JP2000244365A - 受信機 - Google Patents

受信機

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JP2000244365A
JP2000244365A JP4505499A JP4505499A JP2000244365A JP 2000244365 A JP2000244365 A JP 2000244365A JP 4505499 A JP4505499 A JP 4505499A JP 4505499 A JP4505499 A JP 4505499A JP 2000244365 A JP2000244365 A JP 2000244365A
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JP
Japan
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signal
component
interference
signals
divided
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JP4505499A
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English (en)
Inventor
Masashi Naito
昌志 内藤
Naoki Motoe
直樹 本江
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Publication date
Application filed by Kokusai Electric Corp filed Critical Kokusai Electric Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CDMA方式により拡散変調された拡散信号
と干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を除去す
る受信機で、例えば複数の干渉信号が存在する場合であ
っても精度よく干渉信号を除去する。 【解決手段】 分割手段1が受信信号を複数の帯域の信
号に分割し、分割される各帯域の信号毎に干渉除去回路
4、5が干渉信号を除去し、合成手段6が干渉信号成分
を除去した複数帯域の分割信号を合成する。各干渉除去
回路では、時間差手段が分割信号を分配して得られる2
つの信号間に拡散符号の1チップ分以上の時間差を与
え、検出手段が時間差を与えた2つの信号間で相関のあ
る信号成分を干渉信号成分として検出し、除去手段が検
出した干渉信号成分を当該分割信号から除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDMA方式によ
り拡散変調された拡散信号と干渉信号とを含む受信信号
や受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去
する受信機に関し、特に、複数の干渉信号が存在する場
合であっても精度よく干渉信号を除去する受信機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばDS−CDMA方式を用いた移動
通信システムでは、各移動局に異なる拡散符号を割り当
てることで複数の移動局と基地局との多重通信を実現し
ている。具体的には、各移動局では送信対象となる信号
を自己に割り当てられた拡散符号により拡散変調して送
信する一方、基地局では各移動局に割り当てられた拡散
符号を用いて受信信号を逆拡散することで希望の移動局
からの信号を復調する。また、同様に、移動局では基地
局からの受信信号を自己に割り当てられた拡散符号によ
り逆拡散することで自己宛の信号を復調する。
【0003】図8には、例えばPN(疑似雑音信号)系
列から構成された拡散符号系列の一例を示してある。同
図に示されるように、1単位(1シンボル分)の拡散符
号は複数のチップデータ(例えば”1”値と”−1”値
の並び)から構成されており、このチップデータの並び
のパターンを異ならせることにより複数の異なる拡散符
号を生成することができる。ここで、拡散符号は、例え
ば或る拡散符号を1チップ時間以上ずらすと当該拡散符
号との相関がなくなるといった特性を有している。
【0004】また、同図には、1つのチップデータの時
間幅(チップ区間Tc)と1シンボル分の拡散符号の時
間幅(ビット区間T)とを示してある。ここで、1シン
ボル分の拡散符号の時間幅は、送信機(例えば移動局や
基地局)から受信機(例えば基地局や移動局)へ送信す
る送信データ(例えば”1”値と”0”値)の時間幅と
対応している。すなわち、拡散符号を構成するチップデ
ータの変化速度は、当該拡散符号により拡散変調される
送信データの切換速度(シンボル切換速度)に比べて非
常に速い速度となっている。
【0005】ところで、上記のような無線通信では、通
信に用いている周波数帯域内に、意図に反して他の(す
なわち、CDMA方式以外の)狭帯域信号等が入り混じ
って干渉を生じさせてしまう場合がある。このような干
渉信号が例えばシステム設計時に想定していた雑音等に
よる妨害の程度より大きい場合には、受信機での受信品
質が著しく劣化してしまうことが生じる。
【0006】また、例えば周波数帯域の有効利用を目的
として、CDMA方式のように比較的広い周波数帯域を
用いて通信する方式とFM(周波数変調)方式等のよう
に狭帯域を用いて通信する方式とにより多重通信を実現
することも考えられる。具体的には、例えばCDMA方
式による拡散信号の周波数帯域にFM方式等のアナログ
通信方式による信号を多重して周波数帯域の有効利用を
図ることが原理的には可能である。しかしながら、もし
もCDMA受信機が受信信号からFM方式等による信号
を除去できないとすると、当該信号と拡散信号とが互い
に干渉してしまうため、ビット誤りが増加し、受信品質
の劣化を招いてしまう。
【0007】なお、図9には、CDMA方式による拡散
信号とFM方式による信号(FM干渉波)とを含む受信
信号のスペクトルの一例を示してあり、横軸は周波数を
示し、縦軸はスペクトル強度を示している。以上のよう
に、CDMA方式による拡散信号の周波数帯域に干渉信
号が意図的或いは偶発的に存在してしまうと、CDMA
受信機では拡散信号の受信品質が劣化してしまうといっ
た不具合があり、特に、干渉信号のレベルが非常に大き
い場合には、CDMA方式による拡散信号を正常に復調
することが不可能になってしまうことも生じる。
【0008】このような不具合に対処するものとして、
例えば図2に示す干渉除去回路をCDMA受信機に備え
て、当該干渉除去回路により受信信号からFM変調波等
の干渉信号を除去することが考えられる。同図に示した
干渉除去回路は、CDMA方式による拡散信号の特性を
利用することで、CDMA方式により拡散変調された拡
散信号と干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を
抽出して除去することができるものであり、この干渉除
去処理は、例えば最小2乗平均誤差法(MMSE)を実
現する方法として知られるLMS(Least Mean Squar
e)のアルゴリズムを用いて行われる。なお、この干渉
除去回路の詳細については後述する本発明の実施例で述
べる。
【0009】また、上記のような最小2乗平均誤差法を
用いたものとして、例えば特開平9−321734号公
報に記載されたCDMA干渉除去装置では、各拡散符号
相互間に相関が存在する場合に、複数の異なる拡散符号
により拡散変調した拡散信号を多重通信するに際して、
受信信号から希望の拡散信号以外の拡散信号(すなわ
ち、希望の拡散信号にとっては干渉信号)を除去する構
成が開示されており、この干渉除去の仕方として、最小
2乗平均誤差法が用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記図2に示したような干渉除去回路を備えたCDMA
受信機では、受信信号に入り混じる干渉信号の数が増加
するに従って干渉除去の性能が低下し、受信誤り率が大
きくなってしまうといった不具合があった。具体的に
は、例えば各干渉信号が等電力であるとして考えると、
受信信号中の干渉信号の数が1つである場合に比べて2
つである場合には干渉信号の総電力量が3dB増加し、
また、4つである場合には当該総電力量が6dB増加す
るといったようなことが生じ、干渉信号の数が増加する
に従って精度のよい干渉除去が困難になってしまう。ま
た、条件によっては、例えば干渉信号が1つである場合
に比べて2つである場合の干渉除去性能が10dB程度
劣化してしまうことも生じ得る。
【0011】なお、受信信号中の干渉信号の数が増加す
るに従って干渉除去性能が低下する理由としては、例え
ばそれぞれの干渉信号が独立に変動するにもかかわら
ず、上記図2に示したような干渉除去回路によりこれら
の干渉信号をまとめて受信信号から抽出して除去しよう
とすると、それぞれの干渉信号の変動に追いつけないた
めである。このため、例えば受信信号から複数の干渉信
号を抽出するに際して、干渉信号と共にCDMA方式に
よる拡散信号までをも一部除去してしまう等といったこ
とが生じ得る。
【0012】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、CDMA方式により拡散変調
された拡散信号と干渉信号とを含む受信信号から当該干
渉信号を除去するに際して、例えば受信信号中に複数の
干渉信号が存在する場合であっても精度よく干渉信号を
除去することができる受信機を提供することを目的とす
る。また、本発明は、同様に、CDMA方式により拡散
変調された拡散信号と干渉信号とを含む受信信号のI成
分及びQ成分から当該干渉信号を除去するに際して、例
えば受信信号のI成分及びQ成分中に複数の干渉信号が
存在する場合であっても精度よく干渉信号を除去するこ
とができる受信機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る受信機では、次のようにして、CDM
A方式により拡散変調された拡散信号と干渉信号とを含
む受信信号から当該干渉信号を除去する。すなわち、ま
ず、分割手段が受信信号を複数の帯域の信号に分割す
る。次に、分割される各帯域の信号毎に、時間差手段が
当該分割信号を分配して得られる2つの信号間に拡散符
号の1チップ分以上の時間差を与え、検出手段が時間差
を与えた2つの信号間で相関のある信号成分を干渉信号
成分として検出し、除去手段が検出した干渉信号成分を
当該分割信号から除去する。そして、合成手段が干渉信
号成分を除去した複数帯域の分割信号を合成する。
【0014】従って、受信信号が複数帯域の信号に分割
されて各分割信号毎に干渉信号が除去されるため、例え
ば受信信号に複数の干渉信号が混入してしまった場合で
あっても、各分割信号に含まれる干渉信号の数を少なく
することができ、これにより、干渉除去の精度を向上さ
せることができる。
【0015】また、上記した時間差手段と検出手段と除
去手段によると、各分割信号中の拡散信号は1チップ分
以上の時間差が与えられることにより前記2つの信号間
での相関がなくなる一方、FM変調波等の干渉信号は通
常チップデータに比べて緩やかに変化することから前記
2つの信号間で相関を有するため、このような干渉信号
を検出して当該分割信号から除去することができ、これ
により、受信品質の劣化を防ぎ、受信品質を向上させる
ことができる。このように、本発明では、拡散信号の特
性(上記した無相関性)を利用することで、例えば無線
伝送路で加わった相関性のある干渉信号を検出して除去
することができる。
【0016】なお、本発明により検出して除去すること
が可能な干渉信号としては、必ずしもFM変調波に限ら
れず、要は、時間差を与えた場合に拡散信号に比べて高
い相関性を有するもの、すなわち、受信信号に時間差を
与えて前記2つの信号間で拡散信号の相関成分をなくし
た場合においても相関成分を有するものであればよい。
具体的には、例えばCDMA方式以外のTDMA方式や
FDMA方式等による信号を干渉信号とみなして除去す
ることも可能である。
【0017】また、上記した1チップ分以上の時間差と
は、前記2つの信号間で拡散信号の相関成分をなくすこ
とができる程度の時間差であって、且つ、前記2つの信
号間で除去しようとする干渉信号の相関成分を残すこと
ができる程度の時間差のことである。
【0018】また、本発明に係る受信機では、次のよう
にして、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と
干渉信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分から当該
干渉信号を除去する。すなわち、まず、分割手段がI成
分及びQ成分をそれぞれ複数の帯域の信号に分割する。
次に、分割される各帯域の信号毎に、時間差手段が分割
されたI成分を分配して得られる2つの信号間及び分割
されたQ成分を分配して得られる2つの信号間に拡散符
号の1チップ分以上の時間差を与え、検出手段が時間差
を与えた一方のI成分及びQ成分から成る受信信号と他
方のI成分及びQ成分から成る受信信号との間で相関の
ある信号成分を干渉信号成分として検出して当該干渉信
号成分のI成分及びQ成分を検出し、除去手段が検出し
た干渉信号成分のI成分を前記分割されたI成分から除
去するとともに検出した干渉信号成分のQ成分を前記分
割されたQ成分から除去する。そして、合成手段が干渉
信号成分を除去した複数帯域の分割されたI成分を合成
するとともに干渉信号成分を除去した複数帯域の分割さ
れたQ成分を合成する。
【0019】従って、受信信号のI成分及びQ成分が複
数帯域の信号に分割されて各帯域の信号毎に干渉信号が
除去されるため、例えば受信信号のI成分及びQ成分に
複数の干渉信号が混入してしまった場合であっても、分
割した各帯域のI成分及びQ成分に含まれる干渉信号の
数を少なくすることができ、これにより、干渉除去の精
度を向上させることができる。
【0020】また、上記した時間差手段と検出手段と除
去手段によると、例えば上記した本発明の請求項1に係
る受信機と同様に、拡散信号の特性(無相関性)を利用
することで、比較的相関性の高い干渉信号を受信信号か
ら除去することができ、これにより、受信品質を向上さ
せることができる。また、分割した各帯域のI成分やQ
成分に含まれる干渉信号成分を検出するに際して、当該
I成分と当該Q成分の両方を考慮している(すなわち、
I成分及びQ成分から成る受信信号間で相関のある信号
成分を干渉信号成分としている)のは、例えば干渉信号
成分のI成分及びQ成分のI−Q平面における位相回転
を補償するためである。
【0021】すなわち、例えば分割した各帯域のI成分
のみ或いはQ成分のみを上記した本発明の請求項1で言
う分割信号と考えて、当該請求項1に係る受信機により
当該I成分や当該Q成分中の干渉信号を除去することも
可能ではあるが、本発明の請求項2に係る受信機により
干渉信号を除去する方が、位相回転を補償することがで
きて干渉除去の精度を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例を図面を参照
して説明する。なお、本例に係る受信機の要部は受信信
号から干渉信号を除去する構成であるため、以下では、
主として当該構成について説明する。図1には、本発明
に係る受信機に備えられる干渉除去回路部の一例を示し
てあり、この干渉除去回路部には、入力信号R(t)を
2つの周波数帯域の信号に分割する帯域分割フィルタバ
ンク1と、分割した各帯域の信号に含まれる干渉信号を
除去する2つの干渉除去回路4、5と、干渉除去後の2
つの分割信号を合成する帯域再構成フィルタバンク6と
が備えられている。
【0023】ここで、本例では、上記した入力信号R
(t)は受信機により受信される信号であり、この入力
信号R(t)にはCDMA方式による拡散信号と共に例
えば複数の狭帯域干渉信号が含まれているとする。帯域
分割フィルタバンク1は、入力信号R(t)中の高帯域
側の信号(高域信号)のみを通過させて干渉除去回路4
へ出力する帯域分割フィルタ(hi)2と、入力信号R
(t)中の低帯域側の信号(低域信号)のみを通過させ
て干渉除去回路5へ出力する帯域分割フィルタ(lo)
3とから構成されている。
【0024】本例では、上記した2つの帯域分割フィル
タ2、3により入力信号R(t)が2つの帯域の信号に
分割されて、各分割信号がそれぞれ干渉除去回路4及び
干渉除去回路5へ出力される。なお、帯域分割フィルタ
バンクの詳細が、例えば「ディジタル信号処理シリーズ
第14巻「マルチレート信号処理」貴家仁志著 昭晃堂
p.89〜p.127」に記載されている。
【0025】本例では、上記した帯域分割フィルタバン
ク1の機能により、受信信号を複数の帯域の信号に分割
する分割手段が構成されている。このように受信信号を
複数の帯域の信号に分割することで、例えば受信信号中
に複数の干渉信号が存在する場合であっても、これらの
干渉信号を各分割信号中に分散させることができる。
【0026】干渉除去回路4は入力した高域信号中の干
渉信号成分を検出し、当該高域信号から検出した干渉信
号成分を除去して帯域再構成フィルタバンク6の帯域再
構成フィルタ(hi)7へ出力する機能を有している。
同様に、干渉除去回路5は入力した低域信号中の干渉信
号成分を検出し、当該低域信号から検出した干渉信号成
分を除去して帯域再構成フィルタバンク6の帯域再構成
フィルタ(lo)8へ出力する機能を有している。な
お、これらの干渉除去回路4、5の構成は同様であり、
その詳細は後述する。
【0027】帯域再構成フィルタバンク6は、干渉除去
回路4から入力した干渉除去後の高域信号の帯域を整え
る帯域再構成フィルタ(hi)7と、干渉除去回路5か
ら入力した干渉除去後の低域信号の帯域を整える帯域再
構成フィルタ(lo)8と、これらの帯域再構成フィル
タ7、8から出力される高域信号と低域信号とを合成す
る加算器9とから構成されている。
【0028】上記した加算器9から出力される信号は、
干渉除去後の高域信号と低域信号とを合成した信号であ
り、上記した元の入力信号R(t)と同じ周波数帯域を
有する信号に再構成されている。また、この再構成され
た信号は、入力信号R(t)から干渉信号成分のみを除
去した信号として、上記図1に示した干渉除去回路部か
ら出力される。本例では、上記した帯域再構成フィルタ
バンク6の機能により、干渉信号成分を除去した複数帯
域の分割信号を合成する合成手段が構成されている。
【0029】以上のように、本例の受信機では、受信信
号が複数帯域の信号に分割され、各分割信号毎に備えら
れた干渉除去回路により当該分割信号の干渉信号除去処
理が行われるため、例えば受信信号に複数の干渉信号が
混入してしまった場合であっても、個々の干渉除去回路
で処理する干渉信号の数を少なくすることができる。ま
た、各干渉除去回路では処理する干渉信号の数が少ない
ほど干渉除去能力が向上するため、全体として干渉除去
の精度をよくすることができ、これにより、受信品質を
向上させることができる。
【0030】なお、例えば仮に、受信信号中の複数の干
渉信号の周波数が非常に近い値であり、上記した帯域分
割ではこれらの干渉信号を分散させることができなかっ
たとしても、全体として干渉除去性能を向上させること
が可能である。これは、例えば複数の干渉信号がまとめ
て入力されてしまう干渉除去回路では干渉除去後の拡散
信号成分が多少歪んでしまうことは生じるものの、干渉
信号のレベルは十分に低減させることができることと、
また、干渉信号が全く入力されない他の干渉除去回路で
は干渉信号からの悪影響を全く受けないことによるもの
であり、全体として干渉除去の精度をよくすることが可
能である。
【0031】次に、分割される各帯域の信号毎に備えら
れる上記した干渉除去回路4、5の詳細を示す。なお、
本例では、各干渉除去回路4、5の構成は同様であるた
め、これらをまとめて説明する。図2には、本発明に係
る受信機に備えられる干渉除去回路4、5の一例を示し
てあり、この回路4、5には、入力信号(分割信号)を
遅延させる遅延素子11と、後述するフィルタタップ係
数演算制御部14からのタップ係数制御信号に従って遅
延した入力信号から干渉信号成分を抽出する適応フィル
タ12と、入力信号から当該干渉信号成分を除去する減
算器13と、減算器13からの出力信号と遅延した入力
信号とに基づくタップ係数制御信号を適応フィルタ12
へ出力するフィルタタップ係数演算制御部14とが備え
られている。
【0032】同図に示した回路4、5の構成例及び動作
例を説明する。この回路4、5には帯域分割フィルタ
2、3から出力される分割信号r(t)が入力され、こ
の入力信号r(t)には、例えばCDMA方式により拡
散変調された拡散信号と狭帯域を用いた通信方式による
干渉信号(例えばFM変調信号)が含まれている。ここ
で、tは時刻を示しており、本例では1サンプル時間を
最小単位とする整数の離散値であるとする。
【0033】上記した入力信号r(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子11に入力さ
れる一方、他方の信号が減算器13に入力される。遅延
素子11は入力した信号を拡散符号の1チップ分の時間
幅以上遅延させて出力する機能を有しており、本例で
は、この機能により、分割信号を分配して得られる2つ
の信号間に拡散符号の1チップ分以上の時間差を与える
時間差手段が構成されている。なお、この時間差として
は、例えば当該2つの信号間で拡散信号の相関成分をな
くすことができ、且つ、除去しようとする干渉信号の相
関成分を残すことができる程度の値に予め設定されてい
る。
【0034】具体的には、遅延素子11から出力される
信号はr(t−τ)と表され、ここで、τは遅延素子1
1により与えられる遅延時間である。遅延素子11から
出力される信号r(t−τ)は適応フィルタ12及びフ
ィルタタップ係数演算制御部14に入力される。
【0035】図3には、適応フィルタ12の構成例を示
してある。同図に示した適応フィルタ12には、例えば
直列に並べられた(n−1)個の記憶素子S1〜Sn-1
ら構成されるシフトレジスタと、n個の乗算器J1〜Jn
と、(n−1)個の加算器K1〜Kn-1とが備えられてい
る。なお、nはフィルタタップ数である。
【0036】シフトレジスタには遅延素子11から出力
される信号r(t−τ)が入力され、この信号が複数の
記憶素子S1〜Sn-1に時系列的に格納される。また、各
記憶素子S1〜Sn-1に格納される信号は順次後続する記
憶素子へシフトされていく。具体的に、例えばシフトレ
ジスタに入力される信号r(t−τ)の当該シフトレジ
スタ内における系列u(t)は式1で示される。なお、
u(t)はベクトルである。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、信号r1は或る時刻にシフトレジ
スタに入力される信号であり、いずれの記憶素子S1
n-1も通過せずに乗算器J1へ出力される信号である。
また、信号r2〜rnはそれぞれ当該時刻に各記憶素子
1〜Sn-1から出力される信号であり、それぞれ各乗算
器J2〜Jnへ出力される信号である。
【0039】各乗算器J1〜Jnにはそれぞれ上記した各
信号r1〜rnが入力されるとともに、後述するフィル
タタップ係数演算制御部14からの各タップ係数制御信
号h1〜hnが入力され、各乗算器J1〜Jnでは入力し
た2つの信号を乗算して(すなわち、各信号r1〜rn
を各タップ係数制御信号h1〜hnで重み付けして)当
該乗算結果を加算器K1〜Kn-1へ出力する。ここで、フ
ィルタタップ係数演算制御部14から出力されるフィル
タタップ係数系列h(t)は式2で示される。なお、h
(t)はベクトルである。
【0040】
【数2】
【0041】また、各乗算器J1〜Jnから出力される乗
算結果は加算器K1〜Kn-1により総和され、当該総和結
果が適応フィルタ12から出力される。ここで、後述す
るように本例のフィルタタップ係数系列h(t)は、当
該総和結果が入力信号中に含まれる干渉信号成分と同じ
信号となるように、フィルタタップ係数演算制御部14
により逐次更新される。具体的に、適応フィルタ12か
ら出力される信号(すなわち、上記した総和結果)FM
(t)は式3で示される。
【0042】
【数3】
【0043】上記のようにして適応フィルタ12では、
フィルタタップ係数演算制御部14からのタップ係数制
御信号に応じて、入力した遅延信号r(t−τ)から上
記した干渉信号成分を抽出し、干渉波抽出信号FM
(t)として減算器13へ出力する。減算器13は遅延
していない入力信号r(t)と適応フィルタ12からの
出力信号FM(t)とを入力し、当該入力信号r(t)
から当該出力信号FM(t)を減算して当該減算結果e
(t)を出力する機能を有している。ここで、上記した
減算結果e(t)は本例の干渉除去回路から出力される
信号であり、式4で示される。
【0044】
【数4】
【0045】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部14からのタップ係数制御信号が逐次更新され
ることで、上記した干渉波抽出信号FM(t)が入力信
号中の干渉信号と同じ信号となるため、上記した減算結
果e(t)は入力信号から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号となる。
【0046】フィルタタップ係数演算制御部14には遅
延素子11から出力される信号r(t−τ)と減算器1
3から出力される信号e(t)とが入力され、フィルタ
タップ係数演算制御部14はこれらの信号を用いて、適
応フィルタ12から出力される信号FM(t)が干渉信
号成分と同じ信号になるようなタップ係数制御信号を演
算し、演算したタップ係数制御信号を適応フィルタ12
へ出力する機能を有している。
【0047】本例のフィルタタップ係数演算制御部14
では例えばLMS(Least Mean Square)やRLS(Rec
ursive Least Square)等のアルゴリズムを用いて上記
したタップ係数制御信号を演算することができ、本例で
は一例として、LMSアルゴリズムを用いた場合を説明
する。まず、LMSの一般式を説明する。LMSの更新
式は一般に式5で示される。
【0048】
【数5】
【0049】ここで、h(t)は時刻tにおけるフィル
タタップ係数系列であり、μは収束の時間や精度に関係
する係数であるステップサイズパラメータであり、e
(t)は時刻tにおけるエラー信号であり、u(t)は
時刻tにおける入力信号系列である。また、上記したエ
ラー信号e(t)は一般には式6で示される。
【0050】
【数6】
【0051】ここで、d(t)は通常ユニークワードや
トレーニング信号と呼ばれるものであり、送信側と受信
側とで予め定められた既知の信号が用いられる。上記式
5や式6を用いた演算アルゴリズムでは、フィルタタッ
プ係数系列を逐次更新することで、エラー信号e(t)
を0に収束させることができる。
【0052】次に、上記のLMSアルゴリズムを本例に
当てはめた場合を説明する。上記した式5を本例の場合
に当てはめると、h(t)はフィルタタップ係数演算制
御部14から適応フィルタ12へ出力されるフィルタタ
ップ係数系列であり、u(t)は遅延素子11からフィ
ルタタップ係数演算制御部14へ出力される信号系列
(上記式1に示したもの)である。また、本例では、上
記したエラー信号e(t)として減算器13から出力さ
れる信号(上記式4に示したもの)を用いており、これ
が本例の干渉除去回路における特徴点となっている。
【0053】まず、仮に、遅延素子11が備えられてい
ない場合を考えると、上記した演算アルゴリズムはエラ
ー信号e(t)を0に近づけるため、減算器13から出
力される信号e(t)は0に収束し、入力信号中の干渉
信号ばかりでなくCDMA方式による拡散信号までをも
除去するフィルタタップ係数系列h(t)が生成されて
しまう。
【0054】一方、本例では上記した遅延素子11が備
えられているため、遅延素子11からフィルタタップ係
数演算制御部14に入力される信号r(t−τ)と減算
器13を介してフィルタタップ係数演算制御部14に入
力される信号e(t)との間には遅延時間τの時間差が
ある。
【0055】ここで、例えばCDMA方式による拡散信
号r(t)と当該信号に比べて1チップ時間以上遅延し
た拡散信号r(t−τ)とは無相関の信号となるため、
上記した演算アルゴリズムではエラー信号e(t)を0
に収束させようとする場合に、u(t)の拡散信号成分
はr(t)と無相関になっていることから誤差e(t)
となって残る。一方、チップデータに比べて時間的に緩
やかに変動する干渉信号成分は例えば数チップ時間程度
の遅延があっても相関を有するため、当該干渉信号成分
のみを入力信号から除去することができるフィルタタッ
プ係数系列h(t)が生成される。
【0056】すなわち、本例に適用した上記の演算アル
ゴリズムでは、u(t)とe(t)とで相関のある成分
(すなわち、干渉信号成分)を適応フィルタ12からの
出力信号中に残す一方、相関のない成分(すなわち、拡
散信号成分)については適応フィルタ12からの出力信
号中に残さないようなフィルタタップ係数系列h(t)
を生成することができる。このような演算アルゴリズム
により、本例の適応フィルタ12では入力信号中の干渉
信号成分のみを抽出して減算器13へ出力することがで
き、減算器13では入力信号から干渉信号成分のみを除
去した信号(すなわち、CDMA方式による拡散信号)
を出力することができる。
【0057】本例では、上記したフィルタタップ係数演
算制御部14からのタップ係数制御信号により適応フィ
ルタ12が入力信号中の比較的相関のある干渉信号成分
を抽出することにより、時間差を与えた2つの信号間で
相関のある信号成分を干渉信号成分として検出する検出
手段が構成されている。また、本例では、上記した減算
器13の機能により、検出した干渉信号成分を分割信号
から除去する除去手段が構成されている。
【0058】以上のように、本例の受信機では、拡散信
号の特性を利用することで、CDMA方式により拡散変
調された拡散信号と干渉信号とを含む受信信号から当該
干渉信号を除去することができ、これにより、受信品質
の劣化を防ぎ、受信品質を向上させることができる。
【0059】なお、上記図2に示したように減算器13
から出力される信号を遅延させない方が好ましいが、例
えば図4に示すように減算器13に入力される信号を遅
延素子15により遅延させる一方、適応フィルタ12や
フィルタタップ係数演算制御部14に入力される信号を
遅延させないような構成によっても上記と同様な効果を
得ることができる。ここで、図4に示した構成は、遅延
素子15が減算器13側に備えられているといった点を
除いては、上記図2に示した構成と同様である。
【0060】次に、本発明の第2実施例を図面を参照し
て説明する。なお、本例に係る受信機の要部は受信信号
のI成分及びQ成分から干渉信号を除去する構成である
ため、以下では、主として当該構成について説明する。
本例の受信機に備えられる干渉除去回路部の構成は、例
えば上記第1実施例の図1に示したものとほぼ同様であ
るが、本例の帯域分割フィルタバンクでは、入力信号
(受信信号)のI成分とQ成分とをそれぞれ複数の同じ
周波数帯域の信号に分割する。
【0061】また、本例では、帯域分割フィルタバンク
から出力される分割されたI成分及びQ成分が各帯域毎
に同じ干渉除去回路に入力され、当該干渉除去回路によ
り干渉信号が除去された後のI成分及びQ成分が帯域再
構成フィルタバンクへ出力される。また、本例の帯域再
構成フィルタバンクでは、複数の干渉除去回路から入力
される干渉除去後の分割されたI成分及びQ成分をそれ
ぞれの成分毎に合成する。
【0062】本例では、上記した帯域分割フィルタバン
クの機能により、I成分及びQ成分をそれぞれ複数の帯
域の信号に分割する分割手段が構成されている。また、
本例では、上記した帯域再構成フィルタバンクの機能に
より、干渉信号成分を除去した複数帯域の分割されたI
成分を合成するとともに干渉信号成分を除去した複数帯
域の分割されたQ成分を合成する合成手段が構成されて
いる。
【0063】以上のように、本例の受信機では、例えば
上記第1実施例の場合と同様に、受信信号のI成分及び
Q成分が複数帯域の信号に分割され、各帯域の信号毎に
備えられた干渉除去回路により当該帯域のI成分及びQ
成分の干渉信号除去処理が行われるため、例えば受信信
号のI成分及びQ成分に複数の干渉信号が混入してしま
った場合であっても、個々の干渉除去回路で処理する干
渉信号の数を少なくすること等ができ、これにより、全
体として干渉除去の精度をよくすることができる。
【0064】次に、分割される各帯域の信号毎に備えら
れる上記した干渉除去回路の詳細を示す。なお、本例で
は、各干渉除去回路の構成は同様であるため、これらを
まとめて説明する。図5には、本発明に係る受信機に備
えられる干渉除去回路の一例を示してあり、この回路に
は、受信信号から直交検波された後に帯域分割されたI
相の信号(帯域分割されたI成分)を遅延させる遅延素
子21aと、受信信号から直交検波された後に帯域分割
されたQ相の信号(帯域分割されたQ成分)を遅延させ
る遅延素子21bと、後述するフィルタタップ係数演算
制御部26からのタップ係数制御信号に従って遅延した
I成分やQ成分から干渉信号成分を抽出する4つの適応
フィルタ22a、22b、23a、23bと、干渉信号
成分のI成分を加算する加算器24aと、干渉信号成分
のQ成分を加算する加算器24bと、前記分割されたI
成分から干渉信号成分のI成分を除去する減算器25a
と、前記分割されたQ成分から干渉信号成分のQ成分を
除去する減算器25bと、減算器25a、25bからの
出力信号と遅延した前記分割されたI成分及びQ成分と
に基づくタップ係数制御信号を適応フィルタ22a、2
2b、23a、23bへ出力するフィルタタップ係数演
算制御部26とが備えられている。
【0065】同図に示した回路の構成例及び動作例を説
明する。この回路には受信機により受信信号から直交検
波された後に帯域分割されたI成分rI(t)及びQ成
分rQ(t)が入力され、この入力信号rI(t)、r
Q(t)には、例えばCDMA方式により拡散変調され
た拡散信号と狭帯域を用いた通信方式による干渉信号
(例えばFM変調信号)が含まれている。ここで、上記
第1実施例と同様に、tは時刻を示しており、本例では
1サンプル時間を最小単位とする整数の離散値であると
する。
【0066】上記したI成分rI(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子21aに入力
される一方、他方の信号が減算器25aに入力される。
同様に、上記したQ成分rQ(t)は、まず2つの信号
に分配されて、一方の信号が遅延素子21bに入力され
る一方、他方の信号が減算器25bに入力される。
【0067】各遅延素子21a、21bは、例えば上記
第1実施例で示したものと同様に、入力した信号を拡散
符号の1チップ分の時間幅以上遅延させて出力する機能
を有しており、本例では、この機能により、分割された
I成分を分配して得られる2つの信号間及び分割された
Q成分を分配して得られる2つの信号間に拡散符号の1
チップ分以上の時間差を与える時間差手段が構成されて
いる。なお、2つの遅延素子21a、21bでは同じ遅
延時間を与えている。
【0068】なお、上記第1実施例の場合と同様に、具
体的には、遅延素子21aから出力されるI成分の信号
はrI(t−τ)と表され、遅延素子21bから出力さ
れるQ成分の信号はrQ(t−τ)と表される。ここ
で、τは遅延素子21a、21bにより与えられる遅延
時間である。
【0069】遅延素子21aから出力される信号rI
(t−τ)は2つの適応フィルタ22a、23a及びフ
ィルタタップ係数演算制御部26に入力され、遅延素子
21bから出力される信号rQ(t−τ)は2つの適応
フィルタ22b、23b及びフィルタタップ係数演算制
御部26に入力される。
【0070】各適応フィルタ22a、22b、23a、
23bの構成は、例えば上記第1実施例の図3に示した
ものと同様である。ここで、本例で4つの適応フィルタ
22a、22b、23a、23bを備えているのはI相
及びQ相の複素演算を行うためであり、具体的には、分
割されたI成分及びQ成分のそれぞれの中に干渉信号成
分のI成分とQ成分との両方が含まれるためである。ま
た、本例では、I相とQ相との2種類のフィルタタップ
係数系列hI(t)、hQ(t)が用いられる。なお、
hI(t)及びhQ(t)はベクトルである。
【0071】具体的に、本例では、適応フィルタ22a
が入力したI成分rI(t−τ)から干渉信号成分のI
成分を抽出し、適応フィルタ23aが入力したI成分r
I(t−τ)から干渉信号成分のQ成分を抽出し、適応
フィルタ22bが入力したQ成分rQ(t−τ)から干
渉信号成分のQ成分を抽出し、適応フィルタ23bが入
力したQ成分rQ(t−τ)から干渉信号成分のI成分
を抽出することができるようなフィルタタップ係数系列
hI(t)、hQ(t)が後述するフィルタタップ係数
演算制御部26により生成される。
【0072】加算器24aは2つの適応フィルタ22
a、23bから出力される信号を加算して減算器25a
へ出力する機能を有しており、減算器25aへ出力され
る当該加算結果は分割されたI成分中の干渉信号成分
(すなわち、干渉信号成分のI成分)FMI(t)とな
る。同様に、加算器24bは2つの適応フィルタ22
b、23aから出力される信号を加算して減算器25b
へ出力する機能を有しており、減算器25bへ出力され
る当該加算結果は分割されたQ成分中の干渉信号成分
(すなわち、干渉信号成分のQ成分)FMQ(t)とな
る。
【0073】減算器25aは遅延していないI成分の入
力信号rI(t)と加算器24aからの出力信号FMI
(t)とを入力し、当該入力信号rI(t)から当該出
力信号FMI(t)を減算して当該減算結果eI(t)
を出力する機能を有している。同様に、減算器25bは
遅延していないQ成分の入力信号rQ(t)と加算器1
4bからの出力信号FMQ(t)とを入力し、当該入力
信号rQ(t)から当該出力信号FMQ(t)を減算し
て当該減算結果eQ(t)を出力する機能を有してい
る。ここで、上記した減算結果eI(t)、eQ(t)
は本例の干渉除去回路から出力される信号である。
【0074】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部26からのタップ係数制御信号が逐次更新され
ることで、上記したI成分及びQ成分の干渉波抽出信号
FMI(t)、FMQ(t)がそれぞれ分割されたI成
分及びQ成分中の干渉信号と同じ信号となるため、上記
した減算結果eI(t)、eQ(t)はそれぞれ分割さ
れたI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号となる。
【0075】フィルタタップ係数演算制御部26には2
つの遅延素子21a、21bから出力される信号rI
(t−τ)、rQ(t−τ)と2つの減算器25a、2
5bから出力される信号eI(t)、eQ(t)とが入
力され、フィルタタップ係数演算制御部26はこれらの
信号を用いて、各適応フィルタ22a、22b、23
a、23bから出力される信号が上記したような干渉信
号成分となるようなタップ係数制御信号を演算してそれ
ぞれの適応フィルタ22a、22b、23a、23bへ
出力する機能を有している。なお、本例では、2つの適
応フィルタ22a、22bへ同じタップ係数制御信号が
出力される一方、残りの2つの適応フィルタ23a、2
3bへ同じタップ係数制御信号が出力される。
【0076】本例のフィルタタップ係数演算制御部26
では、例えば上記第1実施例で示したLMSの複素演算
用のアルゴリズムを用いてタップ係数制御信号を演算し
ている。なお、このアルゴリズムにおけるLMSの更新
式は式7及び式8で示される。
【0077】
【数7】
【0078】
【数8】
【0079】ここで、hI(t)やhQ(t)は時刻t
におけるフィルタタップ係数系列であり、μは収束の時
間や精度に関係する係数であるステップサイズパラメー
タであり、uI(t)やuQ(t)はそれぞれ適応フィ
ルタ22a、23aのシフトレジスタ内や適応フィルタ
22b、23bのシフトレジスタ内における入力信号系
列である。また、上記第1実施例の場合と同様に、eI
(t)やeQ(t)としては、それぞれ減算器25aや
減算器25bから出力される信号を用いている。なお、
uI(t)及びuQ(t)はベクトルである。
【0080】本例では、上記第1実施例の場合と同様
に、上記のような演算アルゴリズムによりフィルタップ
係数系列hI(t)、hQ(t)を順次更新していくこ
とで、拡散信号成分についてはその無相関性により除去
されず、且つ、比較的相関性のある干渉信号成分を除去
することができるフィルタタップ係数系列hI(t)、
hQ(t)を生成することができる。
【0081】また、本例では、フィルタタップ係数系列
hI(t)、hQ(t)を演算するに際してI成分及び
Q成分の両方を考慮しているため、例えば干渉信号成分
のI成分及びQ成分のI−Q平面における位相回転を補
償することができ、これにより、干渉除去の精度を更に
向上させることができる。
【0082】本例では、上記したようにしてフィルタタ
ップ係数演算制御部26からのタップ係数制御信号によ
り適応フィルタ22a、22b、23a、23bが分割
されたI成分及びQ成分中の比較的相関のある干渉信号
成分のI成分及びQ成分を抽出することにより、時間差
を与えた一方のI成分及びQ成分から成る受信信号と他
方のI成分及びQ成分から成る受信信号との間で相関の
ある信号成分を干渉信号成分として検出し、当該干渉信
号成分のI成分及びQ成分を検出する検出手段が構成さ
れている。また、本例では、上記した減算器25a、2
5bの機能により、検出した干渉信号成分のI成分を分
割されたI成分から除去するとともに検出した干渉信号
成分のQ成分を分割されたQ成分から除去する除去手段
が構成されている。
【0083】以上のように、本例の受信機では、拡散信
号の特性を利用することで、CDMA方式により拡散変
調された拡散信号と干渉信号とを含む受信信号のI成分
及びQ成分から当該干渉信号を除去することができ、こ
れにより、受信品質の劣化を防ぎ、受信品質を向上させ
ることができる。
【0084】なお、上記図5に示したように減算器25
a、25bから出力される信号を遅延させない方が好ま
しいが、例えば図6に示すように減算器25a、25b
に入力される信号を遅延素子27a、27bにより遅延
させる一方、適応フィルタ22a、22b、23a、2
3bやフィルタタップ係数演算制御部26に入力される
信号を遅延させないような構成によっても上記と同様な
効果を得ることができる。ここで、図6に示した構成
は、遅延素子27a、27bが減算器25a、25b側
に備えられているといった点を除いては、上記図5に示
した構成と同様である。
【0085】次に、本発明の第3実施例を図面を参照し
て説明する。なお、本例に係る受信機の要部は受信信号
や受信信号のI成分及びQ成分から干渉信号を除去する
構成であるため、以下では、主として当該構成について
説明する。図7には、本発明に係る受信機に備えられる
干渉除去回路部の干渉除去回路の構成例を示してあり、
この干渉除去回路は、例えば上記図2や図4や図5や図
6に示した干渉除去回路31a〜31mが直列に複数接
続されて構成されている。
【0086】すなわち、各干渉除去回路31a〜31m
としては、例えば受信信号から干渉信号成分を除去する
構成では、上記第1実施例の図2に示した干渉除去回路
や図4に示した干渉除去回路を用いることができ、ま
た、例えば受信信号のI成分やQ成分から干渉信号成分
を除去する構成では、上記第2実施例の図5に示した干
渉除去回路や図6に示した干渉除去回路を用いることが
できる。
【0087】このように、干渉除去回路を多段に接続す
ることで、例えば1段目の干渉除去回路31aから出力
される干渉除去後の信号中に干渉信号成分が多少残って
しまった場合であっても、当該信号を後段の干渉除去回
路31b〜31mで順次処理することにより、干渉除去
の精度を向上させることができる。なお、直列に接続す
る干渉除去回路の段数が多いほど、干渉除去の精度をよ
くして受信品質を向上させることができる。
【0088】なお、本発明に係る受信機の構成として
は、必ずしも以上の第1実施例〜第3実施例で示したも
のに限られず、種々な構成が用いられてもよい。一例と
して、本発明に係る受信機により行われる干渉除去処理
としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハード
ウエア資源においてプロセッサが制御プログラムを実行
することにより制御される構成であってもよく、また、
例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立した
ハードウエア回路として構成されてもよい。
【0089】また、上記実施例で示した図1では、干渉
除去の対象となる信号(例えば受信信号や受信信号のI
成分及びQ成分)を2つの帯域の信号に分割する構成を
示したが、分割する帯域の数としては複数であれば特に
限定はなく、例えば分割する帯域の数が多いほど各帯域
に入り混じる干渉信号の数を減少させることができる可
能性が高くなるため好ましい。
【0090】また、分割する複数の帯域の幅としては、
必ずしも同じでなくともよく、例えば多数の干渉信号が
入り混じる可能性のある帯域については帯域幅を狭くす
る一方、干渉信号の数が少ない帯域については帯域幅を
広くするといったように、各帯域幅の大きさが異なって
いてもよい。また、本発明に係る受信機は、例えば基地
局や移動局といった種々なものに適用することができる
ものである。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る受信
機によると、CDMA方式により拡散変調された拡散信
号と干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を除去
するに際して、受信信号を複数の帯域の信号に分割し、
分割される各帯域の信号毎に干渉信号成分を検出して分
割信号から除去し、干渉信号成分を除去した複数帯域の
分割信号を合成するようにしたため、例えば受信信号に
複数の干渉信号が混入してしまった場合であっても、各
分割信号に含まれる干渉信号の数を少なくすることがで
き、これにより、干渉除去の精度を向上させることがで
きる。
【0092】また、本発明に係る受信機では、CDMA
方式により拡散変調された拡散信号と干渉信号とを含む
受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去す
るに際して、I成分及びQ成分をそれぞれ複数の帯域の
信号に分割し、分割される各帯域の信号毎に干渉信号成
分を検出して分割されたI成分及びQ成分から除去し、
干渉信号成分を除去した複数帯域の分割されたI成分を
合成するとともに干渉信号成分を除去した複数帯域の分
割されたQ成分を合成するようにしたため、上記と同様
に、例えば受信信号のI成分及びQ成分に複数の干渉信
号が混入してしまった場合であっても、干渉除去の精度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る受信機の構成例を説
明するための図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る干渉除去回路の構成
例を示す図である。
【図3】適応フィルタの構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る干渉除去回路の他の
構成例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る干渉除去回路の構成
例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る干渉除去回路の他の
構成例を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る干渉除去回路の構成
例を示す図である。
【図8】拡散符号系列の一例を説明するための図であ
る。
【図9】CDMA方式による拡散信号と干渉信号とを含
む受信信号のスペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1・・帯域分割フィルタバンク、 2、3・・帯域分割
フィルタ、4、5・・干渉除去回路、 6・・帯域再構
成フィルタバンク、7、8・・帯域再構成フィルタ、1
1、15、21a、21b、27a、27b・・遅延素
子、12、22a、22b、23a、23b・・適応フ
ィルタ、13、25a、25b・・減算器、14、26
・・フィルタタップ係数演算制御部、S1〜Sn-1・・記
憶素子、 J1〜Jn・・乗算器、K1〜Kn-1、9、24
a、24b・・加算器、31a〜31m・・干渉除去回
路、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K004 AA05 FD06 FH03 5K022 EE01 EE35 5K052 AA01 BB02 CC06 DD04 EE04 FF02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CDMA方式により拡散変調された拡散
    信号と干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を除
    去する受信機において、 受信信号を複数の帯域の信号に分割する分割手段を備
    え、 分割される各帯域の信号毎に、当該分割信号を分配して
    得られる2つの信号間に拡散符号の1チップ分以上の時
    間差を与える時間差手段と、時間差を与えた2つの信号
    間で相関のある信号成分を干渉信号成分として検出する
    検出手段と、検出した干渉信号成分を当該分割信号から
    除去する除去手段とを備え、 干渉信号成分を除去した複数帯域の分割信号を合成する
    合成手段を備えたことを特徴とする受信機。
  2. 【請求項2】 CDMA方式により拡散変調された拡散
    信号と干渉信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分か
    ら当該干渉信号を除去する受信機において、 I成分及びQ成分をそれぞれ複数の帯域の信号に分割す
    る分割手段を備え、 分割される各帯域の信号毎に、分割されたI成分を分配
    して得られる2つの信号間及び分割されたQ成分を分配
    して得られる2つの信号間に拡散符号の1チップ分以上
    の時間差を与える時間差手段と、時間差を与えた一方の
    I成分及びQ成分から成る受信信号と他方のI成分及び
    Q成分から成る受信信号との間で相関のある信号成分を
    干渉信号成分として検出し、当該干渉信号成分のI成分
    及びQ成分を検出する検出手段と、検出した干渉信号成
    分のI成分を前記分割されたI成分から除去するととも
    に検出した干渉信号成分のQ成分を前記分割されたQ成
    分から除去する除去手段とを備え、 干渉信号成分を除去した複数帯域の分割されたI成分を
    合成するとともに干渉信号成分を除去した複数帯域の分
    割されたQ成分を合成する合成手段を備えたことを特徴
    とする受信機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7336703B2 (en) 2003-06-30 2008-02-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Device and method for measuring a received signal power in a mobile communication system

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