JP5569301B2 - 無線中継装置、無線中継装置の制御方法及び無線通信システム - Google Patents
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Description
無線中継装置は、例えば、基地局と端末との間の無線信号を中継することにより、無線伝送距離を延長したり、通信サービスエリアを拡大したりする。
例えば、基地局の通信サービスエリアの端部に無線中継装置が設置されることで、基地局からの電波を再放射でき、無線伝送距離の延長や通信サービスエリアの拡大を図ることが可能となる。
なお、無線中継装置に関する既存の技術として、下記の特許文献1〜4の技術が知られている。
また、アダプティブアレイアンテナについての送信ウェイトを、自局への回り込み波となる放射方向の出力を低く抑えるように制御する無線中継装置も提案されている。
さらに、受信波をInter-Frequency(IF)信号に変換して微小周波数偏移を与え、高周波に変換して増幅し、位相,振幅,遅延時間を制御して廻り込みを抑えるIF相殺系とRadio-Frequency(RF)相殺系とを有する無線中継増幅装置が提案されている。
そのため、無線中継装置は、指向性の鋭いアンテナを用いて一の基地局と接続される。
また、例えば、昼間などのある時間帯では多くの加入者が収容される一方、夜間などの他の時間帯では加入者が少ない基地局では、各時間帯におけるトラフィック量にむらがあり、基地局の運用効率が悪い。
しかしながら、無線中継装置は、上述のように、指向性の鋭いアンテナを用いて一の基地局と接続されており、接続先の基地局を切り替える手段を有さないので、かかる場合であっても電力消費量を節減することができない。
そこで、本発明は、無線中継装置が適応的に接続先の基地局を変更できるようにすることを目的の1つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
(2)第2の案として、複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置であって、前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルに基づき、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号を増幅する増幅部と、前記増幅部で増幅後の下り無線信号のレベルが所定値以上となるように、前記増幅部の増幅利得を決定する利得制御部と、をそなえ、前記アンテナ制御部が、前記利得制御部で決定した前記増幅利得に基づき、前記他の基地局を選択する、無線中継装置を用いることができる。
〔1〕一実施形態の説明
(1.1)無線通信システムの構成例
図1は一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。この図1に示す無線通信システムは、例示的に、複数の基地局100−1,100−2と、少なくとも1つの無線中継装置1−1,1−2と、少なくとも1つの端末200−1〜200−3とをそなえる。
例えば、基地局100−1は、自局100−1が提供する通信サービスエリア300−1内に位置する端末200−1と直接的に無線通信することができる。また、基地局100−1は、自局100−1が提供する通信サービスエリア300−1内に位置する無線中継装置1−1,1−2とも直接的に無線通信することができる。
例えば、無線中継装置1−1は、基地局100−1,100−2から受信した無線信号を、自局1−1が提供する通信サービスエリア400−1内に位置する端末200−2へ中継送信することができる。さらに、無線中継装置1−1は、自局1−1が提供する通信サービスエリア400−1内に位置する端末200−2から受信した無線信号を、基地局100−1,100−2からの無線信号へ中継送信することができる。
これにより、例えば、親の基地局100が故障した場合や、親の基地局100のトラフィック負荷が大きい場合などでも、自局1の接続先を他の基地局100に切り替えれば、自局1の配下の端末200が無線通信を継続させることができる。結果、無線通信の安定性を向上させることが可能となる。
以下では、無線中継装置1の構成例及び制御方法の一例について説明する。
(1.2)無線中継装置1の構成例
図2は無線中継装置1の構成の一例を示す図である。この図2に示す無線中継装置1は、例示的に、第1アンテナ部2と、アンテナ共用器3と、帯域フィルタ4と、合成部5と、可変増幅器6と、周波数変換部7と、アンテナ共用器8と、第2アンテナ部9とをそなえる。また、無線中継装置1は、例示的に、帯域フィルタ10と、可変増幅器11と、入力レベル検出部12と、アンテナ制御部13と、レプリカ生成部14と、利得制御部15と、利得検出部16とをそなえる。
アンテナ共用器3は、第1アンテナ部2を受信アンテナあるいは送信アンテナとして機能させる。例えば、基地局100からの下り無線信号を受信する場合、アンテナ共用器3は、第1アンテナ部2を受信アンテナとして機能させる。一方、基地局100へ上り無線信号を送信する場合、アンテナ共用器3は、第1アンテナ部2を送信アンテナとして機能させるべく、第1アンテナ部2の送受信機能を切り替えることができる。なお、下り無線信号の周波数と上り無線信号の周波数とが異なるような場合、アンテナ共用器3は、第1アンテナ部2が下り無線信号と上り無線信号とを同時に送受信できるように制御してもよい。アンテナ共用器3によって、基地局100からの下り無線信号は帯域フィルタ4へ出力される一方、基地局100への上り無線信号は第1アンテナ部2へ出力される。
アンテナ共用器8は、第2アンテナ部9を受信アンテナあるいは送信アンテナとして機能させる。例えば、端末200からの上り無線信号を受信する場合、アンテナ共用器8は、第2アンテナ部9を受信アンテナとして機能させる。一方、端末200へ下り無線信号を送信する場合、アンテナ共用器8は、第2アンテナ部9を送信アンテナとして機能させるべく、第2アンテナ部9の機能を切り替えることができる。なお、下り無線信号の周波数と上り無線信号の周波数とが異なるような場合、アンテナ共用器8は、第2アンテナ部9が下り無線信号と上り無線信号とを同時に送受信できるように制御してもよい。アンテナ共用器8によって、端末200からの上り無線信号は帯域フィルタ10へ出力される一方、端末200への下り無線信号は第2アンテナ部9へ出力される。
また、入力レベル検出部12は、上り無線信号の受信レベル(上り入力レベル)を検出してもよい。即ち、入力レベル検出部12は、第2アンテナ部9で受信した上り無線信号の受信レベルを検出する上り受信レベル検出部の一例として機能することができる。入力レベル検出部12での検出結果は、アンテナ制御部13へ通知される。
また、アンテナ制御部13は、入力レベル検出部12で検出した上り無線信号の受信レベルに基づき、第1アンテナ部2の指向性を制御するタイミングを決定してもよい。これにより、上記切り替えに伴う、自局1の配下の端末200に対する影響を低減することができる。
一方、可変増幅器11は、端末200から受信した上り無線信号を増幅する。可変増幅器11の増幅利得は、例えば、増幅後の上り無線信号のレベルが所定の条件を満たすように、制御され得る。
レプリカ生成部14(回り込み信号抑圧部)は、周波数変換部7により生成された第1下り無線信号を可変増幅器6に負帰還させる。第1下り無線信号は、レプリカ生成部14により、その振幅が後述する回り込み信号の振幅と同じで、且つ、その位相が回り込み信号の逆相に制御され、合成部5へ出力される。これにより、無線中継装置1において発生する回り込み信号を抑圧することができる。また、レプリカ生成部14は、可変増幅器6で増幅された下り無線信号の振幅についての情報を利得制御部15へ通知してもよい。
また、利得制御部15は、可変増幅器6で増幅後の下り無線信号のレベルが所定値以上となるように、可変増幅器6の増幅利得を決定する。例えば、利得制御部15は、可変増幅器6で増幅された下り無線信号の振幅についての上記情報に基づき、可変増幅器6の増幅利得を決定することができる。
(1.3)回り込み信号の抑圧方法の一例
無線中継装置1において発生する回り込み信号について説明する。
無線中継装置1の送信アンテナ(第1アンテナ部2または第2アンテナ部9)から放射された電波が、例えば、周辺の建物や山岳などで反射され、あるいは、直接的に、受信アンテナ(第2アンテナ部9または第1アンテナ部2)に回り込むことがある。
例えば、基地局100から受信アンテナに入力される無線信号(下り無線信号)の周波数及び送信アンテナから出力される無線信号の周波数がともにf1である場合、回り込み信号には無線伝播中において位相ずれθが生じるため、周波数(f1+θ)の回り込み信号が受信アンテナに入力される。
そこで、一般的には、送信アンテナと受信アンテナとの距離を十分離して設置したり、送信アンテナの放射方向と受信アンテナの放射方向とを互いに反対方向に設定したり、各アンテナを異なる高さに設置したりすることで、回り込み信号による影響を低減させる。
一般的には、発振に対するマージンを20〔dB〕程度とることが求められ、例えば、L=80〔dB〕、Ga1=Ga2=10〔dB〕の場合、可変増幅器6の最大増幅利得は、G=40〔dB〕程度に制限される。
そこで、図2に例示する無線中継装置1では、レプリカ生成部14によって回り込み信号と等振幅且つ逆位相(あるいは、同位相且つ逆極性)のレプリカ信号を生成し、当該レプリカ信号を可変増幅器6に負帰還させる。これにより、極めて容易に回り込み信号を抑圧することができ、無線中継装置1の増幅利得の上限拡大や、回り込み耐量の増大による無線中継装置1の設置の自由度の向上を図ることが可能となる。
ここで、位相関数発生器17は、時間の経過に対し一定の速度で位相変化を与える関数を発生させる。前記関数は、例えば、SIN関数及びCOS関数のうち少なくとも1つを用いて発生されてもよい。
また、無限移相器18は、例えば、下り無線信号と位相関数発生器17の出力とを直行合成する。このため、無限移相器18は、例示的に、リングモジュレータ19及び20と、π/2移相器21と、合成部22とをそなえる。なお、リングモジュレータ19及び20は、互いに直交した位相比較器である。
図5(A)に、時間の経過と共に位相が一次関数で単調増加する場合の時間−位相変化のグラフを示す。また、図5(B)に、位相平面上の信号軌跡を示す。
図5(A)及び図5(B)に示すように、位相が時間の経過と共に一次関数で変化する場合、次式(2)
このような位相の一次変化がある信号を送信アンテナ9から送信し、送受アンテナ2,9間で発生する回り込み信号を受信アンテナ2で受信すると、位相変化の無い受信信号(下り無線信号)と、回り込みによる位相変化θのある信号(回り込み信号)とが受信される。
次に、レプリカ生成部14の構成の一例を図6に示す。この図6に示すレプリカ生成部14は、例示的に、相関検出部23と、帰還制御部24と、可変移相器25と、可変減衰器26とをそなえる。
帰還制御部24は、相関検出部23での検出結果に基づき、回り込み信号のレベル(振幅情報)を検出して帰還量を演算する。そして、帰還制御部24は、前記演算した回り込み信号のレベルに基づいて、可変減衰器26を制御する。
可変移相器25及び可変減衰器26は、帰還制御部24の制御に従って、周波数変換部7の出力信号を可変的に移相,減衰して、レプリカ信号を生成する。
位相比較器27は、周波数変換部7の入出力について、COS関数との位相関係を比較し、また、位相比較器28は、周波数変換部7の入出力について、SIN関数との位相関係を比較する。
これにより、低域通過フィルタ30からは(X/2)COSθが得られるとともに、低域通過フィルタ31からは(X/2)SINθが得られる。なお、X(>0)は回り込み信号の振幅を表す。
また、除算器33は、演算器32により算出された振幅情報Xと、低域通過フィルタ31から出力される(X/2)SINθの信号とを用いて、θを算出することにより、下り無線信号と回り込み信号との位相差についての情報を算出する。
これらの比較出力に基づき、送信アンテナ9から放射される回り込み信号と同振幅X及び同位相のレプリカ信号を負帰還させることにより、回り込み信号を抑圧することが可能となる。
このとき、増幅利得を小さくし過ぎると、無線中継装置1が提供する通信サービスエリアを不当に狭くしてしまう。そこで、例えば、レプリカ生成部14において得られる回り込み信号の振幅情報をモニタし、利得制御部15によって、摂動法を適用することにより、少しずつ増幅利得を調整してもよい。
なお、上記のように決定した可変増幅器6の増幅利得は無線中継装置1内のメモリに保持しておいてもよい。このようにすれば、無線中継装置1の電源などが瞬断し、その後、復旧する場合であっても、メモリに保持された増幅利得を用いて可変増幅器6を制御することができ、サービス開始を迅速に行なうことができる。
ここで、無線中継装置1が接続先を他の基地局100へ切り替える方法の一例について説明する。
本例では、無線中継装置1が受信した下り無線信号の入力レベルが第2の閾値以下である場合に、アンテナ制御部13が、親の基地局100が故障中であると判断し、第1アンテナ部2の指向性を制御することにより、無線中継装置1の接続先を切り替える。
さらに、無線中継装置1が受信した上り無線信号の入力レベルが第3の閾値以下である場合に、アンテナ制御部13が、加入者の数が小さいと判断し、第1アンテナ部2の指向性を制御することにより、無線中継装置1の接続先を切り替えてもよい。
図8は、入力レベル検出部12の構成の一例を示す図である。この図8に示す入力レベル検出部12は、例示的に、検波器36と、積分器37と、比較器38及び39とをそなえる。
積分器37は、検波器36で検出した入力レベルが急激に変化するのを防止する。例えば、積分器37は、入力される信号の電流を蓄積可能なキャパシタなどを有していてもよい。
そして、この場合、アンテナ制御部13は、無線中継装置1の接続先を、親の基地局100から他の基地局100へ切り替えるように、第1アンテナ部2の指向性を制御する。なお、他の基地局100としては、例えば、親の基地局100の次に無線中継装置1との距離が小さい基地局(隣接基地局)を選択してもよい。
ところで、上記のように基地局100の切り替え制御が行なわれる場合、無線中継装置1を利用中の端末200の無線通信が瞬断する可能性がある。そこで、アンテナ制御部13は、端末200の数が少ないタイミングで上記切り替え制御を行なうべく、比較器38での上り入力レベルと所定の閾値B1(第3の閾値)との比較結果に基づいて、上記切り替え制御のタイミングを決定してもよい。
そして、この場合、アンテナ制御部13は、無線中継装置1の接続先を、親の基地局100から他の基地局100へ切り替えるように、第1アンテナ部2の指向性を制御する。
一方、下り入力レベルが図10(A)に示す閾値C1よりも大きく、且つ、図10(A)に示す閾値A1以下である場合、アンテナ制御部13は、無線中継装置1と、接続中の基地局100とが通常どおり運用されている(通常運用モードである)と判断することができる。従って、この場合は、アンテナ制御部13は、上記切り替え制御を行なわなくてもよい。
また、アンテナ制御部13は、下り入力レベルの値に応じて、切り替え先の他の基地局100を選択してもよい。
これにより、アンテナ制御部13は、例えば、上記切り替え先の他の基地局100を、複数の基地局100のうち、最もトラフィック負荷の小さい基地局100に決定することができる。なお、上記閾値A2〜C2は、例えば、無線中継装置1の管理者などが自由に設定できるようにしてもよい。これにより、上記切り替え制御をより柔軟に実施することが可能となる。また、無線中継装置1は、第1アンテナ部2の指向性を掃引制御することにより、複数の基地局100からの下り入力レベルを収集することができる。さらに、無線中継装置1と各基地局100との間の距離については、例えば、無線中継装置1の管理者などにより予め設定されてもよいし、各下り入力レベルや、各下り無線信号の伝搬遅延などに基づいて、測定するようにしてもよい。
図13に、切り替え先の選択方法の一例を示す。この図13に示す例では、親の基地局100−1と接続中の無線中継装置1が、複数の基地局100−2〜100−5のうちから切り替え先の他の基地局100を選択する。図13に示す例では、無線中継装置1と基地局100−1との距離が最も小さく、基地局100−2,100−3,100−4,100−5の順で無線中継装置1との距離が大きくなっている。また、各基地局100からの受信レベルは、基地局100−1からの下り入力レベルが最も大きく、基地局100−3,100−5の順で下り入力レベルが小さくなっており、基地局100−2及び100−4からの下り入力レベルが最も小さい。
従って、図13に示す例では、アンテナ制御部13は、基地局100−4,100−2,100−5,100−3,100−1の順で、基地局100−1〜100−5に優先順位を付して、当該優先順位が高い基地局100−4を上記切り替え先として選択することができる。
また、アンテナ制御部13は、可変増幅器6に設定される増幅利得に基づいて、上記切り替え先の基地局100を選択してもよい。
ここで、利得検出部16の構成の一例を図9に示す。この図9に示す利得検出部16は、例示的に、検波器40と、積分器41と、比較器42とをそなえる。
積分器41は、検波器40で検出した入力レベルが急激に変化するのを防止する。例えば、積分器41は、入力される信号の電流を蓄積可能なキャパシタなどを有していてもよい。
ここで、比較器42に着目すると、例えば、アンテナ制御部13は、利得検出部16で検出した増幅利得に基づいて、無線中継装置1と各基地局100との間の距離の大小を判断することができる。
例えば、増幅利得が図14に示す閾値A3よりも大きい場合、アンテナ制御部13は、無線中継装置1と親の基地局100との間の距離が大きいと判断することができる。
また、それまで接続していた親の基地局100と新たな接続先である他の基地局100とでは、無線中継装置1との距離が変わるため、利得制御部15は、可変増幅器6の増幅利得を設定しなおしてもよい。これにより、無線中継装置1が提供する通信サービスエリアに影響を与えることなく、通信サービスを継続することができる。
この場合、アンテナ制御部13は、無線中継装置1の接続先を、無線中継装置1との距離が大きい他の基地局100へ切り替えるように、第1アンテナ部2の指向性を制御する。なお、他の基地局100としては、例えば、親の基地局100の次に無線中継装置1との距離が大きい基地局(隣接基地局)を選択してもよい。
さらに、増幅利得が図14に示す閾値B3以下である場合、アンテナ制御部13は、親の基地局100からの下り無線信号の電波到来方向と、無線中継装置1における回り込み信号の電波到来方向とが一致していると判断することができる。
これにより、親の基地局100に複数の無線中継装置1が接続している場合であっても、全ての無線中継装置1が同一の基地局100に接続先を切り替えるのではなく、親の基地局100と近い位置にいる無線中継装置1は、遠い位置の他の基地局100に接続先を切り替える一方、親の基地局100と遠い位置にいる無線中継装置1は、近くの他の基地局100に接続先を切り替えることができる。その結果、トラフィック負荷を分散することができる。
〔2〕第1変形例
また、第1アンテナ部2が複数のアンテナを有する場合、アンテナ制御部13が、各アンテナの位相を制御することにより、第1アンテナ部2のアンテナ指向性を制御してもよい。例えば、第1アンテナ部2が複数のアンテナを有するアダプティブアレイアンテナとして構成される場合、アンテナ制御部13は、各アンテナについてのアンテナウェイト(または、重み付け係数とも称する。以下、単にウェイトともいう)をそれぞれ制御することにより、第1アンテナ部2のアンテナ指向性を制御することができる。
図16に本例の無線中継装置1Bの構成の一例を示す。この図16に示す無線中継装置1Bは、例示的に、複数のアンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−n(nは2以上の整数、以下同じ)からなる第1アンテナ部2Bと、アダプティブアレイアンテナ制御部34と、合成部5Bとをそなえる。また、無線中継装置1Bは、例示的に、可変増幅器6Bと、周波数変換部7Bと、第2アンテナ部9Bと、入力レベル検出部12Bと、レプリカ生成部14Bと、利得制御部15Bと、利得検出部16Bと、ウェイト制御部35とをそなえる。
ここで、第1アンテナ部2Bは、複数のアンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−nを平面状に配列した構成を有するアダプティブアレイアンテナとして構成される。第1アンテナ部2Bは、例えば、各アンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−nについてのウェイトを制御されることにより、アンテナ指向性を変更できるようになっている。
ウェイト制御部35(アンテナ制御部)は、第1アンテナ部2Bの各アンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−nについてのウェイトをそれぞれ制御することにより、アンテナ指向性を制御する。
また、例えば、ウェイト制御部35は、無線中継装置1において発生する回り込み信号の到来方向に、第1アンテナ部2Bの指向性におけるヌル点を配置すべく、各アンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−nについてのウェイトを制御してもよい。
ビームパターン保持部43は、第1アンテナ部2Bが有するアンテナ指向性について、最も指向性が大きい方向(主ビーム方向)と、最も指向性が小さい方向(ヌル点)との組み合わせからなる複数のアンテナビームパターンを保持する。具体的には例えば、各アンテナビームパターンに対応する各ウェイトの組み合わせを保持することができ、一例としてメモリを用いることができる。
例えば、図18に示す例は、主ビーム方向が水平方向0度であり、ヌル点の方向が水平方向−80度から80度まで10度ずつ異なる16種類のアンテナビームパターン番号101〜116のアンテナビームパターンである。なお、図18に示すアンテナビームパターンでは、0度方向が主ビーム方向であるので、0度方向にはヌル点がない。また、主ビーム方向に位置する基地局100と無線中継装置1との間の距離に応じて可変増幅器6に設定すべき増幅利得(図18の例では、34dB)が保持されていてもよい。
主ビーム方向制御部44は、入力レベル検出部12Bで検出した下り入力レベル及び上り入力レベル、並びに、利得検出部16Bで検出した増幅利得などに基づき、第1アンテナ部2Bが有する各アンテナについてのウェイトをそれぞれ制御する。これにより、主ビーム方向制御部44は、第1アンテナ部2Bの主ビーム方向を制御することができる。
ヌル点制御部45は、レプリカ生成部14Bで検出した回り込み信号の振幅情報Xに基づき、第1アンテナ部2Bが有する各アンテナ2B−1,2B−2,・・・,2B−nについてのウェイトをそれぞれ制御する。これにより、ヌル点制御部45は、第1アンテナ部2Bの指向性におけるヌル点を制御することができる。
また、ヌル点制御部45は、ビームパターン保持部43に保持されるアンテナビームパターンに基づいて、第1アンテナ部2Bの指向性を制御してもよい。
試験モードでは、例えば、主ビーム方法及びヌル点配置を、図22に例示するような所定の初期状態へ制御する。この図22に示す例では、主ビーム方向が水平方向0度(deg)の方向であり、ヌル点方向が水平方向40度及び−50度の方向である。また、主ビーム方向におけるアンテナ利得は0dBであり、ヌル点方向におけるアンテナ利得は−20dBとなっている。なお、0度の方向は、例えば、親の基地局100が位置する方向とすることができる。
例えば、図18〜図21に示すアンテナビームパターンに対応するウェイトを予めビームパターン保持部43に保持しておき、図18〜図21のいずれかに示すアンテナビームパターンを所定の時間間隔で順次変更しながら、各アンテナビームパターンにおける回り込み信号の振幅をモニタする。
ここで、図23を用いて上記制御方法の一例を説明する。
次に、試験モードSW46によって、ウェイト制御部35の動作が試験モードへ移行されると、ヌル点制御部45によって、第1アンテナ部2Bのヌル点方向を所定の初期状態に制御する(ステップS2)。ここで、所定の初期状態としては、例えば、図22に示すアンテナビームパターンなどを選択することができる。
ここで、回り込み信号の振幅情報Xが所定の基準値よりも小さいと判定された場合は(ステップS3のYesルート)、ウェイト制御部35は、回り込み信号を十分抑圧できていると判断することができる。
ここで、入力レベル検出部12Bで検出した下り入力レベルが所定の閾値C1よりも大きく、且つ、所定の閾値A1以下であると判定された場合は(ステップS4のYesルート)、処理を終了する(ステップS5)。無線中継装置1と親の基地局100との間の無線通信は正常であり、接続先の切り替え制御を行なわなくてもよいからである。
ここで、他の基地局100からの下り入力レベルが所定の閾値C1よりも大きく、且つ、所定の閾値A1以下であると判定された場合は(ステップS8のYesルート)、処理をステップS3へ移行する。
一方、ステップS3において、回り込み信号の振幅情報Xが所定の基準値以上であると判定された場合は(ステップS3のNoルート)、ウェイト制御部35は、回り込み信号を十分抑圧できていないと判断することができる。
そして、ウェイト制御部35は、ヌル点方向の変更後に、回り込み信号の振幅情報Xをモニタする(ステップS10)。
全てのヌル点方向について振幅情報Xをモニタ済みでないと判定した場合(ステップS11のNoルート)、ウェイト制御部35は、処理をステップS9へ移行し、ヌル点方向を再度変更して、回り込み信号の振幅情報の変化をモニタする。
ここで、回り込み信号の振幅情報Xが所定の基準値よりも小さいと判定された場合は(ステップS13のYesルート)、ウェイト制御部35は、回り込み信号を十分抑圧できていると判断して処理を終了する(ステップS14)。
そして、ウェイト制御部35は、可変増幅器6Bの増幅利得を小さく変更する度に、回り込み信号の振幅情報Xをモニタし(ステップS16)、回り込み信号の振幅情報Xが所定の基準値よりも大きいかどうかを判定する(ステップS17)。
一方、回り込み信号の振幅情報Xが所定の基準値以上であると判定された場合は(ステップS17のNoルート)、ウェイト制御部35は、入力レベル検出部12Bで検出した下り入力レベルが所定の閾値C1よりも大きく、且つ、所定の閾値A1以下かどうかを判定する(ステップS19)。
また、入力レベル検出部12Bで検出した下り入力レベルが所定の閾値C1以下であるか、所定の閾値A1よりも大きいと判定された場合は(ステップS19のNoルート)、ウェイト制御部35は、処理をステップS6へ移行し、第1アンテナ部2Bの主ビーム方向を変更する。
また、回り込み信号を効果的に抑圧することが可能となる。
なお、上記試験モードは、例えば、無線中継装置1Bを介して無線通信を行なっている端末(加入者)200が少ない場合に行なうことが望ましい。試験モード中では、無線通信を正常に行なうことができない場合があるからである。
また、無線中継装置1の電源などの瞬断後、電源が復旧する場合に、瞬断時のアンテナビームパターンなどの設定値をメモリなどに記憶しておくことにより、復旧時にはその値が自動的にプリセットされ、サービス開始を迅速に行なうことができる。
ここで、図24に、無線中継装置1Bと複数の基地局100−1〜100−5との位置関係の一例を示す。この図24に示す例では、各基地局100を黒丸で表すとともに、無線中継装置1Bを白丸で表している。また、各基地局100のカバレッジ(通信サービスエリア)を六角形形状の複数のセクタ1〜19で示している。
また、無線中継装置1Bは、例えば、接続先を親の基地局100−1から他の基地局100−3あるいは他の基地局100−4へ切り替えた場合、可変増幅器6Bの増幅利得を8.3dB(≒20log(2.6))増加させてもよい。
一方、無線中継装置1Bからの距離が最も比較的小さい他の基地局100−2及び100−5のいずれかと接続する際には、ウェイト制御部35が、第1アンテナ部2Bの複数のアンテナの一部を有効にするとともに、残りを無効にしてもよい。なお、アンテナを有効にするとは、アンテナについてのウェイトを0以外の値にすることをいい、アンテナを無効にするとは、アンテナについてのウェイトを0にすることをいう。
〔3〕第2変形例
また、図25に更なる変形例を例示する。この図25は、アダプティブアレイアンテナ制御部34C,入力レベル検出部12C及びウェイト制御部35Cの一例を説明するための図である。なお、図25中、符号(i)〜符号(vi)は、図26の符号(i)〜符号(vi)とそれぞれ接続されている。
また、入力レベル検出部12Cは、例示的に、検波器50と、積分器51と、比較器52,53と、OR回路54とをそなえる。
さらに、ウェイト制御部35Cは、例示的に、制御部55と、セレクタ56と、反転回路57と、比較器58と、クロック(CLK)発生部59と、試験モードSW60と、分周回路61と、AND回路62と、OR回路63と、主ビーム方向制御部64と、分周回路65と、カウンタ66とをそなえる。
複数の乗算器48−1〜48〜nは、制御部55からのウェイトと各帯域フィルタ47−1〜47−nを通過した下り無線信号とを乗算する。各乗算結果は、加算器49へ出力される。
検波器50は、下り入力レベルを検出し、積分器51は、下り入力レベルの急変を防止する。
比較器52は、下り入力レベルと所定の閾値A1とを比較する。比較器52により、下り入力レベルが所定の閾値A1より大きいと判定された場合、接続中の基地局100が、過負荷状態であると推測できる。また、比較器52は、下り入力レベルが所定の閾値A1より大きいと判定した場合に「1」をOR回路54に出力する一方、それ以外の場合は「0」をOR回路54に出力する。
制御部55は、各アンテナ2C−1〜2C−nに対して、ウェイトを設定する。
セレクタ56は、試験モードにおいては、複数のアンテナビームパターンを順次設定していくが、全てのアンテナビームパターンを設定し終えたら、回り込み信号の振幅情報Xが最も小さいアンテナビームパターンを選択する。なお、セレクタ56に入力される符号(i)で示す信号は、回り込み信号の振幅情報Xが最小となるアンテナビームパターンを示す信号である。
比較器58は、上り入力レベルと所定の閾値B1とを比較する。比較器58により、上り入力レベルが所定の閾値B1以下であると判定された場合、接続中の基地局100と通信中の端末200の数が比較的少ないと推測できる。また、比較器58は、上り入力レベルが所定の閾値B1以下であると判定した場合に「1」をAND回路62に出力する一方、それ以外の場合は「0」をAND回路62に出力する。
試験モードSW60は、ウェイト制御部35Cの動作を試験モードへ移行するためのスイッチである。試験モードSW60がオンされることにより、ウェイト制御部35Cは、主ビーム方向及びヌル点配置を探索する試験モードへ動作を移行する。なお、試験モードは、無線中継装置1Cを設置する場合や、試験を行なうなどの場合にオンされる一方、それ以外の場合はオフされてもよい。また、試験モードSW60は、オンの場合は「1」を出力する一方、オフの場合は「0」を出力する。
AND回路62は、OR回路54からの出力と、反転回路57からの出力と、比較器58からの出力とについて、AND演算を行なう。AND回路62での演算結果は、OR回路63へ出力される。
主ビーム方向制御部64は、無線中継装置1Cの接続先を親の基地局100から他の基地局100へ切り替える。なお、無線中継装置1Cの接続先が、親の基地局100から他の基地局100へ切り替えられており、さらに接続先の切り替えを行なう場合には、一旦、切り替え前の基地局(例えば、上記親の基地局100)に接続先を切り替えてよい。また、符号(iv)で示す信号は、主ビーム方向を変更する制御を行なっている状態であること示す信号である。さらに、符号(vi)で示す信号は、主ビーム方向を示す2ビットのアドレス信号である。
また、カウンタ66は、複数のアンテナビームパターンを作るためのアドレスを出力する。例えば、アンテナビームパターンの種類が16種類であれば、アドレスは4ビットとなるので、カウンタ66は16ビットカウンタとして構成される。なお、無線中継装置1Cが送受信系を有する場合、アンテナビームパターンは、256種類となるので、カウンタ66は8ビットカウンタとして構成される。また、符号(v)に示すように、カウンタ66には、アンテナビームパターンのパターン番号を示す第2のアドレス信号(4ビットあるいは8ビット)である。
メモリ67は、例えば、図18〜図21に例示するような複数のアンテナビームパターンを保持する。また、メモリ67は、回り込み信号の振幅情報Xの状態(例えば、振幅情報Xが所定の基準値よりも小さいか、振幅情報X最小値かなど)を記憶する。なお、符号(v)の信号は、上記第2のアドレス信号である。
反転回路70,71は、それぞれ、クロック信号を反転する。
メモリ72は、可変増幅器6Cの増幅利得の初期値を記憶する。符号(vi)で示す第1のアドレス信号が入力されると、第1のアドレス信号に対応する主ビーム方向に位置する基地局100と無線通信を行なうのに要求される増幅利得をダウンカウンタ74にプリセットする。
ダウンカウンタ74は、比較器73での比較結果に基づいて、可変増幅器6Cの増幅利得を制御する。例えば、回り込み信号の振幅情報Xが、所定の基準値以下となるまで、可変増幅器6Cの増幅利得を小さくしていく。なお、ダウンカウンタ74の制御速度は、送信信号の伝送速度に比して十分低速とする。このため、符号(iii)で示す信号をクロック信号とすることができる。
レベル変換部76は、ダウンカウンタ74により制御された増幅利得を出力する。レベル変換部76は、例えば、D/Aコンバータとして構成される。
また、本変形例のように、Frequency Division Duplex(FDD)方式の無線通信システムに無線中継装置1を適用してもよい。FDD方式では、下り無線信号と上り無線信号とにそれぞれ異なる周波数が割り当てられる。
図29に本例の無線中継装置1Dの構成の一例を示す。この図29に示す無線中継装置1Dは、例示的に、第1アンテナ部2Dと、アンテナ共用器3Dと、可変増幅器6Dと、可変増幅器11Dと、下りレプリカ生成部77と、上りレプリカ生成部78と、アンテナ共用器8Dと、第2アンテナ部9Dとをそなえる。
また、説明を簡単にするために、帯域フィルタ4,合成部5,周波数変換部7,帯域フィルタ10,入力レベル検出部12,アンテナ制御部13,利得制御部15及び利得検出部16に対応する構成については図示を省略しているが、無線中継装置1Dは、これらと同様の機能を有する各構成を有していてもよい。即ち、本例においても、無線中継装置1Dは、例えば、下り無線信号の受信レベルなどに基づいて、第1アンテナ部2Dの指向性を制御することにより、自局1の接続先を切り替えてもよい。
ここで、第1下り無線信号の振幅及び位相は、例えば、下りレプリカ生成部77によって、第2アンテナ部9Dから第1アンテナ部2Dへの回り込み信号と一致するように制御される。
一方、上りレプリカ生成部78は、端末200からの上り無線信号の周波数に微小偏移Δf2を加えることにより、周波数(f2+Δf2)の第1上り無線信号を生成し、当該生成した第1上り無線信号を負帰還させる。なお、本例では、上り無線信号の周波数をf2とした。
これにより、無線中継装置1Dは、端末200からの上り無線信号に起因して生じる回り込み信号を抑圧することが可能となる。
なお、第1アンテナ部2D及び第2アンテナ部9Dを、それぞれ、複数のアンテナからなるアダプティブアレイアンテナとして構成し、各回り込み信号の到来方向に、各ヌル点をそれぞれ配置するようにウェイト制御を行なってもよい。
そこで、上記のような場合には、第1アンテナ部2Dのアンテナ指向性におけるヌル点方向と、第2アンテナ部9Dのアンテナ指向性におけるヌル点方向とを互いに異なる方向(各回り込み信号の到来方向)と一致させるのが望ましい。
また、本例のように、複数の無線中継装置1が、無線伝搬路を介して縦続して配置(多段配置ともいう)されてもよい。これにより、無線伝送距離の更なる延長や通信サービスエリアの更なる拡大などを実現できる。
ただし、このような場合、ある無線中継装置1において発生した回り込み信号が、当該無線中継装置1だけではなく、その前段に設けられた他の無線中継装置1に回り込むことがある。なお、前記ある無線中継装置1における可変増幅器6の増幅利得は、例えば、当該無線中継装置1とその前段の他の無線中継装置1との間の無線伝搬損失を補償するように設定され得る。
そして、無線中継装置1E−1は、基地局100−1からの下り無線信号を、自局1E−1が提供する通信サービスエリア400−1内に位置する他の無線中継装置1E−2に中継送信する。
そして、端末200は、無線中継装置1E−2から中継送信された下り無線信号を受信する。また、端末200から送信される上り無線信号は、無線中継装置1E−2,無線中継装置1E−1を介して、基地局100−1へ中継送信される。
しかしながら、無線中継装置1E−2の送信アンテナから発生し、無線中継装置1E−1の受信アンテナに到達する回り込み信号は、基地局100−1や端末200から送信される無線信号の周波数f1から2Δfずれた周波数(f1+2Δf)を有する。そのため、当該回り込み信号を抑圧するための構成が要求される。
なお、第1アンテナ部2E,アンテナ共用器3E,帯域フィルタ4E,合成部5E,可変増幅器6E,アンテナ共用器8E,第2アンテナ部9E,帯域フィルタ10E,可変増幅器11E,入力レベル検出部12E,アンテナ制御部13E,利得制御部15E及び利得検出部16Eは、既述の第1アンテナ部2,アンテナ共用器3,帯域フィルタ4,合成部5,可変増幅器6,アンテナ共用器8,第2アンテナ部9,帯域フィルタ10,可変増幅器11,入力レベル検出部12,アンテナ制御部13,利得制御部15及び利得検出部16とそれぞれ同様の機能を有する。
さらに、アンテナ制御部13Eは、例えば、下り無線信号の受信レベルなどに基づいて、第1アンテナ部2Eの指向性を制御することにより、自局1の接続先を他の基地局100へ切り替えるほか、自局1の接続先を他の無線中継装置へ切り替えてもよい。これにより、無線通信システムの設計の自由度がさらに向上する。なお、他の基地局100や他の無線中継装置の位置については、例えば、無線システムの管理者などにより予め通知されてもよいし、無線中継装置1Eがアンテナ指向性を掃引して制御することで探索してもよい。
また、第1周波数変換部79は、第1アンテナ部2Eで受信した下り無線信号の周波数f1に第1の偏移量Δfを与えて、周波数(f1+Δf)の第1下り無線信号を生成する。
また、第1レプリカ生成部(第1回り込み信号抑圧部)81は、第1周波数変換部79で生成した第1下り無線信号を負帰還させることにより、第2アンテナ部9Eから第1アンテナ部2Eへ回り込む周波数(f1+Δf)の回り込み信号(第1回り込み信号)を抑圧する。
そして、第2レプリカ生成部(第2回り込み信号抑圧部)82は、第2周波数変換部80で生成した第2下り無線信号を負帰還させることにより、上記第1回り込み信号とは異なる周波数(f1+2Δf)の回り込み信号(第2回り込み信号)を抑圧する。なお、第2回り込み信号の一例として、例えば、当該無線中継装置1の後段に配置された他の無線中継装置1Eの送信アンテナから、当該無線中継装置1の第1アンテナ部2Eへ回り込む信号が挙げられる。
なお、回り込み信号の抑圧方法として、上記の例ではレプリカ信号を生成して負帰還させたが、既述のように、受信アンテナを複数のアンテナからなるアダプティブアレイアンテナにより構成し、周波数(f1+Δf)の第1回り込み信号及び周波数(f1+2Δf)の第2回り込み信号の到来方向に、アンテナ指向性のヌル点を配置するように各アンテナについてのウェイトをそれぞれ制御するようにしてもよい。
上述した無線通信システム、無線基地局100、無線端末200、無線中継装置1,1B,1C,1D及び1Eの各構成,各手段及び各機能は、必要に応じて取捨選択されてもよいし、適宜組み合わせられてもよい。即ち、上述した本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能は取捨選択されたり、適宜組み合わせて用いられたりしてもよい。
具体的には例えば、m(mは2以上の整数)個の無線中継装置1Eが縦続接続される場合、最も基地局100に近い無線中継装置1Eは、第1アンテナ部2Eで受信した下り無線信号の周波数f1に第1の偏移量Δfの2,・・・,m倍の第2,・・・,第mの偏移量2Δf,・・・,mΔfを与えて、周波数(f1+2Δf),・・・,(f1+mΔf)の第2〜第m下り無線信号をそれぞれ生成する、第2〜第m周波数変換部を有するとともに、第2〜第m下り無線信号を負帰還させることにより、第1回り込み信号とは異なる周波数(f1+2Δf),・・・,(f1+mΔf)の回り込み信号を抑圧する、第2〜第mレプリカ生成部(第2〜第m回り込み信号抑圧部)をそなえていてもよい。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔7〕付記
(付記1)
複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置であって、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、
前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルに基づき、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線中継装置。
前記アンテナ制御部は、
前記下り無線信号の受信レベルが、第1の閾値よりも大きい場合及び前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合のうちいずれか一方の場合に前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記1記載の無線中継装置。
前記端末からの上り無線信号を受信する第2アンテナ部と、
前記第2アンテナ部で受信した前記上り無線信号の受信レベルを検出する上り受信レベル検出部と、をそなえ、
前記アンテナ制御部が、前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルと、前記上り受信レベル検出部で検出した前記上り無線信号の受信レベルとに基づいて、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記2記載の無線中継装置。
前記アンテナ制御部が、
前記下り無線信号の受信レベルが前記第1の閾値よりも大きく、且つ、前記上り無線信号の受信レベルが第3の閾値以下である場合に前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記3記載の無線中継装置。
前記アンテナ制御部が、該無線中継装置と前記一の基地局との間の距離に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の無線中継装置。
(付記6)
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部で増幅後の下り無線信号のレベルが所定値以上となるように、前記増幅部の増幅利得を決定する利得制御部と、をそなえ、
前記アンテナ制御部が、前記利得制御部で決定した前記増幅利得に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の無線中継装置。
前記下り無線信号の周波数に所定の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成する周波数変換部と、
前記第1下り無線信号を前記増幅部に負帰還させることにより、該無線中継装置において発生する回り込み信号を抑圧する回り込み信号抑圧部と、をそなえる、
ことを特徴とする、付記6記載の無線中継装置。
前記第1アンテナ部が、複数のアンテナを有し、
前記アンテナ制御部が、前記複数のアンテナについての各ウェイトをそれぞれ制御することにより、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の無線中継装置。
前記アンテナ制御部が、前記の各ウェイトをそれぞれ制御することにより、該無線中継装置において発生する回り込み信号の到来方向に、前記第1アンテナ部の指向性におけるヌル点を配置する、
ことを特徴とする、付記8記載の無線中継装置。
基地局と端末との間で無線信号を中継する無線中継装置が複数縦続接続された通信システムにおける前記無線中継装置であって、
前記基地局側からの下り無線信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記下り無線信号の周波数に第1の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成する第1周波数変換部と、
前記第1周波数変換部で生成した前記第1下り無線信号を前記端末側へ送信する送信部と、
前記第1下り無線信号を負帰還させることにより、前記送信部から前記受信部へ廻り込む第1回り込み信号を抑圧する第1回り込み信号抑圧部と、
前記受信部で受信した前記下り無線信号の周波数に前記第1の偏移量の2倍の第2の偏移量を与えて第2下り無線信号を生成する第2周波数変換部と、
前記第2周波数変換部で生成した前記第2下り無線信号を負帰還させることにより、前記第1回り込み信号とは異なる第2回り込み信号を抑圧する第2回り込み信号抑圧部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線中継装置。
複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置の制御方法であって、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信アンテナにより受信し、
前記下り無線信号の受信レベルに基づき、前記受信アンテナの指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替える、
ことを特徴とする、無線中継装置の制御方法。
前記下り無線信号の受信レベルが、第1の閾値よりも大きい場合及び前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合のうちいずれか一方の場合に前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記11記載の無線中継装置の制御方法。
前記端末からの上り無線信号を受信し、
前記下り無線信号の受信レベルと、前記上り無線信号の受信レベルとに基づいて、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記12記載の無線中継装置の制御方法。
前記下り無線信号の受信レベルが前記第1の閾値よりも大きく、且つ、前記上り無線信号の受信レベルが第3の閾値以下である場合に前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記13記載の無線中継装置の制御方法。
(付記15)
該無線中継装置と前記一の基地局との間の距離に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、付記11〜14のいずれか1項に記載の無線中継装置の制御方法。
前記下り無線信号を増幅する増幅部の増幅利得に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、付記11〜14のいずれか1項に記載の無線中継装置の制御方法。
(付記17)
前記下り無線信号の周波数に所定の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成し、
前記第1下り無線信号を前記増幅部に負帰還させることにより、該無線中継装置において発生する回り込み信号を抑圧する、
ことを特徴とする、付記16記載の無線中継装置の制御方法。
前記受信アンテナが、複数のアンテナを有し、
前記複数のアンテナについての各ウェイトをそれぞれ制御することにより、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、付記11〜17のいずれか1項に記載の無線中継装置の制御方法。
前記の各ウェイトをそれぞれ制御することにより、該無線中継装置において発生する回り込み信号の到来方向に、前記受信アンテナの指向性におけるヌル点を配置する、
ことを特徴とする、付記18記載の無線中継装置の制御方法。
(付記20)
基地局と端末との間で無線信号を中継する無線中継装置が複数縦続接続された通信システムにおける前記無線中継装置の制御方法であって、
前記複数の無線中継装置のうちの一の無線中継装置が、
前記基地局側からの下り無線信号を受信部により受信し、
前記受信した下り無線信号の周波数に第1の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成し、
前記生成した第1下り無線信号を送信部により前記端末側へ送信し、
前記第1下り無線信号を負帰還させることにより、前記送信部から前記受信部へ廻り込む第1回り込み信号を抑圧し、
前記受信した前記下り無線信号の周波数に前記第1の偏移量の2倍の第2の偏移量を与えて第2下り無線信号を生成し、
前記生成した第2下り無線信号を負帰還させることにより、前記第1回り込み信号とは異なる第2回り込み信号を抑圧する、
ことを特徴とする、無線中継装置の制御方法。
複数の基地局と、
端末と、
前記複数の基地局のうちの一の基地局と前記端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置と、
をそなえた無線通信システムであって、
前記無線中継装置が、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、
前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルに基づき、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
複数の基地局と、端末と、前記複数の基地局のうちの一の基地局と前記端末との間で無線信号を中継する無線中継装置とをそなえた無線通信システムであって、
前記無線中継装置が、
前記基地局側からの下り無線信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記下り無線信号の周波数に第1の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成する第1周波数変換部と、
前記第1周波数変換部で生成した前記第1下り無線信号を前記端末側へ送信する送信部と、
前記第1下り無線信号を負帰還させることにより、前記送信部から前記受信部へ廻り込む第1回り込み信号を抑圧する第1回り込み信号抑圧部と、
前記受信部で受信した前記下り無線信号の周波数に前記第1の偏移量の2倍の第2の偏移量を与えて第2下り無線信号を生成する第2周波数変換部と、
前記第2周波数変換部で生成した前記第2下り無線信号を負帰還させることにより、前記第1回り込み信号とは異なる第2回り込み信号を抑圧する第2回り込み信号抑圧部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
100−1,100−2 基地局
200−1,200−2,200−3,200 端末
300−1,300−2 基地局の通信サービスエリア
400−1,400−2 無線中継装置の通信サービスエリア
2,2B,2D,2E 第1アンテナ部
2B−1,2B−2,・・・,2B−n,2C−1,2C−2,・・・,2C−n アンテナ
3,3D,3E アンテナ共用器
4,4E 帯域フィルタ
5,5B,5E 合成部
6,6B,6D,6E 可変増幅器
7,7B 周波数変換部
8,8D,8E アンテナ共用器
9,9B,9D,9E 第2アンテナ部
10,10E 帯域フィルタ
11,11D,11E 可変増幅器
12,12B,12C,12E 入力レベル検出部
13,13E アンテナ制御部
14,14B レプリカ生成部
15,15B,15C,15E 利得制御部
16,16B,16E 利得検出部
17 位相関数発生器
17−1 SIN関数発生器
17−2 COS関数発生器
18 無限移相器
19,20 リングモジュレータ
21,29 π/2移相器
22 合成部
23 相関検出部
24 帰還制御部
25 可変移相器
26 可変減衰器
27,28 位相比較器
30,31 低域通過フィルタ
32 演算器
33 除算器
34,34C アダプティブアレイアンテナ制御部
35,35C ウェイト制御部
36,40 検波器
37,41 積分器
38,39,42 比較器
43 ビームパターン保持部
44 主ビーム方向制御部
45 ヌル点制御部
46,60 試験モードSW
47−1,47−2,・・・,47−n 帯域フィルタ
48−1,48−2,・・・,48−n 乗算器
49 加算器
50 検波器
51 積分器
52,53,58,73 比較器
54,63 OR回路
55 制御部
56 セレクタ
57,70,71 反転回路
59 CLK発生部
61,65 分周回路
62 AND回路
64 主ビーム方向制御部
66 カウンタ
67,69,72,75 メモリ
68 最小値探索部
74 ダウンカウンタ
76 レベル変換部
77 下りレプリカ生成部
78 上りレプリカ生成部
79 第1周波数変換部
80 第2周波数変換部
81 第1レプリカ生成部
82 第2レプリカ生成部
Claims (9)
- 複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置であって、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、
前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルが、第1の閾値よりも大きい場合及び前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合のうちいずれか一方の場合、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線中継装置。 - 前記端末からの上り無線信号を受信する第2アンテナ部と、
前記第2アンテナ部で受信した前記上り無線信号の受信レベルを検出する上り受信レベル検出部と、をそなえ、
前記アンテナ制御部が、前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルと、前記上り受信レベル検出部で検出した前記上り無線信号の受信レベルとに基づいて、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、請求項1記載の無線中継装置。 - 前記アンテナ制御部が、
前記下り無線信号の受信レベルが前記第1の閾値よりも大きく、且つ、前記上り無線信号の受信レベルが第3の閾値以下である場合に前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、請求項2記載の無線中継装置。 - 前記アンテナ制御部が、該無線中継装置と前記一の基地局との間の距離に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線中継装置。 - 前記第1アンテナ部が、複数のアンテナを有し、
前記アンテナ制御部が、前記複数のアンテナについての各ウェイトをそれぞれ制御する
ことにより、前記切り替えを行なう、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線中継装置。 - 複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置であって、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、
前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルに基づき、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部で増幅後の下り無線信号のレベルが所定値以上となるように、前記増幅部の増幅利得を決定する利得制御部と、をそなえ、
前記アンテナ制御部が、前記利得制御部で決定した前記増幅利得に基づき、前記他の基地局を選択する、
ことを特徴とする、無線中継装置。 - 前記下り無線信号の周波数に所定の偏移量を与えて第1下り無線信号を生成する周波数変換部と、
前記第1下り無線信号を前記増幅部に負帰還させることにより、該無線中継装置において発生する回り込み信号を抑圧する回り込み信号抑圧部と、をそなえる、
ことを特徴とする、請求項6記載の無線中継装置。 - 複数の基地局のうちの一の基地局と端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置の制御方法であって、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信アンテナにより受信し、
前記下り無線信号の受信レベルが、第1の閾値よりも大きい場合及び前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合のうちいずれか一方の場合、前記受信アンテナの指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替える、
ことを特徴とする、無線中継装置の制御方法。 - 複数の基地局と、
端末と、
前記複数の基地局のうちの一の基地局と前記端末との間で無線信号を中継し、前記一の基地局と接続する無線中継装置と、
をそなえた無線通信システムであって、
前記無線中継装置が、
前記一の基地局からの下り無線信号を受信する第1アンテナ部と、
前記第1アンテナ部で受信した前記下り無線信号の受信レベルを検出する下り受信レベル検出部と、
前記下り受信レベル検出部で検出した前記下り無線信号の受信レベルが、第1の閾値よりも大きい場合及び前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合のうちいずれか一方の場合、前記第1アンテナ部の指向性を制御し、前記一の基地局との接続から前記複数の基地局のうちの他の基地局との接続に切り替えるアンテナ制御部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
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