JP2023108874A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法及び発泡粒子成形体の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法及び発泡粒子成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡粒子の充填性に優れ、黒色度が高く、色むらが目立ちにくい良好な発泡粒子成形体を成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、及び該発泡粒子を用いた発泡粒子成形体の製造方法を提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法は、分散工程、一段発泡工程及び二段発泡工程を有している。分散工程では、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して所定の割合のカーボンブラックが配合された芯層と、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して所定の割合のカーボンブラックが配合され、芯層を被覆する被覆層と、を備えた樹脂粒子を分散媒に分散させる。一段発泡工程では樹脂粒子の芯層を発泡させて嵩倍率5~25倍の一段発泡粒子を得る。二段発泡工程では一段発泡粒子をさらに発泡させて発泡粒子を得る。一段発泡粒子の嵩倍率M1に対する発泡粒子の嵩倍率M2の比M2/M1が1.2~3.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法及び発泡粒子成形体の製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる発泡粒子成形体は、軽量で、緩衝性、剛性等に優れるため種々の用途に用いられている。発泡粒子成形体は、例えば、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形型内に充填した後、成形型内にスチーム等の加熱媒体を供給して加熱する、型内成形法と呼ばれる方法により製造される。型内成形法において成形型内に加熱媒体を供給すると、発泡粒子が二次発泡すると共にその表面が溶融する。これにより、成形型内の発泡粒子が相互に融着し、成形型のキャビティの形状に対応する形状を備えた成形体を得ることができる。成形直後の成形体は、二次発泡により膨らみやすいため、成形型内で水や空気等で冷却された後に成形型から離型される。
発泡粒子成形体の製造に用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、密閉容器中で分散媒中に分散させたポリプロピレン系樹脂粒子に無機物理発泡剤を含浸させた後、樹脂粒子を分散媒と共に密閉容器から密閉容器よりも低圧の環境下に放出する方法により製造されることが多い。なお、このような発泡方法はダイレクト発泡法と呼ばれることがある。
例えば特許文献1には、着色顔料が添加されたポリプロピレン系樹脂着色粒子をダイレクト発泡法により発泡させて発泡粒子を作製した後、この発泡粒子を型内成形することによりポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体を作製する方法が記載されている。ポリプロピレン系樹脂着色粒子に添加される着色顔料としては、成形体に高級感を与える観点から、カーボンブラックが使用されることがある。
特開平7-300537号公報
近年、発泡粒子成形体の用途が拡大しており、黒色度がより高いものや、色むらがより少ないものが求められることがある。特許文献1の方法では、黒色度が低下したり、色むらが生じたりするため、黒色度や色むらに改善の余地があった。また、黒色度や色むらを改善するために、カーボンブラックの配合量を増加させると、融着性の観点から良好な発泡粒子成形体を得るために、成形温度を高くする必要性が生じたり、冷却時間が長くなって生産性が悪くなることがあった。
また、特許文献1の方法では、成形型内への発泡粒子の充填性に改善の余地があり、カーボンブラックの配合量を増加させた場合や、得ようとする発泡粒子成形体の形状や成形条件によっては、成形型内への発泡粒子の充填が不十分となり、発泡粒子成形体の表面性の悪化を招くことがあった。また、より軽量な発泡粒子成形体を得るため、嵩倍率の大きな発泡粒子を用いて型内成形する場合には、上述した黒色度の問題や、充填性の問題がより顕著であった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、発泡粒子の充填性に優れ、黒色度が高く、色むらが目立ちにくい良好な発泡粒子成形体を成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、及び該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いた発泡粒子成形体の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが配合された芯層と、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とし、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが配合され、前記芯層を被覆する被覆層と、を備えたポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒に分散させる分散工程と、
密閉容器内において前記分散媒中の前記ポリプロピレン系樹脂粒子に無機物理発泡剤を含浸させた後、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を前記分散媒とともに前記密閉容器から前記密閉容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することにより、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の前記芯層を発泡させて嵩倍率5倍以上25倍以下の一段発泡粒子を得る一段発泡工程と、
前記一段発泡粒子の気泡内の圧力を上昇させた後、前記一段発泡粒子を加熱することにより前記一段発泡粒子をさらに発泡させてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る二段発泡工程と、を含み、
前記一段発泡粒子の嵩倍率Mに対する前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩倍率Mの比M/Mが1.2以上3.0以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法にある。
本発明の他の態様は、前記の態様のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法により得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形型内に充填した後、前記成形型内に加熱媒体を供給して型内成形を行うことにより発泡粒子成形体を作製する、発泡粒子成形体の製造方法にある。
前記の態様によれば、発泡粒子の充填性に優れ、黒色度が高く、色むらが目立ちにくい良好な発泡粒子成形体を成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する方法、及び該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いた発泡粒子成形体の製造方法を提供することができる。
図1は、高温ピーク熱量の算出方法を示す説明図である。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法)
前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(以下、「発泡粒子」または「二段発泡粒子」という。)の製造方法は、前述したように、分散媒に前記特定のポリプロピレン系樹脂粒子(以下、「樹脂粒子」という。)を分散させる分散工程と、前記樹脂粒子の芯層を嵩倍率Mが5倍以上25倍以下となるように発泡させて一段発泡粒子を得る一段発泡工程と、前記一段発泡粒子を、前記一段発泡粒子の嵩倍率Mに対する二段発泡粒子の嵩倍率Mの比M/Mが1.2以上3.0以下となるように発泡させて前記二段発泡粒子を得る二段発泡工程と、を有している。このように、前記特定のポリプロピレン系樹脂粒子を二段階で発泡させることにより、高い黒色度を有し、色調のばらつきが小さく、充填性に優れた発泡粒子を容易に得ることができる。さらに、このようにして得られた発泡粒子によれば、軽量で、表面性に優れるとともに、黒色度が高く、色むらの目立たない発泡粒子成形体(以下、「成形体」という。)を容易に得ることができる。
前記製造方法では、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする芯層と、該芯層を被覆する被覆層とを備え、芯層及び被覆層に黒色の着色剤としてカーボンブラックが所定量配合された樹脂粒子が用いられる。樹脂粒子が被覆層を有していない場合、発泡粒子を低い成形温度で成形することが困難になるおそれがある。また、この場合には、発泡粒子の充填性が低下し、成形条件等によっては発泡粒子成形体の表面性が低下するおそれがある。
芯層におけるカーボンブラックの配合量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満である。また、被覆層におけるカーボンブラックの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満である。
芯層へのカーボンブラックの配合量が少なすぎる場合には、発泡粒子を用いて得られる発泡粒子成形体の黒色度の低下や色調のばらつきの増大を招くおそれがある。芯層へのカーボンブラックの配合量をポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは2.0質量部以上とすることにより、所望の色調を備えた発泡粒子成形体を成形可能な発泡粒子を容易に得ることができる。
一方、芯層へのカーボンブラックの配合量が多すぎる場合には、発泡粒子を低い成形温度で成形することが困難になるおそれがある。また、この場合には、成形体を成形型内で冷却する際の所要時間が長くなるおそれがある。芯層へのカーボンブラックの配合量をポリプロピレン系樹脂100質量部に対して5.0質量部未満、好ましくは4.5質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、さらに好ましくは3.5質量部以下とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
また、被覆層へのカーボンブラックの配合量が少なすぎる場合には、発泡粒子を用いて得られる発泡粒子成形体の黒色度の低下や色調のばらつきの増大を招くおそれがある。また、この場合には発泡粒子の充填性の低下を招くおそれがある。被覆層へのカーボンブラックの配合量をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは2.0質量部以上とすることにより、所望の色調を備えた発泡粒子成形体を成形することができ、充填性に優れた発泡粒子を容易に得ることができる。
一方、被覆層へのカーボンブラックの配合量が多すぎる場合には、発泡粒子を低い成形温度で成形することが困難になるおそれがある。また、この場合には、発泡粒子の充填性の低下を招くおそれがある。被覆層へのカーボンブラックの配合量をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して5.0質量部未満、好ましくは4.5質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、さらに好ましくは3.5質量部以下とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
より少ないカーボンブラックの配合量で高い黒色度を有し、色調のばらつきの少ない発泡粒子を容易に得る観点及び発泡粒子の充填性をより高める観点からは、カーボンブラックが被覆層を構成する樹脂成分全体に均一に分散していることが好ましい。
また、被覆層へのカーボンブラックの配合量と、芯層へのカーボンブラックの配合量とは同程度であることが好ましい。より具体的には、芯層へのカーボンブラックの配合量に対する被覆層へのカーボンブラックの配合量の質量比は、0.8以上1.2以下であることが好ましく、0.9以上1.1以下であることが好ましく、1であること、つまり、芯層へのカーボンブラックの配合量と被覆層へのカーボンブラックの配合量とが等しいことが最も好ましい。芯層へのカーボンブラックの配合量と被覆層へのカーボンブラックの配合量との差を小さくすることにより、発泡粒子の黒色度をより高めるとともに、色調のばらつきをより低減することができる。
前記発泡粒子の芯層及び被覆層に配合されるカーボンブラックは、黒色の着色剤であり、前記したように、比較的少ない配合量でその効果を奏することができる点で、たとえば導電性カーボンブラック等とは異なる材料である。さらに、被覆層におけるカーボンブラックの配合量をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満とすることにより、良好な成形性を有しつつ、発泡粒子の充填性を高める効果を得ることができる。
前記カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等を使用することができる。ポリプロピレン系樹脂への分散性と材料コストとのバランスに優れるという観点から、カーボンブラックとしてはファーネスブラックが好ましい。
前記カーボンブラックのジブチルフタレート(つまり、DBP)吸収量は、150mL/100g未満であることが好ましく、140mL/100g以下であることがより好ましく、130mL/100g以下であることがさらに好ましく、120mL/100g以下であることが特に好ましく、110mL/100g以下であることが最も好ましい。このようなカーボンブラックを用いることにより、比較的少ないカーボンブラックの配合量で高い黒色度を有する発泡粒子成形体を得ることができるとともに、充填性に優れる発泡粒子をより容易に得ることができる。なお、前述したDBP吸油量は、ASTM D2414-79に準じて測定される値である。
また、前記カーボンブラックのBET比表面積が200m/g以下であることが好ましく、150m/g以下であることがより好ましく、100m/g以下であることがさらに好ましい。このようなカーボンブラックを用いることにより、所望の黒色度を有するとともに、充填性に優れる発泡粒子をより容易に得ることができる。なお、カーボンブラックのBET比表面積は、ASTM D-3037に準じて、BET法により測定される値である。
一段発泡工程においては、前記樹脂粒子の芯層を、一段発泡粒子の嵩倍率Mが5倍以上25倍以下となるように発泡させる。一段発泡工程において、主に樹脂粒子の芯層を発泡させて発泡層とすることにより、発泡粒子の充填性及び最終的に得られる発泡粒子成形体の黒色度を高め、色調のばらつきを低減することができる。一方、被覆層が発泡状態であると前述した作用効果が損なわれるおそれがある。それ故、一段発泡工程においては、被覆層を実質的に発泡させないことが好ましい。
すなわち、一段発泡工程により得られる一段発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、前記特定の量のカーボンブラックが配合された発泡状態の発泡層と、前記発泡層を被覆する非発泡状態の被覆層とを備え、前記被覆層の基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、前記被覆層に前記特定の量のカーボンブラックが添加されていることが好ましい。なお、前述した「非発泡状態」とは、被覆層が発泡せず、気泡が含まれない状態と、発泡後に気泡が消失した状態とを含み、被覆層内にほとんど気泡構造がないことを意味する。
一段発泡粒子の嵩倍率Mが低すぎる場合には、所望の嵩倍率の発泡粒子を得るために二段発泡工程において一段発泡粒子を高い倍率で発泡させる必要がある。その結果、二段発泡粒子の独立気泡率の低下や、二段発泡工程における発泡粒子間のブロッキングの発生を招くおそれがある。一段発泡粒子の嵩倍率Mを5倍以上、好ましくは8倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは12倍以上とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
一方、一段発泡粒子の嵩倍率Mが高すぎる場合には、樹脂粒子を二段階で発泡させることによる効果が得られにくくなる。具体的には、最終的に得られる発泡粒子成形体の黒色度の低下や色調のばらつきの増大を招くおそれがある。一段発泡粒子の嵩倍率Mを25倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは18倍以下とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
嵩倍率の比M/Mが低すぎる場合には、樹脂粒子を二段階で発泡させることによる効果が得られにくくなる。その結果、発泡粒子の黒色度の低下や色調のばらつきの増大を招くおそれがある。嵩倍率の比M/Mを1.2以上、好ましくは1.4以上、より好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
一方、嵩倍率の比M/Mが高すぎる場合には、二段発泡粒子の独立気泡率の低下や、二段発泡工程における発泡粒子間のブロッキングの発生を招くおそれがある。嵩倍率の比M/Mを3.0以下、好ましくは2.8以下とすることにより、これらの問題を容易に回避することができる。
一段発泡粒子の嵩倍率Mは、一段発泡粒子の発泡層、つまり、樹脂粒子の芯層が発泡してなる層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度(単位:kg/m)を一段発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m)で除した値である。また、発泡粒子の嵩倍率Mは、発泡粒子の発泡層、つまり、樹脂粒子の芯層に対応する層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度(単位:kg/m)を発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m)で除した値である。
なお、一段発泡粒子及び発泡粒子の嵩密度の測定方法については後述する。
前記製造方法では、一段発泡工程と二段発泡工程という二段階の発泡工程(つまり、二段発泡)を行うとともに、それぞれの発泡工程において得られる発泡粒子の嵩倍率を上記所定の範囲、関係に調整することにより、発泡粒子を製造している。このような二段発泡を行うことにより得られる発泡粒子は、黒色度が高く、色むらの少ない成形体の製造を可能にする。この理由は、以下のように考えられる。
従来、ダイレクト発泡法により製造されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて製造された発泡粒子成形体は、黒色度が低下しやすく、また、色ムラが目立ちやすくなる傾向があった。この傾向は、特に一回の発泡で所望の嵩倍率まで発泡させようとした場合において顕著であった。これは、発泡時に多数の気泡が形成される一方で、発泡粒子の表面付近の気泡が冷却の影響を強く受ける結果、表面付近の気泡数が過度に増えることが原因のひとつと考えられる。
これに対し、前記製造方法では、一段発泡工程としてダイレクト発泡法を採用しつつ、当該工程における一段発泡粒子の嵩倍率Mを小さくするとともに二段発泡工程を設けることにより、発泡粒子の嵩倍率Mを、嵩倍率Mとの関係が前記特定の関係を満たす範囲において所望の倍率まで高めることができる。そして、このように二段階の発泡工程を経て発泡粒子を製造することにより、表面における過度の気泡数の増加を抑制しつつ所望の嵩倍率の発泡粒子を得ることができる。
その結果、前記製造方法によれば、黒色度が高く、色調のばらつきが小さい発泡粒子を得ることができると考えられる。特に、前記製造方法によれば、たとえば嵩倍率30倍を超える発泡粒子であっても、黒色度の低下や、色むらの発生を抑制することが可能である。
所望の嵩倍率Mを有する発泡粒子を製造する場合において、より黒色度が高く、色ムラの少ない成形体を成形可能な発泡粒子を得やすくする観点からは、一段発泡粒子の嵩倍率Mをより小さくし、二段発泡工程において嵩倍率の比M/Mをより大きくすることが好ましい。具体的には、一段発泡粒子の嵩倍率Mが5倍以上20倍以下であり、かつ嵩倍率の比M/Mが1.4以上3.0以下であることが好ましく、一段発泡粒子の嵩倍率Mが10倍以上18倍以下であり、かつ嵩倍率の比M/Mが1.8以上3.0以下であることがより好ましい。
さらに、前記製造方法によれば、前述した一段発泡工程と二段発泡工程と含む方法で発泡粒子を製造することにより、たとえば一回の発泡で所望の嵩倍率まで発泡させた場合と比較して得られる発泡粒子の充填性が高められる。このような作用効果が得られる理由は現時点においては明らかではないが、例えば、前記特定の量のカーボンブラックを含む非発泡状態の被覆層によって発泡粒子の流動性が向上することや、上記二段発泡工程において発泡粒子の凹凸状態が変化すること等が理由として考えられる。
以下、前記発泡粒子の製造方法の各工程について詳説する。
<分散工程>
分散工程では、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒中に分散させる。
樹脂粒子の芯層は、ポリプロピレン系樹脂から構成される。前述したポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン単量体の単独重合体及びプロピレンに由来する構成単位を50質量%以上含むプロピレン系共重合体をいう。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと他のモノマーとが共重合したプロピレン系共重合体であることが好ましい。プロピレン系共重合体としては、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、ヘキセン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等のプロピレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体が好ましく例示される。これらの共重合体は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体等であり、ランダム共重合体であることが好ましい。また、芯層は、複数の種類のポリプロピレン系樹脂を含有していてもよい。発泡粒子の成形性をより高める観点からは、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂は、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレン-ブテンランダム共重合体、又はプロピレン-ブテン共重合体のいずれかであることが好ましい。
また、芯層中には、前述した作用効果を損なわない範囲でポリプロピレン系樹脂以外の他の重合体が含まれていてもよい。他の重合体としては、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等のポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等が例示される。芯層中の他の重合体の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%、つまり、芯層は、重合体として実質的にポリプロピレン系樹脂のみを含むことが特に好ましい。
芯層を構成するポリプロピレン系樹脂は、エチレン-プロピレンランダム共重合体であり、共重合体中のエチレン成分の含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。このような樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子によれば、成形体の剛性をより高めたり、良好な表面性を有する成形体をより低い成形温度で形成することができる。なお、エチレン-プロピレンランダム共重合体中のエチレン成分とプロピレン成分との合計が100質量%である。
成形体の剛性を更に高める観点からは、共重合体中のエチレン成分の含有量は、4.5質量%以下であることがより好ましく、4.0質量%以下であることがさらに好ましく、3.5質量%以下であることが特に好ましい。一方、発泡粒子の成形圧の過度の上昇を抑制する観点から、共重合体中のエチレン成分の含有量は0.5質量%以上であることが好ましい。
また、より一層低い成形温度(つまり、低い成形圧)で良好な成形体を成形することができるという観点からは、共重合体中のエチレン成分の含有量は1.0質量%以上であることがより好ましく、1.2質量%以上であることがさらに好ましく、1.5質量%以上であることがよりさらに好ましく、2.0質量%を超えることが特に好ましい。
また、得られる発泡粒子の成形性をより高めるとともに、成形時の水冷時間をより短縮することができるという観点からは、前記芯層の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂がエチレン-プロピレン-ブテン共重合体またはプロピレン-ブテン共重合体であるとともに、これらの共重合体におけるブテン成分含有量が2質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。
同様の観点から、前記芯層の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂がエチレン-プロピレン-ブテン共重合体であり、当該共重合体中のブテン成分含有量とエチレン成分含有量との合計量が2質量%以上15質量%以下であるとともに、エチレン成分含有量に対するブテン成分含有量の質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)が0.5以上であることが好ましい。ブテン成分含有量とエチレン成分含有量との質量比(ブテン成分含有量/エチレン成分含有量)は好ましくは2以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。また、その上限は好ましくは30、より好ましくは20である。なお、共重合体中のブテン成分含有量とエチレン成分含有量とプロピレン成分含有量との合計を100質量%とする。
なお、IRスペクトル測定により共重合体中のモノマー成分の含有量を求めることができる。共重合体中のエチレン成分、プロピレン成分及びブテン成分は、共重合体におけるエチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位及びブテン由来の構成単位をそれぞれ意味する。また、共重合体中の各モノマー成分の含有量は、共重合体中の各モノマー由来の構成単位の含有量を意味する。
芯層を構成するポリプロピレン系樹脂中には、前述したようにポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが添加されている。ポリプロピレン系樹脂中には、前述した作用効果を損なわない範囲で、気泡調整剤、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、抗菌剤等の添加剤が含まれていてもよい。芯層中の添加剤の含有量は、例えば、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下であることが好ましい。
芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点Tmcは、158℃以下であることが好ましい。このような樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子によれば、より低い成形温度(つまり、低い成形圧)で良好な表面性を備え剛性に優れる成形体を容易に得ることができる。この効果が向上するという観点から、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点Tmcは155℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。一方、成形体の耐熱性や機械的強度等がより向上するという観点からは、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点Tmcは、135℃以上であることが好ましく、138℃以上であることがより好ましく、140℃以上であることがさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K7121:1987に基づき求められる。具体的には、まず、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる試験片を準備し、JIS K7121:1987における「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に基づいて試験片の状態調節を行う。状態調節における加熱速度及び冷却速度はいずれも10℃/分とする。状態調節された試験片を10℃/分の加熱速度で30℃から200℃まで昇温することによりDSC曲線を取得し、DSC曲線に現れた融解ピークの頂点温度を融点Tmcとする。なお、DSC曲線に複数の融解ピークが表れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点温度を融点Tmcとする。
芯層を構成するポリプロピレン系樹脂のメルトマスフローレート(つまり、MFR)は5g/10分以上であることが好ましく、6g/10分以上であることがより好ましく、7g/10分以上であることがさらに好ましい。この場合には、発泡粒子の発泡性や成形性をより高めることができる。一方、成形体の剛性をより高めるという観点から、MFRは12g/10分以下であることが好ましく、10g/10分以下であることがより好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210-1:2014に基づき、試験温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される値である。
芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は800MPa以上1600MPa以下であることが好ましい。かかる樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子によれば、成形体の剛性をより高めたり、良好な表面性や高い剛性を有する成形体をより低い成形温度で成形することができる。
成形体の剛性を更に高めるという観点から、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、850MPa以上であることが好ましく、900MPa以上であることがより好ましく、950MPa以上であることがさらに好ましい。一方、発泡粒子の成形圧の過度な上昇を抑制する観点から、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、1600MPa以下であることが好ましい。
また、より一層低い成形温度(つまり、低い成形圧)で表面性や剛性に優れる成形体を成形することができるという観点から、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、1550MPa以下であることが好ましく、1500MPa以下であることがより好ましく、1200MPa未満であることがさらに好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に基づき、求めることができる。
樹脂粒子の芯層は、被覆層により覆われている。被覆層は、芯層の表面全体を被覆していてもよいし、芯層の表面の一部を被覆していてもよい。前述した作用効果をより確実に得る観点からは、被覆層は、樹脂粒子の表面積100%に対して50%以上を被覆していることが好ましく、60%以上を被覆していることがより好ましく、70%以上を被覆していることがさらに好ましい。例えば、樹脂粒子は、柱状の芯層と、この芯層の側周面を覆う被覆層とを備えた多層構造を有していてもよい。
樹脂粒子における芯層と被覆層との質量比は、芯層:被覆層=99.5:0.5~80:20であることが好ましく、99:1~85:15であることがより好ましく、97:3~90:10であることがさらに好ましい。換言すれば、芯層と被覆層との合計質量(つまり樹脂粒子の全質量)に対する被覆層の質量比率は、0.5%以上20%以下であることが好ましく、1%以上15%以下であることがより好ましく、3%以上10%以下であることがさらに好ましい。この場合には、高い黒色度を有し、色調のばらつきが小さく、充填性に優れた発泡粒子をより容易に得ることができる。
被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂等が挙げられる。芯層との接着性の観点からは、被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン単独重合体等が挙げられる。
被覆層においてカーボンブラックが偏在することなく良好に分散しやすい観点から、被覆層中のポリプロピレン系樹脂の含有量は95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましく、99.5質量%を超えることが特に好ましく、100質量%、つまり、被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂のみからなることが最も好ましい。
被覆層中には、前述した作用効果を損なわない範囲でポリオレフィン系樹脂以外の他の重合体が含まれていてもよい。他の重合体としては、ポリスチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等が例示される。被覆層においてカーボンブラックが偏在することなく良好に分散しやすい観点から、被覆層中の他の重合体の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%未満であることが特に好ましく、0質量%、つまり、被覆層は、重合体として実質的にポリオレフィン系樹脂のみを含むことが最も好ましい。
また、被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂中には、前述したようにポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが添加されている。ポリオレフィン系樹脂中には、前述した作用効果を損なわない範囲で、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、抗菌剤等の添加剤が含まれていてもよい。被覆層中の添加剤の含有量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下であることが好ましい。
被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂の融点Tmsは、120℃以上145℃以下であることが好ましく、125℃以上140℃以下であることがより好ましい。このような樹脂粒子を発泡させることにより、成形時の融着性に優れた発泡粒子を容易に得ることができる。
また、被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂の融点Tmsは芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点Tmcよりも低いことが好ましい。このような樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子によれば、より低い成形温度(つまり、低い成形圧)で良好な表面性を備え剛性に優れる成形体を容易に得ることができる。この効果が向上するという観点から、ポリプロピレン系樹脂の融点Tmcとポリオレフィン系樹脂の融点Tmsとの差Tmc-Tmsは5℃以上であることが好ましく、6℃以上であることがより好ましく、8℃以上であることがさらに好ましい。一方、発泡粒子における発泡層と被覆層との剥離や、発泡粒子間の互着等を抑制する観点からは、ポリプロピレン系樹脂の融点Tmcとポリオレフィン系樹脂の融点Tmsとの差Tmc-Tmsは35℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、15℃以下であることがさらに好ましい。
なお、被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂の融点の測定方法は、ポリプロピレン系樹脂からなる試験片に替えてポリオレフィン系樹脂からなる試験片を用いる以外は、前述した発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点の測定方法と同様である。ただし、DSC曲線に複数の融解ピークが表れた場合は、最も低温側の融解ピークの頂点温度を融点Tmsとする。
被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂のMFRは、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRと同程度であることが好ましく、具体的には2g/10分以上15g/10分以下であることが好ましく、3g/10分以上12g/10分以下であることがより好ましく、4g/10分以上10g/10分以下であることがさらに好ましい。このような樹脂粒子を発泡させてなる発泡粒子によれば、発泡層と被覆層との剥離を確実に抑制することができる。なお、ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合には、そのMFRは、JIS K7210-1:2014に基づき、試験温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される値であり、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である場合には、そのMFRは、JIS K7210-1:2014に基づき、試験温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定される値である。
樹脂粒子の作製には、例えば、芯層形成用押出機と、被覆層形成用押出機と、これら2台の押出機に接続された共押出ダイとを備えた共押出装置を用いればよい。樹脂粒子は、たとえばストランドカット法により作製することができる。具体的には、芯層形成用押出機では、芯層形成用のポリプロピレン系樹脂と、カーボンブラックと、必要に応じて添加される添加剤等とを溶融混練し、芯層形成用溶融混練物を作製する。また、被覆層形成用押出機では被覆層形成用のポリオレフィン系樹脂と、カーボンブラックと、必要に応じて添加される添加剤等とを溶融混練し、被覆層形成用溶融混練物を作製する。これらの溶融混練物を共押出し、ダイ内で合流させることにより、非発泡状態の柱状の芯層と、芯層の外側表面を被覆する非発泡状態の被覆層とからなる多層構造の複合体を形成する。この複合体をダイの小孔から押し出した後、水を入れた水槽を通して押出物を冷却する。その後、押出物を所望の長さに切断することにより、樹脂粒子を得ることができる。なお、樹脂粒子の製造方法は前述した方法に限定されることはなく、ホットカット法や水中カット法等を採用してもよい。
<分散工程>
分散工程においては、前記樹脂粒子を分散媒中に投入した後、攪拌することにより樹脂粒子を分散媒中に分散させる。分散工程は、後に行う一段発泡工程において用いる密閉容器内で行ってもよいし、一段発泡工程において用いる密閉容器とは別の容器内で行ってもよい。製造工程の簡素化の観点からは、分散工程を、一段発泡工程において用いる密閉容器内で行うことが好ましい。
分散媒としては、水を主成分とする水性分散媒が用いられる。水性分散媒中には、水の他に、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等の親水性の有機溶媒が含まれていてもよい。水性分散媒における水の割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
分散媒中には分散剤を添加することが好ましい。分散媒中に分散剤を添加することにより、一段発泡工程において、容器内で加熱された樹脂粒子同士の融着を抑制することができる。分散剤の添加量は、樹脂粒子100質量部当たり0.001質量部以上5質量部以下であることが好ましい。分散剤としては、有機系分散剤や無機系分散剤を使用することができるが、取り扱いの容易さから微粒状無機物を分散剤として使用することが好ましい。より具体的には、分散剤としては、例えば、アムスナイト、カオリン、マイカ、クレー等の粘土鉱物や、酸化アルミニウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化鉄等を使用することができる。これらの分散剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の分散剤が併用されてもよい。これらの中でも分散剤としては粘土鉱物を用いることが好ましい。粘土鉱物は、天然のものであっても、合成されたものであってもよい。
なお、分散剤を使用する場合、分散助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を併用することが好ましい。分散助剤の添加量は、樹脂粒子100質量部当たり0.001質量部以上1質量部以下であることが好ましい。
<一段発泡工程>
一段発泡工程においては、まず、密閉容器内において分散媒中の樹脂粒子に無機物理発泡剤を含浸させる。樹脂粒子を発泡させるための無機物理発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等を使用することができる。環境に対する負荷や取扱い性の観点から、好ましくは二酸化炭素が用いられる。発泡剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
一段発泡工程において樹脂粒子に無機物理発泡剤を含浸させる方法としては、密閉容器内に発泡剤を供給し、密閉容器内の圧力を上昇させて分散媒中の樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法を採用することができる。この際、樹脂粒子を分散媒とともに加熱することにより、樹脂粒子への発泡剤の含浸をより促進することができる。
発泡時の密閉容器内の圧力はゲージ圧において0.5MPa(G)以上であることが好ましい。一方、密閉容器内の圧力はゲージ圧において4.0MPa(G)以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、密閉容器の破損や爆発等のおそれがなく安全に発泡粒子を製造することができる。
また、一段発泡工程における分散媒の昇温を1~5℃/分で行うことで、発泡時の温度も適切な範囲とすることができる。
樹脂粒子への発泡剤の含浸が完了した後に、密閉容器の内容物を密閉容器よりも低圧の環境へ放出する。これにより、樹脂粒子の芯層が発泡して気泡構造が形成されるとともに、外気(つまり、雰囲気)によって冷却されて気泡構造が安定化し、一段発泡粒子が得られる。一段発泡直後の一段発泡粒子同士の互着を抑制しやすくする観点、及び一段発泡粒子の収縮を抑制しやすくする観点からは、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuは低い温度に調節することが好ましい。具体的には、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuは80℃未満であることが好ましく、75℃以下であることがより好ましい。
従来、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuが低い場合には、得られる発泡粒子の黒色度が低くなりやすく、黒色度の高い軽量な成形体を得ることが難しかった。これに対し、前記製造方法によれば、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuを、たとえば80℃未満の低い温度に調節した場合であっても、最終的に得られる成形体の黒色度を高めることができる。一段発泡粒子の黒色度が過度に小さくなることを抑制する観点からは、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuは40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
また、一段発泡粒子の黒色度をより高める観点、及び一段発泡粒子の互着や収縮をより抑制する観点から、樹脂粒子の芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点Tmcと前記樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuとの差[Tmc-Tu]が65℃以上85℃以下であることが好ましい。
発泡剤を含浸させる際に樹脂粒子を加熱する場合には、以下の態様で加熱及び発泡を行うことが好ましい。すなわち、まず、(ポリプロピレン系樹脂の融点-20℃)以上、(ポリプロピレン系樹脂の融解終了温度)未満の温度で十分な時間、好ましくは10~60分程度保持する一段保持工程を行い、その後、(ポリプロピレン系樹脂の融点-15℃)から(ポリプロピレン系樹脂の融解終了温度+10℃)未満の温度に調節する。そして、必要により、その温度でさらに十分な時間、好ましくは10~60分程度保持する二段保持工程を行う。その後、密閉容器内の温度を(ポリプロピレン系樹脂の融点-10℃)以上とした状態で密閉容器の内容物を外部へ放出させ、樹脂粒子を発泡させることが好ましい。発泡時における密閉容器内の温度は、(ポリプロピレン系樹脂の融点)以上(ポリプロピレン系樹脂の融点+20℃)以下であることがより好ましい。このようにして樹脂粒子を加熱して発泡させることにより、機械的強度に優れるとともに成形性にも優れた発泡粒子を容易に得ることができる。
前述した条件での加熱及び発泡によって発泡粒子の機械的強度及び成形性を向上させることができる理由としては、芯層を構成するポリプロピレン系樹脂中への二次結晶の形成が考えられる。ポリプロピレン系樹脂中に二次結晶が形成されているか否かは、DSC曲線における高温ピークの有無によって判断することができる。なお、高温ピークの有無の判断方法等については後述する。
以上により、芯層が発泡してなる発泡層と、非発泡状態の被覆層とを備え、嵩倍率Mが前記特定の範囲内である一段発泡粒子を得ることができる。得られる一段発泡粒子は、たとえば23℃、50%の雰囲気下で12時間以上静置して乾燥させることができる。一段発泡粒子の嵩倍率Mは、例えば、芯層の基材樹脂の種類、一段発泡工程における発泡剤の添加量や発泡時の温度、密閉容器から内容物を放出する雰囲気の温度、密閉容器内の圧力と密閉容器から内容物を放出する環境の圧力との圧力差等によって調節することができる。
一段発泡粒子の嵩倍率Mは、樹脂粒子の芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度(単位:kg/m)を一段発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m)で除した値である。一段発泡粒子の嵩密度の算出方法は以下の通りである。まず、一段発泡粒子を相対湿度50%、温度23℃、気圧1atmの環境下で24時間以上静置し、一段発泡粒子の状態を調節する。次に、状態調節後の一段発泡粒子をメスシリンダー内に自然に堆積するようにして充填し、メスシリンダーの目盛から一段発泡粒子群の嵩体積(単位:L)を読み取る。そして、メスシリンダー内の一段発泡粒子群の質量(単位:g)を前述した嵩体積で除した値を単位換算することにより、一段発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を得ることができる。
<二段発泡工程>
二段発泡工程においては、まず、一段発泡粒子に内圧を付与する。より具体的には、一段発泡粒子を耐圧容器内に入れた後、耐圧容器内を空気や二酸化炭素等の無機ガスで加圧して一段発泡粒子に無機ガスを含浸させる。これにより、一段発泡粒子の気泡内の圧力を大気圧以上とする。その後、耐圧容器から取り出した一段発泡粒子を、気泡内の圧力よりも低圧の環境下でスチームや加熱空気などの加熱媒体を用いて加熱することにより、一段発泡粒子をさらに発泡させることができる。以上の結果、嵩倍率がMであり、嵩倍率Mが嵩倍率Mの1.2倍以上3.0倍以下である発泡粒子(二段発泡粒子)を得ることができる。
発泡粒子の嵩倍率Mは、例えば、例えば、一段発泡粒子の発泡層の基材樹脂の種類、内圧が付与された一段発泡粒子における気泡内の圧力と加熱を行う環境の圧力との圧力差や加熱温度、加熱時間等によって調節することができる。発泡粒子の嵩倍率Mの測定方法については後述する。
本発明の製造方法によれば、所定の二段発泡工程を有することにより、上記一段発泡工程において生産性の向上を達成しつつ、充填性に優れるとともに、黒色度が高く色むらの目立ちにくい発泡粒子成形体を型内成形可能な発泡粒子を得ることができる。
二段発泡工程において、一段発泡粒子に付与される内圧は、所望の嵩倍率Mを有する発泡粒子を容易に得る観点から、大気圧以上であることが好ましく、ゲージ圧において0.1MPa(G)以上が好ましく、0.2MPa(G)以上がより好ましく、0.3MPa(G)以上がさらに好ましい。一方、一段発泡粒子に付与される内圧の上限は概ね1MPa(G)であり、好ましくは0.8MPa(G)以下である。
二段発泡工程における一段発泡粒子の加熱時間は、一段発泡粒子同士のブロッキングを抑制しつつ、所望の嵩倍率Mの発泡粒子を容易に得る観点から、3秒以上60秒以下の範囲とすることが好ましい。同様の観点から、加熱媒体の温度は、80℃以上120℃以下の範囲が好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子)
以上により得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂を基材とする発泡層と、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とし、発泡層を被覆する被覆層とを有している。また、発泡層中には、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが含まれており、被覆層中には、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが含まれている。発泡粒子は、得られる成形体の外観及び剛性をより高める観点から、貫通孔を有さないことが好ましい。
発泡粒子の発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂は、樹脂粒子の芯層を構成するポリプロピレン系樹脂と同一であるため、前述したポリプロピレン系樹脂に関する説明を適宜参照することができる。同様に、発泡粒子の被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂は、樹脂粒子の被覆層を構成するポリオレフィン系樹脂と同一であるため、前述したポリオレフィン系樹脂に関する説明を適宜参照することができる。
発泡粒子の独立気泡率は、88%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。この場合には、高い型内成形性をより安定して得ることができる。また、このような発泡粒子によれば、良好な表面性を有し、剛性に優れた発泡粒子成形体を容易に得ることができる。
発泡粒子の独立気泡率は、ASTM-D2856-70手順Cに基づき空気比較式比重計を用いて測定することができる。具体的には、次のようにして測定される。まず、発泡粒子を相対湿度50%、温度23℃、気圧1atmの環境下で24時間以上静置し、発泡粒子の状態を調節する。状態調節後の発泡粒子から嵩体積、つまり、メスシリンダー内に自然に堆積させたときの標線の値が約20cm3となるように測定用サンプルを採取した後、測定用サンプルの見掛け体積を測定する。なお、測定用サンプルの見掛け体積は、具体的には、温度23℃のエタノールが入ったメスシリンダーに測定用サンプルを沈めた際の液面の上昇量に相当する体積である。
見掛けの体積を測定した測定用サンプルを十分に乾燥させた後、ASTM-D2856-70に記載されている手順Cに準じ、島津製作所社製アキュピックII1340により測定される測定用サンプルの真の体積の値を測定する。そして、これらの体積の値を用い、下記の式(1)に基づいて測定用サンプルの独立気泡率を計算する。以上の操作を異なる測定用サンプルを用いて5回行い、これら5回の測定により得られる独立気泡率の算術平均値を発泡粒子の独立気泡率とする。
独立気泡率(%)=(Vx-W/ρ)×100/(Va-W/ρ)・・・(1)
ただし、上記式(1)におけるVx(単位:cm)は発泡粒子の真の体積(つまり、発泡粒子を構成する樹脂の容積と、発泡粒子内の独立気泡部分の気泡全容積との和)であり、Va(単位:cm)は発泡粒子の見掛けの体積(つまり、発泡粒子をエタノールの入ったメスシリンダーに沈めた際の液面の上昇分から測定される体積)であり、W(単位:g)は測定用サンプルの質量であり、ρ(単位:g/cm)は発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度である。
発泡粒子は、加熱速度10℃/分で23℃から200℃まで加熱した際に得られる1回目のDSC曲線に、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークと、この吸熱ピークよりも高温側に位置する1以上の融解ピークとが現れる結晶構造を有することが好ましい。このような結晶構造を備えた発泡粒子は、機械的強度に優れるとともに成形性にも優れている。なお、以下において、前記DSC曲線に現れるポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークを「樹脂固有ピーク」といい、樹脂固有ピークよりも高温側に現れる融解ピークを「高温ピーク」という。樹脂固有ピークは、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂が本来有する結晶が融解する際の吸熱によって生じる。一方、高温ピークは、発泡粒子の製造過程で発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂中に形成された二次結晶の融解によって生じると推定される。すなわち、DSC曲線に高温ピークが現れた場合、ポリプロピレン系樹脂中に二次結晶が形成されていると推定される。
発泡粒子が前述した結晶構造を有するか否かは、JIS K7121:1987に準拠し、前述した条件により示差走査熱量測定(DSC)を行うことにより得られるDSC曲線に基づいて判断すればよい。また、DSCを行うにあたっては、発泡粒子1~3mgを試料として用いればよい。
なお、上記のように10℃/分の加熱速度で23℃から200℃までの加熱(つまり、第1回目の加熱)を行った後、10℃/分の冷却速度で200℃から23℃まで冷却し、その後再び10℃/分の加熱速度で23℃から200℃までの加熱(つまり、第2回目の加熱)を行ったときに得られるDSC曲線においては、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂に固有の融解による吸熱ピークのみが見られるため、樹脂固有ピークと高温ピークとを見分けることができる。この樹脂固有ピークの頂点の温度は、第1回目の加熱と第2回目の加熱とで多少異なる場合があるが、通常、その差は5℃以内である。
発泡粒子の高温ピークの融解熱量は、発泡粒子の成形性をより向上させるという観点、剛性により優れる成形体を得るという観点から、5J/g以上40J/g以下であることが好ましく、7J/g以上30J/g以下であることがより好ましく、10J/g以上20J/g以下であることがさらに好ましい。
前述した高温ピークの融解熱量は、次のようにして求められる値である。まず、状態調節を行った後の発泡粒子1~3mgを試料として用い、前述した条件で示差走査熱量測定を行うことによりDSC曲線を得る。図1にDSC曲線の一例を示す。発泡粒子が高温ピークを有する場合、DSC曲線には、図1に示すように、樹脂固有ピークΔH1と、樹脂固有ピークΔH1の頂点よりも高温側に頂点を有する高温ピークΔH2とが現れる。
次に、DSC曲線上における80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当する点βとを結ぶ直線L1を引く。なお、融解終了温度Tは、高温ピークΔH2における高温側の端点、つまり、DSC曲線における、高温ピークΔH2と、高温ピークΔH2よりも高温側のベースラインとの交点である。
直線L1を引いた後、樹脂固有ピークΔH1と高温ピークΔH2との間に存在する極大点γを通り、グラフの縦軸に平行な直線L2を引く。この直線L2により樹脂固有ピークΔH1と高温ピークΔH2とが分割される。高温ピークΔH2の吸熱量は、DSC曲線における高温ピークΔH2を構成する部分と、直線L1と、直線L2とによって囲まれた部分の面積に基づいて算出することができる。
発泡粒子の嵩倍率Mは、10倍以上75倍以下であることが好ましく、20倍以上75倍以下であることがより好ましく、30倍以上75倍以下であることがさらに好ましく、35倍以上60倍以下であることが特に好ましい。このような発泡粒子を用いることにより、黒色度が高く、色ムラが目立ちにくく、良好な表面性を有する軽量な発泡粒子成形体を容易に得ることができる。従来、嵩倍率の高い発泡粒子においては、黒色度の低下や、充填性の悪化がより生じやすかった。本開示の製造方法によれば、たとえば嵩倍率30倍以上の発泡粒子であっても、黒色度の低下や、充填性の悪化を抑制することが可能である。
発泡粒子の嵩倍率Mは、樹脂粒子の芯層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度(単位:kg/m)を発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m)で除した値である。発泡粒子の嵩密度の測定方法は以下の通りである。まず、発泡粒子を気温23℃、相対湿度50%RH、1atmの環境中で24時間以上放置して発泡粒子の状態を調整する。状態調節後の発泡粒子をメスシリンダー内に自然に堆積するようにして充填し、メスシリンダーの目盛から発泡粒子群の嵩体積(単位:L)を読み取る。そして、メスシリンダー内の発泡粒子群の質量(単位:g)を前述した嵩体積で除した値を単位換算することにより、発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m)を得ることができる。
(発泡粒子成形体)
前記発泡粒子を型内成形することにより、発泡粒子成形体を得ることができる。成形体の密度は10kg/m3以上100kg/m3以下であることが好ましい。この場合には、成形体の軽量性と剛性とをバランスよく向上させることができる。成形体の剛性がより向上するという観点から、成形体の密度は20kg/m3以上であることがより好ましく、25kg/m3以上であることがさらに好ましい。成形体の軽量性がより向上するという観点から、成形体の密度は80kg/m3以下であることがより好ましく、50kg/m3以下であることがさらに好ましく、35kg/m3以下であることが特に好ましい。成形体の密度は、成形体の質量(単位:g)を成形体の外形寸法から求められる体積(単位:L)で除し、単位換算することにより算出される。成形体の外形寸法から体積を求めることが容易でない場合には、水没法により成形体の体積を求めることができる。
発泡粒子成形体の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、成形体の作製に用いる発泡粒子を準備する。成形体の作製には、前述した製造方法により得られた発泡粒子をそのまま用いてもよい。また、発泡粒子に耐圧容器内で空気などの無機ガスを含浸させることにより内圧を付与し、発泡粒子の気泡内の圧力を上昇させた発泡粒子を用いて型内成形を行うこともできる。
次に、所望する成形体の形状に対応したキャビティを有する成形型内に、発泡粒子を充填する。発泡粒子の充填が完了した後、成形型内に加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱する。加熱媒体としては、例えばスチームなどを使用することができる。成形型内の発泡粒子は、加熱媒体によって加熱され、二次発泡しつつ相互に融着する。これにより、成形型内の発泡粒子を一体化させ、成形体を形成することができる。
発泡粒子の加熱が完了した後、成形型内の成形体を冷却して形状を安定させる。その後、成形型から成形体を取り出すことにより、型内成形が完了する。型内成形が完了した後、必要に応じて成形体を60~80℃程度の雰囲気下で12時間以上静置して養生を行ってもよい。成形型から取り出した成形体に養生を施すことにより、成形体の収縮や変形を抑制することができる。
前記発泡粒子は、充填性に優れ、黒色度が高く、色むらが目立ちにくい良好な発泡粒子成形体を成形可能である。特に、嵩倍率の高い発泡粒子であっても、黒色度の低下や、充填性の悪化を抑制することが可能である。
前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形することにより得られる発泡粒子成形体は、例えば、前記発泡粒子成形体を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが含まれており、前記発泡粒子成形体の成形体密度が10kg/m3以上35kg/m3以下であり、前記発泡粒子成形体のL*値が24未満である。さらに、発泡粒子成形体の表面の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線を引いた際の、当該線上に存在する1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)が3個以下である。前記発泡粒子成形体のL*値は好ましくは23以下であり、より好ましくは21以下である。
発泡粒子成形体のL*値は、以下の方法により求めることができる。成形体の表面から無作為に5か所の測定位置を選択し、分光色差計(例えば、日本電色工業社製「SE2000」)を用いてL*値を測定する。そして、これら5か所の測定位置において得られたL*値の算術平均値を成形体のL*値とする。なお、測定範囲は30mmΦとし、測定方法は反射法とする。
前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法の実施例を以下に説明する。本例において使用したポリプロピレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を表1に示す。なお、本例において使用したエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体は、いずれもランダム共重合体である。また、表1に示すポリプロピレン系樹脂(PP1、PP2及びPP3)の密度は、900kg/m3である。
Figure 2023108874000002
また、表1に示す樹脂の物性値の測定方法は以下の通りである。
・ポリプロピレン系樹脂のコモノマー成分含有量
ポリプロピレン系樹脂(具体的には、エチレン-プロピレン共重合体及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体)のモノマー成分含有量は、IRスペクトルにより決定する公知の方法により求めた。具体的には、高分子分析ハンドブック(日本分析化学会高分子分析研究懇談会編、出版年月:1995年1月、出版社:紀伊国屋書店、ページ番号と項目名:615~616「II.2.3 2.3.4 プロピレン/エチレン共重合体」、618~619「II.2.3 2.3.5 プロピレン/ブテン共重合体」)に記載されている方法、つまり、エチレン及びブテンの吸光度を所定の係数で補正した値とフィルム状の試験片の厚み等との関係から定量する方法により求めた。より具体的には、まず、ポリプロピレン系樹脂を180℃環境下でホットプレスしてフィルム状に成形し、厚みの異なる複数の試験片を作製した。次いで、各試験片のIRスペクトルを測定することにより、エチレン由来の722cm-1及び733cm-1における吸光度(A722、A733)と、ブテン由来の766cm-1における吸光度(A766)とを読み取った。次いで、各試験片について、以下の式(2)~(4)を用いてポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分含有量を算出した。各試験片について得られたエチレン成分含有量を算術平均した値をポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分含有量(単位:wt%)とした。
(K´733=1/0.96{(K´733-0.268(K´722}・・・(2)
(K´722=1/0.96{(K´722-0.268(K´722}・・・(3)
エチレン成分含有量(%)=0.575{(K´722+(K´733}・・・(4)
ただし、式(2)~(4)において、K´:各波数における見かけの吸光係数(K´=A/ρt)、K´:補正後の吸光係数、A:吸光度、ρ:樹脂の密度(単位:g/cm3)、t:フィルム状の試験片の厚み(単位:cm)を意味する。なお、上記式(2)~(4)はランダム共重合体に適用することができる。
また、各試験片について、以下の式(5)を用いてポリプロピレン系樹脂中のブテン成分含有量を算出した。各試験片について得られたブテン成分含有量を算術平均した値をポリプロピレン系樹脂中のブテン成分含有量(%)とした。
ブテン成分含有量(%)=12.3(A766/L)・・・(5)
ただし、式(5)において、A:吸光度、L:フィルム状の試験片の厚み(単位:mm)を意味する。
・曲げ弾性率
表1に示す樹脂を230℃でヒートプレスして4mmのシートを作製し、このシートから長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を切り出した。この試験片の曲げ弾性率を、JIS K7171:2008に準拠して求めた。なお、圧子の半径R1及び支持台の半径R2は共に5mmであり、支点間距離は64mmであり、試験速度は2mm/分である。
・融点
表1に示す樹脂の融点は、JIS K7121:1987に基づき求めた。具体的には、まず、JIS K7121:1987に記載の「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に基づいて樹脂からなる試験片の状態を調節した。状態調節後の試験片を10℃/分の加熱速度で30℃から200℃まで昇温することによりDSC曲線を取得した。そして、DSC曲線に現れた融解ピークの頂点温度を融点とした。なお、測定装置としては、熱流束示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製、型番:DSC7020)を用いた。
・メルトフローレイト
表1に示す樹脂のメルトフローレイト(つまり、MFR)は、JIS K7210-1:2014に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
次に、実施例1~7、比較例1~5及び参考例1~2における発泡粒子の製造方法を説明する。
(実施例1)
実施例1の発泡粒子の作製に当たっては、まず、芯層形成用押出機と、被覆層形成用押出機と、これら2台の押出機に接続された共押出ダイとを備えた共押出装置を用い、共押出装置から押し出された押出物をストランドカット方式により切断して多層樹脂粒子を作製した。具体的には、表1に示すPP1と、PP1に対して表2に示す割合のカーボンブラックと、気泡調整剤とを芯層形成用押出機に供給し、押出機内で溶融混練して芯層形成用溶融混練物を得た。なお、カーボンブラックとしてはファーネスブラック(DBP吸油量100mL/mg、BET比表面積80m/g、平均粒径20nm)を使用し、気泡調整剤としてはホウ酸亜鉛を使用し、ホウ酸亜鉛の添加量はポリプロピレン系樹脂に対して500質量ppmとした。
また、表1に示すPO1と、PO1に対して表2に示す割合のカーボンブラックとを被覆層形成用押出機内で溶融混練して被覆層形成用溶融混練物を得た。なお、カーボンブラックとしては上記芯層に配合したファーネスブラックと同じものを使用した。これらの溶融混練物を共押出し、ダイ内で合流させることにより、非発泡状態の円柱状の芯層と、芯層の側周面を被覆する非発泡状態の被覆層とからなる複合体を形成させた。この複合体をダイから押出した後、押出物を引き取りながら水中で冷却し、ペレタイザーを用いて適当な長さに切断することにより、芯層と該芯層の側周面を被覆する被覆層とからなる多層樹脂粒子を得た。なお、多層樹脂粒子は貫通孔を有していない。多層樹脂粒子における、芯層と被覆層との質量比は、芯層:被覆層=95:5(つまり、被覆層の質量比が5%)とした。また、多層樹脂粒子1個当たりの質量は約1.0mgとした。
<分散工程>
このようにして得られた多層樹脂粒子100kgを、分散媒としての220Lの水とともに内容積400Lの密閉容器内に投入した。次いで、密閉容器内に、多層樹脂粒子100質量部に対して0.3質量部の分散剤と、分散助剤として0.004質量部のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムと0.01質量部の硫酸アルミニウムとを添加し、多層樹脂粒子を分散媒中に分散させた。分散剤としてはカオリンを使用した。
<一段発泡工程>
その後、密閉容器内を攪拌しながら密閉容器内に無機物理発泡剤としての二酸化炭素を供給し、容器内の温度を表2に示す発泡温度まで上昇させた。表2の「発泡剤圧力」欄に、このときの容器内圧力(つまり、含浸圧力、二酸化炭素圧力)を示す。容器内の温度が表2に示す発泡温度に到達した後、この温度を15分保持することにより、多層樹脂粒子に発泡剤を含浸させた。発泡剤の含浸が完了した後、密閉容器を開放し、内容物を温度75℃の大気圧雰囲気下に放出することにより多層樹脂粒子の芯層を発泡させた。一段発泡粒子の互着はなく、また、収縮している様子は観察されなかった。この一段発泡粒子を温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中で24時間乾燥させた。以上により、芯層が発泡してなる発泡層と、発泡層を被覆する非発泡状態の被覆層とを備えた一段発泡粒子を得た。なお、樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuは、密閉容器直下の空間に冷却のための空気を導入することにより調整した。
<二段発泡工程>
次に、一段発泡粒子を耐圧容器としての加圧タンク内に入れ、加圧タンクを密閉した。この状態で加圧タンク内を無機ガスとしての空気で加圧し、一段発泡粒子の気泡内の圧力が表2の「内圧」欄に示す値となるように、気泡内に空気を含浸させた。一段発泡粒子への内圧の付与が完了した後、一段発泡粒子を加圧タンクから取り出し、金属製のドラムに入れた。その後、一段発泡粒子に表2の「ドラム圧力」欄に示す圧力を有するスチームを供給し、大気圧下で加熱した。以上により、一段発泡粒子をさらに発泡させて発泡粒子(二段発泡粒子)を得た。このようにして得られた発泡粒子の諸特性は、表2に示す通りであった。
(実施例2、実施例3)
実施例2及び実施例3の発泡粒子の製造方法は、一段発泡工程における密閉容器内の圧力(つまり、発泡剤圧力)及び二段発泡工程におけるスチームの圧力(つまり、ドラム圧力)を表2に示す値に変更した以外は、実施例1の発泡粒子の製造方法と同様である。
(実施例4)
実施例4の発泡粒子の製造方法は、被覆層を構成する樹脂をPO1からPO2に変更した以外は、実施例1の発泡粒子の製造方法と同様である。
(実施例5)
実施例5の発泡粒子の製造方法は、樹脂粒子の芯層(つまり、発泡粒子の発泡層)を構成する樹脂をPP1からPP2に変更した以外は、実施例1の発泡粒子の製造方法と同様である。
(実施例6)
実施例6の発泡粒子の製造方法は、一段発泡工程における密閉容器内の圧力(つまり、発泡剤圧力)、発泡温度、及び二段発泡工程におけるスチームの圧力(つまり、ドラム圧力)を表2に示す値に変更した以外は、実施例5の発泡粒子の製造方法と同様である。
(実施例7)
実施例7の発泡粒子の製造方法は、樹脂粒子の芯層(つまり、発泡粒子の発泡層)を構成する樹脂をPP1からPP3に変更し、一段発泡工程における密閉容器内の圧力(つまり、発泡剤圧力)、発泡温度、及び二段発泡工程におけるスチームの圧力(つまり、ドラム圧力)を表2に示す値に変更した以外は、実施例1の発泡粒子の製造方法と同様である。
(比較例1)
比較例1の発泡粒子の製造方法においては、まず、実施例1と同様の方法により多層樹脂粒子を作製した。そして、この樹脂粒子を一段発泡工程のみで嵩倍率35倍まで発泡させることにより発泡粒子を作製した。比較例1の発泡粒子の製造方法においては、二段発泡工程は実施していない。比較例1における一段発泡工程の発泡温度及び発泡剤圧力は表3に示した通りであった。
(比較例2)
比較例2の発泡粒子の製造方法は、芯層及び被覆層に配合するカーボンブラックの量を表3に示す値に変更した以外は、比較例1の発泡粒子の製造方法と同様である。
(比較例3、比較例4)
比較例3及び比較例4の発泡粒子の製造方法においては、まず、芯層のみからなる単層の樹脂粒子を作製した。具体的には、表1に示すPP1と、PP1に対して表3に示す割合のカーボンブラックと、気泡調整剤とを押出機に供給し、押出機内で溶融混練して溶融混練物を得た。そして、押出機から溶融混練物を押出することにより、非発泡状態の円柱状の芯層からなる押出物を形成させた。押出物を引き取りながら水中で冷却し、ペレタイザーを用いて適当な長さに切断することにより、芯層のみからなる樹脂粒子を得た。その後、表3に示す条件で一段発泡工程及び二段発泡工程を行うことにより、樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得た。
(比較例5)
比較例5の発泡粒子の製造方法は、被覆層中にカーボンブラックを配合しない以外は、実施例3の発泡粒子の製造方法と同様である。
(参考例1)
参考例1の発泡粒子の製造方法においては、まず、芯層及び被覆層にカーボンブラックを配合しない以外は、実施例1と同様の方法により樹脂粒子を作製した。その後、表3に示す条件で一段発泡工程及び二段発泡工程を行うことにより、樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得た。
(参考例2)
参考例2の発泡粒子の製造方法においては、まず、芯層中にカーボンブラックを配合しない以外は、比較例3及び比較例4と同様の方法により樹脂粒子を作製した。その後、表3に示す条件で一段発泡工程及び二段発泡工程を行うことにより、樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得た。
次に、以上により得られた発泡粒子の諸特性の評価方法を説明する。
・一段発泡粒子の嵩倍率M
一段発泡粒子を相対湿度50%、温度23℃、気圧1atmの環境下で24時間以上静置し、一段発泡粒子の状態を調節した。状態調節後の一段発泡粒子をメスシリンダー内に自然に堆積するようにして充填し、メスシリンダーの目盛から一段発泡粒子群の嵩体積(単位:L)を読み取った。その後、メスシリンダー内の一段発泡粒子群の質量(単位:g)を前述した嵩体積で除し、さらに単位換算することにより、一段発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を算出した。そして、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度を一段発泡粒子の嵩密度で除することにより、一段発泡粒子の嵩倍率Mを算出した。表2及び表3に、実施例、比較例及び参考例の一段発泡粒子の嵩倍率Mを示す。
・発泡粒子の嵩倍率M
一段発泡粒子に替えて発泡粒子を用い、前述した一段発泡粒子の嵩密度の測定方法と同様にして発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を測定した。そして、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂の密度を発泡粒子の嵩密度で除することにより、発泡粒子の嵩倍率Mを算出した。表2及び表3に、実施例、比較例及び参考例の発泡粒子の嵩倍率M及び嵩密度を示す。
・独立気泡率
発泡粒子の独立気泡率は、ASTM-D2856-70手順Cに基づき空気比較式比重計を用いて測定した。具体的には、次のようにして求めた。状態調節後の嵩体積約20cm3の発泡粒子を測定用サンプルとし、下記の通りエタノール没法により正確に見掛けの体積Vaを測定した。見掛けの体積Vaを測定した測定用サンプルを十分に乾燥させた後、ASTM-D2856-70に記載されている手順Cに準じ、島津製作所社製アキュピックII1340により測定される測定用サンプルの真の体積の値Vxを測定した。そして、これらの体積の値Va及びVxを用い、下記の式(6)に基づいて測定用サンプルの独立気泡率を計算した。以上の操作を測定用サンプルを変更して5回行い、5つの測定用サンプルにおける独立気泡率の算術平均値(N=5)を発泡粒子の独立気泡率とした。
独立気泡率(%)=(Vx-W/ρ)×100/(Va-W/ρ)・・・(6)
ただし、上記式(6)における記号の意味は以下の通りである。
Vx:上記方法で測定される発泡粒子の真の体積、即ち、発泡粒子を構成する樹脂の容
積と、発泡粒子内の独立気泡部分の気泡全容積との和(単位:cm
Va:発泡粒子を、エタノールの入ったメスシリンダーに沈めた際の水位上昇分から測
定される発泡粒子の見掛けの体積(単位:cm
W:発泡粒子測定用サンプルの質量(単位:g)
ρ:発泡粒子を構成する樹脂の密度(単位:g/cm
表2及び表3に、実施例、比較例及び参考例の発泡粒子の独立気泡率を示す。
・高温ピーク熱量
状態調節を行った後の発泡粒子1~3mgを用い、JIS K7121:1987に準拠して示差走査熱量測定を行うことによりDSC曲線を取得した。なお、DSCにおける測定開始温度は23℃、測定終了温度は200℃、加熱速度は10℃/分とした。また、測定装置としてはティー・エイ・インスツルメント社製「DSC.Q1000」を使用した。前述した方法により得られたDSC曲線における高温ピークの面積を算出し、この値を高温ピーク熱量として表2及び表3に示した。
・充填性
安息角及び評価用成形型に充填した際の充填性に基づいて、発泡粒子の充填性の評価を行った。安息角の測定方法は以下の通りである。発泡粒子の安息角の測定には、筒井理学機器株式会社製の安息角測定装置「流動表面角測定器FSA-100S」を用い、円筒回転法により安息角の測定を行った。具体的には、まず、嵩体積200mLの発泡粒子を容積500mLの円筒型容器内に入れた。次に、回転速度を1周26秒とし、容器を3分間回転させて発泡粒子の堆積状態を調整した。発泡粒子の状態調整が終わった後、更に容器の回転を継続した。そして、容器内の発泡粒子の堆積物の上部が崩れる直前に容器の回転を停止させた。この操作により形成された発泡粒子の堆積物における、斜面の上端と下端とに合わせて角度計を設定し、斜面の角度を測定した。このようにして得られた斜面の角度を発泡粒子の安息角とした。
表2及び表3の「充填性」欄のうち「安息角」欄には、安息角が27°未満である場合に記号「A」、27°以上30°未満である場合に記号「B」、30°以上33°未満である場合に記号「C」、33°以上である場合に記号「D」を記載した。安息角は発泡粒子の流動のしやすさと関係する値であり、安息角が小さいほど発泡粒子が流動しやすく、高い充填性を有することを意味する。
また、発泡粒子を成形型に充填した際の充填性の評価方法は以下の通りである。具体的には、後述する最低成形圧の評価におけるクラッキング量を0%として発泡粒子を充填したこと以外は、最低成形圧の評価に記載した方法と同様の方法により成形体を作製した。得られた成形体の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線を引いた。この対角線上に存在する1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)の数を数えた。表2及び表3の「充填性」欄のうち「成形体評価」欄には、前述したボイドの数が3個未満の場合に記号「A」、3個以上5個未満の場合に記号「B」、5個以上8個未満の場合に記号「C」、8個以上の場合に記号「D」を記載した。なお、本評価では得られた成形体の融着性及び回復性の評価は行っていない。
・型内成形時の最低成形圧
縦300mm×横250mm×厚さ60mmの内寸法を有するキャビティを備えた成形型内に発泡粒子を充填した後、成形型内に加熱媒体としてのスチームを供給して型内成形を行った。成形前に、発泡粒子に0.1MPa(G)の内圧を付与する前処理加圧を行い、クラッキング量を10%(つまり、6mm)に設定して成形を行った。型内成形は、より詳細には、以下の手順により行った。まず、成形型を閉鎖した後、成形型の厚み方向における両面からスチームを5秒供給して予備加熱する排気工程を行った。その後、後述する本加熱における成形圧より0.08MPa(G)低い圧力に達するまで、成形型の一方の面側からスチームを供給して一方加熱を行った。次いで、本加熱における成形圧より0.04MPa(G)低い圧力に達するまで成形型の他方の面側よりスチームを供給して一方加熱を行った。その後、成形型の両面からスチームを供給して本加熱を行った。本加熱が完了した後、成形型内の圧力を解放し、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)になるまで成形型内において成形体を冷却した。その後、成形型から成形体を取り出した。離型後の成形体を80℃のオーブン中で12時間静置して養生工程を行った。以上により、縦300mm×横250mm×厚さ60mmの成形体を得た。
上記の成形方法において、本加熱におけるスチームの圧力(つまり、成形圧)を0.20MPa(G)から0.32MPa(G)の間で0.02MPaずつ変化させた場合に、良好な成形体が得られる最も小さい成形圧を最低成形圧として表2及び表3に記載した。なお、最低成形圧が低い程、成形性が優れることを意味する。良好な成形体とは、後述する融着性、表面性、及び回復性の評価においていずれの項目でも合格となる成形体を意味する。
<融着性>
成形体を折り曲げて破断させ、破断面に存在する発泡粒子の数C1と破壊した発泡粒子の数C2とを求め、上記破断面に存在する発泡粒子の数に対する破壊した発泡粒子の数の比率(つまり、材料破壊率)を算出した。材料破壊率は、C2/C1×100という式から算出される。異なる試験片を用いて上記測定を5回行い、材料破壊率をそれぞれ求めた。そして、これらの材料破壊率の算術平均値が90%以上であるときを合格と判定した。
<表面性>
成形体の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線を引いた。この対角線上に存在するの1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)の数を数え、ボイドの数が3個未満であるときを合格と判定した。
<回復性>
成形体を厚み方向から見た平面視において、各頂点より中心方向に10mm内側となる4か所の位置における成形体の厚みと、中央部における成形体の厚みとをそれぞれ計測した。次いで、計測した箇所のうち最も厚みの厚い箇所の厚みに対する最も厚みの薄い箇所の厚みの比(単位:%)を算出し、厚みの比が95%以上であるときを合格と判定した。
・型内成形時の水冷時間
前述した最低成形圧での型内成形を行った際に、本加熱が完了した時点から、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)に到達した時点までの時間を計測し、この時間を冷却時間とした。
・成形体密度
前述した最低成形圧での型内成形により得られた成形体の質量(単位:g)を成形体の外形寸法から求められる体積(単位:L)で除した後、単位換算することにより成形体の密度(単位:kg/m3)を算出した。
・色調
色調の評価は、CIE 1976 L*a*b*表色系におけるL*値に基づく成形体の色の濃さの判定及び成形体の色ムラの程度の判定に基づいて行った。L*値の測定方法は以下の通りである。まず、成形体のスキン面、つまり、型内成形時に成形型と接触していた面から無作為に5か所の部位を選択し、分光色差計(日本電色工業社製「SE2000」)を用いてL*値を測定した。なお、測定範囲は30mmΦとし、測定方法は反射法とした。そして、これら5か所の測定位置におけるL*値の算術平均値を成形体のL*値とした。実施例及び比較例の発泡粒子からなる成形体のL*値は表2及び表3の「色調」欄のうち「L*値」欄に示す通りであった。また、表2及び表3の「色調」欄のうち「色の濃さ」の欄には、成形体のL*値が24未満である場合には記号「A」、L*値が24以上28未満である場合には記号「B」、L*値が28以上である場合には記号「C」を記載した。L*値は明るさの指標であり、その値が低いほど黒色度が高く、黒色が濃いことを意味している。
また、成形体の目視観察の結果に基づいて、成形体の色調のむらの程度の評価を行った。具体的には、目視にて、成形体の表面に色むらがなく、均一な黒色を呈している(5点)から、著しい色むらがあり、灰色の部分が散見される(1点)までの5段階評価で色むらの評価を行い、5人の観者の評価の点数の平均値(評価点)を算出した。表2及び表3の「色調」欄のうち「色むら」欄には、評価点が4点以上である場合には記号「A」、評価点が3点以上4点未満である場合には記号「B」、評価点が3点未満である場合には記号「C」を記載した。なお、参考例の発泡粒子にはカーボンブラックが配合されていないため、参考例においては色調の評価を行っていない。それ故、参考例における色調の欄には記号「-」を記載した。
Figure 2023108874000003
Figure 2023108874000004
表2に示したように、実施例1~7の製造方法により得られた発泡粒子は、充填性に優れている。また、これらの発泡粒子を型内成形することにより、高い黒色度を有し、色むらが目立ちにくい良好な発泡粒子成形体を得ることができる。実施例の製造方法により得られる発泡粒子は、嵩倍率が高い場合であっても充填性が良好であり、黒色度が高く、色調のばらつきも小さいものであった。実施例1と実施例3との比較によれば、一段発泡粒子の嵩倍率Mに対する二段発泡粒子の嵩倍率Mの比M/Mが1.8以上である場合には、より黒色の濃い成形体を製造可能であることが理解できる。また、実施例1~7の中でも、実施例5~7の発泡粒子は、水冷時間が特に短かった。
一方、表3に示す比較例1の製造方法においては、実施例1及び実施例3~6と同程度の嵩倍率を有する発泡粒子を二段発泡工程を行うことなく、一段発泡により作製している。それ故、比較例1の製造方法により得られる発泡粒子は、実施例1及び実施例3~6の製造方法により得られる発泡粒子に比べて得られる成形体の黒色度が低く、色むらが目立ちやすい。また、発泡粒子の独立気泡率も低下しやすい。さらに、発泡粒子の充填性が悪化していた。
比較例2の製造方法においては、芯層及び被覆層へのカーボンブラックの配合量が過度に多いため、最低成形圧が高く、水冷時間も長くなった。また、得られる発泡粒子の充填性が低下した。
比較例3の製造方法により得られた発泡粒子は、非発泡状態の被覆層を有しないため、実施例の発泡粒子に比べて充填性に劣る。
比較例4の製造方法により得られた発泡粒子は、一段発泡粒子の嵩倍率Mが高すぎるため、得られる成形体の黒色度が低く、色調のばらつきも大きくなりやすい。また、比較例4の製造方法により得られた発泡粒子は、非発泡状態の被覆層を有しないため、実施例の発泡粒子に比べて充填性に劣る。なお、比較例3と比較例4との比較から、比較例3よりも嵩倍率Mの高い比較例4の発泡粒子は、比較例3よりもさらに充填性が低下することが理解できる。また、比較例4の発泡粒子は、後述する参考例2よりも充填性が低いことから、カーボンブラックを含有する発泡層は充填性を悪化させることがわかる。
比較例5の製造方法においては、被覆層中にカーボンブラックが配合されていない。それ故、比較例5の製造方法により得られる発泡粒子は、実施例1及び実施例3~5の製造方法により得られる発泡粒子に比べて得られる成形体の黒色度がやや低く、色調のばらつきが著しく大きくなりやすい。また、比較例5の製造方法により得られる発泡粒子は、被覆層中にカーボンブラックが配合されていないため、実施例1及び実施例3~5の製造方法により得られる発泡粒子に比べて充填性が劣っていた。
参考例1及び参考例2は、発泡層及び被覆層のいずれにもカーボンブラックを配合しない例である。参考例1及び参考例2の発泡粒子は白色の色調を呈していた。参考例1と参考例2とを比較すると、参考例1により得られた発泡粒子の充填性は参考例2により得られた発泡粒子の充填性と比べわずかに良化していた。これに対し、カーボンブラックを配合した例において、被覆層の有無以外は同様の構成を有する実施例1と比較例3とを比較すると、実施例1により得られた発泡粒子の充填性は比較例3により得られた発泡粒子の充填性よりも大きく良化していることが理解できる。さらに、実施例1と、被覆層中にカーボンブラックが配合されていない比較例5とを比較した場合にも、実施例1により得られた発泡粒子の充填性は比較例5により得られた発泡粒子の充填性よりも良化していることが理解できる。
従って、実施例、比較例、及び参考例の比較によれば、発泡層の表面に単に非発泡状態の被覆層を設けるだけではなく、前記特定の量のカーボンブラックが配合された非発泡状態の被覆層を設けるとともに、前述したように二段階の発泡工程を経て発泡粒子を製造することにより、発泡粒子の充填性を著しく向上させるという特異な効果が得られることが理解できる。
以上、実施例に基づいて本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法の具体的な態様を説明したが、本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法の具体的な態様は実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
Figure 2023108874000006

Claims (8)

  1. ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが配合された芯層と、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とし、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部未満のカーボンブラックが配合され、前記芯層を被覆する被覆層と、を備えたポリプロピレン系樹脂粒子を分散媒に分散させる分散工程と、
    密閉容器内において前記分散媒中の前記ポリプロピレン系樹脂粒子に無機物理発泡剤を含浸させた後、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を前記分散媒とともに前記密閉容器から前記密閉容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することにより、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の前記芯層を発泡させて嵩倍率5倍以上25倍以下の一段発泡粒子を得る一段発泡工程と、
    前記一段発泡粒子の気泡内の圧力を上昇させた後、前記一段発泡粒子を加熱することにより前記一段発泡粒子をさらに発泡させてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る二段発泡工程と、を含み、
    前記一段発泡粒子の嵩倍率Mに対する前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩倍率Mの比M/Mが1.2以上3.0以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 前記一段発泡粒子の嵩倍率Mに対する前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩倍率Mの比M/Mが1.8以上3.0以下である、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 前記一段発泡工程において、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を放出する雰囲気の温度Tuが40℃以上80℃未満である、請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  4. 前記被覆層の基材樹脂である前記ポリオレフィン系樹脂の融点Tmsが前記芯層の基材樹脂である前記ポリプロピレン系樹脂の融点Tmcよりも低い、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  5. 前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩倍率Mが30倍以上75倍以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  6. 前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が150mL/100g未満の着色用カーボンブラックである、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  7. 前記芯層の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂がエチレン-プロピレン-ブテン共重合体またはプロピレン-ブテン共重合体であるとともに、これらの共重合体におけるブテン成分含有量が2質量%以上15質量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法により得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形型内に充填した後、前記成形型内に加熱媒体を供給して型内成形を行うことにより発泡粒子成形体を作製する、発泡粒子成形体の製造方法。
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