JP5301354B2 - 姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、姿勢制御装置に関する。
従来、地中に堀削されたボーリング孔内に設置され、ボーリング孔内で地盤の震動を観測するボアホール型の地震計が広く知られている。こうしたボアホール型の地震計は、地盤の震動が伝達されるように、ボーリング孔内に挿入されたケーシングと呼ばれる保護管内に固定されて設置される。
ところが、ボーリング孔やケーシングの孔芯が傾斜している場合には、その中に設置される地震計自体も傾斜してしまい、地盤の震動を正確に計測できない。そのため、ボーリング孔の傾斜角度は±3°以内に制限されている。地中に堀削したボーリング孔の傾斜精度が±3°を超える場合には、別の場所に新たなボーリング孔を再度堀削しなければならないこととなり、コストの増大や作業の遅延を招くという問題があった。
そこで、姿勢制御装置を内蔵し、姿勢制御装置によって自身の傾斜を補正する地震計が知られている。例えば、特許文献1には、地震計等の計測器を搭載するための台部材を有する海底設置用のジンバル装置が開示されている。このジンバル装置は、台部材を固定するためのクランプ機構を有しており、一旦クランプを解除してジンバル機構により台部材を水平状態に調整する。その後、クランプ機構により再び台部材をクランプすることにより、台部材に搭載された地震計の姿勢を水平状態に保持して正確な計測が可能となる。
特開平8−326715号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている姿勢制御装置では、ケース内に第1支軸を介して枠部材が支持され、さらに、枠部材の内部に第2支軸を介して台部材が支持されており、台部材が水平面内で直交する2つの支軸により保持される構成となっている。そのため、台部材を固定するための機構が水平方向に展開され、水平方向に大きなスペースを必要とする。一方、ボアホール型の地震計が設置されるボーリング孔は径が小さく、特許文献1のような海底設置用の姿勢制御装置をボアホール型の地震計に適用することは不可能であるという問題があった。
本発明の課題は、検出器の姿勢を制御する姿勢制御装置の小型化を図ることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、姿勢制御装置において、
検出器を保持し、第1軸周りに回動自在に支持されるとともに、ケース内に当該第1軸と直交する第2軸を介して揺動自在に支持された保持部材と、
前記保持部材の前記第1軸周りの回動を規制する第1クランプ機構と、
前記保持部材の前記第2軸周りの揺動を規制する第2クランプ機構と、
前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸上に配設された重錘と、
前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を解除することで、前記重錘の重力作用により、前記保持部材を前記第1軸周りに回動させるとともに、所定時間経過後に、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行う第1軸制御手段と、
前記第1軸制御手段による制御と同時に又は制御後に、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を解除することで、前記保持部材を前記第2軸周りに揺動させるとともに、所定時間経過後に、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を行う第2軸制御手段と、
を備え、
前記第1軸制御手段及び前記第2軸制御手段による制御後に、前記第1軸及び前記第2軸のうち、前記第2軸のみが水平面上に有ることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の姿勢制御装置において、
前記第1クランプ機構は、
前記保持部材の前記第1軸周りの回動に連動して、前記保持部材とともに前記第1軸周りに回動する係止部材と、
前記係止部材に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持された可動部材と、
前記可動部材を前記係止部材側に付勢する弾性部材と、
前記可動部材を挟んで前記係止部材と対向する側に設けられた電磁石と、
を備え、
前記第1軸制御手段は、
前記電磁石に通電して前記可動部材を当該電磁石側に磁気吸着することで、前記可動部材を前記係止部材から離間させ、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を解除するとともに、前記所定時間経過後に、前記電磁石への通電を停止して前記弾性部材の付勢力により前記可動部材を前記係止部材側に付勢させ、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の姿勢制御装置において、
前記係止部材は、前記可動部材と対向する位置に溝部を有し、
前記可動部材は、前記溝部と嵌合する凸部を有し、
前記第1軸制御手段は、
前記弾性部材の付勢力により、前記可動部材の前記凸部を前記係止部材の前記溝部に嵌挿させて、当該凸部の外周面を前記溝部の内面に当接させることによって、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の姿勢制御装置において、
前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を検出する第1クランプ検出手段と、
前記第1クランプ検出手段による検出結果を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の姿勢制御装置において、
前記第2クランプ機構は、
前記保持部材に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持された第2可動部材と、
前記第2可動部材を前記保持部材側に付勢する第2弾性部材と、
前記第2可動部材を挟んで前記保持部材と対向する側に設けられた第2電磁石と、
を備え、
前記第2軸制御手段は、
前記第2電磁石に通電して前記第2可動部材を当該第2電磁石側に磁気吸着することで、前記第2可動部材を前記保持部材から離間させ、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を解除するとともに、前記所定時間経過後に、前記第2電磁石への通電を停止して前記第2弾性部材の付勢力により前記第2可動部材を前記保持部材側に付勢させ、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の姿勢制御装置において、
前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を検出する第2クランプ検出手段と、
前記第2クランプ検出手段による検出結果を報知する第2報知手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の姿勢制御装置において、
前記保持部材に、当該保持部材を振動させるための圧電素子が設けられ、
前記第2軸制御手段は、所定のタイミングで、前記圧電素子により前記保持部材を振動させることを特徴とする。
本発明によれば、保持部材を第1軸周りに回動させることにより、第2軸の補正が行われるとともに、保持部材を第2軸周りに揺動させることにより第1軸の補正が行われる。そのため、検出器を保持する保持部材を水平方向に支持する軸が1つで足りることとなり、水平方向の2軸により保持部材を支持する従来のジンバル機構と比較して水平方向のスペースを小さくすることができ、姿勢制御装置の小型化を図ることができる。
本発明を適用した本実施形態の姿勢制御装置の外観図である。 図1のII-II線における縦断面図である。 本実施形態の姿勢制御装置の機能的構成を示すブロック図である。 X軸補正処理前の姿勢制御装置を上方側から見た平面図である。 X軸補正処理後の姿勢制御装置を上方側から見た平面図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。 本実施形態の姿勢制御装置における姿勢制御を説明するための説明図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
なお、図1、図2、図7〜図12において、トラニオンフレーム8の台座部81及び台座部81の下方側に配設された各部材は断面図で示す。また、各図面において、補正前のX軸を「X軸」とし、補正後のX軸を「Xa軸」として図示するとともに、補正前のY軸を「Y軸」とし、補正後のY軸を「Ya軸」として図示する。
本実施形態の姿勢制御装置100は、図1〜図3に示すように、地震計(検出器)1を保持する保持部材2、重錘3、第1クランプ機構4、第2クランプ機構5、制御部(第1軸制御手段、第2軸制御手段)6、報知部(報知手段、第2報知手段)7等を備えて構成される。
保持部材2、重錘3、第1クランプ機構4、第2クランプ機構5は、トラニオンフレーム(ケース)8と一体的に設けられ、地震計1とともに略円柱形状の耐圧容器9内に収納されて、地中に堀削されたボーリング孔内に設置される。トラニオンフレーム8は、支持架構10により耐圧容器9の内壁に支持された状態で耐圧容器9内に収納される。
また、制御部6及び報知部7は、地上に配置されるとともに、ボーリング孔内に設置された姿勢制御装置100の各部とケーブルを介して接続され、ボーリング孔内の各部との間で各種信号を送受信する。
地震計1は、地中における地盤の震動を観測するボアホール型の地震計であり、水平2成分、垂直1成分の震動を検出する。地震計1は、保持部材2の内部に格納された状態で地盤の震動を検出し、ケーブルを介して震動の検出結果を地上の制御部6に送信する。地震計としては、サーボ型加速度計、過減衰型加速度計、動電型速度計等の各種地震計を用いることができる。
なお、検出器としての地震計は、少なくとも1成分の震動を検出するものであれば良い。
保持部材2は、全体が略円柱形状に形成され、トラニオンフレーム8内にX軸(第2軸)を介して支持されるとともに、耐圧容器9内においてY軸(第1軸)周りに回動自在に支持されている。保持部材2の内部には、地震計1を格納するための格納部2aが形成されている。
また、保持部材2は、その底面の断面が凹型円弧状に形成されており、後述する第2クランプ機構5の第2可動部材51により下方向からクランプ(固定)されていない場合には、重力作用によりX軸周りに自在に揺動する。一方、保持部材2は、第2クランプ機構5の第2可動部材51により下方向からクランプされている場合には、第2可動部材51との当接面に働く静止摩擦力によって、その姿勢が保持されるようになっている。
また、保持部材2は、第2クランプ機構5の第2可動部材51によるクランプ/アンクランプ、すなわち、第2クランプ機構5による保持部材2のX軸周りの揺動の規制/規制の解除を検出する第2クランプ検出部(第2クランプ検出手段)21を備えている。第2クランプ検出部21は、例えば、圧力センサにより構成され、印加圧力により変化する抵抗値に基づいて、第2クランプ機構5の第2可動部材51から印加される圧力を検出して出力する。そして、検出した圧力が予め定められた閾値に達した場合に、第2可動部材51により保持部材2が正確にクランプされたこと、すなわち、保持部材2のX軸周りの揺動が確実に規制されたことを示す検出信号を、図示しないクランプ確認信号線を介して地上に配された制御部6に対して送信するようになっている。
また、保持部材2は、内部に第1の圧電素子(圧電素子)22を備えている。第1の圧電素子22は、後述するY軸補正処理に際して、保持部材2が第2クランプ機構5の第2可動部材51によりクランプされていないタイミングで、後述する制御部6からの制御により駆動され、保持部材2に高周波の振動を与えて保持部材2を振動させる。これにより、保持部材2が重力作用によって、X軸周りによりスムーズに揺動することとなる。
重錘3は、トラニオンフレーム8の台座部81の上面部81aに設置されている。重錘3は、台座部81の上面部81aにおけるX軸およびY軸と直交するZ軸(第3軸)上のX軸及びY軸と重ならない位置に設置されている。そのため、台座部81の重心位置がZ軸上に有ることとなり、後述するX軸補正処理において、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの回動の規制が解除され、保持部材2がY軸周りに回動可能な状態となった場合に、台座部81の上面部81aに配設された重錘3の重力作用によってY軸周りの回転モーメントが作用し、第1クランプ機構4の第1可動部材42よりも上方側に配設された各部材(すなわち、保持部材2、重錘3、回転台41、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8等)がY軸周りに回動することとなる。そして、Y軸周りの回動によってZ軸上の重錘3が台座部81の上面部81aにおける最も下方側の位置に移動したタイミングで、トラニオンフレーム8のY軸周りの回動が停止することとなる。
第1クランプ機構4は、回転台(係止部材)41、第1可動部材(可動部材)42、第1ガイド43、第1弾性部材(弾性部材)44、第1電磁石(電磁石)45を備えて構成され、保持部材2のY軸周りの回動を規制する。
回転台41は、トラニオンフレーム8の台座部81の下面に一体的に設けられ、全体が略円柱形状に形成されるとともに、その下面に円錐台形状の溝部411を有している。また、回転台41は、ベアリング11によって耐圧容器9の内壁にY軸周りに回動自在に支持されている。
ベアリング11は、例えば、背面又は正面組み合わせ方式により配設された組み合わせアンギュラ玉軸受等であり、X軸補正処理において、第1クランプ機構4による保持部材2の規制が解除された場合に、Z軸上に配設された重錘3の重力作用によって、回転台41や回転台41と一体的に設けられた各部材(すなわち、保持部材2、重錘3、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8等)のY軸周りの回動を案内する。
また、回転台41は、第1クランプ機構4の第1可動部材42によるクランプ/アンクランプ、すなわち、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの回動の規制/規制の解除を検出する第1クランプ検出部(クランプ検出手段)412を備えている。第1クランプ検出部412は、例えば、圧力センサにより構成され、印加圧力により変化する抵抗値に基づいて、第1クランプ機構4の第1可動部材42から印加される圧力を検出して出力する。そして、検出した圧力が予め定められた閾値に達した場合に、第1可動部材42により回転台41が正確にクランプされたこと、すなわち、第1クランプ機構4により、保持部材2のY軸周りの回動が確実に規制されたことを示す検出信号を、図示しないクランプ確認信号線を介して地上に配された制御部6に対して送信するようになっている。
第1可動部材42は、磁性体としての金属材料等により構成されるとともに円錐台形状の凸部421を有し、保持部材2の下方側に配置されている。第1可動部材42は、後述する第1弾性部材44によって上方向(回転台41に対して接近する方向)に付勢されるとともに、後述するX軸補正処理における第1電磁石45への通電/非通電により、上下方向(回転台41に対して接近及び離間する方向)に移動可能となっている。
具体的には、第1可動部材42は、第1電磁石45が通電状態にある場合には、第1電磁石45の磁力の作用により、第1弾性部材44の付勢力に抗して下方向(回転台41に対して離間する方向)に移動する。すると、第1可動部材42の外周面は回転台41の溝部411の内面から離間し、第1可動部材42よりも上方側に配設された各部材(保持部材2、重錘3、回転台41、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8等)は、Y軸周りに回動可能な状態となる。
一方、第1可動部材42は、第1電磁石45が非通電状態にある場合には、第1弾性部材44の付勢力によって上方向(回転台41に対して接近する方向)に付勢される。第1可動部材42の上面の径は、回転台41の溝部411内の下面の径よりも若干大きく形成されており、第1弾性部材44の付勢力により上方向に付勢されると、第1可動部材42の凸部421が溝部411に嵌挿して、凸部421の外周面が第1可動部材42の溝部411の内面に当接するようになっている。すると、第1弾性部材44の付勢力が、第1可動部材42を介して回転台41に作用して、第1可動部材42よりも上方側に配設された各部材(保持部材2、重錘3、回転台41、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8等)が押圧され、各部材のY軸周りの回動が規制される。
また、第1可動部材42は、内部に第2の圧電素子422を備えている。第2の圧電素子422は、X軸補正処理において、第1可動部材42が上下方向に移動する際に、後述する制御部6からの制御により駆動され、第1可動部材42に高周波の振動を与えて第1可動部材42を振動させる。これにより、第1可動部材42の上下方向への移動がよりスムーズに行われる。
第1ガイド43は、略円環状に形成されており、支持架構10の上面に固着されている。また、第1ガイド43は、第1可動部材42の下面に固着されている突設部423の外周面に当接して設けられている。突設部423は、第1ガイド43よりも一回り小さく、且つ、第1弾性部材44よりも一回り大きい略円環状に形成され、第1ガイド43と第1弾性部材44とによって挟まれる位置に配設されている。
そのため、X軸補正処理において、第1可動部材42が上下方向に移動する際に、第1可動部材42の下面に配設された突設部423の外周面が第1ガイド43の内周面に沿って摺動することとなり、第1可動部材42が移動する際の横方向への振動が第1ガイド43によって抑制されることとなる。したがって、第1可動部材42は、横揺れの無い安定した状態で回転台41側に上昇して回転台41をクランプし、保持部材2のY軸周りの回動を確実に規制することができる。
第1弾性部材44は、支持架構10の上面に設置されるとともに、第1可動部材42の底面に固着され、第1可動部材42を下方側から回転台41に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持している。
第1弾性部材44の弾性力は、第1電磁石45に通電した場合に作用する磁力よりも小さく設定されており、第1電磁石45への通電を停止した場合には伸長して、第1可動部材42を回転台41側に付勢する。
一方、第1弾性部材44は、第1電磁石45が通電されている場合には、第1電磁石45側に磁気吸着される第1可動部材42により圧縮されて収縮し、第1可動部材42を回転台41から離間させる。
第1電磁石45は、第1弾性部材44の外周側に配設された略円筒状のボビンケース451と、このボビンケース451の周面に巻回されたコイル452と、を備えて構成され、第1可動部材42を挟んで回転台41と対向する側に配されている。
第1電磁石45は、後述するX軸補正処理において、後述する制御部6からの制御により、所定時間の間、コイル452に通電されて、磁性体である第1可動部材42を当該第1電磁石45側に磁気吸着するようになっている。すなわち、第1電磁石45のコイル452に通電することで、第1電磁石45の磁力が第1可動部材42に作用して、第1可動部材42が、第1弾性部材44の付勢力に抗して下方向(回転台41から離間する方向)に引き下げられることとなる。
一方、第1電磁石45への通電を停止すると、第1電磁石45の磁力が作用しない状態となり、第1可動部材42が第1弾性部材44の復元力により上方向(回転台41に対して接近する方向)に押し上げられることとなる。
第2クランプ機構5は、第2可動部材51、第2ガイド52、第2弾性部材53、第2電磁石54を備えて構成され、保持部材2のX軸周りの揺動を規制する。
第2可動部材51は、磁性体としての金属材料等により構成されるとともに円柱形状をなし、保持部材2の下方側に配置されている。第2可動部材51は、後述する第2弾性部材53によって上方向(保持部材2に対して接近する方向)に付勢されるとともに、後述するY軸補正処理における第2電磁石54への通電/非通電により、上下方向(保持部材2に対して接近及び離間する方向)に移動可能となっている。
具体的には、第2可動部材51は、第2電磁石54が通電状態にある場合には、第2電磁石54の磁力の作用により、第2弾性部材53の付勢力に抗して下方向(保持部材2に対して離間する方向)に移動する。すると、第2可動部材51の上面は保持部材2の底面から離間し、保持部材2は、X軸周りに揺動可能な状態となる。
一方、第2可動部材51は、第2電磁石54が非通電状態にある場合には、第2弾性部材53の付勢力によって上方向(保持部材2に対して接近する方向)に付勢される。第2可動部材51の上面の断面は、保持部材2の底面の断面と同じ曲率を有する凹型円弧状に形成されており、第2弾性部材53の付勢力により上方向に付勢されると、第2可動部材51の上面の全面が保持部材2の底面に当接するようになっている。すると第2弾性部材53の付勢力が、第2可動部材51を介して保持部材2に作用して、保持部材2が上方向に向けて押圧され、保持部材2のX軸周りの揺動が規制される。
また、第2可動部材51の上面における弧の長さは、保持部材2の底面における弧の長さよりも短く形成されている。そのため、保持部材2の垂直軸と第2可動部材51の垂直軸とがずれていても、第2可動部材51の上面の全面を保持部材2の底面に当接させて押圧し、保持部材2をクランプできるようになっている。
また、第2可動部材51は、内部に第3の圧電素子511を備えている。第3の圧電素子511は、Y軸補正処理において、第2可動部材51が上下方向に移動する際に、後述する制御部6からの制御により駆動され、第2可動部材51に高周波の振動を与えて第2可動部材51を振動させる。これにより、第2可動部材51の上下方向への移動がよりスムーズに行われる。
第2ガイド52は、略円環状に形成されており、トラニオンフレーム8の台座部81の上面部81aに固着されている。また、第2ガイド52は、第2可動部材51の周面部の一部を覆うように、第2可動部材51の周面部に当接して設けられている。
そのため、Y軸補正処理において、第2可動部材51が上下方向に移動する際に、第2可動部材51が第2ガイド52の内周面に沿って摺動することとなり、第2可動部材51が移動する際の横方向への振動が第2ガイド52によって抑制されることとなる。したがって、第2可動部材51は、横揺れの無い安定した状態で保持部材2側に上昇して保持部材2をクランプし、保持部材2のX軸周りの揺動を確実に規制することができる。
第2弾性部材53は、トラニオンフレーム8の台座部81の上面部81aに設置されるとともに、第2可動部材51の底面に固着され、第2可動部材51を保持部材2に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持している。
第2弾性部材53の弾性力は、第2電磁石54に通電した場合に作用する磁力よりも小さく設定されており、第2電磁石54への通電を停止した場合には伸長して、第2可動部材51を保持部材2側に付勢する。
一方、第2弾性部材53は、第2電磁石54が通電されている場合には、第2電磁石54側に磁気吸着される第2可動部材51により圧縮されて収縮し、第2可動部材51を保持部材2から離間させる。
第2電磁石54は、第2弾性部材53の外周側に配設された略円筒状のボビンケース541と、このボビンケース541の周面に巻回されたコイル542と、を備えて構成されており、第2可動部材51を挟んで保持部材2と対向する側に配されている。
第2電磁石54は、姿勢制御処理において、後述する制御部6からの制御により、所定時間の間、コイル542に通電されて、磁性体である第2可動部材51を当該第2電磁石54側に磁気吸着するようになっている。すなわち、第2電磁石54のコイル542に通電することで、第2電磁石54の磁力が第2可動部材51に作用して、第2可動部材51が、第2弾性部材53の付勢力に抗して下方向(保持部材2から離間する方向)に引き下げられることとなる。
一方、第2電磁石54への通電を停止すると、第2電磁石54の磁力が作用しない状態となり、第2可動部材51が第2弾性部材53の復元力により上方向(保持部材2に対して接近する方向)に押し上げられることとなる。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)(いずれも図示せず)等を備えて構成され、地震計1の姿勢制御処理において、地震計1を保持する保持部材2のX軸方向の姿勢を補正するためのX軸補正処理と、保持部材2のY軸方向の姿勢を補正するためのY軸補正処理とを実行する。
ここで、本実施形態の姿勢制御装置100のボーリング孔内への設置から地震計1による計測開始までの処理手順の流れを図6のフローチャートに簡単に示すとともに、図6及び図1、図4、図5、図7〜図12を参照しながら制御部6により実行されるX軸補正処理およびY軸補正処理について説明する。
まず、地震計1や姿勢制御装置100の各部(すなわち、保持部材2、重錘3、第1クランプ機構4、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8)が収納された耐圧容器9がボーリング孔内へ設置されると(図6のステップ1)、作業者は、図示しない操作部を操作して、姿勢制御処理の開始を指示する。
作業者による姿勢制御処理の開始の指示を受けて、制御部6は、初めに、第1軸制御手段としてX軸補正処理を実行し、保持部材2のX軸方向の姿勢を補正する。
X軸補正処理において、制御部6は、所定時間の間、第1クランプ機構4の第1電磁石45を通電することで、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの回動の規制を一旦解除して(図7、図6のステップS2)、保持部材2を重力作用によってY軸周りに回動させ、保持部材2を支持するX軸が水平面に対して平行となるように補正する。
ここで、図4は、X軸補正処理前且つY軸補正処理前の姿勢制御装置100(図1)を上方側から見た図である。また、図5は、X軸補正処理後であってY軸補正処理前の姿勢制御装置100(図9)を上方側から見た図である。
図4に示すように、トラニオンフレーム8の台座部81に配設された重錘3の位置(重心の位置)が台座部81の上面部81aにおける上方側に位置している場合、第1クランプ機構4の第1可動部材42が、回転台41から離間する方向(図7における矢印aの方向)に下昇して回転台41から離間すると(図7)、第1可動部材42の上方側に位置する各部材(保持部材2、重錘3、回転台41、第2クランプ機構5、トラニオンフレーム8等)が、第1クランプ機構4によるY軸周りの規制から開放され、Y軸周りに回動可能な状態となる。そして、重錘3に作用する重力作用によってY軸周り(図4における矢印bの方向)に回動し、図5に示すように、重錘3が台座部81の上面部81aにおける最も下方側に移動し、X軸が水平面に対して平行となると(Xa軸)、Y軸周りの回動が停止する(図8)。
このとき、重心位置を含むZ軸と直交するX軸は、水平面に対して平行な状態となる。すなわち、第1クランプ機構4の第1電磁石45への通電を行って、第1クランプ機構4による保持部材2の規制を解除すると、Z軸上に配設された重錘3の重力作用を受けて、保持部材2を含む各部材が、Y軸周りに回動することで、保持部材2が自動的にX軸方向の姿勢を補正することとなる。
そして、制御部6は、第1クランプ機構4による規制の解除から所定時間経過後に(図6のステップS3;Yes)、第1電磁石45への通電を停止して、第1可動部材42を保持部材2に対して接近する方向(図9における矢印cの方向)に上昇させる。すると、第1可動部材42の外周面が、回転台41の溝部411の内面に当接し、第1弾性部材44の付勢力によって回転台41を押圧して、再びクランプする。これにより、保持部材2のX軸方向の姿勢が水平に保たれた状態のまま、第1クランプ機構4によってY軸周りの回動が規制されることとなり、X軸の補正がなされることとなる(図9、図6のステップS4)。
また、制御部6は、X軸補正処理において、第1電磁石45への通電によって保持部材2のY軸周りの回動の規制を一旦解除した後に、第1クランプ検出部412から、第1クランプ機構4による保持部材2の規制が完了したことを示すクランプ検出信号が出力されるまで、可変抵抗器等を用いて第1電磁石45に流す電流を徐々に減少させて通電を停止する。これにより、第1弾性部材44の付勢力により第1可動部材42が少しずつ回転台41側に押し上げられることとなり、第1可動部材42の外面が回転台41の溝部411の内面に接触する際の地震計1への衝撃を緩和することができる。そのため、保持部材2に余計な衝撃を与えて揺動させることなく、安定した状態で、第1クランプ機構4による規制を行うことができる。
そして、第1クランプ機構4の第1可動部材42による回転台41のクランプが完了し、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの回動の規制が正常に行われた場合には、回転台41に設けられた第1クランプ検出部412から、第1クランプ機構4による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号が制御部6に対して出力される。
制御部6は、X軸補正処理における第1電磁石45への通電の開始から所定時間内に、第1クランプ検出部412から第1クランプ機構4による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号を受信しない場合には、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの規制が正常に終了しなかったと判断し、その旨を報知部7により作業者に報知する。
一方、X軸補正処理における第1電磁石45への通電の開始から所定時間内に、第1クランプ検出部412から第1クランプ機構4による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号が出力された場合、制御部6は、X軸補正処理が正常に終了したと判断し、次に、第2軸制御手段としてY軸補正処理を実行し、保持部材2のY軸方向の姿勢を補正する。
Y軸補正処理において、制御部6は、所定時間の間、第2クランプ機構5による保持部材2のX軸周りの揺動の規制を一旦解除して(図10、図6のステップS5)、保持部材2を重力作用によってX軸周りに揺動させ、保持部材2を通るY軸が重力方向と一致するように補正する。
ここで、保持部材1を通るY軸が重力方向に対して傾斜している場合、第2クランプ機構5の第2可動部材51が、保持部材2から離間する方向(図10における矢印dの方向)に下降して保持部材2から離間すると、保持部材2が、第2クランプ機構5によるX軸周りの規制から開放され、X軸周りに揺動可能な状態となる。そして、自身の重力作用によって、X軸周りに重力方向に対するY軸の傾斜角θ分揺動し(図11の矢印eの方向)、Y軸が重力方向と一致すると(Ya軸)、保持部材2のX軸周りの揺動が停止する(図11)。
すなわち、第2クランプ機構5の第2電磁石54への通電を行って、第2クランプ機構5による保持部材2の規制を解除すると、重力の作用を受けて、保持部材2がX軸周りに揺動することで、自動的に自身のY軸方向の姿勢を補正することとなる。
そして、制御部6は、第2クランプ機構5によるX軸周りの揺動の規制の解除から所定時間経過後に(図6のステップS6;Yes)、第2電磁石54への通電を停止して、第2可動部材51を、保持部材2に対して接近する方向(図12における矢印fの方向)に上昇させる。すると、第2可動部材51の上面が保持部材2の底面に当接し、第2弾性部材53の付勢力によって保持部材2を押圧して、保持部材2を再びクランプする。これにより、保持部材2のY軸方向の姿勢が水平に保たれた状態のまま、第2クランプ機構5によってX軸周りの揺動が規制されることとなり、Y軸の補正がなされることとなる(図12、図6のステップS7)。
また、制御部6は、Y軸補正処理において、第2電磁石54への通電によって保持部材2のX軸周りの揺動の規制を一旦解除した後に、第2クランプ検出部21から、第2クランプ機構5による保持部材2の規制が完了したことを示すクランプ検出信号が出力されるまで、可変抵抗器等を用いて第2電磁石54に流す電流を徐々に減少させて通電を停止する。これにより、第2弾性部材53の付勢力により第2可動部材51が少しずつ保持部材2側に押し上げられることとなり、第2可動部材51により保持部材2がクランプされる際の地震計1への衝撃を緩和することができる。そのため、保持部材2に余計な衝撃を与えて揺動させることなく、安定した状態で、第2クランプ機構5による保持部材2の規制を行うことができる。
そして、第2クランプ機構5の第2可動部材51による保持部材2のクランプが完了し、第2クランプ機構5による保持部材2のX軸周りの規制が正常に行われた場合には、回転台41に設けられた第2クランプ検出部21から、第2クランプ機構5による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号が制御部6に対して出力される。
制御部6は、Y軸補正処理における第2電磁石54への通電の開始から所定時間内に、第2クランプ検出部21から第2クランプ機構5による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号を受信しない場合には、第2クランプ機構5による保持部材2のX軸周りの揺動の規制が正常に終了しなかったと判断し、その旨を報知部7により作業者に報知する。
一方、Y軸補正処理における第2電磁石54への通電の開始から所定時間内に、第2クランプ検出部21から第2クランプ機構5による保持部材2の規制が正常に終了したことを示す検出信号が出力された場合、制御部6は、Y軸補正処理が正常に終了したと判断し、第1クランプ機構4及び第2クランプ機構5による保持部材2の規制が正常に完了して、保持部材2(すなわち、地震計1)の姿勢がロックされたことを報知する(図6のステップS8)。これを受けて、作業者は、図示しない操作部を操作して、姿勢制御装置100における姿勢制御処理を終了し、地震計1による計測を開始する(図6のステップS9)。
報知部7は、第1クランプ検出部412又は第2クランプ検出部21によるクランプの検出結果を、ユーザに報知する。この報知部7は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプ等により構成され、X軸補正処理及びY軸補正処理に際して、第1クランプ検出部412及び第2クランプ検出部21からクランプ状態にあることを示す検出信号を受信する。そして、X軸補正処理における第1電磁石45への通電停止から所定時間内に、第1クランプ検出部412からクランプ状態にあることを示す検出信号を受信しない場合に点灯するとともに、Y軸補正処理における第2電磁石54への通電停止から所定時間内に、第2クランプ検出部21からクランプ状態にあることを示す検出信号を受信しない場合に点灯することで、保持部材2の規制が正常に行われなかったことを報知する。
これにより、作業者は、ボーリング孔内に設置された姿勢制御装置100において、保持部材2のY軸周りの回動又はX軸周りの揺動が、第1クランプ機構4及び第2クランプ機構5により適切に規制されなかったことを知ることができる。そして、保持部材2と第1可動部材42、51との間に障害物が入り込む等、何らかの原因によりクランプが正確に行われず、保持部材2の姿勢を確実に固定できなかった場合、作業者は作業のやり直し等を行うことができる。そのため、作業者は、X軸補正処理及びY軸補正処理において何らかの原因により保持部材2のY軸周りの回動の規制又はX軸周りの揺動の規制が確実に行わなかった場合であっても作業のやり直し等を行うことができ、姿勢制御装置100における姿勢制御の信頼性が向上することとなる。
また、報知部7は、所定時間内に第1クランプ機構4及び第2クランプ機構5による保持部材2の規制が正常に終了しなかった場合にその旨を作業者に報知するため、保持部材2の規制が正常に終了した場合にその旨を報知する報知部と比較して、作業者が、保持部材2の規制が正常に行われなかったことをより素早く且つ確実に把握することができ、作業の迅速化が図られることとなる。
以上説明した本実施形態の姿勢制御装置100によれば、保持部材をY軸(第1軸)周りに回動させることにより、Y軸(第1軸)と直交するX軸(第2軸)の補正が行われるとともに、保持部材をX軸(第2軸)周りに揺動させることによりY軸(第1軸)の補正が行われる。そのため、地震計等の検出器を保持する保持部材を水平方向に支持する軸が1つで足りることとなり、水平方向の2軸により保持部材を支持する従来のジンバル機構と比較して水平方向のスペースを小さくすることができ、姿勢制御装置の小型化を図ることができる。これにより、従来はスペースの問題で姿勢制御装置を備えることが不可能であったボアホール型の地震計に、本発明の姿勢制御装置を適用することが可能となる。したがって、従来は姿勢制御が不可能であったボアホール型の地震計において姿勢の補正が可能となり、ボアホール型の地震計における検出精度を高め、信頼性を向上させることができる。
また、ボーリング孔の施工時に、ボーリング孔の傾斜角度を厳密に考慮する必要が無くなるため、ボーリング孔の施工コストの削減と作業時間の短縮化を図ることができる。
また、地中に堀削されたボーリング孔が傾斜している場合であっても、ボーリング孔内に設置したボアホール型の地震計の姿勢が補正可能であるため、新たなボーリング孔を再度堀削するリスクが無くなる。そのため、新たなボーリング孔を施工する場合に生ずるコストの増大や作業の遅延を防止することができる。
また、ボアホール型の地震計をボーリング孔に設置して姿勢の補正を実施した後に、地殻変動等の何らかの外乱により地震計を収納する耐圧容器(ケース)が傾斜した場合であっても、再度、姿勢制御装置により地震計の姿勢を補正することができる。
さらに、地上からの遠隔操作により姿勢の補正が可能であるため、作業の効率化を図ることができる。
また、第1クランプ機構4に備わる第1電磁石45への通電を切り替えることで、第1クランプ機構4による保持部材2のY軸周りの回動の規制と、規制の解除とを行って、保持部材2のX軸方向の姿勢を自重で補正させることができる。また、第2クランプ機構5に備わる第2電磁石54への通電を切り替えることで、第2クランプ機構5による保持部材のX軸周りの揺動の規制と、規制の解除とを行って、保持部材のY軸方向の姿勢を自重で補正させることができる。そのため、部品等に高い加工精度が求められることが無く、製造コストを抑えることができ、低価格化を図ることができる。
さらに、Y軸(第1軸)の傾斜補正及びX軸(第2軸)の傾斜補正を、モータを用いずに行うことができる。そのため、モータ駆動を行う姿勢制御装置に比べて、装置全体を小型化することができる。また、モータによる姿勢制御を行う場合に比べて機構が簡略化されるため、部品等に高い加工精度が求められることが無く、製造コストを抑えることができ、低価格化を図ることができる。また、機構が簡略であるとともに、部品等の故障が発生し難いため、モータの故障の影響を受けるモータ駆動に比べて、信頼性が向上することとなる。また、モータによる姿勢制御を行う場合と比較して、より短い時間で姿勢制御を行うことができる。さらに、モータを備える姿勢制御装置に比べて、配線の本数を減らすことができる。
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、保持部材の底面形状は、断面視凸型円弧状である限り如何なる形状でも良く、例えば、かまぼこ型の曲面形状や、球面形状であっても良い。同様に、第2クランプ機構の可動部材の上面形状は、断面視凹型円弧状である限り如何なる形状でも良く、かまぼこ型の曲面形状や、球面形状であっても良い。
また、上記実施形態では、地中に堀削したボーリング孔内に設置して、地中における地盤の震動を検出するボアホール型の地震計に適用される姿勢制御装置について説明したが、姿勢制御の対象はボアホール型の地震計に限られず、他の検出器に適用しても良い。例えば、地上に設置される地震計や海底に設置される地震計に、本発明の姿勢制御装置を適用することとしても良い。
また、報知手段として、第1クランプ機構4によるクランプの結果を報知する報知部と、第2クランプ機構5によるクランプの結果を報知する報知部とを、別々に設け、X軸補正処理の後に、第2クランプ機構によるクランプが正常に終了しなかった場合には、Y軸補正処理のみをやり直しすることができるように構成しても良い。
また、第1クランプ機構4によるクランプと第2クランプ機構5によるクランプとが正常に終了した場合に、その旨を作業者に報知する報知部を報知手段としても設けることとしても良い。
また、上記実施形態では、第1軸制御手段によるX軸補正処理が終了した後に、第2軸制御手段によるY軸補正処理を実行する場合について説明したが、第1軸制御手段によるX軸補正処理と第2軸制御手段によるY軸補正処理とを同時に実行しても良い。
100 姿勢制御装置
1 地震計(検出器)
2 保持部材
21 第2クランプ検出部(第2クランプ検出手段)
22 第1の圧電素子(圧電素子)
3 重錘
4 第1クランプ機構
41 回転台(係止部材)
411 溝部
412 第1クランプ検出部(第1クランプ検出手段)
42 第1可動部材(可動部材)
421 凸部
44 第1弾性部材(弾性部材)
45 第1電磁石(電磁石)
5 第2クランプ機構
51 第2可動部材
53 第2弾性部材
54 第2電磁石
6 制御部(第1軸制御手段、第2軸制御手段)
7 報知部(報知手段、第2報知手段)
8 トラニオンフレーム(ケース)

Claims (7)

  1. 検出器を保持し、第1軸周りに回動自在に支持されるとともに、ケース内に当該第1軸と直交する第2軸を介して揺動自在に支持された保持部材と、
    前記保持部材の前記第1軸周りの回動を規制する第1クランプ機構と、
    前記保持部材の前記第2軸周りの揺動を規制する第2クランプ機構と、
    前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸上に配設された重錘と、
    前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を解除することで、前記重錘の重力作用により、前記保持部材を前記第1軸周りに回動させるとともに、所定時間経過後に、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行う第1軸制御手段と、
    前記第1軸制御手段による制御と同時に又は制御後に、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を解除することで、前記保持部材を前記第2軸周りに揺動させるとともに、所定時間経過後に、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を行う第2軸制御手段と、
    を備え、
    前記第1軸制御手段及び前記第2軸制御手段による制御後に、前記第1軸及び前記第2軸のうち、前記第2軸のみが水平面上に有ることを特徴とする姿勢制御装置。
  2. 前記第1クランプ機構は、
    前記保持部材の前記第1軸周りの回動に連動して、前記保持部材とともに前記第1軸周りに回動する係止部材と、
    前記係止部材に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持された可動部材と、
    前記可動部材を前記係止部材側に付勢する弾性部材と、
    前記可動部材を挟んで前記係止部材と対向する側に設けられた電磁石と、
    を備え、
    前記第1軸制御手段は、
    前記電磁石に通電して前記可動部材を当該電磁石側に磁気吸着することで、前記可動部材を前記係止部材から離間させ、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を解除するとともに、前記所定時間経過後に、前記電磁石への通電を停止して前記弾性部材の付勢力により前記可動部材を前記係止部材側に付勢させ、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする請求項1に記載の姿勢制御装置。
  3. 前記係止部材は、前記可動部材と対向する位置に溝部を有し、
    前記可動部材は、前記溝部と嵌合する凸部を有し、
    前記第1軸制御手段は、
    前記弾性部材の付勢力により、前記可動部材の前記凸部を前記係止部材の前記溝部に嵌挿させて、当該凸部の外周面を前記溝部の内面に当接させることによって、前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする請求項2に記載の姿勢制御装置。
  4. 前記第1クランプ機構による前記保持部材の規制を検出する第1クランプ検出手段と、
    前記第1クランプ検出手段による検出結果を報知する報知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の姿勢制御装置。
  5. 前記第2クランプ機構は、
    前記保持部材に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持された第2可動部材と、
    前記第2可動部材を前記保持部材側に付勢する第2弾性部材と、
    前記第2可動部材を挟んで前記保持部材と対向する側に設けられた第2電磁石と、
    を備え、
    前記第2軸制御手段は、
    前記第2電磁石に通電して前記第2可動部材を当該第2電磁石側に磁気吸着することで、前記第2可動部材を前記保持部材から離間させ、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を解除するとともに、前記所定時間経過後に、前記第2電磁石への通電を停止して前記第2弾性部材の付勢力により前記第2可動部材を前記保持部材側に付勢させ、前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の姿勢制御装置。
  6. 前記第2クランプ機構による前記保持部材の規制を検出する第2クランプ検出手段と、
    前記第2クランプ検出手段による検出結果を報知する第2報知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の姿勢制御装置。
  7. 前記保持部材に、当該保持部材を振動させるための圧電素子が設けられ、
    前記第2軸制御手段は、所定のタイミングで、前記圧電素子により前記保持部材を振動させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の姿勢制御装置。
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