JP5296899B1 - 水性防食塗料組成物及び防食方法 - Google Patents

水性防食塗料組成物及び防食方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混合作業性が良く及び可使時間が長く塗装作業性が良好であり、並びに塗膜の防食性及び耐衝撃性に優れる水性防食塗料組成物及び防食方法を提供すること。
【解決手段】主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と、硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)と、亜鉛粉末(iii)及び/又はリン酸塩系防錆顔料(iv)とを含有する水性防食塗料組成物であって、
該亜鉛粉末(iii)は、自然落下法によって測定されるかさ比重が1.0以上であり、該亜鉛粉末(iii)の質量比が、全固形分質量あたり65質量%以上であり、
該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の合計質量が、全固形分質量あたり65〜95質量%にあり、且つ、
該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の質量比が、100/0〜70/30である
ことを特徴とする水性防食塗料組成物及び該水性防食塗料組成物を塗装する防食方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、防食性に優れた水性防食塗料組成物及び防食方法に関するものである。
従来から、橋梁、プラント及びタンク等の各種陸上鋼構造物や海洋鋼構造物には、防食目的として亜鉛粉末を多く含有したいわゆるジンクリッチペイントが広く塗装されている。
ジンクリッチペイントは、アルキルシリケートをビヒクルとする無機ジンクリッチペイントとエポキシ樹脂をビヒクルとする有機ジンクリッチペイントが一般的であり、これらは、いずれも有機溶剤を使用した溶剤系ジンクリッチペイントであった。
しかしながら、近年、大気汚染防止や省資源等の観点から水もしくは水に少量の有機溶剤を併用した水系ジンクリッチペイントへの転換が強く要望されるようになってきている。例えば、特許文献1には、水性エポキシ樹脂を用いた防食塗装方法が提案されている。しかしながら、亜鉛粉末の種類によっては期待される防食性が得られない場合があり、また、硬化剤に水溶性アミン樹脂を用いた時に主剤との混合作業性が悪く、更に、可使時間が短く塗装作業性が悪いという課題があり、実用上問題があった。
特開2008−272666号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、混合作業性が良く及び可使時間が長く塗装作業性が良好であり、並びに塗膜の防食性及び耐衝撃性に優れる水性防食塗料組成物及び防食方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、硬化剤としてアミン樹脂エマルジョンを使用し、特定のかさ比重を有する亜鉛粉末を選択することで、溶剤系有機ジンクリッチペイントと同等の塗装作業性や塗膜の防食性を有する水系有機ジンクリッチペイントが得られることを見出した。
本発明に従って、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と、硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)と、亜鉛粉末(iii)、又は亜鉛粉末(iii)及びリン酸塩系防錆顔料(iv)とを含有する水性防食塗料組成物であって、
該亜鉛粉末(iii)は、自然落下法によって測定されるかさ比重が1.0以上であり、該亜鉛粉末(iii)の質量比が、全固形分質量あたり65質量%以上であり、
該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の合計質量が、全固形分質量あたり65〜95質量%にあり、且つ、
該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の質量比[(iii)/(iv)]が、100/0〜70/30である
ことを特徴とする水性防食塗料組成物が提供される。
また、本発明に従って、上記水性防食塗料組成物を塗装することを特徴とする防食方法が提供される。
本発明によって、主剤と硬化剤を容易に混合することが可能で、可使時間が実用上十分に長く、塗装作業性や塗膜の防食性及び耐衝撃性に優れる水性防食塗料組成物及び該水性防食塗料組成物を用いた防食方法を得ることができる。
以下、本発明に係る水性防食塗料組成物及び防食方法について詳細に説明する。
本発明に係る水性防食塗料組成物は、水性防食塗料の主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と、水性防食塗料の硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)と、亜鉛粉末(iii)、又は亜鉛粉末(iii)及びリン酸塩系防錆顔料(iv)との組み合わせからなる。
<主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)>
水性防食塗料の主剤(i)として使用されるエポキシ樹脂は、多価アルコール又は多価フェノールとハロヒドリンとを反応させて得られるものであって、具体的に例を挙げるとビスフェノールA型、ハロゲン化ビスフェノールA型、ノボラック型、ポリグリコール型、ビスフェノールF型及びエポキシ化油等が挙げられる。中でも、塗膜の機械的耐久性、防食性並びに基材との付着性等の点から、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型が好ましい。該エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する樹脂であり、形成塗膜の常温における仕上がり性、硬化性及び防食性等の点から、通常、エポキシ当量は100〜1,000g/eqが好ましく、より好ましくは160〜980g/eqであり、更に好ましくは160〜550g/eqの範囲内である。該エポキシ当量が100g/eq未満では、塗膜の柔軟性が低下するために基材との密着性が十分に得られない恐れがあり、一方で1,000g/eqより大きい場合には、常温でのレベリング性が悪く、均一な塗膜を得にくいため好ましくない。なお、該エポキシ樹脂の数平均分子量は、300〜10,000が好ましく、より好ましくは1,000〜4,000である。
該エポキシ樹脂エマルジョンは、上記エポキシ樹脂を通常の強制乳化方式によって乳化させることにより製造される。ここで使用する乳化剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリエーテル類、並びに該界面活性剤及び/又は該エーテル類とジイソシアネート化合物との付加物が挙げられ、これらを単独もしくはブレンドして使用するのが望ましい。
この手法で製造したエポキシ樹脂エマルジョンの市販品を挙げると、エポルジョンEA1、2、3、7、12、20、55及びHD2(日本NSC社製、商品名);アクアトート205、510、3520、3540、35201、5003及び5520(東都レジン化工社製、商品名);ユカレジンKE−002、KE−116、E−1022及びKE−301C(吉村油化学社製、商品名);並びにEM−101−50(旭電化工業社製、商品名)がある。
<硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)>
水性防食塗料の硬化剤(ii)としては、1分子中に2個以上のアミノ基を含有するポリアミン樹脂を水媒体中に分散させたアミン樹脂エマルジョンを用いる。該ポリアミン樹脂は、エチレンジアミンや、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、トリアミノプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン及び1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミンや、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン及びジアミノジフエニルメタン等の芳香族ポリアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、トリエチレングリコールジアミン及びトリプロピレングリコールジアミン等のポリアミン化合物、並びに該ポリアミン化合物を既知の方法により変性した変性ポリアミン樹脂から選択することができる。変性の例を挙げると、アミド化、マンニッヒ化及びエポキシアダクト化等がある。
本発明における硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)の配合割合は、塗膜の硬化性及び防食性等の観点から、主剤(i)中に含まれるエポキシ基1当量に対して硬化剤(ii)中の活性水素が、通常0.5〜2.0当量、特に0.6〜1.2当量の範囲内となるような割合で用いるのが好ましい。
<亜鉛粉末(iii)>
亜鉛粉末を多く含有するジンクリッチペイントを鋼材に塗装した場合、その塗膜が水分に触れると、鉄よりもイオン化傾向の大きい亜鉛が陽極となり亜鉛から鉄に向かって防食電流が流れ、鉄は腐食から守られる。亜鉛粉末(iii)の含有量は、塗膜の防食性を確保するために全固形分質量あたり65質量%以上である必要がある。
塗料中での分散性、混合時の作業性及び塗膜の防食性等の点から亜鉛粉末(iii)は、自然落下法によって測定されるかさ比重が1.0以上のものであることが必要であり、特に2.0以上のものが好ましい。ここで、亜鉛粉末の自然落下法によるかさ比重の算出法は、亜鉛粉末100g(m)を上皿天秤にて測り取り、漏斗を用いて200mLメスシリンダー(最小目盛単位:2mL)へ徐々に落下させ、メスシリンダーを静かに傾け最上部の試料面を圧密せずに注意深く平らに均した後、その時点のかさ体積(V0)を最小目盛単位まで読み取る。その後、m/V0によってかさ比重(g/mL)を算出した。本発明におけるかさ比重は、5回測定の平均値を採用した。
<リン酸塩系防錆顔料(iv)>
亜鉛粉末とリン酸塩系防錆顔料を組み合わせることによって、亜鉛粉末単独の塗膜と比べて防食性を向上させることができる。リン酸塩系防錆顔料としては、例えば、リン酸アルミニウムや、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム及びバナジン酸/リン酸混合顔料等が挙げられる。特に、分散性及び防食性が優れているという点からリン酸アルミニウム及びリン酸亜鉛が好ましい。
リン酸塩系防錆顔料(iv)の含有量は、亜鉛粉末(iii)との合計質量が全固形分質量あたり65〜95質量%の範囲内である必要がある。リン酸塩系防錆顔料(iv)と亜鉛粉末(iii)の合計質量が、全固形分質量あたり65質量%未満の場合は、塗膜の防食性を確保することができない。一方、95質量%を超える場合は、混合作業性が低下したり、衝撃によって塗面に割れが発生し易くなり、また、基材との付着性が十分に得られないことがある。
更に、亜鉛粉末(iii)/リン酸塩系防錆顔料(iv)の質量比[(iii)/(iv)]が、100/0〜70/30の範囲内である必要がある。この範囲を外れる場合は、塗膜の防食性を十分に確保できない恐れ、混合作業性が低下したり、衝撃によって塗面に割れが発生し易くなる。
<塗料調製方法>
本発明に係る水性防食塗料組成物は、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と、硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)と、亜鉛粉末(iii)、又は亜鉛粉末(iii)及びリン酸塩系防錆顔料(iv)との組み合わせからなるものであるが、リン酸塩系防錆顔料(v)が、主剤(i)、硬化剤(ii)又は亜鉛粉末(iii)のいずれに混合されていても構わない。いずれの場合も常法に従って調製が可能であり、例えば、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)又は硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)に混合する場合は、エマルジョンに直接リン酸塩系防錆顔料(iv)を混合し電動撹拌機等で分散する方法や、界面活性剤を用いて水にリン酸塩系防錆顔料(iv)を分散させた後、エマルジョンを投入する方法が挙げられる。また、亜鉛粉末(iii)に混合する場合は、例えば、ボールミルに亜鉛粉末とリン酸塩系防錆顔料(iv)を投入し混合する方法が挙げられる。
本発明による水性防食塗料組成物の使用前の混合方法の一例を以下に示す。予め、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)を混合した後に、亜鉛粉末(iii)を混合してもよいし、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)と亜鉛粉末(iii)を混合した後に、硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)を混合してもよい。いずれにしても、塗装直前に上記主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)、硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョン(ii)及び亜鉛粉末(iii)を混合する必要がある。混合する方法としては、電動撹拌機を用いるのが最善であるが、塗料を均一に混合できる能力のある装置を適切に選択し、使用することができる。
得られる防食塗膜の可撓性を向上させる目的として、一般に使用される反応性希釈剤や非反応性希釈剤を混合させることもできる。反応性希釈剤の例を挙げると、カージュラE10(油化シェルエポキシ社製、商品名)、ネオトートS(東都化成社製、商品名)及びアデカグリシロールED502(旭電化工業社製、商品名)等の1官能性エポキシ樹脂や、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の2官能性エポキシ樹脂がある。非反応性希釈剤の例を挙げると、ニカノールLLL等の石油樹脂及びクマロン樹脂がある。これらは、1種あるいは複数を組み合わせて使用できる。
その他塗料に一般的に使用されている着色顔料及び体質顔料が、特に制限無く利用できる。着色顔料及び体質顔料の例を挙げると、酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、アルミナ、ミョウバン、白土、水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウム等の無機顔料や、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ナフトールレッド、キナクリドンレッド、ベンズイミダゾロンイエロー、ハンザイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ及びジオキサジンバイオレット等の有機顔料がある。
同様に、塗料としての各機能を付与させるために、増粘剤、分散剤、消泡剤、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤又は光安定剤等を適宜添加してもよい。
また、(i)主剤に含まれるエポキシ樹脂エマルジョンと(ii)硬化剤に含まれるアミン樹脂エマルジョンの融着を促進するため、有機溶剤を配合することも可能である。有機溶剤の例を挙げると、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノi−ブチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノi−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノi−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノi−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノi−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノi−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールエーテル類、2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート及び2,2,4−トリメチルペンタンジオールジイソブチレート等がある。これらは、単独もしくは複数種を組み合わせて使用される。
<防食塗装方法>
本発明に係る防食塗装方法が適用される基材としては、例えば、炭素鋼等のように防食を必要とするものであれば、特に制限されるものではない。
本発明に係る水性防食塗料組成物は、乾燥膜厚で通常10〜200μm、好ましくは15〜150μmの範囲内となるようにして前記基材面に塗装する。その塗装は、それ自体既知の塗装手段、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り又はローラー塗り等で行なうことができる。
塗装は、1回塗りに限定されず、合計膜厚が10〜200μmの範囲内であれば、複数回に分割して塗装してもよい。乾燥膜厚が10μm未満の場合は、防食性が十分でないため好ましくなく、一方、乾燥膜厚が200μmより厚膜の場合は、経年で付着不良等の不具合を起こす恐れがある。
塗装環境は、特に制限されるものではないが、0℃以下のような極端な低温環境や被塗物温度が80℃以上のような高温環境は避けることが望ましい。
塗膜の乾燥時間は、気温や湿度といった養生環境条件によって異なる。例えば、気温23℃、相対湿度50%の条件であれば7日間程度の乾燥時間が望ましいが、積層塗膜を形成するために次工程の塗料を塗り重ねる場合には、支障なく塗り重ねることができる。形成された積層塗膜が、本来の性能を発揮できるのであれば、これに限らない。
本発明に係る水性防食塗料組成物は、防食性や基材との付着性等に優れているため、一次防錆プライマーや防食下地として使用することができる。例えば、防食下地として使用する場合には、本発明に係る水性防食塗料組成物を基材面に塗装し塗膜を形成後、下塗り塗料を塗装し、更に、耐候性に優れた上塗り塗料を塗装することで、防食性を長期に亘り維持することができる。ただし、下塗り塗料と上塗り塗料の間に、中塗り塗料を塗装することも可能である。下塗り塗料としては、例えば、エポキシ樹脂系下塗り塗料、変性エポキシ樹脂系下塗り塗料及びウレタン樹脂系下塗り塗料等が挙げられる。また、中塗り塗料としては、例えば、エポキシ樹脂系中塗り塗料、変性エポキシ樹脂系中塗り塗料及びウレタン樹脂系中塗り塗料等が挙げられる。更に、上塗り塗料としては、例えば、アクリル樹脂系上塗り塗料、ウレタン樹脂系上塗り塗料、シリコン樹脂系上塗り塗料及びフッ素樹脂系上塗り塗料等が挙げられる。
特に、本発明に係る水性防食塗料組成物を基材面に塗装して形成された塗膜上に、更に、該水性防食塗料組成物以外の水性塗料を塗り重ねることにより、従来の溶剤系塗料と比較して大幅に有機溶剤の使用量を削減することが可能となった。これによって、環境に対して配慮しつつ基材を長期に亘って腐食から保護し、美観を維持することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
(実施例1〜8及び比較例1〜5)
試験板としては、素地調整程度がISO 8501−1 Sa2.5のグリッドブラスト処理鋼板(150×70×3.2mm)を用いた。下記表1及び表2に示す配合にて、主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョンと硬化剤としてのアミン樹脂エマルジョンを混合した後に、亜鉛粉末やリン酸塩系防錆顔料を混合して水性防食塗料組成物を調製した。なお、リン酸塩系防錆顔料は、事前に亜鉛粉末と電動撹拌にて混合してから使用した。
次に、得られた水性防食塗料組成物を予め水で希釈して適切な塗装粘度に調整し、乾燥膜厚が70〜80μmになるようにエアスプレーを用いて試験板の両面に塗布し、23℃、50%相対湿度の条件にて7日間乾燥させ、試験片を作製した。これらの試験片を下記の評価試験に供し、その結果を表1及び表2に示す。
<混合作業性>
水性防食塗料組成物を電動撹拌機にて1分間混合後、5分間静置し、80メッシュの金網でろ過し、残渣の発生程度を下記の基準に基づいて評価した。
○:残渣が無い。
×:残渣がある。
<可使時間>
JIS K5600−2−6に準じて、下記の基準に基づいて評価した。
○:5時間後エアスプレーにより塗装が可能。
×:5時間後エアスプレーにより塗装が不可能。
<防食性>
JIS K5600−7−1の耐中性塩水噴霧性に準じて、塩水噴霧に500時間曝した後の試験片に生じたサビ及びフクレの発生程度を下記の基準に基づいて評価した。
◎:カット部から1mm以上の塗面に赤サビ及びフクレ等の異常が無い。
○:カット部から3mm以上の塗面に赤サビ及びフクレ等の異常が無い。
×:カット部から3mm以上の塗面に赤サビ及びフクレが発生。
<耐衝撃性>
JIS K−5600−5−3の6(2006)デュポン式耐衝撃性試験に準じて、落錘質量500g、撃心の尖端直径1/2インチの条件で試験を行い、塗膜に損傷を生じない最大落錘高さ(cm)を表示する。なお、50cmを最大値とする。
Figure 0005296899
Figure 0005296899
(注1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルジョン、樹脂固形分55%、エポキシ当量495g/eq、(商品名:エポルジョンEA55、日本NSC社製)
(注2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルジョン、樹脂固形分62%、エポキシ当量200g/eq、(商品名:エポルジョンHD2、日本NSC社製)
(注3)ビスフェノールF型エポキシ樹脂エマルジョン、樹脂固形分 70%、エポキシ当量200g/eq、(商品名:JER W8735R70、三菱化学社製)
(注4)変性脂肪族ポリアミン系樹脂エマルジョン、樹脂固形分56%、(商品名:フジキュアーFXS−918−FA、T&K TOKA社製)
(注5)変性ポリアミドアミン(水溶性)、樹脂固形分60%、(商品名:JERキュア WD11M60、三菱化学社製)
(注6)亜鉛粉末A:平均粒子径4μm、かさ比重2.5
(注7)亜鉛粉末B:平均粒子径7μm、かさ比重3.1
(注8)亜鉛粉末C:平均粒子径8μm、かさ比重0.9
(注9)トリポリリン酸アルミニウム(商品名:CA650、テイカ社製)
(注10)リン酸亜鉛(商品名:PW2、キクチカラー社製)

Claims (4)

  1. 主剤としてのエポキシ樹脂エマルジョン(i)であって、該主剤(i)に含まれるエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びエポキシ化油よりなる群から選択される少なくとも1種であり、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が、100〜1000g/eqであるエポキシ樹脂エマルジョン(i)と、
    硬化剤としての1分子中に2個以上のアミノ基を含有するポリアミン樹脂を水媒体中に分散させたアミン樹脂エマルジョン(ii)であって、該ポリアミン樹脂が、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、トリエチレングリコールジアミン及びトリプロピレングリコールジアミン、並びにこれらをアミド化、マンニッヒ化又はエポキシアダクト化した変性ポリアミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であり、硬化剤(ii)中の活性水素が、主剤(i)中に含まれるエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量であるアミン樹脂エマルジョン(ii)と、
    亜鉛粉末(iii)、又は亜鉛粉末(iii)及びリン酸塩系防錆顔料(iv)とを含有する水性防食塗料組成物であって、
    該亜鉛粉末(iii)は、自然落下法によって測定されるかさ比重が1.0以上であり、該亜鉛粉末(iii)の質量比が、全固形分質量あたり65質量%以上であり、
    該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の合計質量が、全固形分質量あたり65〜95質量%にあり、且つ、
    該亜鉛粉末(iii)と該リン酸塩系防錆顔料(iv)の質量比[(iii)/(iv)]が、100/0〜70/30である
    ことを特徴とする水性防食塗料組成物。
  2. 上記主剤(i)に含まれるエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が160〜980g/eqであることを特徴とする請求項1に記載の水性防食塗料組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の水性防食塗料組成物を塗装することを特徴とする防食方法。
  4. 請求項1又は2に記載の水性防食塗料組成物を塗装して得られた塗膜上に、更に、該防食塗料組成物以外の水性塗料を塗装する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の防食方法。
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