JP5957955B2 - 駆動信号補正方法及び液体吐出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動信号補正方法及び液体吐出方法に関する。
紙、布、フィルムなどの媒体に液滴を吐出して、媒体上に画像などを印刷する液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置では、ヘッドから液滴が吐出され、液滴が媒体に着弾することによってドットが形成され、このドットが媒体上に無数に形成されることによって画像が印刷される。このような液体吐出装置の中には、ヘッドをキャリッジによって移動させるのではなく、固定されたヘッドから搬送中の媒体に向かって液滴を吐出するライン型の液体吐出装置(例えばライン型プリンタ)がある。
ライン型の液体吐出装置では、媒体幅の分だけノズルを並べて配置する必要がある。但し、1つのヘッドに媒体幅の分のノズルを設けるのは困難であり、コストもかかってしまう。このため、複数のヘッドを用意し、複数のヘッドを並べて配置することによって、媒体幅の分のノズルを配置することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−256262号公報
複数のヘッドを備えた液体吐出装置では、各ヘッドの個体差に起因して各ヘッドの吐出する液滴の大きさが異なるため、各ヘッドの印刷領域に形成された画像に濃淡差が生じてしまう。そこで、各ヘッドに同じ階調値のパターンを形成させ、各ヘッドの形成したパターンの濃度をそれぞれ検出し、平均濃度になるように各ヘッドに印加する駆動信号を補正することが行われる。
しかし、このように補正された駆動信号を用いて最も濃い階調値の画像(例えば塗り潰し画像)を印刷したときに、ドット間に隙間が生じて塗り潰せないことが生じるおそれがある。
本発明は、濃い階調値の画像を適切に印刷できるように駆動信号を補正することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる第1の発明は、複数のヘッドにそれぞれ第1駆動信号を印加して、複数の前記ヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンをそれぞれ形成する工程と、それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記第1駆動信号を補正する第1駆動信号補正工程と、を備え、前記第1駆動信号補正工程において前記第1駆動信号を補正して得られた第2駆動信号を複数の前記ヘッドのうちの1つのヘッドである第1ヘッドに印加して前第1ヘッドから前記液滴を吐出して、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって確認用パターンを形成し、前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように前記第2駆動信号を調整した第3駆動信号を用いて、前記補正用パターンを再度形成することを特徴とする駆動信号補正方法である。
また、上記目的を達成するための主たる第2の発明は、複数のヘッドのそれぞれに第1駆動信号を印加して液滴を吐出し、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって、前記複数のヘッドごとに確認用パターンを形成する確認用パターン形成工程と、前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を前記複数のヘッドごとに形成された前記確認用パターンに対してそれぞれ検出する隙間有無検出工程と、前記隙間有無検出工程の結果に応じて、前記複数のヘッド毎に各ヘッドに印加する補正用パターン形成用駆動信号を取得する補正用パターン形成用駆動信号取得工程と、前記複数のヘッドごとに対応する前記補正用パターン形成用駆動信号を印加して、前記複数のヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンを前記複数のヘッドごとに形成する工程と、それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、前記濃度の測定結果に基づいて前記補正用パターン形成用駆動信号を補正して、前記複数のヘッドごとに対応する駆動信号を取得する工程と、を備え、補正用パターン形成用駆動信号取得工程では、前記隙間有無検出工程において前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように前記第1駆動信号を調整して補正用パターン形成用駆動信号を取得し、前記隙間有無検出工程において前記隙間がない場合には、前記第1駆動信号を補正用パターン形成用駆動信号として取得し、前記隙間有無検出工程では、前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像を構成する画素の階調値の標準偏差に基づいて、前記隙間の有無を検出する、または前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像の粒状度に基づいて、前記隙間の有無を検出する、または前記確認用パターンは、前記ヘッドと前記媒体とを所定方向に相対移動させつつ前記ヘッドから前記液滴を吐出することによって形成されており、前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像における前記所定方向と垂直な方向に沿ったバンディングの度合いに基づいて、前記隙間の有無を検出する、ことを特徴とする駆動信号補正方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1は、印刷装置1の概略側面図である。 図2は、印刷装置1のブロック図である。 図3は、ブラックヘッドユニット41Kの下面における複数のヘッドの配列の説明図である。 図4は、ノズルの周辺構造の説明図である。 図5は、駆動信号生成ユニット70によって生成される駆動信号COMの例を説明する図である。 図6は、各ヘッドに印加される駆動信号COMの説明図である。 図7は、比較例の駆動信号の補正方法のフロー図である。 図8Aは、補正用パターンの形成時の説明図である。図8Bは、大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度の測定結果の説明図である。 図9は、本実施形態の駆動信号の補正方法のフロー図である。 図10A及び図10Bは、確認用パターンを構成する大ドットの説明図である。図10Aは、正常な大ドットの説明図である。図10Bは、小さすぎる大ドットの説明図である。 図11A及び図11Bは、S105においてスキャナー120が確認用パターンを読み取るときの解像度の説明図である。図11Aは、正常な大ドットで確認用パターンが構成されている場合の説明図である。図11Bは、小さすぎる大ドットで確認用パターンが構成されている場合の説明図である。図11Cは、図11Aに示すように読み取られた確認用パターンの画像データのヒストグラムである。図11Dは、図11Bに示すように読み取られた確認用パターンの画像データのヒストグラムである。 図12は、別の駆動信号補正方法のフロー図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
複数のヘッドにそれぞれ駆動信号を印加して、複数の前記ヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンをそれぞれ形成する工程と、それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記駆動信号を補正する工程とを行う駆動信号補正方法であって、前記ヘッドから前記液滴を吐出して、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって、確認用パターンを形成し、前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように調整された前記駆動信号を用いて、前記補正用パターンを形成することを特徴とする駆動信号補正方法が明らかとなる。
このような駆動信号補正方法によれば、隙間無く液体(インク)を塗布することができるように駆動信号を補正することができる。
前記ヘッドは、光を照射すると硬化する液滴を吐出することが望ましい。このような場合、大きな液滴を吐出すると硬化させにくくなるため、ドットの大きさを抑えるように駆動信号生成部が初期設定されていることがあるので、特に有効である。
前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像を構成する画素の階調値の標準偏差に基づいて、前記隙間の有無を検出することが望ましい。これにより、隙間無く液体(インク)を塗布することができるように駆動信号を補正することができる。
前記確認用パターンは、前記ヘッドと前記媒体とを所定方向に相対移動させつつ前記ヘッドから前記液滴を吐出することによって形成されており、前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像における前記所定方向と垂直な方向に沿ったバンディングの度合いに基づいて、前記隙間の有無を検出することが望ましい。これにより、隙間無く液体(インク)を塗布することができるように駆動信号を補正することができる。
前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像の粒状度に基づいて、前記隙間の有無を検出することが望ましい。これにより、隙間無く液体(インク)を塗布することができるように駆動信号を補正することができる。
前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記駆動信号を補正した後に、複数の前記ヘッドのいずれかのヘッドを用いて前記確認用パターンを形成し、前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように調整された前記駆動信号を複数の前記ヘッドに印加して、前記補正用パターンを再度形成することが望ましい。他のヘッドの形成するドットの大きさを推定できるので、一部のヘッドのみを用いて確認用パターンを形成すれば良い。
複数の前記ヘッドがそれぞれ前記確認用パターンを形成し、それぞれの前記確認用パターンについて、前記ドットの間の隙間の有無を検出し、前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように、前記隙間のある確認用パターンを形成した前記ヘッドに印加する駆動信号を調整することが望ましい。このように、それぞれのヘッドに確認用パターンを形成させても良い。
複数のヘッドにそれぞれ駆動信号を印加して、複数の前記ヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンをそれぞれ形成する工程と、それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記駆動信号を補正する工程とを行う液体吐出方法であって、前記ヘッドから前記液滴を吐出して、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって、確認用パターンを形成し、前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように調整された前記駆動信号を用いて、前記補正用パターンを形成することを特徴とする液体吐出方法が明らかとなる。
このような液体吐出方法によれば、隙間無く液体(インク)を塗布することができる。
===全体構成===
<概要構成>
図1は、印刷装置1の概略側面図である。図2は、印刷装置1のブロック図である。
印刷装置1は、搬送ユニット10、ヘッドユニット40、検出器群50、コントローラー60、駆動信号生成ユニット70、仮硬化ユニット80、本硬化ユニット90を備えている。
搬送ユニット10は、媒体を搬送する機能を有する。以下の説明では、媒体の搬送される方向を搬送方向と呼ぶ。搬送ユニット10は、ドラム11、第1ローラー12、第2ローラー13、第3ローラー14を有する。媒体は、搬送ユニット10の上流側の供給ユニット(不図示)から供給され、搬送ユニット10の下流側の巻き取りローラー(不図示)によって巻き取られる。媒体は第1ローラー12から第3ローラー14までの間において所定の張力にて張られており、ドラム11の表面に密着している。そして、ドラム11が回転することによって、媒体が搬送されることになる。媒体は、紙であることもあるが、透明媒体Sであることもある。
ヘッドユニット40は、搬送方向上流側から順に、第1ホワイトヘッドユニット41W、マゼンタヘッドユニット41M、シアンヘッドユニット41C、イエローヘッドユニット41Y、ブラックヘッドユニット41K、第2ホワイトヘッドユニット42W及びクリアヘッドユニット41CLを有する。各ヘッドユニットには、多数のノズルが所定のノズルピッチ(例えば1/360インチ)で媒体の幅方向にわたって並んでいる。各ヘッドユニットが所定のインクを吐出することによって、媒体に画像が印刷される。各ヘッドユニットは、ドラム11の表面に沿って設けられている。また、各ヘッドユニットは、UVインクを吐出する。UVインクは、紫外光が照射されると硬化する性質を有するインクである。
マゼンタヘッドユニット41Mの吐出するマゼンタインクと、シアンヘッドユニット41Cの吐出するシアンインクと、イエローヘッドユニット41Yの吐出するイエローインクとによって、減色法によるカラー画像が印刷される。カラー画像の印刷には、ブラックヘッドユニット41Kから吐出されるブラックインクも用いられる。以下の説明では、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク及びブラックインクのことをカラーインクと呼ぶことがある。
第1ホワイトヘッドユニット41W及び第2ホワイトヘッドユニット42Wは、白色のホワイトインクを吐出する。ホワイトインクは、カラー画像の背景となる背景画像を形成に用いられる背景色インクである。例えば、透明媒体にカラー画像を単独で形成するとカラー画像の視認性が良くないため、カラー画像と共に背景画像を形成することによって、カラー画像の遮光性(遮蔽性)を向上させて、カラー画像の視認性を高めている。但し、ホワイトインクは、紙などの不透明な媒体に吐出しても良い。
第1ホワイトヘッドユニット41Wは、背景画像をカラー画像より先に(カラー画像の下に)形成する表刷り印刷で用いられる。第2ホワイトヘッドユニット42Wは、背景画像をカラー画像の後に(カラー画像の上に)形成する裏刷り印刷で用いられる。透明な媒体に裏刷り印刷にてカラー画像を形成した場合には、透明な媒体の側から(透明な媒体越しに)カラー画像を見ることになる。
クリアヘッドユニット41CLは、クリアインクを吐出する。クリアインクは、カラー画像の光沢性(マット調、グロス調)を調整するため、若しくは、カラー画像の表面に保護膜を形成するため、カラー画像の表面に塗布する無色透明なインクである。なお、クリアインクは、無色透明であるため、カラー画像の印刷に用いられるカラーインクとは異なるインクである。クリアインクも、紫外光を照射すると硬化するUVインクで構成されている。クリアインクはカラー画像の上に塗布されるインクであるため、クリアヘッドユニット41CLは、カラーインクを吐出するヘッドユニットよりも搬送方向下流側に設けられる。
検出器群50は、印刷装置1の各部の情報を検出する各種の検出器をあらわす。例えば、検出器群50の中には、ドラムの回転角度を検出するエンコーダー(不図示)などが含まれている。検出器群50は、コントローラー60に検出信号を送信する。
コントローラー60は、印刷装置1の制御を行うための制御ユニットである。コントローラー60は、CPU61、メモリ62及びインターフェース部63を有する。CPU61は、印刷装置1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ62は、CPU61の作業領域や、プログラムを格納する領域などを確保するための記憶部である。CPU61は、メモリ62に格納されているプログラムに従って、各ユニットを制御することになる。インターフェース部63は、外部装置であるコンピューター110と印刷装置1との間でデータの送受信を行う。
駆動信号生成ユニット70は、ヘッドユニット40に含まれているピエゾ素子などの駆動素子を駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号が駆動素子に印加されることによって、駆動素子が駆動して、インク滴がノズルから吐出されることになる。
仮硬化ユニット80は、媒体に着弾したUVインク同士が滲まないようにUVインクの表面を硬化(仮硬化)させる程度の強度の紫外光を照射する。仮硬化ユニット80は、搬送方向上流側から順に、第1ホワイト用光源81W、マゼンタ用光源81M、シアン用光源81C、イエロー用光源81Y、ブラック用光源81K、第2ホワイト用光源82W及びクリア用光源81CLを有する。仮硬化用の光源は、ドラム11の表面に沿って設けられている。また、各光源は、対応するヘッドユニットの下流側に設けられている。これにより、UVインクが媒体に着弾してドットが形成された直後に、仮硬化用の光源から紫外光が照射されて、UVインクのドット表面が仮硬化する。仮硬化ユニット80の光源として、LED(発光ダイオード)などが採用される。
本硬化ユニット90は、媒体上のUVインクを本硬化(完全に固化)させることが可能な強度の紫外光を照射する。本硬化ユニット90は、仮硬化用の光源よりも強い紫外光を照射するための本硬化用光源91を有する。本硬化用光源91は、ドラム11の下部に設けられている。また、本硬化用光源91は、媒体Sがドラム11から離れてから第3ローラー14に達するまでの間において、媒体に紫外光を照射する。例えば、本硬化用光源91として、メタルハライドランプなどが採用される。なお、本硬化ユニット90は、本硬化用光源91の紫外光を媒体側に反射させる反射鏡や、排熱のためのフィン、ファン及びダクトなども備えている。
外部装置であるコンピューター110(図2参照)には、プリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、印刷すべき画像データに基づいて、印刷装置1に印刷動作を行わせるための印刷データをコンピューター110に生成させて、コンピューター110に印刷データを送信させるプログラムである。コンピューター110が印刷装置1に送信する印刷データには、画素データと制御データとが含まれている。印刷装置1は、印刷データの中の画素データに従って、ヘッドユニット40の各ノズルからのインク滴の吐出を制御する。また、印刷装置1は、印刷データの中の制御データに従って、各ユニット(搬送ユニット10、ヘッドユニット40、駆動信号生成ユニット70、仮硬化ユニット80、本硬化ユニット90)を制御する。このように、コンピューター110は、印刷装置1の各ユニットを制御する印刷制御装置として機能する。
コンピューター110には、スキャナー120が接続されている。スキャナー120は、印刷装置1を用いて印刷された画像(補正用パターン、確認用パターンなど)を読み取る装置である。コンピューター110には、スキャナー120を制御し、スキャナーの読み取った画像データを取得するためのスキャナドライバもインストールされている。
<ヘッドユニットの構成>
図3は、ブラックヘッドユニット41Kの下面における複数のヘッドの配列の説明図である。図に示すように、ブラックヘッドユニット41Kは、複数のヘッド45を有している。複数のヘッドは、幅方向に沿って千鳥列状に並んでいる。各ヘッドには、ノズル列が形成されている。ノズル列は、ブラックインクを吐出する複数のノズル(例えば360個のノズル)から構成されている。ノズル列を構成する複数のノズルは、一定のノズルピッチ(例えば1/360インチ)で幅方向に並んでいる。
図4は、ノズルの周辺構造の説明図である。図には、ノズルNz、ピエゾ素子PZT、インク供給路402、ノズル連通路404、及び、弾性板406が示されている。
インク供給路402には、不図示のインクタンクからインクが供給される。そして、これらのインク等は、ノズル連通路404に供給される。ピエゾ素子PZTには、後述する駆動信号の駆動パルスが印加される。駆動パルスが印加されると、駆動パルスの信号に従ってピエゾ素子PZTが伸縮し、弾性板406を振動させる。そして、駆動パルスの振幅に対応する量のインク滴がノズルNzから吐出されるようになっている。
図5は、駆動信号生成ユニット70によって生成される駆動信号COMの例を説明する図である。図に示されるように、駆動信号COMは、繰り返し周期Tごとに繰り返し生成される。
繰り返し周期である期間Tは、媒体Sが搬送方向に1画素分移動する間の期間に対応する。例えば、印刷解像度が360dpiの場合、期間Tは、媒体Sがノズルに対して1/360インチ移動するための期間に相当する。そして、印刷データに含まれる画素データに基づいて、期間Tに含まれる各区間の駆動パルスPS1〜PS4を選択してピエゾ素子PZTに印加することによって、1つの画素内に大きさの異なるインク滴が吐出され、複数階調を表現可能としている。
駆動信号COMは、繰り返し周期Tにおける区間T1で生成される駆動パルスPS1と、区間T2で生成される駆動パルスPS2と、区間T3で生成される駆動パルスPS3と、区間T4で生成される駆動パルスPS4とを有する。
小ドットの形成時には駆動パルスPS4がピエゾ素子PZTへ印加される。また、中ドットの形成時には、駆動パルスPS1がピエゾ素子PZTへ印加される。また、大ドットの形成時には、駆動パルスPS3がピエゾ素子PZTへ印加される。駆動パルスPS2は、メニスカスを微振動させるための微振動パルスであり、ドット無しの場合にピエゾ素子PZTへ印加される。
図6は、各ヘッドに印加される駆動信号COMの説明図である。駆動信号生成ユニット70は、複数の駆動信号生成部71を備えている。各駆動信号生成部71は、図5に示す駆動信号COMをそれぞれ生成する。ブラックヘッドユニット41Kには複数のヘッドが設けられており、各ヘッドにそれぞれ対応して駆動信号生成部71が設けられている。つまり、各ヘッドに対してそれぞれ個別に駆動信号COMが生成されて印加される。コントローラー60は、各駆動信号生成部71の生成する駆動信号COMの設定を調整することが可能である。
なお、ここではブラックヘッドユニット41Kについて説明したが、他のヘッドユニットも同様である。
===駆動信号補正方法===
複数のヘッドを備えた液体吐出装置では、各ヘッドの吐出する液滴の大きさが異なると、各ヘッドの印刷領域に形成された画像に濃淡差が生じてしまう。そこで、以下に説明するように、各ヘッドに同じ階調値に従って補正用パターンを形成させ、各ヘッドの形成した補正用パターンの濃度をそれぞれ測定し、平均濃度になるように各ヘッドに印加する駆動信号をそれぞれ補正する。
<比較例>
本実施形態の理解を容易にするために、先に比較例について説明する。
図7は、比較例の駆動信号の補正方法のフロー図である。
まず、コンピューター110は、印刷装置1に、補正用パターンを形成させる(S001)。図8Aは、補正用パターンの形成時の説明図である。図中の複数のヘッド45には、それぞれを区別するために、符号にアルファベットの添え字を付している。各ヘッド45は、3種類の補正用パターンPを形成する。補正用パターンPには、それぞれを区別するために、ヘッドに対応するアルファベットの添え字とともに、3種類の数字の添え字を付している。添え字の数字が「1」の補正用パターンPは、大ドットにて形成されている。添え字の数字が「2」の補正用パターンPは、中ドットにて形成されている。添え字の数字が「3」の補正用パターンPは、小ドットにて形成されている。この後、印刷装置1は、各ヘッドに補正用パターンを形成させ、仮硬化ユニット80のブラック用光源81Kから紫外光を照射させ、本硬化ユニット90の本硬化用光源91から紫外光を照射して、補正用パターンを媒体上に形成する。
次に、コンピューター110は、スキャナー120に補正用パターンを読み取らせて、各補正用パターンの濃度を測定する(S002)。各ヘッドの吐出する液滴の大きさが異なるため、同じ種類の補正用パターンであっても、対応するヘッドに応じて測定された濃度が異なることになる。図8Bは、大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度の測定結果の説明図である。
次に、コンピューター110は、測定された濃度に基づいて、各ヘッドに印加する駆動信号をそれぞれ補正する(S003)。このとき、まずコンピューター110は、測定された濃度に基づいて、平均濃度を算出する。そして、コンピューター110は、平均濃度に対する補正用パターンの濃淡に応じて、その補正用パターンを形成したヘッドに印加する駆動信号COMの振幅Vh(図5のVhl、Vhm、Vhs)を補正する。例えば、補正用パターンP_A1の濃度が平均濃度よりも淡ければ、コンピューター110は、ヘッド45Aに印加する駆動信号COMの振幅Vhl(図5参照)を大きくするように、駆動信号COMを補正する(ヘッド45Aに印加する駆動信COMを生成する駆動信号生成部71の設定を変更する)。また、補正用パターンP_B1の濃度は平均濃度よりも濃ければ、コンピューター110は、ヘッド45Bに印加する駆動信号COMの振幅Vhlを小さくするように、駆動信号COMを補正する。同様に、コンピューター110は、中ドットにて形成された補正用パターンP_2の濃度に基づいて、駆動信号COMの振幅Vhmを補正し、小ドットにて形成された補正用パターンP_3の濃度に基づいて、駆動信号COMの振幅Vhsを補正する。
比較例では、以上の処理にて駆動信号の補正が完了する。比較例の駆動信号の補正方法によれば、各ヘッドの吐出する液滴の大きさが補正され、各ヘッドの印刷領域に形成される画像の濃淡差を減らすことができる。
但し、比較例の場合、補正された駆動信号を用いて最も濃い階調値の画像(例えば塗り潰し画像)を印刷したときに、ドット間に隙間が生じて塗り潰せないことが生じるおそれがある。この点について説明する。
大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度(図8B参照)が、いずれも淡い濃度になることがある。例えば、液滴の大きさを抑えるように駆動信号生成ユニット70が初期設定されている場合や、標準より小さい液滴を吐出するヘッド45だけでヘッドユニット41が構成されてしまった場合や、着弾した液体が濡れ広がらないような媒体が用いられた場合に、大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度が、いずれも淡い濃度になる。
特に、光硬化型インク(UVインク)を吐出する印刷装置の場合、大きな液滴が吐出されると硬化させにくくなるため、大ドットの大きさを抑えるように駆動信号生成ユニット70が初期設定されていることがある。このため、UVインクを吐出する印刷装置の場合、大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度(図8B参照)は、いずれも淡い濃度になりやすい。
どの補正用パターンP_1も淡い場合、その平均濃度(図8B参照)も淡くなる。この淡い平均濃度に合わせて駆動信号COMの振幅Vhlが補正されると、補正された駆動信号を用いて形成された大ドットは比較的小さくなる。この結果、全ての画素に大ドットが形成されても、ドット間に隙間が生じてしまうことになる。つまり、比較例の場合、最も濃い階調値の画像(例えば塗り潰し画像)を印刷したときに、ドット間に隙間が生じて塗り潰せないことが生じるおそれがある。
<本実施形態>
図9は、本実施形態の駆動信号の補正方法のフロー図である。コンピューター110は、プリンタドライバ及びスキャナドライバなどのプログラムに従って、図中の各処理を実行する。比較例と比べると、本実施形態ではS104〜S106の処理がある点で異なる。
まず、コンピューター110は、印刷装置1に、補正用パターンを形成させる(S101)。この処理は、比較例のS001の処理と同じである。すなわち、図8Aに示す補正用パターンが形成される。
次に、コンピューター110は、スキャナー120に補正用パターンを読み取らせて、各補正用パターンの濃度を測定する(S102)。この処理は、比較例のS002の処理と同じである。大ドットにて形成された補正用パターンP_1の濃度の測定結果は、例えば図8Bに示す通りである。
次に、コンピューター110は、測定された濃度に基づいて、各ヘッドに印加する駆動信号をそれぞれ補正する(S103)。この処理は、比較例のS003の処理と同じである。
すなわち、S103では、まずコンピューター110は、測定された濃度に基づいて、平均濃度を算出する。そして、コンピューター110は、平均濃度に対する補正用パターンの濃淡に応じて、その補正用パターンを形成したヘッドに印加する駆動信号COMの振幅Vh(図5のVhl、Vhm、Vhs)を補正する。例えば、補正用パターンP_A1の濃度が平均濃度よりも淡ければ、コンピューター110は、ヘッド45Aに印加する駆動信号COMの振幅Vhl(図5参照)を大きくするように、駆動信号COMを補正する(ヘッド45Aに印加する駆動信COMを生成する駆動信号生成部71の設定を変更する)。また、補正用パターンP_B1の濃度は平均濃度よりも濃ければ、コンピューター110は、ヘッド45Bに印加する駆動信号COMの振幅Vhlを小さくするように、駆動信号COMを補正する。同様に、コンピューター110は、中ドットにて形成された補正用パターンP_2の濃度に基づいて、駆動信号COMの振幅Vhmを補正し、小ドットにて形成された補正用パターンP_3の濃度に基づいて、駆動信号COMの振幅Vhsを補正する。
次に、コンピューター110は、印刷装置1に、確認用パターンを形成させる(S104)。確認用パターンは、所定領域内の全ての画素に大ドットを形成したパターンである。つまり、確認用パターンは、最も濃い階調値の画像であり、本来であればインクで塗り潰されるべき画像である。確認用パターンは、大ドットの埋まり具合を確認するためのパターンである。
なお、各ヘッドがそれぞれ確認用パターンを形成しても良いが、ここでは、代表となるヘッドのみが確認用パターンを形成する。既にS101〜S103の処理によっていずれのヘッドも同じ大きさの大ドットを形成するように補正されているため、代表となるヘッド(代表ヘッド)の形成した確認用パターンに基づいて、他のヘッドの形成する大ドットの大きさを推定できるからである。
図10A及び図10Bは、確認用パターンを構成する大ドットの説明図である。図10Aは、正常な大ドットの説明図である。図10Bは、小さすぎる大ドットの説明図である。図10Bに示すように、大ドットが小さすぎる場合、確認用パターンを構成する大ドットの間に隙間が生じる。最も濃い階調値に従って確認用パターンが形成されたにも関わらず、確認用パターンを構成する大ドットの間に隙間があると、印刷装置1は、塗り潰し画像を形成することができないことになる。
そこで、コンピューター110は、確認用パターンを構成する大ドット間の隙間の有無を判断する(S105)。このとき、コンピューター110は、スキャナー120に確認用パターンを読み取らせて、確認用パターンの画像データを取得し、この画像データを解析することによって、隙間の有無を判断する。この判断方法については、後述する。
S105において大ドット間に隙間があると判断した場合には、コンピューター110は、大ドットが大きくなるように駆動信号COMを調整する(S106)。具体的には、コンピューター110は、S103で補正された駆動信号COMの振幅Vhlを大きくするように、各ヘッドに印加する駆動信号COMをそれぞれ調整する。これにより、各ヘッドの形成する大ドットの大きさが大きくなる。
なお、確認用パターンは複数のヘッドの代表ヘッドを用いて形成されているが、S106では、全てのヘッドに印加する駆動信号COMの振幅Vhlが調整される。つまり、S106では、コンピューター110は、代表ヘッドに印加する駆動信号COMだけでなく、他のヘッドに印加する駆動信号COMも調整する。
S106の後、コンピューター110は、再びS101〜S105の処理を行う。そして、S105において大ドット間に隙間が無いと判断された場合には、駆動信号の補正処理を終了する。
本実施形態によれば、大ドット間に隙間があると判断された場合には(S105で「隙間あり」)、大ドットが大きくなるように駆動信号COMが調整され(S106)、調整された駆動信号COMを用いて補正用パターンが形成され(S101)、その補正用パターンの濃度が測定され(S102)、測定結果に基づいて各駆動信号が補正されることになる(S103)。このように補正された駆動信号を用いて最も濃い階調値の画像(例えば塗り潰し画像)を印刷すれば、隙間無くインクを塗布することができる。
<S105の判断方法(1)>
図11A及び図11Bは、S105においてスキャナー120が確認用パターンを読み取るときの解像度の説明図である。図11Aは、正常な大ドットで確認用パターンが構成されている場合の説明図である。図11Bは、小さすぎる大ドットで確認用パターンが構成されている場合の説明図である。図中の升目は、画素を示している。ここでは、スキャナー120の読み取り解像度は、印刷解像度(360dpi)よりも高解像度に設定されており、1440dpiに設定されている。
図11Aに示すように、正常な大ドットで確認用パターンが構成されている場合、ドット間に隙間が無く形成されている。このため、どの画素においても、画素内の全ての領域にインクが塗布されている。この結果、確認用パターンの画像データの各画素の階調値は、ほぼ一様な値を示すことになる。この場合、画像データのヒストグラムは、図11Cに示すように、特定の階調値に集中して画素が分布する。
図11Bに示すように、小さすぎるドットで確認パターンが構成されている場合、ドット間に隙間が生じている。この隙間付近では、画素内にインクが塗布されていない領域がある。この結果、この画素の階調値は、他の画素の階調値と比べて、淡い値を示すことになる。つまり、ドット間に隙間があると、確認用パターンの画像データには、インクが完全に塗布された領域の画素と、インクの塗布されていない領域を含む画素とが混在することになる。この場合、画像データのヒストグラムは、図11Dに示すように、図11Cよりも画素が分散する。
本実施形態では、このような性質を利用して、S105において大ドット間に隙間があるか否かを検出する。
まず、コンピューター110は、スキャナー120に確認用パターンを読み取らせて、確認用パターンの画像データを取得する。次に、確認用パターンの画像データを構成する画素の階調値の標準偏差σを算出する。
コンピューター110は、標準偏差σが所定の閾値以下であれば、S105において大ドット間に隙間が無いと判断する。一方、コンピューター110は、標準偏差σが閾値よりも大きければ、S105において大ドット間に隙間があると判断する。
<S105の判断方法(2)>
ドットの間に隙間があるような場合、印刷画像にバンディング(スジ)が視認されることが多い。ヘッドと媒体とを相対移動させつつヘッドからインクを吐出して画像を印刷した場合、バンディングは相対移動方向と垂直な方向に沿って形成されることになる。例えばライン型の印刷装置の場合(固定されたヘッドからインクを吐出する印刷装置)、バンディングは搬送方向に沿って形成されることになる。そこで、以下に説明するように、S105において、バンディングの度合いを示すバンディング指数を算出し、バンディング指数の値に基づいて、ドット間の隙間の有無を判断しても良い。
まず、コンピューター110は、コンピューター110は、スキャナー120に確認用パターンを読み取らせて、明度の2次元画像データL(x,y)を取得する。次に、コンピューター110は、画像データL(x,y)に基づいて、搬送方向と垂直な方向(幅方向、ノズルの並ぶ方向)の明度の1次元データL(y)を算出する。
次に、コンピューター110は、L(y)をフーリエ変換し、空間周波数特性F(v)を算出する。次に、コンピューター110は、空間周波数特性F(v)に視覚特性VTF(v)を掛けて、ウィーナースペクトルWS(v)を算出する。コンピューター110は、ウィーナースペクトルWS(v)を積分することによって、バンディング指数Bを算出する。
コンピューター110は、バンディング指数Bが所定の閾値以下であれば、S105において大ドット間に隙間が無いと判断する。一方、コンピューター110は、バンディング指数Bが閾値よりも大きければ、S105において大ドット間に隙間があると判断する。
なお、ここでは明度の1次元データからバンディング指数Bを算出したが、ドットの間に隙間があるような場合には画像の粒状性が悪いと考えられるため、明度の2次元画像データL(x,y)から粒状度を算出しても良い。この場合、コンピューター110は、明度の2次元画像データL(x,y)から例えばRMS粒状度を算出し、RMS粒状度の値に応じてドット間に隙間の有無を判断する。
===別の駆動信号補正方法===
図12は、別の駆動信号補正方法のフロー図である。前述の図9の補正方法と比べると、補正用パターンに基づく駆動信号の補正を行う前に、確認用パターンを形成する点で異なる。
まず、コンピューター110は、印刷装置1に、確認用パターンを形成させる(S201)。この確認用パターンは、図9の補正方法のS104で形成した確認用パターンと同じであり、所定領域内の全ての画素に大ドットを形成したパターンである。つまり、確認用パターンは、最も濃い階調値の画像であり、本来であればインクで塗り潰されるべき画像である。但し、S201では、各ヘッドがそれぞれ確認用パターンを形成する。(これに対し、図9のS104では、代表ヘッドのみが確認用パターンを形成している。)
次に、コンピューター110は、各ヘッドの形成した確認用パターンのドット間の隙間の有無をそれぞれ検出する(S201)。コンピューター110は、スキャナー120に確認用パターンを読み取らせて、確認用パターンの画像データを取得し、この画像データを解析することによって、確認用パターンのドット間の隙間の有無を検出する。ドット間の隙間の有無は、前述のS105の処理において説明したように、確認用パターンの画像データを構成する画素の階調値の標準偏差σに基づいて検出しても良いし、バンディング指数Bに基づいて検出しても良いし、RMS粒状度に基づいて検出しても良い。
次に、コンピューター110は、確認用パターンのドット間に隙間があれば、その確認用パターンを形成したヘッドに印加する駆動信号COMを調整する(S203)。具体的には、コンピューター110は、駆動信号COMの振幅Vhlを大きくするように、駆動信号COMを調整する。これにより、そのヘッドの形成する大ドットが大きくなる。
次に、コンピューター110は、印刷装置1に、補正用パターンを形成させる(S204)。この処理は、比較例のS001の処理と同じである。すなわち、図8Aに示す補正用パターンが形成される。但し、S203で補正された駆動信号を用いて各ヘッドからインクが吐出されるため、補正用パターンP_1を構成する大ドットは、十分な大きさになっており、補正用パターンP_1は十分な濃度で形成される。
次に、コンピューター110は、スキャナー120に補正用パターンを読み取らせて、各補正用パターンの濃度を測定する(S205)。この処理は、比較例のS002や前述のS102の処理と同じである。
次に、コンピューター110は、測定された濃度に基づいて、各ヘッドに印加する駆動信号をそれぞれ補正する(S206)。この処理は、比較例のS003や前述のS103の処理と同じである。
すなわち、S206では、まずコンピューター110は、測定された濃度に基づいて、平均濃度を算出する。そして、コンピューター110は、平均濃度に対する補正用パターンの濃淡に応じて、その補正用パターンを形成したヘッドに印加する駆動信号COMの振幅Vh(図5のVhl、Vhm、Vhs)を補正する。
本実施形態によれば、複数のヘッドがそれぞれ確認用パターンを形成し(S201)、各確認用パターンの大ドット間の隙間の有無をそれぞれ検出し(S202)、隙間がある場合には、大ドットが大きくなるように、隙間のある確認用パターンを形成したヘッドに印加する駆動信号が調整されることになる(S203)。この結果、S204では、どの補正用パターンP_1も十分な濃度で形成されているため、その平均濃度も十分な濃度になっている。したがって、この平均濃度に合わせて駆動信号COMの振幅Vhlが補正されれば(S206)、補正された駆動信号を用いて最も濃い階調値の画像(例えば塗り潰し画像)を印刷したときに、隙間無くインクを塗布することができる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<印刷装置について>
前述の実施形態では、印刷装置はUVインクを用いて画像を形成していた。但し、UVインクでなくても良い。但し、UVインクを吐出する印刷装置の場合、大ドットの大きさを抑えるように駆動信号生成ユニットが初期設定されていることがあるので、前述の実施形態は、UVインクを吐出する印刷装置の駆動信号を補正する際に特に有効である。
前述の実施形態の印刷装置は、いわゆるライン型印刷装置(媒体を搬送させながら、固定されたヘッドからインクを吐出して画像を形成する印刷装置)であった。但し、ライン型印刷装置ではなく、いわゆるシリアル型印刷装置(媒体を搬送する動作と、移動するヘッドからインクを吐出してドットを形成する動作とを交互に繰り返す印刷装置)であっても良い。なお、シリアル型の印刷装置の場合、バンディングはヘッドの移動方向に沿って形成されることになる。
<確認用パターンについて>
前述の実施形態では、確認用パターンは、補正用パターンとは別に形成されていた。但し、全ての画素に大ドットを形成することによって図8Aの補正用パターンP_1が形成されていれば、補正用パターンP_1を確認用パターンとすることも可能である。
1 印刷装置、
10 搬送ユニット、11 ドラム、
12 第1ローラー、13 第2ローラー、14 第3ローラー、
40 ヘッドユニット、
41W 第1ホワイトヘッドユニット、
41C シアンヘッドユニット、
41M マゼンタヘッドユニット、
41Y イエローヘッドユニット、
41K ブラックヘッドユニット、
42W 第2ホワイトヘッドユニット、
45 ヘッド、
50 検出器群、60 コントローラー、
61 CPU、62 メモリ、63 インターフェース部、
70 駆動信号生成ユニット、71 駆動信号生成部、
80 仮硬化ユニット、
81W 第1ホワイト用光源、
81C シアン用光源、
81M マゼンタ用光源、
81Y イエロー用光源、
81K ブラック用光源、
82W 第2ホワイト用光源、
90 本硬化ユニット、91 本硬化用光源、
S 媒体(透明媒体)

Claims (7)

  1. 複数のヘッドにそれぞれ第1駆動信号を印加して、複数の前記ヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンをそれぞれ形成する工程と、
    それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、
    前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記第1駆動信号を補正する第1駆動信号補正工程と
    を備え、
    前記第1駆動信号補正工程において前記第1駆動信号を補正して得られた第2駆動信号を複数の前記ヘッドのうちの1つのヘッドである第1ヘッドに印加して前第1ヘッドから前記液滴を吐出して、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって確認用パターンを形成し、
    前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、
    前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように前記第2駆動信号を調整した第3駆動信号を用いて、前記補正用パターンを再度形成する
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  2. 請求項1に記載の駆動信号補正方法であって、
    前記ヘッドは、光を照射すると硬化する液滴を吐出する
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  3. 請求項1又は2に記載の駆動信号補正方法であって、
    前記確認用パターンを読み取り、
    読み取られた前記確認用パターンの画像を構成する画素の階調値の標準偏差に基づいて、前記隙間の有無を検出する
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  4. 請求項1又は2に記載の駆動信号補正方法であって、
    前記確認用パターンは、前記ヘッドと前記媒体とを所定方向に相対移動させつつ前記ヘッドから前記液滴を吐出することによって形成されており、
    前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像における前記所定方向と垂直な方向に沿ったバンディングの度合いに基づいて、前記隙間の有無を検出する
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  5. 請求項1又は2に記載の駆動信号補正方法であって、
    前記確認用パターンを読み取り、
    読み取られた前記確認用パターンの画像の粒状度に基づいて、前記隙間の有無を検出する
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  6. 複数のヘッドのそれぞれに第1駆動信号を印加して液滴を吐出し、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって、前記複数のヘッドごとに確認用パターンを形成する確認用パターン形成工程と、
    前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を前記複数のヘッドごとに形成された前記確認用パターンに対してそれぞれ検出する隙間有無検出工程と、
    前記隙間有無検出工程の結果に応じて、前記複数のヘッド毎に各ヘッドに印加する補正用パターン形成用駆動信号を取得する補正用パターン形成用駆動信号取得工程と、
    前記複数のヘッドごとに対応する前記補正用パターン形成用駆動信号を印加して、前記複数のヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンを前記複数のヘッドごとに形成する工程と、
    それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、
    前記濃度の測定結果に基づいて前記補正用パターン形成用駆動信号を補正して、前記複数のヘッドごとに対応する駆動信号を取得する工程と、
    を備え、
    補正用パターン形成用駆動信号取得工程では、
    前記隙間有無検出工程において前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように前記第1駆動信号を調整して補正用パターン形成用駆動信号を取得し、
    前記隙間有無検出工程において前記隙間がない場合には、前記第1駆動信号を補正用パターン形成用駆動信号として取得し、
    前記隙間有無検出工程では、
    前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像を構成する画素の階調値の標準偏差に基づいて、前記隙間の有無を検出する、または
    前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像の粒状度に基づいて、前記隙間の有無を検出する、または
    前記確認用パターンは、前記ヘッドと前記媒体とを所定方向に相対移動させつつ前記ヘッドから前記液滴を吐出することによって形成されており、前記確認用パターンを読み取り、読み取られた前記確認用パターンの画像における前記所定方向と垂直な方向に沿ったバンディングの度合いに基づいて、前記隙間の有無を検出する、
    ことを特徴とする駆動信号補正方法。
  7. 複数のヘッドにそれぞれ第1駆動信号を印加して、複数の前記ヘッドから液滴をそれぞれ吐出させることによって、同じ階調値に基づく補正用パターンをそれぞれ形成する工程と、
    それぞれの前記補正用パターンの濃度を測定する工程と、
    前記濃度の測定結果に基づいて、それぞれの前記ヘッドに印加する前記第1駆動信号を補正する第1駆動信号補正工程と
    を備え、
    前記第1駆動信号補正工程において前記第1駆動信号を補正して得られた第2駆動信号を複数の前記ヘッドのうちの1つのヘッドである第1ヘッドに印加して前第1ヘッドから前記液滴を吐出して、媒体上の所定領域内の画素にそれぞれドットを形成することによって確認用パターンを形成し、
    前記確認用パターンを構成する前記ドットの間の隙間の有無を検出し、
    前記隙間がある場合には、前記ドットが大きくなるように前記第2駆動信号を調整した第3駆動信号を用いて、前記補正用パターンを再度形成する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
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