JP2002271234A - 干渉信号除去装置 - Google Patents

干渉信号除去装置

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JP2002271234A
JP2002271234A JP2001067601A JP2001067601A JP2002271234A JP 2002271234 A JP2002271234 A JP 2002271234A JP 2001067601 A JP2001067601 A JP 2001067601A JP 2001067601 A JP2001067601 A JP 2001067601A JP 2002271234 A JP2002271234 A JP 2002271234A
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号とを含
んだ入力信号から当該干渉信号を除去するに際して、比
較的大きいレベルを有する干渉信号のみを入力信号から
除去することにより干渉除去後の入力信号の品質を向上
させる干渉信号除去装置を提供する。 【解決手段】 例えば、入力信号制御手段1、2が入力
信号のデジタル値の有効語長を制限し、干渉信号推定手
段3が有効語長が制限された入力信号に基づいて入力信
号に含まれる干渉信号を推定し、干渉信号抽出手段4が
干渉信号推定手段3の推定結果に基づいて入力信号に含
まれる干渉信号を抽出し、干渉信号除去手段5が抽出さ
れる干渉信号を入力信号から除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域の希望信号
と狭帯域の干渉信号とを含んだ入力信号から当該干渉信
号を除去する干渉信号除去装置などに関し、特に、比較
的大きいレベルを有する干渉信号のみを入力信号から除
去することにより、干渉除去後の入力信号の品質を向上
させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば受信機により受信する受信信号に
は、受信を希望する信号(希望信号)と共に、当該希望
信号に干渉してしまう信号(干渉信号)が含まれる場合
がある。まず、IEEE802.11の無線LAN(Lo
cal Area Network)を例として、広帯域の希望信号と狭
帯域の干渉信号に関して説明する。
【0003】なお、「広帯域」や「狭帯域」という語は
相対的な意味で用いられており、具体的には、狭帯域干
渉信号の占有帯域幅と比較して十分にその占有帯域幅が
広い信号のことを広帯域信号と言い、例えば狭帯域干渉
信号の占有帯域幅の10倍以上の占有帯域幅を有する信
号のことを広帯域信号と言う。一例として、ここで説明
する無線LANでは、広帯域信号の占有帯域幅が例えば
26MHz(1波当たりの周波数)であり、狭帯域信号
の占有帯域幅が例えば2MHz(1波当たりの周波数)
である。
【0004】IEEE802.11の無線LANでは、
大別すると、直接拡散(DSSS:Direct Sequence Sp
read Spectrum)方式と周波数ホッピング(FHSS:F
requency Hopping Spread Spectrum)方式とが用いられ
ており、これらの変調波の違いから、DSSS方式によ
る信号を広帯域信号とみなす一方、FHSS方式による
信号を狭帯域信号とみなすことができる。そして、両方
式では同じ周波数帯域を使用して無線通信を行ってお
り、システム的に互いの干渉を許しているので、当然の
ことながら両方式による信号同士で干渉が発生する。
【0005】ここで、DSSS方式は、狭帯域の信号を
周波数拡散により広帯域の信号として通信(送信)を行
い、受信側では復調過程で当該信号を元の狭帯域の信号
に戻す通信方式である。このため、DSSS方式では、
受信信号に含まれる狭帯域干渉信号が復調過程で広帯域
信号に拡散されることにより、当該干渉信号を抑圧する
ことができる。このような拡散の前後の比率を拡散率と
言い、例えば拡散率が128である場合には約21dB
(正確には、10LOG128)の利得が得られること
になる。
【0006】一方、FHSS方式は、狭帯域の信号を、
特定時間毎にその送信周波数を変化させることにより広
帯域を利用して、通信する方式である。このため、FH
SS方式では、特定の時間を固定して見た場合の占有帯
域幅は例えば2MHzと狭くなり、DSSS方式の当該
帯域当たりの電力が相対的に低くなることから、FHS
S方式を採用した受信機の受信フィルタにより干渉の影
響を抑えることができる。
【0007】また、FHSS方式では、例えば別の通信
機が異なるホッピングパターンのFHSS方式により信
号の通信を行っている場合においても、同一の周波数を
同一の時刻に使用してしまう確率は低いため、これらの
間での干渉はほとんど問題とはならない。更に、FHS
S方式では、DSSS方式と比べて広い帯域を利用して
周波数ホッピングを行うことができるため、DSSS方
式から強い干渉が発生した場合においても、干渉を受け
ていない周波数帯域で信号受信を行うことが可能であ
る。
【0008】しかしながら、上記したDSSS方式で
は、信号伝送速度を高速にするために拡散率を下げる場
合がある。具体例として、拡散率が11に下げられた場
合には利得が約10dB(正確には、10LOG11)
に下がってしまい、また、それ以下の拡散率では更に利
得が低下してしまい、干渉信号の抑圧効果が得られなく
なってしまうことがある。また、例えばFHSS方式を
利用したBluetooth(ショートレンジモバイル
サービス)等の規格が携帯機器間の無線インタフェース
として広く使われ始めていることから、DSSS方式に
よる信号が干渉を受けてしまう確率が高まっている。
【0009】また、他の例として、W−CDMA(Wide
band-Code Division Multiple Access)方式の通信信号
とPHS(Personal Handyphone System)方式の通信信
号との間で隣接周波数帯域における干渉が発生してしま
うことや、2.4GHz帯の無線LAN(IEEE80
2.11)の広帯域信号とBluetoothの狭帯域
信号との間で干渉が発生してしまうことや、CDMA方
式の通信信号とTDMA(Time Division Multiple Acc
ess)方式やFDMA(Frequency Division Multiple A
ccess)方式の通信信号との間で周波数帯域の共用によ
る干渉が発生してしまうことや、予期せぬ外来波との干
渉が発生してしまうこと等が考えられる。
【0010】なお、上記のような干渉を除去する技術と
して、従来より、適応アルゴリズムを用いた干渉信号の
除去方法や、ノッチフィルタ等のフィルタを用いた干渉
信号の除去方法などが検討等されている。一例として、
「周波数帯域を共用するDS−CDMA/TDMA信号
一括受信機への複素マルチレートフィルタバンクの応用
(電子情報通信学会論文誌B−II Vol.J80−
BII No12 1997年12月)」には、マルチ
レートフィルタバンクを用いたノッチフィルタにより、
広帯域信号に干渉した狭帯域信号を除去する技術が記載
されている。しかしながら、この技術では、狭帯域信号
を除去する際に希望波である広帯域信号の成分もフィル
タにより除去してしまうため、干渉波除去後のビット誤
り率が劣化してしまうといった問題がある。
【0011】次に、従来例に係る干渉信号除去装置の一
例を示す。なお、干渉信号除去装置は例えば無線通信を
行う受信機に設けられ、当該受信機により受信される信
号に含まれる干渉信号を除去する。図17には、干渉信
号除去装置の一例を示してあり、この装置には、干渉信
号推定部141と、干渉信号抽出部142と、合成器1
43とが備えられている。なお、ここで、tは時刻を示
す。
【0012】干渉信号推定部141は、広帯域の希望信
号と複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)及び干渉除去後の受信信号e(t)を入力して、
一般的な適応アルゴリズムを用いて当該受信信号r
(t)に含まれる干渉信号を推定し、当該推定結果に基
づく干渉信号推定係数h(t+1)を干渉信号抽出部1
42へ出力する。干渉信号抽出部142は、受信信号r
(t)を入力して、干渉信号推定部141から入力され
る干渉信号推定係数h(t+1)に基づいて当該受信信
号r(t)から干渉信号(とみなされるもの)V(t)
を抽出し、当該干渉信号V(t)を合成器143へ出力
する。
【0013】合成器143は、受信信号r(t)と干渉
信号抽出部142からの干渉信号V(t)とを逆位相で
(つまり、干渉信号V(t)が受信信号r(t)から除
去されるように)合成して、干渉信号V(t)が除去さ
れた後の受信信号e(t)を出力する。なお、合成器1
43から出力される干渉除去後の受信信号e(t)の一
部は上記した干渉信号推定部141に入力されて、干渉
信号の推定に用いられる。
【0014】次に、CDMA方式や、CDMA方式にお
ける干渉信号除去装置の例を示す。例えばDS−CDM
A方式を用いた移動通信システムでは、各移動局装置に
異なる拡散符号を割り当てることで複数の移動局装置と
基地局装置との多重通信を実現している。具体的には、
各移動局装置では送信対象となる信号を自己に割り当て
られた拡散符号により拡散変調して送信する一方、基地
局装置では各移動局装置に割り当てられた拡散符号を用
いて受信信号を逆拡散することで希望の移動局装置から
の信号を復調する。また、同様に、移動局装置では基地
局装置からの受信信号を自己に割り当てられた拡散符号
により逆拡散することで自己宛の信号を復調する。
【0015】図18には、例えばPN(疑似雑音信号)
系列から構成された拡散符号系列の一例を示してある。
同図に示されるように、1単位(1シンボル分)の拡散
符号は複数のチップデータ(例えば”1”値と”−1”
値の並び)から構成されており、このチップデータの並
びのパターンを異ならせることにより複数の異なる拡散
符号を生成することができる。ここで、拡散符号は、例
えば或る拡散符号を1チップ時間以上ずらすと当該拡散
符号との相関がなくなるといった特性を有している。
【0016】また、同図には、1つのチップデータの時
間幅(チップ区間Tc)と1シンボル分の拡散符号の時
間幅(ビット区間T)とを示してある。ここで、1シン
ボル分の拡散符号の時間幅は、送信機(例えば移動局装
置や基地局装置)から受信機(例えば基地局装置や移動
局装置)へ送信する送信データ(例えば”1”値と”
0”値)の時間幅と対応している。すなわち、拡散符号
を構成するチップデータの変化速度は、当該拡散符号に
より拡散変調される送信データの切換速度(シンボル切
換速度)に比べて非常に速い速度となっている。
【0017】上述のように、このような無線通信では、
周波数の利用を許可されて通信に用いている広帯域の周
波数帯域内に、意図に反して他の(すなわち、CDMA
方式以外の)狭帯域信号等が入り混じって干渉を生じさ
せてしまう場合がある。このような干渉信号が例えばシ
ステム設計時に想定していた雑音等による妨害の程度よ
り大きい場合には、ビット誤りが増大して、受信機での
受信品質が著しく劣化してしまうことが生じる。
【0018】また、上述のように、例えば周波数帯域の
有効利用を目的として、CDMA方式のように比較的広
い周波数帯域を用いて通信する方式とFM(周波数変
調)方式等のように狭帯域を用いて通信する方式とによ
り多重通信を実現することも考えられる。具体的には、
例えばCDMA方式による拡散信号の周波数帯域にFM
方式等のアナログ通信方式による信号を多重して周波数
帯域の有効利用を図ることが原理的には可能である。し
かしながら、もしもCDMA受信機が受信信号からFM
方式等による信号を除去できないとすると、当該信号と
拡散信号とが互いに干渉してしまうため、ビット誤りが
増加し、受信品質の劣化を招いてしまう。
【0019】なお、図19には、CDMA方式による拡
散信号(CDMA信号)とFM方式による信号(FM干
渉波)とを含む受信信号のスペクトルの一例を示してあ
り、横軸は周波数を示し、縦軸はスペクトル強度を示し
ている。
【0020】以下で、図20〜図24を参照して、例え
ば特願平11−197296号公報に記載された干渉信
号除去装置(干渉除去回路)の例を示す。なお、この文
献に記載された干渉信号除去装置は、例えばCDMA方
式を採用する基地局装置や移動局装置や中継局装置等に
設けられ、CDMA方式により拡散変調された広帯域の
拡散信号と狭帯域の干渉信号とを含む受信信号や受信信
号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去するもの
であり、特に、拡散信号の特性を利用して干渉信号を除
去するものである。
【0021】図20には、CDMA信号(希望信号)と
FM信号(干渉信号)とを含む受信信号を入力して、当
該入力信号r(t)から当該FM信号を除去する干渉信
号除去装置の一例を示してある。この干渉信号除去装置
では、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干
渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を除去するに
際して、時間差手段151が受信信号を分配して得られ
る2つの信号間に拡散符号の1チップ分以上の時間差を
与え、抽出手段152、154が時間差を与えた2つの
信号間で相関のある信号成分を干渉信号成分として抽出
し、除去手段153が抽出した干渉信号成分を受信信号
から除去する。
【0022】具体的には、同図に示した干渉除去装置に
は、受信信号を遅延させる遅延素子151と、後述する
フィルタタップ係数演算制御部154からのタップ係数
制御信号に従って遅延した受信信号から干渉信号成分を
抽出する適応フィルタ152と、受信信号から当該干渉
信号成分を除去する減算器153と、減算器153から
の出力信号と遅延した受信信号とに基づくタップ係数制
御信号を適応フィルタ152へ出力するフィルタタップ
係数演算制御部154とが備えられている。
【0023】同図に示した回路の構成例及び動作例を説
明する。この回路には受信機により受信した信号r
(t)が入力され、この入力信号r(t)には、例えば
CDMA方式により拡散変調された拡散信号と狭帯域を
用いた通信方式による干渉信号(例えばFM変調信号)
が含まれている。ここで、tは時刻を示しており、本例
では1サンプル時間を最小単位とする整数の離散値であ
るとする。
【0024】上記した入力信号r(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子151に入力
される一方、他方の信号が減算器153に入力される。
遅延素子151は入力した信号を拡散符号の1チップ分
の時間幅以上遅延させて出力する機能を有している。な
お、この時間差としては、例えば当該2つの信号間で拡
散信号の相関成分をなくすことができ、且つ、除去しよ
うとする干渉信号の相関成分を残すことができる程度の
値に予め設定されている。
【0025】具体的には、遅延素子151から出力され
る信号はr(t−τ)と表され、ここで、τは遅延素子
151により与えられる遅延時間である。遅延素子15
1から出力される信号r(t−τ)は適応フィルタ15
2及びフィルタタップ係数演算制御部154に入力され
る。
【0026】ここで、図21には、適応フィルタ152
の構成例を示してある。同図に示した適応フィルタ15
2には、例えば直列に並べられた(n−1)個の記憶素
子S1〜Sn-1から構成されるシフトレジスタと、n個の
乗算器J1〜Jnと、(n−1)個の加算器K1〜Kn-1と
が備えられている。なお、nはフィルタタップ数であ
る。
【0027】シフトレジスタには遅延素子151から出
力される信号r(t−τ)が入力され、この信号が複数
の記憶素子S1〜Sn-1に時系列的に格納される。また、
各記憶素子S1〜Sn-1に格納される信号は順次後続する
記憶素子へシフトされていく。具体的に、例えばシフト
レジスタに入力される信号r(t−τ)の当該シフトレ
ジスタ内における系列u(t)は式1で示される。ここ
で、u(t)はベクトルである。なお、本明細書では、
信号等を表すものとして用いる記号がベクトルである旨
や行列である旨を示さない場合には、当該記号はスカラ
ーであるとする。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、信号r1は或る時刻にシフトレジ
スタに入力される信号であり、いずれの記憶素子S1〜
Sn-1も通過せずに乗算器J1へ出力される信号である。
また、信号r2〜rnはそれぞれ当該時刻に各記憶素子
S1〜Sn-1から出力される信号であり、それぞれ各乗算
器J2〜Jnへ出力される信号である。
【0030】各乗算器J1〜Jnにはそれぞれ上記した各
信号r1〜rnが入力されるとともに、後述するフィル
タタップ係数演算制御部154からの各タップ係数制御
信号h1〜hnが入力され、各乗算器J1〜Jnでは入力
した2つの信号を乗算して(すなわち、各信号r1〜r
nを各タップ係数制御信号h1〜hnで重み付けして)
当該乗算結果を加算器K1〜Kn-1へ出力する。ここで、
フィルタタップ係数演算制御部154から出力されるフ
ィルタタップ係数系列h(t)は式2で示される。な
お、h(t)はベクトルである。
【0031】
【数2】
【0032】また、各乗算器J1〜Jnから出力される乗
算結果は加算器K1〜Kn-1により総和され、当該総和結
果が適応フィルタ152から出力される。ここで、後述
するように本例のフィルタタップ係数系列h(t)は、
当該総和結果が受信信号中に含まれる干渉信号成分と同
じ信号となるように、フィルタタップ係数演算制御部1
54により逐次更新される。具体的に、適応フィルタ1
52から出力される信号(すなわち、上記した総和結
果)FM(t)は式3で示される。ここで、式3中のΣ
は和を表している。
【0033】
【数3】
【0034】なお、本明細書で用いる記号“*”は、当
該記号の前後に配置される記号同士の乗算を示し、特
に、ベクトル同士の乗算は、2つのベクトルの内積値を
算出する演算を表している。
【0035】上記のようにして適応フィルタ152で
は、フィルタタップ係数演算制御部154からのタップ
係数制御信号に応じて、入力した遅延信号r(t−τ)
から上記した干渉信号成分を抽出し、干渉波抽出信号F
M(t)として減算器153へ出力する。
【0036】減算器153は遅延していない入力信号r
(t)と適応フィルタ152からの出力信号FM(t)
とを入力し、当該入力信号r(t)から当該出力信号F
M(t)を減算して当該減算結果e(t)を出力する機
能を有している。ここで、上記した減算結果e(t)は
本例の干渉信号除去装置から出力される信号であり、式
4で示される。
【0037】
【数4】
【0038】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部154からのタップ係数制御信号が逐次更新さ
れることで、上記した干渉波抽出信号FM(t)が受信
信号中の干渉信号と同じ信号となるため、上記した減算
結果e(t)は受信信号から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号(理想的に
は、当該拡散信号のみ)となる。
【0039】フィルタタップ係数演算制御部154には
遅延素子151から出力される信号r(t−τ)と減算
器153から出力される信号e(t)とが入力され、フ
ィルタタップ係数演算制御部154はこれらの信号を用
いて、適応フィルタ152から出力される信号FM
(t)が干渉信号成分と同じ信号になるようなタップ係
数制御信号を演算し、演算したタップ係数制御信号を適
応フィルタ152へ出力する機能を有している。
【0040】本例のフィルタタップ係数演算制御部15
4では例えばLMS(Least Mean Square)やRLS(R
ecursive Least Square)等のアルゴリズムを用いて上
記したタップ係数制御信号を演算することができ、本例
では一例として、LMSアルゴリズムを用いた場合を説
明し、また、RLSアルゴリズムを用いた場合について
も後述する。まず、LMSの一般式を説明する。LMS
の更新式は一般に式5で示される。
【0041】
【数5】
【0042】ここで、h(t)は時刻tにおけるフィル
タタップ係数系列であり、μは収束の時間や精度に関係
する係数(重み付け係数)であるステップサイズパラメ
ータであり、e(t)は時刻tにおけるエラー信号であ
り、u(t)は時刻tにおける入力信号系列である。ま
た、上記したエラー信号e(t)は一般には式6で示さ
れる。
【0043】
【数6】
【0044】ここで、d(t)は通常ユニークワードや
トレーニング信号と呼ばれるものであり、送信側と受信
側とで予め定められた既知の信号が用いられる。上記式
5や式6を用いた演算アルゴリズムでは、フィルタタッ
プ係数系列を逐次更新することで、エラー信号e(t)
を0に収束させることができる。
【0045】次に、上記のLMSアルゴリズムを本例に
当てはめた場合を説明する。上記した式5を本例の場合
に当てはめると、h(t)はフィルタタップ係数演算制
御部154から適応フィルタ152へ出力されるフィル
タタップ係数系列であり、u(t)は遅延素子151か
らフィルタタップ係数演算制御部154へ出力される信
号系列(上記式1に示したもの)である。また、本例で
は、上記したエラー信号e(t)として減算器153か
ら出力される信号(上記式4に示したもの)を用いてお
り、これが本例の干渉除去回路における特徴点となって
おり、通常のLMSアルゴリズムとは異なる処理となっ
ている。
【0046】まず、仮に、遅延素子151が備えられて
いない場合を考えると、上記した演算アルゴリズムはエ
ラー信号e(t)を0に近づけるため、減算器153か
ら出力される信号e(t)は0に収束し、受信信号中の
干渉信号ばかりでなくCDMA方式による拡散信号まで
をも除去するフィルタタップ係数系列h(t)が生成さ
れてしまう。
【0047】一方、本例では上記した遅延素子151が
備えられているため、遅延素子151からフィルタタッ
プ係数演算制御部154に入力される信号r(t−τ)
と減算器153を介してフィルタタップ係数演算制御部
154に入力される信号e(t)との間には遅延時間τ
の時間差がある。
【0048】ここで、例えばCDMA方式による拡散信
号r(t)と当該信号に比べて1チップ時間以上遅延し
た拡散信号r(t−τ)とは無相関の信号となるため、
上記した演算アルゴリズムではエラー信号e(t)を0
に収束させようとする場合に、u(t)の拡散信号成分
はr(t)と無相関になっていることから誤差e(t)
となって残る。つまり、上記式4において、入力信号系
列u(t)を加え続けると拡散信号成分の影響は理論的
に0となるため、当該拡散信号成分が除去されずに誤差
e(t)となって残ることになる。一方、チップデータ
に比べて時間的に緩やかに変動する干渉信号成分は例え
ば数チップ時間程度の遅延があっても相関を有するた
め、当該干渉信号成分のみを受信信号から除去すること
ができるフィルタタップ係数系列h(t)が生成され
る。
【0049】すなわち、本例に適用した上記の演算アル
ゴリズムでは、u(t)とe(t)とで相関のある成分
(すなわち、干渉信号成分)を適応フィルタ152から
の出力信号中に残す一方、相関のない成分(すなわち、
拡散信号成分)については適応フィルタ152からの出
力信号中に残さないようなフィルタタップ係数系列h
(t)を生成することができる。このような演算アルゴ
リズムにより、本例の適応フィルタ152では受信信号
中の干渉信号成分のみを抽出して減算器153へ出力す
ることができ、減算器153では受信信号から干渉信号
成分のみを除去した信号(すなわち、CDMA方式によ
る拡散信号)を出力することができる。
【0050】以上のように、上記図20に示した干渉信
号除去装置では、拡散信号の特性を利用することで、C
DMA方式により拡散変調された広帯域の拡散信号と狭
帯域の干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を適
応的に除去することができ、これにより、受信品質の劣
化を防ぎ、受信品質を向上させることができる。
【0051】なお、上記図20では、減算器153から
出力される信号を遅延させない構成を示したが、例えば
図22に示すように減算器163に入力される受信信号
を遅延素子161により遅延させる一方、適応フィルタ
162やフィルタタップ係数演算制御部164に入力さ
れる受信信号を遅延させないような構成によっても上記
と同様な効果を得ることができる。ここで、図22に示
した構成は、遅延素子161が減算器163側に備えら
れているといった点を除いては、上記図20に示した構
成とほぼ同様である。
【0052】また、上記したLMSアルゴリズム以外の
アルゴリズムを用いて上記と同様な干渉除去の効果を得
ることもでき、一例として、上記図20に示した構成に
おいてRLSアルゴリズムを用いた場合の更新式の具体
例を示しておく。なお、以下では、説明の便宜上から、
上記したu(t)やh(t)やe(t)やd(t)やr
(t)に相当するものについては同じ符号を用いて示
す。
【0053】例えば、上記式1で示したu(t)と同様
な成分から成るn行1列のベクトルを入力系列u(t)
とし、上記式2で示したh(t)と同様にn個のフィル
タタップ係数から成るn行1列のベクトルをフィルタタ
ップ係数系列h(t)とする。また、上記式6に示した
エラー信号e(t)に相当するものとして、RLSにお
けるエラー信号e(t)は式7で示される。なお、uT
(t)はu(t)を転置したものを示す。
【0054】
【数7】
【0055】ここで、本例では、d(t)としては例え
ば減算器153に入力される受信信号r(t)が用いら
れ、また、上記式7中のuT(t)*h(t)が適応フ
ィルタ152から出力される干渉波抽出信号に相当す
る。すなわち、上記したLMSアルゴリズムを用いた場
合と同様に、上記式7に示したエラー信号e(t)とし
ては減算器153から出力される信号が用いられ、これ
が本例の特徴点となっている。なお、上記したLMSア
ルゴリズムを用いた場合と同様に、遅延素子151が備
えられていない場合にはエラー信号e(t)は0に収束
する。
【0056】また、例えばn行n列の行列である係数誤
差相関行列P(t)及びn行1列のベクトルであるゲイ
ンベクトルk(t)を用いて、RLSの更新式は式8〜
式10で示される。
【0057】
【数8】
【0058】
【数9】
【0059】
【数10】
【0060】また、上記したフィルタタップ係数系列h
(t)の初期値h(0)としては例えば式11に示すよ
うにゼロベクトルが用いられ、上記した係数誤差相関行
列P(t)の初期値P(0)としては例えば式12に示
すように行数と列数とが一致する対角要素が全て正の実
数cであってそれ以外の要素が0である行列が用いられ
る。なお、hT(0)はh(0)を転置したものを示
す。また、式12中のIは行数と列数とが一致する対角
要素が全て1であってそれ以外の要素が0であるn行n
列の行列を示す。
【0061】
【数11】
【0062】
【数12】
【0063】以上に示したRLSの更新式に従ってフィ
ルタタップ係数演算制御部154がフィルタタップ係数
系列h(t)を順次更新することで、例えば上記したL
MSアルゴリズムを用いた場合と同様に、適応フィルタ
152から出力される信号を次第に実際の干渉信号成分
に近づけることができ、これにより、CDMA方式によ
り拡散変調された広帯域の拡散信号と狭帯域の干渉信号
とを含む受信信号から当該干渉信号を除去することがで
きる。
【0064】次に、図23には、CDMA信号(希望信
号)とFM信号(干渉信号)とを含む受信信号のI成分
及びQ成分を入力して、当該I成分rI(t)及び当該
Q成分rQ(t)から当該FM信号を除去する干渉信号
除去装置の一例を示してある。この干渉信号除去装置で
は、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉
信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉
信号を除去するに際して、時間差手段171a、171
bがI成分を分配して得られる2つの信号間及びQ成分
を分配して得られる2つの信号間に拡散符号の1チップ
分以上の時間差を与え、抽出手段172a、172b、
173a、173bが時間差を与えた一方のI成分及び
Q成分から成る受信信号と他方のI成分及びQ成分から
成る受信信号との間で相関のある信号成分を干渉信号成
分として当該干渉信号成分のI成分及びQ成分を抽出
し、除去手段174a、174b、175a、175b
が抽出した干渉信号成分のI成分を受信信号のI成分か
ら除去するとともに抽出した干渉信号成分のQ成分を受
信信号のQ成分から除去する。
【0065】具体的には、同図に示した干渉信号除去装
置には、受信信号から直交検波されたI相の信号(I成
分)を遅延させる遅延素子171aと、受信信号から直
交検波されたQ相の信号(Q成分)を遅延させる遅延素
子171bと、後述するフィルタタップ係数演算制御部
176からのタップ係数制御信号に従って遅延したI成
分やQ成分から干渉信号成分を抽出する4つの適応フィ
ルタ172a、172b、173a、173bと、干渉
信号成分のI成分を加算する加算器174aと、干渉信
号成分のQ成分を加算する加算器174bと、受信信号
のI成分から干渉信号成分のI成分を除去する減算器1
75aと、受信信号のQ成分から干渉信号成分のQ成分
を除去する減算器175bと、減算器175a、175
bからの出力信号と遅延した受信信号のI成分及びQ成
分とに基づくタップ係数制御信号を適応フィルタ172
a、172b、172a、172bへ出力するフィルタ
タップ係数演算制御部176とが備えられている。
【0066】同図に示した回路の構成例及び動作例を説
明する。この回路には受信機により受信信号から直交検
波されたI成分rI(t)及びQ成分rQ(t)が入力
され、この入力信号rI(t)、rQ(t)には、例え
ばCDMA方式により拡散変調された広帯域の拡散信号
と狭帯域を用いた通信方式による干渉信号(例えばFM
変調信号)が含まれている。ここで、上記図20を用い
て説明した場合と同様に、tは時刻を示しており、本例
では1サンプル時間を最小単位とする整数の離散値であ
るとする。
【0067】上記したI成分rI(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子171aに入
力される一方、他方の信号が減算器175aに入力され
る。同様に、上記したQ成分rQ(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子171bに入
力される一方、他方の信号が減算器175bに入力され
る。
【0068】各遅延素子171a、171bは、例えば
上記図20に示した遅延素子151と同様に、入力した
信号を拡散符号の1チップ分の時間幅以上遅延させて出
力する機能を有している。なお、2つの遅延素子171
a、171bでは同じ遅延時間を与えている。また、上
記図20を用いて説明した場合と同様に、具体的には、
遅延素子171aから出力されるI成分の信号はrI
(t−τ)と表され、遅延素子171bから出力される
Q成分の信号はrQ(t−τ)と表される。ここで、τ
は遅延素子171a、171bにより与えられる遅延時
間である。
【0069】遅延素子171aから出力される信号rI
(t−τ)は2つの適応フィルタ172a、173a及
びフィルタタップ係数演算制御部176に入力され、遅
延素子171bから出力される信号rQ(t−τ)は2
つの適応フィルタ172b、173b及びフィルタタッ
プ係数演算制御部176に入力される。
【0070】各適応フィルタ172a、172b、17
3a、173bの構成は、例えば上記図21に示したも
のと同様である。ここで、本例で4つの適応フィルタ1
72a、172b、173a、173bを備えているの
はI相及びQ相の複素演算を行うためであり、具体的に
は、受信信号のI成分及びQ成分のそれぞれの中に干渉
信号成分のI成分とQ成分との両方が含まれるためであ
る。また、本例では、I相とQ相との2種類のフィルタ
タップ係数系列hI(t)、hQ(t)が用いられる。
なお、hI(t)及びhQ(t)はベクトルである。
【0071】具体的に、本例では、適応フィルタ172
aが入力した受信信号のI成分rI(t−τ)から干渉
信号成分のI成分を抽出し、適応フィルタ173aが入
力した受信信号のI成分rI(t−τ)から干渉信号成
分のQ成分を抽出し、適応フィルタ172bが入力した
受信信号のQ成分rQ(t−τ)から干渉信号成分のQ
成分を抽出し、適応フィルタ173bが入力した受信信
号のQ成分rQ(t−τ)から干渉信号成分のI成分を
抽出することができるようなフィルタタップ係数系列h
I(t)、hQ(t)が後述するフィルタタップ係数演
算制御部176により生成される。
【0072】加算器174aは2つの適応フィルタ17
2a、173bから出力される信号を加算して減算器1
75aへ出力する機能を有しており、減算器175aへ
出力される当該加算結果は受信信号のI成分中の干渉信
号成分(すなわち、干渉信号成分のI成分)FMI
(t)となる。なお、本例では、加算器174aが一方
の適応フィルタ173bから出力される信号の正負を反
転させて上記した加算を行うこととしたが、このような
正負の反転が例えば上記した適応フィルタ173bや後
述するフィルタタップ係数演算制御部176により行わ
れる場合には、加算器172aでは上記のような正負の
反転は行われなくてよい。
【0073】加算器174bは2つの適応フィルタ17
2b、172aから出力される信号を加算して減算器1
75bへ出力する機能を有しており、減算器175bへ
出力される当該加算結果は受信信号のQ成分中の干渉信
号成分(すなわち、干渉信号成分のQ成分)FMQ
(t)となる。
【0074】ここで、上記した加算器174aから出力
される干渉信号成分のI成分FMI(t)は式13で示
され、上記した加算器174bから出力される干渉信号
成分のQ成分FMQ(t)は式14で示される。なお、
式13及び式14中のuI(t)及びuQ(t)はベク
トルであり、これらuI(t)及びuQ(t)は例えば
上記図20を用いた説明中において式1で示したu
(t)のI成分及びQ成分に相当している。
【0075】
【数13】
【0076】
【数14】
【0077】減算器175aは遅延していないI成分の
入力信号rI(t)と加算器175aからの出力信号F
MI(t)とを入力し、当該入力信号rI(t)から当
該出力信号FMI(t)を減算して当該減算結果eI
(t)を出力する機能を有している。同様に、減算器1
75bは遅延していないQ成分の入力信号rQ(t)と
加算器174bからの出力信号FMQ(t)とを入力
し、当該入力信号rQ(t)から当該出力信号FMQ
(t)を減算して当該減算結果eQ(t)を出力する機
能を有している。ここで、上記した減算結果eI
(t)、eQ(t)は本例の干渉信号除去装置から出力
される信号である。
【0078】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部176からのタップ係数制御信号が逐次更新さ
れることで、上記したI成分及びQ成分の干渉波抽出信
号FMI(t)、FMQ(t)がそれぞれ受信信号のI
成分及びQ成分中の干渉信号と同じ信号となるため、上
記した減算結果eI(t)、eQ(t)はそれぞれ受信
信号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号(理想的に
は、当該拡散信号のみ)となる。
【0079】フィルタタップ係数演算制御部176には
2つの遅延素子171a、171bから出力される信号
rI(t−τ)、rQ(t−τ)と2つの減算器175
a、175bから出力される信号eI(t)、eQ
(t)とが入力され、フィルタタップ係数演算制御部1
76はこれらの信号を用いて、各適応フィルタ172
a、172b、173a、173bから出力される信号
が上記したような干渉信号成分となるようなタップ係数
制御信号を演算してそれぞれの適応フィルタ172a、
172b、173a、173bへ出力する機能を有して
いる。なお、本例では、例えば2つの適応フィルタ17
2a、172bへ同じタップ係数制御信号が出力される
一方、残りの2つの適応フィルタ173a、173bへ
同じタップ係数制御信号が出力されることで、上記式1
3や上記式14で示した干渉信号成分FMI(t)、F
MQ(t)が生成されるように設定してある。
【0080】本例のフィルタタップ係数演算制御部17
6では、例えば上記図20を用いた説明において示した
LMSの複素演算用のアルゴリズムを用いてタップ係数
制御信号を演算している。なお、このアルゴリズムにお
けるLMSの更新式は式15及び式16で示される。
【0081】
【数15】
【0082】
【数16】
【0083】ここで、hI(t)やhQ(t)は時刻t
におけるフィルタタップ係数系列であり、μは収束の時
間や精度に関係する係数であるステップサイズパラメー
タであり、uI(t)やuQ(t)は上記のようにそれ
ぞれ適応フィルタ172a、173aのシフトレジスタ
内や適応フィルタ172b、173bのシフトレジスタ
内における入力信号系列である。また、上記図20を用
いて説明した場合と同様に、eI(t)やeQ(t)と
しては、それぞれ減算器175aや減算器175bから
出力される信号を用いている。なお、uI(t)及びu
Q(t)は上記したようにベクトルである。
【0084】本例では、上記図20を用いて説明した場
合と同様に、上記のような演算アルゴリズムによりフィ
ルタタップ係数系列hI(t)、hQ(t)を順次更新
していくことで、拡散信号成分についてはその無相関性
により除去されず、且つ、比較的相関性のある干渉信号
成分を除去することができるフィルタタップ係数系列h
I(t)、hQ(t)を生成することができる。また、
本例では、フィルタタップ係数系列hI(t)、hQ
(t)を演算するに際してI成分及びQ成分の両方を考
慮しているため、干渉除去の精度を更に向上させること
ができる。
【0085】以上のように、上記図23に示した干渉信
号除去装置では、拡散信号の特性を利用することで、C
DMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉信号と
を含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を
除去することができ、これにより、受信品質の劣化を防
ぎ、受信品質を向上させることができる。
【0086】なお、上記図23では、上記図20を用い
て説明した場合と同様に、減算器175a、175bか
ら出力される信号を遅延させない構成を示したが、例え
ば図24に示すように減算器185a、185bに入力
される受信信号を遅延素子181a、181bにより遅
延させる一方、適応フィルタ182a、182b、18
3a、183bやフィルタタップ係数演算制御部186
に入力される受信信号を遅延させないような構成によっ
ても上記と同様な効果を得ることができる。ここで、図
24に示した構成は、遅延素子181a、181bが減
算器185a、185b側に備えられているといった点
を除いては、上記図23に示した構成とほぼ同様であ
り、以上に示した構成部分と共に加算器184a、18
4bも備えられている。
【0087】また、例えば上記図20を用いて説明した
場合と同様に、上記した複素演算用のLMSアルゴリズ
ム以外のアルゴリズムを用いて上記と同様な干渉除去の
効果を得ることもでき、一例として、上記図23に示し
た構成において複素演算用のRLSアルゴリズムを用い
た場合について示しておく。なお、以下では、説明の便
宜上から、上記したuI(t)及びuQ(t)やhI
(t)及びhQ(t)やeI(t)及びeQ(t)やr
I(t)及びrQ(t)に相当するものについては同じ
符号を用いて示す。
【0088】複素演算用のRLSアルゴリズムでは、例
えば上記式7〜上記式10で示したu(t)やh(t)
やe(t)やk(t)やP(t)等の全てのパラメータ
が複素数の要素から構成される。ここで、γ及びωを実
数として、虚数部を表す記号としてjを用いると、任意
の複素数要素は(γ+jω)と表される。そして、複素
演算用のRLSアルゴリズムでは、例えば上記した各パ
ラメータの実数部と虚数部とを分離してそれぞれI成分
のパラメータ及びQ成分のパラメータとして用いること
で、上記図20を用いた説明において示したような逐次
更新処理を複素演算において実現する。
【0089】なお、具体的に本例の場合には、例えばu
(t)の実数部をuI(t)とするとともに虚数部をu
Q(t)とし、h(t)の実数部をhI(t)とすると
ともに虚数部をhQ(t)とし、e(t)の実数部をe
I(t)とするとともに虚数部をeQ(t)とする等し
て、受信信号のI成分rI(t)及びQ成分rQ(t)
から干渉信号成分を除去する処理が行われる。
【0090】以上に示したように、例えば複素演算用の
RLSアルゴリズムを用いた場合においても、上記した
複素演算用のLMSアルゴリズムを用いた場合と同様
に、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉
信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉
信号を除去することができる。
【0091】また、移動体通信で用いられる受信装置で
は、一般に、ダイバーシチ受信機が用いられており、こ
のようなダイバーシチ受信機を干渉信号の存在が想定さ
れる環境下で利用する場合には、例えば図25に示され
るように、ダイバーシチ受信機193の各ブランチに干
渉信号除去装置191、192を挿入して使用すること
が行われる。
【0092】具体的には、同図に示したダイバーシチ受
信装置は、2つのブランチを有したダイバーシチ受信機
193と、これら2つのブランチの信号のそれぞれに対
して干渉信号の除去を行う2つの干渉信号除去装置19
1、192とから構成されている。なお、各ブランチの
信号としては、例えば各ブランチ毎に対応して備えられ
た異なるアンテナにより受信された信号が入力される。
【0093】第1の干渉信号除去装置191は、ダイバ
ーシチ受信機193が有する第1のブランチの入力端に
備えられており、第1のブランチに入力される受信信号
1に含まれる干渉信号を除去して、当該干渉除去後の受
信信号1を当該入力端へ出力する。同様に、第2の干渉
信号除去装置192は、ダイバーシチ受信機193が有
する第2のブランチの入力端に備えられており、第2の
ブランチに入力される受信信号2に含まれる干渉信号を
除去して、当該干渉除去後の受信信号2を当該入力端へ
出力する。
【0094】ダイバーシチ受信機193は、第1のブラ
ンチの入力端から入力される受信信号1と第2のブラン
チの入力端から入力される受信信号2とで信号レベルの
大きさ等を比較した結果に基づいて、例えば2つの受信
信号(受信信号1及び受信信号2)の内でいずれか一方
の受信信号を選択して受信処理することや、或いは、2
つの受信信号を適当な比率で合成して当該合成結果を採
用して受信処理することを行う。このようなダイバーシ
チ受信を行うと、2つの受信信号の内のいずれかにフェ
ージング等の干渉が生じてしまう場合においても、高い
受信品質を保証することができる。
【0095】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記従来例で
示したような干渉信号除去装置により干渉除去を行った
場合の様子を具体的に示す。図26には、干渉信号が除
去される前における受信信号のスペクトルの一例を示し
てあり、この受信信号としてはCDMA信号に2波のF
M信号が干渉したものを示してある。なお、同図中や後
述する図27中や後述する図28中のグラフの横軸は周
波数(MHz)を示しており、縦軸は信号のスペクトル
強度を示している。
【0096】また、図27には、上記図26に示した受
信信号を例えば上記図20に示したような干渉信号除去
装置に入力して、当該干渉信号除去装置により当該受信
信号に含まれる干渉信号(ここでは、2波のFM信号)
を除去した直後(干渉信号除去処理の操作の開始直後)
における(当該干渉信号除去装置からの)出力信号のス
ペクトルの一例を示してある。図27に示されるよう
に、干渉信号除去処理の開始直後において干渉信号除去
装置から出力される信号では、干渉信号の周波数の近傍
に位置するCDMA信号の周波数成分も同時に除去され
ていることがわかる。ここで、このような不具合が生じ
る理由としては、受信信号から適応フィルタが干渉信号
を抽出する際に同時にCDMA信号も抽出し、干渉信号
の除去と同時にCDMA信号成分も除去することによ
る。これは、受信信号から干渉信号成分を抽出し除去を
行う適応フィルタ方式においては干渉信号電力の大小に
関わらず必ず起こる現象であり、この結果として干渉除
去後の受信信号のビット誤り率が劣化してしまうという
問題が起こっていた。
【0097】さらに、上記従来例で示したような干渉信
号除去装置では、干渉信号除去処理を開始した後にその
まま当該処理を続けていくと、次第に受信信号中のCD
MA信号成分までも減衰させてしまい、このような減衰
が時間の経過と共に進行していってしまうといった不具
合があった。
【0098】具体的に、図28には、上記図27に示し
た状態から干渉信号除去処理をしばらくの時間継続した
場合における(干渉信号除去装置からの)出力信号のス
ペクトルの一例を示してある。図28に示されるよう
に、干渉信号除去処理を開始してからしばらくの時間が
経過すると、前記出力信号中に残されるべきCDMA信
号成分が大きく減衰させられ、スペクトルが乱れ帯域が
広がっている。このように、従来の干渉信号除去装置で
は、狭帯域干渉信号を適応的に除去する能力を有しては
いるものの、希望波であるCDMA信号も時間の経過と
共に徐々に除去していってしまうといった不具合があっ
た。
【0099】ここで、このような不具合が生じる理由と
しては、干渉信号を推定する際に同時にCDMA信号も
抽出されていることが考えられる。つまり、1チップ分
以上の時間差を与えることにより本来無相関になり推定
されるはずのないCDMA信号成分が、帯域制限フィル
タの影響による符号間干渉などの要因により一部で相関
を持ち、干渉信号として推定されてしまうためである。
このためスペクトルが乱れ、帯域が広がることで、結果
として干渉除去後の受信信号のビット誤り率が劣化して
しまうという問題が起こっていた。この現象は、干渉信
号の有無に関わらず干渉信号除去装置を長時間稼動させ
ると必ず発生し、またCDMA信号成分の電力が強いほ
ど発生しやすい特徴を持つことから、干渉信号が存在し
ない環境下でAGC(Automatic Gain Control)制御に
よりCDMA電力が相対的に増すことで顕著に発生す
る。
【0100】また、図29には、上記従来例で示したよ
うな干渉信号除去装置を用いて干渉除去を行った場合に
おける干渉信号除去の特性の一例を示してある。なお、
同図では、干渉信号除去特性として受信信号のビット誤
り率(BER:Bit Error Ratio)が変化する様子を示
してあり、干渉信号除去装置により干渉除去を行わない
場合(キャンセルなしの場合)における特性例を(a)
で示す一方、干渉信号除去装置により干渉除去を行った
場合(キャンセル有りの場合)における特性例を(b)
で示してある。
【0101】また、同図では、広帯域の希望信号として
CDMA信号を用いる一方、狭帯域の干渉信号としてF
SK(Frequency Shift Keying)信号を用いた場合を示
してあり、干渉信号が1波である場合の例を示してあ
る。また、同図中のグラフの横軸は干渉信号当たりのD
/U((希望の入力信号の電力)/(狭帯域干渉信号の
電力))[dB]を示しており、縦軸は受信機における
ビット誤り率を示している。
【0102】同図に示されるように、D/Uが比較的小
さい場合(つまり、狭帯域干渉信号の電力が広帯域希望
信号の電力と比べて十分に大きい場合)には、干渉信号
除去装置により干渉除去を行うことで、ビット誤り率の
特性を向上させることができる。一方、D/Uが比較的
大きい場合(つまり、狭帯域干渉信号の電力が広帯域希
望信号の電力と比べて同程度である場合、或いは、広帯
域希望信号の電力と比べて小さい場合)には、干渉信号
除去装置により干渉除去を行うことによって、却ってビ
ット誤り率の特性を劣化させてしまうことが生じる。
【0103】ここで、このような劣化が生じる理由とし
ては、上記と同様な理由が考えられ、すなわち、受信信
号から狭帯域干渉信号の周波数成分を抽出して、当該抽
出結果を受信信号から除去する処理において、干渉信号
除去装置が干渉信号と同時に広帯域希望信号の周波数成
分までも抽出して除去してしまうためであると考えられ
る。そして、狭帯域干渉信号の除去を行わない場合に
は、CDMA信号の特質でもある干渉信号抑圧効果によ
り、狭帯域干渉信号の除去を行った場合と比べて、特性
がよくなるためであると考えられる。
【0104】また、図30(a)及び同図(b)には、
上記従来例で示したような干渉信号除去装置を用いて、
広帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該
干渉信号を除去する場合の様子の一例を示してある。具
体的に、同図(a)には、広帯域信号の電力と比べて或
る狭帯域干渉信号の電力が十分に大きい場合(例えば図
中のやの干渉信号)の例を示してあり、この場合に
は、上述のように、干渉除去を行うことで受信品質を改
善することができる。
【0105】なお、同図(a)には、広帯域信号に干渉
する3つの信号、、を示してあり、また、干渉除
去前の受信信号の様子を左側のグラフに示す一方、干渉
除去後の受信信号の様子を右側のグラフに示してある。
また、これらのグラフの横軸は周波数を示しており、縦
軸はスペクトル強度を示している。
【0106】一方、同図(b)には、広帯域信号の電力
と比べて各狭帯域干渉信号の電力が(ほぼ)等しい場合
(或いは、小さい場合についても同様)の例を示してあ
り、この場合には、上述のように、狭帯域干渉信号と共
に広帯域信号の周波数成分までもが抽出されて除去され
てしまうことから、干渉信号除去装置から出力される信
号が(当該干渉信号除去装置の)後段の回路で復調処理
される際において、受信品質の劣化が無視できないくら
いに大きくなってしまう。
【0107】このため、同図(b)に示したような場合
には、例えば干渉信号除去装置により干渉除去を行わな
い方が、CDMA信号の特質でもある干渉信号の抑圧効
果によって、受信品質がよくなるとも言える。なお、同
図(b)には、広帯域信号に干渉する3つの信号、
、を示してあり、また、干渉除去前の受信信号の様
子を左側のグラフに示す一方、干渉除去後の受信信号の
様子を右側のグラフに示してある。また、これらのグラ
フの横軸は周波数を示しており、縦軸はスペクトル強度
を示している。
【0108】また、例えば上記図17や上記図20など
に示したような干渉信号除去装置では、上記式5に示し
たような適応アルゴリズムを用いてフィルタタップ係数
系列h(t)を更新することから、上記式5に示した次
回のフィルタタップ係数系列h(t+1)の演算の度毎
に常に前回までの演算結果(h(t))が蓄積される。
このため、このような干渉信号除去装置では、例えば帯
域制限フィルタによる符号間干渉の影響等により、広帯
域信号の信号成分までも抽出されて当該広帯域信号の一
部も除去されてしまう可能性があり、このような場合に
おいても、上述したのと同様に、受信機での復調処理に
おいて受信品質の劣化が無視できないくらいに大きくな
ってしまうことが生じ得る。
【0109】以上のように、上記従来例で示したような
例えば一般的な適応アルゴリズムを用いた干渉信号除去
装置では、例えば上記図29に示されるような干渉信号
除去特性を示し、つまり、広帯域信号の電力と比べて狭
帯域信号の電力が小さくなる場合には干渉除去を行わな
い場合より受信品質の特性が劣化してしまうことがある
といった不具合があった。
【0110】具体的に、現状考えられている通信方式で
は、例えばCDMA方式とTDMA方式とを共用するよ
うな状況やCDMA方式とFDMA方式とを共用するよ
うな状況などにおいて、上記従来例で示したような干渉
信号除去装置を組み込んだ受信機を用いた場合に、受信
信号に干渉信号が存在しないようなときには、却って受
信品質が低下してしまうことが生じ、また、例えば干渉
信号の除去を行わない場合と比べて、基地局装置により
収容可能な移動局装置の数(ユーザ数)が減少してしま
うことや通話エリアが小さくなってしまうことが生じる
といった問題が予想される。
【0111】また、受信機として上記従来例で示したよ
うな干渉信号除去装置を組み込んだダイバーシチ受信機
が用いられる場合においても、同様な問題が生じてしま
うことが予想される。
【0112】本発明は、このような従来の課題を解決す
るために為されたもので、広帯域の希望信号と狭帯域の
干渉信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を除去す
るに際して、比較的大きいレベルを有する干渉信号のみ
を入力信号から除去することにより、例えば希望信号ま
でも除去してしまうことを抑制して、干渉除去後の入力
信号の品質を向上させることができる干渉信号除去装置
などを提供することを目的とする。
【0113】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る干渉信号除去装置では、広帯域の希望
信号と狭帯域の干渉信号とを含んだ入力信号から当該干
渉信号を除去するに際して、所定の閾値を超えるレベル
を有する干渉信号のみを入力信号から除去する。
【0114】従って、所定の閾値を越えるレベルを有す
る干渉信号のみが入力信号から除去され、当該閾値以下
のレベルを有する干渉信号に対しては干渉除去処理が行
われないため、比較的大きいレベルを有する干渉信号の
みを入力信号から除去することにより、例えば希望信号
までも除去してしまうことを抑制して、干渉除去後の入
力信号の品質を向上させることができる。
【0115】一例として、広帯域の希望信号としてCD
MA信号が用いられた場合には、受信機により受信した
信号(CDMA信号と狭帯域干渉信号とを含んだ信号)
から干渉信号を除去するに際して、所定の閾値を越える
レベルを有する干渉信号のみを当該受信信号から除去す
ることにより、CDMA信号成分までも除去してしまう
ことを抑制することができ、これにより、例えば従来と
比べて、干渉除去後における受信信号のビット誤り率の
特性を向上させることができる。
【0116】つまり、本来、CDMA方式のようなスペ
クトル拡散方式による(拡散された)信号は拡散利得に
よる耐干渉能力が高いため、狭帯域干渉信号を必要以上
に除去しなくとも、拡散された希望波(CDMA信号
等)の信号電力と同程度のレベルまで狭帯域干渉信号の
電力を減衰させることができればよい。このため、CD
MA信号等の成分が除去されない程度に高いレベルを有
する干渉信号のみを除去することにより、例えば干渉信
号成分が受信信号中に多少残留しても、CDMA信号等
の成分の除去が抑制されることから、総じて、干渉除去
後のビット誤り率を改善することができる。
【0117】ここで、広帯域の希望信号としては、種々
な信号が用いられてもよく、例えばCDMA方式により
拡散された信号等を用いることができる。また、狭帯域
の干渉信号としては、種々な信号が用いられてもよく、
例えばFM信号やFSK信号等を用いることができる。
また、入力信号としては、種々な信号が用いられてもよ
く、例えば受信信号を用いることができる。
【0118】また、所定の閾値としては、種々な値が用
いられてもよく、例えば当該閾値を越えるレベルを有す
る干渉信号を入力信号から除去する場合には希望信号を
除去してしまうことを実用上で有効な程度で抑制するこ
とができるような値が用いられるのがよい。また、レベ
ルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、例えば
電力や振幅などのレベルを用いることができる。
【0119】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、次のようにして、広帯域の希望信号と狭帯域の干渉
信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する。
すなわち、入力信号制御手段が入力信号のデジタル値の
有効語長を制限し、干渉信号推定手段が有効語長が制限
された入力信号に基づいて入力信号に含まれる干渉信号
を推定し、干渉信号抽出手段が干渉信号推定手段の推定
結果に基づいて入力信号に含まれる干渉信号を抽出し、
干渉信号除去手段が抽出される干渉信号を入力信号から
除去する。
【0120】従って、入力信号に含まれる干渉信号を推
定するのに用いられる入力信号の有効語長を制限するこ
とにより、比較的大きいレベルを有する干渉信号のみを
推定して入力信号から除去することができ、これによ
り、例えば希望信号までも除去してしまうことを抑制し
て、干渉除去後の入力信号の品質を向上させることがで
きる。
【0121】ここで、入力信号のデジタル値の有効語長
を制限することは、当該制限の程度に応じて当該デジタ
ル値を小さくすることに相当し、つまり、当該入力信号
のレベルを小さくすることに相当する。また、有効語長
を制限する程度としては、種々な程度が用いられてもよ
く、例えば希望信号を除去してしまうことを実用上で有
効な程度で抑制することができるような程度が用いられ
るのがよい。
【0122】また、干渉信号抽出手段では、例えば入力
信号そのままから干渉信号を抽出してもよく、例えば有
効語長が制限された入力信号から干渉信号を抽出しても
よい。一例として、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、干渉信号抽出手段は有効語長が制限された入力信号
から干渉信号を抽出する。
【0123】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、次のようにして、広帯域の希望信号と狭帯域の干渉
信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する。
すなわち、入力信号制御手段が入力信号に雑音を加え、
干渉信号推定手段が雑音が加えられた入力信号に基づい
て入力信号に含まれる干渉信号を推定し、干渉信号抽出
手段が干渉信号推定手段の推定結果に基づいて入力信号
に含まれる干渉信号を抽出し、干渉信号除去手段が抽出
される干渉信号を入力信号から除去する。
【0124】従って、入力信号に含まれる干渉信号を推
定するのに用いられる入力信号に雑音を加えることによ
り、比較的大きいレベルを有する干渉信号のみを推定し
て入力信号から除去することができ、これにより、例え
ば希望信号までも除去してしまうことを抑制して、干渉
除去後の入力信号の品質を向上させることができる。
【0125】ここで、入力信号に雑音を加えると、当該
雑音の程度に応じて当該入力信号に含まれる比較的レベ
ルの低い干渉信号を雑音に埋もれさせて推定されないよ
うにすることができる。また、入力信号に加える雑音の
レベルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、例
えば希望信号を除去してしまうことを実用上で有効な程
度で抑制することができるようなレベルが用いられるの
がよい。
【0126】また、干渉信号抽出手段では、例えば入力
信号そのままから干渉信号を抽出してもよく、例えば雑
音が加えられた入力信号から干渉信号を抽出してもよ
い。一例として、本発明に係る干渉信号除去装置では、
干渉信号抽出手段は雑音が加えられた入力信号から干渉
信号を抽出する。
【0127】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、次のようにして、広帯域の希望信号と狭帯域の干渉
信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する。
すなわち、入力信号制御手段が入力信号に1未満の制御
係数を乗算し、干渉信号推定手段が制御係数が乗算され
た入力信号に基づいて入力信号に含まれる干渉信号を推
定し、干渉信号抽出手段が干渉信号推定手段の推定結果
に基づいて入力信号に含まれる干渉信号を抽出し、干渉
信号除去手段が抽出される干渉信号を入力信号から除去
する。
【0128】従って、入力信号に含まれる干渉信号を推
定するのに用いられる入力信号に1未満の制御係数を乗
算することにより、比較的大きいレベルを有する干渉信
号のみを推定して入力信号から除去することができ、こ
れにより、例えば希望信号までも除去してしまうことを
抑制して、干渉除去後の入力信号の品質を向上させるこ
とができる。
【0129】ここで、入力信号に1未満の制御係数を乗
算すると、当該制御係数の値に応じて当該入力信号のレ
ベルを小さくすることができる。また、制御係数の値と
しては、種々な値が用いられてもよく、例えば希望信号
を除去してしまうことを実用上で有効な程度で抑制する
ことができるような値が用いられるのがよい。
【0130】また、干渉信号抽出手段では、例えば入力
信号そのままから干渉信号を抽出してもよく、例えば制
御係数が乗算された入力信号から干渉信号を抽出しても
よい。一例として、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、干渉信号抽出手段は制御係数が乗算された入力信号
から干渉信号を抽出する。
【0131】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、以上に示したような種々な構成において、入力信号
制御手段は、入力信号に含まれる干渉信号のレベルを推
定する干渉信号レベル推定手段を有し、推定した干渉信
号のレベルに基づいて入力信号を制御する。
【0132】ここで、入力信号を制御する仕方として
は、上述のように、例えば入力信号のデジタル値の有効
語長を制限する仕方や、入力信号に雑音を加える仕方
や、入力信号に1未満の制御係数を乗算する仕方があ
る。また、干渉信号のレベルとしては、種々なレベルが
用いられてもよく、例えば電力や振幅などのレベルを用
いることができる。
【0133】また、以上に示したような種々な構成を有
する本発明に係る干渉信号除去装置は、例えば移動通信
システムに設けられる基地局装置や移動局装置などに適
用するのに好適なものであり、また、例えばダイバーシ
チ受信を行うダイバーシチ受信装置に適用することがで
きる。
【0134】一例として、本発明に係る移動通信システ
ムの基地局装置では、以上に示したような干渉信号除去
装置を備え、移動局装置から無線受信した信号を当該干
渉信号除去装置に入力して当該信号に含まれる干渉信号
を当該干渉信号除去装置により除去する。なお、同様
に、本発明に係る干渉信号除去装置を移動局装置や中継
(増幅)局装置などに適用することもできる。ここで、
移動通信システムとしては、例えば携帯電話システムや
簡易型携帯電話システム(PHS)等の種々なシステム
が用いられてもよい。
【0135】また、本発明に係るダイバーシチ受信装置
では、以上に示したような干渉信号除去装置を1以上の
ブランチに備え、当該ブランチの信号を当該干渉信号除
去装置に入力して当該信号に含まれる干渉信号を当該干
渉信号除去装置により除去することを可能とした。
【0136】なお、このようなダイバーシチ受信装置で
は、一例として、ブランチの数と同数のアンテナを備え
ており、各アンテナにより受信した信号が各ブランチの
信号として用いられる。ここで、ダイバーシチ受信装置
に備えられる複数のブランチの数としては、種々な数が
用いられてもよい。
【0137】また、干渉信号除去装置が備えられるブラ
ンチの数としては種々な数が用いられてもよく、例えば
各ブランチ毎に1つの干渉信号除去装置が備えられる。
具体例として、ダイバーシチ受信装置に備えられる全て
のブランチのそれぞれに対して1つずつの干渉信号除去
装置が備えられてもよく、或いは、ダイバーシチ受信装
置に備えられる一部のブランチのそれぞれに対して1つ
ずつの干渉信号除去装置が備えられてもよい。また、各
ブランチに備えられる干渉信号除去装置はそれぞれ、例
えば常に干渉信号除去の動作がさせられてもよく、或い
は、例えば干渉信号除去の動作がオン/オフ制御されて
オンとオフとが切り替えられてもよい。
【0138】ここで、図15(a)〜同図(d)には、
上記のような本発明に係る干渉信号除去装置を用いて、
広帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該
干渉信号を除去する場合の様子の一例として、干渉信号
抽出手段が有効語長が制限された入力信号から干渉信号
を抽出する場合の一例を示してある。なお、同図(a)
〜同図(d)中のグラフの横軸は周波数を示しており、
縦軸はスペクトル強度を示している。
【0139】具体的に、同図(a)には、広帯域信号と
狭帯域干渉信号とが混在する受信信号のスペクトルの一
例を示してあり、狭帯域干渉信号として、広帯域信号の
電力と比べて電力が十分に大きい2つの狭帯域干渉信号
、と、広帯域信号の電力と同程度の電力を有する1
つの狭帯域干渉信号とを示してある。
【0140】同図(b)には、受信信号に有効語長制限
をかけた場合におけるスペクトルのイメージの一例を示
してあり、語長制限による量子化雑音成分を斜線で示し
てある。同図(b)に示されるように、比較的低いレベ
ルの干渉信号は語長制限により雑音に埋もれることか
ら干渉信号推定手段により干渉信号として推定されず、
比較的高いレベルの干渉信号、のみが干渉信号推定
手段により干渉信号として推定される。
【0141】同図(c)には、干渉信号推定手段の推定
結果に基づいて有効語長が制限された入力信号から干渉
信号抽出手段により抽出される干渉信号のスペクトルの
一例を示してある。同図(c)に示されるように、比較
的高いレベルの干渉信号、のみが抽出される。な
お、同図(c)に示されるように、有効語長制限により
干渉信号のスペクトルが広がり、例えば狭帯域干渉信号
と比べて鋭くないフィルタ特性によって斜線で示した雑
音成分も抽出される。
【0142】同図(d)には、抽出された干渉信号を除
去した後における受信信号のスペクトルの一例を示して
ある。同図(d)に示されるように、比較的低いレベル
の干渉信号については干渉除去処理が行われずに、比
較的高いレベルの干渉信号、のみについて干渉除去
処理が行われて干渉信号が除去される。なお、同図
(d)に示されるように、広がったスペクトル分がフィ
ルタで除去されない部分として干渉信号抽出時に一方向
に残り、斜線で示す量子化雑音成分となる。
【0143】このように、同図(a)に示されるような
受信信号をそのまま利用するのではなく、有効語長制限
の制御を行った受信信号を用いることで、同図(b)に
示されるように本来必要な広帯域信号や干渉信号として
除去する必要のないレベルの低い干渉信号については
雑音レベル以下に埋もれさせることにより干渉信号成分
の推定が行われないようにすることができ、これによ
り、同図(c)に示されるように干渉信号抽出時にも広
帯域信号成分が抽出されないため、同図(d)に示され
るように干渉信号除去時に広帯域信号が共に除去されて
しまうことはなく、残るのは雑音成分として干渉信号と
共に抽出された成分だけとなる。
【0144】なお、このような雑音成分は、例えばCD
MAの干渉信号抑圧効果により十分に除去することが可
能である。また、例えば干渉信号抽出の際に干渉信号の
帯域以外にも雑音成分が残ることも懸念されるが、干渉
信号を抽出する手段として通常用いられる有限長インパ
ルスレスポンス(FIR:Finite Impulse Response)
フィルタが十分な段数を有する場合には十分に雑音成分
を抑圧することができるため問題はない。
【0145】なお、ここでは、受信信号の有効語長を制
限した場合を例として説明したが、受信信号に雑音を加
える場合や、受信信号に1未満の制御係数を乗算する場
合についても、同様な効果を得ることができる。以上の
ように、干渉信号の電力等のレベルに応じた干渉除去を
行う本例のような干渉除去方法を用いることにより、選
択的に電力の大きい干渉信号のみを抽出して抑圧するこ
とが可能であり、また、狭帯域干渉信号の抽出時に広帯
域信号成分を同時に抽出してしまうことを防止すること
ができる。そして、こうしたことや、例えばCDMAの
干渉信号抑圧効果により電力の低い干渉信号を抑圧する
ことが可能であることから、総じて、干渉信号除去装置
による特性劣化を最小限に抑えることができる。
【0146】次に、図16(a)〜同図(d)には、上
記したような本発明に係る干渉信号除去装置を用いて、
広帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該
干渉信号を除去する場合の様子の一例として、干渉信号
抽出手段が入力信号そのままから干渉信号を抽出する場
合の一例を示してある。なお、同図(a)〜同図(d)
中のグラフの横軸は周波数を示しており、縦軸はスペク
トル強度を示している。
【0147】具体的に、同図(a)には、広帯域信号と
狭帯域干渉信号とが混在する受信信号のスペクトルの一
例を示してあり、狭帯域干渉信号として、広帯域信号の
電力と比べて電力が十分に大きい2つの狭帯域干渉信号
、と、広帯域信号の電力と同程度の電力を有する1
つの狭帯域干渉信号とを示してある。
【0148】同図(b)には、受信信号に有効語長制限
をかけた場合におけるスペクトルのイメージの一例を示
してあり、語長制限による量子化雑音成分を斜線で示し
てある。ここで、同図(b)では、上記図15(b)で
示した場合と比べて量子化雑音レベルを高く設定した場
合の一例を示してある。図16(b)に示されるよう
に、比較的低いレベルの干渉信号は語長制限により雑
音に埋もれることから干渉信号推定手段により干渉信号
として推定されず、比較的高いレベルの干渉信号、
のみが干渉信号推定手段により干渉信号として推定され
る。
【0149】同図(c)には、干渉信号推定手段の推定
結果に基づいて入力信号そのままから干渉信号抽出手段
により抽出される干渉信号のスペクトルの一例を示して
ある。同図(c)に示されるように、比較的高いレベル
の干渉信号、のみが抽出される。なお、同図(c)
に示されるように、フィルタ特性によって広帯域信号成
分も多少抽出されるが、狭帯域干渉信号のスペクトルは
広がっていないため雑音成分は抽出されず、このため、
同図(b)に示したように量子化雑音レベルを高く設定
しても干渉除去後の受信信号に影響を与えない。
【0150】同図(d)には、抽出された干渉信号を除
去した後における受信信号のスペクトルの一例を示して
ある。同図(d)に示されるように、比較的低いレベル
の干渉信号については干渉除去処理が行われずに、比
較的高いレベルの干渉信号、のみについて干渉除去
処理が行われて干渉信号が除去される。なお、同図
(d)に示されるように、比較的レベルの高い干渉信号
、の周波数位置やその近隣の周波数位置について
は、広帯域信号成分が抽出されているため、広帯域信号
が多少除去される。
【0151】このように、同図(a)に示されるような
受信信号をそのまま利用するのではなく、有効語長制限
の制御を行った受信信号を用いることで、同図(b)に
示されるように本来必要な広帯域信号や干渉信号として
除去する必要のないレベルの低い干渉信号については
雑音レベル以下に埋もれさせることにより干渉信号成分
の推定が行われないようにすることができる。一方、こ
の例では、干渉信号の抽出時に受信信号をそのまま使用
することから、同図(c)に示されるように干渉信号抽
出時に広帯域信号成分が同時に抽出され、同図(d)に
示されるように干渉信号除去時に広帯域信号成分が共に
除去される。また、干渉信号のようなレベルの低い干
渉信号はそのまま残る。
【0152】ここで、上記図15に示した場合と比べ
て、図16に示した場合には広帯域信号成分が除去され
ている分だけ特性が劣化してしまうことも予想される
が、例えば同図(b)に示されるように雑音レベルを高
く設定したときに有効語長が制限された受信信号から干
渉信号を抽出すると干渉信号抽出時に残る雑音成分によ
り生じる特性劣化が大きくなってしまうような場合に
は、かえって、この例のように受信信号そのままから干
渉信号を抽出する方が有効である。
【0153】つまり、この例では干渉信号を推定した後
に有効語長制限されていない受信信号から干渉信号を抽
出することが行われるため、この場合でも干渉除去によ
る広帯域信号成分への影響は若干起こり得るものの、上
記図15に示されるように干渉信号除去時に量子化雑音
成分が干渉除去後の受信信号に含まれてしまうことが生
じないため、特性の劣化を防止しつつ、有効語長制限に
よる雑音レベルを高く設定することが可能となる。
【0154】なお、ここでは、受信信号の有効語長を制
限した場合を例として説明したが、受信信号に雑音を加
える場合や、受信信号に1未満の制御係数を乗算する場
合についても、同様な効果を得ることができる。以上の
ように、干渉信号の電力等のレベルに応じた干渉除去を
行う本例のような干渉除去方法を用いることにより、選
択的に電力の大きい干渉信号のみを抽出して抑圧するこ
とが可能である。そして、こうしたことや、例えばCD
MAの干渉信号抑圧効果により電力の低い干渉信号を抑
圧することが可能であることから、干渉信号除去装置に
よる特性劣化を最小限に抑えることができる。
【0155】
【発明の実施の形態】本発明の実施例に係る干渉信号除
去装置を図面を参照して説明する。なお、本実施例で
は、干渉信号除去装置は例えばCDMA方式により無線
通信を行う受信機に設けられており、当該受信機により
受信される信号(広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号
とを含んだ信号)に含まれる干渉信号を除去する。
【0156】一例として、本発明に係る干渉信号除去装
置を移動通信システムの基地局装置に適用した場合に
は、当該基地局装置では、本発明に係る干渉信号除去装
置を備え、移動局装置から無線受信した信号を当該干渉
信号除去装置に入力して当該信号に含まれる干渉信号を
当該干渉信号除去装置により除去する。また、他の例と
して、本発明に係る干渉信号除去装置を移動通信システ
ムの移動局装置に適用した場合には、当該移動局装置で
は、本発明に係る干渉信号除去装置を備え、基地局装置
から無線受信した信号を当該干渉信号除去装置に入力し
て当該信号に含まれる干渉信号を当該干渉信号除去装置
により除去する。
【0157】まず、本発明の第1実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図1には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部1と、語長制限
部2と、干渉信号推定部3と、干渉信号抽出部4と、合
成器5とが備えられている。この干渉信号除去装置で
は、広帯域の希望信号と複数の狭帯域の干渉信号とが合
成された受信信号r(t)が入力信号として干渉信号電
力推定部1及び語長制限部2及び合成器5に入力され
る。なお、tは時刻を示す。
【0158】干渉信号電力推定部1は、入力される受信
信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定結
果を語長制限部2に通知する。ここで、受信信号r
(t)から干渉信号の電力を推定する仕方としては、例
えば受信信号r(t)をスペクトル分析して推定する仕
方を用いることができ、また、例えばCDMAのように
受信電力が予め一定となるように制御されている通信シ
ステムにおいては受信信号そのものの電力或いはそれに
比例する電力を干渉信号の電力とみなして用いることも
可能である。
【0159】語長制限部2は、干渉信号電力推定部1か
ら通知される推定結果に基づいて、入力される受信信号
r(t)の有効語長を制限して、当該有効語長制限後の
受信信号w(t)を干渉信号推定部3及び干渉信号抽出
部4へ出力する。
【0160】ここで、語長制限部2では、受信信号r
(t)をデジタル値のデータとしてその有効語長を制限
する。具体的に、データを語長制限する仕方としては、
一例として、受信信号r(t)が16ビットのデジタル
値のデータであって、その内で広帯域信号の有効語長が
6ビット相当である場合には、例えば下位の7ビットに
語長制限をかけて上位の9ビットを語長制限後の受信信
号w(t)とする。また、他の例として、受信信号r
(t)が16ビットのデジタル値のデータであって、そ
の内で広帯域信号の有効語長が4ビット相当である場合
には、例えば下位の5ビットに語長制限をかけて上位の
11ビットを語長制限後の受信信号w(t)とする。
【0161】このようにして受信信号r(t)の有効語
長を制限すると、広帯域信号と比較的低いレベルの干渉
信号を量子化雑音レベル以下にすることができ、これに
より、干渉信号推定部3においては受信レベルの低い干
渉信号や広帯域信号の周波数成分が推定されてしまうこ
とを防止することができ、また、干渉信号抽出部4にお
いては干渉信号と同時に広帯域信号が抽出されてしまう
ことを防止することができる。
【0162】また、演算によって有効語長を制限する仕
方としては、例えば16ビットのデータにFFF0
(H:16進数)等をAND(論理積)演算するといっ
た簡易な構成による仕方を用いることができる。具体例
として、16ビットのデータにFFF0をAND演算す
ると、当該データの上位12ビットの値(“1”値或い
は“0”値)をそのまま残して、下位4ビットの値を全
て“0”値にすることができ、結果として、当該データ
を12ビットに語長制限することができる。
【0163】干渉信号推定部3は、例えばLMS等の一
般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される有効語長
制限後の受信信号w(t)及び合成器5から出力される
干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号を推
定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h(t)を
干渉信号抽出部4へ出力する。干渉信号抽出部4は、干
渉信号推定部3から入力される干渉信号推定係数h
(t)に基づいて、入力される有効語長制限後の受信信
号w(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干
渉信号V(t)を合成器5へ出力する。
【0164】合成器5は、入力される受信信号r(t)
から干渉信号抽出部4から入力される干渉信号V(t)
を減算することで、当該受信信号r(t)から当該干渉
信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信信号を当
該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適切な干渉
信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去後の受信
信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとなる。ま
た、合成器5から出力される干渉除去後の受信信号の一
部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部3に入力
される。
【0165】なお、好ましい態様として、干渉信号電力
推定部1により干渉信号の電力を推定するタイミング
や、干渉信号推定部3により干渉信号を推定するタイミ
ングとして、所定の時間間隔をもったタイミングを用い
ると、装置化がし易く、消費電力の軽減も期待できる。
特に、狭帯域干渉信号が、FHSS方式やTDMA方式
による信号のようなものではなく、つまり、急激に周波
数や電力が変化するようなものではない場合には、干渉
信号の変化に高速に追従して干渉除去を行う必要がない
ことから、例えば干渉信号の推定演算の更新処理(フィ
ルタタップ係数系列(干渉信号推定係数)h(t)の更
新処理)等を毎回行わずに、当該更新処理等を例えば2
56サンプル毎に1回行うというような構成としても、
連続した狭帯域干渉信号を十分に除去することが可能で
ある。
【0166】ここで、このような所定の時間間隔を用い
る構成では、例えば干渉信号の除去能力が多少劣化する
こともあるが、劣化量はせいぜい5dB分程度である。
このため、このような構成では、例えば干渉信号の除去
能力をほとんど劣化させずに、更新処理等に係る演算処
理量を大幅に削減することができ、これにより、ハード
ウエアの規模や消費電力を低減させることができるとい
う大きな効果を得ることが可能である。
【0167】また、例えば干渉信号の性質に応じて、F
DMA方式やFM方式やAM方式による信号のように狭
帯域干渉信号が連続する信号(周波数や電力の変化が緩
やかな信号)であるような場合には干渉信号の推定演算
に係る更新処理等の周期を遅くする一方、FHSS方式
やTDMA方式による信号のように狭帯域干渉信号が急
激に周波数や電力の変化する信号であるような場合には
当該周期を速くすることにより、適応的な干渉除去を行
うことも可能である。
【0168】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部1が当該受信信号r(t)に含まれる干渉
信号の電力を推定し、語長制限部2が当該推定結果に基
づいて当該受信信号r(t)の有効語長を制限し、干渉
信号推定部3が当該有効語長制限された受信信号w
(t)から干渉信号を推定し、干渉信号抽出部4が当該
推定結果に基づいて当該有効語長制限された受信信号w
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、合成器5が当該
抽出された干渉信号V(t)を用いて受信信号r(t)
から当該干渉信号V(t)を除去し、これにより、広帯
域の希望信号のみを抽出して出力する。
【0169】従って、本例の干渉信号除去装置では、受
信信号r(t)に含まれる干渉信号を除去するに際し
て、特定の電力を超える干渉信号に関してのみ干渉除去
の制御を行い、それぞれの干渉信号に応じて干渉信号除
去処理を変化させることにより、干渉除去処理を行わな
い方が特性がよい干渉信号に関しては干渉除去が行われ
ないような制御が可能となることから、例えば従来にお
いて干渉信号と共に本来受信処理を行いたい希望信号ま
でも抽出して除去してしまっていたことにより生じてい
た受信品質の劣化を防ぐことができ、これにより、干渉
除去後の受信信号のビット誤り率を向上させることがで
きる。
【0170】具体的には、本例の干渉信号除去装置で
は、干渉信号の電力に応じた干渉除去の制御を行って、
受信信号r(t)の語長を干渉信号の推定及び抽出に関
わる部分で制限することにより、特定のレベルに達しな
い信号に関しては量子化雑音に埋もれさせ、これによ
り、このような信号が干渉信号として推定及び抽出され
ることを防ぐことができる。
【0171】また、本例の干渉信号除去装置では、例え
ば広帯域信号に含まれる狭帯域干渉信号が複数重畳され
て受信された場合においても、広帯域の周波数信号内の
干渉信号を適切に除去することが可能であり、特に、干
渉信号の隣接チャネルに位置する広帯域信号までをも除
去してしまうことを防止することができる。なお、本例
の干渉信号除去装置では、干渉除去後に雑音成分が多少
残るが、上記図15を用いて説明したように、例えばC
DMAの干渉信号抑圧効果によりこのような雑音成分を
十分に除去することが可能である。
【0172】このように、本例の干渉信号除去装置で
は、干渉信号の除去作用を制御することにより、従来と
比較して、広帯域信号と比べて狭帯域干渉信号の電力が
同程度か或いは小さい場合における受信特性を改善する
ことができ、また、広帯域信号の信号成分が抽出される
こともないため、全体として干渉除去後の受信信号のビ
ット誤り率を改善することができる。
【0173】なお、上述のように、本例の干渉信号除去
装置では、好ましい態様として、干渉信号電力推定部1
が干渉信号の電力の推定に関わる演算を所定の時間間隔
で行うような構成とすることも可能である。ここで、所
定の時間間隔としては、例えば装置の使用状況等に応じ
て、任意の時間間隔が用いられてもよい。
【0174】また、本例の干渉信号除去装置では、好ま
しい態様として、CDMAのように受信電力が一定とな
るように電力制御されているような場合において、干渉
信号電力推定部1が受信信号r(t)の電力そのものを
利用して干渉信号の電力を推定することにより、受信電
力のみを用いて干渉信号の有無を判別することが可能な
構成とすることもできる。また、このような干渉信号電
力の推定は、例えばスペクトル分析を行って実現するこ
ともできる。
【0175】また、本例の干渉信号除去装置では、好ま
しい態様として、干渉信号推定部3が干渉信号の推定に
関わる演算を所定の時間間隔で行うような構成とするこ
とも可能である。なお、所定の時間間隔としては、例え
ば装置の使用状況等に応じて、任意の時間間隔が用いら
れてもよい。
【0176】ここで、本例では、干渉信号電力推定部1
により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成され
ており、語長制限部2により本発明に言う入力信号制御
手段が構成されており、干渉信号推定部3により本発明
に言う干渉信号推定手段が構成されており、干渉信号抽
出部4により本発明に言う干渉信号抽出手段が構成され
ており、合成器5により本発明に言う干渉信号除去手段
が構成されている。また、本例では、干渉信号抽出手段
は有効語長が制限された入力信号から干渉信号を抽出し
ている。
【0177】次に、本発明の第2実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図2には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部11と、雑音発
生回路12と、加算回路13と、干渉信号推定部14
と、干渉信号抽出部15と、合成器16とが備えられて
いる。この干渉信号除去装置では、広帯域の希望信号と
複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)が入力信号として干渉信号電力推定部11及び加
算回路13及び合成器16に入力される。なお、tは時
刻を示す。
【0178】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、受信信号r(t)の有効語長を制限するのではなく
受信信号r(t)に雑音を加えるといった点を除いて
は、例えば上記第1実施例の図1に示した干渉信号除去
装置の構成と同様であり、本例では、異なる構成部分に
ついて詳しく説明する。
【0179】干渉信号電力推定部11は、入力される受
信信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定
結果を雑音発生回路12に通知する。雑音発生回路12
は、干渉信号電力推定部11から通知される推定結果に
基づいて、擬似的な雑音を発生させ、発生させた雑音を
加算回路13へ出力する。
【0180】加算回路13は、入力される受信信号r
(t)と雑音発生回路12から入力される雑音とを加算
合成し、当該合成結果を雑音が加えられた受信信号w
(t)として干渉信号推定部14及び干渉信号抽出部1
5へ出力する。
【0181】ここで、受信信号r(t)に擬似雑音を加
える仕方としては、他の例として、自動利得制御増幅器
(AGC−AMP:AGC-Amplifier)を用いて受信信号
r(t)のゲインレベルを下げることにより当該受信信
号r(t)に含まれるレベルの低い干渉信号を雑音レベ
ルに下げる仕方を用いることもできる。このような仕方
によっても、受信信号r(t)のゲインレベルを下げる
ことで、当該受信信号r(t)に雑音を加えることが実
質的に実現され、本発明はこのような仕方を用いる構成
も包含している。
【0182】このようにして受信信号r(t)に雑音を
加えると、広帯域信号と比較的低いレベルの干渉信号を
量子化雑音レベル以下にすることができ、これにより、
干渉信号推定部14においては受信レベルの低い干渉信
号や広帯域信号の周波数成分が推定されてしまうことを
防止することができ、また、干渉信号抽出部15におい
ては干渉信号と同時に広帯域信号が抽出されてしまうこ
とを防止することができる。
【0183】干渉信号推定部14は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される雑音が
加えられた受信信号w(t)及び合成器16から出力さ
れる干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号
を推定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h
(t)を干渉信号抽出部15へ出力する。干渉信号抽出
部15は、干渉信号推定部14から入力される干渉信号
推定係数h(t)に基づいて、入力される雑音が加えら
れた受信信号w(t)から干渉信号V(t)を抽出し、
抽出した干渉信号V(t)を合成器16へ出力する。
【0184】合成器16は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部15から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器16から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
14に入力される。
【0185】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部11が当該受信信号r(t)に含まれる干
渉信号の電力を推定し、雑音発生部12が当該推定結果
に基づいて任意の雑音を発生させ、加算回路13が当該
受信信号r(t)と当該雑音とを加算合成し、干渉信号
推定部14が当該雑音が加えられた受信信号w(t)か
ら干渉信号を推定し、干渉信号抽出部15が当該推定結
果に基づいて当該雑音が加えられた受信信号w(t)か
ら干渉信号V(t)を抽出し、合成器16が当該抽出さ
れた干渉信号V(t)を用いて受信信号r(t)から当
該干渉信号V(t)を除去し、これにより、広帯域の希
望信号のみを抽出して出力する。
【0186】従って、本例の干渉信号除去装置では、こ
のように受信信号r(t)に雑音を加える構成により、
上記第1実施例の場合と同様な効果を得ることができ
る。具体的には、本例の干渉信号除去装置では、干渉信
号の電力に応じた干渉除去の制御を行って、受信信号r
(t)に加えられる雑音を干渉信号の推定及び抽出に関
わる部分で制御することにより、特定のレベルに達しな
い信号に関しては雑音下に埋もれさせ、これにより、こ
のような信号が干渉信号として推定及び抽出されること
を防ぐことができる。
【0187】なお、本例の干渉信号除去装置では、受信
信号r(t)に雑音を付加していることから、例えば上
記第1実施例の場合と同様な効果を得ることができる上
に、更に、雑音を付加する構成において受信信号r
(t)をアナログ信号のまま扱うことが可能であり、例
えば特開平6−164320号公報に記載されているフ
ィルタ回路のようなアナログ演算素子を用いるような場
合に有効に作用する。ここで、この文献には、FIR型
のフィルタやIIR型のフィルタとして機能するフィル
タ回路が記載されている。
【0188】また、受信信号r(t)に雑音を付加する
ことをデジタル回路により実現することも容易に可能で
あり、具体的には、例えば擬似雑音系列を用いて雑音を
構成してそのレベル制御を行った後に、当該レベル制御
後の雑音を受信信号r(t)に加算することで実現され
る。
【0189】ここで、本例では、干渉信号電力推定部1
1により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成さ
れており、雑音発生回路12や加算回路13により本発
明に言う入力信号制御手段が構成されており、干渉信号
推定部14により本発明に言う干渉信号推定手段が構成
されており、干渉信号抽出部15により本発明に言う干
渉信号抽出手段が構成されており、合成器16により本
発明に言う干渉信号除去手段が構成されている。また、
本例では、干渉信号抽出手段は雑音が加えられた入力信
号から干渉信号を抽出している。
【0190】次に、本発明の第3実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図3には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部21と、第1の
乗算器22と、干渉信号推定部23と、干渉信号抽出部
24と、第2の乗算器25と、合成器26とが備えられ
ている。この干渉信号除去装置では、広帯域の希望信号
と複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)が入力信号として干渉信号電力推定部21及び第
1の乗算器22及び合成器26に入力される。なお、t
は時刻を示す。
【0191】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、受信信号r(t)の有効語長を制限するのではなく
受信信号r(t)に1未満の制御係数αを乗算する等と
いった点を除いては、例えば上記第1実施例の図1に示
した干渉信号除去装置の構成と同様であり、本例では、
異なる構成部分について詳しく説明する。
【0192】干渉信号電力推定部21は、入力される受
信信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定
結果に基づいて算出される制御係数αを第1の乗算器2
2へ出力するとともに、当該制御係数αの逆数(1/
α)を第2の乗算器25へ出力する。第1の乗算器22
は、入力される受信信号r(t)と干渉信号電力推定部
21から入力される制御係数αとを乗算することで当該
受信信号r(t)を絞り、当該乗算結果として得られる
α倍された受信信号w(t)を干渉信号推定部23及び
干渉信号抽出部24へ出力する。
【0193】このようにして受信信号r(t)に1未満
の制御係数αを乗算すると、広帯域信号と比較的低いレ
ベルの干渉信号を量子化雑音レベル以下にすることがで
き、これにより、干渉信号推定部23においては受信レ
ベルの低い干渉信号や広帯域信号の周波数成分が推定さ
れてしまうことを防止することができ、また、干渉信号
抽出部24においては干渉信号と同時に広帯域信号が抽
出されてしまうことを防止することができる。なお、受
信信号r(t)に制御係数αを乗算した場合に演算の有
効桁から落ちる桁の部分については例えば計算上ゼロと
なる。
【0194】干渉信号推定部23は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力されるα倍さ
れた受信信号w(t)及び合成器26から出力される干
渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号を推定
し、当該推定結果である干渉信号推定係数h(t)を干
渉信号抽出部24へ出力する。干渉信号抽出部24は、
干渉信号推定部23から入力される干渉信号推定係数h
(t)に基づいて、入力されるα倍された受信信号w
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を第2の乗算器25へ出力する。
【0195】第2の乗算器25は、干渉信号抽出部24
から入力される干渉信号V(t)と干渉信号電力推定部
21から入力される値(1/α)とを乗算することで出
力レベルの補正を行い、当該乗算結果をレベル補正がな
された干渉信号V’(t)として合成器26へ出力す
る。
【0196】合成器26は、入力される受信信号r
(t)から第2の乗算器25から入力されるレベル補正
後の干渉信号V’(t)を減算することで、当該受信信
号r(t)から当該干渉信号V’(t)を除去し、当該
干渉除去後の受信信号を当該干渉信号除去装置から出力
する。ここで、適切な干渉信号V(t)が抽出された場
合には、干渉除去後の受信信号は主に広帯域信号のみを
抽出したものとなる。また、合成器26から出力される
干渉除去後の受信信号の一部はエラー信号e(t)とし
て干渉信号推定部23に入力される。
【0197】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部21が当該受信信号r(t)に含まれる干
渉信号の電力を推定し、第1の乗算器22が当該推定結
果に基づく制御係数αと当該受信信号r(t)とを乗算
し、干渉信号推定部23が当該制御係数αが乗算された
受信信号w(t)から干渉信号を推定し、干渉信号抽出
部24が当該推定結果に基づいて当該制御係数αが乗算
された受信信号w(t)から干渉信号V(t)を抽出
し、第2の乗算器25が当該抽出された干渉信号V
(t)を(1/α)倍することにより出力レベル補正を
行い、合成器26が当該レベル補正がなされた干渉信号
V’(t)を用いて受信信号r(t)から当該干渉信号
V’(t)を除去し、これにより、広帯域の希望信号の
みを抽出して出力する。
【0198】従って、本例の干渉信号除去装置では、こ
のように受信信号r(t)に1未満の制御係数αを乗算
する構成により、上記第1実施例の場合と同様な効果を
得ることができる。具体的には、本例の干渉信号除去装
置では、干渉信号の電力に応じた干渉除去の制御を行っ
て、受信信号r(t)のレベルを制御係数αにより干渉
信号の推定及び抽出に関わる部分で制御することによ
り、特定のレベルに達しない信号に関しては雑音下に埋
もれさせ、これにより、このような信号が干渉信号とし
て推定及び抽出されることを防ぐことができる。
【0199】なお、本例のように受信信号r(t)に1
未満の制御係数αを乗算すると、例えば上記第1実施例
で示した有効語長制限と同様な効果を得ることができ
る。例えば、演算語長を16ビットに固定した場合に、
制御係数α=0.125を用いると3ビットの有効語長
制限を受信信号r(t)に対して行ったのと同様な効果
を得ることができ、制御係数α=0.5を用いると1ビ
ットの有効語長制限を受信信号r(t)に対して行った
のと同様な効果を得ることができ、また、制御係数αの
値を(1/(2のべき乗))以外の数値とすることでよ
り細やかな制御を行うことも可能である。
【0200】また、本例の構成では、干渉信号抽出部2
4において干渉信号V(t)がレベルの絞られた受信信
号w(t)から抽出されるため、第2の乗算器25によ
り元のレベルに戻す操作を行っている。なお、上記第1
実施例の場合と同様に干渉除去後に残したい有効な信号
を量子化雑音レベル以下にすることが目的であるため、
例えば第2の乗算器25を第1の乗算器22の直後に直
列に配置してレベル補正を行うのも好ましく、この場
合、干渉信号抽出部24の入力レンジを無駄に捨てるこ
となく演算が可能となり、量子化雑音の除去効果を得や
すくなる。
【0201】ここで、本例では、干渉信号電力推定部2
1により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成さ
れており、干渉信号電力推定部21や第1の乗算器22
により本発明に言う入力信号制御手段が構成されてお
り、干渉信号推定部23により本発明に言う干渉信号推
定手段が構成されており、干渉信号抽出部24や第2の
乗算器25により本発明に言う干渉信号抽出手段が構成
されており、合成器26により本発明に言う干渉信号除
去手段が構成されている。また、本例では、干渉信号抽
出手段は制御係数が乗算された入力信号から干渉信号を
抽出している。
【0202】次に、本発明の第4実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図4には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部31と、語長制
限部32と、干渉信号推定部33と、干渉信号抽出部3
4と、合成器35とが備えられている。この干渉信号除
去装置では、広帯域の希望信号と複数の狭帯域の干渉信
号とが合成された受信信号r(t)が入力信号として干
渉信号電力推定部31及び語長制限部32及び干渉信号
抽出部34及び合成器35に入力される。なお、tは時
刻を示す。
【0203】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、有効語長が制限された受信信号w(t)ではなく受
信信号r(t)そのままから干渉信号抽出部34により
干渉信号を抽出するといった点を除いては、例えば上記
第1実施例の図1に示した干渉信号除去装置の構成と同
様であり、本例では、異なる構成部分について詳しく説
明する。
【0204】干渉信号電力推定部31は、入力される受
信信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定
結果を語長制限部32に通知する。語長制限部32は、
干渉信号電力推定部31から通知される推定結果に基づ
いて、入力される受信信号r(t)の有効語長を制限し
て、当該有効語長制限後の受信信号w(t)を干渉信号
推定部33へ出力する。
【0205】ここで、語長制限部32では、受信信号r
(t)をデジタル値のデータとしてその有効語長を制限
する。具体的に、データを語長制限する仕方としては、
一例として、受信信号r(t)が16ビットのデータで
あって、その内で広帯域信号の有効語長が6ビット相当
である場合には、例えば下位の7ビットに語長制限をか
けて上位の9ビットを語長制限後の受信信号w(t)と
する。また、他の例として、受信信号r(t)が16ビ
ットのデータであって、その内で広帯域信号の有効語長
が4ビット相当である場合には、例えば下位の5ビット
に語長制限をかけて上位の11ビットを語長制限後の受
信信号w(t)とする。
【0206】このようにして受信信号r(t)の有効語
長を制限すると、広帯域信号と比較的低いレベルの干渉
信号を量子化雑音レベル以下にすることができ、これに
より、干渉信号推定部33において受信レベルの低い干
渉信号や広帯域信号の周波数成分が推定されてしまうこ
とを防止することができる。
【0207】また、演算によって有効語長を制限する仕
方としては、例えば16ビットのデータにFFF0
(H:16進数)等をAND(論理積)演算するといっ
た簡易な構成による仕方を用いることができる。具体例
として、16ビットのデータにFFF0をAND演算す
ると、当該データの上位12ビットの値(“1”値或い
は“0”値)をそのまま残して、下位4ビットの値を全
て“0”値にすることができ、結果として、当該データ
を12ビットに語長制限することができる。
【0208】干渉信号推定部33は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される有効語
長制限後の受信信号w(t)及び合成器35から出力さ
れる干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号
を推定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h
(t)を干渉信号抽出部34へ出力する。干渉信号抽出
部34は、干渉信号推定部33から入力される干渉信号
推定係数h(t)に基づいて、入力される受信信号r
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を合成器35へ出力する。
【0209】合成器35は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部34から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器35から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
33に入力される。
【0210】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部31が当該受信信号r(t)に含まれる干
渉信号の電力を推定し、語長制限部32が当該推定結果
に基づいて当該受信信号r(t)の有効語長を制限し、
干渉信号推定部33が当該有効語長制限された受信信号
w(t)から干渉信号を推定し、干渉信号抽出部34が
当該推定結果に基づいて受信信号r(t)から干渉信号
V(t)を抽出し、合成器35が当該抽出された干渉信
号V(t)を用いて受信信号r(t)から当該干渉信号
V(t)を除去し、これにより、広帯域の希望信号のみ
を抽出して出力する。
【0211】従って、本例の干渉信号除去装置では、受
信信号r(t)に含まれる干渉信号を除去するに際し
て、特定の電力を超える干渉信号に関してのみ干渉除去
の制御を行い、それぞれの干渉信号に応じて干渉信号除
去処理を変化させることにより、干渉除去処理を行わな
い方が特性がよい干渉信号に関しては干渉除去が行われ
ないような制御が可能となることから、例えば従来にお
いて干渉信号と共に本来受信処理を行いたい希望信号ま
でも抽出して除去してしまっていたことにより生じてい
た受信品質の劣化を防ぐことができ、これにより、干渉
除去後の受信信号のビット誤り率を向上させることがで
きる。
【0212】具体的には、本例の干渉信号除去装置で
は、干渉信号の電力に応じた干渉除去の制御を行って、
受信信号r(t)の語長を干渉信号の推定に関わる部分
で制限することにより、特定のレベルに達しない信号に
関しては量子化雑音に埋もれさせ、これにより、このよ
うな信号が干渉信号として推定されることを防ぐことが
できる。また、本例の干渉信号除去装置では、例えば広
帯域信号に含まれる狭帯域干渉信号が複数重畳されて受
信された場合においても、広帯域の周波数信号内の干渉
信号を適切に除去することが可能である。
【0213】なお、上記図16を用いて説明したよう
に、本例の干渉信号除去装置では、干渉除去により広帯
域信号成分も多少抽出されて除去されることとなり、上
記第1実施例の場合と比べて特性劣化が生じることも予
想されるが、例えば上記図16(b)に示したように雑
音レベルを高く設定した場合に有効語長制限後の受信信
号w(t)から干渉信号を抽出することとすると干渉信
号抽出時に残る雑音成分により生じる特性劣化が大きく
なってしまうようなときには、有効に作用する。
【0214】特に、例えば干渉信号除去装置からの出力
信号が入力されるアナログ受信入力部の過入力を防ぐた
めに干渉信号除去装置を用いる場合や、実際の信号のレ
ベルと比べて過入力を想定したアナログ/デジタル変換
器(ADC:Analog/DigitalConverter)のダイナミッ
クレンジが不足するために干渉信号除去装置を用いる場
合や、干渉信号除去装置を多段に接続するような場合な
どにおいて、受信入力レベルと語長制限を行うレベルと
が大幅に異なることが想定されるようなときに有効であ
る。
【0215】このように、本例の干渉信号除去装置で
は、干渉信号の除去作用を制御することにより、従来と
比較して、広帯域信号と比べて狭帯域干渉信号の電力が
同程度か或いは小さい場合における受信特性を改善する
ことができる。
【0216】ここで、本例では、干渉信号電力推定部3
1により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成さ
れており、語長制限部32により本発明に言う入力信号
制御手段が構成されており、干渉信号推定部33により
本発明に言う干渉信号推定手段が構成されており、干渉
信号抽出部34により本発明に言う干渉信号抽出手段が
構成されており、合成器35により本発明に言う干渉信
号除去手段が構成されている。また、本例では、干渉信
号抽出手段は入力信号そのままから干渉信号を抽出して
いる。
【0217】次に、本発明の第5実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図5には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部41と、雑音発
生回路42と、加算回路43と、干渉信号推定部44
と、干渉信号抽出部45と、合成器46とが備えられて
いる。この干渉信号除去装置では、広帯域の希望信号と
複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)が入力信号として干渉信号電力推定部41及び加
算回路43及び干渉信号抽出部45及び合成器46に入
力される。なお、tは時刻を示す。
【0218】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、雑音が加えられた受信信号w(t)ではなく受信信
号r(t)そのままから干渉信号抽出部45により干渉
信号を抽出するといった点を除いては、例えば上記第2
実施例の図2に示した干渉信号除去装置の構成と同様で
あり、本例では、異なる構成部分について詳しく説明す
る。
【0219】干渉信号電力推定部41は、入力される受
信信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定
結果を雑音発生回路42に通知する。雑音発生回路42
は、干渉信号電力推定部41から通知される推定結果に
基づいて、擬似的な雑音を発生させ、発生させた雑音を
加算回路43へ出力する。
【0220】加算回路43は、入力される受信信号r
(t)と雑音発生回路42から入力される雑音とを加算
合成し、当該合成結果を雑音が加えられた受信信号w
(t)として干渉信号推定部44へ出力する。
【0221】このようにして受信信号r(t)に雑音を
加えると、広帯域信号と比較的低いレベルの干渉信号を
量子化雑音レベル以下にすることができ、これにより、
干渉信号推定部44において受信レベルの低い干渉信号
や広帯域信号の周波数成分が推定されてしまうことを防
止することができる。
【0222】干渉信号推定部44は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される雑音が
加えられた受信信号w(t)及び合成器46から出力さ
れる干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号
を推定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h
(t)を干渉信号抽出部45へ出力する。干渉信号抽出
部45は、干渉信号推定部44から入力される干渉信号
推定係数h(t)に基づいて、入力される受信信号r
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を合成器46へ出力する。
【0223】合成器46は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部45から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器46から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
44に入力される。
【0224】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部41が当該受信信号r(t)に含まれる干
渉信号の電力を推定し、雑音発生部42が当該推定結果
に基づいて任意の雑音を発生させ、加算回路43が当該
受信信号r(t)と当該雑音とを加算合成し、干渉信号
推定部44が当該雑音が加えられた受信信号w(t)か
ら干渉信号V(t)を推定し、干渉信号抽出部45が当
該推定結果に基づいて受信信号r(t)から干渉信号V
(t)を抽出し、合成器46が当該抽出された干渉信号
V(t)を用いて受信信号r(t)から当該干渉信号V
(t)を除去し、これにより、広帯域の希望信号のみを
抽出して出力する。
【0225】従って、本例の干渉信号除去装置では、こ
のように受信信号r(t)に雑音を加える構成により、
上記第4実施例の場合と同様な効果を得ることができ
る。具体的には、本例の干渉信号除去装置では、干渉信
号の電力に応じた干渉除去の制御を行って、受信信号r
(t)に加えられる雑音を干渉信号の推定に関わる部分
で制御することにより、特定のレベルに達しない信号に
関しては雑音下に埋もれさせ、これにより、このような
信号が干渉信号として推定されることを防ぐことができ
る。
【0226】なお、本例の干渉信号除去装置では、上記
第2実施例で述べたように、雑音をアナログ的に受信信
号r(t)に加えることが可能であるため、アナログ演
算素子を利用することも可能である。
【0227】ここで、本例では、干渉信号電力推定部4
1により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成さ
れており、雑音発生回路42や加算回路43により本発
明に言う入力信号制御手段が構成されており、干渉信号
推定部44により本発明に言う干渉信号推定手段が構成
されており、干渉信号抽出部45により本発明に言う干
渉信号抽出手段が構成されており、合成器46により本
発明に言う干渉信号除去手段が構成されている。また、
本例では、干渉信号抽出手段は入力信号そのままから干
渉信号を抽出している。
【0228】次に、本発明の第6実施例に係る干渉信号
除去装置を図面を参照して説明する。図6には、本発明
に係る干渉信号除去装置の一例を示してあり、この干渉
信号除去装置には、干渉信号電力推定部51と、第1の
乗算器52と、干渉信号推定部53と、第2の乗算器5
4と、干渉信号抽出部55と、合成器56とが備えられ
ている。この干渉信号除去装置では、広帯域の希望信号
と複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)が入力信号として干渉信号電力推定部51及び第
1の乗算器52及び干渉信号抽出部55及び合成器56
に入力される。なお、tは時刻を示す。
【0229】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、制御係数αが乗算された受信信号w(t)ではなく
受信信号r(t)そのままから干渉信号抽出部55によ
り干渉信号を抽出するといった点を除いては、例えば上
記第3実施例の図3に示した干渉信号除去装置の構成と
同様であり、本例では、異なる構成部分について詳しく
説明する。
【0230】干渉信号電力推定部51は、入力される受
信信号r(t)から干渉信号の電力を推定し、当該推定
結果に基づく制御係数αを第1の乗算器52へ出力する
とともに、当該制御係数αの逆数(1/α)を第2の乗
算器54へ出力する。第1の乗算器52は、入力される
受信信号r(t)と干渉信号電力推定部51から入力さ
れる制御係数αとを乗算することで当該受信信号r
(t)を絞り、当該乗算結果として得られるα倍された
受信信号w(t)を干渉信号推定部53へ出力する。
【0231】このようにして受信信号r(t)に1未満
の制御係数αを乗算すると、広帯域信号と比較的低いレ
ベルの干渉信号を量子化雑音レベル以下にすることがで
き、これにより、干渉信号推定部53において受信レベ
ルの低い干渉信号や広帯域信号の周波数成分が推定され
てしまうことを防止することができる。なお、受信信号
r(t)に制御係数αを乗算した場合に演算の有効桁か
ら落ちる桁の部分については例えば計算上ゼロとなる。
【0232】干渉信号推定部53は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力されるα倍さ
れた受信信号w(t)及び合成器56から出力される干
渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号を推定
し、当該推定結果である干渉信号推定係数h(t)を第
2の乗算器54へ出力する。
【0233】第2の乗算器54は、干渉信号推定部53
から入力される干渉信号推定係数h(t)と干渉信号電
力推定部51から入力される値(1/α)とを乗算する
ことで出力レベルの補正を行い、当該乗算結果をレベル
補正がなされた干渉信号推定係数h’(t)として干渉
信号推定部55へ出力する。干渉信号抽出部55は、第
2の乗算器54から入力されるレベル補正後の干渉信号
推定係数h’(t)に基づいて、入力される受信信号r
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を合成器56へ出力する。
【0234】合成器56は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部56から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器56から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
53に入力される。
【0235】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が含
まれる広帯域信号の受信信号r(t)に対して、干渉信
号電力推定部51が当該受信信号r(t)に含まれる干
渉信号の電力を推定し、第1の乗算器52が当該推定結
果に基づく制御係数αと当該受信信号r(t)とを乗算
し、干渉信号推定部53が当該制御係数αが乗算された
受信信号w(t)から干渉信号を推定し、第2の乗算器
54が当該推定結果を(1/α)倍することにより出力
レベル補正を行い、干渉信号抽出部55が当該レベル補
正後の推定結果に基づいて受信信号r(t)から干渉信
号V(t)を抽出し、合成器56が当該干渉信号V
(t)を用いて受信信号r(t)から当該干渉信号V
(t)を除去し、これにより、広帯域の希望信号のみを
抽出して出力する。
【0236】従って、本例の干渉信号除去装置では、こ
のように受信信号r(t)に1未満の制御係数αを乗算
する構成により、上記第4実施例の場合と同様な効果を
得ることができる。具体的には、本例の干渉信号除去装
置では、干渉信号の電力に応じた干渉除去の制御を行っ
て、受信信号r(t)のレベルを制御係数αにより干渉
信号の推定に関わる部分で制御することにより、特定の
レベルに達しない信号に関しては雑音下に埋もれさせ、
これにより、このような信号が干渉信号として推定され
ることを防ぐことができる。
【0237】なお、本例のように受信信号r(t)に1
未満の制御係数αを乗算すると、例えば上記第4実施例
で示した有効語長制限と同様な効果を得ることができ
る。例えば、演算語長を16ビットに固定した場合に、
制御係数α=0.125を用いると3ビットの有効語長
制限を受信信号r(t)に対して行ったのと同様な効果
を得ることができ、制御係数α=0.5を用いると1ビ
ットの有効語長制限を受信信号r(t)に対して行った
のと同様な効果を得ることができ、また、制御係数αの
値を(1/(2のべき乗))以外の数値とすることでよ
り細やかな制御を行うことも可能である。
【0238】また、本例の構成では、干渉信号抽出部5
3においてレベルの絞られた受信信号w(t)に基づい
て干渉信号が推定されるため、第2の乗算器54により
元のレベルに戻す操作を行っている。なお、上記第4実
施例の場合と同様に干渉除去後に残したい有効な信号を
量子化雑音レベル以下にすることが目的であるため、例
えば第2の乗算器54を第1の乗算器52の直後に直列
に配置してレベル補正を行うのも好ましく、この場合、
干渉信号抽出部55の入力レンジを無駄に捨てることな
く演算が可能となり、量子化雑音の除去効果を得やすく
なる。
【0239】ここで、本例では、干渉信号電力推定部5
1により本発明に言う干渉信号レベル推定手段が構成さ
れており、干渉信号電力推定部51や第1の乗算器52
により本発明に言う入力信号制御手段が構成されてお
り、干渉信号推定部53や第2の乗算器54により本発
明に言う干渉信号推定手段が構成されており、干渉信号
抽出部55により本発明に言う干渉信号抽出手段が構成
されており、合成器56により本発明に言う干渉信号除
去手段が構成されている。また、本例では、干渉信号抽
出手段は入力信号そのままから干渉信号を抽出してい
る。
【0240】ここで、以上に示した第1実施例〜第6実
施例では、受信信号r(t)に含まれる干渉信号の電力
を推定した結果に基づいて受信信号r(t)に対して行
う有効語長制限や受信信号r(t)に加える雑音のレベ
ルや受信信号r(t)に乗算する制御係数αを制御する
構成を示したが、例えば受信信号r(t)に対して行う
有効語長制限のビット数を固定値とした構成や、受信信
号r(t)に加える雑音のレベルを固定値とした構成
や、受信信号r(t)に乗算する制御係数αを固定値と
した構成を用いることもできる。このような構成では、
例えば受信入力部の過入力を防ぐために特定の電力値を
超える干渉信号を除去することが可能であり、特に、干
渉信号除去装置が受信入力部の過入力を防ぐためにのみ
用いられるような場合に有効である。
【0241】一例として、次に、本発明の第7実施例に
係る干渉信号除去装置を図面を参照して説明する。図7
には、本発明に係る干渉信号除去装置の一例を示してあ
り、この干渉信号除去装置には、語長制限部61と、干
渉信号推定部62と、干渉信号抽出部63と、合成器6
4とが備えられている。この干渉信号除去装置では、広
帯域の希望信号と複数の狭帯域の干渉信号とが合成され
た受信信号r(t)が入力信号として語長制限部61及
び干渉信号抽出部63及び合成器64に入力される。な
お、tは時刻を示す。
【0242】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、例えば予め固定的に設定された制御係数により制御
される有効語長制限が受信信号r(t)に対して行われ
るといった点を除いては、例えば上記第4実施例の図4
に示した干渉信号除去装置の構成と同様であり、本例で
は、異なる構成部分について詳しく説明する。
【0243】語長制限部61は、予め固定的に設定され
た制御係数により制御されて、入力される受信信号r
(t)の有効語長を固定的に設定されたビット数分だけ
制限して、当該有効語長制限後の受信信号w(t)を干
渉信号推定部62へ出力する。このようにして受信信号
r(t)の有効語長を制限すると、広帯域信号と比較的
低いレベルの干渉信号を固定的に設定された量子化雑音
レベル以下にすることができ、これにより、干渉信号推
定部62において受信レベルの低い干渉信号や広帯域信
号の周波数成分が推定されてしまうことを防止すること
ができる。
【0244】干渉信号推定部62は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される有効語
長制限後の受信信号w(t)及び合成器64から出力さ
れる干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号
を推定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h
(t)を干渉信号抽出部63へ出力する。干渉信号抽出
部63は、干渉信号推定部62から入力される干渉信号
推定係数h(t)に基づいて、入力される受信信号r
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を合成器64へ出力する。
【0245】合成器64は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部63から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器64から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
62に入力される。
【0246】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、受信信号r(t)に含まれる干渉信号を除去するに
際して、予め固定的に設定された特定の電力を超える干
渉信号に関してのみ干渉除去の制御を行うことにより、
例えば従来において干渉信号と共に本来受信処理を行い
たい希望信号までも抽出して除去してしまっていたこと
により生じていた受信品質の劣化を防ぐことができ、こ
れにより、干渉除去後の受信信号のビット誤り率を向上
させることができる。
【0247】ここで、本例では、語長制限部61により
本発明に言う入力信号制御手段が構成されており、干渉
信号推定部62により本発明に言う干渉信号推定手段が
構成されており、干渉信号抽出部63により本発明に言
う干渉信号抽出手段が構成されており、合成器64によ
り本発明に言う干渉信号除去手段が構成されている。ま
た、本例では、干渉信号抽出手段は入力信号そのままか
ら干渉信号を抽出している。
【0248】他の例として、次に、本発明の第8実施例
に係る干渉信号除去装置を図面を参照して説明する。図
8には、本発明に係る干渉信号除去装置の一例を示して
あり、この干渉信号除去装置には、雑音発生回路71
と、加算回路72と、干渉信号推定部73と、干渉信号
抽出部74と、合成器75とが備えられている。この干
渉信号除去装置では、広帯域の希望信号と複数の狭帯域
の干渉信号とが合成された受信信号r(t)が入力信号
として加算回路72及び干渉信号抽出部74及び合成器
75に入力される。なお、tは時刻を示す。
【0249】ここで、本例の干渉信号除去装置の構成
は、例えば予め固定的に設定された電力レベルを有する
雑音が受信信号r(t)に加えられるといった点を除い
ては、例えば上記第5実施例の図5に示した干渉信号除
去装置の構成と同様であり、本例では、異なる構成部分
について詳しく説明する。
【0250】雑音発生回路71は、予め固定的に設定さ
れた電力レベルを有する擬似的な雑音を発生させ、発生
させた雑音を加算回路72へ出力する。加算回路72
は、入力される受信信号r(t)と雑音発生回路71か
ら入力される雑音とを加算合成し、当該合成結果を雑音
が加えられた受信信号w(t)として干渉信号推定部7
3へ出力する。
【0251】このようにして受信信号r(t)に雑音を
加えると、広帯域信号と比較的低いレベルの干渉信号を
固定的に設定された量子化雑音レベル以下にすることが
でき、これにより、干渉信号推定部73において受信レ
ベルの低い干渉信号や広帯域信号の周波数成分が推定さ
れてしまうことを防止することができる。
【0252】干渉信号推定部73は、例えばLMS等の
一般的な適応アルゴリズムを用いて、入力される雑音が
加えられた受信信号w(t)及び合成器75から出力さ
れる干渉除去後の受信信号の一部e(t)から干渉信号
を推定し、当該推定結果である干渉信号推定係数h
(t)を干渉信号抽出部74へ出力する。干渉信号抽出
部74は、干渉信号推定部73から入力される干渉信号
推定係数h(t)に基づいて、入力される受信信号r
(t)から干渉信号V(t)を抽出し、抽出した干渉信
号V(t)を合成器75へ出力する。
【0253】合成器75は、入力される受信信号r
(t)から干渉信号抽出部74から入力される干渉信号
V(t)を減算することで、当該受信信号r(t)から
当該干渉信号V(t)を除去し、当該干渉除去後の受信
信号を当該干渉信号除去装置から出力する。ここで、適
切な干渉信号V(t)が抽出された場合には、干渉除去
後の受信信号は主に広帯域信号のみを抽出したものとな
る。また、合成器75から出力される干渉除去後の受信
信号の一部はエラー信号e(t)として干渉信号推定部
73に入力される。
【0254】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば予め固定的に設定されたレベルを有する雑音
を受信信号r(t)に加える構成により、上記第7実施
例の場合と同様な効果を得ることができる。なお、本例
の干渉信号除去装置では、上記第2実施例で述べたよう
に、雑音をアナログ的に受信信号r(t)に加えること
が可能であるため、アナログ演算素子を利用することも
可能である。
【0255】ここで、本例では、雑音発生回路71や加
算回路72により本発明に言う入力信号制御手段が構成
されており、干渉信号推定部73により本発明に言う干
渉信号推定手段が構成されており、干渉信号抽出部74
により本発明に言う干渉信号抽出手段が構成されてお
り、合成器75により本発明に言う干渉信号除去手段が
構成されている。また、本例では、干渉信号抽出手段は
入力信号そのままから干渉信号を抽出している。
【0256】次に、本発明の実施例に係るダイバーシチ
受信装置を図面を参照して説明する。なお、本実施例で
は、ダイバーシチ受信装置は例えばCDMA方式により
無線通信を行う受信機に設けられており、2つのブラン
チを有している。また、本実施例に係るダイバーシチ受
信装置に備えられる干渉信号除去装置としては、例えば
上記第1実施例〜上記第8実施例に示したような本発明
に係る干渉信号除去装置が用いられており、上記のよう
な受信機により受信される信号(広帯域の希望信号と狭
帯域の干渉信号とを含んだ信号)に含まれる干渉信号を
除去する。
【0257】以下に示す本実施例に係るダイバーシチ受
信装置では、例えば以上に示したような干渉信号除去装
置を1以上のブランチに備え、当該ブランチの信号を当
該干渉信号除去装置に入力して当該信号に含まれる干渉
信号を当該干渉信号除去装置により除去することを可能
としている。
【0258】具体的には、ダイバーシチ受信機が有する
複数のブランチの内で少なくとも1つのブランチに干渉
信号除去装置を備える。そして、必要に応じて、干渉信
号除去装置のオン/オフを制御する。このようなオン/
オフ制御としては、例えば、干渉信号の電力を検出した
結果に基づいて、干渉信号が存在しない場合や或いは存
在しても予め設定されたレベルより低い場合には干渉除
去動作を行わないように制御することができ、これによ
り、干渉信号が存在しない場合や低いレベルの干渉信号
しか存在しない場合に干渉除去動作を行うと却って特性
が劣化してしまうといったことを防止することができ
る。
【0259】まず、本発明の第9実施例に係るダイバー
シチ受信装置を図面を参照して説明する。図9には、本
発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示してあり、
このダイバーシチ受信装置には、第1の干渉信号除去装
置81と、第2の干渉信号除去装置82と、第1の電力
比較器83と、第2の電力比較器84と、ダイバーシチ
受信機85とが備えられている。
【0260】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機85が有する第1のブランチに対応する第
1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が第
1の干渉信号除去装置81及び第1の電力比較器83に
入力され、ダイバーシチ受信機85が有する第2のブラ
ンチに対応する第2のアンテナにより受信される信号
(受信信号2)が第2の干渉信号除去装置82及び第2
の電力比較器84に入力される。
【0261】第1の干渉信号除去装置81は、第1の電
力比較器83によるオン(ON)/オフ(OFF)制御
に従って、オンに制御されている場合には、入力される
受信信号1に対して干渉除去処理を行い、当該干渉除去
後の受信信号1をダイバーシチ受信機85へ出力する。
また、オフに制御されている場合には、第1の干渉信号
除去装置81は、入力される受信信号1をそのままダイ
バーシチ受信機85へ出力する。
【0262】第1の電力比較器83は、入力される受信
信号1の電力と例えば予め定められた閾値とを比較し、
当該受信信号1の電力が当該閾値を超えている場合には
第1の干渉信号除去装置81をオンにして受信信号1に
対する干渉除去処理を行わせる一方、当該受信信号1の
電力が当該閾値以下である場合(超えていない場合)に
は第1の干渉信号除去装置81をオフにして受信信号1
をそのまま出力させる。
【0263】同様に、第2の干渉信号除去装置82は、
第2の電力比較器84によるオン(ON)/オフ(OF
F)制御に従って、オンに制御されている場合には、入
力される受信信号2に対して干渉除去処理を行い、当該
干渉除去後の受信信号2をダイバーシチ受信機85へ出
力する。また、オフに制御されている場合には、第2の
干渉信号除去装置82は、入力される受信信号2をその
ままダイバーシチ受信機85へ出力する。
【0264】また、第2の電力比較器84は、入力され
る受信信号2の電力と例えば予め定められた閾値とを比
較し、当該受信信号2の電力が当該閾値を超えている場
合には第2の干渉信号除去装置82をオンにして受信信
号2に対する干渉除去処理を行わせる一方、当該受信信
号2の電力が当該閾値以下である場合(超えていない場
合)には第2の干渉信号除去装置82をオフにして受信
信号2をそのまま出力させる。
【0265】ダイバーシチ受信機85は、第1の干渉信
号除去装置81から入力される受信信号1及び第2の干
渉信号除去装置82から入力される受信信号2に基づい
てダイバーシチ受信を行い、具体的には、例えば受信信
号1と受信信号2とでレベルが高い方の信号を選択して
受信処理することや、或いは、受信信号1と受信信号2
とを適当な比率で合成して当該合成結果を受信処理する
ことを行う。
【0266】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する第1の干渉信号除去装置81及び第2の
干渉信号除去装置82のそれぞれをダイバーシチ受信機
85の2つの入力部に備え、第1の干渉信号除去装置8
1及び第2の干渉信号除去装置82のそれぞれによる干
渉除去処理のオン/オフを第1の電力比較器83及び第
2の電力比較器84により個別に制御することができ
る。これにより、ダイバーシチ受信に係る各受信信号
1、2毎に干渉除去のオン/オフを制御することが実現
される。
【0267】また、本例のダイバーシチ受信装置では、
それぞれの干渉信号除去装置81、82に入力される受
信信号1、2の電力と予め定められた閾値とを比較した
結果に基づいてそれぞれの干渉信号除去装置81、82
のオン/オフを制御しており、具体的には、受信信号
1、2の電力が閾値を越えた場合に当該受信信号1、2
に対応する干渉信号除去装置81、82を動作させて干
渉除去を行わせる。なお、閾値としては、種々な値が用
いられてもよい。また、本例では、受信信号1、2の電
力レベルに基づいて干渉信号除去装置81、82をオン
/オフ制御したが、信号のレベルとしては、例えば振幅
等の他のレベルが用いられてもよい。
【0268】従って、本例のダイバーシチ受信装置で
は、例えば上記図29の特性例に示されるように広帯域
希望信号の電力が狭帯域干渉信号の電力と等しいか或い
はそれより大きいときのように干渉除去を行わない方が
特性がよくなる条件下においても、各ブランチの受信入
力毎に干渉信号除去装置81、82を独立にオン/オフ
制御することにより、特性の改善をより図ることができ
る。これにより、例えば広帯域信号の電力と比べて狭帯
域干渉信号の電力が同じか或いは小さいような場合にお
いても、より通信品質が劣化しない干渉除去を実現する
ことができる。特に、このような構成は、本例のように
ダイバーシチ受信に適用して有効であり、本例のような
ダイバーシチ受信装置において干渉信号除去装置を有効
に活用して、従来と比べて特性の改善をより図ることが
できる。
【0269】また、例えばCDMAのシステムのように
受信機の入力レベルが一定の電力になるように電力制御
されている場合には、受信信号の電力が特定の電力を超
えることは当該受信信号に干渉信号が含まれることを示
すため、受信信号の電力の閾値として固定的な値を用い
て電力比較を行うことにより、適切に各干渉信号除去装
置81、82をオン/オフ制御することができる。
【0270】また、例えば第1の電力比較器83や第2
の電力比較器84をスペクトル分析装置に置き換えた構
成を用いることも可能である。この構成では、例えば第
1の干渉信号除去装置81に入力される受信信号1のス
ペクトル分析を第1のスペクトル分析装置により行い、
当該スペクトル分析の結果、希望信号と干渉信号との電
力差が例えば予め定められた閾値を超えた場合に、当該
第1の干渉信号除去装置81を作動させて干渉除去処理
を行わせ、同様に、例えば第2の干渉信号除去装置82
に入力される受信信号2のスペクトル分析を第2のスペ
クトル分析装置により行い、当該スペクトル分析の結
果、希望信号と干渉信号との電力差が例えば予め定めら
れた閾値を超えた場合に、当該第2の干渉信号除去装置
82を作動させて干渉除去処理を行わせるといったよう
にして、各干渉信号除去装置81、82を個別にオン/
オフ制御することができる。
【0271】また、例えば適応制御方式を用いた干渉信
号除去装置においては干渉除去処理の動作開始直後では
学習が必要なためにすぐには干渉信号の除去が行われな
いが、好ましい態様として、次のようにして、このよう
なことを防ぐことができる。すなわち、例えば第1の電
力比較器83の閾値と第2の電力比較器84の閾値とを
異なる値として、各ブランチ間の閾値を例えば10dB
差をつけておくことにより、干渉信号がフェージングの
影響によりレベル変動して干渉信号除去装置81、82
のオン/オフ切替が頻繁に発生するような境界条件下に
おいても、2つの干渉信号除去装置81、82が同時に
オフとなることを回避することができ、これにより、よ
り安定した干渉除去を行うことが可能となる。また、こ
のような構成では、干渉信号除去装置81、82をオン
/オフ切替することによる消費電力を削減することも可
能である。このように、ダイバーシチ受信機が有する各
ブランチ毎に干渉信号除去装置のオン/オフ制御に関わ
る動作条件を異なる条件に設定しておく構成も有効であ
る。
【0272】次に、本発明の第10実施例に係るダイバ
ーシチ受信装置を図面を参照して説明する。図10に
は、本発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示して
あり、このダイバーシチ受信装置には、第1の干渉信号
除去装置91と、第2の干渉信号除去装置92と、電力
比較器93と、ダイバーシチ受信機94とが備えられて
いる。
【0273】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機94が有する第1のブランチに対応する第
1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が第
1の干渉信号除去装置91に入力され、ダイバーシチ受
信機94が有する第2のブランチに対応する第2のアン
テナにより受信される信号(受信信号2)が第2の干渉
信号除去装置92及び電力比較器93に入力される。
【0274】なお、本例のダイバーシチ受信装置の構成
は、一方の干渉信号除去装置91が常に動作する一方、
他方の干渉信号除去装置92がオン/オフ制御されると
いった点を除いては、例えば上記第9実施例の図9に示
したダイバーシチ受信装置の構成と同様であり、本例で
は、異なる構成について詳しく説明する。
【0275】第1の干渉信号除去装置91は、常に動作
して、入力される受信信号1に対して干渉除去処理を行
い、当該干渉除去後の受信信号1をダイバーシチ受信機
94へ出力する。
【0276】第2の干渉信号除去装置92は、電力比較
器93によるオン(ON)/オフ(OFF)制御に従っ
て、オンに制御されている場合には、入力される受信信
号2に対して干渉除去処理を行い、当該干渉除去後の受
信信号2をダイバーシチ受信機94へ出力する。また、
オフに制御されている場合には、第2の干渉信号除去装
置92は、入力される受信信号2をそのままダイバーシ
チ受信機94へ出力する。
【0277】電力比較器93は、入力される受信信号2
の電力と例えば予め定められた閾値とを比較し、当該受
信信号2の電力が当該閾値を超えている場合には第2の
干渉信号除去装置92をオンにして受信信号2に対する
干渉除去処理を行わせる一方、当該受信信号2の電力が
当該閾値以下である場合(超えていない場合)には第2
の干渉信号除去装置92をオフにして受信信号2をその
まま出力させる。
【0278】ダイバーシチ受信機94は、第1の干渉信
号除去装置91から入力される受信信号1及び第2の干
渉信号除去装置92から入力される受信信号2に基づい
てダイバーシチ受信を行い、具体的には、例えば受信信
号1と受信信号2とでレベルが高い方の信号を選択して
受信処理することや、或いは、受信信号1と受信信号2
とを適当な比率で合成して当該合成結果を受信処理する
ことを行う。
【0279】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する第1の干渉信号除去装置91及び第2の
干渉信号除去装置92のそれぞれをダイバーシチ受信機
94の2つの入力部に備え、一方の干渉信号除去装置9
1については常に動作させて干渉除去処理を行うように
し、他方の干渉信号除去装置92についてはその干渉除
去処理のオン/オフを電力比較器93により制御するこ
とができる。
【0280】従って、例えば干渉信号が存在しないとき
には、第1の干渉信号除去装置91が常に動作し、第2
の干渉信号除去装置92が常に動作しないことにより、
第1の干渉信号除去装置91における特性劣化分を第2
の干渉信号除去装置92がダイバーシチ受信の効果によ
り補償することができる。また、第1の干渉信号除去装
置91が常に動作しているため、例えば突然に干渉信号
が入力された場合においても、すぐに応答して干渉除去
を行うことができる。
【0281】なお、本例のダイバーシチ受信装置では、
第2の干渉信号除去装置92に入力される受信信号2の
電力と予め定められた閾値とを比較した結果に基づいて
第2の干渉信号除去装置92のオン/オフを制御した
が、例えば上記第9実施例で述べたようにスペクトル分
析を用いてオン/オフ制御を行うことも可能である。
【0282】次に、本発明の第11実施例に係るダイバ
ーシチ受信装置を図面を参照して説明する。図11に
は、本発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示して
あり、このダイバーシチ受信装置には、第1の干渉信号
除去装置101と、第2の干渉信号除去装置102と、
電力比較器103と、ダイバーシチ受信機104とが備
えられている。
【0283】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機104が有する第1のブランチに対応する
第1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が
第1の干渉信号除去装置101に入力され、ダイバーシ
チ受信機104が有する第2のブランチに対応する第2
のアンテナにより受信される信号(受信信号2)が第2
の干渉信号除去装置102に入力される。
【0284】なお、本例のダイバーシチ受信装置の構成
は、一方の干渉信号除去装置101が常に動作する一
方、他方の干渉信号除去装置102がオン/オフ制御さ
れるといった点を除いては、例えば上記第9実施例の図
9に示したダイバーシチ受信装置の構成と同様であり、
本例では、異なる構成について詳しく説明する。
【0285】第1の干渉信号除去装置101は、常に動
作して、入力される受信信号1に対して干渉除去処理を
行い、当該干渉除去後の受信信号1をダイバーシチ受信
機104及び電力比較器103へ出力する。また、第1
の干渉信号除去装置101は、干渉除去処理において抽
出した干渉信号を電力比較器103へ出力する。
【0286】第2の干渉信号除去装置102は、電力比
較器103によるオン(ON)/オフ(OFF)制御に
従って、オンに制御されている場合には、入力される受
信信号2に対して干渉除去処理を行い、当該干渉除去後
の受信信号2をダイバーシチ受信機104へ出力する。
また、オフに制御されている場合には、第2の干渉信号
除去装置102は、入力される受信信号2をそのままダ
イバーシチ受信機104へ出力する。
【0287】電力比較器103は、第1の干渉信号除去
装置101から入力される干渉除去後の受信信号1の電
力と当該第1の干渉信号除去装置101から入力される
干渉信号の電力とを比較し、当該比較結果に基づいて第
2の干渉信号除去装置102による干渉除去処理をオン
/オフ制御する。
【0288】ここで、具体的には、本例の電力比較器1
03は、干渉除去後の受信信号1の電力と抽出された干
渉信号の電力との差が例えば予め定められた閾値を超え
る場合には第2の干渉信号除去装置102をオンにして
受信信号2に対する干渉除去処理を行わせる一方、当該
差が当該閾値以下である場合(超えていない場合)には
第2の干渉信号除去装置102をオフにして受信信号2
をそのまま出力させる。なお、干渉除去後の受信信号1
は、干渉信号が適切に除去されている場合には、主に広
帯域の希望信号を含むものとなる。
【0289】ダイバーシチ受信機104は、第1の干渉
信号除去装置101から入力される受信信号1及び第2
の干渉信号除去装置102から入力される受信信号2に
基づいてダイバーシチ受信を行い、具体的には、例えば
受信信号1と受信信号2とでレベルが高い方の信号を選
択して受信処理することや、或いは、受信信号1と受信
信号2とを適当な比率で合成して当該合成結果を受信処
理することを行う。
【0290】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する第1の干渉信号除去装置101及び第2
の干渉信号除去装置102のそれぞれをダイバーシチ受
信機104の2つの入力部に備え、一方の干渉信号除去
装置101については常に動作させて干渉除去処理を行
うようにし、他方の干渉信号除去装置102については
その干渉除去処理のオン/オフを電力比較器103によ
り制御することができる。このように、本例では、或る
ブランチの干渉信号除去装置のオン/オフを他のブラン
チの受信信号等に基づいて制御する。
【0291】従って、本例のダイバーシチ受信装置で
は、例えば干渉信号が存在しないときには、第1の干渉
信号除去装置101が常に動作し、第2の干渉信号除去
装置102が常に動作しないことにより、第1の干渉信
号除去装置101における特性劣化分を第2の干渉信号
除去装置102がダイバーシチ受信の効果により補償す
ることができる。また、第1の干渉信号除去装置101
が常に動作しているため、例えば突然に干渉信号が入力
された場合においても、すぐに応答して干渉除去を行う
ことができる。
【0292】また、本例では、第1の干渉信号除去装置
101により抽出された干渉信号と干渉除去後の受信信
号(希望信号)との電力差が所定の閾値を超えた場合に
第2の干渉信号除去装置102が遅れて動作させられる
構成となっており、これにより、例えば片側のブランチ
の受信信号1が干渉を受けている場合に反対側のブラン
チの受信信号2も干渉を受けているとみなして当該ブラ
ンチに対応する第2の干渉信号除去装置102をオフか
らオンへ切り替えて動作させることが実現されている。
【0293】次に、本発明の第12実施例に係るダイバ
ーシチ受信装置を図面を参照して説明する。図12に
は、本発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示して
あり、このダイバーシチ受信装置には、干渉信号除去装
置111と、ダイバーシチ受信機112とが備えられて
いる。
【0294】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機112が有する第1のブランチに対応する
第1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が
直接的にダイバーシチ受信機112に入力され、ダイバ
ーシチ受信機112が有する第2のブランチに対応する
第2のアンテナにより受信される信号(受信信号2)が
干渉信号除去装置111に入力される。
【0295】干渉信号除去装置111は、常に動作し
て、入力される受信信号2に対して干渉除去処理を行
い、当該干渉除去後の受信信号2をダイバーシチ受信機
112へ出力する。ダイバーシチ受信機112は、入力
される受信信号1及び干渉信号除去装置111から入力
される受信信号2に基づいてダイバーシチ受信を行い、
具体的には、例えば受信信号1と受信信号2とでレベル
が高い方の信号を選択して受信処理することや、或い
は、受信信号1と受信信号2とを適当な比率で合成して
当該合成結果を受信処理することを行う。
【0296】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する干渉信号除去装置111をダイバーシチ
受信機112の片側の入力部に備えるとともに、ダイバ
ーシチ受信機112の反対側の入力部は受信信号1その
ままを入力するようにして、当該干渉信号除去装置11
1については常に動作させて干渉除去処理を行うように
し、これにより、干渉信号が発生した場合には2系統あ
るダイバーシチ受信入力の片側(第2のブランチ)のみ
干渉除去を行う。
【0297】従って、例えば干渉信号が存在しないとき
には、第1のブランチの受信信号1の特性がよく、第2
のブランチの受信信号2については干渉信号除去装置1
11が常に動作することにより特性が若干劣化するが、
これはダイバーシチ受信機112によるダイバーシチ受
信の効果により補償することができる。また、例えば干
渉信号が存在する場合には、一方の受信信号2側で干渉
信号除去装置111が動作して干渉除去が行われる一
方、他方の受信信号1側では干渉信号の影響を受けるこ
とから例えばダイバーシチ合成の効果はあまり得られな
いが、実用上で有効な程度の品質で受信を行うことは十
分に可能である。本例のような構成は、例えば干渉信号
除去装置を備えていない既設のダイバーシチ受信装置に
新たに干渉信号除去装置を追加するような場合に有効で
あり、設備負担を最小限に抑えることができる。
【0298】次に、本発明の第13実施例に係るダイバ
ーシチ受信装置を図面を参照して説明する。図13に
は、本発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示して
あり、このダイバーシチ受信装置には、干渉信号除去装
置121と、電力比較器122と、ダイバーシチ受信機
123とが備えられている。
【0299】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機123が有する第1のブランチに対応する
第1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が
直接的にダイバーシチ受信機123に入力され、ダイバ
ーシチ受信機123が有する第2のブランチに対応する
第2のアンテナにより受信される信号(受信信号2)が
干渉信号除去装置121及び電力比較器122に入力さ
れる。
【0300】なお、本例のダイバーシチ受信装置の構成
は、干渉信号除去装置121がオン/オフ制御されると
いった点を除いては、例えば上記第12実施例の図12
に示したダイバーシチ受信装置の構成と同様であり、本
例では、異なる構成について詳しく説明する。
【0301】干渉信号除去装置121は、電力比較器1
22によるオン(ON)/オフ(OFF)制御に従っ
て、オンに制御されている場合には、入力される受信信
号2に対して干渉除去処理を行い、当該干渉除去後の受
信信号2をダイバーシチ受信機123へ出力する。ま
た、オフに制御されている場合には、第2の干渉信号除
去装置121は、入力される受信信号2をそのままダイ
バーシチ受信機123へ出力する。
【0302】電力比較器122は、入力される受信信号
2の電力と例えば予め定められた閾値とを比較し、当該
受信信号2の電力が当該閾値を超えている場合には干渉
信号除去装置121をオンにして受信信号2に対する干
渉除去処理を行わせる一方、当該受信信号2の電力が当
該閾値以下である場合(超えていない場合)には干渉信
号除去装置121をオフにして受信信号2をそのまま出
力させる。
【0303】ダイバーシチ受信機123は、入力される
受信信号1及び干渉信号除去装置121から入力される
受信信号2に基づいてダイバーシチ受信を行い、具体的
には、例えば受信信号1と受信信号2とでレベルが高い
方の信号を選択して受信処理することや、或いは、受信
信号1と受信信号2とを適当な比率で合成して当該合成
結果を受信処理することを行う。
【0304】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する干渉信号除去装置121をダイバーシチ
受信機123の片側の入力部に備えるとともに、ダイバ
ーシチ受信機123の反対側の入力部は受信信号1その
ままを入力するようにして、当該干渉信号除去装置12
1による干渉除去処理のオン/オフを電力比較器122
により制御することができる。
【0305】従って、例えば上記第12実施例の場合と
同様な効果を得ることができる。また、例えば適応制御
方式を用いた干渉信号除去装置においては動作直後では
学習時間であるために干渉除去の応答性が悪いが、本例
では、干渉信号除去装置121のオン/オフを制御する
ことにより、消費電力を削減することができる。特に、
本例のような構成は、干渉信号の発生がほとんど起こら
ないような環境において非常に有効である。
【0306】なお、本例のダイバーシチ受信装置では、
干渉信号除去装置121に入力される受信信号2の電力
と予め定められた閾値とを比較した結果に基づいて干渉
信号除去装置121のオン/オフを制御したが、例えば
上記第9実施例で述べたようにスペクトル分析を用いて
オン/オフ制御を行うことも可能である。
【0307】次に、本発明の第14実施例に係るダイバ
ーシチ受信装置を図面を参照して説明する。図14に
は、本発明に係るダイバーシチ受信装置の一例を示して
あり、このダイバーシチ受信装置には、干渉信号除去装
置131と、電力比較器132と、ダイバーシチ受信機
133とが備えられている。
【0308】本例のダイバーシチ受信装置では、ダイバ
ーシチ受信機133が有する第1のブランチに対応する
第1のアンテナにより受信される信号(受信信号1)が
直接的にダイバーシチ受信機133に入力されるととも
に、当該受信信号1が電力比較器132に入力され、ダ
イバーシチ受信機133が有する第2のブランチに対応
する第2のアンテナにより受信される信号(受信信号
2)が干渉信号除去装置131及び電力比較器132に
入力される。
【0309】なお、本例のダイバーシチ受信装置の構成
は、干渉信号除去装置131をオン/オフ制御する電力
比較器132に係る構成が異なるといった点を除いて
は、例えば上記第13実施例の図13に示したダイバー
シチ受信装置の構成と同様であり、本例では、異なる構
成について詳しく説明する。
【0310】干渉信号除去装置131は、電力比較器1
32によるオン(ON)/オフ(OFF)制御に従っ
て、オンに制御されている場合には、入力される受信信
号2に対して干渉除去処理を行い、当該干渉除去後の受
信信号2をダイバーシチ受信機133へ出力する。ま
た、オフに制御されている場合には、第2の干渉信号除
去装置131は、入力される受信信号2をそのままダイ
バーシチ受信機133へ出力する。
【0311】電力比較器132は、入力される受信信号
1の電力及び入力される受信信号2の電力と例えば予め
定められた閾値とを比較し、当該受信信号1の電力と当
該受信信号2の電力の一方或いは両方が当該閾値を超え
ている場合には干渉信号除去装置132をオンにして受
信信号2に対する干渉除去処理を行わせる一方、当該受
信信号1の電力及び当該受信信号2の電力のいずれもが
当該閾値以下である場合(超えていない場合)には干渉
信号除去装置132をオフにして受信信号2をそのまま
出力させる。つまり、2つの受信信号1、2の内の少な
くともいずれか一方の電力が閾値を超えた場合には、干
渉信号が存在するとみなして、干渉信号除去装置132
を動作させて干渉除去処理を行わせる。
【0312】ダイバーシチ受信機133は、入力される
受信信号1及び干渉信号除去装置132から入力される
受信信号2に基づいてダイバーシチ受信を行い、具体的
には、例えば受信信号1と受信信号2とでレベルが高い
方の信号を選択して受信処理することや、或いは、受信
信号1と受信信号2とを適当な比率で合成して当該合成
結果を受信処理することを行う。
【0313】以上のように、本例のダイバーシチ受信装
置では、例えば広帯域信号と当該広帯域信号の帯域と比
べて狭帯域な複数の干渉信号とを含む受信信号から干渉
信号を除去する干渉信号除去装置131をダイバーシチ
受信機133の片側の入力部に備えるとともに、ダイバ
ーシチ受信機133の反対側の入力部は受信信号1その
ままを入力するようにして、当該干渉信号除去装置13
1による干渉除去処理のオン/オフを電力比較器132
により制御することができる。
【0314】従って、例えば上記第13実施例の場合と
同様な効果を得ることができる。また、いずれかの受信
信号1、2の電力が閾値を超えた場合に干渉信号除去装
置131が動作させられて干渉除去処理が行われる構成
となっており、このように干渉信号の有無を両方の受信
信号1、2を用いて判断することにより、干渉信号の有
無をなるべく早めに検出することができ、これにより、
干渉信号除去装置131のオン/オフ制御を迅速に行う
ことができる。
【0315】なお、本例のダイバーシチ受信装置では、
干渉信号除去装置131に入力される受信信号2の電力
と予め定められた閾値とを比較した結果に基づいて干渉
信号除去装置131のオン/オフを制御したが、例えば
上記第9実施例で述べたようにスペクトル分析を用いて
オン/オフ制御を行うことも可能である。また、例えば
上記第9実施例で述べたように、各ブランチの受信信号
1、2毎に干渉信号除去装置131のオン/オフを制御
するための条件を異ならせることも可能である。
【0316】ここで、本発明に係る干渉信号除去装置や
基地局装置や移動局装置やダイバーシチ受信装置等の構
成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種
々な構成が用いられてもよい。また、本発明の適用分野
としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発
明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0317】一例として、本発明は、例えばW−CDM
A等の次世代携帯電話に係る基地局装置や移動局装置
や、HDR(High Data Rate)基地局装置などの種々な
装置に適用することが可能であり、また、例えばCDM
A方式を採用した受信機に限られず、本発明は、例えば
種々な通信方式を採用する基地局装置や移動局装置や中
継局装置等の受信機に適用することも可能なものであ
る。
【0318】また、本発明に係る干渉信号除去装置の構
成としては、例えば上記図20や上記図22や上記図2
3や上記図24に示したような構成の装置に、本発明に
係る干渉信号除去装置を適用することも可能である。ま
た、本例では、本発明に係る干渉信号除去装置を備えた
ダイバーシチ受信装置の種々な構成を示したが、これら
種々な構成を有するダイバーシチ受信装置において他の
干渉信号除去装置を用いることも可能であり、この場
合、干渉信号除去装置としては本発明に係る構成に限ら
れずに種々なものを用いることが可能である。
【0319】また、本発明に係る干渉信号除去装置や基
地局装置や移動局装置やダイバーシチ受信装置等におい
て行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメ
モリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサが
ROMに格納された制御プログラムを実行することによ
り制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当
該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウ
エア回路として構成されてもよい。また、本発明は上記
の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)デ
ィスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り
可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握す
ることもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコン
ピュータに入力してプロセッサに実行させることによ
り、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0320】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る干渉
信号除去装置などでは、広帯域の希望信号と狭帯域の干
渉信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する
に際して、例えば入力信号のデジタル値の有効語長を制
限することや入力信号に雑音を加えることや入力信号に
1未満の制御係数を乗算することにより入力信号を制御
し、制御された入力信号に基づいて入力信号に含まれる
干渉信号を推定し、当該推定結果に基づいて入力信号に
含まれる干渉信号を抽出し、当該抽出される干渉信号を
入力信号から除去するようにしたため、比較的大きいレ
ベルを有する干渉信号のみを推定や抽出して入力信号か
ら除去することができ、これにより、例えば希望信号ま
でも除去してしまうことを抑制して、干渉除去後の入力
信号の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図4】 本発明の第4実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図5】 本発明の第5実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図6】 本発明の第6実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図7】 本発明の第7実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図8】 本発明の第8実施例に係る干渉信号除去装置
の構成例を示す図である。
【図9】 本発明の第9実施例に係るダイバーシチ受信
装置の構成例を示す図である。
【図10】 本発明の第10実施例に係るダイバーシチ
受信装置の構成例を示す図である。
【図11】 本発明の第11実施例に係るダイバーシチ
受信装置の構成例を示す図である。
【図12】 本発明の第12実施例に係るダイバーシチ
受信装置の構成例を示す図である。
【図13】 本発明の第13実施例に係るダイバーシチ
受信装置の構成例を示す図である。
【図14】 本発明の第14実施例に係るダイバーシチ
受信装置の構成例を示す図である。
【図15】 本発明に係る干渉信号除去装置を用いて広
帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該干
渉信号を除去する場合の様子の一例を示す図である。
【図16】 本発明に係る干渉信号除去装置を用いて広
帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該干
渉信号を除去する場合の様子の一例を示す図である。
【図17】 従来例に係る干渉信号除去装置の構成例を
示す図である。
【図18】 拡散符号系列の一例を説明するための図で
ある。
【図19】 CDMA方式による広帯域の拡散信号と狭
帯域の干渉信号とを含む受信信号のスペクトルの一例を
示す図である。
【図20】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図21】 適応フィルタの構成例を示す図である。
【図22】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図23】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図24】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図25】 ダイバーシチ受信装置の構成例を示す図で
ある。
【図26】 CDMA信号に2波のFM信号が干渉した
受信信号のスペクトルの一例を示す図である。
【図27】 干渉信号除去処理の開始直後において干渉
信号除去装置から出力される信号のスペクトルの一例を
示す図である。
【図28】 干渉信号除去処理を開始してからしばらく
の時間が経過した場合において干渉信号除去装置から出
力される信号のスペクトルの一例を示す図である。
【図29】 干渉信号除去特性の一例を示す図である。
【図30】 従来例に係る干渉信号除去装置を用いて広
帯域信号と狭帯域干渉信号とを含む受信信号から当該干
渉信号を除去する場合の様子の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51・・干渉信号電力推
定部、 2、32、61・・語長制限部、 3、14、23、33、44、53、62、73、14
1・・干渉信号推定部、 4、15、24、34、45、55、63、74、14
2・・干渉信号抽出部、 5、16、26、35、46、56、64、75、14
3・・合成器、 12、42、71・・雑音発生回路、 13、43、7
2・・加算回路、 22、25、52、54・・乗算器、 81、82、91、92、101、102、111、1
21、131、191、192・・干渉信号除去装置、 83、84、93、103、122、132・・電力比
較器、 85、94、104、112、123、133、193
・・ダイバーシチ受信機、

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号と
    を含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する干渉信号
    除去装置において、 所定の閾値を超えるレベルを有する干渉信号のみを入力
    信号から除去することを特徴とする干渉信号除去装置。
  2. 【請求項2】 広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号と
    を含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する干渉信号
    除去装置において、 入力信号のデジタル値の有効語長を制限する入力信号制
    御手段と、 有効語長が制限された入力信号に基づいて入力信号に含
    まれる干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、 干渉信号推定手段の推定結果に基づいて入力信号に含ま
    れる干渉信号を抽出する干渉信号抽出手段と、 抽出される干渉信号を入力信号から除去する干渉信号除
    去手段と、 を備えたことを特徴とする干渉信号除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 干渉信号抽出手段は、有効語長が制限された入力信号か
    ら干渉信号を抽出することを特徴とする干渉信号除去装
    置。
  4. 【請求項4】 広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号と
    を含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する干渉信号
    除去装置において、 入力信号に雑音を加える入力信号制御手段と、 雑音が加えられた入力信号に基づいて入力信号に含まれ
    る干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、 干渉信号推定手段の推定結果に基づいて入力信号に含ま
    れる干渉信号を抽出する干渉信号抽出手段と、 抽出される干渉信号を入力信号から除去する干渉信号除
    去手段と、 を備えたことを特徴とする干渉信号除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 干渉信号抽出手段は、雑音が加えられた入力信号から干
    渉信号を抽出することを特徴とする干渉信号除去装置。
  6. 【請求項6】 広帯域の希望信号と狭帯域の干渉信号と
    を含んだ入力信号から当該干渉信号を除去する干渉信号
    除去装置において、 入力信号に1未満の制御係数を乗算する入力信号制御手
    段と、 制御係数が乗算された入力信号に基づいて入力信号に含
    まれる干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、 干渉信号推定手段の推定結果に基づいて入力信号に含ま
    れる干渉信号を抽出する干渉信号抽出手段と、 抽出される干渉信号を入力信号から除去する干渉信号除
    去手段と、 を備えたことを特徴とする干渉信号除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 干渉信号抽出手段は、制御係数が乗算された入力信号か
    ら干渉信号を抽出することを特徴とする干渉信号除去装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の干渉信号除去装置において、 入力信号制御手段は、入力信号に含まれる干渉信号のレ
    ベルを推定する干渉信号レベル推定手段を有し、推定し
    た干渉信号のレベルに基づいて入力信号を制御すること
    を特徴とする干渉信号除去装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に
    記載の干渉信号除去装置を備え、移動局装置から無線受
    信した信号を当該干渉信号除去装置に入力して当該信号
    に含まれる干渉信号を当該干渉信号除去装置により除去
    することを特徴とする移動通信システムの基地局装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項
    に記載の干渉信号除去装置を1以上のブランチに備え、
    当該ブランチの信号を当該干渉信号除去装置に入力して
    当該信号に含まれる干渉信号を当該干渉信号除去装置に
    より除去することを可能としたことを特徴とするダイバ
    ーシチ受信装置。
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