JP4767880B2 - 通信装置とその通信方法 - Google Patents

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本発明は、複数システムを同一周波数で運用する無線通信システムに係り、優先権を持たない新規システム(Secondaryシステム)が、優先権を持つ従来システム(Primaryシステム)から干渉を除去しながら、Secondaryシステム間の通信劣化を補償する通信装置とその通信方法に関する。
近年、携帯電話や、無線LANなどの普及により、限られた周波数帯域において、できるだけ高速な伝送を行うための技術が検討されている。限られた帯域において高速伝送を実現する手段としては、近年、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が注目を集めている。MIMOとは、送信側と受信側とに、それぞれアレーアンテナを用い、送信側においては、アンテナ毎に異なるデータを送信し、受信側においては、何らかの干渉除去技術・復号技術により、異なる信号を復元することで、単一アンテナ同士の送受信に比べ、同一周波数で著しく伝送速度を向上する技術である。既に、無線LANシステムなどにおいて導入されている。
しかしながら、MIMO技術においては、送受信のアンテナ数が高速伝送のキーとなる。したがって、非常に高い周波数利用効率を実現するためには、かなりのアンテナ素子数を必要とする。小型の端末を考えた場合、アンテナ素子数の増加は、ハードウエア規模の向上になるため、望ましくない。
このMIMO技術とは別の方法で、周波数の有効利用を図る手段として、コグニティブ(Cognitive)無線技術が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。該コグニティブ無線技術とは、無線機が周囲の電波環境を認識し、適切な周波数帯域を選択して利用することにより、空いている周波数帯域を有効に活用する技術である。コグニティブ無線により、通常注目されていなかった周波数や、時間を有効に活用できるため、単位面積あたりの周波数を大幅に向上させることができる。
図13は、コグニティブ無線技術の概要を説明するための概念図である。図13において、1−1、1−2は、2つの優先システム(Primaryシステム)であり、2−1〜2−6は、複数のコグニティブシステム(Secondaryシステム)である。また、3は、Primaryシステムの通信可能領域である。4−1、4−2は、各々、Primaryシステム1−1、1−2のアンテナの指向性である。
コグニティブ無線では、元々、ある通信帯域を使用するPrimaryシステム1−1、1−2と、該Primaryシステム1−1、1−2が使用していない周波数、時間などを監視して、この情報を基に通信を行うSecondaryシステム2−1〜2−6とが存在する。基本的には、Primaryシステム1−1、1−2は、優先的に与えられた通信帯域を使用することが可能であり、Secondaryシステム2−1〜2−6は、自分自身の通信によって、Primaryシステム1−1、1−2に干渉を与えることにより、Primaryシステム1−1、1−2の効率を低下させることがあってはならない。また、通常、Primaryシステム1−1、1−2は、Secondaryシステム2−1〜2−6の存在を認識することはできない。
S. Haykin, “Cognitive radio: Brain-empowered wireless communications”, vol.23, no.2, pp.201-220, Feb. 2005.
上述した環境において、基本的には、Primaryシステム1−1、1−2からの干渉波を除去するとともに、Primaryシステム1−1、1−2へ干渉を与えなければ問題なく、コグニティブ無線を実現することができる。
図14は、Primaryシステムの干渉を回避、もしくはPrimaryシステムへの与干渉を防ぐための、アレーアンテナによる干渉除去を説明するための概念図である。図において、送信局5、6及び受信局7は、例えば、図13に示すPrimaryシステム1−1、1−2などのPrimaryシステムである。また、Secondaryシステム8は、複数のノードを含む。ここで、送信局5、6からSecondaryシステム8に対する干渉波を回避することを考える。Primaryシステム5、6からの干渉を回避する手段としては、アレーアンテナを用いたアダプティブアレーが知られている。
図15は、アダプティブアレーの基本構成を示すブロック図である。図15において、送信局10は、例えば、図14に示す送信局5、6に相当し、干渉源11は、例えば、送信局6に相当し、受信局12は、図14に示すSecondaryシステム8に含まれるいずれかのノードに相当する。図15に示すように、アダプティブアレーでは、制御回路16による制御の下、複数本のアンテナ13−1〜13−Nに入力される信号に、重み付け器14−1〜14−Nにより、適切な重み付け値(ウエイト)を乗算し、加算器15で合成することで、干渉波を除去する技術である。この重み付けの設定方法については、様々な方法が提案されており、詳しくは、文献1(菊間、アレーアンテナによる適応信号処理、科学技術出版社、1998)などに開示されている。このアダプティブアレーは、受信時に用いれば、他システムからの干渉波を除去可能であるとともに、送信時に用いれば、他システムへの干渉を回避することができる。
しかしながら、アダプティブアレーを用いても、以下の問題が生じる。図16と図17を参照して、この問題点について説明する。図16は、問題点を示すために、Primaryシステムの干渉が存在する環境を想定して計算したSecondaryシステムの通信品質を測定するための概念図である。図17は、その結果の一例を示す概念図である。図16では、簡単化のために、1局のPrimaryシステムからの干渉を考えている。また、Secondaryシステムは、3つの送受信局(ノード#1〜#3)を持ち、これらがそれぞれ通信を行うことを考えている。
図14に示すように、Secondaryシステム8の各ノードが干渉波を除去できれば、Secondaryシステム8は、Primaryシステム5、6と同一の周波数を用いて通信することができる。Secondaryシステム8は、2素子のアレーアンテナを用いるものとした。この計算では、干渉波のチャネル応答をSecondaryシステム8の各ノード#1〜#3が推定し、ゼロフォーシング規範に基づいて干渉波を除去するウエイトを求めた。
図17には、各ノード#1〜#3が形成する干渉除去のためのアレーアンテナの指向性とノード間の通信におけるチャネル容量Rを示している。チャネル容量Rは、R=log(1+CINR)の関係から求めた。ここで、CINR(通信品質:Carrier-to-Interference plus Noise Ratio)は、所望波電力と干渉波+雑音電力との比を表す。この値が高いほど、良好な通信品質であることを示す。この事実は、例えば、前述した文献1などに開示されている。図17に示すように、干渉波に形成したヌルと鏡像となるグレーティングヌルの方向に、通信相手のノードが位置する場合(図17では、ノード#1が送信、ノード#3が受信となる通信)において特性が大きく劣化する。図17に示すFijは、受信ノード#iと送信ノード#jとの間のアレーアンテナの応答を表している。ノード#1からノード#3への通信では大きく、このレスポンスが小さくなっている。よって、このグレーティングヌルがSecondaryシステムの特性劣化に悪影響を与えていることが確認できる。
この問題を解決することが必要となるが、2素子に限らず、直線上に配置されるリニアアレーを用いた場合には、干渉波にヌルを形成すると、アレーアンテナを介して、その反対側には、必ずヌルが形成される。これを回避するためには、円形アレーや、矩形アレーを用いることが提案されている。しかしながら、全体の開口がリニアアレーに比べ、結局小さくなるために、できるだけ少ない素子で干渉除去能力を向上させるためには、リニアアレーが基本的には有効である。したがって、リニアアレーを用いて、グレーティングによるSecondaryシステムの通信品質の劣化を補償する技術が必要となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができる通信装置及び通信方法を提供することにある。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、それぞれ2つ以上のアンテナ素子を複数の異なる軸上に直線状に配置し、それぞれ異なる方向にグレーティングヌルを形成する複数のアレーアンテナと、前記複数のアレーアンテナのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたアレーアンテナを構成するアンテナ素子がそれぞれ接続される複数の送受信機と、前記送受信機に接続され、受信信号の情報から干渉信号をゼロにするように、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子に対する重み付け値を算出する重み付け計算手段と、前記重み付け計算手段で算出された重み付け値と前記送受信機により受信された受信信号とを乗算し、該重み付けされた受信信号を合成する重み付け手段と、前記重み付け手段により合成された出力に基づいて通信品質を判定し、通信品質の良好なアレーアンテナを選択するように、前記選択手段の選択動作を制御する通信品質判定手段とを具備することを特徴とする通信装置である。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、2つのアンテナ素子を直線状に配置した第1のアレーアンテナと、前記2つのアンテナ素子の1つのアンテナ素子を共有し、かつ、前記第1のアレーアンテナと略90度異なる方向に、直線状に配置される2つのアンテナ素子からなる第2のアレーアンテナとからなり、前記選択手段は、前記第1のアレーアンテナと前記第2のアレーアンテナとで共有されていない2つのアンテナ素子うち、いずれか一方のアンテナ素子を選択することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、前記正三角形の各頂点に配置された2つのアンテナ素子の組み合わせからなる、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、前記選択手段は、前記正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか2つのアンテナ素子を選択することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、正三角形の頂点にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及び正三角形の中心に配置されたアンテナ素子のうち、前記正三角形の中心に配置されたアンテナ素子と、前記正三角形の各頂点に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略120度の角度を成した、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、前記選択手段は、前記正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、略90度の角度を成したx軸、y軸、z軸上にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及びx軸、y軸、z軸の原点位置に配置されたアンテナ素子のうち、前記原点位置に配置されたアンテナ素子と、前記x軸、y軸、z軸上に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略90度の角度を成した、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、前記選択手段は、前記x軸、y軸、z軸上に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、送信局と受信局との間で通信を行う通信方法であって、それぞれ2つ以上のアンテナ素子を複数の異なる軸上に直線状に配置し、それぞれ異なる方向にグレーティングヌルを形成する複数のアレーアンテナ毎に、各アンテナ素子で受信された受信信号から伝搬チャネル及び受信電力を測定するステップと、前記伝搬チャネルから干渉除去を行うための、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子に対する重み付け値を算出するステップと、前記受信信号と前記重み付け値とを乗算し、複数のアレーアンテナ毎に合成するステップと、前記複数のアレーアンテナ毎に合成された信号に基づいて、通信品質の良好なアレーアンテナを特定するステップと、前記特定されたアレーアンテナを通信に用いるアレーアンテナとして選択するステップとを含むことを特徴とする通信方法である。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、2つのアンテナ素子を直線状に配置した第1のアレーアンテナと、前記2つのアンテナ素子の1つのアンテナ素子を共有し、かつ、前記第1のアレーアンテナと略90度異なる方向に、直線状に配置される2つのアンテナ素子からなる第2のアレーアンテナとからなることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、前記正三角形の各頂点に配置された2つのアンテナ素子の組み合わせからなる、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、正三角形の頂点にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及び正三角形の中心に配置されたアンテナ素子のうち、前記正三角形の中心に配置されたアンテナ素子と、前記正三角形の各頂点に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略120度の角度を成した、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数のアレーアンテナは、略90度の角度を成したx軸、y軸、z軸上にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及びx軸、y軸、z軸の原点位置に配置されたアンテナ素子のうち、前記原点位置に配置されたアンテナ素子と、前記x軸、y軸、z軸上に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略90度の角度を成した、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記一連のステップを手順Aとし、該手順Aを受信局で行い、前記選択されたアレーアンテナによる最大の通信品質が所定のしきい値以下である場合には、前記送信局と前記受信局との間に配置された中継局で、前記送信局との間で前記手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定する第1のステップと、前記受信局で、前記中継局との間で前記手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定する第2のステップと、前記第1のステップと前記第2のステップとで得られたアレーアンテナを用いて、前記送信局から前記中継局、前記中継局から前記受信局に対して通信を行うステップとを含むことを特徴とする。
この発明によれば、異なる軸上に直線状に配置されるN本のアンテナ素子を有するM個(M≧2)のアレーアンテナ群のうち、通信に用いるアレーアンテナを選択する際に、アレーアンテナ群から得られるそれぞれの受信信号の情報に基づいて、アレーアンテナ群の各々に対し、干渉波を除去するための重み付け値を算出し、アレーアンテナ群から得られる通信品質に基づいて、M個のアレーアンテナ群のうち、どのアレーアンテナを選択するかを決定する。したがって、複数の異なる軸上に、複数のリニアアレーを配置し、異なる軸に配置されるアレーアンテナが同じ方向に干渉除去を形成したとしても、異なる方向にグレーティングヌルが形成されることを利用し、Secondaryシステムのノード間の通信品質を確認しながら、これらのアンテナを選択することで、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができるという利点が得られる。
また、この発明によれば、少なくとも2つ以上のアンテナ素子からなる複数のアレーアンテナのいずれかを選択する際に、各アレーアンテナの受信信号の情報から干渉信号をゼロにするように重み付け値を算出し、該重み付け値と受信信号とを乗算し、該重み付けされた受信信号を合成し、該合成された出力に基づいて通信品質を判定し、通信品質の良好なアンテナ素子を選択する。したがって、複数の異なる軸上に、複数のリニアアレーを配置し、異なる軸に配置されるアレーアンテナが同じ方向に干渉除去を形成したとしても、異なる方向にグレーティングヌルが形成されることを利用し、Secondaryシステムのノード間の通信品質を確認しながら、これらのアンテナを選択することで、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数のアレーアンテナを、2つのアンテナ素子を直線状に配置した第1のアレーアンテナと、2つのアンテナ素子の1つのアンテナ素子を共有し、かつ、第1のアレーアンテナと略90度異なる方向に、直線状に配置される2つのアンテナ素子からなる第2のアレーアンテナとし、第1のアレーアンテナと第2のアレーアンテナとで共有されていない2つのアンテナ素子うち、いずれか一方のアンテナ素子を選択することで、アレーアンテナを切り替える。したがって、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数のアレーアンテナを、正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、正三角形の各頂点に配置された2つのアンテナ素子の組み合わせからなる、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとし、正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか2つのアンテナ素子を選択することで、アレーアンテナを切り替える。したがって、選択可能なアンテナの組み合わせが多くすることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数のアレーアンテナを、正三角形の頂点にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及び正三角形の中心に配置されたアンテナ素子のうち、正三角形の中心に配置されたアンテナ素子と、正三角形の各頂点に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなる、それぞれが略120度の角度を成した、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとし、正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することで、アレーアンテナを切り替える。したがって、より簡易に実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数のアレーアンテナを、略90度の角度を成したx軸、y軸、z軸上にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及びx軸、y軸、z軸の原点位置に配置されたアンテナ素子のうち、原点位置に配置されたアンテナ素子と、x軸、y軸、z軸上に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなる、それぞれが略90度の角度を成した、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとし、x軸、y軸、z軸上に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することで、アレーアンテナを切り替える。したがって、3次元平面でグレーティングヌルの影響を抑えることができるという利点が得られる。
また、この発明によれば、少なくとも2つ以上のアンテナ素子からなる複数のアレーアンテナ毎に、各アンテナ素子で受信された受信信号から伝搬チャネル及び受信電力を測定し、伝搬チャネルから干渉除去を行うための重み付け値を算出し、受信信号と重み付け値とを乗算し、複数のアレーアンテナ毎に合成し、複数のアレーアンテナ毎に、合成された信号に基づいて、通信品質の良好なアレーアンテナを特定し、特定されたアレーアンテナを通信に用いるアレーアンテナとして選択する。したがって、複数の異なる軸上に、複数のリニアアレーを配置し、異なる軸に配置されるアレーアンテナが同じ方向に干渉除去を形成したとしても、異なる方向にグレーティングヌルが形成されることを利用し、Secondaryシステムのノード間の通信品質を確認しながら、これらのアンテナを選択することで、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、一連のステップを手順Aとし、該手順Aを受信局で行い、選択されたアレーアンテナによる最大の通信品質が所定のしきい値以下である場合には、送信局と受信局との間に配置された中継局で、送信局との間で手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定するとともに、受信局で、中継局との間で手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定し、第1のステップと第2のステップとで得られたアレーアンテナを用いて、送信局から中継局、中継局から受信局に対して通信を行う。したがって、より確実に干渉波によるヌルの影響を除去することができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
A.基本原理
図1は、本発明の基本概念を説明するためのブロック図である。図1において、複数のアレーアンテナ20−1、20−a、20−b、20−c、20−d、…は、異なる軸上に配置される。この異なる軸とは、例えば、簡単な例としては、x軸、y軸、z軸を意味する。例えば、z=0のx−y平面上で異なる軸を想定してもよい。アレーアンテナ自体は、直線配置である。また、図示の例では、アレーアンテナ20−1、20−a、20−b、20−c、20−d、…の素子数を、Nとしている。
まず、アレーアンテナ選択部21で、軸−1に配置されるアレーアンテナ20−1を選択し、ウエイト計算部23において干渉波のチャネル応答を推定し、干渉除去の重み付け値(ウエイト)を生成する。同様に、軸−a、軸−b、軸−c、…におけるアレーアンテナ20−a、20−b、20−c、20−d、…用の干渉除去のウエイトを生成する。その後、Secondaryシステムとの通信を行う際に、図1に示す通信品質判定部24で、最もCINRが高くなるアレーアンテナ20−i(i=1〜最大数)を選択する。
ここで、各アレーアンテナ20−1、20−a、20−b、20−c、20−d、…が形成する指向性は、常に、他システムからの干渉がゼロになるように決定される。しかしながら、各アレーアンテナ20−1、20−a、20−b、20−c、20−d、…により形成されるグレーティングヌルは、それらのアンテナ配置の軸の違いにより異なる。
一例として、図2に示すように、xy平面に120度間隔で配置した2本のアレーアンテナが、45度方向から到来する干渉波にヌルを形成した場合の指向性について説明する。図3は、上記図2に示す状況における、アレーアンテナの指向性を示す概念図である。図3から明らかなように、軸−1〜軸−3のグレーティングヌルが異なるため、通信品質判定部24で最もCINRが高くなるアンテナ20−iを選択できれば、通信品質を改善することができる。ここで、判定されたアレーアンテナ20−iをアレーアンテナ選択部21で選択して通信を行う。このように、本発明により、前述した問題点を解決することができる。
B.第1実施形態
次に、図4は、本発明の第1実施形態によるPrimaryシステムにおける通信装置の構成を示すブロック図である。図4において、アンテナ素子#1と#2とにより、1つのアレーアンテナ30−1が構成され、アンテナ素子#1と#3とにより、1つのアレーアンテナ30−2が構成されている。アレーアンテナ30−1は、x軸上に配置され、アレーアンテナ30−2は、y軸上に配置されている。但し、x軸上とy軸上に必ずしもアンテナが配置されている必要はなく、これらのアレーアンテナ30−1と30−2とが90度異なった位置に配置されていることが特徴である。
アンテナ素子#1は、受信機32−1に直接接続されている。また、アンテナ素子#2及びアンテナ素子#3は、2分岐スイッチ31の入力端に接続されている。2分岐スイッチ31は、後述する通信品質判定部36の制御により、アンテナ素子#2またはアンテナ素子#3を切り替え、いずれか一方で受信される受信信号を受信機32−2に供給する。伝達関数推定及びウエイト計算部33は、受信機32−1及び32−2から供給される受信信号の情報を元に、伝達関数を推定するとともに、アレーアンテナ30−1、30−2のそれぞれに対し、干渉波を除去するための重み付け値(ウエイト)を計算する。
ウエイト乗算及び加算部34は、各重み付け値と各受信信号とを乗算し、それぞれを加算して合成し、アレー出力信号を求める。メモリ35は、合成されたアレー出力信号を保持する。通信品質判定部36は、通信品質(CINR)が良好となるアレーアンテナを選択し、該選択したアレーアンテナが選択されるように、2分岐スイッチ31の切り替え動作を制御する。
図5は、本第1実施形態によるアレーアンテナによる干渉除去パターンの一例を示す概念図である。図5から分かるように、アレーアンテナ30−1、30−2の位置が90度異なっていれば、グレーティングヌルの方向が大きく異なることが分かる。これは、図1のアンテナパターンを見ても明らかである。また、この例では、アンテナ素子#1は、両者のアレーアンテナ30−1、30−2とで共通としている。こうすることで、アンテナの切り替えは、実質的に、アンテナ素子#2とアンテナ素子#3とだけでよい。このような2分岐スイッチ31は、市販でかなり商用化されているので、実現化が容易である。よって、図4に示す構成は、非常に簡易なハードウエア構成で実現できるという利点を持つ。以下、本第1実施形態の動作について説明する。
図6は、本第1実施形態による通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下の処理で、x軸上(#1と#2)とy軸上(#1と#3)の間でそれぞれ干渉除去するためのウエイトを計算する。まず、図4において、アレーアンテナ数N=2とし(ステップS1)、2分岐スイッチ31をアンテナ素子#2側に切り替え(ステップS2)、伝達関数推定及びウエイト計算部33で、アンテナ素子#1とアンテナ素子#2に入力される受信信号及び干渉波の伝搬チャネル情報(伝搬チャネル及び受信電力)を測定する(ステップS3)。
次に、伝達関数推定及びウエイト計算部33で、測定した伝搬チャネル情報により、例えば,アダプティブアレーのアルゴリズムとして知られているゼロフォーシングアルゴリズムや、MMSEアルゴリズムなどを用いて、干渉波にヌルを形成するウエイトを計算する(ステップS4)。その後、ウエイト乗算及び加算部34で、受信信号とウエイトとを乗算し、それらを合成し、アンテナ素子#1とアンテナ素子#2と(アレーアンテナ30−1)から得られるアレー出力信号を求め、これをメモリに格納する(ステップS5)。
次に、N=3であるか否かを判定し(ステップS6)、N=3でない場合には、Nを1つインクリメントし(ステップS7)、ステップS2に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、同様に、2分岐スイッチ31をアンテナ素子#3側に切り替え、アンテナ素子#1とアンテナ素子#3と(アレーアンテナ30−2)の干渉除去を行うアレー出力信号を求め、これをメモリに格納する。
そして、N=3になると、通信品質判定部36で、アンテナ素子#1とアンテナ素子#2と(アレーアンテナ30−1)から得られるアレー出力信号と、アンテナ素子#1とアンテナ素子#3とから得られるアレー出力信号と(アレーアンテナ30−2)から、通信品質(CINR)が良好となるアレーアンテナを選択する。すなわち、選択したアンテナ素子#2もしくは#3のいずれか一方を2分岐スイッチ31で選択し(ステップS8)、通信を開始する(ステップS9)。
上述した第1実施形態によれば、複数の異なる軸上に、複数のリニアアレーを配置し、異なる軸に配置されるアレーアンテナが同じ方向に干渉除去を形成したとしても、異なる方向にグレーティングヌルが形成されることを利用し、Secondaryシステムのノード間の通信品質を確認しながら、これらのアンテナを選択することで、より容易な方法で、かつ、より簡易なハードウエアで、通信品質を改善することができる。
B−1.第1の変形例
図7は、本第1の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図において、アンテナ素子#1、#2、#3は、三角形の頂点に位置するように配置されている。3入力2出力のスイッチ31aは、3種類のアレーアンテナ(#1、#2)、(#2、#3)、(#3、#1)として、アンテナ素子#1、#2、#3を選択できるようになっている。この場合、3入力2出力のスイッチ31aは、図4に示す場合よりも複雑となるが、代わりに選択できるアンテナの組み合わせが多くなるという利点がある。
B−2.第2の変形例
図8は、本第2の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図において、アンテナ素子#2、#3、#4は、正三角形の頂点に位置するように配置され、その中心に、アンテナ素子#1が位置するように配置されている。3入力1出力のスイッチ31bは、3種類のアレーアンテナ(#1、#2)(#1、#3)(#1、#4)として、アンテナ素子#2、#3、#4を選択できるようになっている。
このような構成とすることで、アンテナ素子数は図4、図7に示す構成よりも多いが、端末のような小規模なアンテナの場合、アンテナ素子のみだけだと、設置スペースや、ハードウエアなどの負担も少なく、3入力1出力のスイッチ31bを、図7に示す3入力2出力のスイッチ31aよりも簡易に実現できるという利点がある。
B−3.第3の変形例
図9は、本第3の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図において、アンテナ素子#1は、x、y、z軸の原点に位置するように配置され、アンテナ素子#2、#3、#4は、それぞれ、x、y、z軸上に位置するように配置されている。すなわち、前述した第1乃至第3実施形態では、平面にアンテナ素子を配置していたが、本第4実施形態では、x,y,z面にそれぞれアレーアンテナを配置する。この場合、3次元平面でグレーティングヌルの影響を抑えることができるという利点がある。
C.第2実施形態
次に、本発明による第2実施形態について説明する。
前述した第1実施形態または第1乃至第3の変形例では、アンテナ素子の切り替えのみにより、グレーティングヌルの影響を抑えていた。しかしながら、前述した第1実施形態または第1乃至第3の変形例では、各アレーアンテナは、図4、図7、図8もしくは図9に示すように、干渉波方向に同じ方向にヌルを形成する。したがって、所望波方向と干渉方向とが完全に一致する場合には、やはり特性が劣化する可能性がある。そこで、この問題を解決するために、以下で説明する第2実施形態では、リレー(中継)技術を前述した第1実施形態に併用することを特徴とする。
図10は、リレー(中継)通信の原理を説明するための概念図である。リレー(中継)とは、例えば、センサーネットワークのような、多くの通信端末が配置されている環境において、あるノード間(送信局40と受信局41との間)の通信品質が悪化した際に、他のノード(中継局42)を中継ノードとして用いることで、通信品質を改善する方法である。基本的には、通信品質が悪くない場合、もしくは第1実施形態のみで十分に特性が得られる場合には、このようなリレー(中継)を用いると、スループットが低下するが、ここでの問題においては、干渉波のヌルを形成した方向への通信を回避するために有効である。
図11は、本第2実施形態による通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。図11に示すように、ステップS1〜S8(ここでは、フローAと呼ぶ)は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。フローAの処理の後、通信品質(CINR)が所定のしきい値αを満たすか否かを判定する(ステップS10)。該しきい値αは、システムに依存し、システム毎で設定される値を有する。
そして、該通信品質(CINR)がしきい値を満たさない場合には、所望波方向と干渉方向とが完全に一致すると判断し、リレー(中継)を行う。すなわち、送信局40と中継局42との間でフローAを実行し(ステップS11)、所望波方向と干渉方向が完全に一致するCINRが最も高くなるアンテナパターンを選択し(フローA)、さらに、中継局42と受信局41との間でフローAを実行し(ステップS12)、CINRが最も高くなるアンテナパターンを選択する(フローA)。そして、送信局40と受信局42との間で、中継局42を介して通信を開始する(ステップS13)。
上述した第2実施形態によれば、より確実に干渉波によるヌルの影響を除去することが可能となる。
次に、第2実施形態の方法を用いた場合の本発明の効果について説明する。
図12は、前述した図16に示す環境を用いた場合のチャネル容量の累積確率を示す概念図である。図12に示すように、本発明(第2実施形態)によれば、通常の方法よりも実現可能な通信容量を10bits/s/Hz程度改善することが確認できる。さらには、Secondaryシステムだけが通信を行う場合よりも、アレーアンテナゲインの効果により、通信容量を3〜5bits/s/Hz程度改善していることが確認できる。このように、本発明を用いることで,他システムからのグレーティングヌルもしくはヌルの影響によるsecondaryシステムの通信品質の劣化を低減することができる。
本発明の基本概念を説明するためのブロック図である。 干渉波にヌルを形成した場合の指向性を説明するための概念図である。 アレーアンテナの指向性を示す概念図である。 本発明の第1実施形態によるPrimaryシステムにおける通信装置の構成を示すブロック図である。 本第1実施形態によるアレーアンテナによる干渉除去パターンの一例を示す概念図である。 本第1実施形態による通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本第1の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。 本第2の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。 本第3の変形例による通信装置の構成を示すブロック図である。 リレー(中継)通信の原理を説明するための概念図である。 本発明による第2実施形態による通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の効果を説明するためのチャネル容量の累積確率を示す概念図である。 コグニティブ無線技術の概要を説明するための概念図である。 Primaryシステムの干渉を回避、もしくはPrimaryシステムへの与干渉を防ぐための、アレーアンテナによる干渉除去を説明するための概念図である。 アダプティブアレーの基本構成を示すブロック図である。 Primaryシステムの干渉が存在する環境を想定して計算したSecondaryシステムの通信品質を測定するための概念図である。 Primaryシステムの干渉が存在する環境を想定して計算したSecondaryシステムの通信品質の一例を示す概念図である。
符号の説明
20−1、20−a、20−b、20−c、20−d、… アレーアンテナ
21 アレーアンテナ選択部
22−1〜22−N 受信機
23 ウエイト計算部(重み付け計算手段、重み付け手段)
24 通信品質判定部(選択制御手段)
31 2分岐スイッチ(アレー選択手段)
31a 3入力2出力スイッチ(アレー選択手段)
31b 3入力1出力スイッチ(アレー選択手段)
32−1、32−2 受信機
33 伝達関数及びウエイト計算部(重み付け計算手段)
34 ウエイト乗算&加算部(重み付け手段)
35 メモリ
36 通信品質判定部(選択制御手段)
40 送信局
41 受信局
42 中継局
#1〜#4 アンテナ素子

Claims (11)

  1. それぞれ2つ以上のアンテナ素子を複数の異なる軸上に直線状に配置し、それぞれ異なる方向にグレーティングヌルを形成する複数のアレーアンテナと、
    前記複数のアレーアンテナのいずれかを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択されたアレーアンテナを構成するアンテナ素子がそれぞれ接続される複数の送受信機と、
    前記送受信機に接続され、受信信号の情報から干渉信号をゼロにするように、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子に対する重み付け値を算出する重み付け計算手段と、
    前記重み付け計算手段で算出された重み付け値と前記送受信機により受信された受信信号とを乗算し、該重み付けされた受信信号を合成する重み付け手段と、
    前記重み付け手段により合成された出力に基づいて通信品質を判定し、通信品質の良好なアレーアンテナを選択するように、前記選択手段の選択動作を制御する通信品質判定手段と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  2. 前記複数のアレーアンテナは、
    2つのアンテナ素子を直線状に配置した第1のアレーアンテナと、
    前記2つのアンテナ素子の1つのアンテナ素子を共有し、かつ、前記第1のアレーアンテナと略90度異なる方向に、直線状に配置される2つのアンテナ素子からなる第2のアレーアンテナとからなり、
    前記選択手段は、
    前記第1のアレーアンテナと前記第2のアレーアンテナとで共有されていない2つのアンテナ素子うち、いずれか一方のアンテナ素子を選択することを特徴とする請求項記載の通信装置。
  3. 前記複数のアレーアンテナは、
    正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、前記正三角形の各頂点に配置された2つのアンテナ素子の組み合わせからなる、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、
    前記選択手段は、
    前記正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか2つのアンテナ素子を選択することを特徴とする請求項記載の通信装置。
  4. 前記複数のアレーアンテナは、
    正三角形の頂点にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及び正三角形の中心に配置されたアンテナ素子のうち、前記正三角形の中心に配置されたアンテナ素子と、前記正三角形の各頂点に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略120度の角度を成した、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、
    前記選択手段は、
    前記正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することを特徴とする請求項記載の通信装置。
  5. 前記複数のアレーアンテナは、
    略90度の角度を成したx軸、y軸、z軸上にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及びx軸、y軸、z軸の原点位置に配置されたアンテナ素子のうち、前記原点位置に配置されたアンテナ素子と、前記x軸、y軸、z軸上に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略90度の角度を成した、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなり、
    前記選択手段は、
    前記x軸、y軸、z軸上に配置された3つのアンテナ素子のうち、いずれか1つのアンテナ素子を選択することを特徴とする請求項記載の通信装置。
  6. 送信局と受信局との間で通信を行う通信方法であって、
    それぞれ2つ以上のアンテナ素子を複数の異なる軸上に直線状に配置し、それぞれ異なる方向にグレーティングヌルを形成する複数のアレーアンテナ毎に、各アンテナ素子で受信された受信信号から伝搬チャネル及び受信電力を測定するステップと、
    前記伝搬チャネルから干渉除去を行うための、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子に対する重み付け値を算出するステップと、
    前記受信信号と前記重み付け値とを乗算し、複数のアレーアンテナ毎に合成するステップと、
    前記複数のアレーアンテナ毎に合成された信号に基づいて、通信品質の良好なアレーアンテナを特定するステップと、
    前記特定されたアレーアンテナを通信に用いるアレーアンテナとして選択するステップと
    を含むことを特徴とする通信方法。
  7. 前記複数のアレーアンテナは、
    2つのアンテナ素子を直線状に配置した第1のアレーアンテナと、
    前記2つのアンテナ素子の1つのアンテナ素子を共有し、かつ、前記第1のアレーアンテナと略90度異なる方向に、直線状に配置される2つのアンテナ素子からなる第2のアレーアンテナとからなることを特徴とする請求項記載の通信方法。
  8. 前記複数のアレーアンテナは、
    正三角形の頂点に配置された3つのアンテナ素子のうち、前記正三角形の各頂点に配置された2つのアンテナ素子の組み合わせからなる、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする請求項記載の通信方法。
  9. 前記複数のアレーアンテナは、
    正三角形の頂点にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及び正三角形の中心に配置されたアンテナ素子のうち、前記正三角形の中心に配置されたアンテナ素子と、前記正三角形の各頂点に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略120度の角度を成した、各々、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする請求項記載の通信方法。
  10. 前記複数のアレーアンテナは、
    略90度の角度を成したx軸、y軸、z軸上にそれぞれ配置された3つのアンテナ素子及びx軸、y軸、z軸の原点位置に配置されたアンテナ素子のうち、前記原点位置に配置されたアンテナ素子と、前記x軸、y軸、z軸上に配置されたアンテナ素子との組み合わせからなり、それぞれが略90度の角度を成した、第1のアレーアンテナ、第2のアレーアンテナ、第3のアレーアンテナとからなることを特徴とする請求項記載の通信方法。
  11. 前記一連のステップを手順Aとし、該手順Aを受信局で行い、
    前記選択されたアレーアンテナによる最大の通信品質が所定のしきい値以下である場合には、
    前記送信局と前記受信局との間に配置された中継局で、前記送信局との間で前記手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定する第1のステップと、
    前記受信局で、前記中継局との間で前記手順Aを行い、通信品質の良好なアレーアンテナを特定する第2のステップと、
    前記第1のステップと前記第2のステップとで得られたアレーアンテナを用いて、前記送信局から前記中継局、前記中継局から前記受信局に対して通信を行うステップと
    を含むことを特徴とする請求項記載の通信方法。
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