関連出願の相互参照
本出願は、名称が「無線ネットワークにおける中継局のためのハンドオーバまたは位置更新の最適化」である、2006年4月19日に出願された米国出願第11/406,754号に基づく優先権を主張し、また、この米国出願第11/406,754号の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
背景
無線技術の進化に伴い、セルラーネットワークおよびその他の無線ネットワーク等の多種多様の無線ネットワークが導入されている。いくつかの無線ネットワークは、例えば、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers; IEEE)の802.11系の無線LAN(Wireless LAN; WLAN)の産業仕様に基づいている。IEEE 802.16またはWiMax技術仕様書等の新しい無線技術が開発中である。IEEE 802.16は、無線による都市規模ネットワークのための無線MAN無線インターフェース仕様書を規定している。多くの作業部会がこの技術の向上に取り組んでいる。
802.16の仕様書に対して提案された改訂の1つは、無線ネットワークの範囲の拡大および無線ネットワークのスループットの向上のために役立ちうる中継局を利用することを提案している。このようなネットワークにおいて、移動局は、中継局を介して基地局と通信することができる。
さらに、多くの無線ネットワークが実行する基本機能は、第1の基地局またはアクセスポイントから第2の基地局への移動局のモビリティである。アクティブモードにおけるモビリティは、典型的にはハンドオーバと呼ばれ、また、アイドルモードにおけるモビリティは、典型的には位置更新と呼ばれる。ハンドオーバにおいては、いくつかのネットワークにおいて、基地局は、移動局と、近隣基地局等のその他の基地局とに関連する信号等の信号を走査するように構成されてもよい。場合によっては、特定の信号条件が満たされる場合に、ハンドオーバは、例えば、移動先基地局における高いチャネル品質に基づき、現在の基地局から移動先基地局へ移動局をハンドオーバするように要求されてもよい。位置更新においては、基地局は、その位置識別子をブロードキャストする。移動局は、位置識別子を受信してもよい。移動局が、登録している位置識別子と違うと判断する場合、新しい位置を登録するための信号伝達手順を開始してもよい。しかしながら、無線ネットワークがより複雑になるため、ハンドオーバ過程および/または位置更新はより困難になり得る。
摘要
無線ネットワークにおける中継局のためのハンドオーバまたは位置更新の最適化に関する種々の実施形態が開示される。
例示的実施形態によると、第1の基地局から第2の基地局へ複数の移動局をハンドオーバするための要求が送信されてもよい。前記複数の移動局のそれぞれのために、前記第2の基地局に関連付けられる識別子が受信されてもよい。例示的実施形態において、前記識別子の各々は、前記識別子に対応する前記移動局に転送されてもよい。例示的実施形態において、ハンドオーバするための前記要求は、前記中継局によって送信されてもよい。例示的実施形態において、ハンドオーバするための前記要求は、前記第1の基地局によって送信されてもよい。
別の例示的実施形態において、第1の基地局および第2の基地局に関連する情報に基づき、複数の移動局をハンドオーバするための決定が行なわれてもよい。要求は、前記決定に基づき、前記第1の基地局から前記第2の基地局に前記複数の移動局をハンドオーバするために送信されてもよい。前記複数の移動局のそれぞれのために前記第2の基地局に関連付けられる識別子が受信されてもよい。
さらなる例示的実施形態において、装置が、無線通信のための局に設けられ得る。前記装置は、制御器と、前記制御器に接続されるメモリと、前記制御器に接続される無線送受信機とを備えてもよい。前記装置は、第1の基地局から第2の基地局に複数の移動局をハンドオーバするための要求を送信し、また、前記複数の移動局のそれぞれのために、前記第2の基地局に関連付けられる識別子を受信するように構成されてもよい。例示的実施形態において、前記装置は、中継局に設けられる装置を含んでもよい。別の実施形態において、前記装置は、基地局またはアクセスポイントに設けられる装置を含んでもよい。
別の例示的実施形態において、複数の移動局に関する位置更新情報を提供するために、移動先基地局などのネットワークデバイスにメッセージを送信することによって、位置更新を実行してもよい。例示的実施形態によると、例えば、新しい呼び出しグループIDを受信することによって位置の変更を検出してもよく、また、複数の移動局に関する位置更新を実行するために、メッセージをネットワークデバイスに送信してもよい。複数の移動局または移動局群に関する位置更新メッセージを、中継局等から送信することによって、無線リンク上の混雑が減少し得る。このように、複数の移動局に関するハンドオーバまたは位置更新を促進するために、1つのメッセージを無線リンク上で伝送してもよい。
1つ以上の実装に関する詳細について、添付の図面および以下の説明において記載する。その他の特徴については、説明および図面ならびに請求項により明らかになるだろう。
例示的実施形態に従う無線ネットワークを示すブロック図である。
ある実施形態に従う例示的なマルチホップ環境の図である。
例示的実施形態に従う複数の移動局に関するハンドオーバの動作を示す図である。
別の例示的実施形態に従う複数の移動局に関するハンドオーバの動作を示す図である。
さらなる例示的実施形態に従う複数の移動局に関するハンドオーバの動作を示す図である。
例示的実施形態に従う複数の移動局に関するハンドオーバの動作を示すフローチャートである。
別の例示的実施形態に従う複数の移動局に関するハンドオーバの動作を示すフローチャートである。
例示的実施形態に従う複数の移動局のために実行される位置更新の動作を示す図である。
例示的実施形態に従う複数の移動局のために実行される位置更新の動作を示すフローチャートである。
例示的実施形態に従う無線局に設けられ得る装置を示すブロック図である。
詳細な説明
図面を参照するにあたって、図面における同一数字は同一要素を示す。図1は、例示的実施形態に従う無線ネットワーク102を示すブロック図である。無線ネットワーク102は、基地局BS1 104およびBS2(106)、中継局RS110、およびMS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)等の移動局群等の、多数の無線ノードまたは無線局を含んでもよい。無線ネットワーク102において2つの基地局と、1つの中継局と、3つの移動局しか図示されないが、任意の数の基地局、中継局、および移動局が設けられてもよい。各基地局104、106は、広域ネットワーク(Wide Area Network; WAN)、インターネット等の固定ネットワーク108に接続されてもよく、また、その他の無線ネットワークにも接続されてもよい。移動局MS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)のグループは、中継局110を介して基地局104または106と通信してもよい。
例示的実施形態によると、移動局MS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)は、初めに、例えば基地局BS1 104とアソシエーションしてもよく、また、移動局は、中継局110を介してBS1 104と通信してもよい。例示的実施形態において、中継局110は、移動局MS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)と共に、基地局BS1 104に対して移行または移動してもよい。例えば、移動局MS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)ならびに中継局110は、ボート、バス、電車、飛行機等の車両上でまとめて移動してもよい。従って、ある時点において、移動局MS1(112)、MS2(114)、およびMS3(116)のグループならびに中継局110は、アソシエーション中の基地局BS1 104の範囲外に移動し得ることから、移行時に、1つ以上の新しい基地局(例えば、BS2(106))にハンドオーバする必要があり得る。また、追加の移動局または加入者局(図示せず)が、基地局104または106と通信してもよいことも可能であり、また、追加の移動局または加入者局が中継局110と共に移動しないことも可能である。
さらに別の実施形態において、移動局は、中継局RS 110および基地局から独立して動作してもよく、また、中継局RS 110も、基地局および移動局に対して移動してもよく、あるいはそれらに対して可動性であってもよい。
本明細書に記載の種々の実施形態は、WLANネットワーク、802.11ネットワーク、WiMAXネットワーク、IEEE802.16型ネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク(radio network)、またはその他の無線ネットワーク(wireless network)等の多種多様なネットワークおよび技術に適用可能であってもよい。無線中継ネットワークは、エンドノード(例えば、移動局または加入者局)が、中継局(例えば、RS110)を介して基地局に接続されてもよいマルチホップシステムの例であってもよい。移動局または加入者局は、例えば、RS110等の中継局を介して基地局に接続されてもよい。移動局または加入者局と、基地局との間のトラフィックは、例えば中継局110を経由し、中継局110により処理されてもよい。一例として、中継局を使用することによって、ネットワーク範囲が拡張し、および/またはシステムスループットが向上し得る。例えば、中継局から送信されるトラフィックは、中継局自体によってスケジュール化されてもよく、あるいは、代わりに基地局によってスケジュール化されてもよい。場合により、中継局は、基地局からのフレームを受信および復号してから、それぞれの移動局または加入者局にフレームを転送してもよい。
図2は、例示的実施形態に従うマルチホップ環境の図である。移動局または加入者局(Mobile Station; MS/Subscriber Station: SS)であり得る無線ノード210、220、および230のグループは、その各々が、無線リンクを介して無線ノード240に接続されてもよい。一例として、無線ノード210、220、230には、携帯電話機、無線携帯情報端末(Personal Digital Assistant; PDA)、またはその他の種類の無線アクセス機器、あるいは移動局を含めてもよい。用語の「ノード」は、例えば、加入者局または移動局、アクセスポイントまたは基地局、中継局またはその他の中間無線ノード、あるいはその他の無線コンピュータ機器等の無線局を言及してもよい。無線ノード240は、例えば、中継局またはその他のノードであってもよい。無線ノード240は、無線リンクを介して無線ノード250に接続されてもよい。無線ノード250は、例えば、基地局(Base Station; BS)、アクセスポイント(Access Point; AP)、またはその他の無線ノードであってもよい。無線ノード250は、例えば、ネットワーク260等の固定ネットワークに接続されてもよい。ノード210、220、および230からノード240およびノード250へのフレームまたはデータの流れは、アップリンク(UL)または上流方向と呼んでもよく、一方、ノード250からノード240およびノード210、220、および230へのフレームの流れは、例えば、ダウンリンク(DL)または下流方向と呼んでもよい。
例示的実施形態において、ノード240(例えば、中継局)が、ある位置から別の位置に移動する場合、ノード240は、ノード250との通信において、例えば、低信号対雑音比に遭う場合があるため、ノード250または基地局から、ノード240との通信において高信号対雑音比を提供している別の基地局またはアクセスポイントへ、ノード210、220、および230がハンドオーバまたはハンドオフすることを要求するのに望ましい状態になり得る。別の例として、ノード240またはノード250は、測定報告を受信してもよく、あるいは、信号対雑音(S/N)比、受信信号強度、ビット誤り率、パケット誤り率、あるいはノード240と、それぞれのノード250または基地局との間の信号の品質を示し、かつハンドオーバが、受信情報に基づき要求されるべきであるかを決定してもよいその他のチャネル品質パラメータを受信してもよい。また、ノード210、220、および230の各々が、ハンドオーバ要求を個々に要求および処理する場合、ハンドオーバを達成するには、大量の無線トラフィックが、ノード210、220、および230、ノード240、およびノード250間で発生され得る。従って、例示的実施形態によると、ハンドオーバに関連する無線トラフィックを減少させ、かつスループットを向上させるために、中継ハンドオーバを最適化してもよい。例示的実施形態によると、例えば、移動局毎に別々のハンドオーバ要求を個々に送信せずに、複数の移動局のための単一のハンドオーバ要求メッセージを介することによって、複数の移動局に関するハンドオーバをまとめて要求および/または実行してもよい。
図3は、例示的実施形態に従う中継局のハンドオーバの動作を示す図300である。図3に示される例において、移動局302および304は、中継局306(RS)と通信状態であってもよく、さらに、中継局306(RS)は、第1または移動元基地局(BS1)308および第2の移動先基地局(BS2)310と通信状態にあってもよい。移動局302および304は、初めに、移動元基地局308のみとアソシエーションしてもよく、また、中継局306を介して基地局308と通信してもよい。
例において示されるように、メッセージ(例えば、移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ(MOB-RSHO-REQ)312)は、中継局306から移動元基地局(BS1)308に送信されてもよい。移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ312は、例えば、第2の基地局(BS2)310にハンドオーバされる複数の移動局または移動局群(例えば、MS1 302およびMS2 304)を識別する識別子を含んでもよい。識別子は、各移動局を識別するMS(移動局)識別子または移動局302、304の各々のための接続識別子(connection identifier; CID)等の、任意の種類の識別子であってもよい。移動局毎のCID等のこのような識別子は、移動元基地局308に関連付けられてもよく、あるいは移動元基地局308と通信するために使用されてもよい。すなわち、例えば、基地局とアソシエーションされる移動局毎に、基地局によって割り当てられる特定のCIDが存在してもよい。識別子は、例えば、IEEE802.16、802.11、あるいはその他の無線仕様書または技術に準拠して移動局との媒体アクセス制御(Media Access Control; MAC)通信に使用されるような接続識別子(CID)であってもよい。移動元基地局308自体がハンドオーバを開始してもよいため、移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ(MOB-RSHO-REQ)312は任意である。
移動元基地局308から移動先基地局310への移動局302、304のハンドオーバの開始のための決定が行なわれてもよい。この決定は、例えば、移動局302、304、中継局306、移動元基地局308、および移動先基地局310、またはその他の近隣基地局の間の、例えば、信号対雑音比、受信信号強度、またはその他のチャネル品質パラメータ等の受信チャネル品質情報、あるいは、例えば信号走査により得られる受信測定報告に基づく。測定報告は、信号対雑音比あるいは移動局302、304、中継局306、移動元基地局308、および移動先基地局310間の信号品質に関するその他の情報等の情報を含んでもよい。走査は、例えば、中継局306および/または移動元基地局308によって実行されてもよく、また、移動元基地局308は、トリガメッセージを中継局306に送信して(図示せず)、移動局302、304のハンドオーバを開始することによって、ハンドオーバ要求をトリガしてもよい。
移動局302、304のハンドオーバを開始するこのような決定は、例えば、中継局306および/または移動局302、304の、移動元基地局308範囲外への移動および移動先基地局310範囲内への移動を受けて発生してもよい。移動元基地局308または中継局306は、移動元基地局308の近隣の基地局等の、その他のいくつかの基地局の信号データに関する測定報告を分析してもよく、また、ハンドオーバが要求されるべきであるという測定報告と、移動先基地局310が、中継局306および移動局302、304と通信するための新しいまたは移動先基地局になる最適候補であり得るという測定報告とに基づいて決定してもよい。従って、移動元基地局308または中継局306により行なわれるハンドオーバを要求するための決定は、中継局306または移動元基地局308が生成する測定報告、あるいはその他のソースから受信する測定報告に基づいてもよく、あるいは受信信号対雑音(S/N)比、受信信号強度、または中継局およびそれぞれの基地局間の信号品質を示し得るその他の任意のチャネル品質パラメータに基づいてもよい。例えば、移動局302、304は、例えば、ボート、電車、飛行機、またはバス等の車両上で中継局306と共に移行してもよく、また、その車両は、移動元基地局308の範囲外に移動して、移動先基地局310の範囲内に移動することによって、ハンドオーバの要求をトリガしてもよい。
さらに、中継局306または移動元基地局308は、中継局306と通信中の移動局または加入者局の一部が、ハンドオーバのための要求をトリガしてもよい状態に入り得ることと、中継局306と通信中のその他の移動局または加入者局がその状態に入らないようにハンドオーバの要求をトリガし得ないことと、を決定してもよい。従って、中継局306または移動元基地局308は、中継局306と通信中の移動局または加入者局のグループまたは一部のハンドオーバを要求することが可能である。
中継局ハンドオーバ要求メッセージ312がBS 308に送信された後、あるいは移動局群のハンドオーバを実行する決定がBS308において行なわれた後、移動元基地局308は、ハンドオーバ事前通知メッセージ314を移動先基地局310に送信してもよい。(なお、ハンドオーバは図3においてHOと表記されている。)ハンドオーバ事前通知メッセージ314は、移動先基地局310がリソースを確保し、かつ移動元基地局308から移動先基地局310への移動局302、304のハンドオーバを受け入れるための要求としての役割を果たしてもよい。移動先基地局310が要求を受け入れ、ハンドオーバに対処するリソースを確保すると、移動先基地局310は、移動局302、304をハンドオーバする要求の受け入れとして、ハンドオーバ事前通知応答メッセージ316を移動元基地局308に送信してもよい。次に、移動元基地局308は、移動中継局ハンドオーバ応答(MOB-RSHO-RSP)メッセージ318を中継局306に送信してもよく、このメッセージ318は、それぞれの移動局302、304を移動元基地局308に関連付ける識別子を含む。中継局306は、ハンドオーバに関する中継局306による確認を標示する移動中継局ハンドオーバ標示(MOB-RSHO-IND)メッセージ320を、移動元基地局308に送信することによって応答してもよい。次に、移動元基地局308は、ハンドオーバ確認メッセージ322を移動先基地局310に送信し、中継局306がハンドオーバを確認したことを移動先基地局310に報告してもよい。
この時点において、移動先基地局310は、例えば、移動局302、304毎の接続識別子(CID)等の新識別子、あるいはその他の識別子を生成してもよい。CID等の新識別子は、移動局302、304の各々と移動先基地局310との間の接続を識別してもよい。次に、移動先基地局310は、レンジング中継局応答、または接続識別子等の新識別子を含む移動中継局ハンドオーバ更新メッセージ324を、中継局306に送信してもよい。ここで、中継局306は、移動先基地局310とアソシエーションされ、新識別子を含むレンジング応答メッセージ(RNG-RSP)326を、移動局302、304の各々にユニキャストメッセージとして送信してもよい。あるいは、中継局306は、新識別子を含むレンジング応答(RNG-RSP)メッセージ328を、移動局302、304にマルチキャストメッセージとして送信してもよい。例示的実施形態によると、レンジング応答(RNG-RSP)メッセージは、基地局により送信されてもよく、例えば、その他の受信データまたは媒体アクセス制御(Media Access Control; MAC)メッセージに関して行なわれた測定に基づく補正または更新情報を送信するようにしてもよい。レンジング応答メッセージは、移動局の新識別子をパラメータとして含んでもよい。
次に、移動局302、304は、移動局302、304の各々を移動元基地局308に関連付ける接続識別子等の旧識別子を、移動局302、304の各々を移動先基地局310に関連付ける新接続識別子と置き換えてもよい。ここで、移動局302、304の各々および中継局306は、移動先基地局310とアソシエーションされ、移動先基地局310との通信が進められてもよい。
図4は、別の例示的実施形態に従う中継局のハンドオーバの動作を示す図400である。図4に示される例において、移動局402および404(MS1およびMS2)は、中継局406(RS)と通信状態であってもよく、さらに、中継局406(RS)は、移動元基地局(BS1)408および移動先基地局(BS2)410と通信状態にあってもよい。例示的実施形態において、移動局402および404は、中継局406と共に移動してもよい。移動局402および404は、初めに、移動元基地局408とアソシエーションしてもよい。以下により詳細に説明するように、移動局は、移動先基地局410にハンドオーバされてもよい。しかしながら、本例示的実施形態において、移動先基地局へのハンドオーバは、移動局に対して透過的であってもよい。これは、例えば、移動局毎に移動先基地局に関連付けられる新識別子が、移動先基地局と通信する中継局によってのみ把握および使用される一方で、移動局は、移動元基地局に関連付けられるCID等のそれぞれの識別子を使用して、中継局と引き続き通信してもよいからである。これにより、1つ以上のハンドオーバが移動局のために実行可能になると共に、移動局のこのようなハンドオーバのオーバーヘッドおよび複雑性が減少する。中継局は、例えば、移動元基地局に関連付けられる識別子を、移動先基地局に関連付けられるそれぞれの識別子に対してマッピングまたは関連付けしてもよい。このようなマッピングにより、例えば、ハンドオーバ後に、移動局にハンドオーバについて通知することなく、移動局および移動先基地局の間において中継局がメッセージを転送することが可能になる。
図4に示されるように、メッセージ(例えば、移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ(MOB-RSHO-REQ)412)は、中継局406から移動元基地局(BS1)408に任意で送信されてもよい。移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ412は、例えば、第2の基地局(BS2)410にハンドオーバされる移動局(例えば、MS1 402およびMS2 404)の標識のリストまたはグループを含んでもよく、それぞれの移動局402、404を移動元基地局408に関連付ける識別子を含んでもよい。上述のとおり、識別子は、特定の移動局402、404の識別のために使用される任意の種類の識別子であってもよく、また、本例において、識別子は、移動局識別子、接続識別子(CID)、またはその他の識別子であってもよい。図3に関連して説明したように、例えば、信号走査により得られる測定データ等のチャネル品質パラメータ、あるいはその他の情報に基づいて、移動元基地局408から移動先基地局410への移動局402、404のハンドオーバを開始する決定が行なわれてもよい。
次に、移動元基地局408は、ハンドオーバされる移動局402、404の標示を含み得るハンドオーバ事前通知メッセージ414を、移動先基地局410に送信してもよい。ハンドオーバ事前通知メッセージ414は、移動先基地局410がリソースを確保し、かつ移動元基地局408から移動先基地局410への移動局402、404のハンドオーバを受け入れるための要求としての役割を果たしてもよい。図3に関して上述のように、例示的実施形態によると、RSHO-REQメッセージ412および事前通知メッセージ414は、移動局毎に送信される別々の要求または通知メッセージではなく、移動局群または複数の移動局のハンドオーバ要求/通知を提供してもよいことに留意されたい。
移動先基地局410が要求を受け入れ、ハンドオーバに対処するリソースを確保すると、移動先基地局410は、移動局402、404をハンドオーバする要求の受け入れとして、ハンドオーバ事前通知応答メッセージ416を移動元基地局408に送信してもよい。例えば、ハンドオーバ事前通知応答メッセージ416は、移動局群の要求の受け入れのために送信される1つのメッセージ416である。次に、移動元基地局408は、移動中継局ハンドオーバ応答(MOB-RSHO-RSP)メッセージ418を中継局406に送信してもよく、このメッセージ418は、それぞれの移動局402、404を移動元基地局408に関連付ける識別子を含む。中継局406は、複数の移動局または移動局群(本例において、例えば402、404)のハンドオーバに関する中継局406による確認を標示する移動中継局ハンドオーバ標示(MOB-RSHO-IND)メッセージ420を、移動元基地局408に送信することによって応答してもよい。次に、移動元基地局408は、ハンドオーバ確認メッセージ422を移動先基地局410に送信し、中継局406がハンドオーバを確認したことを移動先基地局410に報告してもよい。
この時点において、移動先基地局410は、例えば、移動局402、404毎の接続識別子等の新識別子を生成してもよい。新識別子は、移動局402、404の各々と移動先基地局410との間の接続を示してもよい。次に、移動先基地局410は、レンジング中継局応答、または接続識別子等の新識別子を含む移動中継局ハンドオーバ更新メッセージ424を、中継局406に送信してもよい。ここで、中継局406は、移動先基地局410とアソシエーションされ、移動先基地局410との通信が進められてもよい。
上述のとおり、1つのメッセージを介して移動局群のハンドオーバを要求することによって、および/またはハンドオーバ通知/応答/確認に関する1つのメッセージを提供することによって、移動局群のハンドオーバが達成されると共に、無線トラフィックまたはオーバーヘッドが減少し得る。
図4に示される例において、中継局406は、任意により、新識別子を移動局402、404に転送しなくてもよいが、代わりに、移動局402、404を移動元基地局408に関連付ける旧識別子と、移動局402、404を移動元基地局410に関連付ける対応する新識別子との間でマッピングを行いてもよい。次に、中継局406は、旧識別子または移動元基地局408に関連付けられる識別子を使用して、ダウンリンクにおいて移動局402、404とメッセージを交換してもよく、また、新識別子を使用して、アップリンクにおいて移動先基地局410とメッセージをさらに交換してもよい。そのため、中継局406および移動局402、404が、異なるハンドオーバ場面を共に移行するので、移動局402、404が、移動先基地局410との通信について報告を受ける必要がなく、また、移動局402、404の識別子を修正するためのリソースを消費する必要がないことから、移動局402、404との通信において透過性が確立される。中継局406は、識別子のマッピングおよび新しい基地局との通信処理し、また、移動局402、404は、依然として元々の基地局との通信モードのままである。
図5は、さらなる例示的実施形態に従う中継局のハンドオーバの動作を示す図500である。図5に示される例において、移動局502および504(MS1およびMS2)は、中継局506(RS)と通信状態であってもよく、さらに、中継局506(RS)は、移動元基地局(BS1)508および移動先基地局(BS2)510と通信状態であってもよい。図5に示される例示的実施形態において、中継局506は、移動局502、504から独立して移動してもよい。結果として、メッセージ518、520、522、524、526、528等のメッセージのいくつかは、中継局が移動局の範囲外にある可能性があるため、移動元基地局508および移動局502、504間で直接送信されてもよい。あるいは、これらのメッセージは、例えば、中継局が移動局の範囲内にある場合、中継局506を介して送信されてもよい。
図5の例において示されるように、メッセージ(例えば、移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ(MOB-RSHO-REQ)512)は、中継局506から移動元基地局(BS1)508に任意で送信されてもよい。移動中継局ハンドオーバ要求メッセージ512は、例えば、移動先または第2の基地局(BS2)510にハンドオーバされる移動局(例えば、MS1 502およびMS2 504)の標識のリストまたはグループを含んでもよく、例えば、それぞれの移動局502、504を移動元基地局508に関連付ける識別子を含んでもよい。図3および図4に関連して説明したとおり、識別子は、特定の移動局502、504の識別のために使用される任意の種類の識別子であってもよく、また、本例において、識別子は、例えば、接続識別子(CID)であってもよい。図3に関連して説明したように、例えば、信号走査により得られる測定データ等のチャネル品質パラメータ、またはその他の情報に基づいて、移動元基地局508から移動先基地局510への移動局502、504のハンドオーバを開始する決定が行なわれてもよい。
次に、移動元基地局508は、ハンドオーバされる移動局502、504の標示を含むハンドオーバ事前通知メッセージ514を、移動先基地局510に送信してもよい。ハンドオーバ事前通知メッセージ514は、移動先基地局510がリソースを確保し、かつ移動元基地局508から移動先基地局510への移動局502、504のハンドオーバを受け入れるための要求としての役割を果たしてもよい。移動先基地局510が要求を受け入れ、ハンドオーバに対処するリソースを確保すると、移動先基地局510は、移動局502、504をハンドオーバする要求の受け入れとして、移動局502、504を移動先基地局510に関連付ける新識別子を含むハンドオーバ事前通知応答メッセージ516を移動元基地局508に送信してもよい。次に、移動元基地局508は、移動基地局ハンドオーバ応答(MOB-RSHO-RSP)メッセージ518、520を、それぞれの移動局502、504に送信してもよく、これらのメッセージ518、520は、それぞれの移動局502、504を移動元基地局508に関連付ける識別子を含む。移動局502、504は、それぞれ、ハンドオーバに関する移動局502、504による確認を標示する移動局ハンドオーバ標示(MOB-HO-IND)メッセージ522、524を、移動元基地局508に送信することによって応答してもよい。次に、移動元基地局508は、新識別子を含むレンジング応答メッセージ(RNG-RSP)526を、移動局502、504の各々にユニキャストメッセージとして送信してもよい。
あるいは、移動元基地局508は、新識別子を含むレンジング応答(RNG-RSP)メッセージ528を、移動局502、504にマルチキャストメッセージとして送信してもよい。次に、移動局502、504は、移動局502、504の各々を移動元基地局508に関連付ける接続識別子等の旧識別子を、移動局502、504の各々を移動先基地局510に関連付ける新接続識別子と置き換える。ここで、移動局502、504の各々は、移動先基地局510とアソシエーションされ、移動先基地局510との通信が進められてもよい
図5に示される例において、中継局506は、移動局502、504と独立して移動してもよいため、移動局502、504の範囲外に移動してもよいが、移動局502、504のグループのハンドオーバを、単一の要求メッセージで要求する。あるいは、移動元基地局508は、ハンドオーバの要求を生成してもよい。さらに、移動基地局ハンドオーバ要求(MOB-BSHO-REQ)メッセージ518、520、移動局ハンドオーバ標示(MOB-HO-IND)メッセージ522、524、レンジング応答メッセージ(RNG-RSP)526、および/またはレンジング応答(RNG-RSP)メッセージ528のうちのいずれかまたは全ては、それぞれのメッセージのそれぞれの送信側および受信側がアクセス可能である場合に、中継局506を介して送信してもよいことが可能である。
図6は、例示的実施形態に従う中継局のハンドオーバの動作を示すフローチャート600である。602において、中継局あるいは基地局またはアクセスポイント等の無線ノードは、複数の移動局(例えば、MS1(112)、MS2(114)、MS3(116))を、第1の基地局(例えば、BS1 104)から第2の基地局(例えば、BS2(106))にハンドオーバするための要求を送信してもよい。中継局(例えば、RS 110)により送信される場合、要求は、中継局(例えば、RS 110)から第1の基地局(例えば、BS1 102)に送信されてもよい。さらなる例として、中継局306は、図3に示されるような要求メッセージ312を送信してもよい。基地局(例えば、BS1 104)により送信される場合、要求は、第1の基地局(例えば、BS1 104)から第2の基地局(例えば、BS2(106))に送信されてもよい。さらなる例として、移動元基地局308は、図3に示されるような要求メッセージ314を送信してもよい。要求には、接続識別子等の識別子のリストを含み得る移動中継局ハンドオーバ要求を含めてもよい。この識別子の各々は、移動局のうちの1つの第1の基地局との関連付けを標示する。第1の基地局により送信される場合、要求には、識別子のリストを含むハンドオーバ事前通知メッセージを含めてもよい。この識別子の各々は、移動局のうちの1つと第1の基地局との関連付けを標示する。
604において、無線ノードは、複数の移動局のそれぞれのために、第2の基地局に関連付けられる識別子を受信してもよい。例えば、無線ノードは、複数の移動局(例えば、MS1(112)、MS2(114)、MS3(116))の各々について、第2の基地局(例えば、BS2(106))に関連付けられる接続識別子を受信してもよい。RS 110等の中継局によって受信されると、例えば、識別子は、例えば、第1の基地局(例えば、BS1 104)により送信される移動中継局ハンドオーバ応答メッセージと共に送信される接続識別子のリストまたはグループとして含まれてもよい。さらなる例として、中継局306は、図3に示されるような応答メッセージ318を受信してもよい。基地局により受信される場合、例えば、識別子は、第1の基地局(例えば、BS1 104)により受信されてもよく、識別子は、例えば第2の基地局(例えば、BS2(106))により送信されるハンドオーバ事前通知応答メッセージと共に送信される接続識別子のリストとして含まれてもよい。さらなる例として、移動元基地局308は、図3に示されるような応答メッセージ316を受信してもよい。
606において、任意により、識別子の各々は、識別子に対応する移動局に転送されてもよい。例えば、中継局306は、図3に示されるように、応答メッセージ326または328を、移動局302、304に送信してもよい。
図7は、別の例示的実施形態に従う中継局のハンドオーバの動作を示すフローチャート700である。702において、第1の基地局(例えば、BS1 104)および第2の基地局(例えば、BS2(106))に関連する情報に基づき、複数の移動局(例えば、MS1(112)、MS2(114)、MS3(116))をハンドオーバするための決定を行なってもよい。704において、第1の基地局から第2の基地局に複数の移動局をハンドオーバするための要求は、決定に基づき送信されてもよい。前述のとおり、ハンドオーバのための要求は、中継局(例えば、RS110)または基地局(例えば、BS1 104)により送信されてもよい。706において、複数の移動局のそれぞれのために、第2の基地局に関連付けられる識別子は、受信されてもよい。前述のとおり、識別子は、例えば、基地局(例えば、BS1 104)、中継局(例えば、RS110)、および/または移動局(例えば、MS1(112)、MS2(114)、MS3(116))により受信されてもよい。
さらに、例えば、中継局から移動先基地局へ無線リンク上で単一メッセージを伝送することによって、複数の移動局または移動局群のために位置更新が実行されてもよい。
図8は、例示的実施形態に従う複数の移動局のために実行される位置更新の動作を示す図である。例示的実施形態によると、必須ではないが、中継局(RS)806は、バス、電車、飛行機等の移動車両上において、複数の移動局(MS1 802、MS2 804)と共に提供されてもよい。移動局802、804の各々は、初めに、中継局806を介して移動元基地局808と通信してもよく、あるいはアイドル状態であってもよい。
無線ネットワークは、多数の呼び出しグループを有してもよい。各呼び出しグループは、呼び出しグループIDによって識別される。典型的には、各呼び出しグループIDは、例えば、複数の基地局に関連付けられてもよい。第1の呼び出しグループIDは、移動元基地局808を含む1つ以上の基地局に割り当てられてもよい。第2の呼び出しグループIDは、特に、移動先基地局810に割り当てられてもよい。ネットワークにおけるある場所に位置する論理的実体であり得る呼び出し制御器812は、各移動局および中継局の位置を保持してもよい。呼び出し制御器812は、各移動局および中継局のためのMACアドレスおよび呼び出しグループIDを保持してもよい。基地局が、移動局に配信されるデータまたは呼を有する場合、呼び出しグループIDを使用して、移動局を識別または呼び出してもよい。移動局が例えば、新しい呼び出しグループIDを有する新しい基地局に移動するたびに、移動局は、新しい基地局から呼び出しグループIDを走査および受信してもよい。移動局または中継局の新しい位置に関連付けられる新しい呼び出しグループIDを、古い呼び出しグループIDと比較することによって、局は、新しい呼び出しグループIDに関連付けられる新しい位置に移動したことを決定してもよい。従って、局の更新位置情報を呼び出し制御器812に提供するために、局は位置更新を実行してもよい。
図8を参照すると、車両上に提供され得る、または移動中であり得る移動局802、804、および中継局806は、移動先基地局810付近の位置に移動してもよい。移動局802、804はアイドル状態であってもよい。中継局806は、近隣走査を814において実行し、中継局806の新しい位置に関連付けられる新しい呼び出しIDを受信してもよい。中継局806は、新しい呼び出しグループIDに基づいて、位置が変更したことを決定してもよい。
通常は、移動局群または複数の移動局802、804等に関する位置更新を中継局806が実行することなく、典型的には、各移動局が、自己のレンジ要求またはその他のメッセージを送信することによって、各移動局が新しい呼び出しグループIDを受信する際に、新しい位置更新情報を移動先基地局810に提供してもよい。従って、移動局802、804の各々が、ほとんど同一の時間に位置更新の実行を試みる場合、大幅な混雑、衝突、および無線リンク上のその他の問題が引き起こされ得る。
ゆえに、例示的実施形態によると、中継局から移動先基地局等のネットワークデバイスに送信される無線メッセージを使用して、複数の移動局を代表して位置更新を実行してもよい。図8に示されるように、中継局806は、メッセージ816を移動先基地局810等のネットワークデバイスに送信して、局802、804等の複数の移動局の位置更新を実行してもよい。1つのメッセージ816を送信して移動局群の位置更新を実行または要求することは、個々の位置更新要求を送信する各移動局と比較すると、より効果的であり、かつ無線リンク上の混雑を減少し得る。例えば、中継局806は、レンジ要求メッセージ(RNG_REQ)または位置更新メッセージを送信してもよく、また、MS識別子(例えば、媒体アクセス制御(Medium Access Control; MAC)アドレス)、呼び出しグループID、および/または移動局毎のセキュリティ証明を含めてもよい。この情報は、例えば、メッセージ816内の位置更新情報要素内に提供されてもよく、あるいは、中継局からの新しいメッセージRNG_RS_REQにおいて送信可能である。この情報、MACアドレス、セキュリティ証明は、各移動局によって中継局806に先に提供されていてもよい。セキュリティ証明書は、例えば、ハッシュメッセージ認証コード(Hashed Message Authentication Code; HMAC)タプルまたはコード、またはHMAC/CMACタプル、あるいはその他のセキュリティ証明書を含めてもよい。このように、中継局806は、複数の移動局または移動局群に関する位置更新を実行してもよい。中継局806は、移動局に関するセキュアな位置更新を実行してもよい。この場合、中継局806が移動局のセキュリティ証明を有する場合に、中継局806はセキュリティ証明を提供する。あるいは、中継局806は、セキュアでない位置更新を移動局毎に実行してもよい。中継局806は、自己のMACアドレスおよび呼び出しグループIDをメッセージ816に提供し、自己の位置更新だけでなく移動局の位置更新も実行するようにする。
次に、移動先基地局810は、移動局毎のMACアドレスまたはその他の移動局識別子ならびに呼び出しグループIDを含む位置更新要求メッセージ818を呼び出し制御器812に送信してもよい。例えば、メッセージ818は、移動局群のMACアドレスおよび呼び出しグループIDを転送する1つのメッセージであってもよく、あるいは、代わりに複数のメッセージであってもよく、あるいは移動局毎に1つの位置更新メッセージであってもよい。これは、メッセージ818が、基地局810から呼び出し制御器812に有線リンク上で伝送されるために、無線の混雑および衝突と同一の懸念が適用され得ないからである。次に、位置更新について後述する。
次に、移動先基地局810は、移動局毎のMACアドレスおよび呼び出しグループIDを含む位置更新応答メッセージ820を呼び出し制御器812から受信し、呼び出し制御器812における複数の移動局の位置更新が、実行または遂行されたことを確認する。位置更新応答メッセージ820は、移動局群についての単一のメッセージとして受信されてもよく、あるいは、例えば、移動局毎に複数のメッセージまたは1つのメッセージを受信してもよい。
次に、移動先基地局810は、レンジング応答(RNG_RSP)メッセージまたはRNG_RS_RSP(新しいメッセージ)等のメッセージ822を送信して、複数の移動局の位置更新が実行されたことを中継局に通知し、移動局毎のMACアドレスおよび呼び出し制御器IDを識別してもよい。無線リンク上の混雑を減少させ、かつ効率を向上させるために、移動局毎に個々のメッセージを送信するのではなく、複数の移動局につき1つのメッセージとしてメッセージ822を送信してもよいことに留意されたい。無線リンクを介したメッセージ816および822等の単一のメッセージまたは単一のメッセージ交換によって移動局群の位置更新が実行されることから、この動作は、複合またはグループの位置更新手順として考えられ得る。複数の移動局および中継局の位置更新を確認するメッセージ822を受信すると、中継局806は、レンジング応答等のメッセージ824、826を送信して、新しい呼び出し制御器IDを各移動局に提供してもよい。移動局へのメッセージ824、826は、例えば、ユニキャストメッセージまたはマルチキャストメッセージとして、移動局群に提供されてもよい。
図9は、例示的実施形態に従う、複数の移動局のために実行される位置更新の動作を示すフローチャート900である。910において、位置変更が無線ネットワークにおいて検出され、例えば、中継局がその位置変化を検出する。動作910は、例えば、新しい位置に対応する新しい呼び出しグループIDを受信すること912を含んでもよい。
920において、複数の移動局に関する位置更新を実行するためのメッセージが、基地局等のネットワークデバイスに送信される。個々の位置更新メッセージを送信するのではなく、1つのメッセージを送信して、複数の移動局に関する位置更新を要求することから、無線リンク上の混雑が減少し、かつ効率が向上し得る。動作920は、中継局から移動先基地局に位置更新メッセージを送信し、複数の局に関する位置更新情報を提供すること922を含んでもよい。
代替実施形態によると、フローチャート900は、動作930、940、および950等の1つ以上の追加の動作を含んでもよい。930において、移動先基地局は1つ以上のメッセージを呼び出し制御器に送信して、複数の移動局に関する位置更新情報を提供してもよい。940において、複数の移動局に関する位置更新を確認する応答メッセージが、例えば、中継局によって受信される。950において、新しい呼び出しグループIDを供給するためのメッセージが、例えば、中継局によって複数の移動局の各々に送信される。移動局は、この情報を走査によって受信しているため、新しい呼び出しIDを既に把握している。
図10は、例示的実施形態に従う無線局に設けられ得る装置1000を示すブロック図である。無線局は、例えば、信号を送受信するための無線送受信機1002と、局の動作制御ならびに命令またはソフトウェアの実行のための制御器1004と、データおよび/または命令を格納するためのメモリ1006とを備えてもよい。制御器1004は、上述の種々のタスクおよび機能を実行するために、プログラム可能であり、かつソフトウェアあるいはメモリまたはその他のコンピュータ媒体に格納されるその他の命令を実行可能である。さらに、制御器またはプロセッサによる実行時に、上述の機能またはタスクのうちの1つ以上を制御器1004に実行させるようにするような、格納された命令を含む記録媒体が設けられてもよい。
本明細書に記載の種々の技術の実装は、デジタル電子回路において、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアにおいて、あるいはその組み合わせにおいて実装されてもよい。実装は、コンピュータプログラム製品、つまり、機械可読記憶デバイスまたは伝播信号等の情報担体において有形に具現化されるコンピュータプログラムのように実装されて、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、または多数のコンピュータ等のデータ処理装置により実行され、またはそのデータ処理装置の動作を制御してもよい。上述のようなコンピュータプログラム等のコンピュータプログラムは、コンパイラ型またはインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書き込み可能であり、また、スタンドアロンプログラムとして、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境における使用に適したその他のユニットとして含む任意の形式でも配置可能である。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおいてあるいは多数のサイト間に分配されて、1つのコンピュータまたは多数のコンピュータ上で実行されるように配置可能であり、また、通信ネットワークによって相互接続されるように配置可能である。
方法のステップは、1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行されてもよい。このプログラム可能なプロセッサは、入力データで動作し、かつ出力を生成することによって機能を実行するように、コンピュータプログラムを実行する。また、方法のステップは、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA)または特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit; ASIC)等の専用論理回路として実行されてもよく、また、装置は、その専用論理回路として実装されてもよい。
記載された実装に関する特定の特徴について本明細書に説明されたが、多くの修正、代替、変更、およびその同等物が当業者によって考察されるだろう。ゆえに、種々の実施形態の真の趣旨内にあるこのような修正および変更の全てを、添付の請求項が包含することを意図していることを理解されたい。