JP3545933B2 - 移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法 - Google Patents
移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロセル移動通信に適用できる移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マイクロセル移動通信では、無線基地局が周辺の建物よりも低い場所(公衆電話ボックスや電柱など)に配置されるため、電波が道路沿いに直進あるいは反射しながら伝搬する。
このような場合、図13に示すように無線ゾーンは道路沿いに形成されるので、見通し外はエリア外となる。従って、面的なエリアを確保するためには多数の基地局を配置する必要があり、設置コストがかかるという間題がある。この対策として、基地局アンテナを周辺の建物よりも高い場所に設置する方法がある。
【0003】
図14は基地局をビルの屋上に設置した場合と電柱に設置した場合の通話エリアを示している。
図14に示すように、基地局を高所に設置するとアンテナから見通せる領域が広くなり、伝搬損失も小さくなるため、低基地局によって生じる不感地を少ない基地局で解消できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基地局アンテナを屋上などの高い場所に配置した場合、隣接する基地局からの干渉波の伝搬損失も小さくなるため、図15に示すように端末から到来する電波の他に、隣接基地局からの不要な電波も多数到来する可能性がある。従って、基地局間の干渉が問題になる。
【0005】
例えば、個々の基地局が使用可能なチャネルを探索して動作する自立分散制御方式を用いたシステムでは、到来する干渉波が増えると干渉波がチャネルをつぶしてしまうため、空きチャネルが少なくなり、最悪の場合空きチャネルがなく基地局を動作させることができないという問題が生じる。
隣接の基地局からの干渉波を低減する方法としては、指向性アンテナを用いる方法が有効である。例えば、図16に示すように指向性アンテナのヌル方向を干渉波の方向に向けることによりアンテナで受信される干渉波の数を低減することができる。
【0006】
干渉波の到来方向は一般に未知である。このような未知の干渉波に対して指向性のヌルを向ける方法は、例えば文献(R.A.Mongingo,et.al., ”Introduction to Adaptive Array”,NewYork & Sons, 1980)に示されている。
すなわち、アレー構成のアンテナを用い、アレーアンテナの各エレメントの信号に振幅及び位相の重みづけができるような構成とする。そして、重みづけ後の信号の合成信号と所望の信号との誤差を最小にするように、適応制御を用いて重み(振幅及び位相値)を決定する。これにより、所望信号と相関のない干渉波に対してアンテナの指向性のヌルをむけることができる。
【0007】
しかし、従来技術の指向性アンテナを用いて干渉波を低減する場合には、干渉波と同じ方向に存在する通信端末に対しては、干渉波と同様にアンテナの利得が低くなるため、通信品質が大きく劣下し、場合によっては通信ができなくなる可能性があった。
本発明は、移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法において、隣接基地局からの干渉波を低減すると共に、通信端末に対するアンテナの指向特性を広い円形のエリアにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法は、受信装置及び送信装置を備える第1の送受信手段、並びに受信装置及び送信装置を備える第2の送受信手段と、それらに共通にもしくは個々に接続されるアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第1の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第1の振幅位相可変器と、前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第2の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第2の振幅位相可変器とを用いて、所定の第1の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第1の既知信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の送受信手段の受信装置で受信され前記第1の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第1の合成信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の合成信号との誤差を最小化する第1の振幅及び位相値を算出して該第1の振幅及び位相値を前記第1の振幅位相可変器に与え、前記第1の基準方向に対して反対の第2の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第2の既知信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の送受信手段の受信装置で受信され前記第2の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第2の合成信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の合成信号との誤差を最小化する第2の振幅及び位相値を算出して該第2の振幅及び位相値を前記第2の振幅位相可変器に与えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1の送受信装置に対するアンテナの指向特性と第2の送受信手段に対するアンテナの指向特性とは互いに独立に調整される。また、第1の送受信手段に対するアンテナの指向特性のヌル方向と第2の送受信手段に対するアンテナの指向特性のヌル方向とが互いに反対方向に形成されるため、第1の送受信手段と第2の送受信手段とを含む基地局全体としてのアンテナの指向特性を、円形に近づけることが可能である。
【0010】
第1の送受信手段に対するアンテナの指向特性を決定する第1の振幅及び位相値は、第1の合成信号と第1の既知信号との誤差を最小化するように決定される。第1の既知信号は、第1の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの所望波に相当する。
従って、第1の振幅及び位相値を第1の振幅位相可変器に与えると、第1の送受信手段に対するアンテナの指向特性においては、第1の基準方向を中心として±90度の範囲内ではアンテナ利得の分布が平坦になり、第1の基準方向とは反対の第2の基準方向を中心として±90度の範囲内にヌル点が形成される。
【0011】
このため、第1の送受信手段については第2の基準方向に近い方向から到来する干渉波の影響を低減できる。第1の基準方向を中心として±90度の範囲内の方向から到来する所望波は、減衰することなく第1の送受信手段で受信される。一方、第2の送受信手段に対するアンテナの指向特性を決定する第2の振幅及び位相値は、第2の合成信号と第2の既知信号との誤差を最小化するように決定される。第2の既知信号は、第2の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの所望波に相当する。
【0012】
従って、第2の振幅及び位相値を第2の振幅位相可変器に与えると、第2の送受信手段に対するアンテナの指向特性においては、第2の基準方向を中心として±90度の範囲内ではアンテナ利得の分布が平坦になり、第2の基準方向とは反対の第1の基準方向を中心として±90度の範囲内にヌル点が形成される。
このため、第2の送受信手段については第1の基準方向に近い方向から到来する干渉波の影響を低減できる。第2の基準方向を中心として±90度の範囲内の方向から到来する所望波は、減衰することなく第2の送受信手段で受信される。
【0013】
従って、所望波と干渉波の到来方向が近い場合であっても、所望波と干渉波の到来時刻(スロット)が異なる場合には所望波を受信できる。例えば、第1の送受信手段の指向特性のヌル点を干渉波に向けると、第2の送受信手段の指向特性においては所望波に対してアンテナ利得が低下しないので、第2の送受信手段で所望波を受信できる。送信についても同様である。
【0014】
請求項2は、請求項1記載の移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法において、受信信号のレベルを所定の閾値と比較して、受信信号のレベルが前記閾値よりも大きい時に現れる信号成分を抽出し、抽出された信号成分に基づいて前記第1の振幅及び位相値及び第2の振幅及び位相値を算出することを特徴とする。制御対象基地局の信号と干渉波とのスロットタイミングが同期していない場合には、1つのスロットの途中で干渉波が発生又は消滅することになる。各スロット内の全時間にわたって検出される信号に基づいてアンテナの指向特性を制御すると、スロットの途中で発生又は消滅する干渉波の影響によって、誤動作が生じる可能性がある。
【0015】
例えば、スロットの前半のみに干渉波が含まれる場合、スロット後半の干渉波の監視制御によって、干渉波を除去しないように最終的な指向特性が決定される可能性がある。
本発明では、受信信号のレベルが閾値よりも大きい時に現れる信号成分を抽出し、抽出された信号成分に基づいて第1の振幅及び位相値及び第2の振幅及び位相値を算出するので、上記のような誤動作を防止できる。
【0016】
請求項3の移動通信基地局用アレーアンテナ装置は、受信装置及び送信装置を備える第1の送受信手段、並びに受信装置及び送信装置を備える第2の送受信手段と、前記第1の送受信手段及び第2の送受信手段に共通にもしくは個々に接続されるアンテナアレーと、前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第1の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第1の振幅位相可変器と、前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第2の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第2の振幅位相可変器と、所定の第1の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第1の既知信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の送受信手段の受信装置で受信され前記第1の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第1の合成信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の合成信号との誤差を最小化する第1の振幅及び位相値を算出して該第1の振幅及び位相値を前記第1の振幅位相可変器に与え、前記第1の基準方向に対して反対の第2の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第2の既知信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の送受信手段の受信装置で受信され前記第2の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第2の合成信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の合成信号との誤差を最小化する第2の振幅及び位相値を算出して該第2の振幅及び位相値を前記第2の振幅位相可変器に与える指向特性制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項4は、請求項3記載の移動通信基地局用アレーアンテナ装置において、前記アンテナアレーを構成する素子の数を3とし、前記3つの素子を水平面に正三角形に配列し、前記3つの素子の間隔を0.40波長以上、0.50波長以下の範囲内に定めたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
この形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成と動作を図1〜図5並びに図10〜図16に示す。この形態は、請求項1,請求項3及び請求項4に対応する。
【0019】
図1は第1の実施の形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。図2は図1の装置における空きスロット探索処理の内容を示すフローチャートである。
図3は利用可能なスロットを確保できる最大のアンテナ高を示すグラフである。図4は図1の装置における2つの送受信装置の水平面内指向特性を示すグラフである。図5は図1の装置におけるアンテナの指向性制御系の構成を示すブロック図である。
【0020】
図10はアレーアンテナの具体例を示す斜視図である。図11はアレーアンテナの素子間隔と指向特性との関係を示すグラフである。図12はアンテナの水平面内指向特性を示すグラフである。
図13は図1の装置が利用される環境における各基地局の配置例を示す平面図である。図14は図1の装置が利用される環境における各基地局の通話エリアの例を示す斜視図である。図15は図1の装置が受信する干渉波の経路の例を示す斜視図である。図16はアンテナの指向特性と干渉波の到来方向の例を示す平面図である。
【0021】
この形態では、請求項1の第1の送受信手段は第1送受信装置13に含まれている受信装置112及び送信装置113に対応し、第2の送受信手段は第2送受信装置14に含まれている受信装置112及び送信装置113に相当する。また、第1の振幅位相可変器,第2の振幅位相可変器は、振幅位相可変部15及び16として具体化されている。また、請求項1のアンテナアレーはアレーアンテナ11及び12として具体化されている。
【0022】
更に、請求項1の第1の既知信号及び第2の既知信号の到来方向は、それぞれ図2のステップS12及びS24で決定される。請求項3の指向特性制御手段は、振幅位相制御部17として具体化されている。
図1を参照すると、この移動通信基地局用アレーアンテナ装置は、アレーアンテナ11,12,第1送受信装置13,第2送受信装置14及び振幅位相制御部17で構成されている。
【0023】
第1送受信装置13及び第2送受信装置14は、各々、受信部112,A/D変換器18,振幅位相可変部15,送信部113,D/A変換器19,振幅位相可変部16,ロジック部114を備えている。振幅位相制御部17は、重み保存メモリ110及び既知信号発生部111を備えている。
第1送受信装置13に接続されたアレーアンテナ11及び第2送受信装置14に接続されたアレーアンテナ12は、各々、3つの素子で構成されている。
【0024】
第1送受信装置13の振幅位相可変部15は、アレーアンテナ11で受信された3系統のそれぞれの受信信号に対して、振幅及び位相を調整する機能を有する。第1送受信装置13の振幅位相可変部16は、アレーアンテナ11のそれぞれの素子から送信される3系統の送信信号に対して、振幅及び位相を調整する機能を有する。
【0025】
同様に、第2送受信装置14の振幅位相可変部15は、アレーアンテナ12で受信された3系統のそれぞれの受信信号に対して、振幅及び位相を調整する機能を有する。第2送受信装置14の振幅位相可変部16は、アレーアンテナ12のそれぞれの素子から送信される3系統の送信信号に対して、振幅及び位相を調整する機能を有する。
【0026】
アンテナ11又は12で受信された3系統の信号は、第1送受信装置13又は第2送受信装置14の振幅位相可変部15において位相及び振幅が調整された後、ロジック部114の内部で合成される。振幅位相可変部15における操作量である位相及び振幅の調整量を変えることにより、受信する信号に対するアレーアンテナ11,12の指向特性が調整される。
【0027】
同様に、振幅位相可変部16における位相及び振幅の調整量を変えることにより、送信する信号に対するアレーアンテナ11,12の指向特性が調整される。
一般にアレーアンテナは指向性を有している。この指向特性においては、特定の方向に対してアンテナ利得が非常に小さくなるヌル点が形成される。振幅位相可変部15,16の操作量を調整すると、アンテナ11,12の指向特性のヌル点の方向を変えることができる。
【0028】
従って、図16に示すように指向特性のヌル点の方向が干渉波の到来方向と一致するように指向特性を制御すれば、干渉波の影響を低減できる。
なお、図1においてはディジタル信号処理によって信号の振幅及び位相を調整する構成を示してあるが、アナログ信号処理回路を用いて信号の振幅及び位相を調整するように構成を変更しても良い。
【0029】
図1に示すように、第1送受信装置13及び第2送受信装置14は、振幅位相制御部17と接続されている。干渉波の検出のために、第1送受信装置13又は第2送受信装置14で受信された3系統の信号が振幅位相制御部17に入力される。
振幅位相制御部17は、アレーアンテナ11及び12の指向特性を決定する振幅及び位相値(図5のP1,P2)を算出する。アレーアンテナ11の指向特性を決定する振幅及び位相値P1は第1送受信装置13に与えられ、アレーアンテナ12の指向特性を決定する振幅及び位相値P2は第2送受信装置14に与えられる。
【0030】
図1の装置におけるアンテナの指向特性制御系の基本構成を図5に示す。図5に示す制御系について説明する。
図1の装置においては、信号を送信する前に、アレーアンテナ11又は12の指向特性を調整しながら空きスロットの有無を調べる。従って、そのときに図1の装置(基地局)に到来する信号は全て干渉信号であり、所望波は存在しない。
【0031】
一般に、この種の指向性制御においては干渉波の成分をできる限り低減し、所望波の成分を抽出できるようにアンテナの指向特性を制御する。
そこで、望ましい指向特性の検出を可能にするために、所望波の代わりの既知信号を用意してある。図1及び図5に示す既知信号発生部111が、所望波の代わりの既知信号を少なくとも1つ発生する。実際には、PN符号などの疑似乱数を変調した信号を既知信号として用いている。
【0032】
位相可変部51,52,53は、既知信号発生部111が出力する既知信号から、所定の方向θoから到来する既知信号を生成するために、位相をそれぞれ調整した信号を生成する。
位相可変部51,52及び53の位相調整量は、既知信号の方向θoと、アンテナアレーの素子配列及び素子間隔により決定される。
【0033】
アンテナ11(又は12)の3つの素子のそれぞれの位置ベクトルがr1,r2及びr3で表される場合には、位相可変部51の位相調整量φ1,位相可変部52の位相調整量φ2及び位相可変部53の位相調整量φ3は、それぞれ次式で表される。
φ1=k・r1 ・・・(1)
φ2=k・r2 ・・・(2)
φ3=k・r3 ・・・(3)
k=2π/λ・(i・cosθo+j・sinθo) ・・・(4)
i:水平面内のX軸方向の単位ベクトル
j:水平面内のY軸方向の単位ベクトル
λ:波長
A/D変換器18から出力される3系統の受信信号は、信号選択部30を介して信号合成部54,55及び56にそれぞれ印加される。信号合成部54,55及び56は、それぞれ位相可変部51,52及び53が出力する信号と前記受信信号とを合成した信号を出力する。
【0034】
信号合成部54,55及び56が出力する信号は、それぞれ振幅位相可変部57,58及び59で振幅及び位相を調整された後、信号合成部60に印加される。振幅位相可変部57,58及び59のそれぞれの振幅及び位相の調整量は、LMS制御部50により制御される。
信号合成部60は、振幅位相可変部57が出力する信号,振幅位相可変部58が出力する信号及び振幅位相可変部59が出力する信号を合成して出力する。
【0035】
LMS制御部50は、信号合成部60が出力する合成信号と、既知信号発生部111が出力する既知信号との差を最小にするのに必要な振幅及び位相値P1(又はP2)を、LMS(Least Mean Square)法などの適応アルゴリズムを用いて、振幅位相可変部57,58,59の重み(振幅と位相値)を調整しながら探索する。
【0036】
LMS制御部50によって求められた振幅及び位相値P1(P2)を振幅位相可変部15(16)に与えることにより、干渉波の影響が最小になるようにアレーアンテナ11(12)の指向特性を調整して送受信できる。求められた振幅及び位相値P1及びP2は、図1に示す重み保存メモリ110に保持される。
図2に示す処理は、多数のスロットの中から利用可能な空きスロットを探すための制御である。干渉波の影響を低減するとともに、様々な方向に存在する通信端末との間で通信を可能にするために、アレーアンテナ11及び12の指向特性の調整を自動的に実行する。
【0037】
アレーアンテナ11及び12はそれぞれが指向性を有するが、この例では、アレーアンテナ11及び12の指向特性を合成した基地局の総合的な指向特性が円形に近づくように制御される。以下、図2に示す処理について説明する。
【0038】
図2において、ステップS11〜S21は第1送受信装置13に対するアレーアンテナ11の指向特性を調整するための処理であり、ステップS23〜S30は第2送受信装置14に対するアレーアンテナ12の指向特性を調整するための処理である。
第1送受信装置13に対するアレーアンテナ11の指向特性を調整するために、ステップS11では、信号選択部30を制御して第1送受信装置13のA/D変換器18が出力する3系統の受信信号を、各々信号合成部54,55,56に印加する。
【0039】
ステップS12では、所望波の代わりに利用する既知信号の到来方向(水平面内の方向)を、予め定めた方向θoにセットする。すなわち、既知信号発生部111が出力する信号の位相を位相可変部51,52,53でそれぞれ調整することにより、アレーアンテナ11で受信される方向θoからの所望波の信号と等価な信号を生成する。
【0040】
実際には、位相可変部51,52,53のそれぞれの位相調整量は、前記第1式,第2式及び第3式により決定される。
ステップS13では、図5に示す信号合成部54,55,56において、上記既知信号と第1送受信装置13の受信信号とを合成した合成信号を生成する。ステップS14では、振幅位相可変部57,58,59で重み付けされた前記合成信号を図5に示す信号合成部60で合成し、3系統の信号の総和を求める。
【0041】
ステップS15では、図5に示すLMS制御部50において、既知信号発生部111が出力する既知信号と、信号合成部60が出力する合成信号との誤差が最小になるような振幅位相可変部57,58,59の重み(振幅,位相)を、所定のLMSアルゴリズムを用いて算出する。
1つのバーストの期間中、ステップS13,S14,S15の処理が繰り返し実行される。1つのバーストの期間が終了すると、ステップS16からS17に進む。ステップS17では、上記ステップS15の処理で求められた重み(振幅,位相)を第1送受信装置13の振幅位相可変部15及び16に振幅及び位相値P1として出力する。
【0042】
ステップS18では、上記処理の対象バーストが含まれるスロットに干渉波が現れているか否かを識別する。すなわち、合成信号のレベルを所定の閾値と比較する。合成信号のレベルが閾値以下であれば干渉波が除去されているので空きスロットとみなしステップS23に進む。
干渉波が検出された場合には、ステップS18からS19に進む。ステップS19では、全バーストの処理が終了したか否かを識別する。全バーストが終了してなければ、ステップS19からS20に進み、次バーストの探索を開始する。
【0043】
全バーストの処理が終了した場合には、ステップS19からS21に進む。ステップS21では、360度の全方向にわたる探索処理が終了したか否かを識別する。
全方向の探索処理が終了してなければ、ステップS21からS22に進み、既知信号の方向θoを変更する。空きスロットを検出できないまま全方向の探索処理が終了すると、探索失敗とみなす。
【0044】
アレーアンテナ11と第1送受信装置13を利用した上記空きスロットの探索で空きスロットを検出した場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、第2送受信装置14に対するアレーアンテナ12の指向特性を調整するために、信号選択部30を制御して第2送受信装置14のA/D変換器18が出力する3系統の受信信号を、各々信号合成部54,55,56に印加する。
【0045】
ステップS24では、所望波の代わりに利用する既知信号の到来方向を、上記既知信号の方向θoとは反対の方向(θo+180度)にセットする。この方向(θo+180度)から到来する既知信号が得られるように、位相可変部51,52,53の位相調整量をそれぞれ調整する。位相可変部51,52,53のそれぞれの位相調整量は、前記第1式,第2式及び第3式により決定される。
【0046】
ステップS25では、前記ステップS13,S14,S15と同様の処理により、アレーアンテナ12及び第2送受信装置14で受信された受信信号と既知信号とを合成した合成信号を生成し、合成信号と前記既知信号との誤差を最小にするための振幅位相可変部57,58,59の重み(振幅,位相)を、LMSアルゴリズムを用いて算出する。
【0047】
1つのバーストの期間中、ステップS25の処理が繰り返し実行される。1つのバーストの期間が終了すると、ステップS26からS27に進む。ステップS27では、上記ステップS25の処理で求められた重み(振幅,位相)を第2送受信装置14の振幅位相可変部15及び16に振幅及び位相値P2として出力する。
【0048】
ステップS28では、上記処理の対象バーストが含まれるスロットに干渉波が現れているか否かを識別する。干渉波が検出されなければ、空きスロットとみなし処理を終了する(探索成功)。
干渉波が検出された場合には、ステップS28からS29に進む。ステップS29では、全バーストの処理が終了したか否かを識別する。全バーストが終了してなければ、ステップS29からS30に進み、次バーストの探索を開始する。
【0049】
全バーストの処理が終了した場合には、ステップS29からS22に進み、既知信号の方向θoを変更する。
図2に示す処理においては、アレーアンテナ11及び第1送受信装置13の指向特性を決定する際に用いる既知信号の到来方向(ステップS12のθo)と、アレーアンテナ12及び第2送受信装置14の指向特性を決定する際に用いる既知信号の到来方向(ステップS24のθo+180度)とを互いに反対の方向に決定している。
【0050】
方向θoから到来する所望波と等価な既知信号を用いてアレーアンテナ11及び第1送受信装置13の指向特性を決定すると、その指向特性は、方向θoに向かう軸を中心とする半面のアンテナ利得が平坦化され、反対方向(θo+180度)の半面の中にヌル点が形成される。
また、方向θo反対の方向(θo+180度)から到来する所望波と等価な既知信号を用いてアレーアンテナ12及び第2送受信装置14の指向特性を決定すると、その指向特性は、反対方向(θo+180度)に向かう軸を中心とする半面のアンテナ利得が平坦化され、正面方向(θo)の半面の中にヌル点が形成される。
【0051】
第1送受信装置13と第2送受信装置14とに対して、互いに反対方向から到来する既知信号を用いて指向特性を決定することにより、例えば図4に示すような指向特性が得られる。
図4の例では、90度方向を中心として±90度の範囲内では、第1送受信装置13の指向性が平坦であり、第2送受信装置14の指向性にはヌル点が形成されている。また、270度方向を中心として±90度の範囲内では、第1送受信装置13の指向性にヌル点が形成され、第2送受信装置14の指向性は平坦になっている。
【0052】
従って、このような指向特性に調整された第1送受信装置13と第2送受信装置14とを用いることにより、360度の全ての方向に対してアンテナ利得を低下させることなく信号の送受信が可能になる。つまり、無指向性の基地局が実現される。また、アンテナのヌル点の方向を干渉波の到来方向と一致させることにより、干渉波の影響は低減される。
【0053】
所望波の到来方向と干渉波の到来方向とが近い場合であっても、所望波と干渉波とが異なるスロットで現れる場合には、第1送受信装置13と第2送受信装置14のと切替により、干渉波を低減し、所望波は低減させずに受信できる。
図2の処理においては、第1送受信装置13及び第2送受信装置14に対する既知信号が各々1つだけの場合を示してあるが、互いに到来方向が異なる複数の既知信号を合成したものを用いて指向特性の振幅及び位相値を算出してもよい。
【0054】
第1送受信装置13の指向特性を決定する際に複数の既知信号を用いる場合には、それらの既知信号の到来方向θを次の第5式を満足する範囲内に限定することにより、方向θoに向かう軸を中心とする半面の指向特性が均一化される。その反対側の半面にヌル点が形成される。
θo−90≦θ≦θo+90(度) ・・・(5)
また、第2送受信装置14の指向特性を決定する際に複数の既知信号を用いる場合には、それらの既知信号の到来方向θを次の第6式を満足する範囲内に限定することにより、方向θoに向かう軸を中心とする半面にヌル点を形成し、その反対側の半面の指向特性を均一化できる。
【0055】
(θo+180)−90≦θ≦(θo+180)+90(度)・・・(6)
なお、この形態では受信装置および送信装置等において、各ブランチ毎の振幅や位相の不一致はないものと仮定している。これらの不一致がある場合には、あらかじめ調べてテーブル化しておくことで補正が可能である。
図1に示す装置における発明の効果を確認するために、以下に示す計算機シミュレーションを実施した。シミュレーション対象の具体的な通信システムとしては、単一周波数で時間的に分割された68個のスロットを用い、複数の基地局が異なる時間で通信することにより同時に多数の基地局が動作するTDMA方式を仮定した。
【0056】
また、基地局の置局環境としては、高さ7mの低アンテナ高基地局が多数配置されているエリアに、高さHの高アンテナ高基地局が1つ設置された環境を仮定した。このときの、高アンテナ高基地局が通信スロットを確保できる最大のアンテナ高を、比較例として無指向性アンテナを用いた場合と、本発明のアンテナの場合とで比較した。
【0057】
各通信スロットの利用可否については、各スロットに到来する信号強度がある閾値を越えるか否かによって判定した。また、すべての基地局のスロットタイミングの同期は確立されているものと仮定した。
シミュレーションの結果求められた空きスロットを確保できる最大のアンテナ高を図3に示す。計算に用いた振幅及び位相値は、図3に示す通りである。
【0058】
図3を参照すると、無指向性アンテナの場合には、基地局高を12m以上にすると干渉により全てのスロットが埋るのに対し、本発明では30mまで基地局高を上げても空きスロットを確保できることがわかる。このアンテナ高の差をゾーン長に換算すると、本発明を用いた場合のゾーン長は、無指向性アンテナを用いる場合に比べて1.4倍になる。
【0059】
この形態における第1送受信装置13及び第2送受信装置14の指向性の一例を図4に示す。図4を参照すると、第1送受信装置13及び第2送受信装置14が、それぞれタイミング(スロット)及び到来方向が異なる1つもしくは複数の干渉波にヌル点を形成し、しかも総合的な指向性はほぼ無指向性になっていることが確認できる。
【0060】
図1に示したアレーアンテナ11,12の具体例を図10に示す。図10においては、3つのコリニアアンテナ251を水平面内に正三角形アレーを構成するように配置してある。3つのコリニアアンテナ251の素子間隔は0.42波長に定めてある。
第1送受信装置13の指向性のヌル方向を第2送受信装置14で拘束する場合、ヌルの数は少ない方が望ましい。また、円形のセルを実現する上で、ヌルと反対側はできるだけ一様なパターンが望ましい。さらに、ヌル方向は任意の方向に形成することが望ましい。一方、装置構成を簡単にするためには、素子数はできるだけ少なくすることが望ましい。
【0061】
例えば、公知の文献(ANTENNA ENGINEERING HANDBOOK,Chapter 5.5−4, HENRY JASIK, Editor, McGRAW−HILL BOOK COMPANY, 1961)に示される2素子アレーの素子間隔,素子間位相差及び指向性の関係を参照すると、2素子アレーの場合、素子間隔を1/4波長とし、素子間位相差を90度にすると単一指向性が実現できるが、ヌルが相対する指向性は位置方向にしか形成できない。
【0062】
一方、図10に示すような三角形配列の3素子のアレーアンテナにおいては、単一指向性を少なくとも図12に示す6方向に実現できる。すなわち、全周をカバーできるため、3素子が素子数として最適であることがわかる。
図10に示すような3素子正三角形配列アレーに対して、単一指向性(ヌル方向:180度)の励振とした場合のビーム方向反対面(−90度〜+90度方向)の最大利得からの利得の低下の最大値を図11(a)に示す。
【0063】
図11(a)を参照すると、2つの指向性でビーム方向が相対するパターンを重ねあわせた時の真円度として一般的な3dBを得るためには、素子間隔を0.40波長以上、かつ0.50波長以下とする必要があることがわかる。
従って、3素子正三角形配列アレーで、素子間隔を0.40波長以上、かつ0.50波長以下にすると、2つの相対する指向性を重ね合せたときに、最小の素子数で真円度3dB以内の無指向性パターンが得られることがわかる。
【0064】
また、図11(b)に示すように、素子間隔を0.4〜0.5波長にすると、ヌル方向の反対方向に、ブロードな指向性パターンを形成できる。
0.40〜0.50波長は、一般に移動通信に用いられている2GHzの周波数では約6−8cm程度に相当するので、図10に示すように1つのレドーム252にアンテナ全体を収納できる。
【0065】
(第2の実施の形態)
この形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成と動作を図6〜図9に示す。この形態は全ての請求項に対応する。
図6はこの形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。図7は図6の装置における空きスロット探索処理の内容を示すフローチャートである。図8は受信される信号の例を示すタイムチャートである。図9は図6の装置における2つの送受信装置の水平面内指向特性を示すグラフである。
【0066】
この形態は、前記第1の実施の形態の変形例である。第1の実施の形態と同一の構成要素及び処理ステップには、同一の符号及びステップ番号を付けて示してある。図示しない部分及び説明しない部分については、第1の実施の形態と同一である。
図6を参照すると、この移動通信基地局用アレーアンテナ装置は、アレーアンテナ11,12,第1送受信装置13,第2送受信装置14及び振幅位相制御部17Bで構成されている。
【0067】
振幅位相制御部17Bは、既知信号発生部111,受信レベル検出器211,レベル判定部212を備えている。第1送受信装置13及び第2送受信装置14は、振幅位相制御部17Bと接続されている。干渉波の検出のために、第1送受信装置13又は第2送受信装置14で受信された3系統の信号が振幅位相制御部17Bに入力される。
【0068】
TDMA通信システムにおいては、各基地局はある決められたスロットタイミングで信号を送出する。
隣接する基地局の送出タイミングが全て同期している場合には、図8(a)に示すように、干渉基地局からの送出パルスはスロット毎にきれいに収まる。しかし基地局間で同期していない場合には、図8(b)に示すように1つの干渉パルスが2つのスロットにまたがって観測される。
【0069】
第1の実施の形態のように、各スロット内の全期間の受信信号を監視してアンテナの指向特性を決定する場合には、干渉波がスロット内の全体を通して現れていない限り、干渉波を抑制するための指向性制御がうまく作動しない可能性がある。
【0070】
例えば、図8(b)において、スロット番号2,5,8で示されるスロットのように、スロットの途中で干渉信号がなくなると、その時点からはその干渉波の方向にヌルを向ける必要がなくなるので、スロット内を全体を探索して最終的に求まる重みは、スロット前半に到来していた干渉波を抑制しない場合がある。
このような誤動作を防止するために、この形態では、図7に示す処理において、ステップS41及びS42が追加されている。ステップS41及びS42では、受信された信号のレベルを予め定めた閾値と比較する。この閾値は、干渉波の有無を識別するために利用される。
【0071】
従って、図7のステップS13,S14,S15及びS25が実行されるのは、受信レベルが閾値よりも大きい場合だけである。つまり、受信した信号のうち、閾値を越える成分のみが抽出され、抽出された信号成分だけに基づいて指向性制御が実施される。
この制御方法のように、受信信号があるレベル以上の場合にのみ重み探索のアルゴリズムを動作させることによって、干渉信号が到来している場合にだけアルゴリズムをきちんと動作させることができる。従って、各スロットで最後に求まる重みは、干渉方向にヌルを向けるように決定される。
【0072】
この形態における発明の効果を確認するために、既に説明した図3と同じ環境でシミュレーションを行った。ただし、基地局間の信号送出タイミングは非同期で、一様の確率で送出しているものとした。また、1スロットの時間を200分割したものをシンボルと呼ぶ単位で表す。すなわち、1スロットのシンボル数は200に定めた。
【0073】
第1の実施の形態のように、スロット内の全体の受信信号に基づいて重み探索を実施した場合の最終の指向性パターンを図8(a)に示す。また、図7のステップS41,S42の閾値を10dBμVに定めて、受信信号が10dBμV以上の場合にのみ重み探索を行った場合の最終の指向性パターンを図8(b)に示す。
【0074】
図8において、第1送受信装置13に形成される指向性については、干渉波がスロットの途中(55シンボル目)から到来し、スロットの最後まで干渉波が到来した状態が継続するため、(a),(b)の指向性は同じである。
一方、第2送受信装置14に形成される指向性については、(a),(b)に違いがある。すなわち、干渉波がスロットの途中(163シンボル目)で到来しなくなるため、スロット全ての間で重み探索を行う図8(a)の例で得られる指向性パターンは、干渉が到来している方向とヌルとが一致していない。
【0075】
一方、図8(b)に示す本発明の例では、干渉波が実際に検出された期間の信号成分のみを探索するので、干渉波の方向と指向性のヌル方向とが一致する。
なお、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、使用するアレーアンテナの素子数が3の場合について説明したが、必要に応じてアンテナの素子数を変更してもよい。
【0076】
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、既知信号と出力信号との誤差が最小になるように指向性を制御するアルゴリズムとして、LMS法を用いているが、LMS法以外のMMSE(Mininum mean square error)法を用いてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いると、隣接基地局からの干渉を低減できるため、高所に基地局が設置できるとともに円形のセルを構成することができ、従来に比べてマイクロセルの通話エリアを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の装置における空きスロット探索処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】利用可能なスロットを確保できる最大のアンテナ高を示すグラフである。
【図4】図1の装置における2つの送受信装置の水平面内指向特性を示すグラフである。
【図5】図1の装置におけるアンテナの指向性制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態の移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図7】図6の装置における空きスロット探索処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】受信される信号の例を示すタイムチャートである。
【図9】図6の装置における2つの送受信装置の水平面内指向特性を示すグラフである。
【図10】アレーアンテナの具体例を示す斜視図である。
【図11】アレーアンテナの素子間隔と指向特性との関係を示すグラフである。
【図12】アンテナの水平面内指向特性を示すグラフである。
【図13】図1の装置が利用される環境における各基地局の配置例を示す平面図である。
【図14】図1の装置が利用される環境における各基地局の通話エリアの例を示す斜視図である。
【図15】図1の装置が受信する干渉波の経路の例を示す斜視図である。
【図16】アンテナの指向特性と干渉波の到来方向の例を示す平面図である。
【符号の説明】
11,12 アレーアンテナ
13 第1送受信装置
14 第2送受信装置
15,16 振幅位相可変部
17,17B 振幅位相制御部
18 A/D変換器
19 D/A変換器
30 信号選択部
50 LMS制御部
51,52,53 位相可変部
54,55,56,60,115 信号合成部
57,58,59 振幅位相可変部
110 重み保存メモリ
111 既知信号発生部
112 受信部
113 送信部
114 ロジック部
211 受信レベル検出器
212 レベル判定部
251 コリニアアンテナ
252 レドーム
253 アンテナ端子
Claims (4)
- 受信装置及び送信装置を備える第1の送受信手段、並びに受信装置及び送信装置を備える第2の送受信手段と、それらに共通にもしくは個々に接続されるアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第1の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第1の振幅位相可変器と、前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第2の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第2の振幅位相可変器とを用いて、
所定の第1の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第1の既知信号を生成し、
前記第1の既知信号と、前記第1の送受信手段の受信装置で受信され前記第1の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第1の合成信号を生成し、
前記第1の既知信号と、前記第1の合成信号との誤差を最小化する第1の振幅及び位相値を算出して該第1の振幅及び位相値を前記第1の振幅位相可変器に与え、
前記第1の基準方向に対して反対の第2の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第2の既知信号を生成し、
前記第2の既知信号と、前記第2の送受信手段の受信装置で受信され前記第2の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第2の合成信号を生成し、
前記第2の既知信号と、前記第2の合成信号との誤差を最小化する第2の振幅及び位相値を算出して該第2の振幅及び位相値を前記第2の振幅位相可変器に与える
ことを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法。 - 請求項1記載の移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法において、受信信号のレベルを所定の閾値と比較して、受信信号のレベルが前記閾値よりも大きい時に現れる信号成分を抽出し、抽出された信号成分に基づいて前記第1の振幅及び位相値及び第2の振幅及び位相値を算出することを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法。
- 受信装置及び送信装置を備える第1の送受信手段、並びに受 信装置及び送信装置を備える第2の送受信手段と、
前記第1の送受信手段及び第2の送受信手段に共通にもしくは個々に接続されるアンテナアレーと、
前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第1の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第1の振幅位相可変器と、
前記アンテナアレーを構成する複数の素子の各々の信号について前記第2の送受信手段が入出力する信号の振幅及び位相を変える第2の振幅位相可変器と、
所定の第1の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第1の既知信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の送受信手段の受信装置で受信され前記第1の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第1の合成信号を生成し、前記第1の既知信号と、前記第1の合成信号との誤差を最小化する第1の振幅及び位相値を算出して該第1の振幅及び位相値を前記第1の振幅位相可変器に与え、前記第1の基準方向に対して反対の第2の基準方向を中心として±90度の範囲内に限定された方向から到来する少なくとも1つの第2の既知信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の送受信手段の受信装置で受信され前記第2の振幅位相可変器を通った受信信号とを合成した第2の合成信号を生成し、前記第2の既知信号と、前記第2の合成信号との誤差を最小化する第2の振幅及び位相値を算出して該第2の振幅及び位相値を前記第2の振幅位相可変器に与える指向特性制御手段と
を設けたことを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナ装置。 - 請求項3記載の移動通信基地局用アレーアンテナ装置において、前記アンテナアレーを構成する素子の数を3とし、前記3つの素子を水平面に正三角形に配列し、前記3つの素子の間隔を0.40波長以上、0.50波長以下の範囲内に定めたことを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナ装置。
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