバーは、各色のカラードットの大きさを決定する。なお、本実施形態では、色ごとにドットの大きさが異なる。なぜなら、ドット形成後から仮硬化までの時間が異なるからである。例えば、図2の場合、ブラックヘッドKによってドットを形成してから仮硬化用照射部42で仮硬化を行なうまでの時間は、イエローヘッドYによってドットを形成してから仮硬化用照射部42で仮硬化を行なうまでの時間よりも長くなる。つまり、同じ量のインクを吐出する場合、ブラックインクの方がイエローインクのよりも、広がり時間が長くなりドットが大きくなる。
次に、プリンタードライバーは、クリアドットの大きさを決定する。クリアドットの大きさは、カラードットの大きさと同様に、ドット形成後から仮硬化までの時間に基づいて決定される。
さらに、プリンタードライバーは、カラードットと隣接するクリアドットの位置を検出する。
そして、プリンタードライバーは、検出されたクリアドットと、隣接するカラードットとの距離を算出し、算出された距離と、カラードット及びクリアドットの大きさとに基づいて、接触/非接触を判定する。
クリアドット除去処理は、カラードットと接触するクリアドットを除去する処理である。このクリアドット除去処理では、カラードットと接触するクリアドットが形成されないようにCl平面の画像データを修正する。具体的には、クリアドットを形成することを示す画素データを、ドット形成しないことを示す画素データに置換する。
ラスタライズ処理は、マトリクス状に並ぶ画素データを、プリンター1に転送すべきデータ順に、画素データごとに並べ替える。例えば、各ノズル列のノズルの並び順に応じて、画素データを並べ替える。
コマンド付加処理は、ラスタライズ処理されたデータに、印刷方式に応じたコマンドデータを付加する処理である。コマンドデータとしては、例えば媒体の搬送速度を示す搬送データなどがある。
これらの処理を経て生成された印刷データは、プリンタードライバーによりプリンター1に送信される。
図13は、本実施形態のプリンター1による印刷処理のフロー図である。
まず、コントローラー60は、媒体の搬送中に、印刷データに基づき、カラーインク用ヘッドの各ヘッドからカラーインクを吐出させ、画像の形成領域にカラードットを形成する(S101)。こうして、カラードットから構成される画像を印刷する。
次に、コントローラー60は、クリアインク用の第1ヘッドCL1によって、画像の形成されていない領域にクリアインクを吐出させる。こうして画像以外の領域にクリアドットを形成する(S102)。このとき、カラードットとクリアドットは接触していない状態(図7参照)となっている。これは、プリンタードライバーによって印刷データが作成される際に、前述した接触ドット検出処理及びクリアドット除去処理が行なわれて、カラードットと接触するクリアドットが除去されているからである。このように、本実施形態では、ドット形成時にカラーインクとクリアインクを接触しないようにしているので、図6のような画像の滲みが発生しない。
次に、コントローラー60は、仮硬化用照射部42によってUVを照射させ、カラードットとクリアドットの仮硬化を行なう(S103)。この仮硬化の際においてもカラードットとクリアドットは接触していない。これは、プリンタードライバーの接触ドット検出処理において、カラードットと接触するクリアドットを検出する際に、仮硬化におけるドットの大きさが考慮されているからである。この仮硬化によって、ドット間の滲みが抑制される。また、仮硬化後もドットの径が拡張するので、光沢を良好にすることができる。なお、コントローラー60は、後述する本硬化の際に図8のようにカラードットとクリアドットが接触する状態となるように、仮硬化のUVの照射量を制御する。
そして、仮硬化の後、コントローラー60は、クリアインク用の第2ヘッドCL2によって媒体の全面にクリアインクを塗布する(S104)。このクリアインク用の第2ヘッドCL2は、前述したように他のヘッドよりもノズル数が多くなっている。これにより、塗布前に多少凹凸があっても表面が均一になる。なお、既に仮硬化したカラードット(及びクリアドット)の上にクリアインクが塗布されるので、インクの滲みの問題はない。
また、このとき、既に仮硬化したクリアドットが楔(くさび)のように機能し、全面に塗布されたクリアインクが水平方向(面方向)に移動しにくくなり、凝集しにくくなっている。よって、図10のような凝集が生じにくくなる。このように、クリアインクを全面に塗布することによって、ドットの高低差(凹凸)を小さくすることができる。これにより光沢を良好にすることができる。また、クリアインクが図10のように凝集しないので、光沢をより均一にできる。
その後、コントローラー60は、本硬化用照射部44によってUVを照射させ、本硬化を行う(S105)。本硬化では、媒体の全面に塗布されたクリアインク上にUVが照射される。この本硬化によって、各ドットは完全に固化する。なお、本硬化時には、図8のようにカラードットとクリアドットが接触した状態になっている。これは、コントローラー60が、本硬化の際にカラードットとクリアドットとが接触するように、仮硬化用照射部42のUVの照射量を制御しているからである。
そして、本硬化の後、媒体が排紙される。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態では、カラーインク用ヘッドによってカラードットを形成することによってカラードットから構成される画像を媒体に印刷するとともに、カラードットと接触しないように、クリアインク用の第1ヘッドCL1によって画像以外の領域にクリアドットを形成している。そして、カラードットとクリアドットが接触する前に、仮硬化用照射部42によってカラードドット及びクリアドットにUVを照射している。これにより、均一な光沢を得つつ、インクの滲みによる画質劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、カラードットとクリアドットが接触する前に、仮硬化用照射部42によってドットの径が拡張できる照射量で仮硬化を行ない、カラードットとクリアドットが接触した後に、本硬化用照射部44によって本硬化を行なっている。これにより、ドットを拡張させた後にドットを固化しているので、カラードットとクリアドットとの隙間が減少し、光沢をより均一にすることができる。なお、カラードットとクリアドットが接触する前に仮硬化を行なっているため、カラードットとクリアドットが接触してもインクの滲みの問題は生じない。
また、本実施形態では、プリンタードライバーによって、仮硬化時におけるカラードットの大きさと、クリアドットの大きさが考慮されて、クリアドットを形成する領域が決定されている。これにより、仮硬化時にドットが接触しないようにすることができる。
また、本実施形態では、カラードットとクリアドットの仮硬化を行なった後、第2クリアヘッドCL2によって全面にクリアインクを塗布している。そして、本硬化用照射部44によって塗布されたクリアインクに本硬化のUV照射を行なっている。これにより、表面の高低差(凹凸)を小さくすることができ、光沢を良好にするこができる。
また、本実施形態では、搬送方向の上流側から順に、カラーインク用ヘッド、クリアインク用の第1ヘッドCL1、仮硬化用照射部42、クリアインク用の第2ヘッドCL2、本硬化用照射部44が設けられているので、媒体を搬送方向に搬送させるのに従って、画像の印刷、画像以外の領域のクリアドットの形成、仮硬化、全面のクリアインクの塗布、本硬化と順に行なうことができる。
また、第2ヘッドCL2のノズルピッチは、カラーインク用ヘッド若しくは第1ヘッドCL1のノズルピッチよりも狭くなっている。これにより、全面にクリアインクを塗布する際に、高い密度でドットを形成することができ、媒体の表面に多少凹凸がある場合でも表面を均一にできる。
===第2実施形態===
図14は、第2実施形態の印刷領域周辺の概略図である。第1実施形態(図2)と比較すると、各カラーインク用ヘッドの後(搬送方向下流側)にそれぞれ仮硬化用の照射部が設けられている。なお、図14において図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
第2実施形形態の照射ユニット40は、仮硬化用照射部42a〜42e、本硬化用照射部44を有している。
仮硬化用照射部42a〜42eは、ドット間の滲みを防止するためのUVを照射するためのものである。ただし、仮硬化後において、ドットは完全に固化しておらず、広がり続けている。仮硬化用照射部42a〜42eは、それぞれ、ブラックインクヘッドK、シアンインクヘッドC、マゼンダインクヘッドM、イエローインクヘッドY、第1クリアインクヘッドCL1の搬送方向下流側に設けられている。つまり、第2実施形態では、インク色ごとに仮硬化用照射部が設けられている。
また、第1実施形態と同様に、仮硬化用照射部42a〜42eは、UV照射の光源としてLEDを備えている。
なお、本硬化用照射部44については第1実施形態と同じである。
<第2実施形態の印刷動作について>
次に、第2実施形態の印刷動作について説明する。
先ずコントローラー60は、媒体がブラックインクヘッドKの下を通る際にブラックインクヘッドKからブラックインクを吐出させる。その後、媒体が仮硬化用照射部42aを通る際にUVを照射させ、ブラックインクヘッドKによって形成されたドットの仮硬化を行なう。シアンインク、マゼンダインク、イエローインクについても同様にドット形成及びUV照射を行なう。
第2実施液体では、このように、カラーインクによるカラードットが色毎に形成された直後に、対応する仮硬化用照射部からそれぞれUV照射が行なわれる。
そして、コントローラー60は、クリアインク用の第1ヘッドCL1によって画像以外の領域にクリアドットを形成させる。このときも第1実施形態と同様にクリアドットとカラードットが接触しないようにクリアドットを形成する。そして、カラードットとクリアドットが接触する前に、仮硬化用照射部42eによって、各ドットにUVを照射させる。
その後、第2ヘッドCL2によって全面にクリアインクを塗布し、本硬化用照射部44によって、媒体に形成されたドットにUVを照射して本硬化させる。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、クリアインク用の第1ヘッドCL1が、図7のようにドットを形成する。これを実現するため、第2実施形態のプリンタードライバーは、前述の「接触ドット検出処理」のときに、クリアドット形成後の仮硬化時のドットの大きさを算出する。なお、第2実施形態では、プリンタードライバイーは、クリアドット形成後の仮硬化時のカラードットの大きさを算出する際、ドット形成後から仮硬化までの時間ではなく、カラードット形成後の各仮硬化時のUVの照射量も考慮する。例えば、カラードット形成後の仮硬化時のUVの照射量が多いほど、クリアドット形成後の仮硬化時のカラードットの大きさは、小さくなるように算出される。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2実施形態では、各カラードットが形成された直後に仮硬化が行なわれるため、ドットの径の拡張の速度が遅くなるので、ドットの大きさの算出が容易になる。
===第3実施形態===
図15A〜図15Cは、第3実施形態の印刷領域周辺の概略図と、印刷動作の説明図である。なお、これらの図において、図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。第3実施形態では画像以外の領域にクリアインクを吐出するヘッドと全面にクリアインクを塗布するヘッドを兼用するようにしている。また、仮硬化を行なう照射部と本硬化を行なう照射部を兼用するようにしている。なお、第3実施形態のプリンター1では、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bの回転を反転させることによって、媒体を搬送方向の逆方向にも搬送(逆搬送)させることができるようになっている。
<第3実施形態と第1実施形態の構成の相違点について>
第3実施形態では、クリアインク用のヘッドとして図2と同じ第2ヘッドCL2が設けられており、UVの照射部として、仮硬化と本硬化を兼用する照射部45が設けられている。
第2ヘッドCL2は、カラーインク用ヘッドよりも搬送方向下流側に設けられている。なお、前述したように第2ヘッドCL2は上流側ヘッドCL2a及び下流側ヘッドCL2bを有している。これらの各ヘッドのノズルの配置は図3Bと同じである。この上流側ヘッドCL2a及び下流側ヘッドCL2bの一方は、後述するように、画像を形成しない領域にクリアドットを形成する場合と全面にクリアインクを塗布する場合とに兼用して用いられる。
照射部45は、第2ヘッドCL2よりも搬送方向下流側に設けられている。なお照射部45は、UV照射の光源として、例えばLEDを有しており、前述した実施形態と同様に、UVの照射量を変えることが出来る。なお、第3実施形態の照射部45は、照射量を変えることによって仮硬化と本硬化を兼用して行なう。
<第3実施形態の印刷時の動作について>
先ず図15Aに示すように、コントローラー60は、媒体を搬送方向に搬送させるとともに、媒体がカラーインク用ヘッドの下を通る際にカラーインク用の各ヘッドから順次インクを吐出させる。これにより、カラードットから構成される画像が媒体上に印刷される。
また、コントローラー60は、媒体がクリアインク用の第2ヘッドCL2の下を通る際に、上流側ヘッドCL2aと下流側ヘッドCL2bの一方からクリアインクを吐出させ、画像以外の領域にクリアドットを形成させる。このとき、クリアドットは、前述した実施形態と同様に、カラードットと接触しないように形成される。
なお、上流側ヘッドCL2aと下流側ヘッドCL2b2つのヘッドのうち、一方のヘッドは使用されない。これは、クリアドットをカラードットと同じ解像度(360dpi)にするためである。
そして、媒体が照射部45の下を通る際には、コントローラー60は、照射部45から仮硬化用のUVを照射させる。なお、この仮硬化の際には、前述した実施形態と同様にカラードットと、クリアドットは接触していない状態である。すなわち、カラードットと、クリアドットが接触する前に仮硬化のUVが照射される。また、この仮硬化の照射量は、後述する本硬化の際にカラードットとクリアドットが接触した状態となるように、コントローラー60によって制御されている。
仮硬化の後、図15Bに示すように、コントローラー60は、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bの回転を逆転させ、媒体を搬送方向と逆方向に搬送(逆搬送)する。この逆搬送によって、媒体はクリアインク用の第2ヘッドCL2の前(搬送方向上流側)まで搬送される。
そして、図15Cに示すように、コントローラー60は、再度上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bの回転を逆転させ、媒体を通常の搬送方向に搬送させる。そして、媒体が第2ヘッドCL2の下を通る際に、第2ヘッドCL2からクリアインクを吐出させ、クリアインクを媒体の全面に塗布する。このときには、クリアインク用の第2ヘッドCL2の2つのヘッドの全ノズル(図3B参照)が使用される。このように、3実施形態では、全面にクリアインクを塗布する際に2個のヘッド(上流側ヘッドCL2a、下流側ヘッドCL2b)を使用可能であるので、媒体全面へのドット形成(塗布)を迅速に行える。また、この場合、逆搬送しているので、ベルト24上にある媒体に対する全面塗布しか行なわない。よって、第3実施形態では、全面塗布の際の搬送速度を速くすることができる。
そして、媒体が照射部45の下を通る際に、コントローラー60は、照射部45から本硬化用のUVを照射させる。
なお、このように、逆搬送をすると、媒体の位置の精度が悪くなり、ドットの形成位置に誤差が生じるおそれがある。但し、逆搬送後は媒体の全面にクリアインクを塗布する処理なので、クリアドットの形成位置に誤差が生じても、画質に影響しない。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第3実施形態では、逆搬送することにより、クリアインク用のヘッド及びUVの照射部をそれぞれ1つで兼用できるので、第1実施形態と比べてプリンター1のヘッド周辺の構成要素を少なくできる。また、前述したように全面塗布の際の搬送速度を速くすることができ全面塗布に要する時間を短縮できる。
===第4実施形態===
前述した実施形態はラインプリンターについての実施形態であったが、第4実施形態では、媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、ヘッドを搬送方向と交差する方向(移動方向)に移動させつつヘッドからインクを吐出させるドット形成動作を交互に行うプリンター(シリアルプリンター)について同様の処理を行なう。なお、第4実施形態のシリアルプリンターは、後述するように、複数のカラーインクのノズル列の両側(外側)にクリアインクを吐出するノズル列が設けられている。また、第4実施形態のシリアルプリンターは、後述するように、逆搬送を行なうことができる。
図16は、第4実施形態のシリアルプリンターの斜視図である。
図16に示すシリアルプリンターは、キャリッジ11とヘッド32と仮硬化用照射部43を有している。
キャリッジ11は、ヘッド32を移動方向に移動させるためのものである。また、キャリッジ11は、UVインクを収容するカートリッジを着脱可能に保持している。そしてキャリッジ11は、キャリッジモーター(不図示)により、ガイド軸に沿って移動方向に往復移動する。
ヘッド32はキャリッジ11に設けられている。そして、ヘッド32は、キャリッジ11の移動とともに移動方向に移動しつつ、ヘッドの各ノズルからUVインクを吐出する。なお、ヘッド32の詳細については後述する。
仮硬化用照射部43は、印刷領域(つまりヘッド32)よりも搬送方向下流側において、媒体幅以上の長さに亘って設けられている。なお、仮硬化用照射部43は、UV照射の光源としてLEDを有している。
<第4実施形態のヘッドの構成について>
図17は、第4実施形態のヘッド32の構成の説明図である。ヘッド32の下面には、カラーインク用のノズル列として、図17に示すように、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンダインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが移動方向の一端側から他端側に順に並んで形成されている。
また、カラーインク用のノズル列の両側にクリアインク用のノズル列が設けられている。具体的には、ブラックインクノズル列Kよりも移動方向の一端側には第1クリアインクノズル列CL1´が設けられ、イエローインクノズル列Yよりも移動方向の他端側には第2クリアインクノズル列CL2´が設けられている。各ノズル列には、UVインクを吐出するノズルが所定のノズルピッチで複数個(例えば180個)設けられている。
<第4実施形態の印刷時の動作について>
次に第4実施形態の印刷時の動作について説明する。なお、以下の動作の主体は第4実施形形態のプリンターのコントローラーである。
最初のドット形成動作では、キャリッジ11を移動方向の一端から他端(以下、往路ともいう)に移動させつつ、ヘッド32のカラーインク用のノズルからUVインクを吐出させ、カラードットから構成される画像を媒体上に印刷する。
また、この往路のドット形成動作の際に、クリアインク用のノズル列のうち、ヘッド32の移動の上流側となる第1クリアインクノズル列CL1´からクリアインクを吐出させ画像以外の領域にクリアドットを形成する。なお、前述した実施形態と同様に、クリアドットはカラードットと接触しないように吐出される。
その後、媒体を所定量搬送方向に搬送させる(搬送動作)。
そして、次のドット形成動作では、キャリッジ11を移動方向の他端から一端(以下、復路ともいう)に移動させつつ、ヘッド32のカラーインク用のノズルからUVインクを吐出させ、カラードットから構成される画像を媒体上に印刷する。
また、復路のドット形成動作の際に、クリアインク用のノズル列のうち、ヘッド32の移動の上流側となる第2クリアインクノズル列CL2´から、クリアインクを吐出させ画像以外の領域にクリアドットを形成する。なお、このときにも、クリアドットはカラードットと接触しないように吐出される。
このように、往路と復路において、クリアドットを形成するのに使用するノズル列を切り替えている。
その後、搬送動作とドット形成動作を繰り返し行なう。そして、媒体が仮硬化用照射部43の下まで搬送されると、仮硬化用照射部43から仮硬化のUVを照射させる。この場合も前述した実施形態と同様にカラードットとクリアドットは接触していない状態である。すなわち、カラードットとクリアドットが接触する前に仮硬化のUVが照射される。なお、本硬化の前にカラードットとクリアドットが接触するように仮硬化の照射量が調整されている。
その後、媒体を搬送方向の上流側に逆搬送させる。なお、この逆搬送によって、媒体は印刷領域(即ちヘッド32)よりも搬送方向の上流側の位置まで搬送される。そして、再度搬送方向に媒体を搬送する搬送動作と、ドット形成動作とを繰り返し行なう。なお、このときのドット形成動作は媒体の全面にクリアインクを塗布するものであり、カラーインク用のノズル列は用いられず、その両端の2つのクリアインク用のノズル列が用いられる。つまり、往路及び復路のドット形成動作において2個のクリアインクのノズル列が共に用いられる。このように2個のノズル列を使用可能であるので、ドット形成動作の時間を短縮させることができる。
その後、媒体が排紙される前に、本硬化用の照射部(不図示)によって本硬化のためのUVを媒体に照射させる。なお、第3実施形態と同様に、仮硬化用照射部43が仮硬化と本硬化のUV照射を兼用して行なうようにしてもよい。
このように第4実施形態の場合においても、第1実施形態と同様のクリアインクの形成及びUV照射を行なうことができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
===第5実施形態===
前述した実施形態では、画像以外の領域にクリアインクによってクリアドットを形成していたが、第5実施形態では、画像以外の領域に背景用のインク(本実施形態ではホワイトインク)によって背景用のドットを形成している。
図18は、第5実施形態の印刷領域周辺の概略図である。なお、図18において図2と同一構成に部分には同一符号を付し説明を省略する。
図18に示すように、第5実施形態のプリンターは、図2のクリアインク用の第1ヘッドCL1の代わりに、ホワイトインクのドットを形成するためのホワイトインク用のヘッドW1を備えている。なお、第5実施形態においても、図2のクリアインク用の第2ヘッドCL2が備えられている。
ホワイトインクは、画像の背景を印刷するためのものである。例えば、透明フィルムに文字を印刷するだけでは背景色がないと文字が見にくい。このように、透明媒体に単に画像を印刷しただけでは画像が見にくくなるので、このような場合、ホワイトインクのような背景用インクを用いる必要がある。
他の構成は、ほぼ第1実施形態と同じである。また、プリンタードライバーの処理もほぼ第1実施形態と同じである。但し、第5実施形態では、プリンタードライバーの処理において、第1実施形態のCl平面がW平面になる。
第5実施形態では、第1実施形態で第1ヘッドCL1によってクリアドットを形成していた部分に、ホワイトインクによるホワイトドット(背景用ドットに相当する)を形成する。
図19は第5実施形態のプリンター1による印刷処理のフロー図である。
まず、コントローラー60は、媒体の搬送に応じてカラーインク用ヘッドの各ヘッドからカラーインクを吐出させ、カラーインクによって画像の形成領域にカラードットを形成する(S201)。こうして、カラードットから構成される画像を印刷する。
次に、コントローラー60は、ホワイトインク用のヘッドW1によってカラーインクで画像の形成されていない領域にホワイトインクを吐出させる。こうして画像以外の領域にホワイトドットを形成する(S202)。このとき、カラードットとホワイトドットは接触していない状態(図7参照)となっている。これは、プリンタードライバーによって印刷データが作成される際に、前述した接触ドット検出処理及びクリアドット除去処理が行なわれて、カラードットと接触するホワイトドットが除去されているからである。このように、本実施形態では、ドット形成時にカラーインクとホワイトインクを接触しないようにしているので、図6のような画像の滲みが発生しない。
次に、コントローラー60は、仮硬化用照射部42によってUVを照射させ、カラードットとホワイトドットの仮硬化を行なう(S203)。この仮硬化のUVの照射の際においてもカラードットとホワイトドットは接触していない。これは、プリンタードライバーの接触ドット検出処理において、カラードットと接触するクリアドットを検出する際に、仮硬化におけるドットの大きさが考慮されているからである。この仮硬化によって、ドット間の滲みが抑制される。また、仮硬化後もドットの径が拡張するので、光沢を良好にすることができる。なお、コントローラー60は、後述する本硬化の際に図8のようにカラードットとホワイトドットが接触する状態となるように、仮硬化の照射量を制御する。
そして、仮硬化の後、コントローラー60は、クリアインク用の第2ヘッドCL2によって媒体の全面にクリアインクを塗布する(S204)。このクリアインク用の第2ヘッドCL2は、前述したように他のヘッドよりもノズル数が多くなっている。これにより、塗布前に多少凹凸があっても表面が均一になる。なお、既に仮硬化したカラードット(及びホワイトドット)の上にクリアインクが塗布されるので、インクの滲みの問題はない。
また、このとき、既に仮硬化したホワイトドットが楔(くさび)のように機能し、全面に塗布されたクリアインクが水平方向に移動しにくくなり、凝集しにくくなっている。よって、図10のような凝集が生じにくくなる。このように、クリアインクを全面に塗布することによって、高低差(凹凸)を小さくすることができる。これにより光沢を良好にすることができる。また、クリアインクが図10のように凝集しないので、光沢をより均一にできる。
その後、コントローラー60は、本硬化用照射部44によってUVを照射させ、本硬化を行う(S205)。本硬化では、媒体の全面に塗布されたクリアインク上にUVが照射される。この本硬化によって、各ドットは完全に固化する。なお、本硬化時には、図8のようにカラードットとホワイトドットが接触した状態になっている。これは、コントローラー60が、本硬化の際にカラードットとホワイトドットとが接触するように、仮硬化用照射部42のUVの照射量を制御しているからである。
そして、本硬化が行なわれた後、媒体が排紙される。
<第5実施形態の印刷処理とトラッピング処理との違いについて>
トラッピング処理とは、印刷対象となる印刷対象画像と、背景用の画像であって、印刷対象画像の部分が例えば無地の背景用の画像と、を重ねて印刷する場合、印刷対象画像を少し膨らませて背景用の画像と重ねるように処理することである。
トラッピング処理を行なわない場合、例えば、媒体の伸縮等によって、重ねる位置が少しずれると、印刷対象画像と背景画像との境目に、印刷対象画像でも背景画像でもない部分(例えば無地の部分)が見えることになる。この場合、完成した画像が見苦しくなるおそれがある。トラッピング処理を行なうと、重ねる位置が少しずれてもそのような問題は起こらなくなる。
但し、もし仮に本実施形態の構成でトラッピング処理を行なうと、印刷対象画像を構成するカラードットと背景用画像を構成する背景用ドット(ホワイトドット)が重なることになり、カラードットとホワイトドットとの間に滲みが生じる。
これに対し、本実施形態では、トラッピング処理を行なわずに、カラードットとホワイトドットが接触しないようにしているので、カラードットとホワイトドットとの間に滲みが生じない。なお、本実施形態ではトラッピング処理を行なっていないが、上述したような、印刷対象画像と背景画像との境目に、印刷対象画像でも背景画像でもない部分が見えるという問題は生じにくい。これは、図8に示すように、本硬化の前に、カラードットとホワイトドット(背景用ドット)のドットの径が広がるからである。
このように、第5実施形態では、カラーインク用ヘッドによってカラードットを形成することによってカラードットから構成される画像を媒体に印刷するとともに、カラードットと接触しないように、ホワイトインク用のヘッドW1によって画像以外の領域にホワイトドットを形成している。そして、カラードットとホワイトドットが接触する前に、仮硬化用照射部42によってカラードドット及びホワイトドットにUVを照射している。これにより、均一な光沢を得つつ、インクの滲みによる画質劣化を抑制することができる。
また、第5実施形態では、カラードットとホワイトドットが接触する前に、仮硬化用照射部42によってドットの径が拡張できる照射量で仮硬化を行ない、カラードットとホワイトドットが接触した後に、本硬化用照射部44によって本硬化を行なっている。これにより、ドット間の滲みが発生しないようにしてドットを広げることができるので光沢をより均一にすることができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
<インクについて>
前述の実施形態は、紫外線(UV)の照射を受けることによって硬化するインク(UVインク)をノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではなく、UV以外の他の電磁波(例えば可視光線など)の照射を受けることによって硬化する液体をノズルから吐出しても良い。この場合、仮硬化用照射部及び本硬化用照射部から、その液体を硬化させるための電磁波(可視光線など)を照射するようにすればよい。
<全面へのクリアインクの塗布について>
前述した実施形態では、全面にクリアインクを塗布していたが、必ずしも、全面にクリアインクを塗布する必要はない。そのような構成であっても、図7のようにドット形成すれば、滲み防止の効果を得ることができる。
<図7の実現方法について>
図7の状態を実現するための処理は第1実施形態で説明した方法に限られない。
例えばプリンタードライバーが、色変換処理を行なう際、通常のCMYK色空間に色変換してもよい。そして、ハーフトーン処理後のCMYK色空間の画像データにおいてドット形成をしない領域を特定し、その領域にクリアドットが図7のように配置されるようにCl平面の画像データを生成しても良い。
<プリンタードライバーについて>
図12のプリンタードライバーの処理をプリンター側で行っても良い。その場合、プリンターとプリンタードライバーをインストールしたPCとで印刷装置が構成される。
<クリアインクについて1>
前述した実施形態では、画像以外のドットを形成するのに無色透明のクリアインクを用いていたが、クリアインクに限られない。例えば、媒体の表面に光沢性をもたせる半透明な加工液であっても良い。また、加工するのは光沢でなくても良い。媒体の表面の質感を調整するような加工液であっても良い。
<クリアインクについて2>
前述した実施形態では、カラードット形成後にクリアドットを形成しているが、これに限られない。例えば、クリアドットを形成した後にカラードットを形成しても良いし、あるいは、クリアドットの形成とカラードットの形成が同時であっても良い。
<白インクについて>
第5実施形態では、背景用のドットを形成するのにホワイトインクを用いていたが、ホワイトインクに限られない。例えば、媒体がクリーム色であれば、媒体と同じクリーム色のインクを背景用インクとしても良い。
<仮硬化後の状態について>
前述した実施形態では図8のように仮硬化後(本硬化前)に カラードットとクリアドットが接触するようにしていたが、仮硬化後にカラードットとクリアドットが接触しなくても良い。その場合にも、インクの滲みによる画質の劣化を抑制するという効果は得られる。
1 プリンター、11 キャリッジ、20 搬送ユニット、23A 上流側搬送ローラ、23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、30 ヘッドユニット、32 ヘッド、40 照射ユニット、42,42a〜42e,43 仮硬化用照射部、44 本硬化用照射部、45 照射部、50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、63 メモリー、64 ユニット制御回路、110 コンピューター、K ブラックインクヘッド、C シアンインクヘッド、M マゼンダインクヘッド、Y イエローインクヘッド、CL1 第1クリアインクヘッド、CL2 第2クリアインクヘッド、CL2a 上流側ヘッド、CL2b 下流側ヘッド、W1 ホワイトインクヘッド

Claims (7)

  1. 媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、
    媒体の表面を加工するための加工液であって、電磁波が照射されると硬化する加工液を吐出する第2ノズルと、
    前記電磁波を照射する照射部と、
    を用いた印刷方法であって、
    前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出して前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷することと、
    前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出して、前記媒体上の前記画像以外の領域に加工用ドットを形成することと、
    前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射することと、
    前記電磁波の照射後に、前記カラードットと前記加工用ドットとが接触した後、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射することと、
    を有する印刷方法。
  2. 請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記カラードットと前記加工用ドットとが接触した後に前記カラードット及び前記加工用ドットに照射される前記電磁波の照射量は、前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に前記カラードット及び前記加工用ドットに照射される前記電磁波の照射量よりも多い、印刷方法。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷方法であって、
    前記カラードット及び前記加工用ドットに前記電磁波が照射された後、前記カラードット及び前記加工用ドットの上に前記加工液が塗布されて、前記カラードット及び前記加工用ドットの上に塗布された前記加工液に前記電磁波が照射される、印刷方法。
  4. 請求項3に記載の印刷方法であって、
    前記第2ノズルとは別に、前記加工液を吐出する第3ノズルが設けられており、
    前記第3ノズルよりも前記媒体の搬送方向の下流側に、前記照射部とは別の照射部が設けられている、印刷方法。
  5. 請求項4に記載の印刷方法であって、
    前記第1ノズルは、所定のノズルピッチで並んでおり、
    前記第3ノズルは、前記所定のノズルピッチよりも狭いノズルピッチで並んでいる、
    印刷方法。
  6. 媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、
    媒体の表面を加工するための加工液であって、電磁波が照射されると硬化する加工液を吐出する第2ノズルと、
    前記電磁波を照射する照射部と、
    前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出させて前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷するとともに、前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出させて、前記媒体上の前記画像以外の領域に加工用ドットを形成し、且つ、前記媒体に形成された前記カラードットと前記加工用ドットとが接触する前に、前記照射部から前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射させた後に、前記カラードットと前記加工用ドットとが接触した後、前記照射部から前記電磁波を前記カラードット及び前記加工用ドットに照射させるコントローラーと、
    を有する印刷装置。
  7. 媒体に画像を印刷するためのカラーインクであって、電磁波が照射されると硬化するカラーインクを吐出する第1ノズルと、
    前記画像の背景を印刷するための背景用インクであって、電磁波が照射されると硬化する背景用インクを吐出する第2ノズルと、
    前記電磁波を照射する照射部と、
    を用いた印刷方法であって、
    前記第1ノズルから前記カラーインクを吐出して前記媒体にカラードットを形成することによって、カラードットから構成される画像を前記媒体上に印刷することと、
    前記カラードットと接触させずに前記第2ノズルから前記加工液を吐出して、前記媒体上の前記画像以外の領域に背景用ドットを形成することと、
    前記媒体に形成された前記カラードットと前記背景用ドットとが接触する前に、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記背景用ドットに照射することと、
    前記電磁波の照射後に、前記カラードットと前記背景用ドットとが接触した後、前記照射部の前記電磁波を前記カラードット及び前記背景用ドットに照射することと、
    を有する印刷方法。
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