JPH11243358A - 移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法 - Google Patents

移動通信基地局用アレーアンテナ装置及びその制御方法

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JPH11243358A
JPH11243358A JP10044825A JP4482598A JPH11243358A JP H11243358 A JPH11243358 A JP H11243358A JP 10044825 A JP10044825 A JP 10044825A JP 4482598 A JP4482598 A JP 4482598A JP H11243358 A JPH11243358 A JP H11243358A
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健太郎 西森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、移動通信基地局用アレーアンテナ
装置及びその制御方法において信号スロットのタイミン
グに対して同期していない干渉波の影響を低減する能力
を改善することを目的とする。 【解決手段】各々のスロットについて、受信された信号
のレベルを干渉波識別レベルLaと比較して、受信され
た信号から干渉波識別レベルLa以上の期間T0の特定
の信号成分を抽出し、既知信号とアンテナアレーの素子
毎に抽出された前記特定の信号成分とを合成した合成信
号を生成し、合成信号と既知信号との誤差を最小化する
振幅及び位相値を算出して振幅位相可変器に与えること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロセル移動
通信基地局用アレーアンテナ装置の指向性制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロセル移動通信では、一般に、無
線基地局が周辺の建物よりも低い場所(公衆電話ボック
スや電柱など)に配置される。従って、電波は道路沿い
に直進し、あるいは反射しながら伝搬する。このような
場合、各基地局の無線ゾーンが図13に示すように道路
沿いに形成され、見通し外はエリア外となる。従って、
通信可能なエリアを広く確保するためには、多数の基地
局を配置する必要があり、設置コストがかかるという問
題がある。
【0003】基地局のアンテナを周辺の建物よりも高い
場所に設置すれば、通信可能なエリアは広くなる。図1
4は、基地局をビルの屋上と電柱にそれぞれ設置した場
合を示している。図14に示すように基地局を高所に設
置すれば、アンテナから見通せる領域が広くなるととも
に、電波の伝搬損失も小さくなるため、低基地局によっ
て生じる不感地を少ない基地局で解消できる。
【0004】しかし、基地局アンテナを屋上などの高い
場所に配置した場合、隣接する基地局からの干渉波の伝
搬損失も小さくなる。従って、図15に示すように端末
から受信する電波の他に、隣接基地局からの不要な電波
も高所基地局に到来するので、基地局間の電波の干渉が
問題になる。例えば個々の基地局が使用可能なチャネル
を探索して動作するTDMA(時分割多重通信)自立分
散制御方式を用いた通信システムでは、到来する干渉波
が増えると干渉波が多数のチャネルを占有してしまうた
め、空きチャネルが少なくなり、最悪の場合、空きチャ
ネルがなくなって基地局を動作させることができないと
いう問題が生じる。
【0005】基地局のアンテナとして指向性アンテナを
用いれば、隣接する基地局からの干渉波の影響を低減す
ることができる。例えば、図16に示すように指向性ア
ンテナのヌル方向(利得が小さい方向)を干渉波の方向
に向けることにより、基地局のアンテナで受信される干
渉波の数を低減することができる。
【0006】干渉波の到来方向は一般に未知である。未
知の干渉波に対してアンテナの指向性のヌルを向ける方
法については、例えば文献(R.A.Mongingo,et.al.,"Intr
oduction to Adaptive Array", NewYork & Sons,1980)
に示されている。すなわち、複数のエレメント(素子)
で構成されるアレーアンテナを用いて、アンテナの各エ
レメントの信号に振幅及び位相の重みづけができるよう
に構成し、重みづけ後の各信号の合成信号と所望の信号
との誤差が最小になるように、適応制御により重み(振
幅及び位相値)を決定すれば、所望信号と相関のない干
渉波に対して、アンテナの指向性のヌルをむけることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】時分割多重通信(TD
MA)においては、通信に利用する信号は一定の時間間
隔で周期的に現れる多数のスロット毎に区分される。ま
た、TDMA自律分散制御システムの場合には、各基地
局はある決められたタイミングで各スロットの信号を送
出する。
【0008】隣接する複数の基地局の送出タイミングが
互いに同期している場合には、図17(a)に示すよう
に、各基地局が送出する信号はスロット毎に同時に現れ
る。一方、送出タイミングが同期していない場合には、
図17(b)に示すように、1つのスロットで送信され
た干渉波が2つのスロットをまたぐタイミングで現れ
る。
【0009】前述のアンテナの指向性に関する適応制御
を実施する場合、干渉波が検出されるとその方向にアン
テナのヌルが向けられるが、干渉波が検出されなければ
この制御は実施されない。例えば、図17(b)に示す
スロット番号2,5,8においては、スロットの途中で
干渉波がなくなる。途中で干渉波がなくなるスロットに
対して、アンテナの指向性に関する適応制御を実施する
場合には、1つのスロットの全体を探索して最後に求め
られる重みは、スロットの前半だけに現れた干渉波の影
響を反映しない結果になる可能性がある。
【0010】従って、図17(b)に示すスロット番号
2,5,8においては、スロットの前半だけに現れた干
渉波の影響を除去するための適応制御がうまく作動しな
い。そのため、干渉波の影響により通信が妨害される。
また、図17(c)に示すように、2つ以上の干渉波が
1スロット内で重なって現れる場合にも、干渉波の影響
を除去するための適応制御がうまく作動しない。すなわ
ち、最初に到来した干渉波もしくは2つの干渉波を検出
すると、それらの影響を除去するように重みが計算され
るが、干渉波がスロット全体を通じて現れていないの
で、干渉波が現れていない期間の影響により、最終的に
決定される重みは干渉波の影響を反映しない場合があ
る。
【0011】一般に、環境に変動が生じる場合の制御に
おいては、入力する信号の相関行列に対して忘却係数を
適用することにより環境変動の影響を軽減できる。しか
し、アンテナの指向性に関する適応制御を実施する場合
に忘却係数を用いるためには、干渉波の到来タイミング
に応じて忘却係数を決定しなければならないので、忘却
係数の決定が困難である。
【0012】本発明は、移動通信基地局用アレーアンテ
ナ装置及びその制御方法において、特定の基地局で利用
される信号スロットのタイミングに対して同期していな
い干渉波が到来する環境において、干渉波の影響を低減
する能力を改善することを主な目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1は、無線送受信
部と、該無線送受信部に接続されたアンテナアレーと、
該アンテナアレーを構成する各素子の信号について振幅
及び位相を変更する振幅位相可変器とを用い、前記振幅
位相可変器を制御して前記アンテナアレーの指向特性を
変更する移動通信基地局用アレーアンテナの制御方法に
おいて、通信に利用される信号の時間軸上で区分された
それぞれのスロットについて、受信された信号のレベル
を所定の干渉波識別レベルと比較して、受信された信号
から該信号のレベルが前記干渉波識別レベル以上の期間
の特定の信号成分を抽出し、既知信号と、前記アンテナ
アレーの素子毎に抽出された前記特定の信号成分とを合
成した合成信号を生成し、前記合成信号と前記既知信号
との誤差を最小化する振幅及び位相値を算出して、前記
振幅及び位相値を前記振幅位相可変器に与えることを特
徴とする。
【0014】本発明は、制御対象基地局における各スロ
ットのタイミングと干渉波の出現タイミングとが同期し
ていない場合を想定している。例えば、単一の干渉波が
1つのスロットの中に現れた場合、制御対象基地局のタ
イミングと干渉波の出現タイミングとがずれているの
で、1つのスロットの中に干渉波の存在する期間と存在
しない期間とが含まれる。
【0015】この発明においては、受信された信号のレ
ベルと干渉波識別レベルとの比較により、干渉波の有無
が検出される。そして、干渉波の存在する期間の信号成
分だけが前記特定の信号成分として抽出され、この信号
成分がアンテナの指向特性の適応制御のために利用され
る。従って、非同期の干渉波によって、1つのスロット
の中に干渉波が含まれない期間が存在する場合であって
も、他の期間に検出された干渉波に応答して、アンテナ
の指向特性が制御されるので、適応制御の動作不良が防
止される。
【0016】請求項2は、請求項1記載の移動通信基地
局用アレーアンテナの制御方法において、単一のスロッ
トの中で前記特定の信号成分が複数検出された場合に
は、それら複数の信号成分を抽出することを特徴とす
る。複数の干渉波が存在する場合には、1つのスロット
の中の互いに異なる2つ以上の期間にそれぞれ干渉波が
現れる可能性がある。本発明では、単一のスロットの中
で前記特定の信号成分が複数検出された場合には、それ
ら複数の信号成分を抽出するので、複数の干渉波のそれ
ぞれに対して、アンテナの指向特性の適応制御が行われ
る。
【0017】請求項3は、無線送受信部と、該無線送受
信部に接続されたアンテナアレーと、該アンテナアレー
を構成する各素子の信号について振幅及び位相を変更す
る振幅位相可変器とを用い、前記振幅位相可変器を制御
して前記アンテナアレーの指向特性を変更する移動通信
基地局用アレーアンテナの制御方法において、通信に利
用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれのスロッ
トについて、受信された信号のレベルを所定の干渉波識
別レベルと比較するとともに、前記信号のレベルが前記
干渉波識別レベル以上の場合には、前記信号のレベルの
変動幅を所定の複数干渉レベルと比較し、受信された信
号から該信号のレベルが前記干渉波識別レベル以上で且
つ変動幅が前記複数干渉レベル以上の期間の特定の信号
成分を抽出し、既知信号と、前記アンテナアレーの素子
毎に抽出された前記特定の信号成分とを合成した合成信
号を生成し、前記合成信号と前記既知信号との誤差を最
小化する振幅及び位相値を算出して、前記振幅及び位相
値を前記振幅位相可変器に与えることを特徴とする。
【0018】複数の干渉波が存在する場合には、1つの
スロットの中の同じ期間に、重なって複数の干渉波が現
れる場合がある。複数の干渉波の出現タイミングが重な
ると、制御対象基地局で検出される干渉波の受信レベル
の変動幅が大きくなる。本発明では、受信された信号の
レベルを干渉波識別レベルと比較することにより、干渉
波の有無を識別する。さらに、干渉波を検出していると
きには、受信された信号のレベルの変動幅を複数干渉レ
ベルと比較することにより、干渉波が単一か複数かが識
別される。そして、受信された信号のレベルが干渉波識
別レベル以上で且つ変動幅が複数干渉レベル以上の期間
の信号が、特定の信号成分として抽出される。
【0019】従って、複数の干渉波が重なって現れてい
る期間の信号成分のみに基づいて、アンテナの指向特性
の適応制御が実施される。これにより、複数の干渉波の
全てに適応するように、アンテナの指向特性が制御され
る。請求項4は、無線送受信部と、該無線送受信部に接
続されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成す
る各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位
相可変器とを用い、前記振幅位相可変器を制御して前記
アンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用
アレーアンテナの制御方法において、通信に利用される
信号の時間軸上で区分されたそれぞれのスロットについ
て、受信された信号のレベルを所定の干渉波識別レベル
と比較し、前記信号のレベルが前記干渉波識別レベル以
上の特定のスロットについては、前記特定のスロットに
隣接する前スロットで第1の干渉波が発生した第1の時
間と、前記特定のスロットに隣接する後スロットで第2
の干渉波が消滅した第2の時間とを検出し、前記特定の
スロットの中で前記第1の干渉波が消滅する第3の時間
を前記第1の時間から求め、前記特定のスロットの中で
前記第2の干渉波が発生する第4の時間を前記第2の時
間から求め、前記第3の時間と第4の時間との時間軸上
の前後関係に基づいて、前記特定のスロットで受信され
た信号から特定の期間の信号成分を抽出し、既知信号
と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出された前記特定
の期間の信号成分とを合成した合成信号を生成し、前記
合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する振幅及び
位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記振幅位相
可変器に与えることを特徴とする。
【0020】干渉波の出現タイミングが制御対象基地局
と同期していない場合であっても、干渉波のスロットの
長さは制御対象基地局のスロット長さと同一である。従
って、特定のスロットの前後に隣接する他のスロットに
おいて検出された干渉波のタイミングに基づいて、前記
特定のスロットにおける干渉波の出現タイミングを推定
できる。
【0021】例えば、制御対象基地局と干渉波とのスロ
ット長(期間)TSが同一の場合、図11(a)に示す
ように、注目スロットに先行する前スロット内の時刻t
a1で現れた干渉波R11は、時刻ta1から1スロッ
ト長と同じ時間TSを経過したときに消滅する。また、
前スロットの始まる時刻から時刻ta1までの相対時間
をTA1とすれば、注目スロットの始まる時刻から相対
時間TA1を経過したときに干渉波R11は消滅する。
【0022】一方、注目スロットに続く後スロット内の
時刻tb2で消滅した干渉波R12は、時刻tb2より
もスロット長TSだけ前の時刻に出現している。また、
後スロットの始まる時刻から時刻tb2までの相対時間
をTB2とすれば、注目スロットの始まる時刻から相対
時間TB2だけ前の時刻に干渉波R12が出現する。従
って、本発明では前スロットで第1の干渉波が発生した
第1の時間と、後スロットで第2の干渉波が消滅した第
2の時間とを検出し、前記特定のスロットの中で前記第
1の干渉波が消滅する第3の時間を前記第1の時間から
求め、前記特定のスロットの中で前記第2の干渉波が発
生する第4の時間を前記第2の時間から求める。
【0023】そして、前記第3の時間と第4の時間との
時間軸上の前後関係に基づいて、前記特定のスロットで
受信された信号から特定の期間の信号成分を抽出する。
ここで抽出した信号成分に従って、アンテナの指向特性
が制御される。第3の時間と第4の時間との時間軸上の
前後関係は、第1の干渉波と第2の干渉波との重なりの
有無に相当するので、それに応じて信号成分の抽出範囲
を切り替えることにより、望ましい指向特性制御が可能
になる。
【0024】請求項5は、請求項4記載の移動通信基地
局用アレーアンテナの制御方法において、前記第4の時
間が第3の時間より先行する場合には、前記第4の時間
から第3の時間までの期間の信号成分を、前記特定の期
間の信号成分として抽出することを特徴とする。前記第
4の時間が第3の時間より先行する場合には、第4の時
間から第3の時間までの期間に、第1の干渉波と第2の
干渉波とが重なる。この期間の信号成分を抽出し、その
信号成分に従ってアンテナの指向特性を制御することに
より、第1の干渉波と第2の干渉波の両方の影響が低減
される。
【0025】請求項6は、請求項4記載の移動通信基地
局用アレーアンテナの制御方法において、前記第3の時
間が第4の時間より先行する場合には、前記特定のスロ
ットの始まりから前記第3の時間までの期間の信号成分
と、前記第4の時間から前記特定のスロットの終わりま
での期間の信号成分とを、前記特定の期間の信号成分と
して抽出することを特徴とする。
【0026】前記第3の時間が第4の時間より先行する
場合には、第1の干渉波と第2の干渉波とが重ならず
に、1つのスロット内の互いに異なるタイミングで現れ
る。従って、前記特定のスロットの始まりから前記第3
の時間までの期間の信号成分と、前記第4の時間から前
記特定のスロットの終わりまでの期間の信号成分とを、
前記特定の期間の信号成分として抽出することにより、
第1の干渉波と第2の干渉波の両方の影響が低減され
る。
【0027】請求項7は、無線送受信部と、該無線送受
信部に接続されたアンテナアレーと、該アンテナアレー
を構成する各素子の信号について振幅及び位相を変更す
る振幅位相可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御し
て前記アンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基
地局用アレーアンテナ装置において、通信に利用される
信号の時間軸上で区分されたそれぞれのスロットについ
て、受信された信号のレベルを所定の干渉波識別レベル
と比較して、受信された信号から該信号のレベルが前記
干渉波識別レベル以上の期間の特定の信号成分を抽出
し、既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出さ
れた前記特定の信号成分とを合成した合成信号を生成
し、前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する
振幅及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記
振幅位相可変器に与える操作量算出手段を設けたことを
特徴とする。
【0028】請求項8は、無線送受信部と、該無線送受
信部に接続されたアンテナアレーと、該アンテナアレー
を構成する各素子の信号について振幅及び位相を変更す
る振幅位相可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御し
て前記アンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基
地局用アレーアンテナ装置において、通信に利用される
信号の時間軸上で区分されたそれぞれのスロットについ
て、受信された信号のレベルを所定の干渉波識別レベル
と比較するとともに、前記信号のレベルが前記干渉波識
別レベル以上の場合には、前記信号のレベルの変動幅を
所定の複数干渉レベルと比較し、受信された信号から該
信号のレベルが前記干渉波識別レベル以上で且つ変動幅
が前記複数干渉レベル以上の期間の特定の信号成分を抽
出し、既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出
された前記特定の信号成分とを合成した合成信号を生成
し、前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する
振幅及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記
振幅位相可変器に与える操作量算出手段を設けたことを
特徴とする。
【0029】請求項9は、無線送受信部と、該無線送受
信部に接続されたアンテナアレーと、該アンテナアレー
を構成する各素子の信号について振幅及び位相を変更す
る振幅位相可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御し
て前記アンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基
地局用アレーアンテナ装置において、通信に利用される
信号の時間軸上で区分されたそれぞれのスロットについ
て、受信された信号のレベルを所定の干渉波識別レベル
と比較し、前記信号のレベルが前記干渉波識別レベル以
上の特定のスロットについては、前記特定のスロットに
隣接する前スロットで第1の干渉波が発生した第1の時
間と、前記特定のスロットに隣接する後スロットで第2
の干渉波が消滅した第2の時間とを検出し、前記特定の
スロットの中で前記第1の干渉波が消滅する第3の時間
を前記第1の時間から求め、前記特定のスロットの中で
前記第2の干渉波が発生する第4の時間を前記第2の時
間から求め、前記第3の時間と第4の時間との時間軸上
の前後関係に基づいて、前記特定のスロットで受信され
た信号から特定の期間の信号成分を抽出し、既知信号
と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出された前記特定
の期間の信号成分とを合成した合成信号を生成し、前記
合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する振幅及び
位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記振幅位相
可変器に与える操作量算出手段を設けたことを特徴とす
る。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この形態の
移動通信基地局用アレーアンテナ装置の構成と動作を図
1〜図8並びに図13〜図19に示す。この形態は、請
求項1,請求項2,請求項3,請求項7及び請求項8に
対応する。
【0031】図1はこの形態の移動通信基地局用アレー
アンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。図
2は図1の装置における空きスロット探索処理の内容を
示すフローチャートである。図3は受信される信号の例
を示すタイムチャートである。図4は受信される信号に
含まれる干渉波が1つの場合と2つの場合の信号を示す
波形図である。図5及び図6は干渉波のレベルに応じた
DU1Rの分布を示すグラフである。図7は通信スロッ
トを確保できる最大のアンテナ高を示すグラフである。
【0032】図8は図1の装置におけるアンテナの指向
性制御系の構成を示すブロック図である。図13は図1
の装置が利用される環境における各基地局の配置例を示
す平面図である。図14は図1の装置が利用される環境
における各基地局の通話エリアの例を示す斜視図であ
る。図15は図1の装置が受信する干渉波の経路の例を
示す斜視図である。図16はアンテナの指向特性と干渉
波の到来方向の例を示す平面図である。図17は図1の
装置の各スロットと干渉波との相対的なタイミングの例
を示すタイムチャートである。
【0033】図18は受信される信号の例を示すタイム
チャートである。図19は図18に示す信号に対する処
理の内容を示す模式図である。この形態では、請求項1
の振幅位相可変器は振幅位相可変部57〜59及び振幅
位相可変部17として具体化されている。また、請求項
1の干渉波識別レベル及び請求項3の複数干渉レベル
は、それぞれ閾値La及びLcとして具体化されてい
る。請求項7及び請求項8の操作量算出手段は、振幅位
相制御部19として具体化されている。
【0034】図1を参照すると、この移動通信基地局用
アレーアンテナ装置は、送受信装置11,アンテナ12
及び振幅位相制御部19で構成されている。また、送受
信装置11は受信装置13,送信装置14,A/D変換
器15,D/A変換器16,振幅位相可変部17及び振
幅位相可変部18を備え、振幅位相制御部19は受信レ
ベル検出器110,レベル判定部111,レベル変動判
定部112及び既知信号発生部113を備えている。
【0035】送受信装置11に接続されたアンテナ12
は、複数の素子で構成されるアレーアンテナである。こ
の例では3つの素子でアンテナ12が構成されている。
振幅位相可変部17は、アンテナ12で受信された3系
統のそれぞれの受信信号に対して、振幅及び位相を調整
する機能を有する。振幅位相可変部18は、アンテナ1
2のそれぞれの素子から送信される3系統の送信信号に
対して、振幅及び位相を調整する機能を有する。
【0036】アンテナ12で受信された3系統の信号
は、振幅位相可変部17において位相及び振幅が調整さ
れた後、ロジック部114の内部で合成される。振幅位
相可変部17における操作量である位相及び振幅の調整
量を変えることにより、受信する信号に対するアンテナ
12の指向特性が調整される。同様に、振幅位相可変部
18における位相及び振幅の調整量を変えることによ
り、送信する信号に対するアンテナ12の指向特性が調
整される。
【0037】一般にアレーアンテナは指向性を有してい
る。この指向特性においては、特定の方向に対してアン
テナ利得が非常に小さくなるヌル点が形成される。振幅
位相可変部17,18の操作量を調整すると、アンテナ
12の指向特性のヌル点の方向を変えることができる。
従って、図16に示すように指向特性のヌル点の方向が
干渉波の到来方向と一致するように指向特性を制御すれ
ば、干渉波の影響を低減できる。
【0038】なお、図1においてはディジタル信号処理
によって信号の振幅及び位相を調整する構成を示してあ
るが、アナログ信号処理回路を用いて信号の振幅及び位
相を調整するように構成を変更しても良い。
【0039】図1に示すように、送受信装置11と振幅
位相制御部19は互いに接続されている。干渉波の検出
のために、送受信装置11で受信された3系統の信号が
振幅位相制御部19に入力される。振幅位相制御部19
は、アンテナの指向特性を決定する振幅及び位相値を算
出する。この振幅及び位相値は送受信装置11の振幅位
相可変部17,18に出力される。
【0040】図1の装置におけるアンテナの指向特性制
御系の基本構成を図8に示す。図8に示す制御系につい
て説明する。図1の装置においては、信号を送信する前
に、アンテナ12の指向特性を調整しながら空きスロッ
トの有無を調べる。従って、そのときに図1の装置(基
地局)に到来する信号は全て干渉信号であり、所望波は
存在しない。
【0041】一般に、この種の指向性制御においては干
渉波の成分をできる限り低減し、所望波の成分を抽出で
きるようにアンテナの指向特性を制御する。そこで、望
ましい指向特性の検出を可能にするために、所望波の代
わりの既知信号を用意してある。図1及び図8に示す既
知信号発生部113が、所望波の代わりの既知信号を少
なくとも1つ発生する。実際には、PN符号などの疑似
乱数を変調した信号を既知信号として用いている。
【0042】位相可変部51,52,53は、既知信号
発生部113が出力する既知信号から、所定の方向θo
から到来する既知信号を生成するために、位相をそれぞ
れ調整した信号を生成する。位相可変部51,52及び
53の位相調整量は、既知信号の方向θoと、アンテナ
アレーの素子配列及び素子間隔により決定される。
【0043】アンテナ12の3つの素子のそれぞれの位
置ベクトルがr1,r2及びr3で表される場合には、
位相可変部51の位相調整量φ1,位相可変部52の位
相調整量φ2及び位相可変部53の位相調整量φ3は、
それぞれ次式で表される。 φ1=k・r1 ・・・(1) φ2=k・r2 ・・・(2) φ3=k・r3 ・・・(3) k=2π/λ・(i・cosθo+j・sinθo) ・・・(4) i:水平面内のX軸方向の単位ベクトル j:水平面内のY軸方向の単位ベクトル λ:波長 A/D変換器15から出力される3系統の受信信号は、
フィルタ30を介して信号合成部54,55及び56に
それぞれ印加される。信号合成部54,55及び56
は、それぞれ位相可変部51,52及び53が出力する
信号と前記受信信号とを合成した信号を出力する。
【0044】信号合成部54,55及び56が出力する
信号は、それぞれ振幅位相可変部57,58及び59で
振幅及び位相を調整された後、信号合成部60に印加さ
れる。信号合成部54,55及び56の各々の振幅及び
位相の調整量は、LMS制御部50により制御される。
信号合成部60は、振幅位相可変部57が出力する信
号,振幅位相可変部58が出力する信号及び振幅位相可
変部59が出力する信号を合成して出力する。
【0045】LMS制御部50は、信号合成部60が出
力する合成信号と、既知信号発生部113が出力する既
知信号との差を最小にするのに必要な振幅及び位相値P
xを、LMS(Least Mean Square)法などの適応アル
ゴリズムを用いて振幅位相可変部57,58,59の重
み(振幅と位相値)を調整しながら探索する。LMS制
御部50によって求められた振幅及び位相値(振幅と位
相値)Pxを振幅位相可変部17,18に与えることに
より、干渉波の影響が最小になるようにアンテナ12の
指向特性を調整して送受信できる。
【0046】図8に示すフィルタ30においては、制御
対象の基地局における信号スロットのタイミングと干渉
波のタイミングとが一致しない場合の指向特性制御の誤
動作を防止するために、特定の信号成分だけを抽出す
る。また、フィルタ30は、図1に示す受信レベル検出
器110,レベル判定部111及びレベル変動判定部1
12を含んでいる。
【0047】フィルタ30に関する具体的な処理の内容
は、図2に示す処理の中に示されている。図2に示す処
理は、M個のスロットの中から利用可能な空きスロット
を探すための制御であり、干渉波の影響を低減するため
にアンテナの指向特性の調整を実行しながら探索を実行
する。以下、図2の処理について説明する。ステップS
01では、1つのスロットを注目スロットとして選択す
る。この注目スロットが、以下のステップで処理対象と
なる。例えば、図3(a)に示す時刻t00〜t03の
期間TSの1つのスロットを注目スロットとして選択し
た場合には、時刻t00〜t03の受信信号に対して処
理が実施される。
【0048】ステップS02では、注目スロット内に干
渉波が存在するかどうかを調べるため、受信した信号の
レベルを予め定めた閾値Laと比較する。一時的であっ
たとしても、注目スロット内で受信した信号のレベルが
閾値Laよりも大きい場合には、干渉波があるとみな
す。そしてステップS03に進む。ステップS03で
は、閾値Laよりも大きい信号レベルが検出された注目
スロットの中で、受信した信号レベルが閾値Laよりも
大きい期間T0を検出する。例えば、図3(d)のよう
に複数の干渉波が互いに異なる時間に現れる場合には、
期間T0が複数検出される。
【0049】ここでは、期間T0のうち最初に検出され
たものを期間T0(1)とし、次に検出されたものを期間
T0(2)として区別する。例えば、図3(a),(b),(c)の
例では1つの期間T0(1)のみが検出されるが、図3(d)
の例では、2つの期間T0(1),T0(2)が検出される。
図3においては1個のスロットに干渉波が2波到来する
例を示してあるが、干渉波数が3波以上の場合でも同様
に考えることができる。
【0050】干渉波が1波到来した場合には、受信装置
で得られる時刻mにおける信号X(m)は次式で表され
る。 X(m)=I(m)+N(m) ・・・(5) I(m):干渉波の強度 N(m):装置内で生じる熱雑音 干渉波のレベルを判定する閾値Laを熱雑音N(m)よ
り十分大きくとり、かつ、基地局同士が見通し内で、干
渉波による遅延波の影響が無視できる場合には、信号X
(m)は干渉波の強度とほぼ等しい。
【0051】一方、干渉波が2波以上到来する場合に、
i番目の干渉波をIi(m)とすれば、信号X(m)は次
式で表される。 X(m)=ΣIi(m)+N(m) ・・・(6) 複数の干渉波が同時に現れる場合、受信される信号は干
渉波の合成波として表わされるので、受信した信号のレ
ベルは大きく変動する。
【0052】例えば図4にように、干渉波が1波のみ到
来する場合には、信号レベルが干渉波のレベルを中心と
して±3dB程度の変化を示すのに対して、干渉波が2
波以上到来する場合には、受信レベルの変動幅は10d
Bを越える。従って、受信レベルの変動幅を所定の閾値
Lc(例えば、6dB)と比較することにより、同じタ
イミングで干渉波が複数現れているか否かを識別でき
る。
【0053】例えば干渉波が2つだけの場合には、受信
した信号のレベル変動が大きい期間の信号成分は、2つ
の干渉波の両方の成分を含んでいる。従って、受信した
信号のレベル変動が大きい期間に現れる信号成分に対し
て、それを低減するようにアンテナの指向特性を調整す
れば、次式の関係を満たす限り、全ての干渉波の影響を
一度に低減できる。
【0054】 アンテナアレーの自由度≧干渉波の数 ・・・(7) アンテナアレーの自由度:(アンテナ素子数−1) 図2のステップS04では、受信した信号レベルが閾値
Laよりも大きい期間T0が1つか複数かを識別する。
図3(a),(b),(c)及び図18に示す例では、期間T0が
1つだけ検出されるのでステップS04からS05に進
む。図3(d)に示す例では2つの期間T0(1),T0(2)
が検出されるので、ステップS04からS06に進む。
【0055】ステップS05及びS06では、受信した
信号レベルの変動幅としきい値Lcとを比較する。ステ
ップS05において信号レベルの変動幅がしきい値Lc
以内ならステップS08に進む。ステップS06におい
て信号レベルの変動幅がしきい値Lc以内ならステップ
S09に進む。ステップS05又はS06において信号
レベルの変動幅がしきい値Lcを越えた場合には、ステ
ップS07に進む。
【0056】ステップS07では、複数の干渉波が同時
に現れているとみなす。そして、図3(a),(b),(c)に示
すように干渉波が重複している期間T11の信号成分を
抽出する。また、例えば図18に示すように、注目スロ
ット内の2カ所の期間D1,D2でそれぞれ干渉波が重
複している場合には、期間D1,D2の両方の信号成分
を合成して抽出する。
【0057】複数の期間の信号成分を合成する場合に
は、複数の期間の長さが同一とは限らない。図18の期
間D1,D2のように互いに長さの異なる複数の期間の
信号成分を合成する場合には、特別な処理が必要にな
る。すなわち、干渉波の重複が検出された複数の期間の
中で、長さが最大の期間がDmaxである場合には、Dmax
以外の期間の信号成分の長さをDmaxに合わせる必要が
ある。
【0058】例えば、図18の期間D1,D2の信号成
分を合成する場合には、期間D1が期間D2より大きい
ので、次のようにして、期間D2の信号成分の長さを期
間D1の信号成分と同じにする。次の第8式が成立する
場合には、第9式に従って補正してから合成すればよ
い。 D1/D2=α mod β (α,β:0以上の整数) ・・・(8) D1=α・D2+β ・・・(9) つまり、図19に示すように、期間D2の信号成分をα
倍した信号成分と、期間D2の信号成分のうち期間βに
相当する成分との和を、期間D1の信号成分に加算すれ
ばこれらを合成できる。
【0059】図2のステップS08では、注目スロット
内に現れた干渉波が単一であるとみなす。そして、受信
した信号レベルが閾値Laよりも大きい期間T0(1)の
信号成分だけを抽出する。ステップS09では、図3
(d)に示すように互いに独立した時間に2つの干渉波が
存在しているとみなす。そして、受信した信号から、レ
ベルが閾値Laよりも大きい期間T0(1)の信号成分と
期間T0(2)の信号成分とを抽出する。
【0060】期間T0(1)の信号成分と期間T0(2)の信
号成分とを合成する場合にも、期間T0(1),T0(2)の
長さが同一とは限らない。従って、図19の例と同様
に、T0(1),T0(2)の長さが揃うように各信号成分を
補正してから合成する必要がある。上記ステップS0
7,S08又はS09で抽出された信号成分のみが、図
8に示すフィルタ30から出力され、信号合成部54,
55,56にそれぞれ印加される。すなわち、ステップ
S07,S08,S09が前記フィルタ30に相当す
る。
【0061】ステップS10では、基地局の所望波とし
て既知信号を生成する。この既知信号は、図8に示す既
知信号発生部113から出力される。ステップS11で
は、フィルタ30によって抽出された受信信号に振幅及
び位相の重み付けをした信号とステップS10で生成し
た既知信号とをアンテナの素子の系統毎に合成する。
【0062】ステップS12では、LMS法などの適応
アルゴリズムなどを用いて、ステップS11の合成信号
とステップS10の既知信号との差が最小になるよう
に、重み(振幅と位相値)を求める。ステップS13で
は、ステップS12で求められた最新の重み係数を振幅
位相可変部57,58,59にセットして、信号合成部
60の出力に得られる受信信号の合成信号のレベルを算
出する。
【0063】ステップS14では、指向特性制御によっ
て干渉波が除去されたか否かを調べるために合成信号の
信号レベルと所定の閾値とを比較する。上記指向特性制
御によって干渉波のレベルが十分に低減された場合に
は、現在処理中の注目スロットを空きスロットとみな
す。干渉波のレベルが大きい場合には、注目スロットは
使用中とみなし、次のスロットの探索を開始する。
【0064】干渉波のレベルが十分に低減された場合に
は、決定された指向特性の重み係数を振幅位相可変部1
7,18に与え、通信を開始する。なお、ここでは受信
装置および送信装置等において各ブランチ毎の振幅や位
相の不一致はないものと仮定している。これらの不一致
がある場合には、あらかじめ調べてテーブル化しておく
ことで補正することが可能である。
【0065】第1の実施の形態における本発明の効果
を、次に示す計算機シミュレーションにより確認した。
すなわち、図3(a),(d)に示される環境下で、図2に示
される本発明の方法と、干渉波が含まれるスロット内の
全信号成分に従って制御する比較例とを対比した。シミ
ュレーションの条件は次の通りである。この例では、1
個のスロットの長さを200分割したものをシンボルと
呼ぶ時間単位で表している。すなわち、1スロットの長
さは200シンボルである。図3(a)の環境では、第
1干渉波は対象スロットの前のスロットの途中から到来
し、対象スロットの70シンボル(当該スロットの始ま
りからの相対値:以下同様)で到来しなくなるものとし
た。第2干渉波は対象スロットの途中の50シンボル中
から到来するものとし、対象スロットの最後まで到来す
る。第3図(b)の環境では、第1干渉波は対象スロッ
トの前のスロットの途中から到来し、対象スロットの2
0シンボルで消滅するものとした。
【0066】第2干渉波は対象スロットの途中の25シ
ンボルから到来するものとし、対象スロットの最後まで
到来する。干渉波が2波なので3素子アレーを用いた。
疑似信号(所望波)は0度方向から到来する。疑似信号
のレベルは25dBμVとした。また第1干渉波及び第
2干渉波の到来方向をそれぞれ120度及び200度と
した。
【0067】これらの干渉波のレベルを変化させ、所望
波と第1干渉波との出カレベル差(出力DU1R;Desi
red to Undesired 1 Signal amplitude ratio)を調
べ、本発明の干渉抑圧効果を調べた。ここでは所望波と
干渉波の出力レベル差を次のように定義した。 DU1R=(所望波1方向(0度)の出力レベル×所望波1の入力レベル)/ (干渉波1方向(120度)の出カレベル×第1干渉波の入力レベル) ・・・(10) 図5に示すように、単に干渉波が到来する時間のみで指
向性制御を行うと、第1干渉波レベルが所望波よりも高
い場合に十分なDU1Rが得られない。これは、スロッ
トの最初では第1干渉波にヌルを形成するように動作す
るが、スロットの途中で第1干渉波が到来しなくなり、
第2干渉波が到来するため、スロットの最後に得られる
指向性パターンは第2干渉波にヌルを向ける動作が優先
され、第1干渉波方向には十分ヌルが形成されないため
である。
【0068】一方、本発明では実際に2波の干渉波が到
来する時間のみを抽出した結果に応じて制御を行うの
で、2つの干渉波のいずれに対しても指向性のヌル点を
形成することになり、比較例と比べて高い出カDU1R
が得られる。図6からも図5と同様の効果を確認でき
る。この場合は、2つの干渉波の到来する時間が独立し
ているので、本発明ではこれらの独立した時間の干渉波
を合成することにより、干渉波が同じ時間に2波到来し
ていることと等価になり、図5と同様の干渉波除去能力
が得られる。
【0069】更に、以下に示す計算機シミュレーション
により、図2に示す制御方法の効果を確認した。システ
ムとしては、単一周波数で時間的に分割されたM個のス
ロットを用い、複数の基地局が異なる時間で通信するこ
とにより同時に多数の基地局が動作するTDMA方式を
想定した。
【0070】基地局の置局環境としては、高さ7mの低
アンテナ高基地局が多数配置されているエリアに、高さ
Hの高アンテナ高基地局が1つ設置された環境を仮定し
た。このときの、高アンテナ高基地局が通信スロットを
確保できる最大のアンテナ高を、無指向性アンテナを用
いた場合と図1のアンテナの場合とで比較した。各通信
スロットの利用可否の判定は、各スロットに到来する信
号強度があるしきい値以上か以下かによって判定した。
またすべての基地局のスロットタイミングはすべてスロ
ットに対して非同期であると仮定した。
【0071】図7にスロット数を変化させた場合の、通
信スロットを確保できる最大のアンテナ高の比較を示
す。計算に用いた振幅及び位相値は、図7に示す通りで
ある。図7を参照すると、スロット数が90の場合に無
指向性アンテナでは基地局高を11m以上とすると干渉
により全てのスロットが埋ることがわかる。一方、本発
明では30mまで基地局高を上げても空きスロットを確
保することができる。
【0072】このアンテナ高の差をゾーン長に換算する
と、本発明を用いることにより無指向性アンテナに対し
てゾーン長を1.4倍にできる。また、単に干渉波が到
来する時間のみで制御する場合に比べて最大3.5m程
度の高さで空きスロットを確保できる。以上により本発
明の有効性が確認できる。 (第2の実施の形態)この形態の移動通信基地局用アレ
ーアンテナ装置の構成と動作を図9〜図12に示す。こ
の形態は、請求項4,請求項5,請求項6及び請求項9
に対応する。
【0073】図9はこの形態の移動通信基地局用アレー
アンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。図
10は図9の装置における空きスロット探索処理の内容
を示すフローチャートである。図11は受信される信号
の例を示すタイムチャートである。図12は通信スロッ
トを確保できる最大のアンテナ高を示すグラフである。
【0074】なお、図9及び図10において、第1の実
施の形態と同一の構成要素及び処理ステップについて
は、同一の符号又はステップ番号を付けて示してある。
第1の実施の形態と同一の部分については説明を省略す
る。図9を参照すると、この移動通信基地局用アレーア
ンテナ装置は送受信装置11,アンテナ12及び振幅位
相制御部21で構成されている。振幅位相制御部21に
は、2つのスロット遅延回路211,受信レベル検出器
212,レベル判定部213及び既知信号発生部113
が備わっている。
【0075】この形態においては、連続する3つのスロ
ットの信号を同時に監視する必要がある。そこで、2つ
のスロット遅延回路211を用いて、連続する3つのス
ロットの信号を同じタイミングで取り出せるように構成
してある。受信レベル検出器212は、連続する3つの
スロットの信号を同時に監視する。以下、図10に示す
各ステップの処理について説明する。第1の実施の形態
と同様に、ステップS01で選択された注目スロットに
対して、ステップS02で受信レベルと閾値Laとが比
較される。受信レベルが閾値Laよりも大きい場合、す
なわち干渉波が注目スロットで検出されると、ステップ
S21に進む。
【0076】ステップS21では、現在の注目スロット
より期間TSだけ先行して現れる前スロットにおける受
信レベルを監視して、受信レベルが閾値La未満の状態
から閾値Laを越える時間(時刻)ta1を検出する。
【0077】例えば、図11(a)を参照すると、干渉
波R11は前スロット内の時刻ta1で出現し、注目ス
ロット内の時刻ta2で消滅する。干渉波R11の1ス
ロットの長さが一定なので、時刻ta2は時刻ta1か
ら推定できる。例えば、干渉波R11の1スロットの長
さが、制御対象基地局の1スロットの長さTSと同一で
あれば、時刻ta2は時刻ta1に1スロットの長さT
Sを加算した時刻になる。
【0078】また、図11(a)に示すように前スロッ
トの始まる時刻から時刻ta1までの期間がTA1であ
る場合には、注目スロットの始まる時刻t00から期間
TA1を経過すると時刻ta2になる。図10のステッ
プS22では、上記の方法で、時刻ta2を推定する。
ステップS23では、現在の注目スロットより期間TS
だけ遅れて現れる後スロットにおける受信レベルを監視
して、受信レベルが閾値Laを越える状態から閾値La
未満になる時間(時刻)tb2を検出する。
【0079】例えば、図11(a)を参照すると、干渉
波R12は注目スロット内の時刻tb1で出現し、後ス
ロット内の時刻tb2で消滅する。干渉波R12の1ス
ロットの長さが一定なので、時刻tb1は時刻tb2か
ら推定できる。例えば、干渉波R12の1スロットの長
さが、制御対象基地局の1スロットの長さTSと同一で
あれば、時刻tb1は時刻tb2から1スロットの長さ
TSを差し引いた時刻になる。
【0080】また、図11(a)に示すように後スロッ
トの始まる時刻から時刻tb2までの期間がTB2であ
る場合には、注目スロットの始まる時刻t00から期間
TB2を経過すると時刻tb1になる。図10のステッ
プS24では、上記の方法で、時刻tb1を推定する。
ステップS02のように受信レベルと閾値Laとを比較
するだけでは、例えば図11(a)のように注目スロッ
ト内で複数の干渉波R11,R12が重なっているか否
かを識別することはできない。
【0081】前記第1の実施の形態では、受信レベルの
変動幅の大小から複数の干渉波の重複の有無を識別して
いるが、この形態では前スロットにおいて干渉波R11
が出現する時刻ta1と後スロットにおいて干渉波R1
2が消滅する時刻tb2とを検出し、それらの時刻に基
づいて複数の干渉波の重複の有無を識別する。具体的に
は、図10のステップS25で2つの時刻ta2,tb
1を比較している。例えば、図11(a),(b),
(c)に示すように注目スロット内で2つの干渉波R1
1,R12が重複して現れる場合には、時刻tb1より
も時刻ta2が大きい。また、図11(d)に示すよう
に2つの干渉波R11,R12の現れる期間がそれぞれ
独立している場合には、時刻tb1よりも時刻ta2が
小さい。
【0082】時刻tb1よりも時刻ta2が大きい場合
にはステップS25からS26に進み、時刻tb1より
も時刻ta2が小さい場合にはステップS25からS2
7に進む。ステップS26では、時刻tb1と時刻ta
2との間の期間Tx(図11(a)参照)における信号
成分だけを抽出する。
【0083】ステップS27では、注目スロットの始ま
りから時刻ta2までの期間Tx1の信号成分と、時刻
tb1から注目スロットの終わりまでの期間Tx2の信
号成分とを抽出し、それらを合成する。期間Tx1の長
さと期間Tx2の長さとが一致しない場合には、図19
に示した方法を用いて2つの信号成分の期間を揃えてか
らそれらを合成する。
【0084】この形態における発明の効果を確認するた
めに、以下に示す計算機シミュレーションを実施した。
システムとしては単一周波数で時問的に分割されたM個
のスロットを用い、複数の基地局が異なる時間で通信す
ることにより同時に多数の基地局が動作するTDMA方
式を想定した。
【0085】基地局の置局環境としては、高さ7mの低
アンテナ高基地局が多数配置されているエリアに、高さ
Hの高アンテナ高基地局が1つ設置された環境を仮定し
た。このときの、高アンテナ高基地局が通信スロットを
確保できる最大のアンテナ高を、図10に示す処理を実
施した場合と、スロット内の全ての信号成分を利用して
指向性を制御する比較例とについて比較した。
【0086】各通信スロットの利用可否の判定は、各ス
ロットに到来する信号強度があるしきい値以上か以下か
によって判定した。またすべての基地局のスロットタイ
ミングはすべてスロットに対して非同期であると仮定し
た。スロット数を変化させた場合の、通信スロットを確
保できる最大のアンテナ高を図12に示す。計算に用い
た振幅及び位相値は、図7に示したものと同じである。
図12を参照すると、スロット数が90の場合、本発明
では29mまで基地局高を上げても空きスロットを確保
できる。単に干渉波が到来する時間のみで制御する比較
例と比べると最大2m程度の高さでも空きスロットを確
保することができ、本発明の有効性が確認できる。
【0087】なお、上記第1の実施の形態及び第2の実
施の形態では、使用するアレーアンテナの素子数が3の
場合について説明したが、必要に応じてアンテナの素子
数を変更してもよい。また、上記第1の実施の形態及び
第2の実施の形態では、既知信号と出力信号との誤差が
最小になるように指向性を制御するアルゴリズムとし
て、LMS法を用いているが、LMS法以外のMMSE
(Mininum mean square error)法を用いてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いると、
隣接基地局からの送信タイミングが非同期の場合におい
ても干渉を低減できるため、高所に基地局が設置できマ
イクロセルの通話エリアの拡大に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の移動通信基地局用アレーア
ンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の装置における空きスロット探索処理の内
容を示すフローチャートである。
【図3】受信される信号の例を示すタイムチャートであ
る。
【図4】受信される信号に含まれる干渉波が1つの場合
と2つの場合の信号を示す波形図である。
【図5】干渉波のレベルに応じたDU1Rの分布を示す
グラフである。
【図6】干渉波のレベルに応じたDU1Rの分布を示す
グラフである。
【図7】通信スロットを確保できる最大のアンテナ高を
示すグラフである。
【図8】図1の装置におけるアンテナの指向性制御系の
構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態の移動通信基地局用アレーア
ンテナ装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図10】図9の装置における空きスロット探索処理の
内容を示すフローチャートである。
【図11】受信される信号の例を示すタイムチャートで
ある。
【図12】通信スロットを確保できる最大のアンテナ高
を示すグラフである。
【図13】図1の装置が利用される環境における各基地
局の配置例を示す平面図である。
【図14】図1の装置が利用される環境における各基地
局の通話エリアの例を示す斜視図である。
【図15】図1の装置が受信する干渉波の経路の例を示
す斜視図である。
【図16】アンテナの指向特性と干渉波の到来方向の例
を示す平面図である。
【図17】図1の装置の各スロットと干渉波との相対的
なタイミングの例を示すタイムチャートである。
【図18】受信される信号の例を示すタイムチャートで
ある。
【図19】図18に示す信号に対する処理の内容を示す
模式図である。
【符号の説明】
11 送受信装置 12 アンテナ 13 受信装置 14 送信装置 15 A/D変換器 16 D/A変換器 17,18 振幅位相可変部 19,21 振幅位相制御部 30 フィルタ 50 LMS制御部 51,52,53 位相可変部 54,55,56,60,115 信号合成部 57,58,59 振幅位相可変部 110 受信レベル検出器 111 レベル判定部 112 レベル変動判定部 113 既知信号発生部 114 ロジック部 211 スロット遅延回路 212 受信レベル検出器 213 レベル判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 俊和 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器とを用い、前記振幅位相可変器を制御して前記ア
    ンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用ア
    レーアンテナの制御方法において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較して、受信された信号から該信
    号のレベルが前記干渉波識別レベル以上の期間の特定の
    信号成分を抽出し、 既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出された
    前記特定の信号成分とを合成した合成信号を生成し、 前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する振幅
    及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記振幅
    位相可変器に与えることを特徴とする移動通信基地局用
    アレーアンテナの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の移動通信基地局用アレー
    アンテナの制御方法において、単一のスロットの中で前
    記特定の信号成分が複数検出された場合には、それら複
    数の信号成分を抽出することを特徴とする移動通信基地
    局用アレーアンテナの制御方法。
  3. 【請求項3】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器とを用い、前記振幅位相可変器を制御して前記ア
    ンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用ア
    レーアンテナの制御方法において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較するとともに、前記信号のレベ
    ルが前記干渉波識別レベル以上の場合には、前記信号の
    レベルの変動幅を所定の複数干渉レベルと比較し、受信
    された信号から該信号のレベルが前記干渉波識別レベル
    以上で且つ変動幅が前記複数干渉レベル以上の期間の特
    定の信号成分を抽出し、 既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出された
    前記特定の信号成分とを合成した合成信号を生成し、 前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する振幅
    及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記振幅
    位相可変器に与えることを特徴とする移動通信基地局用
    アレーアンテナの制御方法。
  4. 【請求項4】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器とを用い、前記振幅位相可変器を制御して前記ア
    ンテナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用ア
    レーアンテナの制御方法において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較し、 前記信号のレベルが前記干渉波識別レベル以上の特定の
    スロットについては、前記特定のスロットに隣接する前
    スロットで第1の干渉波が発生した第1の時間と、前記
    特定のスロットに隣接する後スロットで第2の干渉波が
    消滅した第2の時間とを検出し、 前記特定のスロットの中で前記第1の干渉波が消滅する
    第3の時間を前記第1の時間から求め、 前記特定のスロットの中で前記第2の干渉波が発生する
    第4の時間を前記第2の時間から求め、 前記第3の時間と第4の時間との時間軸上の前後関係に
    基づいて、前記特定のスロットで受信された信号から特
    定の期間の信号成分を抽出し、 既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出された
    前記特定の期間の信号成分とを合成した合成信号を生成
    し、 前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小化する振幅
    及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値を前記振幅
    位相可変器に与えることを特徴とする移動通信基地局用
    アレーアンテナの制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の移動通信基地局用アレー
    アンテナの制御方法において、前記第4の時間が第3の
    時間より先行する場合には、前記第4の時間から第3の
    時間までの期間の信号成分を、前記特定の期間の信号成
    分として抽出することを特徴とする移動通信基地局用ア
    レーアンテナの制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の移動通信基地局用アレー
    アンテナの制御方法において、前記第3の時間が第4の
    時間より先行する場合には、前記特定のスロットの始ま
    りから前記第3の時間までの期間の信号成分と、前記第
    4の時間から前記特定のスロットの終わりまでの期間の
    信号成分とを、前記特定の期間の信号成分として抽出す
    ることを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナの
    制御方法。
  7. 【請求項7】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御して前記アン
    テナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用アレ
    ーアンテナ装置において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較して、受信された信号から該信
    号のレベルが前記干渉波識別レベル以上の期間の特定の
    信号成分を抽出し、既知信号と、前記アンテナアレーの
    素子毎に抽出された前記特定の信号成分とを合成した合
    成信号を生成し、前記合成信号と前記既知信号との誤差
    を最小化する振幅及び位相値を算出して、前記振幅及び
    位相値を前記振幅位相可変器に与える操作量算出手段を
    設けたことを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテ
    ナ装置。
  8. 【請求項8】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御して前記アン
    テナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用アレ
    ーアンテナ装置において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較するとともに、前記信号のレベ
    ルが前記干渉波識別レベル以上の場合には、前記信号の
    レベルの変動幅を所定の複数干渉レベルと比較し、受信
    された信号から該信号のレベルが前記干渉波識別レベル
    以上で且つ変動幅が前記複数干渉レベル以上の期間の特
    定の信号成分を抽出し、既知信号と、前記アンテナアレ
    ーの素子毎に抽出された前記特定の信号成分とを合成し
    た合成信号を生成し、前記合成信号と前記既知信号との
    誤差を最小化する振幅及び位相値を算出して、前記振幅
    及び位相値を前記振幅位相可変器に与える操作量算出手
    段を設けたことを特徴とする移動通信基地局用アレーア
    ンテナ装置。
  9. 【請求項9】 無線送受信部と、該無線送受信部に接続
    されたアンテナアレーと、該アンテナアレーを構成する
    各素子の信号について振幅及び位相を変更する振幅位相
    可変器を備え、前記振幅位相可変器を制御して前記アン
    テナアレーの指向特性を変更する移動通信基地局用アレ
    ーアンテナ装置において、 通信に利用される信号の時間軸上で区分されたそれぞれ
    のスロットについて、受信された信号のレベルを所定の
    干渉波識別レベルと比較し、前記信号のレベルが前記干
    渉波識別レベル以上の特定のスロットについては、前記
    特定のスロットに隣接する前スロットで第1の干渉波が
    発生した第1の時間と、前記特定のスロットに隣接する
    後スロットで第2の干渉波が消滅した第2の時間とを検
    出し、前記特定のスロットの中で前記第1の干渉波が消
    滅する第3の時間を前記第1の時間から求め、前記特定
    のスロットの中で前記第2の干渉波が発生する第4の時
    間を前記第2の時間から求め、前記第3の時間と第4の
    時間との時間軸上の前後関係に基づいて、前記特定のス
    ロットで受信された信号から特定の期間の信号成分を抽
    出し、既知信号と、前記アンテナアレーの素子毎に抽出
    された前記特定の期間の信号成分とを合成した合成信号
    を生成し、前記合成信号と前記既知信号との誤差を最小
    化する振幅及び位相値を算出して、前記振幅及び位相値
    を前記振幅位相可変器に与える操作量算出手段を設けた
    ことを特徴とする移動通信基地局用アレーアンテナ装
    置。
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