JP2005313012A - 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005313012A
JP2005313012A JP2004130858A JP2004130858A JP2005313012A JP 2005313012 A JP2005313012 A JP 2005313012A JP 2004130858 A JP2004130858 A JP 2004130858A JP 2004130858 A JP2004130858 A JP 2004130858A JP 2005313012 A JP2005313012 A JP 2005313012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
oxide
catalytically active
alumina
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004130858A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Kikuchi
博人 菊地
Masaki Nakamura
雅紀 中村
Toru Sekiba
徹 関場
Katsuo Suga
克雄 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004130858A priority Critical patent/JP2005313012A/ja
Publication of JP2005313012A publication Critical patent/JP2005313012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】低コスト化、高活性化かつ高耐久性を実現した排ガス浄化用触媒を提供する。また、低コストかつ高活性な触媒活性粒子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基材と、基材上に分散して担持され、一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形された触媒活性粒子(Pt粒子3)と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車等の移動体から排出される排ガスの浄化に適した排ガス浄化用触媒、排ガス浄化用触媒に使用される触媒活性粒子及びその製造方法に関する。
近年、自動車用の排出ガス規制が強化されており、排ガス浄化用触媒の性能を向上させて、排ガス中に含まれる有害成分の浄化を高効率で行なうことが望まれている。通常、排ガス浄化用触媒は、アルミナ(Al2O3)等の基材表面に、白金(Pt)やパラジウム(Pd)等の貴金属粒子を担持した構成を有しており、排ガス中に含まれる未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の有害なガスを貴金属で酸化して、無害な水やガスに変換している。
排ガス浄化用触媒の触媒活性を高める対策として、貴金属粒子を微粒化して表面積を大きくすることで、排ガスとの接触面積を増大させる試みがなされている。
貴金属の微粒子化技術としては、逆ミセル法(マイクロエマルジョン)がある。例えば、逆ミセル法を用いて貴金属を微粒子化すると同時に、貴金属よりも低価格である酸素吸蔵能等の効果を有する金属を微粒子化し、貴金属微粒子と金属微粒子とを基材上に担持する方法が開示されている(特許文献1参照)。本方法によれば、逆ミセル法により微粒子化した後、貴金属微粒子又は金属微粒子のいずれかを含浸法により担持するか、又は、貴金属微粒子及び金属微粒子の各々を還元又は水酸化物とした状態で互いに混合して基材に担持している。
特開2000−42411号公報
しかしながら、従来の逆ミセル法を用いた方法では、基材に担持する貴金属を微粒子化できるという利点があるが、逆に量産性が低かった。
また、排ガス浄化用触媒として、基材上に貴金属微粒子を担持して触媒を使用すると、その初期の貴金属微粒子は数nmの超微粒子状態であるが、高温の酸化雰囲気中において排ガス浄化用触媒を使用すると、貴金属微粒子の表面が酸化されてしまい、近傍の貴金属粒子と合体して粗大化してしまう。この結果、貴金属微粒子の表面積が小さくなり、排ガス中に含まれる有害物質の浄化率の低下に伴い触媒活性が下がるという恐れがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の排ガス用浄化触媒は、基材と、前記基材上に分散して担持され、一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形された触媒活性粒子と、を含むことを要旨とする。
本発明の触媒活性粒子は、一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形されたことを要旨とする。
本発明の触媒活性粒子の製造方法は、球状微粒子表面の少なくとも一部に、一種以上の金属又は金属酸化物から形成される被覆層を形成する第1の工程と、 前記第1の工程後に、前記球状微粒子を消失させてシェル形状の触媒活性粒子に成形する第2の工程と、を含むことを要旨とする。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、シェル形状とした貴金属等の触媒活性粒子を基材上に担持して構成したため、貴金属等の使用量が少量であっても表面積が増大し、低コスト化、高活性化かつ高耐久性を実現することができる。
本発明の触媒活性粒子によれば、貴金属等の使用量が少ない場合でも表面積を大きくできるため、低コストで触媒活性を高めることができる。
本発明の触媒活性粒子の製造方法によれば、予めナノメートル単位のシェル形状に成形した触媒活性粒子を得られるため、触媒活性粒子を基材に担持することにより、各触媒活性粒子間の距離を確保してシンタリング等を抑制し、耐久性に優れた排ガス浄化触媒とすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒、排ガス浄化用触媒に使用される触媒活性粒子及びその製造方法について、図1〜図3を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒は、基材上に、一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形された触媒活性粒子を分散して担持している。
シェル形状の触媒活性粒子は、後に詳述する製造方法により、一種以上の金属又は金属酸化物を用いて、予めナノメートル単位のシェル形状に成形される。より具体的な触媒活性粒子は、Pt、Rh、Pd、Au、Ag及びRuの中から選択される一種以上の金属単体、金属単体を二種以上含む固溶体又は金属単体を酸化した金属酸化物のいずれかにより形成することが好ましい。例示した金属の中でも、特に、Pt等の貴金属を使用することが好ましいが、一種又は二種以上の貴金属を用いて触媒活性粒子としても良い。また、触媒活性粒子は、二種以上の金属単体を含む固溶体としても良く、固溶体とする場合には金属化合物分解法を用いて触媒活性粒子を製造することができる。
また、シェル形状の触媒活性粒子を具体的に説明すると、触媒活性粒子の長軸方向における径を5nm〜20nmとし、かつ、厚さを1nm〜10nmとすることが好ましい。触媒活性粒子の長軸方向における径が20nmを超えると、触媒活性粒子が大きくなり、排ガス浄化用触媒として高温の酸化雰囲気中で使用すると、触媒活性粒子の表面が酸化されて、近傍の貴金属粒子と合体して粗大化して触媒活性粒子の表面積が小さくなり、触媒活性が低下するからである。逆に、径が5nm未満になると、過剰に微粒子化してしまい、シェル形状とすることができないからである。また、触媒活性粒子の厚さが10nmを超えると、貴金属等の金属の使用量が増えて、製造コストが高騰し、逆に、触媒活性粒子の厚さが1nm未満になるとシェル形状に成形することができないからである。なお、触媒活性粒子の短軸方向の径は、特に限定されないが、5nm〜20nmの範囲とすることが好ましい。
上記排ガス浄化用触媒における基材は、アルミナ、セリア、ジルコニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の中から選択される少なくとも一種を含む化合物から形成することが好ましい。
このようにシェル形状の触媒活性粒子を用いたため、従来の球状の貴金属粒子を使用した場合に比べて、触媒活性粒子の表面積が数倍から数十倍に増加する。また、触媒活性粒子として高価なPt等の貴金属を使用した場合であっても、シェル形状に成形したため、少量の使用量で表面積の大きい触媒活性粒子にできるため、触媒活性が高まると同時に低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の実施の形態に係るシェル形状の触媒活性粒子の製造方法を説明する。
触媒活性粒子の製造方法は、基本的に、球状微粒子表面の少なくとも一部に、一種以上の金属又は金属酸化物から形成される被覆層を形成する第1の工程と、 第1の工程後に、球状微粒子を消失させてシェル形状の触媒活性粒子に成形する第2の工程と、を含む。
第1の工程では、ナノスケール単位とした球状の微粒子表面の一部に、めっき法、金属化合物分解法及び真空蒸着法の各種方法を用いて、被覆層を形成する。金属化合物分解法では、例えば、球状微粒子表面の一部に貴金属化合物の被覆層を形成した後、貴金属化合物を熱分解して貴金属被覆層とする。また、真空蒸着法では、後述する真空蒸着装置を用いて、真空槽内で、球状微粒子を構成する原料物質と一種以上の金属又は金属酸化物とを蒸発させて、球状微粒子表面の少なくとも一部に被覆層を形成する。
第2の工程では、球状微粒子を消失させてシェル形状の触媒活性粒子に成形する。球状微粒子を消失させる方法は、微粒子を構成する材料に応じて選択することができる。例えば、微粒子をアルミナ粒子とした場合は、貴金属層を形成した微粒子を水酸化ナトリウム溶液に浸漬してアルミナ粒子を溶解する。また、PtまたはRh等の貴金属から被覆層を形成した場合は、水酸化ナトリウムや硝酸等を使用することもできる。
さらに、本発明の実施の形態に係る触媒活性粒子の製造方法について、図1及び図2を用いて具体的に説明する。
図1は、めっき処理を用いて、シェル形状の触媒活性粒子である貴金属粒子を製造する方法を説明する図である。図1に示すように、まず、長軸方向における径が30nmのアルミナ粒子1を用いて、アルミナ粒子1表面の一部にPtめっき処理をする(第1段階A(前処理))。すると、アルミナ粒子1の表面の一部にPtめっき層2aが薄く形成される。その後、再度めっき処理をする(第2段階B(正規Ptめっき処理))。正規Ptめっき処理では、前処理で形成されたPtめっき層2a上に、選択的にPtめっきが施されてPt貴金属層2bの厚さが増大したPtめっき粒子となる。その後、Ptめっき粒子を水酸化ナトリウムに加えてアルミナ粒子1を溶解すると(アルミナ粒子の溶解処理C)、シェル形状のPt粒子3となる。
また、真空蒸着法により貴金属粒子を製造する場合には、例えば、図2に示す真空蒸着装置4を使用する。図2に示すように、真空蒸着装置4は、内部を真空とした真空槽5を備えており、真空槽5に、試料投入口6、試料取出口7、液体N2導入口8、Heガス導入口9及びO2ガス導入口10を各々連結すると共に、試料回収槽11にも連結している。真空槽5内には2個の蒸発源12,13と冷却板14とを設置しており、冷却板14は試料取出口7に連結している。
図2に示す真空蒸着装置4を用いて、真空槽5内の個別の蒸発源12,13によりアルミニウムと貴金属とを同時に蒸発させる。蒸発により生じたアルミナ粒子表面の一部に貴金属層を被覆した粒子を調整し、その後、アルミナ粒子を消失させてシェル形状の貴金属粒子とする。
なお、上述しためっき法、金属化合物分解法及び真空蒸着法において、微粒子としてアルミナ粒子を使用したが、微粒子の材料はアルミナに限定されるものではなく、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化タングステン及び酸化モリブデンの中から選択される一種を使用することもできる。
上記触媒活性粒子の製造方法では、球状の微粒子表面の一部に貴金属等から形成される被覆層を被覆し(第1の工程)、その後、球状の微粒子を消失させて、予めナノメートル単位のシェル形状の触媒活性粒子を成形している(第2の工程)。このようにシェル形状の触媒活性粒子を基材上に分散して触媒を構成したため、貴金属等の金属を有効活用できるだけでなく、近傍に存在する触媒活性粒子同士との距離を空けてシンタリング等を抑制できるため、近傍に存在する各触媒活性粒子の合体による触媒活性粒子の粗大化を抑制することができる。
以下、実施例を用いて具体的に説明する。
<実施例1>
実施例1では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚1nm、径20nmのPt粒子Aを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水約900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中にアルミナ(径30nm)19.78gを加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は9.18%であった(Ptめっき粒子a)。Ptめっき粒子aをTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)内にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)185ml(Pt量5.55g)、アンモニア水(28%)185ml、TP-502用還元剤185mlを順次加えた。さらに、純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50ml、純水を加えて1Lに調整した。調整した溶液中に、前述したPtめっき粒子a を21.78g加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げて、ろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部にPtの被覆層を形成した一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:1nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は27.62%であった(Ptめっき粒子b)。Ptめっき粒子bをTEMで観察したところ、Ptは、第1段階の前処理でPtを付けた箇所に付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
27g のPtめっき粒子bを20%水酸化ナトリウム溶液150mlに加えて、70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄した後、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子A)。Pt粒子AをTEMで観察したところ、Pt粒子Aはシェル形状であり、その外径(長軸方向の長さ)は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt粒子A を0.73gと、アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム9%、酸化ランタン6%を複合化したもの)124.25gと、セリア基材(セリアに酸化ジルコニウムを25%複合化したもの)48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Aを分散すると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリa)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ-アルミナと、酸化ジルコニウム複合化合物に硝酸ロジウムを含浸し、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化してジルコニア基材を調製した。
ロジウム0.6%担持粉末116.55gと、ジルコニア基材44.45gと、アルミナ基材11gと、ベーマイトアルミナ3gと、をボールミルに加えた後、さらに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリR)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリaを141g/Lコーティングして乾燥した後、スラリRを59g/Lコーティングして乾燥し、その後、400℃で焼成して実施例1の試料とした。得られた実施例1の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例2>
実施例2では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚2nm、径20nmのPt粒子Bを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水約900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中にアルミナ(径30nm)19.78gを加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げて、ろ過し、純水で洗浄を繰りかえし乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は9.18%であった(Ptめっき粒子a)。Ptめっき粒子a をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)内にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)261ml(Pt量7.84g)、アンモニア水(28%)261ml、TP-502用還元剤261mlを順次加えた。さらに、純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50ml、純水を加えて1Lに調整した。調整した溶液中に、前述したPtめっき粒子aを12.156g加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げて、ろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部にPtの被覆層を形成した一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:2nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は44.8%であった(Ptめっき粒子c)。Ptめっき粒子c をTEMで観察したところ、Ptは、第1段階の前処理でPtを付けた箇所に付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
20gのPt含有量44.8%のPtめっき粒子cを20%水酸化ナトリウム溶液100mlに加えて、70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄した後、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子B)。Pt粒子BをTEMで観察したところ、Pt粒子Bはシェル形状であり、その外径は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt粒子Bを0.73gと、アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)124.25gと、セリア基材(セリアに酸化ジルコニウムを25%複合化したもの)48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Bを分散すると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリb)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ-アルミナと、酸化ジルコニウム複合化合物に硝酸ロジウムを含浸し、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化してジルコニア基材を調製した。
ボールミルに、ロジウム0.6%担持粉末116.55gと、ジルコニア基材44.45gと、アルミナ基材11gと、ベーマイトアルミナ3gと、を加えた後、さらに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリR)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリbを141g/Lコーティングし、乾燥した後、さらにスラリRを59g/Lコーティングして乾燥し、その後、400℃で焼成して実施例2の試料とした。得られた実施例2の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例3>
実施例3では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚3nm、径20nmのPt粒子Cを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)187ml(Pt量5.62g)、アンモニア水(28%)187ml、TP-502用還元剤187mlを順次加えた。これに純水900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中に前述のPtめっき粒子aを5.164g加え、スターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げて、ろ過し、純水で洗浄を繰りかえし乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:3nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は56.53%であった(Ptめっき粒子d)。Ptめっき粒子d をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
25gのPt含有量56.53%のPtめっき粒子dを20%水酸化ナトリウム溶液100mlに加えて、70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄した後、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子C)。このPt粒子CをTEMで観察したところ、Pt粒子Cはシェル形状であり、その外径は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt被覆層付き粒子Cを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Cを分散すると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリc)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリcを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して、実施例3の試料とした。得られた実施例3の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例4>
実施例4では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚5nm、径20nmのPt粒子Dを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)272ml(Pt量8.17g)、アンモニア水(28%)272ml、TP-502用還元剤272mlを順次加えた。これに純水900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中に前述したPtめっき粒子aを3.83g加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:5nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は70.99%であった(Ptめっき粒子e)。Ptめっき粒子e をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
25gのPt含有量70.99%のPtめっき粒子eを、20%水酸化ナトリウム溶液100mlに加え70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子D)。このPt粒子DをTEMで観察したところ、Pt粒子Dはシェル形状であり、その外径は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt被覆層付き粒子Dを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材1124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt被覆層付き粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリd)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリdを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例4の試料とした。得られた実施例4の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例5>
実施例5では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚7nm、径20nmのPt粒子Eを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)258ml(Pt量7.73g)、アンモニア水(28%)258ml、TP-502用還元剤258mlを順次加えた。これに純水900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中に前述したPtめっき粒子aを2.27g加えてスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:7nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は79.38%であった(Ptめっき粒子f)。Ptめっき粒子f をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
25gのPt含有量79.38%のPtめっき粒子fを、20%水酸化ナトリウム溶液100mlに加え70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子E)。このPt粒子EをTEMで観察したところ、Pt粒子Eはシェル形状であり、その外径は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt粒子Eを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Eを分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリe)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリeを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して、実施例5の試料とした。得られた実施例5の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
<実施例6>
実施例6では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚10nm、径20nmのPt粒子Fを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)284ml(Pt量8.53g)、アンモニア水(28%)284ml、TP-502用還元剤284mlを順次加えた。これにTP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調整した溶液中に前述したPtめっき粒子aを1.47g加えスターラで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:10nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は86.62%であった(Ptめっき粒子g)。Ptめっき粒子g をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
25gのPt含有量86.62%のPtめっき粒子gを20%水酸化ナトリウム水溶液100mlに加えて70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子F)。Pt粒子FをTEMで観察したところ、シェル形状であり、その外径は約20nmであった。
さらに、製造したシェル形状のPt粒子Fを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた。その後、ボールミルに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Fを分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリf)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリfを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して、実施例6の試料とした。得られた実施例6の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
<実施例7>
実施例7では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚2 nm〜5nm、径5nm〜20nmのPt粒子Gを調製した。
径30nmのアルミナ粒子14.5gにジニトロジアミンPt溶液を噴霧し、アルミナ粒子がスラリ化しないところで噴霧を止めて、乾燥した。再び噴霧を行い、乾燥を繰り返し、Pt量として27.6%として400℃で焼成し化合物を分解した。このPt被覆層付きアルミナ粒子20gを採取し、20%水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えて70℃以上に加熱した後、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子G)。Pt粒子GをTEMで観察したところ、Pt粒子Gはシェル形状であり、外径約5nm〜20nmであり、厚さが2nm〜5nmのものが各種存在した。
製造したシェル形状のPt粒子Gを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加え、さらに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子Gを分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリg)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリgを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例7の試料とした。実施例7の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
<実施例8>
実施例8では、図2に示す真空蒸着装置4を用いて、真空蒸着法によりPt厚さ2nm〜5nm、径5nm〜10nmのPt粒子Hを調製した。
まず、図2に示す真空槽5内の蒸発源(抵抗加熱ボート)12にアルミニウム、蒸発源(抵抗加熱ボート)13にPtを各々セットする。なお、アルミニウムの抵抗加熱ボート12は、Ptの抵抗加熱ボート13よりも低い位置に配置している。
次に、図2に図示しない真空ポンプにより5.0×10-8Torrにまで排気した後、真空槽5内に酸素ガスとヘリウムガスとを導入して1Torr付近とする。この時の酸素分圧は40mol%であり、真空ポンプを作動させて一定のガス圧を保ち、液体N2導入口8を介して液体窒素を導入し、冷却板14を冷却する。
その後、蒸発源12,13でアルミニウムとPtとを同時に蒸発させて、真空槽5内に導入した酸素によりアルミニウムとPtとを酸化する。
蒸発源12のアルミニウムは先に凝縮し、凝縮により生成したAl2O3粒子をPtO2により被覆する。Ptが付いた Al2O3粒子は冷却板14に付着し、Al2O3粒子を掻き落としてPt付きアルミナ粒子とした。
Pt付きアルミナ粒子をTEMで観察したところ、アルミナ粒子の粒径は20nm程度であり、アルミナ粒子表面の一部がPtOにより被覆されていた。被覆層のPtO2の径は、5 nm〜10nmの範囲で各種存在していた。Pt付きアルミナ粒子をICP分析したところ、Ptが27%含有されていた。
アルミナ粒子10gを20%水酸化ナトリウム水溶液100mlに加えて、70℃以上に加熱し、アルミナを溶解して遠心分離してPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した。洗浄後、得られた粒子を200℃で水素雰囲気中に30分置き還元した(Pt粒子H)。
Pt粒子HをTEMで観察したところ、Pt粒子Hはシェル形状であり、外径約5nm〜10nm、厚さ2nm〜5nmの各種の粒子が存在した。
製造したPt粒子Hを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた後、さらに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えてPt粒子Hを分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリh)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリhを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例6の試料とした。実施例6の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
<比較例1>
実施例1で調製したアルミナ基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥後、400℃で焼成してPtを0.44%含有したアルミナ基材を調製した。また、実施例1で調製したセリア基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥後、400℃で焼成し、0.375%をPt含有したセリア基材を調製した。
Ptを0.44%含有したアルミナ基材124.8gと、Ptを0.375%含有したセリア基材48.6gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加え、さらに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした。(スラリX)
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリXを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例1の試料とした。比較例1の試料は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒であり、所謂通常の貴金属を含浸した触媒である。
<比較例2>
比較例2では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚12nm、径20nmのPt粒子Iを調製した。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)295ml(Pt量8.56g)、アンモニア水(28%)295ml、TP-502用還元剤295mlを順次加えた。その後、TP-502用めっき開始剤50ml、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子aを1.14g加え、スターラで攪拌しながらめっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:12nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は89.61%であった(Pt粒子h)Pt粒子iをTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
20%水酸化ナトリウム水溶液100ml中に、Pt含有量が89.61%のPt粒子iを25g加え、70℃以上に加熱し、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子I)。Pt粒子IをTEMで観察したところ、Pt粒子Iはシェル形状であり、その外径は約20nmであった。
製造したPt粒子Iを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた後、さらに、水307.5gと10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリi)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリiを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成し、比較例3の試料とした。比較例3の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
<比較例3>
比較例3では、径30nmのアルミナを使用して、Pt厚0.278nm、径20nmのPt粒子Jを調製した。
20%水酸化ナトリウム水溶液100mlに、Pt含有量9.18%のPtめっき粒子aを20g加えて、70℃以上に加熱した後、アルミナを溶解し、遠心分離によりPtを沈殿させた。上澄みを廃棄し、純水を加えてPtを洗浄し、遠心分離を行なう方法で、洗浄水がpH8以下となるまで洗浄した(Pt粒子J)。Pt粒子JをTEMで観察したところ、Pt粒子Jの外径は約1nm以下であった。
製造したPt粒子Jを0.73gと、実施例1で調製したアルミナ基材124.25gと、実施例1で調製したセリア基材48.42gと、ベーマイトアルミナ1.6gと、をボールミルに加えた後、さらに、水307.5gと、10%硝酸水溶液17.5gとを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリj)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリjを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例3の試料とした。比較例3の試料は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを担持した触媒である。
上記実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3により調製した触媒を用いて、排気量3500ccのV型エンジンの排気系に、片バンクあたり触媒を各5個ずつ装着した。国内レギュラーガソリンを使用して、触媒入口温度を650℃とし、30時間運転して耐久により熱履歴を施した。
さらに、耐久後の各触媒を模擬排ガス流通装置に組み込み、表1に示す組成の模擬排ガスを模擬排ガス流通装置に流通させて、触媒温度を30℃/分の速度で昇温させながら、NOx、CO、HC(C3H6)の浄化率が50%となる温度(T)を調べた。表2に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の各触媒の評価結果を示すと共に、図3に、HC(C3H6)浄化率が50%となる温度の関係を示した。
Figure 2005313012
Figure 2005313012
評価結果から、比較例1は、通常使用される含浸法を用いて貴金属溶液を調製した触媒であるため、初期のPt粒径は非常に小さく分散性が良かったが、耐久後のPt粒子をTEMで観察したところ、表2に示すように、Pt粒径が約20nm〜30nmとなりPt粒子が凝集していた。
また、比較例2のPt粒子の大きさには耐久前と耐久後とで変化が見られなかったが、比較例2のPt粒子の粒径は初期から大きく、各実施例に比べて比表面積が小さかった。このため、比較例2の触媒は、比較例1の触媒よりも性能が劣っているものと考えられる。
さらに、比較例3の触媒について、耐久後のPt粒子の状況をTEMで観察したところ、初期のPt粒径は1nm以下であったが、耐久後のPt粒子は凝集により粒子径が20nm〜30nmとなっていた。比較例3の触媒ではPt粒子の粒径が小さいため、比較例1と同様に各Pt粒子同士間の距離が短く、Pt粒子が凝集し易くなるものと考えられる。
これに対して、実施例1〜実施例8の各触媒では、耐久前及び耐久後のPt粒子径に大きな変化はなく、各実施例の触媒が熱履歴に対して耐久性に優れていることが判明した。特に、耐久前における推定比表面積の大きい実施例1及び実施例2の各触媒は、いずれもNOx、CO、HCの浄化率が50%となる温度が低く、触媒活性が高いことが判明した。
本発明の実施の形態に係るシェル形状の触媒活性粒子を製造する方法であり、めっき処理を用いた製造工程を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るシェル形状の触媒活性粒子を真空蒸着法により製造する方法において使用する真空蒸着装置の概略的な構成を示す図である。 実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の各触媒とHC浄化率が50%となる温度との関係を示す図である。
符号の説明
1…アルミナ粒子,
2a…Ptめっき層,
2b…Pt貴金属層,
3…シェル形状のPt粒子,
4…真空蒸着装置,
5…真空槽,
6…試料投入口,
7…試料取出口,
8…液体N2導入口,
9…Heガス導入口,
10…O2ガス導入口,
11…試料回収槽,
12…蒸発源,
13…蒸発源,
14…冷却板,

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材上に分散して担持され、一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形された触媒活性粒子と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記触媒活性粒子の長軸方向における径が5nm〜20nmであり、かつ、厚さが1nm〜10nmであることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記触媒活性粒子は、Pt、Rh、Pd、Au、Ag及びRuの中から選択される一種以上の金属単体、前記金属単体を二種以上含む固溶体又は前記金属単体を酸化した金属酸化物のいずれかにより形成されることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記基材は、アルミナ、セリア、ジルコニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の中から選択される少なくとも一種を含む化合物から形成されることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 一種以上の金属又は金属酸化物からシェル形状に成形されたことを特徴とする触媒活性粒子。
  6. 球状微粒子表面の少なくとも一部に、一種以上の金属又は金属酸化物から形成される被覆層を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程後に、前記球状微粒子を消失させてシェル形状の触媒活性粒子に成形する第2の工程と、
    を含むことを特徴とする触媒活性粒子の製造方法。
  7. 前記第1の工程は、前記球状微粒子表面の少なくとも一部に、めっき処理して被覆層を形成することを特徴とする請求項6記載の触媒活性粒子の製造方法。
  8. 前記第1の工程は、前記球状微粒子表面の少なくとも一部に、金属化合物分解法を用いて被覆層を形成することを特徴とする請求項6記載の触媒活性粒子の製造方法。
  9. 前記第1の工程は、真空槽内において、球状微粒子を構成する原料物質と、一種以上の金属又は金属酸化物と、を蒸発させて、前記球状微粒子表面の少なくとも一部に被覆層を形成することを特徴とする請求項6記載の触媒活性粒子の製造方法。
  10. 前記球状微粒子として、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化銅、酸化コバルト、酸化タングステン及び酸化モリブデンの中から選択される一種を用いることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の触媒活性粒子の製造方法。


JP2004130858A 2004-04-27 2004-04-27 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法 Pending JP2005313012A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004130858A JP2005313012A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004130858A JP2005313012A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005313012A true JP2005313012A (ja) 2005-11-10

Family

ID=35441013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004130858A Pending JP2005313012A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005313012A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007229594A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Nissan Motor Co Ltd 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
WO2012120711A1 (ja) 2011-03-04 2012-09-13 トヨタ自動車株式会社 金属粒子及びそれを含む排ガス浄化用触媒並びにそれらの製造方法
CN104368327A (zh) * 2014-10-23 2015-02-25 江西宝安新材料科技有限公司 一种用于甲烷催化氧化的催化剂及其制备方法
JP2015142896A (ja) * 2013-12-24 2015-08-06 株式会社日本触媒 ガス燃焼触媒用組成物、触媒層を含む支持体の製造方法、及びガス燃焼触媒
US9114384B2 (en) 2011-08-23 2015-08-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purification catalyst and method for producing it

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007229594A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Nissan Motor Co Ltd 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
WO2012120711A1 (ja) 2011-03-04 2012-09-13 トヨタ自動車株式会社 金属粒子及びそれを含む排ガス浄化用触媒並びにそれらの製造方法
US9115621B2 (en) 2011-03-04 2015-08-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Metal particles, exhaust gas purifying catalyst comprising metal particles, and methods for producing them
US9114384B2 (en) 2011-08-23 2015-08-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purification catalyst and method for producing it
JP2015142896A (ja) * 2013-12-24 2015-08-06 株式会社日本触媒 ガス燃焼触媒用組成物、触媒層を含む支持体の製造方法、及びガス燃焼触媒
CN104368327A (zh) * 2014-10-23 2015-02-25 江西宝安新材料科技有限公司 一种用于甲烷催化氧化的催化剂及其制备方法
CN104368327B (zh) * 2014-10-23 2016-09-07 江西宝安新材料科技有限公司 一种用于甲烷催化氧化的催化剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6732766B2 (ja) 自動車排ガス処理用ロジウム含有触媒
JP4547935B2 (ja) 排ガス浄化用触媒、排ガス浄化触媒、及び触媒の製造方法
EP1839749B1 (en) Catalyst, exhaust gas clarifying catalyst, and method for producing catalyst
RU2731104C2 (ru) Катализаторы на основе металлов платиновой группы (pgm) для обработки автомобильных выхлопов
JP4199691B2 (ja) 触媒
JP2006326554A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4715556B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP5551329B2 (ja) 排気ガス浄化触媒及びその製造方法
JP2007253037A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2004074116A (ja) 触媒体
JP4296908B2 (ja) 触媒体およびその製造方法
JP2006181484A (ja) 触媒、排ガス浄化触媒、及び触媒の製造方法
JP2006255610A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4720545B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2006320797A (ja) 触媒及びその製造方法
JP5975104B2 (ja) 排ガス浄化用触媒およびその製造方法
JP2005313012A (ja) 排ガス浄化用触媒、触媒活性粒子及びその製造方法
WO2019167515A1 (ja) 排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに一体構造型排ガス浄化用触媒
JP3855994B2 (ja) 触媒及びその製造方法
JP2007029863A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP2007050382A (ja) 排ガス浄化触媒
JP2008221217A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4112933B2 (ja) 排ガス処理触媒および排ガス処理方法
CN115151339A (zh) 排气净化用催化剂
JP2006021144A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその調製方法