JP5297259B2 - エネルギー負荷制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、オフィス、病院、博物館等の大きな空間において、人の滞在/不在/進入/退去を検知する人体検知センサの出力に基づいて、空調や照明等のエネルギー負荷を適正に制御するエネルギー負荷制御システムに関する。
従来、人体検知センサによって人体があると検出された場合には、当該人体検知センサの検出エリアに対応する制御対象機器の運転制御レベルを所定のエネルギーを消費する運転制御レベルである第1の運転制御レベル(通常の運転制御レベル)に制御すると共に、周囲の検出エリアに対応する制御対象機器を前記所定のエネルギーより小さいエネルギー(例えば、第1の運転制御レベルの50%のエネルギー)を消費する第2の運転制御レベル(スタンバイモード等の運転レベル)に制御する運転レベル制御システムが知られている。
この運転レベル制御システムは、例えば、廊下や地下街などの通路の天井に蛍光灯などの放電ランプからなる複数の照明灯を通路に沿って配設し、この各照明灯を個々に点灯、消灯制御する照明制御装置が提案されている。この照明制御装置は、通常は各照明灯を消灯状態に制御し、通路上を移動する人や物の通過に応じて対応する照明灯をある時間だけ点灯させる制御を行なうものである(特許文献1)。
しかし、この運転レベル制御システムにおいては、人の移動速度が速い場合には、人の進行方向にある制御対象機器が第1の運転制御レベルで運転されない(例えば、制御対象機器が照明器具である場合は、進行方向が暗い)ため利便性が充分ではない。
この課題を解決するためのものとして、最大出力の異なる複数の運転制御レベルの切り換えが可能な構成を有する1の制御対象機器を制御対象とし、前記制御対象機器の出力範囲に対応する所定の検知エリア内における人体の有無を検知する人体検知センサからの出力を受け付けると共に、前記制御対象機器に隣接する全ての制御対象機器をそれぞれ制御対象とする他の制御ユニットと通信可能に接続された運転レベルの制御ユニットであって、人体検知センサからの出力及び他の制御ユニットからの指示情報に基づいて、当該制御ユニットの制御する制御対象機器が人体の進行方向にあるか否かを判定する第1制御レベル指示手段と、人体の進行方向にあると判定された場合に、最大出力の高い運転制御レベルでの運転を指示する旨の指示情報を当該制御ユニットの制御する制御対象機器に出力する制御レベル選択手段とを備える運転レベルの制御ユニットが提案された(特許文献2)。
しかしながら、上記した2つの運転レベル制御システムに用いられている人体検知センサは、焦電型赤外線センサであるため、人の動きの有無のみを検出し、静止人体の検出を行うことができなかった。
このため、タイマーにて検出信号を一定時間保持することにより、人体検出信号として模擬しているので、人が設定された一定時間を過ぎて静止状態で滞在していても(図9の静止状態)、不在状態と判定(図10の不在判定)してしまい、例えば照明が消灯される(図10の制御信号OFF)不具合が生ずる。
このように、人体検出信号がエリア内における人の滞在/不在/進入/退去状態と同期しておらず、それにより、図9、図10に示すように、人が一定時間静止すると不在判定となる誤動作を発生する。
また、人が退去した後も一定時間人体検出信号を出力(図10の滞在判定)するため、不在の状態でも照明の点灯や空調運転を行ってエネルギー負荷を適切に減少することができなかった。
このような理由により、オフィス、病院等においてはトイレなど一部に使用されるにとどまり、オフィス、病院等の建物内部全般に普及するまでには至らなかった。
そこで、焦電型赤外線センサの上記問題点を解決するため、
居住空間を複数領域に分けて各領域の温度を同時に検出するために各領域に対応させてサーモパイルをマトリクス状に配設した温度分布検出手段と、
前記温度分布検出手段により検出された前記領域数分の温度データを前記分割された領域の内の所定領域に関連づけて逐一記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記居住空間の温度分布検出結果に基づいて前記居住空間に存在する人体存在の有無等を認識する人体検出手段と、
を備えた人体検知装置が提案された(特許文献3)。
この人体検知装置は、サーモパイル型赤外線センサが検出した温度信号から人体の在/不在を判別する場合、サーモグラフのように画素数(検出対象に対する温度信号の検出密度)を増加させ、その画像形状から人体を判別する手法が用いられている。
しかし、これをオフィスの執務室等に適用する場合、素子を密接しマトリックス状に配列させる構成であるため、人体検知装置によって広域に亘って人体を検知しようとすると、膨大な数のサーモパイルを必要とし、膨大なコストがかかってしまう。
そこでさらに、サーモパイルの使用数を減らすために、室内の赤外線を検知する多眼サーモパイルセンサーからなる赤外線検出手段を、駆動手段にて水平方向に走査する人体検知装置が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、この人体検知装置は、主として家庭用空気調和機用に開発されたもので、その寿命が左程長くなくても家庭機器用であれば適当であるが、オフィスや病院等の長寿命の建物の空調システムや照明システムにおいて長期使用するものには適切ではない。
よって、オフィスに常時駆動する機構を採用することは、人体検知装置の寿命、保守の両面から現実的ではない。
さらにまた、サーモパイル型赤外線センサが検出した温度検出信号の変化から人体を判別する手法の場合(特許文献5)は、侵入者検知用途、防犯用途など人が長時間滞在せず、太陽光などの外乱がない環境下であることを想定したもので、汎用用途には向かない。
以上のように、サーモパイル型赤外線センサは検出エリアが狭いため、オフィスや病院等のような広いエリア全体を監視するためには、多くのセンサを取り付けるか、あるいはセンサを自動的に動かす機構などが必要となり、耐久性やコスト面から採用することが難しかった。
このような理由により、人体検知装置は、オフィスや病院等においてはトイレや廊下など一部に使用されるにとどまり、オフィス、病院等建物全般に普及するまでには至らなかった。
特開2000−36392号公報 特許第4151390号公報 特許第3805165号公報 特開2008−309379号公報 特許第3451238号公報
本発明は、上述した種々の課題を解決するために創作されたもので、日射や人体の余熱や空調の温度変化等の外乱の影響を受けず、人が一定時間静止すると不在判定となる誤動作の発生を防止するとともに、人の退去後は直ちに照明、空調等の運伝を適正制御して、エネルギー負荷を適切に減少して省エネルギーに資することができる、パーソナル空間に適したエネルギー負荷制御システムを安価に提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、室内をパーソナル空間として分割した単位区画をエネルギー負荷対象領域とする複数の機器類と、前記複数の機器類のエネルギー負荷を制御するコントローラと、 前記単位区画に略対応してその検知範囲とされた、前記単位区画毎に配設された複数の高精度人体検知センサと、から構成されるエネルギー負荷制御システムにおいて、
前記高精度人体検知センサは、
前記エネルギー負荷対象領域を所要の精度で検知し得る3個以上の複数個の素子を備えた多素子型サーモパイルアレイと、前記複数個の素子のそれぞれに集光する集光部が形成された単位赤外線集光体を、前記エネルギー負荷対象領域をほぼもれなく検知可能とするために複数個一体的に備えた集合赤外線集光体と、からなる赤外線検出部、該赤外線検出部から入力されたアナログ信号の処理を行う信号処理部、該信号処理部から入力された信号をデータ処理して検知領域内に人が存在するか否か判定する演算処理部、及び、前記コントローラとの情報の送受信を行う入出力部から構成され、
人が進入した状態と人が退去した状態を検知するとともに静止した滞在状態を検知し続け、前記検知領域内に人が存在する滞在状態で人在信号を出力する一方、前記検知領域内に人が存在しない不在状態で人不在信号を出力し、
一旦人が前記検知領域内に進入してすぐに退去したとき、人が進入した滞在状態から不在状態に移行して即座に不在状態を判別して人不在信号を出力する一方、人在信号を出力する滞在状態からは人体が動いている状態を経ない限り不在状態へ状態遷移することがないものであり、
前記コントローラは、
前記複数の高精度人体検知センサとの情報の送受信を行う入出力手段
前記複数の高精度人体検知センサからの信号を演算処理して前記機器類のエネルギー負荷を制御する演算処理手段から構成して、
前記高精度人体検知センサから人信号を受信したエネルギー負荷対象領域の機器類の出力を増大し、人不在信号を受信したエネルギー負荷対象領域の機器類の出力を減少する制御を行うようにした。
請求項2に係る発明は、前記高精度人体検知センサを、4つ集合して周方向に4等分した4方向を向いて一体化して、4つの前記単位区画を縦横に集積した集積区画の中央に配設するようにしたことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、前記コントローラは、人が滞在する前記エネルギー負荷対象領域に隣接する領域に人が滞在するか否かの判断手段を備え、前記隣接する領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の機器類のエネルギー負荷を低減するようにしたことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、前記機器類を照明器具として、前記コントローラは、エネルギー負荷対象領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の前記照明器具を減光するとともに、色温度を低下するようにしたことを特徴としている。
請求項5に係る発明は、前記機器類を照明器具として、前記コントローラは、記憶手段に記憶された前記照明器具毎の時間帯別照度、経年劣化の照度補正値テーブルを参照し、かつ、前記高精度人体検知センサからの人の在/不在信号、日射の有無信号に基づいて照度を調整するようにしたことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、前記機器類を空調装置として、前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの人の在/不在情報、人数情報、日射の有無情報に基づいて、空調負荷を制御するようにしたことを特徴としている。
請求項7に係る発明は、前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの信号がOA機器熱源であり、検知温度または検知継続時間が所定値を超えると判断したとき、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発するようにしたことを特徴としている。
請求項8に係る発明は、前記コントローラは、前記高精度人体検知センサが設定された時間帯に人が滞在することを検知したとき、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発するようにしたことを特徴としている。
請求項9に係る発明は、前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの検出温度が所定値を超えたとき火災であると判断し、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発するようにしたことを特徴としている。
請求項10に係る発明は、請求項8乃至請求項9に係る前記コントローラは、人が滞在する前記エネルギー負荷対象領域の前記照明器具を点灯するようにしたことを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、機器類のエネルギー負荷対象領域を、室内をパーソナル空間として分割した単位区画とする一方、高精度人体検知センサを、当該単位区画に略対応してその検知範囲として単位区画毎に配設しているので、空調、照明等の機器類のエネルギー負荷を、高精度人体検知センサの人体有無信号に基づいて、きめ細かく制御することが可能となり、優れた省エネルギー性を発揮することができる。
特に、従来の赤外線センサではタイマーで設定された時間、滞在状態を擬制して例えば照明をし続けるのに対し、本発明の高精度人体検知センサは、一旦人が前記検知領域内に進入してすぐに退去したとき、進入した状態から不在状態に移行して即座に不在状態を判別し、本発明のエネルギー負荷制御システムの照明、空調等の負荷を削減して省エネに資することができる。
また、本発明の高精度人体検知センサは、人在信号を出力する滞在状態からは人体が動いている状態を経ない限り不在状態へ状態遷移することがないものであるので、検知エリア内で人が長い間全く動かない完全静止状態を続けていても、滞在していると判断して、従来の赤外線センサが一定時間静止していると、滞在状態を判定できないものと著しく異なり、誤判断することはない。
さらに、本発明の高精度人体検知センサは、日射や人体の余熱や空調の温度変化等の外乱の影響を受けないで、正確に人体の有無を検出することができる。
請求項2に係る発明によれば、高精度人体検知センサの取付け個数を1/4に減少することができるから、センサの取付けコストを削減することができ、またメンテナンス作業を容易にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、隣接する領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の機器類のエネルギー負荷を低減するので、機器類の必要とされる運転を確保しつつ、請求項1に係る発明の省エネルギー性をさらに高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、照明コントローラがエネルギー負荷対象領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の前記照明器具を減光するとともに、色温度を低下するようにしたから、省エネルギー性を維持しつつ、人に明るい感覚を与えることができる。
請求項5に係る発明によれば、プログラム化された照明器具毎の時間帯別照度テーブルや経年劣化の照度補正値テーブルを参照して照度調整できるので、きめ細かな照度調整をすることができる。
また、照度センサは不要であるか、または、本実施例の4つの単位区画毎に設置している照度センサを削減することができ、照度センサの設置コストを大幅に節減することができる。
請求項6に係る発明によれば、空調コントローラは、高精度人体検知センサからの人の在/不在情報、人数情報、日射の有無情報に基づいて空調負荷を制御するようにしたので、無駄を省きつつ空調を予測的に制御することができる。
請求項7に係る発明によれば、不在時にOA機器の電源が切られていなかったことが判別できるので、関係者にこの旨を伝えて注意を喚起することができる。
これにより、OA機器の寿命を延ばすとともに、省エネルギーに資することができる。
請求項8に係る発明によれば、高精度人体検知センサが、例えば休日等の設定された時間帯に人が滞在することを検知するということは、予定外の者が侵入していることを意味するから、このときは警備担当者に対し、侵入者が特定した単位区画にいることを知らせる警報を発することができる。
このとき、侵入者が逃亡を企てたとしても、侵入者の移動奇跡は単位区画ごとに把握できるから容易に追尾することができる。
請求項9に係る発明によれば、警備担当者に対して、火災発生初期段階において、火災発生場所の単位区画を特定して知らせることができる。
警備担当者は、初期消火活動、関連部署への連絡等必要な措置を講じて、火災発生を防止することができる。
請求項10に係る発明によれば、請求項8乃至請求項9のいずれかの警報が発せられると同時に、当該場所の照明を点灯するので、夜間においては、侵入場所あるいは火災発生場所を視覚的に把握することが容易となる。
特に侵入者にとっては、移動先の単位区画の照明を点灯するので逃亡しづらい。
図1は、本発明のエネルギー負荷をオフィス照明としたときのイメージ図である。(a)は不在時にアンビエント照明のみ点灯している態様を、(b)はアンビエント照明とタスク照明の双方を点灯している態様を示すイメージ図である。 図2は、本発明の高精度人体検知センサを天井に1800mm平方当り1個取付け、1つの人体検知センサの床検知エリアの単位区画を示す鳥瞰図である。この単位区画は、機器類のエネルギー負荷範囲に対応している。 図3は、図2の単位区画を拡大した図で、本発明の高精度人体検知センサの単位区画を、6つの検出エリアに分割していることを示す検出エリア概観図である。 図4は、1800mm平方当りそれぞれ1個の高精度人体検知センサとアンビエント照明器具と空調空気吹出口を取付けた態様を示す天井伏図である。 図5は、本発明のエネルギー負荷制御システムの構成図である。 図6は、本発明の照明制御システムの隣接制御例を示す説明図である。 図7は、本発明の高精度人体検知センサを示した図面代用写真である。 図8は、本発明の高精度人体検知センサの機能ブロック図である。 図9は、焦電型人体検知センサの検知機能図である。 図10は、焦電型人体検知センサのセンサ検出値と制御信号の関係を示す図である。 図11は、本発明の高精度人体検知センサの検知機能図である。 図12は、本発明の高精度人体検知センサのセンサ検出値と制御信号の関係を示す図である。 図13は、不在状態、進入状態、滞在状態、人体動作検知状態及び退去状態の間で状態遷移する態様を示す状態遷移図である。 図14は、不在状態から進入状態に遷移するまでの手順を示すフローチャートである。 図15は、進入状態から滞在状態または不在状態に遷移するまでの手順を示すフローチャートである。 図16は、滞在状態から人体動作検知状態に遷移するまでの手順を示すフローチャートである。 図17は、人体動作検知状態から退去状態または滞在状態に遷移するまでの手順を示すフローチャートである。 図18は、退去状態から不在状態または滞在状態に遷移するまでの手順を示すフローチャートである。
本実施例は、照明器具と空調装置の出力をエネルギー負荷の例とするエネルギー負荷制御システムである。
本実施例は、室内をパーソナル空間として1800mm平方毎に分割して、その分割した区画を照明器具と空調装置のエネルギー負荷の対象領域としている。
そこでこのエネルギー負荷制御システムは、図3に示されているように、高精度人体検知センサの検知範囲は、エネルギー負荷の対象領域と一致させて対応させるために、室内を分割区画した単位区画内に人が存在するか否かを監視するものとしている。
つまり、従来300mm平方しか監視することができなかったサーモパイルを用いて、1800mm平方の相当広い領域について人の存在を正確に検知するものである。
図5に示されるように、本システムは、前記単位区画をエネルギー負荷対象領域とした空調機と照明器具からなる機器類と、前記機器類のエネルギー負荷を制御する空調コントローラ及び照明コントローラと、前記単位区画毎に配設された高精度人体検知センサと、前記単位区画4つを集合区画として検知対象とする照度センサとから構成されている。
なお、当該フロアの単位区画が所定数(本実施例では64単位区画)を超える場所で、後述するエネルギー負荷の隣接制御をする場合は、前記空調コントローラと前記照明コントローラの上位のフロアコントローラを設ける。
図4に、天井伏図を示す。この図から、単位区画毎に1つの空調空気吹出口と1つのアンビエント照明器具が配設されていることが理解できる。
本システムは、パーソナル空調とパーソナル照明の運転エネルギー負荷を、快適性を損なうことなく安全を確保しつつ的確に削減して、省エネルギーに資することを目指すものである。
従来のエネルギー負荷制御システムの人体検知センサは、焦電型人体検知センサを要素技術としているため、オフィスや病院等人体が静止する場面が多い場所には適用できなかったことについては、上述したとおりである。
そこで、本発明においては、人体検知センサの精度を格段に高め、今まで適用ができなかった上記建物内のエネルギー負荷を的確に制御するための前提となる人体検知センサを改良し、この改良した人体検知センサを用いていることに一つの特徴がある。
そこで以下、本発明のエネルギー負荷制御システムの理解を容易にするために、先ず、その要素技術である高精度人体検知センサについて説明し、その後に、エネルギー負荷制御システム全体について説明する。
図8を参照して、本発明の高精度人体検知センサの実施例のシステム構成とその機能について説明する。
≪高精度人体検知センサの構成≫
この高精度人体検知センサは、2面以上からなる多面反射ミラーあるいは多面レンズと3素子以上からなるサーモパイルアレイにより構成される赤外線検出部と、防塵用のカバーや筐体の表面温度あるいはセンサ設置場所周辺の空気温度を計測する補正用温度センサと、それらアナログ信号の処理を行う信号処理部と、処理された信号を取り込みオフィス向け人体検知アルゴリズムによるデータ解析により人体検知信号や熱源判別信号(OA機器判別信号)などの情報を演算判定する演算処理部(CPU)と、外部機器との情報の送受信を行う入出力部とから構成される。
図3、図7を参照して、本実施例の赤外線検出部は、6素子のサーモパイルアレイ丸数字1〜6と6面反射ミラーA〜Fとから構成されている。
この6面反射ミラーの各面A〜Fは、図3に示されるA〜Fゾーンの6つの単位検知対象エリアに対応していて、反射ミラー各面A〜F内において、6つの各素子に対して赤外線を集光するミラー面を有している。
つまり、本実施例の単位区画は、A〜Fゾーンの6つの単位検知対象エリアに分割されている。これにより、人体検知センサの検知対象エリアを広域化するとともに検知精度を高度化している。
よって、各素子には6つの単位検知対象エリアA〜Fから検出信号が入力されているが、6つの単位検知対象エリアからの検出信号の総和を各素子サーモパイルアレイの検出信号としている。
なお、検出信号の出力レベルは、温度が高く赤外線が多いほど低下する。
また、本実施例においては、集光体を6面反射ミラーにて構成しているが、6つの素子に集光するレンズにて構成してもよい。
図3に示されるように、各単位検知対象エリアA〜Fに対応する素子は、丸数字1〜3と丸数字4〜6の2組6個の素子から構成されていて、各組の素子は、中央の主素子丸数字2、5と、両側の副素子丸数字1、3及び4、6から構成されている。
このように、3素子1組とし、中央を主素子、両側を副素子としているのは、中央に位置する素子は、感度が高く、また、図3をみて理解できるように、中央位置の素子は、監視エリア以外の他のエリアの温度情報信号をほとんど受けないからである。
したがって、本発明は、少なくとも3つの素子を備えることを要する。
そして、これを増設するときは、3つの素子を1つの組として行うことから、3の倍数の素子を備えることとなる。
本実施例にあっては、2組の素子を備えているということである。
なお、各組の素子数は、奇数個である必要はなく、偶数個とすることも可能である。このときは、中央側2つの素子の検出値の平均を主素子の検出値とすればよい。
信号処理部は、このサーモパイルアレイの各素子が検出した信号を、ハードウェアフィルタでフィルタリングし、図8に示した補正用温度センサからの信号を受けて各素子の検出値を補正し、出力レベルの調整をするものである。
この補正用温度センサからの信号を受けて各素子の検出値を補正する処理は、演算処理部においても実行可能である。
よって、以降においては、演算処理部において補正処理を行うものとして記載している。
そして、センサからの検知信号と補正用温度センサからの信号が、上記演算処理部(CPU)に入力され、演算処理部において演算されるパラメータは、次のものである。
・各素子の検出値の単位時間当たりの変動量、すなわち検出値の傾き
・各素子の検出値の増減(増加/減少)
・各素子の検出値の変化量
・検出値に変化が見られる素子(主素子であるか副素子であるかの区分)
・検出値に変化が見られる素子の数
・各素子間の検出値の変化開始時刻の差異
・各素子間の検出値の変化量の差異
・各素子間の検出値の差異(例えば、素子1と素子3の素子間差分)
また、CPUにおいて演算され、図示を省略する記憶部に記憶保持されて、各検知エリアの現時点における状態の判定に用いられるものは次のものである。
・不在ベース値
・人体動作前検出値
・補正判定値
・人体検出値(大まかな人数または一人/複数の検出に使用)
・想定人数(大まかな人数または一人/複数の検出に使用)
・余熱判定値(人体が退去した後に残る余熱の影響の除外に使用)
≪高精度人体検知センサの機能≫
本発明の高精度人体検知センサは、図11、12に示すように、進入状態と退去状態を検知するのみならず、静止した滞在状態をも検知し続けることができるものである。
この結果、検知エリア内で人が長い間全く動かないで完全に静止状態を続けていても、滞在していると判断することができる。
そしてこの高精度人体検知センサは、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響、外部環境やエリア全体における長時間(1〜数時間単位)での温度変化の影響、ペリメータゾーンにおける日射の影響を除去する。
このため、人体とPC(パーソナルコンピュータ)・複写機・FAXなど他の熱源との判別及び人体と椅子や机などに残る人体の余熱との判別をすることができ、人体の不在/滞在/進入/退去状態及び人体動作検知状態を判別し、静止人体の長時間にわたる検出および完全静止人体の検出ができ、検知エリア内に滞在する人数が一人か複数かを把握でき、人体温度が周囲温度や床面温度より低い場合の非定常時において人体を検出できるものである。
本発明の広域人体検知センサは、図13に示すように、不在状態/進入状態/滞在状態/人体動作検知状態/退去状態の間で状態遷移することを特異の特徴としている。
ここで、各状態の意味するところと各状態からの遷移の態様について説明する。
不在状態とは、検知エリア内に人体が存在しない状態を意味し、退去状態より移行し、進入状態に移行する。
進入状態とは、不在状態から検知エリア内に人体が進入した状態を意味し、不在状態より移行し、滞在状態または不在状態に移行する。
滞在状態とは、検知エリア内に人体が滞在し、静止または大きな動きのない状態を意味し、進入状態/退去状態/人体動作検知状態より移行し、人体動作検知状態へ移行する。
人体動作検知状態とは、上記滞在状態にあり、かつ、人体が動いている状態を意味し、滞在状態より移行し、退去状態または滞在状態へ移行する。
退去状態とは、滞在状態にあった人体が検知エリアから退去した状態を意味し、人体動作検知状態から移行し、滞在状態または不在状態へ移行する。
以上の状態遷移の態様から理解できるように、滞在状態から直接不在状態へ状態遷移することはない。
滞在状態から不在状態へ状態遷移するためには、図13に示すように、人体動作検知状態、退去状態の状態遷移を経て、初めて不在状態と判定し遷移する。
このため、検知エリア内で人が長い間全く動かない完全静止状態を続けていても、滞在していると判断する、換言すれば不在とは判断しないことができる。
この点において、焦電型赤外線センサが一定時間静止していると、滞在状態を判定できないものと著しく異なり、誤判断することはない。
以下、基本アルゴリズムである人体の状態判別方法について、状態遷移の形態ごとに説明する。
なお、この状態遷移メインルーチンは、不在状態が基本状態(初期状態)であり、不在状態に遷移した時点で、それまでのルーチンは一旦終了し、図14の冒頭に復帰して、センサの出力値の変化判定基準を満たすまで無限ループを循環する。
その後、再び人体が進入した際は、進入状態に遷移する直前の不在状態における値が、各判定に使用する基準値とされる。
以下においては、説明の都合上分割されて示されているが、実際のルーチンは連続していると理解すべきである。
<不在状態から進入状態への移行(遷移)>
図14を参照して、不在状態において、CPUが、各パラメータがそれぞれの判定基準を満たし(変化がしきい値以上)、さらに一定時間待機後にも、継続して各パラメータが判定基準を満たしていると判断した場合は、不在状態における各パラメータの検出値を上記記憶部に保存して、不在状態から進入状態へ移行する。
ここで用いたパラメータは、検出値の変化量、変化が見られる素子(主素子と副素子の区分)、変化が見られる素子の数、各素子間の変化開始時刻の差異、各素子間の変化量の差異の5つである。
<進入状態から滞在状態/不在状態への移行(遷移)>
図15に示されるように、CPUは、サーモパイルの検出信号が安定(変化がしきい値以内)した後、各パラメータの記憶部から読み出された不在状態における検出値と現在の検出値を比較し、その差異がしきい値(判断基準値)以内であると判断したときは、記憶部に保存されている各パラメータの値をクリアして不在状態へ、また、しきい値以上であると判断したときは、滞在状態へ移行する。
このように、一旦人が検知エリアに進入してすぐに退去した場合、焦電型赤外線センサではタイマーで設定された時間滞在状態を擬制して、例えば照明をし続けるのに対し、本実施例の高精度人体検知センサによれば、即座に不在状態を判別し、本発明のエネルギー負荷制御システムの照明、空調等の負荷を削減して省エネに資することができる。
<滞在状態から人体動作検知状態への移行(遷移)>
図16を参照して、滞在状態において、CPUは、各パラメータの検出値の変化量がしきい値以上であると判断したときは、変化前の各パラメータの値を記憶部に保持して人体動作検知状態へと移行する。
一方、滞在状態において各パラメータの検出値の変化量がしきい値以下であると判断したときは、CPUは、環境変化の影響があるか否か、及び、他の熱源の影響があるか否か確認し、環境変化や他の熱源の影響があると判断したときは、人以外の熱源を検出するとともに各パラメータの補正判定値を補正して、記憶部に保持されている補正判定値を書き換えて滞在状態へ戻る。
つまり、滞在状態において各パラメータの検出値に変化がみられないときは、無限ループを循環することとなって、人体動作検知状態に、したがって後述する不在状態に、移行することはない。
よって、人が滞在しているにも拘らず、不在状態であるとする誤動作をすることはない。
<人体動作検知状態から滞在状態/退去状態への移行(遷移)>
図17を参照して、CPUは、サーモパイルの検出信号が安定(変化がしきい値以内)したと判断した後、記憶部から読み出した各パラメータの人体動作検知前における値と現在の検出値を比較し、検出値がしきい値(判断基準値)以上増加したと判断したときは、想定人数を減少して退去状態へ移行する。
また、検出値がしきい値以上減少したと判断したときは、想定人数を増加する。なお、想定人数については、後で詳述する。
この場合は、いずれにもあてはまらないと判断したときと同様、各パラメータの判定基準値(しきい値)を補正して滞在状態へ移行する。
ここで、図16と図17を通してみると、滞在状態から人体動作検知状態に遷移し、再び滞在状態にリターンする大きな無限ループが形成されていることが理解できる。
CPUが、滞在状態から人体動作検知状態に移行しても、検出値がしきい値以上増加したと判断しない以上、退去状態には移行しないから、滞在している人に動きがなくても滞在状態に戻ってその状態を維持し得る。この点、従来の焦電型人体検知センサとは大きく異なる。
<退去状態から滞在状態/不在状態への移行(遷移)>
図18を参照して、本実施例は、退去状態から滞在状態または不在状態のいずれに移行するかを判断する手法であり、次の3つの手順からなっている。
第1の手順は、記憶部から読み出した各パラメータの不在時における判定基準値またはその値を補正した補正判定値と、現在の検出値の差異が、しきい値以内であるか否か、すなわち、各パラメータが不在状態時の値に戻ったか否か、
第2の手順は、各パラメータの検出値が、想定人数や各素子間の検出値の差異などの判定基準を満たしているか否か、
第3の手順は、椅子や机などの余熱であるか否か、
を順にCPUに判断させ、これら手順の退去判定条件を満たすと判断したときは、各パラメータの保存を解除して不在状態へ移行する。
また、CPUは、上記した手順の退去判定条件のすべてを判断し、いずれの条件をも満たさないときは、各パラメータの変化がしきい値以上であるか否かを判断し、以上であると判断したときは想定人数を減少し、以下であると判断したときは想定人数を減少することなく、各パラメータの判定基準値を補正して滞在状態へ移行する。
≪人体検知の高精度化手法≫
以上、人体の状態判別方法について、状態遷移の形態ごとに説明してきたが、本発明の広域・高精度人体感知センサを実際の建物の空調制御や照明制御のシステムに組み込もうとすると、人体検知の精度が不足することが考えられる。
そこで本発明は、さらに人体検知の精度を高度のものとするために、次に述べる人体検知の高精度化手法を提供する。
人体検知の高精度化手法には、次の3つがある。
第1の高精度化手法は、上記した補正用温度センサにより、人体検知センサの防塵用カバーや筐体の表面温度、あるいは、センサ設置場所周辺の空気温度を計測し、その情報を上記信号処理部を介してCPUに入力し、CPUにサーモパイル検出値を補正させることで、空調制御などによる温度変化の影響がないようにすることである。
この高精度化手法は、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響を除外するのに適用することができる。
具体的な適用例については、後述する。
第2の高精度化手法は、CPUに、センサ検出値を適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることにより、空調制御などによる温度変化の影響を除去させる、または、必要とする情報を抽出させる、ことである。
この高精度化手法は、様々な事象に対して適用することができる。
すなわち、ハイパスフィルタのカットオフ周波数とフィルタ次数を、除去または抽出しようとする対象に応じて設定して、フィルタリングすれば様々な影響を除去したり、目的とする情報を抽出することが可能となる。
たとえば、除去し得る影響因子としては、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響、空調制御などによる長時間(1〜数時間単位)での温度変化の影響、PC・コピー・FAX等のOA機器や加湿器等の他の熱源の影響、椅子や机などに残る人体余熱の影響などがある。
また、本実施例において抽出した情報としては、進入/退去情報がある。
具体的な適用例については、後述する。
第3の高精度化手法は、サーモパイルアレイの各素子のパラメータを解析する手法であり、全素子に変化があらわれた際の解析手法と一部の素子に変化があらわれた際の解析手法に大別される。
具体的な適用例については、後述する。
≪高精度化手法の適用例≫
本実施例においては、次の情報処理のために高精度化手法を適用した。
(1) 空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響の除外、
(2) 外部環境やエリア全体における長時間(1〜数時間単位)での温度変化の影響の除外、
(3) ペリメータゾーンにおける日射の影響の除外、
(4) 監視エリア内に滞在する人数の把握(一人/複数)、
(5) 他の熱源(OA機器:PC・コピー・FAX・加湿器等)との判別、
(6) 椅子や机などに残る人体の余熱の判別、及び、
(7) 猛暑期や厳冬期など人体温度が通常とは異なる非定常時の人体検出(人体温度<周囲温度・床面温度の場合)
以下、技術項目毎のアルゴリズムを説明する。
<短時間での温度変化の影響の除外>
短時間での温度変化の影響を除外するため、上記した第1〜第3の高精度化手法を適用した。
1つは、上記した補正用温度センサにより、センサの防塵用カバーや筐体の表面温度、あるいは、センサ設置場所周辺の空気温度を計測し、その情報を上記信号処理部を介してCPUに入力し、CPUにサーモパイル検出値を補正させることで、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響がないようにする。
2つは、CPUに、センサ検出値を短時間での温度変化に対応した適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることにより、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響を除去させる。
3つは、第3の高精度化手法のうち、全素子に変化があらわれた際の解析手法である。
CPUが、6素子サーモパイルアレイの全素子の単位時間当たりの変化量が同じと判断したときは、環境の変化による影響と捉えることができる。
したがって、CPUに素子間の差分を算出・監視させることにより、空調制御などによる短時間(数分〜数十分単位)での温度変化の影響がないようにする。
<長時間での温度変化の影響の除外>
センサ検出値をCPUに、長時間での温度変化に対応した適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることにより、空調制御などによる長時間(1〜数時間単位)での温度変化の影響を除去させる。
<日射の影響の除外>
ペリメータゾーンにおける床面やセンサ本体(防塵用カバー・筐体)の日射による温度上昇に基づく検出値の変化が全素子に現れたときは、段落0060に記載したのと同じ手法にて日射の影響を除外して、日射による温度上昇によって人が滞在すると検知する誤動作を防止する。
一方、素子間の差分を算出すると、両方の素子に同じように発生した事象(検出値の変化)は打ち消され、片方の素子にのみ生じた事象(検出値の変化)を捉えることができる。
したがって、本実施例の6つの素子のうちの全てではない複数の素子(5〜2素子)に日射の影響がみられた場合は、副素子の素子間の差分を算出し、差がないときはその変化を除外することによりその影響をなくすことができるから、日射による温度上昇によって人が滞在すると検知することを防止する。
これは、第3の高精度化手法のうち、一部の素子に変化があらわれた際の解析手法に該当する。
また、センサの配置上確率は非常に低いと想定されるが、1素子のみに日射の影響がみられた場合は、人体によるセンサ出力の傾きは、日射の影響によるセンサ出力の傾きより大きいことから、日射の影響で床面や机の表面温度が変化した場合のセンサ出力値の傾きと、人体が進入した場合のセンサ出力値の傾きの違いから、人体か日射かを判別できる。
いずれにしても、CPUに各素子の検出値の素子間の差分や傾きを算出・監視させることにより、人体のみを判別させて、日射の影響をなくさせる。
<監視エリア内に滞在する人数の把握(一人/複数人)>
監視エリア内に滞在する人数を把握するには、2つの手法がある。
1つは、センサ検出値をCPUに、進入・退去に対応した適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることである。
これにより、進入情報と退去情報を抽出し、その回数をカウントすることにより、エリア内における大まかな人数、あるいは、一人か複数人であるかを検出する。
この検出された人数は、記憶部に人体検出値として保存される。
2つは、CPUに、各パラメータの検出値をしきい値により一人か複数人であるかを区分させることで、エリア内における大まかな人数あるいは一人/複数を演算想定させる。
CPUは、この演算想定された人数を、記憶部に想定人数として保存する。
上記した監視エリア内に滞在する人数を把握する2つの手法は、本発明の人数想定手段を構成する。
この滞在人数を把握するサブルーチンは、上述した状態間を遷移する状態遷移ルーチンの適宜の部位に組み込まれる。
そして、CPUは、この人体検出値及び/又は想定人数を更新したときは、上記入出力部から外部に対し出力する。
<他の熱源との判別>
これは、PC・コピー・FAX等のOA機器や加湿器等の他の熱源を上記した空調制御等による短・長時間での温度変化や日射と区分するための手法であり、2つある。
空調制御等による短・長時間での温度変化や日射による温度変化は、サーモパイルの全素子の検出値に変化をもたらすのに対し、PC・コピー・FAX等のOA機器は、対象エリア全域に設置されることは少ないから、一部の素子の検出値に変化をもたらす。
それ故、一部の素子の検出値に変化があらわれたときは、OA機器等の他の熱源の影響であると判断することができる。
手法の1つは、CPUは、各素子間の検出値の変化開始時刻の差分(同時か否か)、または、各素子間の検出値の変化量の差分(変化が同じか否か)が、しきい値以内であれば環境変化の影響と判断する。
また、人体の影響に基づくセンサ出力の傾きは、他の熱源の影響に基づくセンサ出力の傾きより大きいことから、両者のセンサ出力値の傾きの違いから、人体かOA機器等の他の熱源かを判別する。
そして、環境変化の影響がある、または、他の熱源の影響がある、と判断されたときは、各パラメータの判定値を補正する。
なお、これらの判断結果は、入出力部から空調の制御部に対して出力し、空調制御に反映させてもよい。
2つは、センサ検出値をCPUに、他の熱源に対応した適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることである。
これにより、他の熱源情報を除去し、あるいは人体と判別するまでの遅延時間を短縮する。
<人体の余熱の判別>
これは、椅子や机などに残る人体余熱を判別する手法であるが、2つの手法がある。
1つは、センサ検出値を、CPUに、人体の余熱に対応した適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングさせることにより椅子や机などに残る人体の余熱の影響をなくす。
他の手法としては、CPUが、素子間の差分を算出・監視することにより、人体ではなく余熱であると判別するか、人体ではなく余熱であると判別するまでの遅延時間を短縮しつつ、人の不在状態を確定する。
<非定常時の人体検出>
これは、人体温度が周囲温度・床面温度より低い、非定常時において人体を検出する手法である。
本実施例の通常ルーチンでは、人体温度が周囲温度・床面温度よりも高いことを想定して作成されている。
しかしながら、猛暑期や厳冬期など、人体温度が周囲温度・床面温度より高い通常時とは異なる場合が想定される。
このような場合は、センサ検出値を適正な定数・次数でフィルタリング(ハイパスフィルタ)することにより、進入/退去情報を抽出し、その回数をカウントしておおまかな人数を把握することにより、非定常時の人体を検出する。
あるいは他の手法として、CPUに素子間の差分を算出・監視させることにより、非定常時の人体を検出するか、非定常時の人体を検出するまでの遅延時間を短縮しつつ、人の在/不在状態状態を確定する。
以上の高精度人体検知センサの構成と機能をまとめると、以下の実施の態様とすることができる。
実施の態様の1は、赤外線検出部、該赤外線検出部から入力されたアナログ信号の処理を行う信号処理部、該信号処理部から入力された信号をデータ処理して検知領域内に人が存在するか否か判定する演算処理部、及び、外部機器との情報の送受信を行う入出力部から構成された広域・高精度人体検知センサにおいて、前記赤外線検出部は、単位検知対象エリアを所要の精度で検知し得る3個以上の複数個の素子を備えた多素子型サーモパイルアレイと、前記複数個の素子のそれぞれに集光する集光部が形成された単位赤外線集光体を、前記単位対象エリアの複数からなる対象エリア全域をほぼもれなく検知可能とするために複数個一体的に備えた集合赤外線集光体から構成する態様である。
この実施の態様の1によれば、検知エリア内において人が長時間静止していても人がいないとする不在判定をする誤動作の発生を防止することができるから、執務室や病室においても設置可能とすることができる。
また、人の検知エリアからの退去後においては、直ちに照明、空調等の運伝を適正制御して、電力負荷を適切に減少して省エネルギーに資することができる。
さらに、この広域・高精度人体検知センサは、駆動部を有していないから、オフィスや病院等の長寿命の建物の空調システムや照明システムにおいて長期使用するものに適した耐久性がある。
さらにまた、比較的狭い単位検知対象エリア内を複数個の素子により検知して高い精度を維持しつつ、単位対象エリアの複数からなる対象エリア全域をほぼもれなく検知可能として、検知エリアを広域化することができ、しかもセンサを小型化してローコストで提供することができる。
実施の態様の2は、前記演算処理部を、不在状態、進入状態、滞在状態、人体動作検知状態及び退去状態の間で状態遷移する態様である。
実施の態様の3は、前記演算処理部を、前記滞在状態において、検知エリア内で人が長い間全く動かない完全静止状態を続けていると判断したとき、前記滞在状態に留まり他の状態に遷移しない態様である。
実施の態様の4は、前記演算処理部を、前記滞在状態から前記人体動作検知状態に遷移した後、さらに前記退去状態に遷移した後でなければ、前記不在状態に遷移しない態様である。
実施の態様の5は、前記演算処理部を、前記滞在状態の手順のなか、前記滞在状態から前記人体動作検知状態に遷移する手順のなか、前記人体動作検知状態から前記退去状態に遷移する手順のなか、前記退去状態から前記不在状態に遷移する手順のなかのいずれにも、前記滞在状態の始動点に復帰する無限ループを構成し、いずれかの無限ループを循環することにより、前記不在状態に遷移しない態様である。
実施の態様の2乃至5によれば、不在状態、進入状態、滞在状態、人体動作検知状態及び退去状態の間で状態遷移するようにしていることから、進入状態と退去状態とは明確に区分され、退去状態を経ない限り不在状態に遷移することができない。
すなわち、退去したことが検知されない限り不在判定をすることはないので、従来の人体検知センサのように、人が滞在しているにも拘らず不在とする誤動作をすることはない。
実施の態様の6は、前記演算処理部を、滞在する人数を想定する人数想定手段を備え、前記人体動作検知状態から前記退去状態に遷移するとき、想定人数を減少し、前記人体動作検知状態から前記滞在状態に遷移するとき、想定人数を増加する。
この実施の態様によれば、検知エリア内に滞在するおおまかな人数を想定することができるから、この想定結果は空調負荷の制御に適用することが可能である。
実施の態様の7は、前記演算処理部を、人体温度が周囲温度・床面温度より低いと判断したとき、継続して進入情報と退去情報を抽出し、その回数をカウントしておおまかな人数を把握するか、または、各素子間の検出値の差異を算出・監視することにより、非定常時の人体を検出する態様である。
この実施の態様によれば、進入/退去の回数をカウントしておおまかな人数を把握するか、または、各素子間の検出値の差異を算出・監視して非定常時の人体を検出するようにしたから、人体温度がセンサの周囲温度や検知エリアの床面温度より低い、非定常時であっても人体を検出することができる。
実施の態様の8は、センサ自体の表面温度とセンサ周辺の空気温度のいずれかを計測する補正用温度センサをさらに備え、前記信号処理部または前記演算処理部は、入力された前記検出信号を前記補正用検出信号に基づいて補正して、室内温度の影響を受けない態様である。
この実施の態様によれば、補正用温度センサをさらに備え、入力された検出信号を補正用検出信号に基づいて補正しているから、室内温度の影響を全く受けない人体検知の高精度化を図ることができる。
実施の態様の9は、前記演算処理部を、前記赤外線検出部の各素子の検出値を、各素子の検出値の単位時間当たりの変動量、検出値の増減、検出値の変化量、検出値に変化が見られる素子、検出値に変化が見られる素子の数、検出値の変化開始時刻の差異、各素子間の変化量の差異、各素子間の検出値の差異等のパラメータについて解析することにより、人以外の熱源を検出するか、または、人以外に由来する温度変化の影響を除去する態様である。
この実施の態様によれば、人以外に由来するあらゆる熱源による温度変化の影響を正確に除去することができ、人体検知の高精度化を図ることができる。
また、熱源を検出したときは、温度変化に対する影響因子が、空調等による室内環境全体の温度変化か、日射によるものか、OA機器によるものか、人体の余熱によるものかを特定することができ、これとは独立して人の存否情報を獲得することができる。
それ故、これらのデータ処理結果を空調や照明の制御に活用して、適正な運転制御をして省エネルギーに資することができる。
実施の態様の10は、前記演算処理部を、前記赤外線検出部の検出値を適正なカットオフ周波数とフィルタ次数のハイパスフィルタでフィルタリングすることにより、人以外に由来する温度変化の影響を除去する、または、必要とする情報を抽出する態様である。
この実施の態様によれば、人以外に由来するあらゆる熱源による温度変化の影響を正確に除去することができ、人体検知の高精度化を図ることができる。
また、進入/退去情報を抽出して、大まかな人数または一人であるか複数人であるかを想定することができる。
次に、本発明のエネルギー負荷制御システムを、図1〜図6に示した空調・照明制御システムに適用した事例について説明する。
≪空調・照明制御システム≫
本実施例の空調・照明制御システムは、室内を1800mm平方毎に分割してパーソナル空間を実現している。
そのパーソナル空間をパーソナル空調とパーソナル照明の出力範囲とし、その範囲を空調機と照明具の単位区画としてエネルギー負荷対象領域としている。
そして、単位区画毎に上述した高精度人体検知センサを配設している。
この高精度人体検知センサは、実際のレイアウトでは、4つ集合されて周方向に4等分された4方向を向いて一体化されて(図5参照。)、図4に示されるように、4角で囲まれる4つの前記単位区画を集積した集積区画の中央に配設されている。
コントローラは、高精度人体検知センサとの情報の送受信を行う入出力手段と、高精度人体検知センサからの信号を演算処理して前記機器類のエネルギー負荷を制御する演算処理手段から構成されている。
これら空調機と照明具を制御するコントローラは、照明コントローラと空調コントローラが独立した構成とされている。
高精度人体検知センサの出力は、照明コントローラの入出力手段に入力され、CPUで情報処理されて照明具の出力制御が行われて調光される。
照明具は、アンビエント照明であっても、タスクアンドアンビエント照明であってもよい。
いずれの照明具であっても、センサ検知範囲に人が滞在するときは、センサから出力される人在信号を受信して照度をアップし、センサ検知範囲に人が滞在していないときは、センサから出力される人不在信号を受信して照度をダウンする。
一方、空調コントローラは、人在/不在信号を照明コントローラ経由で受信し、CPUは照明コントローラと同様に、センサ検知範囲に人が滞在するときは、センサから出力される人在信号を受信して送風量をアップし、センサ検知範囲に人が滞在していないときは、センサから出力される人不在信号を受信して送風量をダウンする。
もちろん、空調機本体の冷暖房強度を直接制御してもよい。
この実施例においては、高精度人体検知センサからの信号は、照明コントローラが受信し、その受信した信号を情報処理することなく、未加工の信号を空調コントローラに送信しているが、順序を逆にしても問題ない。
この実施例の両コントローラは、高精度人体検知センサと最大64個接続可能で、これを超えるときは増設する。
このときはフロアコントローラを配置して、このフロアコントローラがフロア全体の照明・空調を制御する。
ここで、人が滞在するエネルギー負荷対象領域に隣接する領域に人が滞在するか否かの判断手段を備え、隣接する領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の機器類のエネルギー負荷を低減する隣接エネルギー負荷制御システム(以下「隣接制御」という。)の実施例について説明する。
図6を参照して、フロアコントローラのCPUは、人が滞在すると判断したとき、当該単位区画の照度を第1の照明レベル800lxとする一方、空調を第1の風量レベルに調整した後、記憶手段にその単位区画を全て記憶する。この実施例では、J−3とL−5が人在単位区画として記憶される。
CPUは、記憶手段から人在単位区画J−3を読み出して、J+/-1、かつ、丸数字3+/-1の単位区画が人在単位区画として記憶されていないことを確認して、当該単位区画を第2の照明レベル400lxとする一方、空調を第2の風量レベルに調整する。
次いで、L+/-1、かつ、丸数字5+/-1の単位区画が人在単位区画として記憶されていないことを確認して、当該単位区画を第3の照明レベル200lxとする一方、空調を第3の風量レベルに調整する。
この実施例では、単位区画を25としているので全灯照明としているが、単位区画が数百にも及ぶ大空間の場合は、上記の+/-2、次いで+/-3の処理を繰り返して、エネルギー負荷ゼロの第4の照明・空調レベルに調整してもよい。このようにすれば、省エネルギーをさらに推進することができる。
また、各単位区画にアドレスを付与し、当該アドレスに隣接するアドレスを当該アドレス毎に記憶したテーブルを作成しておき、人が滞在する単位区画についてこのテーブルを参照して、当該単位区画に隣接する区画の人の存否を確認することとしてもよい。
以上説明した照明コントローラは、単に照度を調整するものであるが、照度を低下させる際には、暗い感じを与えないように色温度を下げるようしてもよい。
また、空調コントローラは、高精度人体検知センサからの人の在/不在情報、人数情報、日射の有無情報に基づいて、空調負荷を制御するようにしてもよい。
照明コントローラは、照明器具毎の時間帯別照度テーブルと経年劣化の照度補正値テーブルを記憶手段に記憶しておき、照明器具毎の時間帯別照度テーブルと、経年劣化の照度補正値テーブルを参照し、かつ、高精度人体検知センサからの人の在/不在信号、日射の有無信号に基づいて照度を調整するようにしてもよい。
この照明制御を実行するときは、照度センサは不要であるか、または、本実施例の4つの単位区画毎に設置している照度センサを削減することができ、照度センサの設置コストを大幅に節減することができる。
本実施例においては、照度センサは、図4に示すように4つの単位区画が集合した、4角で囲まれた集合単位区画の中央位置に配設されている。
照明コントローラが、4つの単位区画の全てに人が滞在していると判断したときは、当該集合区画の照度を代表照度として、従来公知の照度一定制御を優先的に行ってもよい。
前記した照明コントローラ、空調コントローラのいずれかは、高精度人体検知センサからの信号がOA機器熱源であり、検出温度または検出継続時間が所定値を超えると判断したとき、単位区画を特定した警報を発するようにすることができる。
このように、本発明の高精度人体検知センサは、発熱体がOA機器であることを認識する機能を有していることから、検出温度がしきい値を超えるときは、OA機器の異常を知ることができる。
また、検出継続時間が閾値を超えるときは、管理者はこの警報に基づいて当該OA機器の使用者に機器の電源の切り忘れを通知して注意を喚起することができる。
さらに、照明コントローラ、空調コントローラのいずれかは、前記高精度人体検知センサが、休日や夜間等の設定された時間帯に人が滞在すると判断したとき、単位区画を特定した警報を発するようにすることもできる。
このようにすれば、警備担当者に対し不法侵入者がいることを、侵入場所を特定して知らせることができる。
このとき、照明コントローラが、侵入者がいる単位区画の照明器具を点灯すれば、侵入者の逃亡先を視覚的に確認することができ、追跡が容易となる。
当然のことながら、警備担当者が現在滞在する単位区画とその移動先も照明されるから、警備活動を遂行するに際して安全上問題ない。
さらにまた、照明コントローラ、空調コントローラのいずれかは、高精度人体検知センサからの検出温度が所定値を超えたとき火災であると判断し、当該単位区画を特定した警報を発することもできる。
このようにすれば、火災発生の初期段階でその場所を特定しつつ発見することが可能であるから、火災予防に大いに役立たせることができる。
このとき、照明コントローラが、火災発生の単位区画の照明器具を点灯すれば、火災発生場所を視覚的に確認することができ、また、警備担当者の接近を確認したとき広範囲の隣接する区画を点灯して消火活動を支援することができる。
本発明のエネルギー負荷制御システムは、大きな空間を分割区画したパーソナル空間である単位区画毎に、サーモパイル型高精度人体検知センサによる人の在/不在情報を正確に獲得し、その単位区画毎の正確な人の在/不在情報に基づいてエネルギー負荷を制御するシステムを提供することに成功した。
これによって、低廉な初期コストで寿命の長いエネルギー負荷制御システムを構築することが可能となった。
そして、本発明の高精度人体検知センサは、環境温度の変化、日照、人の余熱、OA機器等の外乱を完全に除去して、人の在/不在の判断を正確に行うことができるから、エネルギー負荷制御システムの信頼性を格段に向上した。
また、その外乱の情報自体をシステムの制御内容に組み込み、制御内容の質の向上のために活用して、省エネルギーを緻密に向上することができた。

Claims (10)

  1. 室内をパーソナル空間として分割した単位区画をエネルギー負荷対象領域とする複数の機器類と、
    前記複数の機器類のエネルギー負荷を制御するコントローラと、
    前記単位区画に略対応してその検知範囲とされた、前記単位区画毎に配設された複数の高精度人体検知センサと、
    から構成されるエネルギー負荷制御システムにおいて、
    前記高精度人体検知センサは、
    前記エネルギー負荷対象領域を所要の精度で検知し得る3個以上の複数個の素子を備えた多素子型サーモパイルアレイと、前記複数個の素子のそれぞれに集光する集光部が形成された単位赤外線集光体を、前記エネルギー負荷対象領域をほぼもれなく検知可能とするために複数個一体的に備えた集合赤外線集光体と、からなる赤外線検出部、
    該赤外線検出部から入力されたアナログ信号の処理を行う信号処理部、
    該信号処理部から入力された信号をデータ処理して検知領域内に人が存在するか否か判定する演算処理部、及び、
    前記コントローラとの情報の送受信を行う入出力部から構成され、
    人が進入した状態と人が退去した状態を検知するとともに静止した滞在状態を検知し続け、前記検知領域内に人が存在する滞在状態で人在信号を出力する一方、前記検知領域内に人が存在しない不在状態で人不在信号を出力し、
    一旦人が前記検知領域内に進入してすぐに退去したとき、人が進入した滞在状態から不在状態に移行して即座に不在状態を判別して人不在信号を出力する一方、人在信号を出力する滞在状態からは人体が動いている状態を経ない限り不在状態へ状態遷移することがないものであり、
    前記コントローラは、
    前記複数の高精度人体検知センサとの情報の送受信を行う入出力手段
    前記複数の高精度人体検知センサからの信号を演算処理して前記機器類のエネルギー負荷を制御する演算処理手段から構成され、
    前記高精度人体検知センサから人信号を受信したエネルギー負荷対象領域の機器類の出力を増大し、人不在信号を受信したエネルギー負荷対象領域の機器類の出力を減少する制御を行うエネルギー負荷制御システム。
  2. 前記高精度人体検知センサは、4つ集合されて周方向に4等分された4方向を向いて一体化されて、4つの前記単位区画を縦横に集積した集積区画の中央に配設されることを特徴とする請求項1に記載されたエネルギー負荷制御システム。
  3. 前記コントローラは、人が滞在する前記エネルギー負荷対象領域に隣接する領域に人が滞在するか否かの判断手段を備え、前記隣接する領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の機器類のエネルギー負荷を低減することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載されたに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  4. 前記機器類は照明器具であって、前記コントローラは、エネルギー負荷対象領域に人が滞在しないと判断したとき、当該領域の前記照明器具を減光するとともに、色温度を低下させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  5. 前記機器類は照明器具であって、前記コントローラは、記憶手段に記憶された前記照明器具毎の時間帯別照度、経年劣化の照度補正値テーブルを参照し、かつ、前記高精度人体検知センサからの人の在/不在信号、日射の有無信号に基づいて照度を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  6. 前記機器類は空調装置であって、前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの人の在/不在情報、人数情報、日射の有無情報に基づいて、空調負荷を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された空調負荷制御システム。
  7. 前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの信号がOA機器熱源であり、検知温度または検知継続時間が所定値を超えると判断したとき、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  8. 前記コントローラは、前記高精度人体検知センサが設定された時間帯に人が滞在することを検知したとき、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  9. 前記コントローラは、前記高精度人体検知センサからの検出温度が所定値を超えたとき火災であると判断し、前記エネルギー負荷対象領域を特定した警報を発することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
  10. 前記コントローラは、人が滞在する前記エネルギー負荷対象領域の前記照明器具を点灯することを特徴とする請求項8乃至請求項9のいずれかに記載されたエネルギー負荷制御システム。
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