JP5302534B2 - 超高分子量ポリオレフィン製シート及びその製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリオレフィン製シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超高分子量ポリオレフィン製シート及びその製造方法に関し、特に、工業的に生産可能な、比較的肉厚で、透明性、耐熱性及び機械物性に優れる超高分子量ポリオレフィン製シート及びその製造方法に関する。
超高分子量ポリエチレン等に代表される超高分子量ポリオレフィンの成形体は、汎用の高分子量ポリオレフィンに比べて耐衝撃性、耐磨耗性、低摩擦係数や引張強度等の機械物性及び耐薬品性に優れている。このような特長を生かして、超高分子量ポリオレフィンの成形体は、歯車、プーリー又はスプロケット等の機械部品や、ガイドレール又はホッパータンク内張り材等の各種ライニング等に使用されている。
一方、超高分子量ポリオレフィンは、汎用のポリエチレンと比較して溶融粘度が極めて高く且つ流動性が悪いので、押出成形や射出成形によって成形することが非常に難しく、成形加工が困難であるという欠点がある。そのため、超高分子量ポリエチレンの成形手法としては、一般的には、圧縮成形等が採用されており、その他の一部において、ロッド状の成形品を得るために、ラム押出成形と呼ばれる極めて成形速度の低い条件で成形する手法が採用されている。
また、超高分子量ポリエチレンの用途の1つとしてスキーソール等があり、この種の高い機械物性が要求されるシート材料用途は、超高分子量ポリエチレンが有する特長を生かすものであると考えられる。
近年、この種の用途においては、例えば、スキーソールの底部に描かれた文字や描写図等の意匠性を高める等の目的で、透明性に優れるシートが求められている。しかしながら、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンの結晶性樹脂から得られる成形体は、通常、成形体自身が白色であり、透明性の乏しい白濁した状態にある。すなわち、透明性に関して十分に性能を満たすものが、未だ得られていないのが現状である。
従来、透明性に優れるポリエチレン成形体としては、低密度ポリエチレンを用いたフィルム、シート、パイプ等がこれまでに数多く報告され、高い透明性が達成されている。ところが、低密度ポリエチレンを用いたものは、分子量が超高分子量ポリエチレンに比べると低いので、耐磨耗性や耐衝撃性等の機械物性の点で十分な効果を期待することができない。
一方、密度の低い超高分子量ポリエチレンとしては、一般的に、エチレンとα−オレフィンとを共重合させたものが知られ、例えば、特許文献1において、低密度の超高分子量ポリエチレンが開示されている。ところが、特許文献1に記載の低密度の超高分子量ポリエチレンは、密度に対する結晶化度の割合が比較的に高く、透明性において十分なものではない。
また、同じ透明性を有していても、密度や結晶化度がより高い超高分子量ポリエチレン成形体が望まれる。すなわち、透明性を高めるために密度を下げて結晶化度を低くすると、その成形体の引張降伏強度や引張弾性率、曲げ強度等の機械物性が低下するので好ましくない。
ここで、透明性を改良するために、より多くのα−オレフィン等のコモノマーを共重合させて密度をさらに低下させることは可能である。しかしながら、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応が進み、密度が低下するにつれ、分子量が低下してしまう等の理由から、かかる改良によって、分子量が高く且つ密度の低い超高分子量ポリエチレンを得ることは、非常に困難である。しかも、より多くのα−オレフィン等のコモノマーを共重合させると、不経済であるばかりか、密度の低下とともに剛性等の機械物性が著しく低下する。したがって、かかる手法により、高い透明性と機械物性とを兼ね備えた、十分な性能を得ることはできない。
他方、溶融後に急冷することによって、結晶化度を小さくし透明化する方法が知られている。例えば、特許文献2に、超高分子量ポリエチレンを用いたスキー用被膜材において、成形体を再溶融後に急冷することにより密度を下げたシートの製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の超高分子量ポリエチレンを含むストリップ材料は、元々の成形体の密度が高く、透明性が十分でなかった。また、かかる手法において、さらに急冷することによって密度を下げ透明性を改良するには、技術的な限界がある。しかも、この手法は、後工程において再加熱処理を施して急冷させる等の煩雑な工程を必要とするので、経済的ではない。
また、従来、ポリエチレン材料の伸長手段としては、一般的に、圧延や延伸等の手法が採用されており、例えば、特許文献3乃至5に、摺動性や摩耗性、表面平滑性、低摩擦係数を低減させる目的で、圧延や延伸等する手法が開示されている。さらに、特許文献6には、高密度ポリエチレンを加熱圧縮しその後に再延伸することにより、透明性及び機械的物性を向上させた高密度ポリエチレンシートを作製する製造方法が開示されている。
一方、分子量の低いポリエチレン材料を高度に伸長させる技術は、既にフィルムや糸といった技術領域において実用化されており、その代表例として透明ポリエチレンがある。しかし、低分子量ゆえに機械物性等に関しては超高分子量ポリエチレン成形体ほど、十分に性能を満足するものは得られていなかった。例えば、特許文献7には、圧延により、高強度で透明性に優れるシート状物を作製する製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献7のシート状物は、分子量が低いため耐磨耗性や耐衝撃性といった機械物性が十分ではない。
また、特許文献8には、高密度の超高分子量ポリエチレンを融点以下で延伸倍率4倍から8倍に延伸させた延伸物が開示されている。しかしながら、これらの延伸物は、透明性の乏しい白濁した状態にあり、かかる手法によって、透明な延伸成形体は得られていない。
他方、特許文献9及び10には、ゲル状シートを高延伸倍率で2軸延伸することにより、高強度で透明性に優れるポリエチレン極薄フィルムを作製する製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献9及び10に開示された方法では、ゲル状シートを作製するために脱溶媒処理や、得られる多孔化した不透明な延伸成形物の透明化のための加熱加圧処理等の煩雑な工程が必要となるので、経済的ではない。しかも、特許文献9及び10に開示された方法では、ゲル状シートを高延伸倍率で2軸延伸して数μm〜10数μmオーダーの極薄フィルムを作製するので、数百μmオーダー以上の肉厚で透明性に優れるシートを得ることができない。
また、特許文献11には、超高分子量ポリエチレンを高度に延伸する方法として、可塑剤(流れ改良剤)を用いて2軸延伸する方法が開示されている。しかし、この方法では、可塑剤抽出後に空孔が生じて多孔化し、その多孔性に起因して光の散乱が生じるので、肉厚で透明性に優れるものを得ることができないと推測される。
さらに、特許文献12には、透明性に優れたスキー用ソール材に関する記載があり、透明化を上げる方法として、超高分子量ポリエチレン製シートを一旦溶融させた後、冷水で急冷させることにより、結晶化度を下げる手法が開示されている。しかしながら、かかる手法では、十分な透明性は得られていない。
一方、特許文献13、14には、耐衝撃性が高く、透明性に優れるポリカーボネート製の防護盾が開示されている。しかしながら、これらの防護盾は、耐衝撃性が不十分であった。また、防護用の盾材として軽量化が望まれるところ、ポリカーボネートは密度が高いので、未だ改善の余地があった。
特公平5−86803号公報 特許第3491835号公報 特開2006−001098号公報 特開平11−147246号公報 特開平6−91747号公報 特開平10−323892号公報 特許第2689983号公報 特開平7−164461号公報 特開昭60−228122号公報 特開昭60−255415号公報 特開平6−136150号公報 特許第2141391号公報 特開平2006−150596号公報 特開平2007−010295号公報
上記の通り、超高分子量ポリオレフィンの成形体は、その優れた機械物性から、多岐に亘る数多くの用途が検討されていたが、めまぐるしく変わる産業界の新たな要求、市場の新たな要求に十分に応える、まったく新しい機能を有するものは得られていない。
特に、結晶性樹脂であるポリオレフィンは、透明性や耐熱性(収縮性)といった特性が他の非晶性樹脂とは大きく挙動が異なる。したがって、このような新しい機能を達成できれば、具体的には、比較的肉厚でありながらも透明性、耐熱性及び機械物性に優れる超高分子量ポリオレフィン成形体を実現できれば、新たな用途が広がると期待される。
しかしながら、超高分子量ポリオレフィン重合体は、その分子量の高さゆえに絡み合いが強いので、低分子量ポリオレフィンや高密度ポリオレフィン等とは異なり、素材選定の幅や製造工程の自由度が狭く、肉厚で透明性、耐熱性及び機械物性のそれぞれの機能を具備したものを実現することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、比較的肉厚でありながらも透明性、耐熱性、及び機械物性に優れる超高分子量ポリオレフィン製シートを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる超高分子量ポリオレフィン製シートを、煩雑な工程を必須とせず簡易に製造可能な、生産性に優れる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、原材料の諸物性と加工条件とのバランスを保つことにより、すなわち、特定の超高分子量ポリオレフィンを用いて得た超高分子量ポリオレフィン成形体を、さらに特定の条件において圧延することにより、比較的肉厚でありながらも透明性、耐熱性及び機械物性に格別に優れる超高分子量ポリオレフィン製シートが得られること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(10)を提供する。
<1> 135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上である超高分子量ポリオレフィン重合体を含み、密度が925kg/m3を超える超高分子量オレフィン成形体を、少なくとも一方向に圧延して得られる、厚みが0.3mm以上であり、且つ、該厚み方向における内部ヘイズが50%以下である、超高分子量ポリオレフィン製シート。
<2> 下記式(1)で示される熱収縮率(γ)が10%以下である、<1>に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
γ(%)=100×(L0−L)/L0 ・・・ 式(1)
γ : 熱収縮率
L0 : 超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の初期外径
L : 130℃、30分間の状態調節後の超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の最小半径
<3> 前記超高分子量ポリオレフィン重合体は、エチレンの単独重合体、又は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる、<1>又は<2>に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
<4> 前記超高分子量ポリオレフィン重合体は、前記α−オレフィンの含有量が0.5mol%以下である、<3>に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
<5> 厚さ1mm換算時の厚み方向における内部ヘイズが50%以下である、<1>から<4>のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
<6> 前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、下記式(2)で表される圧延比(χ)で3倍以上に圧延して得られる、<1>から<5>のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
χ=t1/t2 ・・・ 式(2)
t1 :圧延前の厚み(mm)
t2 :圧延後の厚み(mm)
<7> <1>から<6>のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートからなる、スキー・スノーボード用ソール材。
<8> <1>から<6>のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートからなる、防護用盾。
<9> 135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上である超高分子量ポリオレフィン重合体を含み、密度が925kg/m3を超える超高分子量ポリオレフィン成形体を準備する工程と、
前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、該超高分子量ポリオレフィンの融点(Tm)未満、常温以上の温度で、少なくとも一方向に圧延し、厚み0.3mm以上、且つ、該厚み方向における内部ヘイズが50%以下である圧延成形シートを作製する工程と
を有する、超高分子量ポリオレフィン製シートの製造方法。
<10> 前記圧延成形シートを作製する工程においては、前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、下記式(2)で表される圧延比(χ)で3倍以上に圧延する、<9>に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートの製造方法。
χ=t1/t2 ・・・ 式(2)
t1 :圧延前の厚み(mm)
t2 :圧延後の厚み(mm)
本発明の超高分子量ポリオレフィン製シートは、従来に比して肉厚でありながらも透明性、機械物性及び耐熱性に優れるので、高度な機械物性が要求される各種用途や、過酷な使用環境下において使用することができ、しかも透明性を生かして各種物品の意匠性を高めることができる。また、本発明の製造方法は、従来に比して煩雑な工程を必須とせずに簡易且つ低コストで本発明の超高分子量ポリオレフィン製シートを製造できるので、生産性に優れ経済的である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートは、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上である超高分子量ポリオレフィン重合体を含み、密度が925kg/m3を超える超高分子量オレフィン成形体を、少なくとも一方向に圧延させることにより得られる。
すなわち、本実施形態は、特定の超高分子量ポリオレフィン重合体を用いて得た超高分子量ポリオレフィン成形体を、さらに特定の条件において圧延させることにより、透明性に優れるばかりでなく、且つ機械物性や耐熱性に優れる超高分子量ポリオレフィン製シートを得るものである。
(超高分子量ポリオレフィン重合体)
超高分子量ポリオレフィン重合体の具体例としては、例えば、エチレンの単独共重合体、プロピレンの単独共重合体、又は、エチレン或いはプロピレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。ここで、炭素数3〜10のα−オレフィンの具体例としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらのなかでも、超高分子量ポリオレフィン重合体は、経済性等の観点から、エチレンの単独共重合体、又は、エチレンを主体とする上記α−オレフィンとの共重合体が好適に用いられ、とりわけ、エチレンにα−オレフィン等のようなコモノマーを分岐として導入した共重合体が好適に用いられる。
超高分子量ポリオレフィン重合体は、従来公知の方法で製造可能であり、例えば、その原料化合物を、懸濁重合法又は気相重合法等により(共)重合させることによって得ることができる。ここで、懸濁重合法においては、媒体として不活性炭化水素媒体を用いることができ、さらにオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。かかる不活性炭化水素媒体の具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素及びこれらの混合物等を挙げることができる。
上記の通り、超高分子量ポリオレフィン重合体は、従来公知の方法で製造可能であるが、本実施形態においては、このようにして得られるもののなかで、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上のものが用いられる。極限粘度が7dl/g未満のものを用いると、耐磨耗性や耐衝撃性等の機械物性において高い性能が得られ難い傾向にある。かかる極限粘度は、10dl/g以上であることが好ましく、14dl/g以上であることがより好ましい。極限粘度の上限は、特に制限されるものではないが、好ましくは30dl/g未満である。極限粘度が30dl/g以上になると、後述する超高分子量ポリオレフィン成形体を作製する圧縮成形等の工程で、おそらくは分子鎖の絡み合いが強すぎるために、超高分子量ポリオレフィン重合体のパウダー粒子の界面が十分に溶融せず、ボイド等が発生し、白濁する等の不都合が発生すると予想される。また、後述する超高分子量ポリオレフィン成形体を圧延する圧延工程において、おそらくはかかる界面が十分に融着・密着しないこと等により、圧延を十分に行なうことができない等の不都合が発生すると予想される。
また、本実施形態においては、超高分子量ポリオレフィン重合体は、所謂チーグラー触媒等を用いて重合することによって得られるものが特に好ましく用いられる。以下、チーグラー触媒を用いて超高分子量ポリオレフィン重合体を製造する好適例として、エチレンの単独重合体、又はエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体である超高分子量ポリエチレン重合体につき詳述する。
超高分子量ポリエチレン重合体は、例えば、エチレンをチーグラー触媒により単独で重合したり、このようにして得られる所謂ホモポリエチレンと呼ばれる密度の高いものに、さらに炭素数3〜10程度のα−オレフィンを共重合させることによって得ることができる。
ここで、超高分子量ポリエチレン成形体の密度を下げる等の目的で、多量のコモノマー(α−オレフィン)を重合系内で反応させると、使用する溶剤に溶解したり、塊状のポリマーが生成したりする等して、安定的に連続運転し難い場合が生じ得る。また、こうして発生した塊状のポリマーが超高分子量ポリエチレン成形体中に異物として混入し、透明性や機械物性等に影響を及ぼし得る。したがって、超高分子量ポリエチレン重合体中のコモノマー量は、0.5mol%以下であることが好ましく、0.3mol%以下、0.1mol%以下であることがより好ましい。
(超高分子量ポリオレフィン成形体)
本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートを得るためには、上述した特定の超高分子量ポリオレフィン重合体を含む、圧延前の予備成形体である超高分子量ポリオレフィン成形体(以下、「成形シート」ともいう)を準備する必要がある。
かかる超高分子量ポリオレフィン成形体は、例えば、パウダー状の超高分子量ポリオレフィン重合体(原料パウダー)を、一般的な圧縮成形、押出成形(スクリュー押出、ラム押出)又は射出成形等することにより、作製することができる。また、圧縮成形等して得られる一次成形品を、さらにスカイブ等により切削することによっても圧延前の超高分子量ポリオレフィン成形体を得ることができる。
所望の超高分子量ポリオレフィン成形体を得る観点から、ここで用いる超高分子量ポリオレフィン重合体は、その密度が925kg/m3を超えるものであることが好ましい。超高分子量ポリオレフィン重合体の密度は、好ましくは928kg/m3以上であり、より好ましくは930kg/m3以上である。なお、密度の上限値は、特に制限されるものではないが、密度の増加と共に成形体の透明性が低下し得るので、950kg/m3以下であることが好ましい。
また、所望の超高分子量ポリオレフィン成形体を得るためには、原料パウダーの嵩密度は高いことが好ましい。かかる原料パウダーの嵩密度が低いと、原料パウダー間に気泡が多く存在するので、成形金型へ投入し圧縮する際に気泡に含まれる酸素により酸化劣化等が生じ、分子量の低下による機械物性を低下等の現象が発生し得る。また、予備成形体中に気泡が残存して空気散乱体が形成され得るので、透明性に影響を及ぼすことが予想される。したがって、原料パウダーの嵩密度は、0.35g/cc以上であることが好ましく、0.40g/cc以上であることがより好ましい。
なお、原料パウダーの嵩密度は、添加剤、例えば、ステアリン酸カルシウム等の滑剤を添加することにより増大し得ることが一般的に知られている。一方、原料パウダーに添加剤を含ませると、成形時の熱融着性が悪化したり、添加剤が成形品表面にブリードして表面が汚染されたりする等の不都合が発生し得ることが一般的に知られている。以上のことから、添加剤が存在しない状態で原料パウダーの嵩密度を高めることが好ましい。
上記の様にして作製される超高分子量ポリオレフィン成形体の形状は、任意の形状を採用することができ、特に限定されるものではないが、成形容易性の観点からシート状のものが好ましい。
(超高分子量ポリオレフィン製シート)
前記のように予め作製した特定の超高分子量ポリオレフィン成形体に、圧延等の2次加工を施すことによって、本実施形態の透明性及び機械物性に優れる超高分子量ポリオレフィン製シート(以下、「圧延成形シート」ともいう)が得られる。具体的には、例えば、予め余熱されたシート状の超高分子量ポリオレフィン成形体をロール圧延等により厚み0.3mm以上に圧延することで、かかる超高分子量ポリオレフィン製シートが得られる。
より均一な透明性を工業的な連続生産にて発現させる観点から、超高分子量ポリオレフィン成形体を圧延して超高分子量ポリオレフィン製シートを作製することが好ましい。圧延処理は、公知の手法に基づいて実施可能であり、例えば、ロール圧延法によりヒーターや熱風により加熱しながら圧延する方法等を採用することができる。
また、本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートは、シート面内の少なくとも1方向に圧延されたものであり、例えば、1軸方向又は2軸方向に圧延されたものの他、方向異方性なくシート面内に等方的に圧延されたものが含まれる。さらに、圧延前の超高分子量ポリオレフィン成形体から圧延工程に移る作業は、連続して行っても、非連続で行ってもかまわない。
ここで、目的とする超高分子量ポリオレフィン製シートを得るためには、密度が925kg/m3を超える超高分子量ポリオレフィン成形体が必要とされる。かかる密度が925kg/m3以下であると、耐熱性が低下し、高温等の使用環境下において収縮が発生する等、寸法安定性が低下する傾向にある。超高分子量ポリオレフィン成形体の密度は、928kg/m3以上がより好ましく、930kg/m3以上がさらに好ましい。密度の上限値は、特に制限されるものではないが、密度の増加と共に成形体の透明性が低下し得るので、950kg/m3以下であることが好ましい。
なお、パーオキサイド等を用いて架橋させることにより、超高分子量ポリオレフィン成形体の分子量(極限粘度)・密度を調整することも可能である。しかしながら、架橋が不均一に起こると局所的に機械物性が低下したり、結晶化度が異なるために透明性が低下したりする等の不都合が生じ得るので、均一性の観点から、原料側で分子量(極限粘度)・密度を調整することが好ましい。
一方、圧延時の温度が超高分子量ポリオレフィン成形体の融点よりも高いと、溶融後(圧延後)に再結晶化が起こり、得られる圧延成形シートの透明性を低下させる傾向にある。すなわち、ここで行なう圧延処理は、超高分子量ポリオレフィン成形体内部に存在する、光を散乱させる結晶体、即ちラメラ構造を、圧延により光の波長以下のサイズまで破壊することにより、透明性を高めることを目的の1つとしているが、溶融させた状態で超高分子量ポリオレフィン成形体を圧延すると、圧延後の再結晶化時に再生成するラメラ構造によって透明性が損なわれ得る。実際、超高分子量ポリオレフィン成形体を溶融して圧延すると、透明性に優れる圧延成形シートを得ることが困難な場合がある。これらの不都合を予め回避すべく、原料パウダーを融点以下で加工することにより、ラメラ構造を有しない超高分子量ポリオレフィン成形体を得ることも可能であるが、この場合は、得られる超高分子量ポリオレフィン成形体が粒子界面の密着強度の低い焼結体や圧縮体等となり易いので、圧延を十分に行なうことが困難な場合が生ずると推察される。
以上のことから、透明性に優れる圧延成形シートを得るためには、原料パウダー等を一旦溶融して圧縮成形、押出成形又は射出成形等して得た超高分子量ポリオレフィン成形体を、融点以下の温度で圧延することが好ましい。より具体的には、圧延するシートの温度は、示差走査型熱量計(DSC)にて観測される、超高分子量ポリオレフィン成形体が溶融し始める開始温度から、融解時に測定される発熱量(ΔH)の全面積の25%以下、より好ましくは20%以下となる面積比に達する温度の範囲内であることが好ましい。超高分子量ポリオレフィン成形体の溶融開始温度未満で圧延を行なうと、圧延前の超高分子量ポリオレフィン成形体の剛性が高く圧縮し難い傾向にある上、また、圧延ロールに対してスリップが生じ易くなり圧延することが困難になる傾向にある。一方、融解時に測定される発熱量(ΔH)の全面積の25%を超える面積比に達する温度よりも高い温度で圧延を行なうと、圧延後の冷却過程において、部分的に溶解した成分の再結晶化が生じて、透明性が低下する傾向にある。
また圧延時の圧延比(χ)は、下記式(2)で示され、3倍以上であることが好ましく、より好ましくは4倍以上、さらに好ましくは5倍以上、特に好ましくは6倍以上である。
χ=t1/t2 ・・・ 式(2)
t1:圧延前の厚み(mm)
t2:圧延後の厚み(mm)
圧延比(χ)が3倍未満であると、十分な透明性を得ることができない場合がある。かかる圧延比(χ)の上限は、特に制限されるものではないが、成形性の観点から、好ましくは20倍以下であり、より好ましくは15倍以下、さらに好ましくは10倍以下である。
かくして得られる本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートは、厚み0.3mm以上と比較的肉厚であるにも拘らず、従来に比して、非常に高い透明性を有するとともに耐熱性に優れ、機械物性にも優れるものとなる。
超高分子量ポリオレフィン製シートの厚みは、0.3mm以上であり、好ましくは0.4mm以上10.0mm以下であり、さらに好ましくは0.7mm以上5.0mm以下であり、特に好ましくは0.8mm以上2mm以下である。厚み0.3mm未満の場合は、高い透明性が求められるフィルム用途等において有用ではあるものの、機械物性に優れることが求められる成形シート用途においては、機械強度の絶対値が不足したり、自重により形状を保持できない等、実用面で不都合が生じ得る。
超高分子量ポリオレフィン製シートの厚み方向における内部ヘイズの値は、透明性の観点から、50%以下であることが要求され、好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下である。厚み方向における内部ヘイズが50%より大きい場合は、十分に高い透明性を有しているとは言えず、実用上の用途が制限され得る。厚み方向における内部ヘイズが20%以下になると、目視では白濁が感じられず、見た目において略透明な状態となる。
なお、本明細書において、超高分子量ポリオレフィン製シートの厚み方向における内部ヘイズは、JIS−K7136に準拠して測定した値とする。ここで、ヘイズは超高分子量ポリオレフィン製シートの表面のキズや表面粗さにより影響を受け得るので、本明細書においては、外部ヘイズの影響を抑制すべく、水やアルコール類等に浸漬した条件下で内部ヘイズの測定を実施した。
また、超高分子量ポリオレフィン製シートは、1mm厚における厚み方向の内部ヘイズが50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下である。
ここで、1mm厚における厚み方向の内部ヘイズの値は、1mm厚の超高分子量ポリオレフィン製シートを用いて測定すればよいが、1mm厚でない超高分子量ポリオレフィン製シートについては、以下のように取り扱った。
経験上、超高分子量ポリオレフィン製シートのヘイズの値と厚みの関係は、(ヘイズHt;%)=a×t(シート厚み;mm)+bの関係式により定義可能であり、a及びbはシート密度と関連があり、しかも、超高分子量ポリオレフィン製シートの厚み2mm付近を境に、ヘイズの厚み依存性が異なることが見出されている。
すなわち、厚み2mm以下の超高分子量ポリオレフィン製シートの場合、上記ヘイズの厚み依存性の関係式における傾きaは、a=309×d(密度:g/cm3)−264により求めることができる。したがって、得られたパラメータaと測定対象の超高分子量ポリオレフィン製シートの既知の厚みt(mm)及びヘイズの値Ht(%)とを上記の関係式に挿入することにより、パラメータbを算出できる。このようにして完成した関係式から、t=1の場合である厚み1mmにおけるヘイズの値が外挿される。
一方、超高分子量ポリオレフィン製シートの厚みが2mmを超える場合は、上記ヘイズの厚み依存性の関係式における傾きaは、a=−640×d(密度:g/cm3)+600により求めることができる。したがって、上記と同様に、得られたパラメータaと測定対象の超高分子量ポリオレフィン製シートの既知の厚みt(mm)及びヘイズの値Ht(%)とを上記の関係式に挿入することにより、パラメータbを算出でき、完成した関係式から、t=1の場合である厚み1mmにおけるヘイズの値が外挿される。
上記の経験式は、超高分子量ポリオレフィン製シートの厚みによらずにヘイズを算定するために、本発明者が鋭意検討した結果、ヘイズの値がある特定の厚みを境に挙動が異なること、さらに、ヘイズの厚み依存性を示す相関式が成形体密度に依存することを見出し、完成するに至ったものである。かかる経験式は、特定の厚みに換算したときの超高分子量ポリオレフィン製シートのヘイズを決める上で、重要な指標となるパラメータとなる。
なお、2mm以下の超高分子量ポリオレフィン製シートにおけるヘイズの厚み依存性の傾きaは、2mm以上の超高分子量ポリオレフィン製シートにおけるヘイズの厚み依存性の傾きaよりも大きい傾向を示す。また、密度の高い超高分子量ポリオレフィン製シートは、厚みが2mm以下のものであっても、ヘイズ実測において80%以上を示すものが多く、2mm以下のヘイズと厚みの関係式で2mmの厚みのヘイズを外挿すると100%を超えてしまう場合がある。この場合は、超高分子量ポリオレフィン製シートの厚みが2mm以下であっても、2mm以上のヘイズの厚み依存性関係式で外挿したものがより実際に近い値となる。
また、超高分子量ポリオレフィン製シートの全光線透過率(T;%)は、80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。透明性を示す指標である内部へイズと全光線透過率は、透明性を有する試料であれば、内部ヘイズの値は小さな数値となり、全光線透過率の値は大きな数値を示す傾向にあるが、必ずしも一定の相関式に当てはまるものではない。超高分子量ポリオレフィン製シートの内部ヘイズは50%以下、全光線透過率は80%以上であることが好ましい。
さらに、超高分子量ポリオレフィン製シートは、下記式(1)で示される熱収縮率(γ)が、圧延したMD方向及びこれに直交するTD方向(MD及びTD方向は、シート面内において直交する2方向である。)のいずれかにおいて10%未満であることが好ましい。かかる熱収縮率(γ)は、超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)を130℃、30分乾燥機中で状態調節(放置保管)した後に常温で30分放冷させ、この状態調節前後の寸法変化に基づいて算出される。
γ(%)=100×(L0−L)/L0 ・・・ 式(1)
γ : 熱収縮率
L0 : 超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の初期外径
L : 130℃、30分間の状態調節後の超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の最小半径
圧延処理が施された圧延シートは、高温環境下において熱収縮が生じ得る。また、融点以上の環境下においては、シート内部の歪が開放されるのみならず、圧延シートの融解後に生ずる再結晶化の過程において、圧延により得られた透明性が消失する場合がある。したがって、超高分子量ポリオレフィン製シートは、130℃の環境下において、熱収縮率(γ)が10%以下で、且つ透明性(内部ヘイズ)が50%以下であることが好ましい。
また、超高分子量ポリオレフィン製シートの形状は熱収縮により変化し得るが、熱収縮率が10%以下であれば透明性の大きな変化は観察されないことが多い。したがって、超高分子量ポリオレフィン製シートの熱収縮は、10%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
なお、本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートは、単層で用いることができ、また、他のフィルムやシート等を積層し、或いは、コーティング材料等を塗布して用いることもできる。
本実施形態の超高分子量ポリオレフィン製シートは、比較的に肉厚であるにもかかわらず、透明性に優れ、ポリカーボネート樹脂等に比して軽量且つ耐衝撃性に優れるので、その特性を生かして、例えば、スライディングテープ、スラストワッシャ−、滑りシート、ガイド、スキー、スノーボード等の裏張り及び表面被覆材;ホッパー及びシュート等のライニング材;食品材料等の輸送管・シート;防護用盾、防舷材、ロール、パイプ、鋼管等の被覆材;電気絶縁材料;農業用ハウスの農業用資材や農作用機器のプロペラ等の農機具部材;航空用窓材等に好適に使用することができる。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに特に限定されるものではない。
実施例及び比較例において、極限粘度、α−オレフィン含有量、嵩密度、融点、厚み、密度、圧延比、熱収縮率、内部ヘイズ、全光線透過率及び引張特性の測定は、以下の方法で各々行った。
<極限粘度>
20mlのデカリンにポリマー20mgを入れ、150℃、2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の高温糟で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。なお、ブランクとしてポリマーを入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。そして、以下の式にしたがい、ポリマーの比粘度(ηsp/C)をプロットし、濃度0に外挿した極限粘度(η)を求めた。
ηsp/C = (ts/tb−1)/0.1
<α−オレフィン含有量>
α−オレフィンの含有量(mol%)の測定は、G.J.Ray等のMacromolecules、10,773(1977)に開示された方法に準じて行ない、13C−NMRスペクトルにより観測されるメチレン炭素のシグナルを用いて、その面積強度よりα−オレフィンの含有量を算出した。使用した機器は、日本電子製Lambda−400であった。使用した溶媒はo−オルトジクロロベンゼン−d4であり、測定温度は140℃、観測周波数は100MHz(13C)、パルス幅45°(7.5μsec)、積算回数は10,000回であった。測定基準はPE(−eee−)シグナルであり、29.9ppmとした。
<嵩密度>
超高分子量ポリエチレン重合体パウダーの嵩密度は、JIS K−6722−1995に準拠して測定した。
<融点>
パウダー状の超高分子量ポリエチレン重合体サンプル約8mgをアルミパンに入れて封入し、50℃から180℃まで10℃/minで昇温させ、5分間状態を保った後、10℃/minの降温速度で50℃まで降温させ、再び10℃/minで180℃まで昇温させた。このときの融解に伴う吸熱ピークの温度を、融点として測定した。
<厚み>
各実施例及び各比較例の超高分子量ポリオレフィン成形体、各実施例の超高分子量ポリオレフィン製シート、並びに、各比較例の最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)の厚みは、ミツトヨ製マイクロメーター(395−541:BMD−25DM)を用いて測定した。なお、厚みは、小数点以下第3位まで測定し、小数点第3位を四捨五入した値とした。
<密度>
ASTM D 1505にしたがって測定した。なお、超高分子量ポリオレフィン重合体(原料)の密度の測定においては、後述するプレスシートから切り出して得た切片を、120℃で1時間アニーリングし、その後25℃で1時間冷却したものを、試験片として使用した。また、各実施例の超高分子量ポリオレフィン成形体及び超高分子量ポリオレフィン製シート、並びに、各比較例成形シート及び最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)の密度の測定においては、各々のシートから切り出して得た切片を、120℃で1時間アニーリングし、その後25℃で1時間冷却したものを、試験片として使用した。
密度の測定において使用するプレスシートは、縦200mm、横200mm、厚み4mmの金型を用い、ISO11542−2(JIS K6936−2:1999)に準拠して、以下の条件で超高分子量ポリオレフィン重合体(原料)をプレスすることにより作製した。
まず、厚さ5mmの平滑な鉄板上に厚さ0.1mmのアルミニウム板を載せ、さらに厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラー、PETフィルム、東レ株式会社製)を載せた。このPETフィルム上に、上記の縦200mm、横200mm、厚み4mmの金型を載せ、この金型内に、それぞれ所定量の超高分子量ポリエチレン重合体(粉末)を入れ、この粉末上に前述のポリエチレンテレフタレートフィルムを載せ、さらに前述のアルミニウム板を載せ、さらに前述の鉄板を載せた。
そして、上記の金型を、210℃に温度調節された圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製 SFA−37)に入れ、210℃で300秒間加熱後、エアー抜きを行ない、100K/Gで30分の加圧を行った。加圧終了後、サンプルを取り出し、取り出してから5秒後に25℃に温度調節された圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製 SFA−37)に入れ、25℃で100K/Gにて600秒間加圧しながら15±2℃/分の冷却速度で冷却した。冷却速度は金型を厚紙で挟むことにより調節した。冷却後に金型からサンプルを取り出すことで、目的とするプレスシートを得た。
<圧延比>
各実施例及び各比較例の超高分子量ポリオレフィン成形体の厚み方向の寸法を圧延前/圧延後で測定し、上記式(2)に基づいて、圧延前の厚みを圧延後の厚みで除して圧延比を算出した。なお、圧延後の寸法測定は、圧延工程後に室温で30分放置させた後に行った。
<熱収縮率>
各実施例の超高分子量ポリオレフィン製シート及び各比較例の最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)から、45mmφの円形シート状のサンプルを打ち抜きし、この円形シート状サンプルを、温度130℃に保持した恒温乾燥機に30分間入れた後、室温にて30分間放冷し、状態調節を行った。この状態調節前後の寸法を測定し、上記式(1)に基づいて熱収縮率を算出した。ここでは、圧延方向による熱収縮率の方向異方性の影響を均一化するために、円形シート状サンプルによる測定を行った。
<内部ヘイズ>
内部ヘイズは、各実施例の超高分子量ポリオレフィン製シート及び各比較例の最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)を試験片として用いて、JIS−K7136に準拠して測定した。ここでは、外部ヘイズの影響を抑制すべく、石英ガラス製ホルダーに和光純薬製特級エタノールを充填し、この中に試験片を入れて内部ヘイズを測定した。測定機器は、日本電色工業株式会社 ヘーズメーターNDH2000を用いた。
<全光線透過率>
全光線透過率Tは、各実施例の超高分子量ポリオレフィン製シート及び各比較例の最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)を試験片として用いて、JIS−K7316−1に準拠して測定した。測定機器は日本電色工業株式会社 ヘーズメーターNDH2000を用いた。
<引張特性>
各実施例の超高分子量ポリオレフィン製シート及び各比較例の最終加工品(成形シート又は圧延成形シート)を打ち抜いて、JIS K7113に記載のJIS 2号ダンベル試験片を作製した。得られたダンベル試験片を用いて、引張速度50mm/分、温度23℃の条件下において引張試験を行ない、引張降伏強度及び引張破断伸びを測定した。また引張試験においては引張最大応力を指標とした。
なお、各実施例及び各比較例においては、超高分子量ポリオレフィン重合体として、旭化成ケミカルズ株式会社製サンファインTM UH900(超高分子量ポリエチレン重合体、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度〔η〕;15.5dl/g、密度;940kg/m3)、及び、旭化成ケミカルズ株式会社製サンファインTM UL901(超高分子量ポリエチレン重合体、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度〔η〕;16.9dl/g、密度;919kg/m3)を用いた(表1参照)。
[実施例1]
<超高分子量ポリオレフィン成形体の作製>
まず、外径600mmφ、内径90mmφの中空ドーナツ状の金型内に、厚みが最終的に130mm程度になるように、超高分子量ポリエチレン重合体(サンファインTM UH900)を投入し、約100K/Gで30分内部のエアーを逃がし、その後、圧力を約90K/G前後、約140〜150℃の条件下で13時間加熱を行った。さらに、圧力を約90K/Gに保ったまま、約7時間冷却を行った。そして、金型から取り出した円柱状(中空ドーナツ状)の肉厚成形品を48時間室温にて放置し、内部の熱をさらに徐熱することにより冷却させた。このようにして得られた円柱状(中空ドーナツ状)の肉厚成形品をスカイブマシーンに固定し、表1に記載の厚みにスカイブして、実施例1の超高分子量ポリオレフィン成形体(スカイブシート)を作製した。この実施例1の超高分子量ポリオレフィン成形体の密度は、944kg/m3であった。
<超高分子量ポリオレフィン製シートの作製>
実施例1の超高分子量ポリオレフィン成形体を、槽内で5分から10分間滞留するように、160℃から170℃の予備加熱槽に連続で通過させ、圧延ロール直前の温度が115℃から125℃となるように状態調節を行った。状態調節前の実施例1の超高分子量ポリオレフィン成形体の厚みは、3.90mmであった。
次に、状態調節後の実施例1の超高分子量ポリオレフィン成形体を連続で、ロール径300mmφ、ロール長400mm、ギャップ0.6mmの圧延ロール機を用いて、ロール温度130℃及びロール回転数2.0m/分の条件で通過させて圧延した後、常温で24時間放置して冷却することにより、実施例1の超高分子量ポリエチレン製シートを作製した。
得られた実施例1の超高分子量ポリエチレン製シートの厚みは、0.78mmであった。このシートの厚み方向の内部ヘイズは13.2%であり、全光線透過率Tは93.6%であった。また、このシートの圧延比は5.0倍であり、熱収縮率は3.4%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[実施例2]
圧延処理時のギャップを0.8mmにすること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例2の超高分子量ポリエチレン成形体及び超高分子量ポリエチレン製シートを作製した。
得られた実施例2の超高分子量ポリエチレン製シートの厚みは0.96mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは24.9%であり、全光線透過率Tは89.5%であった。また、このシートの圧延比は4.1倍であり、熱収縮率は4.0%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[比較例1]
実施例1の肉厚成形品を表1に記載の厚みにスカイブして、比較例1の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート;最終加工品)を作製した。
得られた比較例1のスカイブシートの厚みは0.97mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは98.5%であり、全光線透過率Tは65.5%であった。また、このシートの熱収縮率は0.9%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[比較例2]
実施例1の肉厚成形品を表1に記載の厚みにスカイブして、比較例2の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート;最終加工品)を作製した。
得られた比較例2のスカイブシートの厚みは0.49mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは84.1%であり、全光線透過率Tは58.2%であった。また、このシートの熱収縮率は0.4%であった。表1にその他の評価結果を併せて示す。
[比較例3]
圧延処理時のギャップを1.2mmにすること以外は、実施例1と同様に処理して、比較例3の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート)及び圧延成形シート(最終加工品)を作製した。
得られた比較例3の圧延成形シートの厚みは1.41mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは61.4%であり、全光線透過率Tは64.5%であった。また、このシートの圧延比は2.8倍であり、熱収縮率は20.4%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[比較例4]
サンファインTM UH900の代わりにサンファインTM UL901を用いて肉厚成形品を作製し、この肉厚成形品を表1に記載の厚みにスカイブすること以外は、実施例1と同様に処理して、比較例4の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート;最終加工品)を作製した。比較例4のスカイブシートの密度は、924kg/m3であった。
得られた比較例4のスカイブシートの厚みは0.97mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは66.1%であり、全光線透過率Tは69.6%であった。また、このシートの熱収縮率は1.4%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[比較例5]
比較例4の肉厚成形品を表1に記載の厚みにスカイブして、比較例5の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート;最終加工品)を作製した。
得られた比較例5のスカイブシートの厚みは0.50mmであった。このシートの厚み方向の内部へイズは53.9%であり、全光線透過率Tは82.5%であった。また、このシートの熱収縮率は2.4%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
[比較例6]
比較例4の肉厚成形品を表1に記載の厚みにスカイブして、比較例6の超高分子量ポリエチレン成形体(スカイブシート)を作製し、この比較例6のスカイブシートを、槽内で10分から20分間滞留するように、120℃から130℃の予備加熱槽に連続で通過させ、圧延ロール直前の温度が105℃から115℃となるように状態調節を行った。状態調節後の比較例6のスカイブシートの厚みは、3.90mmであった。
次に、状態調節後の比較例6のスカイブシートを、ロール径300mmφ、ロール長400mm、ギャップ0.8mmの圧延ロール機を用いて、ロール温度120℃及びロール回転数1.0m/分の条件で通過させて圧延した後、常温で24時間放置して冷却することにより、比較例6の圧延成形シート(最終加工品)を作製した。
得られた比較例6の圧延成形シートの厚みは、1.21mmであった。このシートの厚み方向の内部ヘイズは4.5%であり、全光線透過率Tは87.0%であった。また、このシートの圧延比は3.2倍であり、熱収縮率は67.2%であった。表1に、その他の評価結果を併せて示す。
Figure 0005302534
本発明の超高分子量ポリオレフィン製シート及び製造方法は、その特性を生かし、従来存在しなかった新たな機能性材料として各種用途に利用することができ、例えば、スライディングテープ、スラストワッシャ−、滑りシート、ガイド、スキー、スノーボード等の裏張り及び表面被覆材;ホッパー及びシュート等のライニング材;食品材料等の輸送管・シート;防護用盾、防舷材、ロール、パイプ、鋼管等の被覆材;電気絶縁材料;農業用ハウスの農業用資材や農作用機器のプロペラ等の農機具部材;航空用窓材等の分野において好適に利用可能である。

Claims (11)

  1. 135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上である超高分子量ポリオレフィン重合体を含み、密度が925kg/m3を超える超高分子量ポリオレフィン成形体を、融点以下の温度で少なくとも一方向に圧延して得られる、厚みが0.3mm以上であり、且つ、該厚み方向における内部ヘイズが50%以下であり、全光線透過率が89.5%以上である、超高分子量ポリオレフィン製シート。
  2. 下記式(1)で示される熱収縮率(γ)が10%以下である、請求項1に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
    γ(%)=100×(L0−L)/L0 ・・・ 式(1)
    γ : 熱収縮率
    L0 : 超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の初期外径
    L : 130℃、30分間の状態調節後の超高分子量ポリオレフィン製シート(45mmφの円形シート状サンプル)の最小半径
  3. 前記超高分子量ポリオレフィン重合体は、エチレンの単独重合体、又は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる、請求項1又は2に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
  4. 前記超高分子量ポリオレフィン重合体は、前記α−オレフィンの含有量が0.5mol%以下である、請求項3に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
  5. 厚さ1mm換算時の厚み方向における内部ヘイズが50%以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
  6. 前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、下記式(2)で表される圧延比(χ)で3倍以上に圧延して得られる、請求項1から5のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シート。
    χ=t1/t2 ・・・ 式(2)
    t1 :圧延前の厚み(mm)
    t2 :圧延後の厚み(mm)
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートからなる、
    スキー・スノーボード用ソール材。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートからなる、
    防護用盾。
  9. 135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度が7dl/g以上である超高分子量ポリオレフィン重合体を含み、密度が925kg/m3を超える超高分子量ポリオレフィン成形体を準備する工程と、
    前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、該超高分子量ポリオレフィンの融点(Tm)未満、常温以上の温度で、少なくとも一方向に圧延し、厚み0.3mm以上、且つ、該厚み方向における内部ヘイズが50%以下であり、全光線透過率が89.5%以上である圧延成形シートを作製する工程と
    を有する、超高分子量ポリオレフィン製シートの製造方法。
  10. 前記圧延成形シートを作製する工程においては、前記超高分子量ポリオレフィン成形体を、下記式(2)で表される圧延比(χ)で3倍以上に圧延する、請求項9に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートの製造方法。
    χ=t1/t2 ・・・ 式(2)
    t1 :圧延前の厚み(mm)
    t2 :圧延後の厚み(mm)
  11. 前記圧延成形シートを作製する工程においては、115℃から125℃となるように状態調節を行った前記超高分子量ポリオレフィン成形体を用いる、請求項9又は10に記載の超高分子量ポリオレフィン製シートの製造方法。
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