JP2010167981A - 電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置 - Google Patents

電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】路面摩擦係数が最大となるような態様で必要モータトルクを発生させることができる、電動モータ式四輪駆動車両のエンジン制御技術を提案する。
【解決手段】S11で、必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の必要モータトルク発生用前輪速を演算する(S11)。S12では、路面摩擦係数μが最大となる(前輪グリップ力が最大となる)前輪の理想スリップ率を実現するのに必要な目標前輪スリップ量ΔVwを演算し、このΔVwを現在の車体速VSPに加算して路面摩擦係数最大用前輪速を求める。S13では、必要モータトルク発生用前輪速および路面摩擦係数最大用前輪速のうち、大きい方を目標前輪速とする。S14では、前輪の実車輪速がこの目標前輪速に追従するようエンジンを出力制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、前後輪の一方を内燃機関(エンジン)などの主動力源により駆動し、他方の車輪を電動モータからの動力により駆動する電動モータ式四輪駆動車両に関し、
特に、該車両の四輪駆動状態において主動力源を適切に制御するための装置に関するものである。
内燃機関(エンジン)などの主動力源からの動力により駆動される主駆動輪のほかに、主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により駆動される電動モータ駆動車輪を具えた、電動モータ式四輪駆動車両としては従来、例えば特許文献1に記載されたごときものがある。
この車両は、前2輪(または後2輪)をエンジン駆動し、後2輪(または前2輪)を電動モータにより駆動可能とし、エンジンに駆動結合した四輪駆動専用の発電機からの電力により電動モータを直接駆動する。
なお電動モータの駆動制御に当たっては、車両の運転状態に応じて電動モータのトルク指令値を決定し、これに対応するよう発電機から電動モータへの電気エネルギーを制御することにより、モータトルクを指令値となして所期の目的を達成する。
特開平07−231508号公報
ところで電動モータ式四輪駆動車両においても、内燃機関(エンジン)などの主動力源は、これにより駆動される主駆動輪の駆動スリップを防止するために駆動力制御(トランクションコントロール)する必要がある。
しかし特許文献1には、かかる内燃機関(エンジン)など主動力源のトランクションコントロールについて言及していない。
そのため、トランクションコントロールに際し、主動力源を駆動力制限し過ぎて主駆動輪の駆動スリップが不足したり、駆動力制限不足により主駆動輪の駆動スリップが過多になっていた。
これらの場合いずれにしても、主駆動輪から路面へ駆動力が予定通りに伝わらないし、そのため主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータにより駆動される電動モータ駆動車輪の駆動力も路面状態に応じた適切なものにならない。
よって、主動力源および電動モータによる総駆動力を全輪で効率良く利用した走行状態にならないこととなり、燃費が悪化するという問題を生ずる。
本発明は、主動力源および電動モータによる総駆動力を全輪で効率良く利用して車両を四輪走行させ得るような電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置を提案し、
もって、上記の燃費の悪化に関する問題解決を実現することを目的とする。
この目的のため、本発明による電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる電動モータ式四輪駆動車両を説明するに、これは、
主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、
前記主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により駆動される電動モータ駆動車輪とを具えたものである。
本発明は、かかる電動モータ式四輪駆動車両に対し、以下のような必要モータトルク発生用主駆動輪速演算手段と、路面摩擦係数最大用主駆動輪速演算手段と、目標主駆動輪速決定手段と、主動力源制御手段とを設けたものである。
必要モータトルク発生用主駆動輪速演算手段は、前記電動モータの必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の主駆動輪速を求める。
路面摩擦係数最大用主駆動輪速演算手段は、主駆動輪の路面摩擦係数が最大となる主駆動輪速を求める。
目標主駆動輪速決定手段は、上記2つの手段で求めた必要モータトルク発生用主駆動輪速および路面摩擦係数最大用主駆動輪速のうち、大きい方の主駆動輪速を目標主駆動輪速とする。
主動力源制御手段は、この目標主駆動輪速に実際の主駆動輪速が追従するよう前記主動力源を制御する。
かかる本発明の主動力源制御装置によれば、以下のような作用効果が奏し得られる。
つまり、電動モータの必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の主駆動輪速(必要モータトルク発生用主駆動輪速)、および、
主駆動輪の路面摩擦係数が最大となる主駆動輪速(路面摩擦係数最大用主駆動輪速)のうち、
大きい方の主駆動輪速を目標主駆動輪速とし、この目標主駆動輪速に実際の主駆動輪速が追従するよう主動力源を制御するため、
主動力源の制御による主駆動輪のトランクションコントロールに際し、路面摩擦係数が最大となるような態様で必要モータトルクを発生させることができる。
従って、主動力源を駆動力制限し過ぎて主駆動輪の駆動スリップが不足したり、駆動力制限不足により主駆動輪の駆動スリップが過多になることがない。
このため、主駆動輪から路面へ駆動力が予定通りに伝わると共に、主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータで駆動される電動モータ駆動車輪の駆動力も路面状態に応じた適切なものになる。
よって、主動力源および電動モータによる総駆動力を全輪で効率良く利用した走行状態になり、燃費が悪化するという前記の問題を解消することができる。
本発明の第1実施例になる主動力源制御装置を具えた電動モータ式四輪駆動車両を、その上方から見て示す駆動系の概略説明図である。 図1に示す電動モータ式四輪駆動車両における四輪駆動コントローラの機能別ブロック線図である。 図1に示す電動モータ式四輪駆動車両における四輪駆動コントローラが実行する主動力源制御プログラムを示すフローチャートである。 図3の主動力源制御プログラムにおける必要モータトルク発生用主駆動輪速の演算処理に係わるブロック線図である。 図3の主動力源制御プログラムによる動作タイムチャートである。 本発明の第2実施例になる主動力源制御装置を示す、必要モータトルク発生用主駆動輪速の補正プログラムのフローチャートである。 図6に示す第2実施例の主動力源制御装置による動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図示の第1実施例および第2実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例になる主動力源制御装置を具えた電動モータ式四輪駆動車両の駆動系を略示し、
本実施例においてはこの車両を、左右前輪1L,1Rを主動力源としてのエンジン(内燃機関)2によって駆動されるフロントエンジン・フロントホイールドライブ車(F/F車)をベース車両とし、
左右後輪3L,3Rを必要に応じ電動モータである後輪駆動モータ4によって駆動可能とした、所謂電動モータ式四輪駆動車両とする。
エンジン2は通常通り、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏み込んだ程度に応じて出力を増大され、左右前輪1L,1Rの駆動スリップ時はこれを防止するトランクションコントロール用に出力制限されるものとする。
そしてこのエンジン2は、自動変速機5(ディファレンシャルギヤ装置を一体ユニットとして具えるトランスアクスル)を介し左右前輪(主駆動輪)1L,1Rに駆動結合し、エンジン2の出力トルクが自動変速機5を経て左右前輪1L,1Rに伝達されて車両の走行に供されるものとする。
次に電動モータ4による後輪駆動系を説明するに、これは、エンジン2の出力トルクの一部により無端ベルト6を介して駆動される専用発電機7を具え、この発電機7は、エンジン2の回転数にベルトプーリ比を乗じた回転数でエンジン駆動されており、四輪駆動コントローラ8からの界磁電流Igに応じた発電負荷をエンジン2にかけて負荷トルクに応じた電力を発電する。
発電機7が発電した電力はその全てを、電力線9により後輪駆動用電動モータ4に供給する。
後輪駆動用電動モータ4の制御に当たっては、四輪駆動コントローラ8が車両運転状態に応じて決まる左右後輪(電動モータ駆動車輪)3L,3Rの目標駆動力に対応した電動モータ4のモータトルク指令値(目標モータとトルク)を求め、これに対応した四輪駆動コントローラ8からの界磁電流Imを電動モータ4へ供給することによって、電動モータ4のモータ駆動トルクを上記のモータトルク指令値(目標モータとトルク)に一致するよう制御し、界磁電流Imの方向によってモータ回転方向を制御する。
後輪駆動用電動モータ4の駆動軸は、減速機11、および、これに内蔵された図示せざるカム作動式クラッチを介して左右後輪(電動モータ駆動車輪)3L,3Rのディファレンシャルギヤ装置(図示せず)に結合する。
よって、後輪駆動用電動モータ4の出力トルクが減速機11によりギヤ比分で増大され、
減速機11内の図示せざるカム作動式クラッチが締結状態であれば、この増大されたトルクが、図示せざるディファレンシャルギヤ装置により左右後輪3L,3Rに分配出力されるようになす。
なおカム作動式クラッチは、ソレノイドがOFFであれば、内蔵カムがクラッチ入力トルクに応動することがなく、クラッチ解放状態を保つが、
ソレノイドがONであれば、内蔵カムがクラッチ入力トルクに応動し、このクラッチ入力トルクが所定値以上であるとき、クラッチを締結状態となすようなカム作動を行うものとする。
また本実施例においては、上記の通り発電機7の発電電力を全て後輪駆動用電動モータ4に供給するため、
発電機7にて発電する電力と、電動モータ4で消費する電力とが常に一致している必要がある。
ちなみにシステムの作動中、発電機7の発電電力と電動モータ4による消費電力とが一致しなくなった場合、以下の状態に陥る。
(a) 発電電力 > 消費電力の場合、
発電した電力を消費しきれないためにシステム電圧が上昇し、電動モータ4のインバータやコンデンサの耐圧を超えるときに、構成部品が破損することがある。
(b) 発電電力 < 消費電力の場合、
電力が不足しているため、必要なモータトルクを出力できない。
一方、発電機7の応答性と電動モータ4の応答性には時間差があることが多い。
発電機7の応答性が遅い場合について考えると、発電電力とモータ消費電力との均衡を崩さずにモータトルクを可変するためには、発電電力の応答速度にあわせてモータトルクを変化させる必要がある。
しかしエンジン回転数やモータ回転数は、車両の挙動によっては急に変化することがある。
そのような外乱によって発電電力とモータ消費電力との均衡が崩れた場合は、瞬間的には電動モータ4での消費電力、すなわちモータトルクを変えることで、これら電力の均衡を維持することとする。
発電機7の発電負荷、減速機11内におけるカム作動式クラッチの締結・解放(ソレノイドのON,OFF)、電動モータ4の回転方向・駆動トルク、およびエンジン2の出力制限を介した左右前輪1L,1Rの駆動スリップ防止用トランクションコントロールは、四輪駆動コントローラ8によってこれらを制御する。
このため四輪駆動コントローラ8には、運転者が四輪駆動を希望するときON操作する四輪駆動スイッチ12からの信号を入力するほかに、四輪駆動制御情報13を入力する。
四輪駆動制御情報13としては、左右前輪1L,1Rの車輪速(前輪速)および左右後輪3L,3Rの車輪速(後輪速)や、後輪駆動用電動モータ4の回転速度や、エンジン2のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)や、エンジン回転数や、車速などがある。
なお四輪駆動コントローラ8は、運転者が四輪駆動スイッチ12をONにしている間、四輪駆動の必要を判断して自動的にモータ四輪駆動を行い、
運転者が四輪駆動スイッチ12をOFFにしている間、前2輪のエンジン駆動のみによる二輪駆動を継続的に行わせるものとする。
以下、四輪駆動コントローラ8が行う基本的な四輪駆動制御を説明する。
この四輪駆動コントローラ8は概略、図2に示す機能別ブロック線図により示されるようなもので、4WD制御部21と、システム制御部22と、モータ制御部23と、発電制御部24とで構成する。
4WD制御部21では、四輪駆動制御情報13(各輪の車輪速、電動モータ4の回転速度、アクセル開度、エンジン回転数、車速など)から、例えば主駆動輪(エンジン駆動輪)である前輪1L,1Rの駆動(加速)スリップを生起させる原因となるエンジン2の余剰トルクなどの車両状態を推定し、この前輪駆動スリップを解消させるのに必要な後輪駆動トルクを演算し、これを後輪駆動トルク指令値Tdrとして出力する。
システム制御部22では、上記4WD制御部21からの後輪駆動トルク指令値Tdrと実システム電圧Esとから、システムの目標電圧Etおよびモータトルク指令値Tmを決定する。
この決定に際しては、例えば特開2008-172876号公報に記載のように、後輪駆動トルク指令値Tdrからシステムの目標電圧Etを決定し、実システム電圧Esからモータトルク指令値Tmを決定する。
このようにシステムを制御することにより、システム電圧の目標値Etと実電圧Esとをほぼ一致させることができ、これにより発電電力とモータ消費する電力との均衡を図りつつシステムを動作させ得ることとなる。
モータ制御部23は上記のモータトルク指令値Tmを入力され、電動モータ4がこのモータトルク指令値Tmを実現するのに必要な界磁電流Imを演算し、この界磁電流Imをモータ制御信号として電動モータ4に指令する。
発電制御部24は上記の目標電圧Etを入力され、システムがこの目標電圧Etとなるのに必要な発電機7の界磁電流Igを演算し、この界磁電流Igを発電制御信号として発電機7に指令する。
<第1実施例の主動力源制御>
四輪駆動コントローラ8が実行する主動力源(エンジン2)の制御要領を以下に説明する。
この主動力源(エンジン2)の制御に際し、四輪駆動コントローラ8は図3の制御プログラムを実行する。
図3のステップS11においては、モータトルク指令値Tmとして上記したモータ4の必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の前輪速目標値(必要モータトルク発生用前輪速)を演算する。
従ってステップS11は、本発明における必要モータトルク発生用主駆動輪速演算手段に相当する。
かかる必要モータトルク発生用主駆動輪速の演算は、図4のブロック線図に基づきこれを行う。
目標発電機回転数演算部31は、必要モータトルクおよびモータ4の現在における回転数から、現在のモータ回転数のもとで必要モータトルクを発生させるのに必要な発電機7の目標発電機回転数を求める。
前輪速換算係数乗算部32は、目標発電機回転数と、これを前輪速に換算するための前輪速換算係数kとの乗算により、目標発電機回転数を実現するために必要な前輪速を求める。
ここで前輪速換算係数kは、無端ベルト6を掛け渡したプーリ間のプーリ比をλpとし、変速機5のギヤ比をλgとし、変速機5内のディファレンシャルギヤ装置を駆動するファイナルギヤ組のギヤ比をλfとし、前輪タイヤ動半径をrとしたとき、
k=(1/λp)×λg×λf×2π×r×1000/60
で表される。
上記のようにして求めた、目標発電機回転数を実現するために必要な前輪速は、この目標発電機回転数が前記した通り必要モータトルクを発生させるのに必要な発電機7の回転数であることから、必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の前輪速目標値であり、
前輪速換算係数乗算部32で求めた、目標発電機回転数を実現するために必要な前輪速は、必要モータトルク発生用前輪速にほかならない。
次のステップS12においては、路面摩擦係数(μ)と前輪スリップ率(s)との関係を表すμ−sカーブから、路面摩擦係数μが最大となる(前輪グリップ力が最大となる)前輪の理想スリップ率(通常15%程度)を求め、
この理想スリップ率を実現するのに必要な目標前輪スリップ量ΔVwを演算し、
この目標前輪スリップ量ΔVwを現在の車体速VSPに加算して得られた値を、前輪の路面摩擦係数が最大となる路面摩擦係数最大用前輪速とする。
従ってステップS12は、本発明における路面摩擦係数最大用主駆動輪速演算手段に相当する。
次のステップS13においては、ステップS11で求めた必要モータトルク発生用前輪速、および、ステップS12で求めた路面摩擦係数最大用前輪速のうち、大きい方の前輪速を目標前輪速とする。
従ってステップS13は、本発明における目標主駆動輪速決定手段に相当する。
次のステップS14においては、前輪の実車輪速が上記の目標前輪速に追従するよう、図1に示すエンジン制御信号によりエンジン2を出力制御する。
従ってステップS14は、本発明における主動力源制御手段に相当する。
<第1実施例の作用効果>
上記した本実施例のエンジン(主動力源)制御要領によれば、以下のような作用効果が奏し得られる。
つまり、電動モータ4の必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の必要モータトルク発生用前輪速(ステップS11)、および、
前輪の路面摩擦係数が最大となる路面摩擦係数最大用前輪速(ステップS12)のうち、
大きい方の前輪速を目標前輪速とし(ステップS13)、この目標前輪速に実際の前輪速が追従するようエンジン2を出力制御する(ステップS14)ため、
エンジン2の出力制御による前輪のトランクションコントロールに際し、目標前輪速を例えば図5の破線と実線との間で可変にしつつ、路面摩擦係数が最大となるような態様で必要モータトルクを発生させることができる。
従って、エンジンを駆動力制限し過ぎて前輪の駆動スリップが不足したり、駆動力制限不足により前輪の駆動スリップが過多になることがない。
このため、前輪から路面へ駆動力が予定通りに伝わると共に、エンジン2に結合された発電機7の発電電力に直接応動する電動モータ4で駆動される後輪の駆動力も路面状態に応じた適切なものになる。
よって、エンジン2および電動モータ4による総駆動力を前後輪の全てで効率良く利用した走行状態になり、燃費が悪化するという前記の問題を解消することができる。
<第2実施例>
図6は、本発明の第2実施例になる主動力源制御装置を示す。
本実施例においては、基本的に前記した第1実施例と同様なものとするが、図3のステップS11で求めた必要モータトルク発生用前輪速をそのまま用いず、図6の制御プログラムの実行により発電機7の発電状態に応じて補正する。
つまり図6のステップS21において、発電機7の発電状態をフィードバック(F/B)し、これに応じて必要モータトルク発生用前輪速(図3のステップS11)を補正する。
なお、フィードバック(F/B)する発電機7の発電状態としては、四輪駆動コントローラ8から発電機7への界磁電流Igを用いることができる。
この補正に際しては、フィードバックした発電機界磁電流Igの増大に応じて必要モータトルク発生用前輪速(図3のステップS11)を増大させ、発電機界磁電流Igの低下に応じて必要モータトルク発生用前輪速(図3のステップS11)を低下させる。
<第2実施例の作用効果>
本実施例においては、かように発電機7の発電状態に応じて補正した必要モータトルク発生用前輪速(ステップS21)、および、路面摩擦係数最大用前輪速(図3のステップS12)のうち、
大きい方の前輪速を目標前輪速とし(図3のステップS13)、この目標前輪速に実際の前輪速が追従するようエンジン2を出力制御する(図3のステップS14)ため、
エンジン2の出力制御による前輪のトランクションコントロールに際し、第1実施例と同様に、路面摩擦係数が最大となるような態様で必要モータトルクを発生させることができる。
従って、エンジンを駆動力制限し過ぎて前輪の駆動スリップが不足したり、駆動力制限不足により前輪の駆動スリップが過多になることがない。
このため、前輪から路面へ駆動力が予定通りに伝わると共に、電動モータ4で駆動される後輪の駆動力も路面状態に応じた適切なものになる。
よって、エンジン2および電動モータ4による総駆動力を前後輪の全てで効率良く利用した走行状態になり、燃費が悪化するという前記の問題を解消することができる。
更に加えて第2実施例では、目標前輪速が図7に示すごとく、発電機7の発電状態(発電機界磁電流Ig)と同様な傾向をもって変化するため、
四輪駆動の開始に際してモータトルクを立ち上げるとき、トランクションコントロール中のエンジントルクが発電機負荷の開始で更に低下されて動力性能が不足する事態に至るのを回避することができ、また、
四輪駆動発進に際してモータトルクを立ち上げるとき、トランクションコントロール中のエンジントルクが発電機負荷の開始で更に低下されて発進性能が悪化する事態に至るのを回避することができる。
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン(主動力源)
3L,3R 左右後輪(電動モータ駆動車輪)
4 後輪駆動用電動モータ
5 自動変速機
6 無端ベルト
7 発電機
8 四輪駆動コントローラ
9 電力線
11 カム作動式クラッチ付き減速機
12 四輪駆動スイッチ
13 四輪駆動制御情報
21 4WD制御部
22 システム制御部
23 モータ制御部
24 発電制御部

Claims (2)

  1. 主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、
    前記主動力源に結合された発電機の発電電力に直接応動する電動モータからの動力により駆動される電動モータ駆動車輪とを具えた電動モータ式四輪駆動車両において、
    前記電動モータの必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の主駆動輪速を求める必要モータトルク発生用主駆動輪速演算手段と、
    主駆動輪の路面摩擦係数が最大となる主駆動輪速を求める路面摩擦係数最大用主駆動輪速演算手段と、
    これら手段で求めた必要モータトルク発生用主駆動輪速および路面摩擦係数最大用主駆動輪速のうち、大きい方の主駆動輪速を目標主駆動輪速とする目標主駆動輪速決定手段と、
    この手段で決定した目標主駆動輪速に実際の主駆動輪速が追従するよう前記主動力源を制御する主動力源制御手段とを具備してなることを特徴とする電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置において、
    前記必要モータトルク発生用主駆動輪速演算手段は、電動モータの必要モータトルクを発生させるのに要求される必要最小限の主駆動輪速である必要モータトルク発生用主駆動輪速を、前記発電機の発電状態に応じて変更するものであることを特徴とする電動モータ式四輪駆動車両の主動力源制御装置。
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