JP5303483B2 - オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法 - Google Patents

オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5303483B2
JP5303483B2 JP2010015737A JP2010015737A JP5303483B2 JP 5303483 B2 JP5303483 B2 JP 5303483B2 JP 2010015737 A JP2010015737 A JP 2010015737A JP 2010015737 A JP2010015737 A JP 2010015737A JP 5303483 B2 JP5303483 B2 JP 5303483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
metal
catalyst component
ozone
ozonolysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010015737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011152512A (ja
Inventor
和広 福本
賢一郎 鈴木
英夫 曽布川
博文 新庄
雄二 榊原
啓介 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010015737A priority Critical patent/JP5303483B2/ja
Publication of JP2011152512A publication Critical patent/JP2011152512A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5303483B2 publication Critical patent/JP5303483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法に関する。
近年、光化学オキシダント濃度の1時間値の最大値が年々高くなる傾向にあり、特に東京や名古屋などの都市部においては、光化学オキシダント濃度が環境基準値(1時間値が0.06ppm以下)を満たしていない。
前記光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物と炭化水素類とが太陽の紫外線照射の下で反応して生成するオゾンを主成分とする酸化力の強い汚染物質である。オゾンは物質の酸化劣化を引き起こすだけでなく、人体に対しても悪影響を及ぼすものであり、熱分解法や活性炭法、触媒法など、従来から様々なオゾン分解除去方法が提案されている。
前記触媒法に用いられるオゾン分解用触媒としては、MnO、Co、NiO、Fe、AgO、Cr、CeO、V、CuO、MoOなどが知られており、これらのうち、MnOが最も高い活性を示すことが知られている〔Applied Catalysis B,Environmental、1997年、第11巻、129−166頁(非特許文献1)〕。また、オゾンから酸素を生成させる反応における触媒としてクリプトメレン(cryptomelane)形態のα−MnOが好ましいことが知られている〔特表2003−527951号公報(特許文献1)〕。
しかしながら、オゾン分解用触媒としてオゾン分解除去性能が最も優れているMnOを使用した場合であっても、実用上、必ずしも十分な性能を発現できてはいなかった。例えば、自動車のラジエーターなどの熱交換器にオゾン分解除去性能を付与するために熱交換器表面にMnOを担持させた場合、十分なオゾン分解除去性能を発現させるためには、MnOの担持量を多くする必要があり、熱交換器の熱交換性能が低下するという問題があった。
このため、特表2000−515063号公報(特許文献2)には、熱交換性能(放熱性能)の低下を防止するために、自動車のラジエーターなどの熱交換器の熱交換外面の一部を、卑金属(具体的には酸化物の形態)、貴金属、それらの化合物、またはそれらの組み合わせからなる触媒組成物で被覆した熱交換装置が提案されている。そして、前記触媒組成物には、単位体積当たりの触媒量を増加させるために、高い表面積の耐火性酸化物支持体を含有させている。
このように、MnOなどの金属酸化物を含むオゾン分解用触媒を熱交換器の表面にコーティングする場合には、熱交換性能を維持するためにコーティング面積が制約され、オゾン分解除去性能を向上させるには限界があった。
一方、特開2009−208018号公報(特許文献3)には、支持体の表面に、Co、Cu、Niなどの金属触媒成分が無電解メッキによりコーティングされたオゾン分解除去用触媒が開示されている。この触媒は、従来の金属酸化物を含むオゾン分解用触媒に比べて効率よくオゾンを分解除去することができるものの、オゾン濃度が低く且つ水蒸気が存在する環境下においては、オゾン分解除去性能は十分なものではなく、未だ改良の余地があった。
特表2003−527951号公報 特表2000−515063号公報 特開2009−208018号公報
Dhandapatiら、Applied Catalysis B,Environmental、1997年、第11巻、129−166頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下においても効率よくオゾンを分解除去することができ、さらに、熱交換性能(例えば放熱性能)などを維持するために触媒成分の担持量を少なくしても優れた触媒活性を示すオゾン分解除去用触媒、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、支持体の表面に無電解メッキによりCo、Cuなどの第一の触媒成分をコーティングし、さらに、この第一の触媒成分の表面に無電解メッキにより前記第一の触媒成分より電極電位が貴なAgなどの第二の触媒成分を担持させることによって、得られた触媒が低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下においても優れたオゾン分解除去性能を示し、しかも、MnOなどの従来の金属酸化物触媒に比べて触媒量を少なくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のオゾン分解除去用触媒は、
支持体と、
Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記支持体の表面に無電解メッキによりコーティングされた第一の触媒成分と、
前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上貴である金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第一の触媒成分の表面に無電解メッキにより担持された第二の触媒成分と、
を備えることを特徴とするものである。このようなオゾン分解除去用触媒においては、前記第二の触媒成分が前記第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持されていることが好ましい。
また、本発明のオゾン分解除去用触媒の製造方法は、
支持体の表面に、Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種の第一の触媒成分を無電解メッキによりコーティングする第一の工程と、
前記第一の触媒成分の表面に、前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上貴である金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種の第二の触媒成分を無電解メッキにより担持させる第二の工程と、
を含むことを特徴とする方法である。このようなオゾン分解除去用触媒の製造方法においては、前記第二の触媒成分を前記第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持させることが好ましい。
さらに、本発明のオゾン分解除去用触媒およびその製造方法において、前記第二の触媒成分としては、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明のオゾン分解除去方法は、オゾンを含む気体を本発明のオゾン分解除去用触媒に接触せしめて前記オゾンを分解除去することを特徴とする方法である。
なお、本発明のオゾン分解除去用触媒によって低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下においても効率よくオゾンを分解除去することできる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のオゾン分解除去用触媒は、第一の触媒成分と第二の触媒成分がともに無電解メッキによりコーティングおよび担持されているため、バルクの金属触媒に比べて触媒活性(オゾン分解除去性能)が極めて高くなったと推察される。更に、本発明のオゾン分解除去用触媒は、図1に示すような触媒構造を形成していると考えられ、これによって高いオゾン分解除去性能が発現されると推察される。
以下、図1を参照しながら本発明にかかるオゾン分解メカニズムについて詳細に説明するが、本発明にかかるオゾン分解メカニズムは図1に限定されるものではない。本発明のオゾン分解除去用触媒の表面には、通常、空気中の水分が付着して水膜1が形成される。
このとき、第二の触媒成分3(Ag)の近傍では、この水膜1を介して局部電池が形成される。すなわち、第一の触媒成分2(Co)が溶解して金属イオン(Co2+)と電子(e)が生成する。第二の触媒成分3は第一の触媒成分2に比べて標準電極電位が高いため、生成した電子は第二の触媒成分3中に移動する。第二の触媒成分3中に移動した電子は第二の触媒成分3の表面でオゾンの還元反応(分解反応)に利用される。このオゾンの分解反応においてはオゾンと水が反応して酸素と水酸化物イオンが生成する。この水酸化物イオンは、前記金属イオン(Co2+)と反応して金属水酸化物(Co(OH))を形成する。このような分解メカニズムにおいては、第一の触媒成分2が溶解して生成した電子がオゾンの還元反応を格段に促進するため、極めて高いオゾン分解除去性能を示すと推察される。
一方、単一の触媒成分を備えるオゾン分解除去用触媒においては、このような局部電池が形成されないため、オゾンの還元反応が促進されず、高いオゾン分解除去性能が得られなかったと推察される。
本発明によれば、オゾンを分解除去する際に人体や環境により安全であり、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下においても効率よくオゾンを分解除去することが可能なオゾン分解除去用触媒を提供することができる。また、触媒成分の担持量を従来の金属酸化物触媒に比べて少なくすることができ、さらに、触媒成分を、支持体との密着性よく容易に担持させることが可能である。
本発明のオゾン分解除去方法において推定されるオゾン分解メカニズムの一例を示す模式図である。 本発明にかかる金属の析出曲線および水素の発生電位曲線を示すグラフである。 実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースの断面を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースの表面を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例4で得られた触媒層付きラジエータテストピースの断面を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例および比較例で使用したオゾン分解除去性能評価装置を示す模式図である。 実施例および比較例で得られた触媒層付きラジエータテストピースのオゾン分解除去性能の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<オゾン分解除去用触媒>
先ず、本発明のオゾン分解除去用触媒について説明する。本発明のオゾン分解除去用触媒は、支持体と、Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記支持体の表面に無電解メッキによりコーティングされた第一の触媒成分と、前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上貴である金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第一の触媒成分の表面に無電解メッキにより担持された第二の触媒成分を備えるものである。
(第一の触媒成分)
本発明にかかる第一の触媒成分を構成する金属(以下、「第一の金属」という。)は、Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属であり、例えば、図2に示すような電位−pH線図に基づいて、金属イオンと還元剤を含む溶液から析出したメタル状のものである。これらの第一の金属においては、第一の触媒成分をコーティングする際の無電解メッキ処理において、還元剤により金属イオンを還元する際に水素の発生反応が少なくとも第一の触媒成分の析出より優位に起こることがなく、還元剤の酸化還元電位と第一の金属の還元電位との差により効率的に第一の触媒成分を析出させることができる。したがって、このような観点から、第一の金属としては、Pt、Ag、Au、Cu、Co、Niが好ましい。なお、ZnやCr(図示なし)は、析出曲線が水素の発生電位より低いため、無電解メッキ処理においてこれら金属イオンを還元剤により還元する際に金属の析出より水素の発生反応が優位に起こり、これらの金属を析出させることは困難であると考えられる。
本発明において、第一の金属は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の前記第一の金属を組み合わせる場合、前記第一の金属2種以上の合金を形成してもよいし、金属間の電位差を利用して前記第一の金属からなる膜を積層した多層膜を形成してもよい。また、前記第一の金属は他の金属と組み合わせて使用することもできる。この場合、前記第一の金属と他の金属との合金を形成してもよいし、金属間の電位差を利用して前記第一の金属からなる膜と他の金属からなる膜を積層した多層膜を形成してもよい。他の金属としてはPb、Cd、W、Moなどが挙げられる。さらに、触媒活性をより高めるために、これらの金属に熱処理を施してもよい。
本発明のオゾン分解除去用触媒は、このような第一の触媒成分が支持体の表面に無電解メッキによりコーティングされたものである。
(第二の触媒成分)
本発明にかかる第二の触媒成分は、前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上(好ましくは0.4V以上)貴である金属(以下、「第二の金属」という。)、この第二の金属の合金ならびにこの第二の金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種の触媒成分である。前記標準電極電位の差([第二の金属]−[第一の触媒成分])が前記範囲にあると、第二の触媒成分を無電解メッキにより担持させる際に、還元剤を使用しなくても前記電位差によって第一の触媒成分の表面部分が第二の触媒成分に置換され、第一の触媒成分の表面に第二の触媒成分を担持させることが可能となる。また、第二の金属以外の前記他の金属としては、前記第一の触媒成分との標準電極電位の差([他の金属]−[第一の触媒成分])が0.3V以上(好ましくは0.4V以上)貴である金属が好ましい。これにより、第二の金属と他の金属との合金を第二の触媒成分として容易に担持させることが可能となる。
このような第二の金属としては、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsなどが挙げられ、中でも、Pt、Ag、Au、Cuが好ましい。本発明のオゾン分解除去用触媒においては、これらの第二の金属からなる群から前記標準電極電位差を満たすように少なくとも1種の金属を第二の触媒成分として選択することが好ましい。これにより、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下において更に効率よくオゾンを分解除去することが可能となる。また、前記例示した第二の金属は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて合金として使用してもよい。さらに、他の金属(例えば、Co、Ni、Fe、Sn、Pd、Cd、W、Moなどが挙げられ、中でも、Co、Ni、Fe、Snが好ましい)と組み合わせて合金として使用してもよい。
本発明のオゾン分解除去用触媒において、第二の触媒成分は、第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持されていることが好ましい。このような状態のオゾン分解除去用触媒を用いることによって、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下において更に効率よくオゾンを分解除去することが可能となる。第二の触媒成分の分散状態としては、第二の触媒成分が均一の密な膜状でなければ特に制限はないが、第二の触媒成分が多孔質膜を形成した状態、海島構造を形成した状態(第二の触媒成分が島状)、第二の触媒成分の微粒子が高度に分散した状態が好ましく、触媒活性が格段に高くなるという観点から第二の触媒成分の微粒子が均一且つ高度に分散した状態が特に好ましい。
(支持体)
本発明に用いられる支持体は有機材料および/または無機材料からなる担体であり、その形状は特に制限されないが、フォーム状、モノリス状、ハニカム状またはコルゲート状などの通気性を有する形状であることが好ましい。前記有機材料および無機材料からなる担体は特に限定されず、従来公知のオゾン分解触媒に用いられる担体が挙げられ、より具体的には、ウレタンフォーム、セラミックフォーム、セラミックハニカム担体などが挙げられる。また、本発明においては、支持体として自動車のラジエーター、エバポレータ、ヒータコアなどのアルミニウム製熱交換器を用いることも可能である。
また、本発明においては、支持体として、前記担体や熱交換器の表面に貴金属コロイド粒子を付着させて活性化したもの、前記担体や熱交換器の表面を亜鉛で置換したもの、アルミニウム製熱交換器の表面を熱水または熱水蒸気中でベーマイト処理したものや電解浴中でアルマイト処理したものなど、支持体に各種表面処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、表面に貴金属コロイド粒子を付着させた支持体を用いることによって、付着した貴金属コロイド粒子を核にして第一の触媒成分の無電解メッキが速やかに開始され、均一且つ密着性に優れた第一の触媒成分からなる層を形成することが可能となる。このような貴金属コロイド粒子としては、Pt、Ru、Rh、Pd、Ag、Au、Osなどの貴金属のコロイド粒子が挙げられる。また、表面を亜鉛で置換した支持体を用いることによって、支持体表面と第一の触媒成分との電位差が大きくなり、より効率的に第一の触媒成分を析出させることが可能となる。さらに、アルミニウム製熱交換器にベーマイト処理やアルマイト処理を施すことによって、熱交換器の表面積を増大させることができ、第一の触媒成分の密着性の向上とコーティング量の増加を図ることが可能となる。
<オゾン分解除去用触媒の製造方法>
次に、本発明のオゾン分解除去用触媒の製造方法について説明する。
(支持体の表面処理)
本発明のオゾン分解除去用触媒の製造方法においては、先ず、必要に応じて、支持体の表面に貴金属コロイド粒子を付着させて活性化したり、支持体の表面を亜鉛で置換したり、アルミニウム製熱交換器の表面にベーマイト処理やアルマイト処理を施したりするなど、各種表面処理を支持体に施すことが好ましい。
貴金属コロイド粒子を付着させて支持体の表面を活性化させる方法としては、例えば、界面活性剤で被覆されて安定化した貴金属コロイド粒子を含むコロイド溶液に支持体を浸漬し、必要に応じて洗浄および乾燥してこの貴金属コロイド粒子を吸着させる方法や、前記貴金属コロイド粒子を含むコロイド溶液を支持体に噴霧し、必要に応じて洗浄および乾燥してこの貴金属コロイド粒子を吸着させる方法などが挙げられる。
このようにして支持体の表面に付着した貴金属コロイド粒子は、後述する第一の触媒成分の無電解メッキ処理において第一の触媒成分を析出させる触媒(トリガー)として作用する。このような観点から、上述した貴金属コロイド粒子のうち、Pt、Ru、Rh、Pd、Auのコロイド粒子が好ましい。また、このような貴金属コロイド粒子の平均粒子径は50nm以下であることが好ましい。このような平均粒子径の貴金属コロイド粒子は比表面積が大きく、トリガーとして十分に作用する傾向にある。
前記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの公知のアニオン系界面活性剤、アルキルアンモニウム塩などの公知のカチオン系界面活性剤、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの公知のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
前記コロイド溶液の調製方法は特に限定されないが、例えば、前記貴金属の塩を溶媒に溶解して貴金属溶液を調製し、これに前記界面活性剤と還元剤を添加して、界面活性剤で被覆された貴金属コロイド粒子を析出させることによりコロイド溶液を調製することができる。前記溶媒としては、前記貴金属の塩を溶解するものであれば特に限定されないが、貴金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、安価であるという観点から水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶媒も使用可能であり、水と有機溶媒を任意の割合で混合した混合溶媒も使用することができる。
また、前記貴金属の塩の種類は特に限定されないが、前記溶媒への溶解性が高く、安価であるという観点から硫酸塩、硝酸塩、塩化物などが好ましい。還元剤も特に限定されないが、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類といった従来公知の還元剤を使用することができる。
前記貴金属溶液中の貴金属塩の濃度は0.01〜2g/Lであることが好ましく、界面活性剤の濃度は0.05〜1g/Lであることが好ましく、還元剤の濃度は0.01〜1g/Lであることが好ましい。
また、本発明においては、支持体を、例えば、塩化スズ水溶液に浸漬し、水洗した後、塩化パラジウム水溶液に浸漬することにより、前記支持体にPdコロイド粒子を付着させることも可能である。
貴金属コロイド粒子の付着量は、コロイド溶液中の貴金属塩の濃度などを調整することにより適宜調整することができるが、過剰量の貴金属コロイド粒子が付着すると無電解メッキ処理において過剰なメッキ反応が起こり、先に支持体の外面が無電解メッキされるため、支持体の凹凸部の内部まで無電解メッキされず、支持体と第一の触媒成分との密着性が低下する傾向にある。なお、貴金属コロイドの付着量は、重量変化を測定できない程度の極微量である。
また、支持体の表面を亜鉛で置換する方法としては、例えば、アルミニウム製の支持体をジンケートイオン(ZnO 2−)を含むジンケート浴中に浸漬し、置換反応により亜鉛膜を形成させる方法などが挙げられる。
このようにして支持体の表面に置換された亜鉛は、図2に示すように、本発明にかかる第一の金属に比べて電位が低いため、亜鉛置換によって支持体表面と第一の触媒成分との電位差を大きくすることができ、より効率的に第一の触媒成分を析出させることが可能となる。
また、更に、支持体としてアルミニウム製熱交換器を使用する場合には、公知のベーマイト処理やアルマイト処理を施すことによって、アルミニウム製熱交換器の表面積を増大させることができ、第一の触媒成分の密着性の向上とコーティング量の増加を図ることが可能となる。
(第一の工程)
この工程は、前記支持体(好ましくは表面処理されたもの)の表面に、前記第一の触媒成分を無電解メッキによりコーティングする工程である。コーティング方法としては、Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属の塩(以下、「第一の金属塩」という。)と還元剤と、必要に応じて前記他の金属の塩とを含有する第一のメッキ溶液に前記支持体を浸漬し、必要に応じて洗浄および乾燥する方法が挙げられる。これにより、支持体表面に前記第一の触媒成分が、通常、膜状(混合膜や多層膜を含む)に形成される。
前記第一のメッキ溶液に用いられる溶媒としては、前記第一の金属塩を溶解するものであれば特に限定されないが、第一の金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、安価であるという観点から水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶媒も使用可能であり、水と有機溶媒を任意の割合で混合した混合溶媒を使用することもできる。
前記第一の金属塩の種類は特に限定されないが、前記溶媒への溶解性が高く、安価であるという観点から硫酸塩、硝酸塩、塩化物などが好ましいが、市販の金属塩または貴金属塩の水溶液またはコロイド溶液を使用することもできる。また、還元剤も特に限定されないが、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類といった従来公知の還元剤を使用することができる。
本発明に用いられる第一のメッキ溶液中の第一の金属塩の濃度は5〜150g/Lであることが好ましく、還元剤の濃度は1〜100g/Lであることが好ましい。また、この第一のメッキ溶液には、必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改良剤などの各種添加剤をさらに配合することも可能である。これらの添加剤の配合量は特に制限されないが、一般的に50g/L以下であることが好ましい。
第一の工程における無電解メッキ処理の条件としては、浸漬温度が20〜90℃であることが好ましい。浸漬温度が上記下限未満になるとメッキ反応の制御が困難となり、膜厚の制御が困難となる傾向にあり、他方、上記上限を超えるとメッキ反応が速くなり過ぎる傾向にある。ただし、メッキ反応が速くなり過ぎた場合には浸漬温度を低下させてメッキ反応を停止させることにより対応することが可能である。また、浸漬時間は5分間〜6時間が好ましく、10分間〜3時間がより好ましく、15分間〜60分間が特に好ましいが、コーティングする第一の触媒成分の種類に応じて適宜調整することができる。この浸漬時間を調整することにより第一の触媒成分のコーティング量を調整することが可能となる。
このようにしてコーティングされた第一の触媒成分の量は支持体1L当たり0.1〜50gであることが好ましい。第一の触媒成分のコーティング量が上記下限未満になると第一の触媒成分の効果が十分に発揮されない、すなわち、オゾン分解除去性能が低くなる傾向にあり、また、第二の触媒成分が脱離しやすくなる傾向にある。他方、前記上限を超えると第一の触媒成分が粒成長してオゾン分解除去性能が低下する傾向にある。
また、第一の工程においては、前記方法により第一の触媒成分がコーティングされた支持体に洗浄処理を施して第一の触媒成分の表面に残留した第一の金属塩や還元剤などの不純物を除去することが好ましい。この洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、第一の触媒成分を備える前記支持体を、前記不純物を溶解可能な溶媒中に分散させた後、20℃から溶媒の常圧沸点の間の温度で0.5〜3時間程度撹拌することが好ましい。このような洗浄用の溶媒としては、前記第一の金属塩や還元剤などを溶解するものであれば特に制限されないが、第一の金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、安価であるという観点から水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶媒も使用可能であり、水と有機溶媒を任意の割合で混合した混合溶媒を使用することもできる。さらに、溶媒の温度が高いほど第一の金属塩や還元剤などの化学物質の溶媒に対する溶解度が大きくなるため、洗浄する際の溶媒の温度は上記範囲内で高い方が好ましい。用いる攪拌機は特に制限されないが、マグネットスターラー、プロペラ攪拌機、超音波洗浄機などが挙げられる。
本発明にかかる第一の触媒成分は、無電解メッキにより層を形成しているため、支持体にナノオーダーのアンカー効果またはファスナー効果によりコーティングされており、支持体に対する密着性に優れている。また、本発明においては、無機系または有機系バインダーを用いずに支持体表面に第一の触媒成分をコーティングしているため、耐水性に優れたオゾン分解除去用触媒を得ることができる。さらに、前記第一の触媒成分からなる層は、熱伝導率の高い金属により形成され且つ無電解メッキにより形成されたものであるため、その厚みが数μmと非常に薄いことから、熱交換性能(例えば、放熱性能)に優れたオゾン分解除去用触媒を得ることができる。
(第二の工程)
この工程は、前記第一の触媒成分の表面に、前記第二の触媒成分を無電解メッキにより担持させる工程である。担持方法としては、上述した第二の金属の塩(以下、「第二の金属塩」という。)と、必要に応じて前記他の金属の塩とを含有する第二のメッキ溶液に、第一の触媒成分を備える前記支持体を浸漬し、必要に応じて洗浄および乾燥する方法が挙げられる。これにより、前記第一の触媒成分の表面に前記第二の触媒成分が担持され、本発明のオゾン分解除去用触媒を得ることができる。
このようなオゾン分解除去用触媒においては、第一の触媒成分と第二の触媒成分とを備える層がオゾン分解除去性能を示す触媒層として作用する。また、本発明にかかる触媒層はオゾン分解に対する触媒作用に優れているため、高いオゾン除去性能を示すとともに、その性能も長期間にわたって安定して持続することができる。
前記第二のメッキ溶液に用いられる溶媒としては、前記第二の金属塩を溶解するものであれば特に限定されないが、第二の金属塩の溶解度が大きく、安全性が高く、安価であるという観点から水が好ましい。また、水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶媒も使用可能であり、水と有機溶媒を任意の割合で混合した混合溶媒を使用することもできる。さらに、これらの第二のメッキ溶液に酸を添加することによって置換メッキを促進したり、第一の触媒成分の表面をエッチングして表面積を増大させることができる。
前記第二の金属塩の種類は特に限定されないが、前記溶媒への溶解性が高く、安価であるという観点から硫酸塩、硝酸塩、塩化物などが好ましいが、市販の金属塩または貴金属塩の水溶液またはコロイド溶液を使用することもできる。このような第二の金属塩の濃度としては0.1〜10g/Lが好ましい。第二の金属塩の濃度が前記下限未満になると十分な量の第二の触媒成分を担持することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると過度の量の第二の触媒成分が析出し、第一の触媒成分の表面全体が密に被覆される傾向にある。
また、この第二のメッキ溶液には、必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改良剤などの各種添加剤をさらに配合することも可能である。これらの添加剤の配合量は特に制限されないが、一般的に50g/L以下であることが好ましい。なお、この第二の工程においては、第一の触媒成分と第二の触媒成分の電位差を利用して無電解メッキ(置換メッキ)を行うため、第二のメッキ溶液には還元剤を添加しなくてもよい。
第二の工程における無電解メッキ処理の条件は特に制限されないが、浸漬温度の下限としては室温以上が好ましい。浸漬温度が上記下限未満になるとメッキ反応の制御が困難となり、第二の触媒成分の担持量の制御が困難となる傾向にある。また、浸漬温度の上限としては溶媒の常圧沸点未満(水の場合は100℃未満)が好ましく、溶媒の常圧沸点より5℃低い温度以下(水の場合は95℃以下)がより好ましい。溶媒の常圧沸点近傍ではメッキ反応が速くなり過ぎる傾向にある。また、浸漬時間としては5分間〜6時間が好ましく、10分間〜3時間がより好ましく、15分間〜60分間が特に好ましいが、コーティングする第二の触媒成分の種類に応じて適宜調整することができる。この浸漬時間を調整することにより第二の触媒成分の担持量を調整することができる。また、浸漬時間が前記下限未満になると十分な量の第二の触媒成分が担持されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると第二の触媒成分の担持量が多くなりすぎ、第二の触媒成分を第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持させることが困難となる傾向にある。
このようにして担持された第二の触媒成分の量は支持体1L当たり0.05〜5gであることが好ましい。第二の触媒成分の担持量が上記下限未満になると第二の触媒成分の効果が十分に発揮されない、すなわち、オゾン分解除去性能が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると第一の触媒成分の表面が全て第二の触媒成分で被覆されるため、局部電池が形成されにくく、オゾン分解除去性能が低下する傾向にある。
また、本発明においては、前記方法により製造されたオゾン分解除去用触媒に洗浄処理を施して第一の触媒成分および第二の触媒成分の表面に残留した第二の金属塩などの不純物を除去することが好ましい。この洗浄処理の方法は特に限定されず、前記第一の工程の場合と同様の洗浄処理方法、洗浄用溶媒などを採用することができる。
本発明にかかる第二の触媒成分は、無電解メッキ(置換メッキ)により第一の触媒成分の表面に担持されているため、第一の触媒成分に対する密着性に優れている。また、本発明においては、無機系または有機系バインダーを用いずに第一の触媒成分の表面に第二の触媒成分が担持されているため、耐水性に優れたオゾン分解除去用触媒を得ることができる。さらに、通常、前記第二の触媒成分は、熱伝導率の高い金属により形成され且つ無電解メッキにより第一の触媒成分の表面に分散した状態で担持されたものであるため、第一の触媒成分と第二の触媒成分を備える触媒層は、その厚さが非常に薄く、本発明のオゾン分解除去用触媒は熱交換性能(例えば、放熱性能)に優れている。
<オゾン分解除去方法>
次に、本発明のオゾン分解除去方法について説明する。本発明のオゾン分解除去方法は、前記本発明のオゾン分解除去用触媒にオゾンを含む気体を接触せしめてオゾンを分解除去する方法である。前記気体としては、オゾンを含む空気などが挙げられるが、本発明のオゾン分解除去用触媒は、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下におけるオゾン分解除去性能に優れており、本発明のオゾン分解除去方法によれば、例えば、オゾン濃度が0.01〜10体積ppm、露点が−17〜50℃である低オゾン濃度の湿潤空気のオゾン浄化を実施することが可能となる。
前記オゾン分解除去用触媒とオゾンを含む気体との接触方法としてはバッチ式や、オゾン分解除去用触媒の固定床にオゾンを含む気体を流通させて接触させる方法などが挙げられる。また、操作条件は適宜設定することができるが、接触温度はオゾンを効率よく分解除去できる観点から室温〜200℃が好ましく、50〜200℃が好ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
金属塩として塩化パラジウム(II)162mgをイオン交換水1Lに溶解した。この水溶液に、強く撹拌しながら1質量%のステアリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液10mlを加え、さらに0.15質量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液50mlを加えて、パラジウムコロイド溶液を調製した。このパラジウムコロイド溶液1Lに、支持体としてアルミニウム製ラジエータから切り出した直径30mm×厚さ16mmのテストピースを1時間浸漬した後、引き上げ、水洗および乾燥を施して、パラジウムコロイド粒子を表面に吸着させることにより活性化させたアルミニウム製ラジエータテストピースを得た。
次に、水1Lに硫酸コバルト(II)七水和物22.5g、次亜リン酸ナトリウム一水和物21.2g、酒石酸ナトリウム二水和物115gおよびホウ酸30.9gを加えて溶解した。3.3モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてこの水溶液のpHを9に調整することによりコバルト化学メッキ液を調製した。このコバルト化学メッキ液に、パラジウムコロイドで活性化した前記アルミニウム製ラジエータテストピースを90℃で30分間浸漬して無電解メッキを行なった後、引き上げ、イオン交換水で十分に水洗した。その後、105℃で1時間乾燥して、表面がコバルト(第一の触媒成分)でメッキされたラジエータテストピースを得た。
次に、0.1Nの硝酸溶液20mlに硝酸銀0.023gを加えて溶解し、pH1の銀化学メッキ液を調製した。この銀化学メッキ液に、コバルトでメッキされた前記ラジエータテストピースを室温(27℃)で1時間浸漬して置換メッキを行なった後、引き上げ、イオン交換水で十分に水洗した。その後、105℃で1時間乾燥してコバルト(第一の触媒成分)と銀(第二の触媒成分)でメッキされた触媒層付きラジエータテストピースを得た。
この触媒層付きラジエータテストピースにおけるAgメッキ量およびCoメッキ量を誘導結合プラズマ発光分析(ICP)により測定したところ、アルミニウム製ラジエータテストピース1L当たり、Ag量が0.5g、Co量が12.1gであった。
(実施例2)
水1Lに硫酸銅(II)五水和物30.0g、ホルマリン69.0g、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物141.1g、水酸化ナトリウム40g、炭酸ナトリウム25.4g、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)16.7gを加えて溶解し、pH12.5の銅化学メッキ液を調製した。前記コバルト化学メッキ液の代わりにこの銅化学メッキ液を用いた以外は実施例1と同様にして銅(第一の触媒成分)と銀(第二の触媒成分)でメッキされた触媒層付きラジエータテストピースを得た。
この触媒層付きラジエータテストピースにおけるAgメッキ量およびCuメッキ量を誘導結合プラズマ発光分析(ICP)により測定したところ、アルミニウム製ラジエータテストピース1L当たり、Ag量が0.35g、Cu量が19.6gであった。
(比較例1)
銀(第二の触媒成分)をメッキしなかった以外は実施例1と同様にして、触媒成分としてコバルトのみでメッキされた触媒層付きラジエータテストピースを得た。この触媒層付きラジエータテストピースにおけるCoメッキ量を重量法により測定したところ、アルミニウム製ラジエータテストピース1L当たり、Co量が17.3gであった。
(比較例2)
銀(第二の触媒成分)をメッキしなかった以外は実施例2と同様にして、触媒成分として銅のみでメッキされた触媒層付きラジエータテストピースを得た。この触媒層付きラジエータテストピースにおけるCuメッキ量を重量法により測定したところ、アルミニウム製ラジエータテストピース1L当たり、Cu量が30.4gであった。
(比較例3)
水1Lに硝酸銀4.76g、ヒドラジン一水和物2.36g、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン29.53gを加えて溶解した。0.1Nの硝酸を用いてこの水溶液のpHを10に調整することにより銀化学メッキ液を調製した。この銀化学メッキ液に、実施例1と同様にして表面をパラジウムコロイドで活性化させたアルミニウム製ラジエータテストピースを45℃で1時間浸漬して無電解メッキを行なった後、引き上げ、イオン交換水で十分に水洗した。その後、105℃で1時間乾燥して、触媒成分として銀のみでメッキされた触媒層付きラジエータテストピースを得た。
この触媒層付きラジエータテストピースにおけるAgメッキ量を重量法により測定したところ、アルミニウム製ラジエータテストピース1L当たり、Ag量が1.49gであった。
(比較例4)
市販の触媒層付きラジエータ(ボルボ車に搭載のラジエータ「スモッグ・イーター」、触媒:MnO+Al)から直径30mm×厚さ16mmのテストピースを切り出した。
(比較例5)
アルミニウム製ラジエータから、触媒成分が担持されていない未処理のテストピース(直径30mm×厚さ16mm)を切り出した。
<走査型電子顕微鏡(SEM)観察>
実施例1で得られたコバルトと銀でメッキされた触媒層付きラジエータテストピース、および比較例4で得られたMnOとAlを備える触媒層付きラジエータテストピースについて、触媒層の状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースの断面および表面のSEM写真をそれぞれ図3Aおよび図3Bに示す。また、比較例は4で得られた触媒層付きラジエータテストピースの断面のSEM写真を図4に示す。
図4に示した結果から明らかなように、比較例4で得られた触媒層付きラジエータテストピースは、支持体上に、MnO層(厚さ約10μm)とAl層(厚さ約30μm)の2層を備えるものであり、触媒層(MnO層+Al層)の厚さは約40μmであった。これに対して、図3Aに示した結果から明らかなように、実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースは、支持体のベーマイト層(厚さ約0.3μm)上に、Co層(厚さ約1μm)とAg−Co層(厚さ約0.3μm)の2層を備えるものであり、触媒層(Co層+Ag−Co層)は、厚さが約1.3μmであり、極めて薄いものであった。なお、実施例2で得られた銅と銀でメッキされた触媒層付きラジエータテストピースにおいても触媒層(Cu層+Ag−Cu層)は極めて薄いもの(厚さ約1μm)であった。
また、実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースにおいては、ベーマイト層とCo層、Co層とAg−Co層の各層間においては隙間が見られず、層間密着性に優れていることが確認された。なお、実施例2で得られた触媒層付きラジエータテストピースにおいても層間密着性は優れていた。
さらに、図3Bに示した結果から明らかなように、実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースのAg−Co層は、粗いCo層の最表面に粒子径が約20nmのAg微粒子(図中の白点)が均一且つ高度に分散したものであり、比表面積が高く、活性点が多い層であることが分かった。なお、実施例2で得られた触媒層付きラジエータテストピースのAg−Cu層においても粗いCu層の最表面にAg微粒子が均一且つ高度に分散していた。
このように、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、ラジエータなどの支持体に、極めて薄く、密着性に優れた触媒層を形成することができ、ラジエータの主要な性能(放熱、圧力損失など)など支持体の性能を損なわずにオゾン分解除去性能を容易に付与できることが分かった。
<触媒成分と支持体との密着性の評価>
実施例1および比較例3で得られた触媒層付きラジエータテストピースについて、触媒成分と支持体との密着性を以下のように評価した。先ず、実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースの質量を測定した後、この触媒層付きラジエータテストピースにイオン交換水中で超音波洗浄処理(超音波の周波数:38kHz、出力:120W、照射時間:120分間)を施した。その後、60℃の熱風で20分間乾燥させ、再度、ラジエータテストピースの質量を測定した。超音波洗浄前後のラジエータテストピースの質量から、超音波洗浄後に支持体に担持されている触媒成分の残存率(%)〔=超音波洗浄後の質量/超音波洗浄前の質量×100〕を求めた。その結果、実施例1で得られた触媒層付きラジエータテストピースにおける触媒成分の残存率は99%であった。
一方、比較例3で得られた触媒層付きラジエータテストピースについては、先ず、SEM観察を行なって触媒層の厚さを測定した。次に、上記と同一の条件で超音波洗浄処理を行ない、乾燥後、再度、ラジエータテストピースの触媒層の厚さを測定した。超音波洗浄前後の触媒層の厚さから、超音波洗浄後に支持体に担持されている触媒成分の残存率(%)〔=超音波洗浄後の触媒層の厚さ/超音波洗浄前の触媒層の厚さ×100〕を求めた。その結果、比較例3で得られた触媒層付きラジエータテストピースにおける触媒成分の残存率は25%であった。
以上の結果から明らかなように、本発明の製造方法により得られた触媒層付きラジエータテストピース(実施例1)の触媒層は、銀のみがメッキされた触媒層付きラジエータテストピース(比較例3)に比べて、触媒成分の残存率が格段に高く、密着性に優れるものであることが確認された。
<オゾン分解除去性能の評価>
実施例1〜2および比較例1〜4で得られた触媒層付きラジエータテストピースのオゾン分解除去用触媒としての性能を以下のように評価した。なお、比較例5で得られた未処理のラジエータテストピースについてもオゾン分解除去性能を評価した。
先ず、図5に示すオゾン分解除去性能評価装置の触媒床5(内径30mm)に触媒層付きまたは未処理の前記ラジエータテストピース(直径30mm×厚さ16mm)を設置した。この触媒床5に1体積ppmのオゾンを含む湿潤空気(露点:21.0℃)を35〜100℃の入りガス温度、LV値=1m/sおよびSV値=2.3×10−1の流速で供給し、触媒床通過前後の湿潤空気中のオゾン濃度を測定してオゾン分解除去率を算出した。その結果を図6に示す。
図6に示した結果から明らかなように、実施例1〜2で得られた触媒層付きラジエータテストピースは、比較例1〜3で得られた触媒層付きラジエータテストピースのオゾン分解除去用触媒に比べて高いオゾン浄化率を示し、オゾン分解除去用触媒として有用であることが確認された。
また、ラジエータの常用温度である75℃においてオゾン浄化率を比較すると、実施例1〜2で得られた触媒層付きラジエータテストピースのオゾン浄化率は、比較例4で得られた市販の触媒層付きラジエータのテストピースと同等であったが、触媒層の厚さ(または体積基準の触媒量)の違いを考慮すると、実施例1〜2で得られた触媒層付きラジエータテストピースは、比較例4で得られた触媒層付きラジエータテストピースに対して約40倍の触媒活性を有すると考えられる。
なお、触媒層を有しない未処理のラジエータテストピースにおいては、ほとんどオゾン分解除去性能を示さなかった。
以上説明したように、本発明によれば、オゾンを分解除去する際に人体や環境により安全であり、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下においても効率よくオゾンを分解除去することが可能なオゾン分解除去用触媒を提供することができる。また、触媒成分の担持量を従来の金属酸化物触媒に比べて少なくすることができ、さらに、触媒成分を支持体に密着性よく容易に担持させることが可能となる。
したがって、支持体として自動車のラジエーターやエバポレータ、ヒータコアなどの熱交換器を用いた場合、本発明のオゾン分解除去用触媒は、低オゾン濃度且つ高湿度の雰囲気下における触媒活性(オゾン分解除去性能)に優れ、しかも、熱交換器の性能(例えば放熱性能)が維持された熱交換器として有用である。
1:水膜、2:第一の触媒成分、3:第二の触媒成分、4:支持体、5:触媒床、6:石英管。

Claims (7)

  1. 支持体と、
    Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記支持体の表面に無電解メッキによりコーティングされた第一の触媒成分と、
    前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上貴である金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第一の触媒成分の表面に無電解メッキにより担持された第二の触媒成分と、
    を備えることを特徴とするオゾン分解除去用触媒。
  2. 前記第二の触媒成分が前記第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持されていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン分解除去用触媒。
  3. 前記第二の触媒成分が、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン分解除去用触媒。
  4. 支持体の表面に、Co、Ni、Cu、Fe、Sn、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種の第一の触媒成分を無電解メッキによりコーティングする第一の工程と、
    前記第一の触媒成分の表面に、前記第一の触媒成分との標準電極電位の差が0.3V以上貴である金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種の第二の触媒成分を無電解メッキにより担持させる第二の工程と、
    を含むことを特徴とするオゾン分解除去用触媒の製造方法。
  5. 前記第二の触媒成分を前記第一の触媒成分の表面上に分散した状態で担持させることを特徴とする請求項4に記載のオゾン分解除去用触媒の製造方法。
  6. 前記第二の触媒成分が、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、RuおよびOsからなる群から選択される少なくとも1種の金属、該金属の合金ならびに該金属と他の金属との合金からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4または5に記載のオゾン分解除去用触媒の製造方法。
  7. オゾンを含む気体を請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のオゾン分解除去用触媒に接触せしめて前記オゾンを分解除去することを特徴とするオゾン分解除去方法。
JP2010015737A 2010-01-27 2010-01-27 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法 Active JP5303483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010015737A JP5303483B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010015737A JP5303483B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011152512A JP2011152512A (ja) 2011-08-11
JP5303483B2 true JP5303483B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=44538852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010015737A Active JP5303483B2 (ja) 2010-01-27 2010-01-27 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5303483B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5573438B2 (ja) * 2010-07-09 2014-08-20 トヨタ自動車株式会社 コアシェル型触媒微粒子の製造方法
JP5498420B2 (ja) * 2011-03-23 2014-05-21 株式会社豊田中央研究所 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法
GB201214326D0 (en) * 2012-08-10 2012-09-26 Johnson Matthey Fuel Cells Ltd Process
JP6315330B2 (ja) * 2014-05-28 2018-04-25 株式会社豊田中央研究所 オゾン分解除去用触媒の劣化診断装置、それを備える大気浄化装置、及びオゾン分解除去用触媒の劣化診断方法
CN113788524B (zh) * 2021-09-27 2023-06-02 金风环保有限公司 造纸废水的处理方法以及废水处理装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0347515A (ja) * 1989-03-10 1991-02-28 Sakai Chem Ind Co Ltd オゾン分解のための構造体及びオゾン分解方法
JPH0735253B2 (ja) * 1990-02-09 1995-04-19 株式会社日本触媒 ジルコニアまたはジルコニア系球状粒子および金属担持ジルコニアまたはジルコニア系球状粒子の製造方法
JPH11179207A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd オゾン分解用触媒及びその製造方法
JP2001205097A (ja) * 2000-01-24 2001-07-31 Nitto Denko Corp 金属触媒付着担体及びその製造方法並びにそれを用いた活性酸素源含有液の処理方法
JP4811680B2 (ja) * 2008-03-05 2011-11-09 株式会社豊田中央研究所 オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびオゾン分解除去方法
JP4930910B2 (ja) * 2008-04-15 2012-05-16 株式会社豊田中央研究所 オゾン分解除去用触媒及びオゾン分解除去用触媒の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011152512A (ja) 2011-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4564263B2 (ja) 金属超微粒子含有光触媒及びその製造方法
JP5303483B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法
JP6265410B2 (ja) コア−シェル型光触媒の製造方法
Pathak et al. Metal-coated nanoscale TiO2 catalysts for enhanced CO2 photoreduction
JP5602260B2 (ja) 無電解めっき法を用いてニッケルコーティングナノカーボンを製造する方法
JP4811680B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびオゾン分解除去方法
JP6653875B2 (ja) 白金触媒の製造方法及びそれを用いた燃料電池
JPS6111130A (ja) 貴金属でない金属の新規な微小集合体およびその製造方法
JP6116000B2 (ja) 白金コアシェル触媒の製造方法及びそれを用いた燃料電池
JP2005199267A (ja) 金属担持体の製造方法及び金属担持体
JP5674553B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法
CN105664937A (zh) 一种纳米多孔金催化膜的制备方法
JP4403758B2 (ja) 汚染物質除去剤及びその製造方法
JP5354399B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびオゾン分解除去方法
JP2009262049A (ja) 光触媒構造体およびその製造方法
JP5544618B2 (ja) 抗菌作用を持つタングステン酸化物二次構造体
JP5547458B2 (ja) 大気浄化性能を有するアルミニウム製品およびその製造方法
JP5498420B2 (ja) オゾン分解除去用触媒、その製造方法、およびそれを用いたオゾン分解除去方法
JP6815590B2 (ja) 白金触媒、その製造方法及び当該白金触媒を用いた燃料電池
WO2006095392A1 (ja) 排ガス処理用触媒の製造方法
JP2019166482A (ja) Pd−Ruナノ複合粒子担持体、CO酸化触媒およびPd−Ruナノ複合粒子担持体の製造方法
KR100911575B1 (ko) 티타니아-팔라듐 복합체와 그의 제조방법
JP2005313012A (ja) 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法
JP5237616B2 (ja) 白金族金属又は白金族金属とそれ以外の他の金属との合金を担持してなる酸化チタン担体の製造方法
JP4647906B2 (ja) 金属担持体の製造方法及び金属担持体。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5303483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250