JP3597694B2 - 適応アンテナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は小規模な無線通信システムに用いるアンテナ装置に関し、特に、シャドーイングや、干渉に対する補償を容易に行うことが可能で、無線回線によりLANを構築する場合に好適な小型のアンテナ装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの普及にともない、オフィス内でもコンピュータが日常的に用いられている。これらのコンピュータは、一般に、オフィス内のデータやプリンタ等の周辺機器を共有することを目的として、各コンピュータ同士や、周辺装置を接続することにより局所的なネットワーク(Local Area Network:LAN)を構築して使用されることが多い。
【0003】
このようなLANの構築は、従来オフイス内のコンピュータを設置する場所にあらかじめ接続用のケーブルを配線して、各コンピュータにケーブルを接続することによって行っていた。しかしケーブルを用いると、コンピュータの位置を動かす場合、配線もやりなおす必要があり、またポータブルコンピュータのように常設位置のないコンピュータの場合、予め配線位置を決めておくことができないなどの問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、部屋の見通しのよい場所に基地局を設置し、各端末との間を無線で接続する無線LANが提案されている。無線LANを用いて速いデータを送る際には無線区間で生じる伝搬遅延をできるだけ小さくすることが必要である。このような伝搬遅延の低減は基地局アンテナまたは端末アンテナのビーム巾を狭くすることで実現可能である。
【0005】
これらのことは、例えば、文献「上原一浩,関智弘,鹿子嶋憲一,“幾何光学的手法による任意指向性アンテナに対する屋内伝搬特性解析,”信学論B−II, vol.J78−B−II,no.9,pp.593−601,1995年 9月.」等に開示されている。そして、現在商用化されている無線LAN装置では、基地局アンテナ及び端末アンテナにセクタアンテナを用いることによって、高速伝送を可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
無線LANにおける大きな課題の一つにシャドーイングによる伝送特性の劣化がある。これは例えば、基地局と端末の間を人が横切ると、送信側から受信側に直接到来する強い電波が遮られるため、受信レベルが低下して、そのため、伝送特性が大きく劣化するという問題である。
【0007】
このような、シャドーイング対策としては、アンテナを複数設置して送受信間の見通しを、いずれかのアンテナで確保する構成がのものが、文献「黒崎、中村、相河、“シャドーイングに対するダイバーシチ改善効果の一検討”1996年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集、B−479 」提案されている。
【0008】
図6に上述した従来のシャドーイング補償方法の一例を示す。同図において、符号601は端末局アンテナ、符号602は基地局アンテナA、符号603は基地局アンテナB、符号604は選択ダイバーシチ装置、符号605は遮蔽物を表わしている。
【0009】
同図に示すような構成とすることにより、基地局アンテナA602、及び基地局アンテナB603のいずれか一方でシャドーイングが生じた場合でも、他方のアンテナで見通しを確保できるから、アンテナの切り替えを選択ダイバーシチ装置604により行えば、シャドーイングによる伝送特性劣化の発生確率を低く保つことができる。
【0010】
しかし、従来のダイバーシチ方式を用いる方法では、アンテナ装置の大型化は避けられず、さらに、各アンテナが同時にシャドーイングする場合には、回線が切断されるという問題があった。そのため、アンテナを小形化して、かつ伝送特性を改善する方法として、複数のアンテナ素子をアレー状に配列して、各アンテナ素子の信号に対して振幅・位相を重み付けすることにより、適応的に指向性を可変する適応アンテナが提案されている。
【0011】
図7に従来の適応アンテナ装置の例を示す。同図において、符号701〜70Nはアンテナ装置、71は指向性パタン形成装置、72は復調器を示している。このようなアンテナは、例えば、文献「R.A.Mongingo,et.al.,Introduction to adaptive array,New York & Sons,1980 」に開示されている。このアンテナ装置を用いることにより、与えられた構成において信号対雑音比が最大の条件で信号を受信することが可能となる。
【0012】
そのため、規定の伝送品質を得るためのアンテナ素子数を最小にできるからアンテナを小形化することが可能となる。このような適応アンテナにおいては、各素子に重み付けする際の、重みを如何に早く決定するかということと、制御装置の簡略化が重要な課題となる。
【0013】
適応アンテナの制御を簡略化する構成の例として、重み付けする重みを計算する前に、まず複数の直交するビーム形成処理を行い、その生成したビームの出力のうち、受信レベルの高い出力だけを用いて重み付け処理を行う方法が提案されている。
【0014】
この方法は、例えば、「文献「田中、三浦、唐沢、“BSCMAアダプティブアレーの干渉波抑圧実験”電子情報通信学会技術研究報告、vol.95,No.535,pp.49−54,1996 」に開示されている。図8にその構成を示す。同図において、符号801〜80Nはアンテナ装置、81はマルチビーム形成装置、82はビーム選択装置、83は指向性パタン形成装置、84は復調器を表わしている。
【0015】
このような、図8に示す構成のものでは、直交ビーム形成は、FFT演算により行っており、また、重み付けは、受信レベルの大きい出力だけについて行っている。そのため、重み付けする信号の数が減るから、高速化と、ハードウエア規模の省力化が実現できる。
【0016】
しかし、従来の適応アンテナ装置を用いても、送受信アンテナ間が見通しの場合には、信号強度が最も高い送受信アンテナ間を直接往来する波を受信するように指向性を形成するため、シャドーイングが発生した際には受信レベルの劣化が著しく、伝送特性の劣化が大きくなり、最悪の場合、回線の接続が断たれるという問題があった。
【0017】
また、シャドーイング以外でも、通信中に他の端末局などからの干渉が新たに発生するなどによって、伝送品質は劣化する。本発明は、シャドーイングや干渉など通信中に生ずる急激な環境の変化に起因する著しい伝送品質の劣化による回線の途絶や、データの再送により生ずる伝送遅延などの課題をアンテナサイズを大型化することなく解決できるアンテナ装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上述の課題は、前記特許請求の範囲に記載した手段によって解決される。すなわち、請求項1の発明は、複数のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子の出力信号を入力信号とする第一の指向性パタン形成装置と、該第一の指向性パタン形成装置の出力を入力信号とする第一の復調器から構成される適応アンテナ装置において、
【0019】
上記複数のアンテナ素子の出力信号と上記第一の指向性パタン形成装置の出力信号を入力信号とし、上記第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンと直交する指向性を形成する直交指向性パタン形成装置と、 該直交指向性パタン形成装置に接続された第二の復調器と、
【0020】
上記第一の復調器の出力信号と、上記第二の復調器の出力信号とを入力として、これら2つの信号の内のいずれかを選択するか、あるいは2つの信号を合成して、適応アンテナ装置の出力を生成する合成装置を具備し、上記直交指向性パタン形成装置は、複数のアンテナ素子の出力信号をそれぞれ直交変換装置に入力して、第一の指向性パタン形成装置の出力信号と直交するように変換し、変換された各信号を、直交指向性パタン形成装置の出力での誤差が最小となるように合成する構成で直接波方向にヌル点を形成する適応アンテナ装置である。
【0022】
請求項の発明は、前記請求項記載の適応アンテナ装置において、直交指向性パタン形成装置が、第一の復調器の識別タイミングのクロックと、第二の復調器の識別タイミングのクロックとを用いて、第一の復調器の識別タイミング時に、前記複数のアンテナ素子の出力信号を前期第一の指向性パタン形成装置の出力信号と直交するように変換し、第二の復調器の識別タイミング時に、変換された各信号が上記直交指向性パタン形成装置の出力での誤差が最小となるように合成する手段を有するように構成したものである。
【0023】
請求項の発明は、複数のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子の出力信号を入力信号として複数の指向性パタンを形成し該各指向性パタンに対応する複数の信号を出力信号とするマルチビーム形成装置と、該マルチビーム形成装置の出力信号を入力信号とする第一の指向性パタン形成装置と、該第一の指向性パタン形成装置の出力を入力信号とする第一の復調器から構成される適応アンテナ装置において、
【0024】
上記マルチビーム形成装置の出力を入力信号とし、入力信号のうちレベルの高い信号を除いた信号を合成することにより直接波を受信しない指向性を形成する直交指向性パタン形成装置と、該直交指向性パタン形成装置に接続された第二の復調器と、上記第一の復調器の出力信号と、上記第二の復調器の出力信号とを入力として、これら2つの信号の内のいずれかを選択するか、あるいは2つの信号を合成して、適応アンテナ装置の出力を生成する合成装置を具備し、通信中に上記第一の指向性パタン形成装置の出力信号の通信品質が予め定めた閾値以下となった場合に、上記第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンを変化させないように制御する手段をさらに設けた適応アンテナ装置である。
【0025】
請求項4の発明は、前記請求項1又は2に記載の適応アンテナ装置において、通信中に、第一の指向性パタン形成装置の出力信号の通信品質が予め定めた閾値以下となった場合に、第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンを、変化させないように制御する手段を設けて構成したものである。
【0026】
本発明は複数のアンテナ素子で構成されるアレーの各素子の信号から、適応アンテナの指向性パタンを形成する第一の指向性パタン形成装置および第一の受信機(復調器)を有する構成に加えて、アンテナ素子からの信号を分岐して入力とする第二の指向性パタン形成装置、および第二の受信器(復調器)を有し、
第二の指向性パタン形成装置では、第一の指向性パタン形成装置で生成した指向性と直交する指向性を求め、第一の受信器の出力および第二の受信機の出力を切り替え、または合成する構成を有することを特徴としている。
【0027】
従来の技術とは、第二の指向性パタン形成装置および第二の受信機を有し、かつ第二の指向性パタン形成装置では第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性と直交する指向性を形成して、第一の受信器の信号と切り替え、または合成していることが異なる。
【0028】
シャドーイングは、直接波が遮断されることにより生じるので、直接波方向で大きな環境変動が生じる。一方、直接波の到来方向以外の方向では環境の変動が小さい。従って、直接波の方向に指向性を持たない(例えば直接波の方向にヌル点を有する)指向性パタンを作れば、シャドーイング発生前と発生後で伝送特性の変動を小さく抑えることが出来る。
【0029】
また、通信中に端末局と同一方向からの干渉波が基地局に到来し、伝送品質を劣化させる場合にも、直接波方向に指向性を持たないパタンを用いれば、干渉の影響が小さい。適応アンテナ装置を出力での2乗誤差が最小となるように動作させた場合、指向性の最大利得方向は端末局の方向と一致する。そこで、適応アンテナの指向性と直交する指向性を形成すれば、直接波の方向に指向性を持たない指向性パタンを形成出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態の第一の例を示す図であり、従来の適応アンテナ装置に、直交指向性パタン形成装置、第二の復調器、選択装置を付加した構成を示している。同図において、符号1011〜101Nは複数のアンテナ素子であり、例えば平面アレーアンテナ、あるいは円柱アレーアンテナ等を構成する。
【0031】
符号1021〜102Nは該アンテナ素子1011〜101Nに接続された第一の分岐手段である。分岐は、RF、=F、ベースバンド、或いはA/D変換後に行う。RFで分岐を行う際には3dBの劣化が生じるため、3dBの劣化が問題となるシステムではアンテナでの受信信号を増幅器で増幅した後、分岐する。
【0032】
符号103は第一の指向性パタン形成装置であり、例えば各入力信号に複素重みを課した後、合成することにより実現される。複素重みを課す方法としては、例えば、アンプと位相器の組み合わせを用いる方法、或いは各素子アンテナの受信波形をA/D変換した後ディジタル信号処理により演算する方法がある。
【0033】
各複素重みの値は、出力での包絡線が一定となるように制御するCMAアルゴリズムや出力信号の基準信号に対する誤差の2乗が最小となるように制御するLMSアルゴリズム、RLSアルゴリズム、SM=アルゴリズム、あるいは直接波の到来方向が既知である場合には、直接波方向のアンテナ利得を拘束して出力を最小化するDCMPアルゴリズムなどが用いられる。
【0034】
符号104は該第一の指向性パタン形成装置103の出力を入力信号yとし、2つの出力信号に分岐させる第二の分岐手段である。符号105は該第二の分岐手段104の一方に接続された第一の復調器である。符号106は直交指向性パタン形成装置であり、例えば以下のように動作させる。
【0035】
第一の分岐手段1021〜102Nから入力される各信号xl〜xNは、第二の分岐手段104からの入力信号yに複素重みW´1〜W´Nを課した値を減じられる。ここで、複素重みの値W´1〜W´Nは減算した結果が最も小さな値となるように、第一の分岐手段1021〜102Nから入力される各々の信号ごとに異なった値に決定する。
【0036】
減算された複数の信号のうちレベルの高いものを選択し、直交指向性パタン形成装置の出力とする。符号107は該直交指向性パタン形成装置に接続された第二の復調器である。符号108は合成装置である。該合成装置は、第一の復調器105の出力と、上記第二の復調器107の出力の2つの信号を入力とする。
【0037】
そして、2つの信号を,例えば選択、あるいは最大比合成、あるいは2乗誤差最小となる合成などの方法を用いて合成する。合成に際しては、各復調器で復調のタイミングが異なるため、タイミングの補正を行う。この構成を適用することにより、シャドーイングが発生した時に生ずる回線の瞬断、或いは伝送遅延をなくすことが可能になる。
【0038】
図2は、本発明の実施の形態の第2の例を示す図であり、直交指向性パタン形成装置106で、直接波方向にヌル点を形成するという条件のもとで最適な指向性パタンを形成する装置を示している。同図において、符号2011〜201Nは直交変換装置であり、第一の分岐手段1021〜102Nから人力される各信号xl〜xNは、第二の分岐手段104からの入力信号yに複素重みW´1〜W´Nを課した値を減じられ、出力となる。
【0039】
ここで、複素重みの値W´1〜W´Nは各直交変換装置2011〜201Nの出力が最も小さな値となるよう決定する。符号202は選択装置であり、該直交変換装置に接続され、N個の入力信号からM(<N)個の信号を選択する。選択は例えばレベル或いは伝送品質により行う。
【0040】
符号203は選択装置で選択されたM個の信号を合成する第二の指向性パタン形成装置であり、例えばM個入力信号に複素重みW1〜WMを課した後、合成することにより実現される。複素重みを課す方法としては、例えばアンプと位相器の組み合わせを用いる方法、或いは各入力信号をA/D変換した後ディジタル信号処理により演算する方法がある。
【0041】
各複素重みの値は、出力での包絡線が一定となるように制御するCMAアルゴリズムや出力信号の基準信号に対する誤差の2乗が最小となるように制御するLMSアルゴリズム、RLSアルゴリズム、SM=アルゴリズム、あるいは直接波の到来方向が既知である場合には、直接波方向のアンテナ利得を拘束して出力を最小化するDCMPアルゴリズムなどが用いられる。この構成を用いることで、直交パタン形成装置106では直接波方向にヌル点を持つとういう条件のもとで、最適な指向性が得られる。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態の第3の例を示す図である。この例は、マルチビーム形成装置301を具備し、フィードフォワードに直交指向性パタン形成装置106を動作させる構成を示している。同図において、符号301はマルチビーム形成装置であり、複数のアンテナ素子1011〜10INの出力を入力信号とし、入力信号にFFTをかけることで、N本の直交ビームを形成する。
【0043】
符号302はビーム選択装置であり、直交指向性パタン形成装置の内部に構成され、、第一の分岐手段1021〜102Nからの入力信号の内、レベルの高い入力信号が直接波方向のビームに相当すると判断し、その入力信号を除いたM個の信号を出力する。出力された信号は第二の指向性パタン形成装置203に入力される。この構成を用いることにより、第二の分岐手段104からの入力信号無しに直接波を受信しない指向性パタンを形成することが出来る。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態の第4の例を示す図である。この例は、アンテナの素子数を遙かにこえる数の、遅延波が存在する環境へ適用する場合の構成である。符号401は第一の復調器における識別時刻を再生する第一の識別タイミング再生回路である。符号402は第二の復調器における識別時刻を再生する第二の識別タイミング再生回路である。
【0045】
屋内の無線通信システムのような環境では、アンテナの素子数を遙かにこえる遅延波が存在する。遅延波の数がアンテナの素子数以上になると、識別時刻以外では第一の指向性パタン形成装置103の出力に、遅延波の成分が表れる。この時、全ての時刻で第一の指向性パタン形成装置103からの入力信号yと直交するように素子アンテナからの入力信号xl〜xNを変換させることはできない。
【0046】
ところが実際には、直交変換装置2011〜201Nで直接波成分を除去すれば、直交パタン形成装置106では直接波の到来方向のアンテナ利得を低下させる指向性パタンを形成出来る。そこで、第一の指向性パタン形成装置103の出力yが直接波成分のみとなる第一の復調器105の識別時刻のタイミングにおいて、直交変換装置2011〜201Nで直接波成分を除去するように適応アンテナ装置を構成すればよい。
【0047】
直交変換装置2011〜201Nにおける第一の指向性パタン形成装置からの入力信号に課す複素重みW´1〜W´Nを、第一の復調器の識別時刻のタイミングにおいて、直交変換装置2011〜201Nの出力が最小となるように決定する。この構成を用いることにより、遅延波がアンテナ素子数を上回る環境においても、直接波方向のアンテナ利得を低下させた指向性パタンを直交パタン形成回路において実現することが可能になる。
【0048】
図5は、本発明の実施の形態の第5の例の制御を示す流れ図であり、シャドーイング発生後に再び見通しが回復した場合に回線の瞬断、あるいは伝送遅延が発生しないように制御する方法を示している。図中の各セクションで用いる符号103、106、および以下の説明で用いる符号105は、図1〜図4に対応している。同図において、まず通信開始前に直接波を受信する場合の最適な指向性パタンが形成されるように、第一の指向性パタン形成装置103を動作させる。
【0049】
第一の指向性パタンが収束した後で、直交指向性パタン形成装置106を動作させ最適な指向性パタンが形成されたら通信を開始する。通信開始後、端末局が移動するシステムでは例えば、以下のように制御することで、第一の指向性パタンのピーク方向を端末局方向と一致させる。第一の復調器105の内部で再生されるクロックタイミングは固定し、この夕イミングに同期して第一の指向性パタンの更新を行うことにより、第一の指向性パタンのピーク方向が直接波方向、すなわち端末局方向と一致する。
【0050】
通信中に第一の復調器105の伝送品質が劣化した場合には、シャドーイング状態になったと判断し、第一の指向性パタンを更新することなく固定とする。第一の復調器105の伝送品質が回復した後、再び第一の指向性パタンの更新を行う。シャドーイング発生時に、第一の指向性パタンを更新すると、見通し回復時には伝送品質が劣化する。そこで、この方法を用いることにより、見通し回復時の伝送特性の劣化を抑えることが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シャドーイングや、新たに発生した干渉などの、通信中に生じた急激な通信環境の変化に起因する著しい伝送品質の劣化による回線の瞬断や、データの再送により生ずる伝送遅延などの発生を防止することのできるアンテナ装置を、アンテナサイズの大型化を招くことなく容易に実現することができる利点がある。
【0052】
図9に本発明を用いた場合と、従来の適応アンテナ装置を用いた場合とのシャドーイング発生時の、出力SINRの累積確率を示す。従来の適応アンテナ装置では、出力SINRが10dB以下に落ち込む場所が50%であるのに対し、本発明を用いた場合には20%以下にまで抑えており、伝送遅延を生じさせずに、通信を行うことが可能になることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の第2の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の第3の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の第4の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の第5の例の制御を示す流れ図である。
【図6】従来のシャドーイング補償方法の例を示す図である。
【図7】従来の適応アンテナ装置の例を示す図である。
【図8】従来のマルチビーム形成装置を用いた適応アンテナ装置の例を示す図である。
【図9】シャドーイング発生時の出力SINRの累積確率の比較を示す図である。
【符号の説明】
1011〜101N アンテナ素子
1021〜102N 第一の分岐手段
103 第一の指向性パタン形成装置
104 第二の分岐手段
105 第一の復調器
106 直交指向性パタン形成装置
107 第二の復調器
108 合成装置
2011〜201N 直交変換装置
202 選択装置
203 第二の指向性パタン形成装置
301 マルチビーム形成装置
302 ビーム選択装置
401 第一の識別タイミング再生装置
402 第二の識別タイミング再生装置
601 端末局アンテナ
602 基地局アンテナA
603 基地局アンテナB
604 選択ダイバーシチ装置
605 遮蔽物
7011〜701N アンテナ装置
71 指向性パタン形成装置
72 復調器
8011〜801N アンテナ装置
81 マルチビーム形成装置
82 ビーム選択装置
83 指向性パタン形成装置
84 復調器

Claims (4)

  1. 複数のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子の出力信号を入力信号とする第一の指向性パタン形成装置と、該第一の指向性パタン形成装置の出力を入力信号とする第一の復調器から構成される適応アンテナ装置において、 上記複数のアンテナ素子の出力信号と上記第一の指向性パタン形成装置の出力信号を入力信号とし、上記第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンと直交する指向性を形成する直交指向性パタン形成装置と、
    該直交指向性パタン形成装置に接続された第二の復調器と、
    上記第一の復調器の出力信号と、上記第二の復調器の出力信号とを入力として、これら2つの信号の内のいずれかを選択するか、あるいは2つの信号を合成して、適応アンテナ装置の出力を生成する合成装置を具備し、
    上記直交指向性パタン形成装置は、複数のアンテナ素子の出力信号をそれぞれ直交変換装置に入力して、第一の指向性パタン形成装置の出力信号と直交するように変換し、変換された各信号を、直交指向性パタン形成装置の出力での誤差が最小となるように合成する構成で直接波方向にヌル点を形成するものであることを特徴とする適応アンテナ装置。
  2. 直交指向性パタン形成装置は、第一の復調器の識別タイミングのクロックと、第二の復調器の識別タイミングのクロックとを用いて、第一の復調器の識別タイミング時に、前記複数のアンテナ素子の出力信号を前期第一の指向性パタン形成装置の出力信号と直交するように変換し、第二の復調器の識別タイミング時に、変換された各信号が上記直交指向性パタン形成装置の出力での誤差が最小となるように合成する手段を有する請求項記載の適応アンテナ装置。
  3. 複数のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子の出力信号を入力信号として複数の指向性パタンを形成し該各指向性パタンに対応する複数の信号を出力信号とするマルチビーム形成装置と、該マルチビーム形成装置の出力信号を入力信号とする第一の指向性パタン形成装置と、該第一の指向性パタン形成装置の出力を入力信号とする第一の復調器から構成される適応アンテナ装置において、
    上記マルチビーム形成装置の出力を入力信号とし、入力信号のうちレベルの高い信号を除いた信号を合成することにより直接波を受信しない指向性を形成する直交指向性パタン形成装置と、
    該直交指向性パタン形成装置に接続された第二の復調器と、
    上記第一の復調器の出力信号と、上記第二の復調器の出力信号とを入力として、これら2つの信号の内のいずれかを選択するか、あるいは2つの信号を合成して、適応アンテナ装置の出力を生成する合成装置を具備し、
    通信中に上記第一の指向性パタン形成装置の出力信号の通信品質が予め定めた閾値以下となった場合に、上記第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンを変化させないように制御する手段をさらに設けたことを特徴とする適応アンテナ装置。
  4. 通信中に第一の指向性パタン形成装置の出力信号の通信品質が予め定めた閾値以下となった場合に、第一の指向性パタン形成装置で形成される指向性パタンを変化させないように制御する手段を設けた請求項1又は2に記載の適応アンテナ装置。
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