JP5300331B2 - リチウム電池用正極合剤成形体及びリチウム電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム電池用正極合剤成形体及びその成形体を使用したリチウム電池に関するものである。
非水系電解液電池の一種であるリチウム電池は、負極活物質としてリチウム金属を用いることで比較的高信頼性かつ高容量を実現しており、それゆえ様々な用途での使用が期待されている。
従来の一般的なリチウム電池(例えばボビン型リチウム電池)は、有底円筒状の正極缶、正極缶の内周部に配置された筒形の正極合剤成形体、正極合剤成形体の内周部に配置された有底円筒状のセパレータ、セパレータの内側に配置されたリチウム負極、有機電解液などにより構成されている。また、正極合剤成形体は、正極活物質及び導電炭素材を主構成材料として含み、さらに副構成材料として数重量%程度のバインダ成分などを含んでいる。
ところで、リチウム電池は、高信頼性・高容量という利点を有する反面、負荷特性が低いという欠点を有する。ゆえに、現状ではその用途が、主としてセンサー機器、通信機器、メモリーバックアップ用機器等といった軽負荷用途のみに限定されている。よって、従来のリチウム電池に対しては負荷特性、特に低温での連続放電特性及びパルス放電特性を改善すべきとの要求がある。
そして、このような事情のもと、負荷特性等といった諸特性を改善するための技術が従来提案されている(例えば特許文献1参照)。即ち、特許文献1では、正極合剤成形体を構成する導電炭素材として、所定のサイズ及び比表面積を有する薄片状黒鉛粉末を含有させることが開示されている。
特許第3311843号公報
ところで、アルカリ電池のような水系電解液を使用した電池のための正極合剤成形体の場合、水酸化カリウム水溶液や水分自体がバインダの補助成分として機能するため、正極活物質と導電炭素材との結着性をある程度向上させることができる。従って、バインダ自体を少なくしたとしても、比較的好適な成形性が維持され、所望とする成形体強度も得ることが可能である。それに対して、基本的に水分を嫌うリチウム電池用正極合剤成形体の場合、これらの物質を添加して成形した後に除去するという製造方法も考えられるが、不具合の発生に繋がる可能性があるため、現実的には適切な方法であるとは言い難い。
それゆえ、従来においてリチウム電池用正極合剤成形体を製造するにあたり、所定の成形性及び成形体強度を得るためには、少なくとも数重量%程度のバインダ成分を添加する必要があった。しかし、バインダの増量は通常電解液含浸の妨げとなり、放電特性にとってマイナスの影響を及ぼす。また、導電炭素材である黒鉛の比率を高くすれば結着性を向上できるが、その反面で正極活物質である焼成二酸化マンガンの充填容量が減少してしまい、同様に放電特性にとってマイナスの影響を及ぼす。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、好適な成形性及び成形体強度を維持できるばかりでなく、負荷特性を向上させることができるリチウム電池用正極合剤成形体及びそれを使用したリチウム電池を提供することにある。
上記課題を解決するための手段[1]〜[]を以下に列挙する。
[1]正極活物質及び導電炭素材を主構成材料として含むリチウム電池用正極合剤成形体であって、前記正極活物質である平均粒径が35μm以上40μm以下の焼成二酸化マンガンと、前記導電炭素材である平均粒径が36μm以上45μm以下かつ見掛け密度が0.01g/cm 以上0.05g/cm 以下の膨張化黒鉛粉末と、0.5重量%以上1重量%以下のバインダとを含み、焼成二酸化マンガンと膨張化黒鉛との重量比が15:1〜25:1である成形用材料を成形して得られ、成形体密度が3.1g/cm 以上3.4g/cm 以下であるリチウム電池用正極合剤成形体。
従って、手段1によると、見掛け密度が小さくてポーラスな黒鉛粉末を用い、かつ、その平均粒径を焼成二酸化マンガンと同程度あるいはそれよりも若干大きい程度に設定して成形体を得ている。その結果、黒鉛の含有比率を上げずかつ従来に比べてバインダ量をかなり低減したとしても、好適な成形性及び成形体強度を維持することができる。また、成形体の導電性が良くなることに加え、電解液の保持性もよくなることから、負荷特性を向上させることができる。
上記手段1では、成形体密度が3.1g/cm 以上3.4g/cm 以下であるが、このように成形体密度を上記好適範囲内に設定することにより、成形体強度及び負荷特性の両方を向上することができる。
上記手段1では、前記黒鉛粉末は膨張化黒鉛であるが、このように製造過程で不純物が少なくなった膨張化黒鉛を用いることで、よりいっそう負荷特性の向上を図ることができる。
[2]手段1に記載のリチウム電池用正極合剤成形体を用いたことを特徴とするリチウム電池。
従って、手段によると、上記の優れたリチウム電池用正極合剤成形体を使用しているため、高信頼性かつ高性能の電池を実現することができる。
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によると、好適な成形性及び成形体強度を維持できるばかりでなく、負荷特性を向上させることができるリチウム電池用正極合剤成形体及びそれを使用したリチウム電池を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施の形態におけるボビン型リチウム電池10の概略構成を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施形態のボビン型リチウム電池10では、有底筒状の正極缶11の内部に、円筒状の正極合剤成形体12が3つ装填され、それら正極合剤成形体12の中空部分にセパレータ13を介してリチウム負極14が配置されている。なお、本実施の形態のボビン型リチウム電池10は、直径が17mm、長さが45mmのサイズを有する非水系電解液一次電池である。
正極缶11の内部には、正極合剤成形体12及びリチウム負極14の上方まで非水電解液16が注液されている。非水電解液16としては、例えば、過塩素酸リチウムを溶質とし、プロピレンカーボネート及び1,2−ジメトキシエタンを溶媒とした溶液などが使用される。
正極缶11は、例えばSUS(ステンレススチール)鋼板を有底筒状にプレス成形することで製造されたものであり、その底部の中央には正極端子17が突設されている。また、正極缶11の開口部は、負極端子18、封口板19及びガスケット20からなる封口体21によって封口されている。詳しくは、正極缶11の開口端部には、正極缶11の外周面に沿って溝状のビード部22が形成され、このビード部22の上方に円環状のガスケット20が配設されている。そして、このガスケット20を介して封口板19及び負極端子18が正極缶11の開口端部にかしめ付けられている。
リチウム負極14は、リチウム金属の板材を用いて、これを円筒状にロール加工することにより作製されている。また、セパレータ13は、樹脂製の不織布からなるセパレータ材を巻回することにより円筒状に作製されている。
リチウム負極14の内側面には、負極集電体24が設けられている。負極集電体24のリード部24aは、リチウム負極14の上端面から突出し、ガスケット20の中央開口部を挿通して、封口板19の下面に溶接にて接続されている。
本実施形態の正極合剤成形体12は、正極活物質である焼成二酸化マンガン及び導電炭素材である黒鉛粉末を主構成材料として含み、バインダを副構成材料として含んでいる。そして、この正極合剤成形体12は、平均粒径が35μm以上40μm以下の焼成二酸化マンガンと、平均粒径が35μm以上かつ見掛け密度が0.05g/cm以下の黒鉛粉末と、1重量%以下の樹脂製バインダとの混合粉末である成形用材料をプレス成形することで得たものである。
ここで、本実施形態の焼成二酸化マンガンは、二酸化マンガンを高温(例えば375℃〜400℃)で熱処理して得られるものであり、リチウムイオンが拡散するのに適した結晶構造(γ−β相)を有している。また、焼成二酸化マンガンの結晶格子中には水分が殆ど含まれていない。以上の2点は、いずれも放電特性の向上にとってプラスに作用する事項である。ただし、焼成二酸化マンガンは、未焼成の二酸化マンガンほど結着性が高くない。
焼成二酸化マンガンの平均粒径の値(レーザー回折法による測定値)は、上記のように35μm以上40μm以下である必要がある。その詳細な理由は不明であるが、平均粒径35μm以上の黒鉛粉末と組み合わせて使用する場合に適した大きさになると考えられるからである。なお、この値が35μm未満または40μm超であると、所望とする成形性、成形体強度、負荷特性が達成されにくくなるおそれがある。また、平均粒径の小さい焼成二酸化マンガンの製造には手間がかかるため、その使用は成形体のコスト高を招く可能性もある。
黒鉛粉末としては特に限定されず、例えば、鱗片状黒鉛粉末、鱗状黒鉛粉末、土状黒鉛粉末、人造黒鉛粉末などが使用可能であるが、これらの黒鉛粉末を化学処理し、次いで加熱膨張化処理して得られる膨張化黒鉛を使用することが好適である。即ち、このような膨張化黒鉛は、不純物含有量が少なくてしかもポーラスだからであり、正極合剤成形体12の導電性や保液性の向上に好都合だからである。
成形用材料として使用される黒鉛粉末の平均粒径の値(レーザー回折法による測定値)は35μm以上である必要があり、好ましくは35μm以上70μm以下であり、より好ましくは35μm以上50μm以下である。その詳細な理由は不明であるが、平均粒径35μm以上40μm以下の焼成二酸化マンガンと組み合わせて使用する場合に、焼成二酸化マンガンと同程度あるいはそれよりも若干大きい程度となり、成形性等を維持、向上させるうえで適した大きさになると考えられるからである。また、特にこの範囲に設定することで、低温での連続放電特性及びパルス放電特性の両方が改善可能だからである。なお、この値が35μm未満であると、所望とする成形性、成形体強度、負荷特性を達成できない場合がある。また、平均粒径の小さい黒鉛粉末の製造には手間がかかるため、その使用は成形体のコスト高を招く可能性もある。
黒鉛粉末の見掛け密度(かさ密度)は小さいほうがよく、具体的には0.05g/cm以下である必要がある。即ち、見掛け密度が0.05g/cm以下の黒鉛粉末はポーラスで嵩高いため、成形用材料において多くの空間を占めていたとしても実際上の分量は少ない。よって、このような嵩高い黒鉛粉末を用いれば、二酸化マンガンと黒鉛との構成比を変えない、言い換えると黒鉛の含有比率を上げないで済む。また、このような嵩高い黒鉛粉末は、成形時の加圧により押し潰されて変形し、周囲にある焼成二酸化マンガン粉末間の空隙を埋めて粉末表面に十分に追従しうるものと推測される。しかも、成形後であっても嵩高い黒鉛粉末中にポアがあることから、電解液の含浸性や保持性もよく、好適な導電性を維持することができる。そして、これらの複数の要因が、成形性、成形体強度、負荷特性の向上に寄与しているものと推測される。なお、見掛け密度は0.01g/cm以上0.05g/cm以下であることがよく、0.01g/cm以上0.03g/cm以下がさらによい。
焼成二酸化マンガンと黒鉛との構成比(重量比)は特に限定されず、例えば10:1〜30:1といった範囲内で設定可能であるが、好ましくは15:1〜30:1、さらに好ましくは15:1〜25:1に設定される。その点、本実施形態ではこの構成比を20:1に設定している。かかる構成比が上記範囲内であると、焼成二酸化マンガンの充填容量を減少させずに結着性を向上することができる。
成形用材料に含有されるバインダの量は上記のように1重量%以下(0重量%を含んでいてもよい)とされ、さらには0.1重量%以上1重量%以下が好ましく、特には0.5重量%以上1重量%以下が好ましい。即ち、バインダの量が1重量%超であると、結着性が向上する一方で成形体の導電性が低下してしまい、放電特性の向上にとってマイナスに作用する可能性があるからである。
また、プレス形成により得られた正極合剤成形体12の密度(成形体密度)は、3.1g/cm以上3.4g/cm以下であることが好ましい。この範囲内であると、成形体強度の向上ばかりでなく、負荷特性の向上(具体的には低温での連続放電特性及びパルス放電特性の両方の向上)も達成可能だからである。
以下、本実施形態について行った実施例について説明する。
[実施例1]
1.試験用サンプルの作製
ここでは、正極合剤成形体12を除く他の構成要素の条件を同一にして、複数種類のリチウム電池10を作製し(仕様No1〜6)、これらを試験用サンプルとした。また、焼成二酸化マンガン、黒鉛粉末及びバインダからなる正極合剤成形体12については、焼成二酸化マンガン:黒鉛粉末の構成比(重量比)を20:1とし、いずれも中空円筒状にプレス成形した。なお、正極合剤成形体12の成形密度は一定(3.25g/cm)となるようにした。リチウム金属またはその合金である負極材料と、正極材料との理論容量バランスについては、およそ1:1となるように設定した。
焼成二酸化マンガンとしては平均粒径が37μm前後のものを使用した。黒鉛粉末としては、不純物の少ない膨張化黒鉛(Ca:500ppm以下、Fe:100ppm以下、S:1500ppm以下)を使用した。バインダとしては、フッ素系バインダ(PTFE樹脂)を使用した。セパレータ材としては、PP/PE複合系材料を使用した。電解液としては、1モルのLiClOを電解質とするPC/DME/DO系の電解液を使用した。そして、これらの条件で、黒鉛粉末の見掛け密度、黒鉛粉末の平均粒径、バインダ量を変更した。
具体的にいうと、仕様No1では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0.16〜0.20とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を16〜20とし、バインダ量(重量%)を2とした。仕様No2では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0.06〜0.10とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を9〜15とし、バインダ量(重量%)を2とした。仕様No3では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0〜0.05とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を36〜45とし、バインダ量(重量%)を2とした。仕様No4では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0〜0.05とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を36〜45とし、バインダ量(重量%)を1とした。仕様No5では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0〜0.05とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を36〜45とし、バインダ量(重量%)を0.5とした。仕様No6では、黒鉛粉末の見掛け密度(g/cm)を0〜0.05とし、黒鉛粉末の平均粒径(d(50),μm)を36〜45とし、バインダ量(重量%)を0とした。なお、上記の仕様No1,2,3は本発明の範囲に属しない比較例である。一方、仕様No4,5,6は本発明の範囲に属する例である。
2.試験方法
ここでは以下のような試験1(定抵抗連続放電試験)及び試験2(定電流パルス電流放電試験)を行った。
試験1では、得られたリチウム電池10を各温度にて8時間以上放置した後、そのまま所定の温度で定抵抗連続放電(510Ωでの連続放電)を行い、終始電圧が2Vとなるまで放電可能であった時間を測定した。そして、仕様No1の測定時間を100(%)としたときの相対値(%)を算出して、それぞれ比較を行った。
試験2では、負極活物質充填の理論容量に対する放電容量として、放電深度(D.O.D.)が60%となるように、あらかじめ放電させておいた。その後、各温度にてリチウム電池10を8時間以上放置し、その環境温度のまま50mA,1sの定電流パルス電流放電を行い、その時間内で最低となる放電電圧(V)を測定し比較した。
それらの結果を表1に示す。
3.試験結果
Figure 0005300331
表1から明らかなように、定抵抗連続放電試験及び定電流パルス電流放電試験の両方について、仕様No1,2,3よりも仕様No4,5,6のほうが好結果を示した。
[実施例2]
1.試験用サンプルの作製
実施例2では、リチウム電池の作製方法について実施例1と同様にした。そして、好結果を示した仕様No5(成形体密度3.25g/cm)を基本として、正極合剤成形体12の成形体密度を変更してみた。具体的には、仕様No7,8,9,10においてそれぞれ成形体密度(g/cm)を3.15,3.35,3.45,3.05に設定した。なお、正極合剤成形体12の体積は一定に保つので、密度によって合剤量は変化しているが、負極充填量、電解液量は変化させていない。
2.試験方法
実施例1のときと同様に、2つの試験(定抵抗連続放電試験、定電流パルス電流放電試験)を行った。その結果を表2に示す。
3.試験結果
Figure 0005300331
表2から明らかなように、成形体密度を本発明の好適範囲(3.1g/cm以上3.4g/cm以下)にて設定した仕様No5,7,8は、定抵抗連続放電試験及び定電流パルス電流放電試験の両方について好結果を示した。これに対し、成形体密度を3.4g/cmよりも高く設定した仕様No9は、定電流パルス電流放電試験の結果は良かったが、定抵抗連続放電試験の結果が仕様No5,7,8に比べてかなり劣っていた。また、成形体密度を3.1g/cmよりも低く設定した仕様No10は、定抵抗連続放電試験の結果は良かったが、定電流パルス電流放電試験の結果が仕様No5,7,8に比べて劣っていた。
[実施例3]
次に、以下の方法により各正極合剤成形体12の成形性について調査した。
ここでは、仕様No1,3,4を対象とし、成形時に使用する正極合剤を準備するための前工程にあたる混合した材料のローラー圧延及びメッシュ通しによる合剤粒度の調整間の材料投入量に対する完成品重量の比率をもってその収率(%)とした。そして、バインダ量が2重量%である仕様No1の収率を100としたときの相対値を併せて求め、相互に比較した。その結果を表3に示す。
Figure 0005300331
表3から明らかなように、バインダ量を2重量%とした仕様No3では収率の相対値が123%となり、2割以上の向上が認められた。バインダ量を1重量%とした仕様No4では、仕様No3には及ばないものの、収率の相対値が110%となり、1割の向上が認められた。つまり、焼成二酸化マンガンの平均粒径、黒鉛粉末の見掛け密度、黒鉛粉末の平均粒径などを本発明の好適範囲内にて設定した場合には、バインダ量を従来に比べて減らしたにもかかわらず、成形性を向上できることがわかった。ちなみに、具体的なデータは省略するが、バインダ量を0.5重量%とした仕様No5についても好適な成形性を維持することができた。
[実施例4]
次に、以下の方法により各正極合剤成形体12の強度について調査した。
ここでは、正極合剤成形体12の成形密度を一定(3.25g/cm)に揃えた仕様No1,3,4を対象とし、正極合剤成形体12を径方向に圧縮する破壊試験を行った。圧縮破壊を行う圧壊片として正極合剤成形体よりも大きな平板を使用し、圧壊速度は5mm/秒とし、その破壊強度(gf)を測定した(N=5)。その結果を表4に示す。そして、バインダ量が2重量%である仕様No1の破壊強度の平均値を100としたときの相対値を併せて求め、相互に比較した。その結果を表5に示す。
Figure 0005300331

Figure 0005300331
表4,表5より明らかなように、バインダ量を2重量%とした仕様No3では破壊強度平均値の相対値が170%となり、7割の向上が認められた。バインダ量を1重量%とした仕様No4では、仕様No3には及ばないものの、破壊強度平均値の相対値が112%となり、1割以上の向上が認められた。つまり、焼成二酸化マンガンの平均粒径、黒鉛粉末の見掛け密度、黒鉛粉末の平均粒径などを本発明の好適範囲内にて設定した場合には、バインダ量を従来に比べて減らしたにもかかわらず、成形体強度を向上できることがわかった。ちなみに、具体的なデータは省略するが、バインダ量を0.5重量%とした仕様No5についても好適な成形体強度を維持することができた。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のリチウム電池用正極合剤成形体12によると、好適な成形性及び成形体強度を維持、向上できるばかりでなく、導電性や保液性が改善されること等により負荷特性を向上させることができる。よって、このような優れたリチウム電池用正極合剤成形体12を使用すれば、低温での連続放電特性及びパルス放電特性の両方に優れ、高信頼性かつ高性能のリチウム電池10を比較的容易にかつ低コストで実現することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では本発明をボビン型リチウム電池に具体化したが、例えばコイン型リチウム電池などに具体化することも可能である。つまり、本発明の正極合剤成形体12は円筒状のみに限定されず、他の形状(例えば円盤状など)であってもよい。
・導電炭素材として含まれている黒鉛粉末は膨張化黒鉛粉末でなくてもよく、他の種類の黒鉛粉末であってもよい。また、1種類の黒鉛粉末のみを用いて正極合剤成形体12を成形してもよいほか、複数種類の黒鉛粉末を用いて正極合剤成形体12を成形してもよい。
・上記実施形態では正極合剤成形体12をあらかじめ作製しておき、これを正極缶11内に挿入してリチウム電池10を構成したが、粉体状の正極合剤を正極缶11内に充填し、この状態で缶内にて所定形状に成形して成形体としてもよい。
本発明を具体化した一実施形態のリチウム電池を示す概略断面図。
符号の説明
10…リチウム電池
12…リチウム電池用正極合剤成形体

Claims (2)

  1. 正極活物質及び導電炭素材を主構成材料として含むリチウム電池用正極合剤成形体であって、
    前記正極活物質である平均粒径が35μm以上40μm以下の焼成二酸化マンガンと、
    前記導電炭素材である平均粒径が36μm以上45μm以下かつ見掛け密度が0.01g/cm 以上0.05g/cm 以下の膨張化黒鉛粉末と、
    0.5重量%以上1重量%以下のバインダと
    を含み、焼成二酸化マンガンと膨張化黒鉛との重量比が15:1〜25:1である成形用材料を成形して得られ、
    成形体密度が3.1g/cm 以上3.4g/cm 以下である
    リチウム電池用正極合剤成形体。
  2. 請求項に記載のリチウム電池用正極合剤成形体を用いたことを特徴とするリチウム電池。
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