JP5293845B2 - 電気化学セル用包装材料 - Google Patents

電気化学セル用包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5293845B2
JP5293845B2 JP2012014126A JP2012014126A JP5293845B2 JP 5293845 B2 JP5293845 B2 JP 5293845B2 JP 2012014126 A JP2012014126 A JP 2012014126A JP 2012014126 A JP2012014126 A JP 2012014126A JP 5293845 B2 JP5293845 B2 JP 5293845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
packaging material
resin
protective layer
electrochemical cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012014126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013122898A (ja
Inventor
裕久 秋田
大輔 渡邉
正隆 奥下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2012014126A priority Critical patent/JP5293845B2/ja
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to US14/353,198 priority patent/US10673030B2/en
Priority to PCT/JP2012/078990 priority patent/WO2013069730A1/ja
Priority to KR1020147012441A priority patent/KR101537399B1/ko
Priority to EP15185114.4A priority patent/EP2993714B1/en
Priority to EP12846874.1A priority patent/EP2779265B1/en
Priority to CN201280055432.1A priority patent/CN103931013B/zh
Priority to CN201610008644.4A priority patent/CN105619914B/zh
Priority to CN201710167010.8A priority patent/CN107017358A/zh
Publication of JP2013122898A publication Critical patent/JP2013122898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5293845B2 publication Critical patent/JP5293845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

本発明は、電気化学セルを包装する電気化学セル用包装材料に関するものである。
従来の電気化学セル用包装材料が特許文献1に開示される。この包装材料は最外層の基材層、バリア層、最内層の熱接着層が順次積層された積層体であり、熱接着層同士を対向させて周縁部をヒートシールすることにより電気化学セルの包装体が形成される。包装体は電解液、セパレータ等の電池要素を収納するための空間が設けられ、この収納空間は矩形状に断裁された包装材料をプレス成形して形成される。
近年、電気化学セルが搭載される電子機器は小型化、薄型化されており、狭い空間に電気化学セルを収納するために電気化学セルの包装体を薄型でシャープな形状に成型する必要がある。このため、特許文献1では基材層に成形性に優れる延伸ナイロンフィルムが用いられている。
特開2008−288117号公報
しかしながら、上記包装材料によると、包装体内部に炭酸アルキルエステル(ジメチルカーボネート、エチルカーボネートなど)及び塩素またはフッ素含有リチウム塩などからなる電解液を封入する際に電解液が包装体上面に付着すると、基材層の延伸ナイロンフィルムが電解液により腐食(白化)して外観不良が発生する問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、耐電解液性に優れる電気化学セル用包装材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも樹脂フィルムからなる基材層と、外層に配して前記基材層を保護する保護層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、を積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記保護層がビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂により形成されることを特徴としている。
この構成によると、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂により形成された保護層は耐電解液性に優れるとともに成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)による外観不良を防止することができる。
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記保護層表面にスリップ剤層が設けられていることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記スリップ剤層が脂肪酸アマイド系樹脂からなることを特徴としている。
本発明によると、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂により形成された保護層を設けることで、電解液の付着による基材層の腐食(白化)を防止するとともに、成形時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)による外観不良を生じない電気化学セル用包装材料を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るリチウムイオン電池の斜視図 図1中のA−A線断面図 本発明の第1実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図 本発明の第2実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図 プレス成形する工程を示す説明図
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る電気化学セル用包装材料110について説明する。図1は一実施形態のリチウムイオン電池121の斜視図であり、図2は図1中のA−A線断面図である。
リチウムイオン電池121は包装体120内部に電解液を含むリチウムイオン電池本体122を収納して構成される。包装体120はリチウムイオン電池本体122を収納する収納部120aと収納部120aを覆うシート部120bにより構成される。
包装体120は収納部120aとシート部120bが重なる周縁の熱接着部120cが熱接着され、内部が封止されている。このとき、リチウムイオン電池本体122に連結される正極タブ123a及び負極タブ123bは熱接着部120においてタブフィルム(不図示)を介在させて収納部120aとシート部120bにより挟持されながら外部に延出している。
リチウムイオン電池本体122は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解液とを含むセルにより構成される。セルは正極集電体が延出する正極板と負極集電体が延出する負極板を複数積層して構成される。正極板と負極板はセパレータを介して交互に複数積層される。積層された複数の正極集電体、負極集電体は重畳してそれぞれ一枚の正極タブ123a、負極タブ123bに連結している。
図3は収納部120aとシート部120bを形成する包装材料110の層構成を示す概略断面図であり、包装材料110は保護層111と基材層112とバリア層114と熱接着層116とが順次積層して構成される。基材層112と金属薄層114は接着層113を介して接着され、バリア層114と熱接着層116は酸変性ポリオレフィン層115を介して接着されている。バリア層114の両面には化成処理が施され、バリア層114と酸変性ポリオレフィン層115及びバリア層114と接着層113との層間接着強度が高められている。
図2に示すように、収納部120aは矩形状に断裁された包装材料110をプレス成形して作製される。その成形工程は、包装材料110の保護層111側を凹状のメス型成形金型に向けて載置した後、熱接着層116側からオス型の成形金型で所定の成形深さに冷間成形する。そして、収納部120とシート部120bは対向する熱接着層116が熱接着している。
基材層112は包装体120に高い耐突き刺し(耐ピンホール)性、絶縁性、作業性等を付与するものであり、エンボス加工する際のプレスに耐え得る展延性を有する必要がある。
基材層112は延伸ポリエステル樹脂または延伸ナイロン樹脂等の樹脂フィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロン樹脂としては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
また、基材層112は耐ピンホール性および電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、ポリエステルフィルム又はナイロンフィルムの他、異なる材質のフィルムを積層化することも可能である。
保護層111は外層に配されて基材層112を保護し、電解液が付着して腐食(白化)するのを防止する。保護層111はビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂により形成されている。これにより、電解液による腐食(白化)を防ぐとともに成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)による外観不良を防止できる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有し、エピクロルヒドリンとビスフェノールAもしくはビスフェノールFとの脱塩化水素反応及び付加反応の繰返しにより得られるものが挙げられる。また、グリシジル基を2個以上、好ましくは2個有するエポキシ化合物とビスフェノールAもしくはビスフェノールFとの間の付加反応の繰返しにより得られるものも挙げられる。
ここでエポキシ化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロピレンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりのエポキシ樹脂の化学式量、換言するとエポキシ樹脂の分子量をエポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の数で割った値)は特に制限されるものではないが、100から5000の範囲であることが好ましい。エポキシ当量が5000以上の場合は、塗膜外観が劣る場合がある。
なお、アミノ基とグリシジル基との間の付加反応の繰り返しにより得られるエポキシ樹脂も知られているが、一般に耐薬品性に劣るため、好ましくない。
バリア層114は金属箔からなり、外部からリチウムイオン電池121の内部に水蒸気が浸入することを防止する。また、バリア層114単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール性をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウムを用いる。
なお、包装体120をエンボスタイプとする場合、バリア層114として用いるアルミニウムの材質を、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすることが望ましい。
これにより、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、包装体120として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなる。また、包装材料料110をエンボス成形する時に側壁を容易に形成することができる。なお、アルミニウムの鉄含有量が0.3重量%未満の場合、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められない。また、アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、包装材料としての製袋性が悪くなる。
また、バリア層114の冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化する。バリア層114のアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、焼きなまし処理を施した軟質傾向にあるアルミニウムが望ましい。
また、化成処理はクロム系や非クロム系によりバリア層114の表面に形成される。クロム系化成処理としてクロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等が挙げられる。また、非クロム系(塗布型)化成処理としてジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の化成処理が挙げられる。このとき、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから塗布型化成処理にするとより好ましい。特にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物、リン化合物、を含有する処理液で処理するのが最も好ましい。
また、化成処理の形成方法は処理液をバーコー卜法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を選択して成形すればよい。また、化成処理を施す前にバリア層114の表面に予めアルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておく方が好ましい。これにより、化成処理の機能を最大限に発現させるとともに、長期間維持することができる。
熱接着層116は包装材料110の最内層に配され、熱によって溶融して対向する包装材料110を相互に融着する熱接着性樹脂からなる。また、熱接着層116と正極タブ123a又は負極タブ123bとの間にタブフィルムを介在させるか否かで樹脂種が異なる。タブフィルムを介在させる場合には、プロピレン系樹脂の単体ないし混合物などからなるフィルムを用いればよい。また、タブフィルムを介在させない場合、不飽和カルボン酸でグラフト変性した酸変性オレフィン樹脂からなるフィルムを用いればよい。
また、熱接着層116としてはポリプロピレンが好適に用いられるが、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンの単層または多層、または、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのブレンド樹脂からなる単層または多層からなるフィルムとしても使用できる。
前記各タイプのポリプロピレン、すなわち、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレンおよび、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤等を添加してもよい。
酸変性ポリオレフィン層115はバリア層114と熱接着層116とを安定して接着する樹脂層であり、酸変性ポリプロピレンが好適に用いられる。また、酸変性ポリオレフィン層115は熱接着層116に用いる樹脂種により適宜選択して用いる必要がある。このため、酸変性ポリプロピレン以外の酸変性ポリオレフィン樹脂を用いる場合、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレンないしプロピレンとアクリル酸、または、メタクリル酸との共重合体、あるいは、金属架橋ポリオレフィン樹脂等があり、必要に応じてブテン成分、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非晶質のエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を5%以上添加してもよい。
また、酸変性ポリプロピレンを用いる場合、
(1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上のホモタイプ
(2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合タイプ)
(3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い酸変性重合した単体又はブレンド物等を用いることができる。
接着層113は、基材層112とバリア層114を強固に接着する樹脂層である。これらの層間接着はドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出ラミネート法、熱ラミネート法等の方法を用いることができる。
ドライラミネート法により貼り合わせを行う際には、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いることができる。
本実施形態によると、保護層111がビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位としてエポキシ樹脂により形成されるので、保護層111の耐電解液性が優れるとともに成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)による外観不良を防止することができる。これにより、耐電解液性に優れ、成形(延伸)時の樹脂割れによる外観不良を生じない電気化学セル用包装材料110を提供することができる。
なお、本実施形態において、上記各層間に異なる層を介在させてもよい。また、リチウムイオン電池121について述べているが、リチウムイオン電池本体122以外の電気化学セル本体を包装材料110からなる包装体120で包装してリチウムイオン電池121以外の電気セルを作製してもよい。
例えば、電気化学セルとはリチウムイオン電池以外にニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池等の化学電池及び電気二重層キャパシタ、キャパシタ、電解コンデンサが含まれる。ここで、電気化学セル本体とは包装材料封入前の正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質とを含むセル(蓄電部)と、セル内の正極及び負極に連結される電極端子等、電気エネルギーを発生させる電気デバイス要素全てを含む。
[第2実施形態]
図4は第2実施形態に係る包装体120の電気化学セル用包装材料110を示す断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図3に示す第1実施形態と同様の説明には同一の符号を付している。本実施形態の包装材料110の保護層111表面にはスリップ剤層117が設けられている。
図5は電気化学セル用包装材料110をプレス成形する工程を示す説明図である。リチウムイオン電池121の包装体120をエンボスタイプにする場合、所定形状に断裁されたシート状の包装材料110をプレス成形して収納部120aを形成する。プレス成形は周囲に側壁を有して上部が開口するメス型22にオス型21を挿入して包装材料110を挟持しながら行う。
具体的には、メス型22の内面22a側にスリップ剤層117が当接するように包装材料110を載置して熱接着層116側からオス型21で押圧する。これにより、包装材料110の周縁をメス型22の内部に引き込みながら包装材料110に側壁を形成する。このとき、包装材料110は金属薄層114の変形に追従して他の樹脂層が変形する。このため、基材層112とメス型22の内面との間の滑り性が低いと基材層112が金属箔114の変形に追従できずに破断する問題がある。また、この問題はプレス成形により形成される収容部120aの側壁の高さ(成形の深さ)が大きくなるに従って発生し易くなる。
そこで、本実施形態の包装材料110では保護層111の表面にスリップ剤層117が設けられている。これにより、メス型22と基材層112との滑り性がスリップ剤層117を介して間接的に安定する。したがって、成形可能な包装材料110の限界成形の深さが上昇して安定したエンボス成形が可能となる。
スリップ剤層117は、例えば脂肪酸アマイドをイソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエン、メチルーエチルーケトン等の溶剤に0.1から10%になるように希釈し、ロールコート法、噴霧法で形成する。脂肪酸アマイドとしては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が用いられる。コーティング、または噴霧される脂肪酸アマイド量は、平米当たり0.1mg以上あれば充分な効果が得られる。また、平米当たり10mg以下とすることで、メス型22の金型の汚染、ヒートシール装置の汚染を防ぐことができる。
また、保護層111全面にスリップ剤をコーティング、または噴霧しても良いし、金型内でエンボス成形される部分にのみコーティング、または噴霧しても良い。また、あらかじめ包装材料110にコーティング、または噴霧して巻取り保管することもできるが、成形の直前にコーティング、または噴霧することにより、より優れた成形性が得られる。
以下、本発明の作用及び効果について、実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。この実験では、電気化学セル用包装材料を構成する基材層の上面に保護層を形成し、電解液を滴下した際の基材層の白化の有無、及び成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)による外観不良の有無、保護層の滑り性、成形加工適正について評価を行った。
[電気化学セル用包装材料のサンプル作製]
アルミニウム(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に、延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)を接着剤層の厚さが約4μmとなるようにポリエステル系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせた。次に、他方の化成処理面に酸変性ポリプロピレン(厚さ23μm、以下酸変性PPと略す)とポリプロピレン(厚さ23μm、以下PPと略す)を共押出して積層した。また、延伸ナイロンフィルムの上面には保護層を形成した。
これにより、保護層/延伸ナイロンフィルム/ポリエステル系接着剤/両面化成処理が施されたアルミニウム/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレから構成される電気化学セル用包装材を得た。
なお、化成処理層にはフェノール樹脂、フッ化クロム化合物、リン酸からなる処理液をロールコート法により塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼付けた。ここで、クロムの塗布量は10mg/m2(乾燥重量)とした。
[実施例1]
また、実施例1に係る電気化学セル用包装材料は上記電気化学セル用包装材料の基材層上面にビスフェノールAを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂を塗工量2.5g/mで塗布し、乾燥後、190℃で2分間加熱して硬化膜を形成してこれを保護層とした。
[実施例2]
実施例2に係る電気化学セル用包装材料は実施例1の電気化学セル用包装材料の保護層の上面にエルカ酸アミドをグラビア印刷法により塗工量0.2mg/mで塗布して保護層上面にスリップ剤層を設けた。
[実施例3]
実施例3に係る電気化学セル用包装材料は実施例1の電気化学セル用包装材料の保護層の上面にエチレンビスオレイン酸アミドをグラビア印刷法により塗工量0.2mg/mで塗布して保護層上面にスリップ剤層を設けた。
[比較例1]
また、比較例1に係る電気化学セル用包装材料は上記電気化学セル用包装材料の基材層上面にヘキサメチレンジアミンを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂を塗工量2.5g/mで塗布し、乾燥後、190℃で2分間加熱して硬化膜を形成してこれを保護層とした。
[比較例2]
比較例2に係る電気化学セル用包装材料は上記電気化学セル用包装材料の基材層上面にイソシアネート基を含有する硬化剤を添加したポリエステル系樹脂を塗工量2.5g/mで塗布し、乾燥後、45℃で3日間加熱して硬化膜を形成してこれを保護層とした。
[比較例3]
比較例3に係る電気化学セル用包装材料は上記電気化学セル用包装材料の基材層上面にイソシアネート基を含有する硬化剤を添加したアクリル系樹脂を塗工量2.5g/mで塗布し、乾燥後、45℃で3日間加熱して硬化膜を形成してこれを保護層とした。
[比較例4]
比較例4に係る電気化学セル用包装材料は上記電気化学セル用包装材料の基材層上面にイソシアネート基を含有する硬化剤を添加したオレフィン系樹脂を塗工量2.5g/mで塗布し、乾燥後、45℃で3日間加熱して硬化膜を形成して保護層とした。
[耐電解液性の評価]
耐電解液性の評価は実施例1〜3及び比較例1〜4に係る包装材料の保護層側に水1000ppmを添加した電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の液に1molの6フッ化リン酸リチウムを添加)を3cc滴下し、30分経過後イソプロピレンアルコール(IPA)を染み込ませたワイプで滴下した電解液をふき取った後、包装材料の表面が白化しているか否かを目視により観察した。その結果を表1に示す。
[成型時の樹脂割れの評価]
成形時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)の評価は実施例1〜3及び比較例1〜4に係る包装材料を80mm×120mmに裁断した後、30mm×50mmの口径の成形金型(メス型)とこれに対応した成形金型(オス型)にて、6.0mmの深さに冷間成形し、包装材料の保護層側の表面に樹脂割れ(微細なクラックによる白化)が発生しているか否かを目視により観察した。その結果を表1に示す。
[滑り性の評価]
滑り性の評価は、実施例1〜3に係る包装材料を150mm×60mmに裁断し、保護層表面又はスリップ剤層表面を100gの荷重をかけて重ね、摩擦試験機(新東科学(株)社製、HEIDON TYPE14(商品名))にて動摩擦係数の測定を行った。なお、測定速度は100mm/minである。その結果を表1に示す。
[成型加工適正の評価]
成形加工適正の評価は、実施例1〜3に係る包装材料を80mm×120mmに裁断して短冊片を作製する。次に、成形金型(オス型)側に熱接着層が位置するように成形金型(メス型)上に短冊片を載置し、短冊片を0.16MPaの押え圧(面圧)で押えて、4.0mm、5.0mm、6.0mm、7.0mmの各成形深さに各包装材料を30検体ずつ冷間プレス成形する。このとき、包装材料にピンホールが発生するか否かを観察して30検体中1検体もピンホールが発生しない場合を良品(○)と評価し、1検体以上ピンホールが発生した場合を不良品(×)と評価した。その結果を表2に示す。なお、成形金型(オス型)は55mm×32mmの矩形状(コーナーR:2mm、稜線R:1mm)であり、成形金型(メス型)はオス型とのクリアランスが0.3mmからなる。
Figure 0005293845
Figure 0005293845
表1に示すように、実施例1〜3に係る包装材料は電解液の滴下において保護層側の表面に白化が観察されず(○)、プレス成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)は観察されなかった(○)。一方、比較例1と2に係る包装材料は電解液の滴下において保護層側の表面に白化が観察された(×)。一方、比較例3と4に係る包装材料は、電解液の滴下による保護層側の表面に白化は観察されなかったが(○)、プレス成形(延伸)時の樹脂割れ(微細なクラックによる白化)が観察された(×)。
また、保護層表面にスリップ剤層を設けた実施例2、3は動摩擦係数が0.25以下であり、スリップ剤層を設けていない実施例1より滑り性に優れていた。
また、表2に示すように、保護層表面にスリップ剤層を設けた実施例2、3はスリップ剤層を設けていない実施例1に比べ、成形加工適正に優れていた。
本発明は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池、二次電池、リチウムポリマー電池等の化学電池及び電気二重層キャパシタ、キャパシタ、電解コンデンサを包装する包装体として用いることができる。
110 包装材料
111 保護層
112 基材層
113 接着層
114 バリア層
115 酸変性ポリオレフィン層
116 熱接着層
117 スリップ剤層
120 包装体
120a 収納部
120b シート部
121 リチウムイオン電池
122 リチウムイオン電池本体
123a 正極タブ
123b 負極タブ

Claims (3)

  1. 少なくとも樹脂フィルムからなる基材層と、外層に配して前記基材層を保護する保護層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、を積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記保護層がビスフェノールAもしくはビスフェノールFを骨格中の単位として有するエポキシ樹脂により形成されることを特徴とする電気化学セル用包装材料。
  2. 前記保護層表面にスリップ剤層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池用包装材料。
  3. 前記スリップ剤層が脂肪酸アマイド系樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池用包装材料。
JP2012014126A 2011-11-11 2012-01-26 電気化学セル用包装材料 Active JP5293845B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012014126A JP5293845B2 (ja) 2011-11-11 2012-01-26 電気化学セル用包装材料
PCT/JP2012/078990 WO2013069730A1 (ja) 2011-11-11 2012-11-08 電気化学セル用包装材料
KR1020147012441A KR101537399B1 (ko) 2011-11-11 2012-11-08 전기화학 셀용 포장재료
EP15185114.4A EP2993714B1 (en) 2011-11-11 2012-11-08 Electrochemical cell packaging material
US14/353,198 US10673030B2 (en) 2011-11-11 2012-11-08 Electrochemical cell packaging material
EP12846874.1A EP2779265B1 (en) 2011-11-11 2012-11-08 Electrochemical cell packaging material
CN201280055432.1A CN103931013B (zh) 2011-11-11 2012-11-08 电化学电池用包装材料
CN201610008644.4A CN105619914B (zh) 2011-11-11 2012-11-08 电化学电池用包装材料
CN201710167010.8A CN107017358A (zh) 2011-11-11 2012-11-08 电化学电池用包装材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011247876 2011-11-11
JP2011247876 2011-11-11
JP2012014126A JP5293845B2 (ja) 2011-11-11 2012-01-26 電気化学セル用包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013122898A JP2013122898A (ja) 2013-06-20
JP5293845B2 true JP5293845B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=48774745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012014126A Active JP5293845B2 (ja) 2011-11-11 2012-01-26 電気化学セル用包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5293845B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015041281A1 (ja) * 2013-09-20 2015-03-26 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
JP5704272B1 (ja) * 2013-09-20 2015-04-22 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
KR20160058834A (ko) 2013-09-20 2016-05-25 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 전지용 포장 재료
JP5708860B1 (ja) * 2013-09-26 2015-04-30 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
JP6488827B2 (ja) * 2015-03-31 2019-03-27 大日本印刷株式会社 電池用包装材料の巻取体
JP6965872B2 (ja) * 2016-02-18 2021-11-10 凸版印刷株式会社 蓄電装置用外装材及び蓄電装置用外装材の製造方法
WO2017188445A1 (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 大日本印刷株式会社 電池用包装材料及び電池
JP7435471B2 (ja) * 2018-12-28 2024-02-21 大日本印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材、その製造方法、及び蓄電デバイス
WO2021020583A1 (ja) * 2019-08-01 2021-02-04 大日本印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材、その製造方法、及び蓄電デバイス
WO2021033708A1 (ja) * 2019-08-20 2021-02-25 大日本印刷株式会社 蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス用外装材、及び蓄電デバイス

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5089833B2 (ja) * 1999-09-20 2012-12-05 大日本印刷株式会社 ポリマー電池用包装材料
JP4030427B2 (ja) * 2000-08-24 2008-01-09 Nok株式会社 電子部品用ケース

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013122898A (ja) 2013-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5293845B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP5266628B2 (ja) 電池用包装材
JP6249062B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
WO2013069730A1 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP5347411B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP4940496B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法
JP2008277274A (ja) 扁平型電気化学セル用包装材料
JP5369583B2 (ja) 電池外装用包装材
JP5278521B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP4736189B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料
JP4769994B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP4736188B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法
JP5194922B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP6035822B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2010282985A (ja) ポリマー電池用包装材料
JP2008041403A (ja) 扁平型電気化学セルの製造方法
JP6332409B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2009245680A (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2006261033A (ja) リチウム電池外装体の熱封緘方法
JP5879722B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP5310922B1 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP4620232B2 (ja) リチウム電池用包装材料の製造方法
JP2014082017A (ja) 電気化学セル用包装材料
JP6019679B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2003272571A (ja) 電池用包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130329

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20130329

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20130424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5293845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03