JP5295551B2 - 管接続部材の脱着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設管の分岐部に取り付けられた管接続部材の脱着方法に関する。
従来、水道配管系等に接続されている空気弁等の機器(管接続部材)の交換方法では、水道管(既設管)の分岐管部(分岐部)と空気弁とが接続されたフランジに流路閉塞装置(弁装置)を取り付けて、この流路閉塞装置によって分岐管部を止水した状態とし、水道管内流体の流れを断たない不断水状態で分岐管部から機器を取り外し、新たな機器に取り替えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、空気孔が設けられた左右2つのフロート室のそれぞれにフロートを収納し、各フロートがフロート室内で昇降することで、各空気孔が開閉するようにした双口空気弁(管接続部材)があり、このような双口空気弁では、フロート室の下部(フランジ近接部)が既設管の分岐部と双口空気弁とを接続するフランジに近接するようになっている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−32769号公報(第10頁、第3図) 特開平8−170747号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、水道管(既設管)の分岐管部(分岐部)に特許文献2に記載の双口空気弁(管接続部材)が接続された状態において、水道管の分岐管部から双口空気弁を脱着しようとすると、双口空気弁のフロート室の下部(フランジ近接部)が、水道管の分岐管部と双口空気弁とが接続されたフランジの近傍まで延設されているため、特許文献1に記載の流体配管系の機器交換方法を用いたのでは、フロート室の下部が邪魔になり、流路閉塞装置(弁装置)を水道管の分岐管部と双口空気弁とが接続されたフランジに取り付けられなくなるという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、フランジ近接部を有する管接続部材が既設管の分岐部に取り付けられた状態において、既設管の分岐部と管接続部材とのフランジの周囲に弁装置の配置空間を確保することができる管接続部材の脱着方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の管接続部材の脱着方法は、
既設管の分岐部に取り付けられた管接続部材の脱着方法であって、
前記分岐部と前記管接続部材とが接続されたフランジに近接している前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程と、その次に、弁体を有する弁装置を前記両フランジに水密に取り付ける工程と、その次に、前記両フランジ間に間隙を設けて該間隙に前記弁体を挿入する工程と、その次に、前記分岐部が前記弁体により止水された状態で前記分岐部から前記管接続部材を取り外す工程と、を有し、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する作業に備えることを特徴としている。
この特徴によれば、管接続部材におけるフランジ近接部を切断することにより、フランジ近接部が弁装置の配置空間に干渉しないようになり、分岐部と管接続部材とが接続されたフランジの周囲に弁装置の配置空間が確保され、弁装置を両フランジに水密に取り付けて、この弁体により管接続部材側への流れを止め、既設管に対して不断流状態で管接続部材を脱着することができる。
本発明の請求項2に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1に記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程にて切断された部位を水密に閉塞する工程を、さらに有することを特徴としている。
この特徴によれば、管接続部材の脱着作業中に、フランジ近接部を切断された管接続部材の内部が水で満たされても、切断された部位から水を流出させることなく管接続部材の脱着作業を行うことができる。
本発明の請求項3に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項2に記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記切断された部位を水密に閉塞する工程において、前記切断された部位に外方から当接する閉塞部材により該切断された部位を水密に閉塞することを特徴としている。
この特徴によれば、管接続部材の外方に閉塞部材が配置されるため、外方から容易に切断された部位を閉塞することができ、閉塞作業を手軽に行うことができる。
本発明の請求項4に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項2に記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記切断された部位を水密に閉塞する工程において、前記切断された部位に内方から当接する閉塞部材により該切断された部位を水密に閉塞することを特徴としている。
この特徴によれば、管接続部材の切断された部位の外方周囲の空間を用いずに閉塞部材により切断された部位を水密に閉塞することができ、弁装置の配置空間を確保し易くなる。
本発明の請求項5に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記管接続部材が空気弁により構成されており、前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程において、前記空気弁におけるフロート室の下部を切断することを特徴としている。
この特徴によれば、空気弁におけるフロート室は、フロートを収納するのみの簡素な構造となっており、切断作業を容易に行うことができる。また、簡素な構造のフロート室は、その下部を切断した後の切断した部位の形状を単純な形状とすることができ、切断した部位を閉塞する閉塞部材を予め製作し易くなる。
本発明に係る管接続部材の脱着方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例1における双口空気弁が接続された水道管の分岐部を示す正面図であり、図2は、双口空気弁の内部構造を示す縦断正面図であり、図3(a)は、切断部閉塞部材を示す縦断正面図であり、図3(b)は、切断部閉塞部材を示す平面図であり、図4(a)は、支持蓋部材を示す縦断正面図であり、図4(b)は、支持蓋部材を示す底面図であり、図5は、双口空気弁の切断部を切断部閉塞部材により閉塞した状態を示す縦断正面図であり、図6は、双口空気弁と分岐部とのフランジに弁装置を取り付けた状態を示す縦断正面図であり、図7は、双口空気弁と分岐部とのフランジに弁装置を取り付けた状態を示す縦断側面図であり、図8は、弁装置の上方に閉塞装置を設置した状態を示す縦断正面図であり、図9は、分岐部閉塞部材を分岐部に挿入して密封した状態を示す縦断正面図であり、図10は、弁装置及び収容ケースを撤去した状態を示す縦断正面図であり、図11は、補修弁及び収容ケースを取り付ける状態を示す縦断正面図であり、図12は、単口空気弁を取り付けた状態を示す縦断正面図である。
図1の符号1は、本実施例における既設管としての水道管であり、この水道管1の所定箇所には、上方に突設された分岐部2が設けられている。この分岐部2には、水道管1内の水道水中の空気を管外に排出するための本実施例における管接続部材としての双口空気弁3が接続されている。尚、分岐部2の上端には、フランジ5が形成されているとともに、双口空気弁3の下端にも、フランジ4が形成されており、この両フランジ4,5同士がボルト・ナット6によって接続されている。
双口空気弁3は、古くなったり故障した場合などに交換する必要がある。本実施例では、双口空気弁3の交換作業中であっても、水道管1内の水道水の流れを断たない不断水状態で分岐部2から双口空気弁3を交換する作業について説明する。
図2に示すように、双口空気弁3は、左右2つのフロート室7を有し、それぞれのフロート室7内には、略球体形状をなすフロート8が昇降自在に収納されている。フロート室7は略円筒形状をなしており、その下部は下方に膨出された半球形状をなしている。このフロート室7の下部は、分岐部2と双口空気弁3の両フランジ4,5に近接する位置まで延設されている。尚、このフロート室7の下部が本実施例におけるフランジ近接部を構成している。また、フロート室7は、水道管1の分岐部2に連通される連通孔9と弁室10を介して繋がっている。
弁室10内には、弁室10と連通孔9とを開閉自在に仕切る仕切弁体11が配置されており、この仕切弁体11は、双口空気弁3の上部に突出された弁軸12に連結されている。作業者が弁軸12を回動操作することで、仕切弁体11を開閉できるようになっている。仕切弁体11を開放させると、水道管1内の水道水がフロート室7内に流入されるようになっている。
各フロート室7の上部の開口には、弁座13が螺着されており、左側の弁座13には、大径空気孔14が形成されているとともに、右側の弁座13には、小径空気孔(図示略)が形成されたノズル装置15が設けられている。フロート室7内に流入された水道水によってフロート室7内の水位が変化することにより、それに連動してフロート8が昇降するようになっている。
より詳しくは、左側のフロート室7内のフロート8が弁座13に当接離間して大径空気孔14を開閉し、これによって、送水開始時の急速排気と送水停止後の急速吸気とを行うことができる。また、右側のフロート室7内のフロート8はノズル装置15に当接離間して小径空気孔(図示略)を開閉し、これによって、通水時の吸排気を行うことができるようになっている。
本実施例における管接続部材の脱着方法について説明する。本実施例では、先ず仕切弁体11によって、弁室10と連通孔9とを水密に仕切った状態で、双口空気弁3の左右の各フロート室7の上部の弁座13を取り外すとともに、フロート室7内のフロート8を取り除く。そして、左右の各フロート室7の下部をカッター(図示略)等を用いて水平方向に切断する。より詳しくは、図1における線αよりも下方のフロート室7の部位を切り取る。
図5に示すように、フロート室7の切断部7aは、切断部閉塞部材16によって閉塞される。図3(a)に示すように、切断部閉塞部材16は、閉塞板部17と支持棒部18とにより構成されており、閉塞板部17の上面側には、ゴムシート19が貼り付けられている。尚、半球形状をなすフロート室7に形成された切断部7aは、底面視で略円形状をなしており、この切断部7aの形状に合わせて、閉塞板部17が平面視で略円形状をなすように形成されている(図3(b)参照)。
図5に示すように、フロート室7の上部の開口には、支持蓋部材20が螺着されるとともに、切断部閉塞部材16は、その支持棒部18が支持蓋部材20に螺着されることで支持される。より詳しくは、図4(a)及び図4(b)に示すように、支持蓋部材20は矩形状の板体として形成されている。支持蓋部材20の四隅には、フロート室7の上部に突設された雄ネジ部21が挿通可能な挿通孔22が形成されており、この挿通孔22に挿通された雄ネジ部21にナット24が螺着されることで、支持蓋部材20がフロート室7の上部に螺着される。尚、支持蓋部材20には、底面視で円形状をなすパッキン26が設けられており、このパッキン26によってフロート室7の上部が水密に閉塞される。
また、支持蓋部材20の中央には、前述した切断部閉塞部材16の支持棒部18が挿通可能な挿通孔23が形成されており、この挿通孔23に挿通された支持棒部18にナット25が螺着されることで、切断部閉塞部材16が支持蓋部材20に支持される。支持棒部18に螺着されたナット25を締め付けると、切断部閉塞部材16の閉塞板部17がフロート室7の切断部7aの周縁に押し付けられるようになり、閉塞板部17のゴムシート19により切断部7aが水密に閉塞される。
そして、分岐部2と双口空気弁3との両フランジ4,5を接続しているボルト・ナット6を1本ずつより取り外し、作業用ボルト・ナット6aに取り換え、すべてのボルト・ナット6を作業用ボルト・ナット6aに交換する。作業用ボルト・ナット6aに交換することによりフランジ4,5のボルト挿通孔からの漏水が防止されるようになっている。
次に、図6及び図7に示すように、分岐部2及び双口空気弁3の両フランジ4,5の周囲に弁装置27を取り付ける。弁装置27は、両フランジ4,5の周囲に外装される平面視で環状をなす取付部材28を有しており、外装する際には、この取付部材28が複数の円弧状部として分割された状態で、水平方向から両フランジ4,5に外装されるようになっている。
また、弁装置27は、内部が水密に保てる構造となっている弁収容部材29内に、下面がゴムシートで覆われた板状の挿入弁体30を収容しており、この挿入弁体30を分岐部2のフランジ5の上端縁に当接させて、分岐部2を止水するようになっている。尚、弁装置27は、作業者が挿入弁体30を進退操作できる操作ハンドル31を有している。
更に、弁装置27の取付部材28には、両フランジ4,5の対向面間に離間部材を挿入して梃子の原理を利用することで、両フランジ4,5の間に所定の間隙を形成する間隙形成手段32が設けられるとともに、この間隙形成手段32により形成された所定の間隙に挿入弁体30を案内する弁体案内手段33が設けられている。
尚、弁装置27の取付部材28には、フランジ4,5の外側周面に当接して止水する弾性体の止水シートがフランジ4,5の外周方向に沿って設けられており、フランジ4,5同士の間に間隙が形成されても水密に保たれるようによっている。更に尚、弁収容部材29の上面には、弁収容部材29内部と開閉可能に連通する排水バルブ34が設けられており、後述する挿入弁体30の挿入の際に、止水状態の確認ができるようになっている。
次に、作業用ボルト・ナット6aを1本ずつ少しずつ緩めるとともに、間隙形成手段32によって双口空気弁3のフランジ4を上方に移動させて、両フランジ4,5の対向面を互いに離間させ、弁装置27の挿入弁体30が挿入できるように間隙を形成する。尚、間隙形成手段32を用いずに、作業用ボルト・ナット6aを緩めることで水圧の作用によって双口空気弁3のフランジ4を上方に移動させてもよい。
また、フランジ4を移動させている間も、両フランジ4,5の間の間隙は、止水シートや作業用ボルト・ナット6aなどにより水密性を保てるようになっている。そして、作業者が操作ハンドル31を操作することによって、両フランジ4,5の間隙に挿入弁体30を挿入する。挿入弁体30の挿入の際には、弁体案内手段33によって両フランジ4,5の対向面間に挿入される直前で、挿入弁体30の位置が両フランジ4,5の対向方向と平行に適宜調整され、調整された後の挿入弁体30が両フランジ4,5の対向面間に挿入されることとなる。
そして、作業用ボルト・ナット6aを再び締め込み、フランジ4,5の対向面間で挿入弁体30を挟み込む。このようにすることで、両フランジ4,5の間隙に挿入された挿入弁体30を上方から分岐部2のフランジ5の上端に押し付け、挿入弁体30の下面のゴムシートによって分岐部2を水密に止水する。この状態では、双口空気弁3側には、水道水が流入しないようになっているので、双口空気弁3の仕切弁体11を開放するとともに、双口空気弁3から仕切弁体11及び弁軸12を取り除く。
図8に示すように、双口空気弁3における仕切弁体11及び弁軸12が取り付けられていた部位に、閉塞装置35を取り付ける。尚、閉塞装置35が双口空気弁3に接続された状態では、閉塞装置35の内部は水密性を保てる構造となっている。
閉塞装置35は、分岐部2のフランジ5に水密に取り付けられる収容ケース36と、収容ケース36の内部に収容され、分岐部2を閉鎖する分岐部閉塞部材37と、分岐部閉塞部材37の上端部に一体に接続されて収容ケース36の上面から突出し、収容ケース36に対し水密に上下動可能に設けられた挿入部材38と、から構成されている。
挿入部材38は、内空の円筒形状に形成された外筒部39と、外筒部39内で回動可能に挿通された内杆部40と、から主として構成され、内杆部40の下端部には分岐部閉塞部材37が一体に接続されるとともに、内杆部40の上端部には後述する止水ゴム41を径方向に伸縮可能とする送りネジ42が設けられている。
次に、双口空気弁3を取り外す準備として、分岐部2のフランジ5の下方に、両フランジ4,5より大径の3分割構造を有する円板状のスタンド43を取り付けるとともに、このスタンド43には、長寸の棒状であって外周面に沿って雄ねじ部が形成された支柱ネジ44の下端部がそれぞれ螺挿される。そして、それぞれの支柱ネジ44に、支柱ネジ44を挿通可能な挿通孔を備える2本の移動アーム45を挿通するとともに、調整ナット46,47を螺挿する。
次いで、弁装置27の操作ハンドル31を引き込み操作し、挿入弁体30を弁収容部材29内に移動させ分岐部2を開放する。分岐部2を開放させても、双口空気弁3のフロート室7の切断部7aは、切断部閉塞部材16によって閉塞されているため、閉塞装置35及び双口空気弁3の内部は水密性を保つことができる。
そして、図9に示すように、調整ナット47を下方に向けて螺挿することで、移動アーム45を介して外筒部39の上端を下方に向けて押圧することで、閉塞装置35の上下位置を調整する。分岐部閉塞部材37が分岐部2の内面側に到達した位置で調整は終了する。
次いで、送りネジ42を図示しないラチェット等で回転操作し、内杆部40の下端部に接続した分岐部閉塞部材37の止水ゴム41を径方向に伸張させて分岐部2の内周面に周方向に亘って係止させる。このように、止水ゴム41を押圧変形させて径方向に拡張し、分岐部2内部を遮蔽し止水状態とする。
次いで、図9及び図10に示すように、止水ゴム41の止水状態を維持したままで、分岐部2のフランジ5から弁装置27を撤去する。次に、分岐部閉塞部材37が水道管1内の水圧により抜け出ししないように、移動アーム45により挿入部材38を介して分岐部閉塞部材37を支持した状態で、収容ケース36と双口空気弁3とを引き上げて取り外す。
その後、図11に示すように、挿入部材38の外筒部39に、補修弁48及び収容ケース36aを挿通して吊り下げ、分岐部閉塞部材37が抜け出ししないように移動アーム45により支持した状態で、補修弁48を分岐部2のフランジ5にボルト・ナット6で水密に接続し、補修弁48の上側に収容ケース36aを設置する。補修弁48及び収容ケース36aが取り付けられると、送りネジ42を操作して止水ゴム41を縮小させ、分岐部閉塞部材37を収容ケース36aの内部まで引き上げる。
次に、補修弁48を閉状態にして収容ケース36aを取り外した後、図12に示すように、補修弁48の上側に新しい単口空気弁3a(管接続部材)を取り付け、補修弁48を開状態にすることにより、補修弁48と単口空気弁3aの設置が完了する。尚、単口空気弁3aではなく双口空気弁を新たに取り付けるようにしてもよい。更に尚、補修弁48を閉状態にすれば、水道管1を不断水状態のまま、単口空気弁3aを新たなものに変換できる。
以上、本実施例における管接続部材の脱着方法によれば、分岐部2と双口空気弁3とが接続されたフランジ4,5に近接している双口空気弁3のフロート室7の下部を切断する工程と、挿入弁体30を有する弁装置27を両フランジ4,5に水密に取り付ける工程と、両フランジ4,5間に間隙を設けてその間隙に挿入弁体30を挿入する工程と、分岐部2が挿入弁体30により止水された状態で分岐部2から双口空気弁3を取り外す工程と、を有し、分岐部2に新たに空気弁3aを接続する作業に備えることで、双口空気弁3のフロート室7の下部を切断することにより、フロート室7の下部が弁装置27の配置空間に干渉しないようになり、分岐部2と双口空気弁3とが接続されたフランジ4,5の周囲に弁装置27の配置空間が確保され、弁装置27を両フランジ4,5に水密に取り付けて、この挿入弁体30により双口空気弁3側への流れを止め、水道管1に対して不断流状態で双口空気弁3を脱着することができる。
また、双口空気弁3のフロート室7の下部を切断する工程にて切断された切断部7aを水密に閉塞する工程を、さらに有することで、双口空気弁3の脱着作業中に、フロート室7の下部を切断された双口空気弁3の内部が水で満たされても、切断部7aから水を流出させることなく双口空気弁3の脱着作業を行うことができる。
双口空気弁3の切断部7aを水密に閉塞する工程において、切断部7aに外方から当接する切断部閉塞部材16によりこの切断部7aを水密に閉塞することで、双口空気弁3の外方に切断部閉塞部材16が配置されるため、作業者が外方から容易に切断部7aを閉塞することができ、閉塞作業を手軽に行うことができる。
また、分岐部2及び双口空気弁3におけるフランジ4,5に近接した部位を切断する工程において、双口空気弁3におけるフロート室7の下部を切断することで、双口空気弁3におけるフロート室7は、フロート8を収納するのみの簡素な構造となっており、切断作業を容易に行うことができる。また、簡素な構造のフロート室7は、その下部を切断した後の切断部7aの形状を単純な形状(本実施例では、略円形状)とすることができ、切断部7aを閉塞する切断部閉塞部材16を予め製作し易くなる。
次に、実施例2に係る管接続部材の脱着方法につき、図13及び図14を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。図13(a)は、実施例2における切断部閉塞部材を示す縦断正面図であり、図13(b)は、切断部閉塞部材を示す平面図であり、図14は、双口空気弁の切断部を切断部閉塞部材により閉塞した状態を示す一部縦断正面図である。
図14に示すように、実施例2における双口空気弁3’は、実施例1の双口空気弁3’と同様に、そのフロート室7の下部がカッター(図示略)等を用いて切断される。より詳しくは、図14における線α’よりも下方のフロート室7の部位を切り取る。
図13(a)に示すように、実施例2における切断部閉塞部材16’は、閉塞半球部17’と支持棒部18とにより構成されており、閉塞半球部17’の下面側には、ゴムシート19が貼り付けられている。尚、半球形状をなすフロート室7に形成された切断部7aは、底面視で略円形状をなしており、この切断部7aの形状に合わせて、閉塞半球部17’が平面視で略円形状をなすように形成されている(図13(b)参照)。
図14に示すように、フロート室7の切断部7aを切断部閉塞部材16’により閉塞する際には、先ずフロート室7の上部の開口から切断部閉塞部材16’が挿入され、閉塞半球部17’が、フロート室7の切断部7aに対して内方から当接される。閉塞半球部17’の下面の曲率半径は、フロート室7の下部の内面の曲率半径よりも小さくなっており、閉塞半球部17’は、フロート室7の切断部7aから下方に若干突出された状態で切断部7aに当接される。次に、フロート室7の上部の開口には、支持蓋部材20が螺着されるとともに、切断部閉塞部材16’は、その支持棒部18が支持蓋部材20に螺着されることで支持される。尚、支持棒部18が螺着される実施例2における支持蓋部材20の中央に形成された挿通孔23は、その内周面に雌ネジが形成されており、この挿通孔23に支持棒部18が螺着されるようになっている。
以上、実施例2における管接続部材の脱着方法によれば、双口空気弁3’の切断部7aを水密に閉塞する工程において、切断部7aに内方から当接する切断部閉塞部材16’によりこの切断部7aを水密に閉塞することで、双口空気弁3’の切断部7aの外方周囲の空間を用いずに切断部閉塞部材16’により切断部7aを水密に閉塞することができ、弁装置27の配置空間を確保し易くなる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、切断部閉塞部材16を用いて双口空気弁3のフロート室7の切断部7aを閉塞するようにしているが、フロート室7の切断部7aに金属板等を溶接することで、切断部7aを閉塞するようにしてもよい。
実施例1における双口空気弁が接続された水道管の分岐部を示す正面図である。 双口空気弁の内部構造を示す縦断正面図である。 (a)は、切断部閉塞部材を示す縦断正面図であり、(b)は、切断部閉塞部材を示す平面図である。 (a)は、支持蓋部材を示す縦断正面図であり、(b)は、支持蓋部材を示す底面図である。 双口空気弁の切断部を切断部閉塞部材により閉塞した状態を示す縦断正面図である。 双口空気弁と分岐部とのフランジに弁装置を取り付けた状態を示す縦断正面図である。 双口空気弁と分岐部とのフランジに弁装置を取り付けた状態を示す縦断側面図である。 弁装置の上方に閉塞装置を設置した状態を示す縦断正面図である。 分岐部閉塞部材を分岐部に挿入して密封した状態を示す縦断正面図である。 弁装置及び収容ケースを撤去した状態を示す縦断正面図である。 補修弁及び収容ケースを取り付ける状態を示す縦断正面図である。 単口空気弁を取り付けた状態を示す縦断正面図である。 (a)は、実施例2における切断部閉塞部材を示す縦断正面図であり、(b)は、切断部閉塞部材を示す平面図である。 双口空気弁の切断部を切断部閉塞部材により閉塞した状態を示す一部縦断正面図である。
符号の説明
1 水道管(既設管)
2 分岐部
3,3’ 双口空気弁(管接続部材)
3a 単口空気弁(管接続部材)
4,5 フランジ
7 フロート室
7a 切断部
8 フロート
16,16’ 切断部閉塞部材(閉塞部材)
17 閉塞板部
17’ 閉塞半球部
27 弁装置
30 挿入弁体(弁体)

Claims (5)

  1. 既設管の分岐部に取り付けられた管接続部材の脱着方法であって、
    前記分岐部と前記管接続部材とが接続されたフランジに近接している前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程と、その次に、弁体を有する弁装置を前記両フランジに水密に取り付ける工程と、その次に、前記両フランジ間に間隙を設けて該間隙に前記弁体を挿入する工程と、その次に、前記分岐部が前記弁体により止水された状態で前記分岐部から前記管接続部材を取り外す工程と、を有し、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する作業に備えることを特徴とする管接続部材の脱着方法。
  2. 前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程にて切断された部位を水密に閉塞する工程を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の管接続部材の脱着方法。
  3. 前記切断された部位を水密に閉塞する工程において、前記切断された部位に外方から当接する閉塞部材により該切断された部位を水密に閉塞することを特徴とする請求項2に記載の管接続部材の脱着方法。
  4. 前記切断された部位を水密に閉塞する工程において、前記切断された部位に内方から当接する閉塞部材により該切断された部位を水密に閉塞することを特徴とする請求項2に記載の管接続部材の脱着方法。
  5. 前記管接続部材が空気弁により構成されており、前記管接続部材におけるフランジ近接部を切断する工程において、前記空気弁におけるフロート室の下部を切断することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の管接続部材の脱着方法。
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