JP5293106B2 - 電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置 - Google Patents

電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、前後輪の一方を内燃機関(エンジン)などの主動力源により駆動し、他方の車輪を電動モータからの動力により駆動する電動モータ式四輪駆動車両に関し、
特に、該車両を二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り替える四輪駆動切り替え制御装置に関するものである。
内燃機関(エンジン)などの主動力源からの動力により駆動される主駆動輪のほかに、主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により駆動される電動モータ駆動車輪を具えた、電動モータ式四輪駆動車両としては従来、例えば特許文献1に記載されたごときものがある。
この車両は、前2輪(または後2輪)をエンジン駆動し、後2輪(または前2輪)を電動モータにより駆動可能とし、エンジンに駆動結合した四輪駆動専用の発電機からの電力により電動モータを直接駆動する。
なお電動モータの駆動制御に当たっては、車両の運転状態に応じて電動モータのトルク指令値を決定し、これに対応するよう発電機から電動モータへの電気エネルギーを制御することにより、モータトルクを指令値となして所期の目的を達成する。
ところで電動モータ式四輪駆動車両にあっては、電動モータの駆動力が比較的小さくて不足気味になることから、電動モータと電動モータ駆動車輪との間に、トルクを増大させるための減速機を介挿し、これにより電動モータ駆動車輪へのトルク不足を補っている。
一方で減速機は、内部にカム作動式クラッチを持っており、二輪駆動を所望して四輪駆動が不要なときは、当該クラッチのOFFによりクラッチを解放状態に保ち、電動モータ駆動車輪の引き摺りによるフリクションが発生しないようにして燃費低減を図っている。
二輪駆動から四輪駆動への四輪駆動切り替え制御に当たっては、クラッチをONすることにより、クラッチへの入力トルクにカムが応動してクラッチ締結状態を達成し得るようになし、該締結状態のクラッチを経て電動モータトルクを電動モータ駆動車輪へ伝達することで四輪駆動を実現する。
ところで減速機は、ギヤ噛み合い部にバックラッシュ等のガタを持っており、このガタが存在している状態で電動モータを回転させると、
それまでフリー状態であったギヤが噛み合って、このときに歯車打音を発生するという問題があった。
この問題を解決するため、従来は、シフトレバーが前進位置であるのか、後退位置であるのかに応じて、電動モータを前進方向または後退方向に回転させ、ギヤ間の隙間を詰める「ガタ詰め」制御を行っていた。
特開2004−098718号公報
ところで電動モータを駆動する際は、上記の「ガタ詰め」制御時も含めて、トルク制御下に電動モータを駆動させるのが一般的である。
「ガタ詰め」制御のモータトルク制御を考察するに、電動モータの起動時より一定のトルクをかける場合、
モータトルクが大きいと、ギヤの歯が噛み合うときに大きな歯車打音が発生するという問題を生じ、
逆にモータトルクが小さいと、ギヤの歯が噛み合った後にクラッチのカムをクラッチ締結状態となすまでに作動しきれず、発進操作で電動モータのトルクが大きくなった時に、カムがクラッチを一気に締結させるよう作動し、このときに大きなクラッチ締結ショックが発生するという問題を生ずる。
本発明は、電動モータの起動時よりモータトルクを同じに保つ限りにおいて上記問題の何れか一方が発生するとの観点から、
また、減速機の「ガタ詰め」に必要なモータトルク制御期間と、クラッチの締結ショック防止に必要なモータトルク制御期間との間にずれがあり、後者のモータトルク制御期間が前者のモータトルク制御期間よりも遅いとの事実認識に基づき、
これら両期間でともに最適なモータトルク制御を行わせることで、上記問題の何れをも解消し得るようにした電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる電動モータ式四輪駆動車両を説明するに、これは、
主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、
前記主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により、カム作動式クラッチ付き減速機を介して駆動される電動モータ駆動車輪とを具えたものである。
本発明の四輪駆動切り替え制御装置は、かかる電動モータ式四輪駆動車両において、
前記減速機のガタ詰めに必要な減速機ガタ詰め用モータトルク指令値を求めて前記電動モータに指令する減速機ガタ詰め用モータトルク指令値決定手段と、
該手段による減速機のガタ詰めにより前記電動モータのモータ回転数が低下したのを検知して、前記クラッチのカム作動による締結に必要なクラッチ締結用モータトルク指令値を求めて前記電動モータに指令するクラッチ締結用モータトルク指令値決定手段とを設け
前記減速機のガタ詰めと前記クラッチのカム作動による締結との順次遂行により、二輪駆動から、前記電動モータ駆動車輪をも駆動する四輪駆動への切り替えを行うよう構成したものである。
かかる本発明の四輪駆動切り替え制御装置によれば、以下のような作用効果が奏し得られる。
電動モータに先ず、減速機ガタ詰め用モータトルク指令値が指令されることから、電動モータは当該指令に基づくトルク制御により、減速機のガタ詰めを行うことができ、所定の歯車打音防止効果を達成することができる。
かかる減速機のガタ詰めによる負荷増で電動モータのモータ回転数が低下するが、かかるモータ回転数の低下を検知して、電動モータには次いでクラッチ締結用モータトルク指令値が指令される。
電動モータは当該指令に基づくトルク制御により、クラッチのカム作動による締結を生起させることができる。
従って、前者の減速機ガタ詰め作用と、後者のクラッチ締結作用との順次遂行により、二輪駆動から、電動モータ駆動車輪をも駆動する四輪駆動への切り替えを行うことができる。
以上のことから、前者の「ガタ詰め」制御時に、電動モータのモータトルクが大き過ぎて減速機が大きな歯車打音を発生するという問題を生ずることがなくなると共に、後者の「クラッチ締結」に際し、電動機のモータトルクが小さ過ぎてカムをクラッチ締結状態となすまでに作動しきれず、発進操作で電動モータのモータトルクが大きくなった時に大きなクラッチ締結ショックが発生するという問題を生ずることもなくなり、これら2つの問題を共に解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる四輪駆動切り替え制御装置を具えた電動モータ式四輪駆動車両の駆動系を略示し、
本実施例においてはこの車両を、左右前輪1L,1Rを主動力源としてのエンジン(内燃機関)2によって駆動されるフロントエンジン・フロントホイールドライブ車(F/F車)をベース車両とし、左右後輪3L,3Rを必要に応じ電動モータである後輪駆動モータ4によって駆動可能とした、所謂電動モータ式四輪駆動車両とする。
エンジン2は通常通り、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏み込んだ程度に応じて出力を増大されるものとする。
そしてこのエンジン2は、自動変速機5(ディファレンシャルギヤ装置を一体ユニットとして具えるトランスアクスル)を介し左右前輪(主駆動輪)1L,1Rに駆動結合し、エンジン2の出力トルクが自動変速機5を経て左右前輪1L,1Rに伝達されて車両の走行に供されるものとする。
次に電動モータ4による後輪駆動系を説明するに、これは、エンジン2の出力トルクの一部により無端ベルト6を介して駆動される専用発電機7を具え、この発電機7は、エンジン2の回転数にベルトプーリ比を乗じた回転数でエンジン駆動されており、四輪駆動コントローラ8からの界磁電流Igに応じた発電負荷をエンジン2にかけて負荷トルクに応じた電力を発電する。
発電機7が発電した電力はその全てを、電力線9により後輪駆動用電動モータ4に供給する。
後輪駆動用電動モータ4の制御に当たっては、四輪駆動コントローラ8が車両運転状態に応じて決まる左右後輪(電動モータ駆動車輪)3L,3Rの目標駆動力に対応した電動モータ4のモータトルク指令値を求め、これに対応した四輪駆動コントローラ8からの界磁電流Imを電動モータ4へ供給することによって、電動モータ4のモータ駆動トルクを上記のモータトルク指令値に一致するよう制御し、界磁電流Imの方向によってモータ回転方向を制御する。
後輪駆動用電動モータ4の駆動軸は、減速機11、および、これに内蔵された図示せざるカム作動式クラッチを介して左右後輪(電動モータ駆動車輪)3L,3Rのディファレンシャルギヤ装置(図示せず)に結合する。
よって、後輪駆動用電動モータ4の出力トルクが減速機11によりギヤ比分で増大され、
減速機11内の図示せざるカム作動式クラッチが締結状態であれば、この増大されたトルクが、図示せざるディファレンシャルギヤ装置により左右後輪3L,3Rに分配出力されるようになす。
なおカム作動式クラッチは、ソレノイドがOFFであれば、内蔵カムがクラッチ入力トルクに応動することがなく、クラッチ解放状態を保つが、
ソレノイドがONであれば、内蔵カムがクラッチ入力トルクに応動し、このクラッチ入力トルクが所定値以上であるとき、クラッチを締結状態となすようなカム作動を行うものとする。
また本実施例においては、上記の通り発電機7の発電電力を全て後輪駆動用電動モータ4に供給するため、
発電機7にて発電する電力と、電動モータ4で消費する電力とが常に一致している必要がある。
ちなみにシステムの作動中、発電機7の発電電力と電動モータ4による消費電力とが一致しなくなった場合、以下の状態に陥る。
(a) 発電電力 > 消費電力の場合、
発電した電力を消費しきれないためにシステム電圧が上昇し、電動モータ4のインバータやコンデンサの耐圧を超えるときに、構成部品が破損することがある。
(b) 発電電力 < 消費電力の場合、
電力が不足しているため、必要なモータトルクを出力できない。
一方、発電機7の応答性と電動モータ4の応答性には時間差があることが多い。
発電機7の応答性が遅い場合について考えると、発電電力とモータ消費電力との均衡を崩さずにモータトルクを可変するためには、発電電力の応答速度にあわせてモータトルクを変化させる必要がある。
しかしエンジン回転数やモータ回転数は、車両の挙動によっては急に変化することがある。
そのような外乱によって発電電力とモータ消費電力との均衡が崩れた場合は、瞬間的には電動モータ4での消費電力、すなわちモータトルクを変えることで、これら電力の均衡を維持することとする。
発電機7の発電負荷、減速機11内におけるカム作動式クラッチの締結・解放(ソレノイドのON,OFF)、および電動モータ4の回転方向・駆動トルクは、四輪駆動コントローラ8によってこれらを制御する。
このため四輪駆動コントローラ8には、運転者が四輪駆動を希望するときON操作する四輪駆動スイッチ12からの信号を入力するほかに、四輪駆動制御情報13を入力する。
四輪駆動制御情報13としては、左右前輪1L,1Rの車輪速(前輪速)および左右後輪3L,3Rの車輪速(後輪速)や、後輪駆動用電動モータ4の回転速度や、エンジン2のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)や、エンジン回転数や、車速などがある。
なお四輪駆動コントローラ8は、運転者が四輪駆動スイッチ12をONにしている間、四輪駆動の必要を判断して自動的にモータ四輪駆動を行い、
運転者が四輪駆動スイッチ12をOFFにしている間、前2輪のエンジン駆動のみによる二輪駆動を継続的に行わせるものとする。
以下、四輪駆動コントローラ9が行う基本的な四輪駆動制御を説明する。
この四輪駆動コントローラ9は概略、図2に示す機能別ブロック線図により示されるようなもので、4WD制御部21と、システム制御部22と、モータ制御部23と、発電制御部24とで構成する。
4WD制御部21では、四輪駆動制御情報13(各輪の車輪速、電動モータ4の回転速度、アクセル開度、エンジン回転数、車速など)から、例えば主駆動輪(エンジン駆動輪)である前輪1L,1Rの駆動(加速)スリップを生起させる原因となるエンジン2の余剰トルクなどの車両状態を推定し、この前輪駆動スリップを解消させるのに必要な後輪駆動トルクを演算し、これを後輪駆動トルク指令値Tdrとして出力する。
システム制御部22では、上記4WD制御部21からの後輪駆動トルク指令値Tdrと実システム電圧Esとから、システムの目標電圧Etおよびモータトルク指令値Tmを決定する。
この決定に際しては、例えば特開2008-172876号公報に記載のように、後輪駆動トルク指令値Tdrからシステムの目標電圧Etを決定し、実システム電圧Esからモータトルク指令値Tmを決定する。
このようにシステムを制御することにより、システム電圧の目標値Etと実電圧Esとをほぼ一致させることができ、これにより発電電力とモータ消費する電力との均衡を図りつつシステムを動作させ得ることとなる。
モータ制御部23は上記のモータトルク指令値Tmを入力され、電動モータ4がこのモータトルク指令値Tmを実現するのに必要な界磁電流Imを演算し、この界磁電流Imをモータ制御信号として電動モータ4に指令する。
発電制御部24は上記の目標電圧Etを入力され、システムがこの目標電圧Etとなるのに必要な発電機7の界磁電流Igを演算し、この界磁電流Igを発電制御信号として発電機7に指令する。
以下、二輪駆動から四輪駆動への四輪駆動切り替え制御について説明する。
4WDスイッチ12をONにした状態で停車すると、システム(四輪駆動コントローラ8)は四輪駆動での発進を行わせるべく、減速機11内における4WD選択用のクラッチを締結するために、クラッチソレノイドON指令を発する。
かかるクラッチソレノイドON指令(第1工程)の後、発進に操作に呼応して電動モータ4が発電機7からの発電電力を供給されて駆動されると、電動モータ4のモータトルクが減速機11のガタ詰めを行い(第2工程)、クラッチのカムがモータトルクに応動してカム作用(第3工程)によりクラッチを締結させる。
これにより、電動モータ4の駆動力が後輪3L,3Rに伝達されることとなり、四輪駆動での発進が可能である。
つまり、停車時に減速機11内のクラッチを締結して、電動モータ4の出力軸と後輪3L,3Rとの間を結合し、四輪駆動可能状態へ切り替えるに際しては、上記の第1工程〜第3工程の3手順が必要である。
ところで減速機11は、ギヤ噛み合い部にバックラッシュ等のガタを持っており、このガタが存在している停車状態で上記のごとく電動モータ4を駆動すると、
それまでフリー状態であったギヤの歯が相互に噛み合って、このときに歯車打音を発生させるという問題を、上記の第2工程で生ずる。
従来の「ガタ詰め」制御では、前記したようにクラッチ締結時に(第2工程で)一定のモータトルクをかけることにより歯車打音の問題を解消しようとするものであるため、
所定の歯車打音防止効果を得るに当たっては、第2工程における電動モータ4のモータトルクを余程小さくする必要がある。
しかし、かかる小さなモータトルクでは、減速機11のギヤ歯が「ガタ詰め」により相互に噛み合うこととなった後においてクラッチのカムをクラッチ締結状態となすまでに作動しきれない。
この場合、発進操作で電動モータ4のトルクが大きくなった時に、カムがクラッチを一気に締結させるよう作動し、このときに大きなクラッチ締結ショックや、クラッチのジャダー現象が発生するという問題を生ずる。
かといって、これら大きなクラッチ締結ショックや、クラッチのジャダー現象を回避し得るような大きなモータトルクでは、本来の歯車打音防止効果を望み得ない。
本実施例においては、上記のようにトレードオフの関係にある、歯車打音防止と、クラッチ締結ショックおよびクラッチジャダー現象の防止とを、ともに実現し得るようにするため、四輪駆動コントローラ8が四輪駆動切り替え時にモータトルクを図3に示すように制御する構成となす。
つまり、図3のガタ詰め期間Aにおいては、電動モータ4のモータトルク指令値Tmを同図に示すごとく、所定の歯車打音防止効果が達成されるような小さな値(歯車打音が問題とならなくなる小さなモータトルクの上限値)に定める。
しかし当該小さなモータトルク指令値Tmのままでは、前記第3工程のカム作動によるクラッチ締結を実現し得ず、発進操作で電動モータ4のトルクが大きくなった時に、カムがクラッチを一気に締結させるよう作動し、大きなクラッチ締結ショックや、クラッチのジャダー現象が発生する。
ところで、上記減速機11のガタ詰めにより電動モータ4が上記の小さなモータトルク指令値Tmに対応した実トルクをクラッチのカムへ伝達するようになると、
電動モータ4は負荷の発生によりそのモータ回転数Nmを、図3の瞬時t1におけるごとくに設定回転数以上に大きく低下される。
本実施例においては、四輪駆動コントローラ8がかかるモータ回転数Nmの低下を検知して、当該減速機11のガタ詰め終了瞬時t1を判定し、以後、
電動モータ4のモータトルク指令値Tmを図3に示すごとく、カム作動によるクラッチ締結が実現されるような大きな値(クラッチ締結を実現するのに必要なモータトルクの下限値)に定めるようになす。
瞬時t1におけるモータトルク指令値Tmの上昇に対応して電動モータ4のモータトルクが上昇されることにより、クラッチ締結作動期間Bにおいてクラッチがカム作動により締結を進行され、図3の瞬時t2においてクラッチが完全締結することで、電動モータ4のモータ回転数Nmが0rpmになる。
かかる本実施例の四輪駆動切り替え時におけるモータトルク制御によれば、
電動モータ4に先ず、上記の小さな減速機ガタ詰め用モータトルク指令値が指令されることから、電動モータ4は当該指令に基づくトルク制御により、減速機11のガタ詰めを行うことができ、所定の歯車打音防止効果を達成することができる。
かかる減速機11のガタ詰めによる負荷増で電動モータ4のモータ回転数Nmが図3の瞬時t1に低下するが、このモータ回転変化を検知して、電動モータ4には次いで大きなクラッチ締結実現用モータトルク指令値が指令され、電動モータ4は当該指令に基づくトルク制御により、クラッチのカム作動による締結を生起させることができる。
よって、前者の「ガタ詰め」制御時に、電動モータのモータトルクが大き過ぎて減速機11が大きな歯車打音を発生するという問題を生ずることがなくなると共に、
後者の「クラッチ締結」に際し、電動機4のモータトルクが小さ過ぎてカムをクラッチ締結状態となすまでに作動しきれず、発進操作で電動モータのモータトルクが大きくなった時に大きなクラッチ締結ショック、クラッチのジャダー現象が発生するという問題を生ずることもなくなり、
これら2つの問題を共に解消することができる。
ここで、従来のごとくモータトルク指令によりシステム電圧を決定するモータトルク制御方式を採用した場合の問題を、図4に基づき以下に説明する。
車両停止時はエンジン回転数Neがアイドル回転数であるため、エンジン駆動される発電機の発電量も少なくなっている。
従来のごとくモータトルク指令によりシステム電圧を決定するモータトルク制御方式では、
実際のモータトルク出力値よりもシステム電圧維持を優先する制御方式であるため、発電量が車両停止時のアイドル運転中などのシーンにおいては電動モータ4による電力消費を抑えることでシステム電圧を維持することとなり、
ガタ詰め制御期間Aにおいてエンジン回転数Neが低下すると、ハッチングを付して示す期間において必要なモータトルク精度を保つことができない。
この問題を解消するためには、エンジン回転数Neが所定回転数よりも低い場合は、従来のごとくモータトルク指令によりシステム電圧を決定するモータトルク制御方式を行わないようにする必要がある。
すなわちモータトルク制御方式をエンジン回転数Neに応じて、システム電圧維持が優先される制御方式と、モータトルク出力の精度が優先される制御方式との間で切り替える必要がある。
ちなみに、車両走行中はモータトルク出力の精度よりも、発電機やインバータなど周辺部品を破損させないためにシステム電圧維持を優先させたモータトルク制御方式が必要であり、
逆に、停車中のクラッチの締結制御時はシステム電圧が部品の耐圧に対して十分低いため、モータトルク精度を優先させた制御方式を行っても、部品を破損させることがない。
そこで本実施例においては、図4と同じ条件での動作タイムチャートである図5に示すごとく、
モータトルクに影響を与えない電動モータ4のd軸電流を変化させることでシステム電圧を維持しつつ、ガタ詰めに必要なモータトルクを精度良く出力する。
なおd軸電流はモータ界磁電流と干渉するため、急激に変化させることが困難であるが、ガタ詰めのシーンにおいてエンジン2はアイドル回転数でほぼ一定回転しており、車両も停止状態であるため、d軸電流による電圧制御でも十分に対応可能である。
以上のような四輪駆動切り替え時のモータトルク制御によれば、
エンジン回転数Neが設定回転数以上である間は、電動モータ4のモータトルク指令値Tmに応じて四輪駆動制御システムのシステム電圧を決定するシステム電圧優先のモータトルク制御方式に切り替えるため、
エンジン回転数Neが設定回転数よりも低い場合は、モータトルク指令によりシステム電圧を決定するシステム電圧優先のモータトルク制御方式を用いないようにして、モータトルク出力の精度が優先されるモータトルク制御方式を用い、
エンジン回転数Neが設定回転数以上である場合は、逆にシステム電圧優先のモータトルク制御方式を用いることとなる。
従って、車両走行中はモータトルク出力の精度よりも、発電機やインバータなど周辺部品を破損させないためにシステム電圧維持を優先させたモータトルク制御方式が必要であるという要求と、
停車中のクラッチの締結制御時はシステム電圧が部品の耐圧に対し十分低くて部品を破損させることがないため、モータトルク精度を優先させたモータトルク制御方式を用いるべきであるとの要求とを、共に両立させることができる。
なお、減速機11のガタ詰め用モータトルク指令値に電動モータ4を応動させるときは、この電動モータ4を矩形波駆動で回転させ、発電機7の発電量を可変にすることで、電動モータ4を減速機ガタ詰め用モータトルク指令値が達成されるようトルク制御するのがよい。
この場合、電動モータ4を生成の容易な矩形波駆動で駆動しつつ、クラッチの締結ョック無しに減速機11のガタ詰めを行うことができる。

本発明の一実施例になる四輪駆動切り替え制御装置を具えた電動モータ式四輪駆動車両を、その上方から見て示す駆動系の概略説明図である。 図1に示す四輪駆動切り替え制御装置における四輪駆動コントローラの機能別ブロック線図である。 本発明による四輪駆動切り替え時モータトルク制御の原理を示す動作タイムチャートである。 従来装置による四輪駆動切り替え時のモータトルク制御を示す動作タイムチャートである。 図3に示した本発明の原理による四輪駆動切り替え時のモータトルク制御を示す動作タイムチャートである。
符号の説明
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン(主動力源)
3L,3R 左右後輪(電動モータ駆動車輪)
4 後輪駆動用電動モータ
5 自動変速機
6 無端ベルト
7 発電機
8 四輪駆動コントローラ
9 電力線
11 カム作動式クラッチ付き減速機
12 四輪駆動スイッチ
13 四輪駆動制御情報
21 4WD制御部
22 システム制御部
23 モータ制御部
24 発電制御部

Claims (3)

  1. 主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、
    前記主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により、カム作動式クラッチ付き減速機を介して駆動される電動モータ駆動車輪とを具えた電動モータ式四輪駆動車両において、
    前記減速機のガタ詰めに必要な減速機ガタ詰め用モータトルク指令値を求めて前記電動モータに指令する減速機ガタ詰め用モータトルク指令値決定手段と、
    該手段による減速機のガタ詰めにより前記電動モータのモータ回転数が低下したのを検知して、前記クラッチのカム作動による締結に必要なクラッチ締結用モータトルク指令値を求めて前記電動モータに指令するクラッチ締結用モータトルク指令値決定手段とを具備し、
    前記減速機のガタ詰めと前記クラッチのカム作動による締結との順次遂行により、二輪駆動から、前記電動モータ駆動車輪をも駆動する四輪駆動への切り替えを行うよう構成したことを特徴とする電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置において、
    前記主動力源の回転数が設定回転数以上である間、前記電動モータのモータトルク指令値に応じて四輪駆動制御システムのシステム電圧を決定するシステム電圧優先のモータトルク制御方式に切り替えるよう構成したことを特徴とする電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置において、
    前記減速機ガタ詰め用モータトルク指令値に電動モータを応動させるときは、該電動モータを矩形波駆動で回転させ、前記発電機の発電量を可変にすることで、電動モータを減速機ガタ詰め用モータトルク指令値が達成されるようトルク制御する構成としたことを特徴とする電動モータ式四輪駆動車両の四輪駆動切り替え制御装置。
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