JP5292570B2 - 新規マレイミド誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は新規なマレイミド誘導体に関する。より具体的には、それ自体は実質的に無蛍光性であり、求核剤と反応した後に強い蛍光を発する性質を有するマレイミド誘導体に関するものである。
有機化学研究の大きな目標の一つとして高効率化学触媒の創製が挙げられるが、触媒の開発においては、被検物質が高活性触媒として機能するか否かの判定のほか、反応条件を最適化することも必須である。従来、触媒の開発にあたっては触媒反応の進行を経時的に高速液体クロマトグラフィーなどで追跡する手段が採用されている。しかしながら、最近のコンビナトリアル技術の進歩により膨大な数の化学物質が創製されており、触媒としての利用可能性を持つ化学物質を従来の手段でスクリーニングすることは困難になっている。また、触媒としての利用可能性を持つ化学物質が選択されたとしても、従来の手段を用いて反応条件の最適化を含めた触媒開発を効率的に行なうことは実際上不可能である。このような観点から、触媒としての利用可能性を有する化学物質を効率的にスクリーニングし、さらに至適な反応条件を簡便かつ短時間に選択することができる手段の提供が求められている。
一方、マイケル付加反応は基本的な炭素−炭素結合形成反応として有機合成分野で汎用されており、マイケル付加反応を効率よく進行させる系の開発が切望されている。マイケル付加反応において用いられる触媒物質を効率よくスクリーニングすることができ、さらに反応系における条件決定を効率よく行なうことができれば、現在では一つの被検物質ごとに試行錯誤的により行なわれているマイケル付加反応系の開発を飛躍的に進歩させることが可能になると期待される。
また、細胞や組織が生きたままの状態でタンパク質の細胞内局在や動的挙動を直接的に蛍光可視化することは、タンパク質の生理機能を解明する上で極めて重要であり、近年GFP (Green Fluorescent Protein)との融合タンパク質を用いる手法が汎用されている。しかしながらGFP 自身の分子サイズ等が問題となり、目的タンパク質の挙動を正確に追跡できない可能性があることから、より小さな分子サイズの蛍光タグを導入し、目的タンパク質を特異的かつ高感度に蛍光可視化する手段の提供が求められている。本発明者らは、蛍光団としての7-ヒドロキシクマリンと2つのマレイミド基とを有する化合物が、同一分子内に2 残基のシステインが近接したペプチドと反応して、反応前は実質的に無蛍光であるが反応後は強い蛍光を発するようになることを見出し、ペプチドへの蛍光タグ導入技術として有用であることを明かにした(光化学討論会要旨集 2005年9月12日−14日)。しかしながら、7-ヒドロキシクマリンと2つのマレイミド基とを有する上記の化合物は、励起波長が紫外領域にあるため、細胞に対する障害が問題となる場合がある。また、生体系に応用するためには、前記分子内に近接して2 残基のシステインを有するペプチドに対する反応選択性の向上も課題であった。従って、励起光により細胞障害を起こすことがない可視光での励起が可能であり、かつ高選択的にタンパク質に蛍光タグを導入できる技術の開発が求められていた。
本発明の課題は、マイケル付加反応における触媒としての利用可能性を有する化学物質を効率的にスクリーニングし、さらに至適な反応条件を簡便かつ短時間に選択することができる手段を提供することにある。より具体的には、求核剤との反応によりマイケル付加を引き起こす性質を有する化合物であって、それ自体は実質的に無蛍光性であり、マイケル付加反応の生成物として蛍光性の化学物質を与える性質を有する新規化学物質を提供することが本発明の課題である。また、励起光により細胞障害を起こすことがない可視光での励起が可能であり、かつ高選択的にタンパク質に蛍光タグを導入できる手段を提供することも本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、アルカリ金属イオン又はカチオン測定のために有用なイオン取り込み部を有するインダセン誘導体(特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報)の蛍光発色団とマレイミド基とを組み合わせることにより、それ自体は実質的に無蛍光性であり、求核剤と反応して高い蛍光性を有するマイケル付加物を与える性質を有する化合物を提供することに成功した。例えば、触媒としての利用可能性を判定すべき被検物質の存在下で上記化合物と求核剤とを反応させ、蛍光性のマイケル付加物を蛍光強度により定量すれば、その被検物質がマイケル付加反応の触媒として利用できるか否かを判定できる。また、溶媒や反応温度などを種々変更した反応系を用意して反応後のマイケル付加物を定量することにより、至適な反応系を簡便に選択することができる。さらに、この化合物は分子内にチオール基を有する化合物の該チオール基(例えばシステインのチオール基)と容易に反応して蛍光物質に変化する性質を有していることから、この化合物をシステイン残基を有するペプチド(オリゴペプチド、ポリペプチド)、又はタンパク質などの標識に用いることができることも見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成された。
すなわち、本発明により、下記の一般式(I):
〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は下記の式(A):
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す)で表される基を示すが、R1及びR2が同時に水素原子であることはなく;R3及びR6はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し;R4及びR7はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、カルボキシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、スルホン酸基を示すが、R4はR3と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、及び/又はR7はR6と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい);R5及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいビニル基、置換基を有していてもよいチエニル基、又は置換基を有していてもよいピロリル基を示す)で表される化合物又はその塩が提供される。
上記の化合物又はその塩は、それ自体は実質的に無蛍光性であり、求核剤と反応して高い蛍光性を有するマイケル付加物を与える性質を有する。
上記発明の好ましい態様によれば、R1が式(A)で表わされる基であり、R2が水素原子であり、X1及びX2が水素原子である上記化合物又はその塩が提供される。
別の観点からは、マイケル付加反応の反応系の探索に用いるための上記の化合物又はその塩が提供される。反応系の探索には、触媒としての利用可能性を有する物質のスクリーニングのほか、溶媒及び/又は反応温度などの反応条件の選択などが含まれる。典型的には、上記の化合物又はその塩と求核剤とを含む溶液状態の反応系に対してマイケル付加反応の触媒としての利用可能性を有するか否かを判定すべき被検物質を添加して、マイケル付加反応の生成物として生じるマイケル付加物が発する蛍光強度を追跡してマイケル付加反応の進行を判定することにより、その被検物質がマイケル反応のための触媒として機能するか否かを判定することができる。また、別の典型例では、上記の化合物又はその塩、求核剤、及び1以上の溶媒とを含む反応系にマイケル付加反応の触媒を添加し、マイケル付加物が発する蛍光強度を追跡してマイケル付加反応の進行を判定することにより、その溶媒がその触媒との組み合わせにおいて適切な反応系を与えるか否かを判定することができる。また、上記の反応を数種類の温度で行なうことにより、至適な反応温度を選択することもできる。
さらに別の観点からは、システイン残基を有するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の標識のために用いる上記の化合物又はその塩が提供される。上記の化合物又はその塩は、システイン残基のチオール基とマイケル付加反応を引き起こして高い蛍光性のマイケル付加物を与える。その結果、蛍光性のマイケル付加物により標識されたペプチド又はタンパク質などを容易に得ることができる。R1及びR2がともに式(A)で表わされる基である場合には、R1又はR2のどちらか一方だけがマイケル付加反応を起こしたマイケル付加物は実質的に無蛍光であり、R1及びR2がともにマイケル付加反応したマイケル付加物だけが高い蛍光性を示す。その結果、同一分子内に近接した2残基のシステインを有するペプチドやタンパク質のみを多点認識し、選択的に蛍光標識できる。
マイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニング(例5、例7)を行なうための検量線を示した図である。 マイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニング(例5)の結果を示した図である。 本発明の化合物7とシステイン残基を有する化合物との反応の結果を示した図である。 マイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニング(例7)の結果を示した図である。 ハイスループットスクリーニングで絞り込まれた条件の詳細追跡(例8)の結果を示した図である。 本発明の化合物4とチオール基を有する化合物との反応の結果を示した図である。 本発明の化合物4とチオール基を有する化合物との反応の結果を示した図である。
本明細書において、「アルキル基」又はアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基など)のアルキル部分は、直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなる飽和炭化水素基を意味している。より具体的には、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピルメチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができる。
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と言う場合には、置換基の種類、個数、置換位置は特に限定されないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキルスルホネート基などを置換基として有していてもよい。また、本明細書においてアリール基という場合には、単環性又は多環性のアリール基のいずれであってもよいが、好ましくはフェニル基を用いることができる。アリール環についても同様であり、好ましくはベンゼン環を用いることができる。
上記一般式(I)で表される化合物において、R1及びR2のいずれか一方が水素原子であり、他方が式(A)で表される基であることが好ましいが、R1及びR2がともに式(A)で表される基であることも好ましい。後者の場合、本発明の化合物又はその塩をペプチド又はタンパク質などのラベル化剤として用いる際に、2個の近接したシステイン残基のチオール基と式(A)で表わされる2個の基がそれぞれ反応し、かつR1及びR2が両方とも反応したマイケル付加物のみで発蛍光が起こるため、本発明の化合物を用いることにより2個の近接したシステイン残基を有するペプチドやタンパク質を選択的に蛍光標識することができる。
R4及びR7が示すC1-6アルキル基としては、メチル基又はエチル基などが好ましく、C1-6アルコキシカルボニル基(本明細書において「C1-6アルコキシカルボニル基」とはC1-6アルコキシで置換されたカルボニル基を意味する)としてはエトキシカルボニル基などが好ましい。R4がR3と一緒になって縮合アリール環を形成する場合、及びR7がR6と一緒になって縮合アリール環を形成する場合には、形成されるアリール環としてベンゼン環が好ましい。R4及びR7が水素原子以外の基である場合には、化合物の蛍光波長が長波長側にシフトする場合があり、また水溶性が高まる場合がある。
R4及びR7が示す置換C1-6アルキル基としては、例えば、カルボキシ置換C1-6アルキル基、アルコキシカルボニル置換C1-6アルキル基、スルホン酸置換C1-6アルキル基、又はアルキルスルホネート置換C1-6アルキル基などを例示することができる。カルボキシ置換C1-6アルキル基はモノカルボキシ置換C1-6アルキル基であることが好ましい。アルコキシカルボニル置換C1-6アルキル基としては、上記のカルボキシ置換C1-6アルキル基のC1-6アルキルエステルを例示することができる。スルホン酸置換C1-6アルキル基としては、モノスルホン酸置換C1-6アルキル基が好ましい。アルキルスルホネート置換C1-6アルキル基としては、モノアルキルスルホネート置換C1-6アルキル基が好ましい。アルキルスルホネート置換C1-6アルキル基におけるアルキルスルホネート基としてはC1-6アルキルスルホネート(C1-6アルキル-O-SO2-)が好ましい。
R5及びR8が示すC1-6アルキル基又は置換C1-6アルキル基は上記と同様である。R5及びR8が示すアリール基としてはフェニル基が好ましい。フェニル基が置換基を有する場合、該置換基としてはスルホン酸基又はスルホネート基などが好ましく、特に好ましいのはスルホン酸基である。R5及びR8が示すC1-6アルコキシカルボニル基としてはエトキシカルボニル基が好ましい。R5及びR8が示すビニル基に存在する置換基としてはフェニル基、モノアミノフェニル基、又はジアミノフェニル基(例えば3,4-ジアミノフェニル基)などを挙げることができる。R5及びR8が示すチエニル基又はピロリル基としては、それぞれ2-チエニル基又は2-ピロリル基が好ましい。R5及びR8がアルキル基以外の基である場合には、化合物の蛍光波長が長波長側にシフトする場合がある。
上記の式(A)中、X1及びX2が示す置換基は、上記一般式(I)で表される本発明の化合物と求核剤とのマイケル付加反応を阻害しない置換基であればいかなる置換基を選択してもよい。例えば、水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基、又はハロゲン原子などを挙げることができる。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は酸付加塩又は塩基付加塩として存在することができる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。本発明の化合物又はその塩は水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、いずれも本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に具体的に示した。従って、当業者は、これらの説明を基にして反応原料、反応条件、及び反応剤などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることによって、上記一般式(I)で表される本発明の化合物をいずれも製造することができる。インダセン骨格については、例えば、特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報のほか、New J. Chem., 25, pp.289-292, 2001; Tetrahedron Letters, 42, pp.6711-6713, 2001; Angew. Chem. Int. Ed., 40, pp.385-387, 2001;及び特開2003-277385号明細書などに合成方法が示されているので、これらの刊行物を参照することにより当業者は本発明の化合物をさらに容易に製造可能である。上記の刊行物の開示のすべてを参照として本明細書の開示に含める。
上記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、それ自体は実質的に無蛍光性の物質として存在するが、求核剤と容易に反応して強い蛍光を発するマイケル付加物を与える性質を有している。この性質を利用して、本発明の化合物又はその塩をマイケル付加反応の反応系の探索に用いることができる。反応系の探索には、触媒としての利用可能性を有する物質のスクリーニングのほか、溶媒及び/又は反応温度などの反応条件の選択、並びに原料化合物、試薬、触媒、溶媒、及び反応温度などからなる群から選ばれる2以上の反応条件の組み合わせの選択などが含まれるが、「反応系の探索」の語をいかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
典型的には、上記の化合物又はその塩と求核剤とを含む溶液状態の反応系に対してマイケル付加反応の触媒としての利用可能性を有するか否かを判定すべき被検物質を添加して、マイケル付加反応の生成物であるマイケル付加物が生成することをマイケル付加物の蛍光強度を測定することにより確認し、その被検物質が触媒活性を有すると判定する方法;同様の工程により、マイケル付加物が発する蛍光強度を追跡してマイケル付加反応の進行を判定することにより、その被検物質がマイケル付加反応の触媒として効率的に機能するか否かを判定する方法などに本発明の化合物又はその塩を利用することができる。また、別の典型例では、上記の化合物又はその塩、求核剤、及び1以上の溶媒とを含む反応系にマイケル付加反応の触媒を添加し、マイケル付加物が発する蛍光強度を追跡してマイケル付加反応の進行を判定することにより、その溶媒がその触媒との組み合わせにより適切な反応系を与えるか否かを判定することができる。また、上記の反応を数種類の温度で行なうことにより、至適な反応温度を選択することもできる。もっとも、上記に具体的に説明した反応系の探索方法は例示のためのものであり、本発明の化合物又はその塩の利用態様は上記の方法における使用に限定されるわけではない。
また、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、それ自体は実質的に無蛍光性の物質として存在するが、システイン残基のチオール基と効率的に反応してマイケル付加物を与える性質を有している。このマイケル付加物は上記に説明したとおり強い蛍光を発する性質を有していることから、本発明の化合物又はその塩を用いてシステイン残基を有するアミノ酸、ペプチド(オリゴペプチド、ポリペプチド)、又はタンパク質などの蛍光標識を行うことが可能である。従って、本発明の化合物又はその塩は、システイン残基を有する生体関連物質の蛍光標識剤として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1:化合物4の合成
化合物4の合成スキームを以下に示した。
(a)化合物1の合成
2-ニトロベンズアルデヒド(0.61 g, 4.0 mmol)と2,4-ジメチルピロール (0.76 g, 8.0 mmol)を350 mLのジクロロメタンに溶かした。アルゴン雰囲気下で数滴のトリフルオロ酢酸を加え、室温で一晩遮光して攪拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン, アルミナ)で原料消失を確認し、DDQ (2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン, 0.91 g, 4.0 mmol)のジクロロメタン溶液150 mLを加えた。室温で20分攪拌後、反応液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄した水層をジクロロメタンで抽出し、もとのジクロロメタン層とあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をアルミナカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン)で精製した。得られた褐色の固体を、200 mLのトルエンに溶かし、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン) 5 mL を加え、さらにアルゴン雰囲気下でBF3-OEt2(三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体)5 mL を加えて室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、全ての有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; n-ヘキサン/ジクロロメタン= 1/1)で精製し、赤色固体の化合物1を得た(0.9 g, 収率 61 %)。1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.36(6H, s), 2.56(6H, s), 5.99(2H, s), 7.47(1H, d, J=7.5Hz), 7.70(1H, t, J=7.5Hz), 7.79(1H, t, J=7.5Hz), 8.19(1H, d, J=7.5Hz).
MS(EI+)369[M]+.
Anal. Calcd for C19H18BF2N3O2, C, 61.81%;H, 4.91%;N, 11.38% Found, C, 61.87%;H, 5.13%;N, 11.41%.
(b)化合物2の合成
化合物1 (0.7 g, 1.9 mmol ) をジクロロメタン 50 mL に溶かし、メタノール250 mLを加えた。10% Pd/C(20 mg) を加え、水素雰囲気下、室温で一晩遮光して撹拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン, シリカゲル)で原料消失を確認後、10% Pd/Cをろ過して除いた。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン )で精製し、橙色固体の化合物2を得た(93 mg, 収率 14 %)。
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ 1.55(6H, s), 2.56(6H, s), 3.73(2H, s), 5.99(2H, s), 6.75(1H, d, J=7.5Hz), 6.87(1H, t, J=7.5Hz), 7.00(1H, dd, J=7.5, 1.4Hz), 7.23(1H, dd, J=7.5, 1.4Hz).
MS(EI+)339[M]+.
(c)化合物3の合成
化合物2(546 mg, 1.6 mmol) と無水マレイン酸(188 mg, 1.9 mmol ) を酢酸200 mL に溶かし、遮光して室温で3時間30分撹拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン/メタノール=19/1, シリカゲル) で原料消失を確認した後、反応液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン/メタノール=19/1)で精製し、橙色固体の化合物3を得た(761 mg, 収率 定量的)。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.42(6H, s), 2.54(6H, s), 6.02(2H, s), 6.25(1H, d, J=13.0Hz), 6.35(1H, d, J=13.0Hz), 7.29(1H, dd, J=8.0Hz, 1.7Hz), 7.40(1H, td, J=8.0, 1.7Hz), 7.58(1H, td, J=8.0Hz, 1.7Hz), 8.23(1H, br), 8.33(1H, dd, J=1.7Hz, 8.0Hz).
MS(ESI+) 460,[M+Na]+.
(d)化合物4の合成
化合物3 (672 mg, 1.5 mmol ) と酢酸ナトリウム(139 mg, 1.7 mmol ) に無水酢酸200 mL を加え遮光し、80 ℃にて一晩撹拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン/メタノール=19/1, シリカゲル) で原料消失を確認後、反応液を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタンに溶解し、ジクロロメタン層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。水層をジクロロメタンで抽出し、もとのジクロロメタン層とあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン)で精製し、橙色固体の化合物4を得た(483 mg, 収率 75 %)。
融点:257.8-258.3℃.
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ 1.57(6H, s), 2.50(6H, s), 5.96(2H, s), 6.64(2H, s), 7.32-7.39(1H, m), 7.45-7.51(1H, m), 7.57-7.65(2H, m).
13C-NMR(75MHz,CDCl3)δ 14.5, 14.7, 121.4, 129.8, 130.2, 130.5, 130.8, 130.9, 131.1, 134.0, 135.0, 136.5, 143.9, 155.9, 169.4
HRMS(ESI+) Calcd for [M+Na]+, 442.1514, Found:442.1518
IR(KBr, cm-1) 478, 686, 716, 831, 980, 1084, 1157, 1194, 1306, 1389, 1508, 1543, 1719
Anal. Calcd for C23H20BF2N3O2, C, 65.89%;H, 4.81%;N, 10.02% Found, C, 65.79%;H, 4.94%;N, 9.94%
例2:化合物7の合成
化合物7の合成スキームを以下に示した。
(a)化合物5の合成
2,6−ジニトロベンズアルデヒド(0.78 g, 4.0 mmol)と2,4−ジメチルピロール (0.76 g, 8.0 mmol)を300 mLのジクロロメタンに溶解し、アルゴン雰囲気下で数滴のトリフルオロ酢酸を加え、室温で6時間30分遮光して攪拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン, アルミナ)で原料消失を確認し、DDQ (1.0 g, 4.4 mmol)のジクロロメタン溶液150 mLを加えた。室温で20分攪拌後、反応液を水で二回洗浄した。洗浄した水層はジクロロメタンで抽出し、もとのジクロロメタン層とあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をアルミナカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン)で精製した。
得られた褐色の固体を酢酸30mLに溶解し、濃塩酸100mLと塩化スズ二水和物16gを水10mLに溶解したものを加え、80℃で2時間遮光して撹拌した。反応液を室温に戻した後、10Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ブフナー漏斗でろ過した。ろ液はジクロロメタンで抽出し、ろ別された固体はジクロロメタンでよく洗浄し、全てのジクロロメタン層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた褐色の固体を、150 mLのトルエンに溶かし、DIEA 6 mL を加え、さらにアルゴン雰囲気下でBF3-OEt2 6 mL を加えて室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、全ての有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン )で精製し、赤色固体の化合物5を得た(52mg, 収率 4 %)。
1H NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.74(6H, s), 2.55(6H, s), 3.59(4H, br), 6.00(2H, s), 6.19(2H, d, J=7.9Hz), 7.01(1H, t, J=7.9Hz).
MS(ESI+) 335,[M-F]+.
(b)化合物6の合成
化合物5(50 mg, 0.15 mmol ) と無水マレイン酸(30 mg, 0.33 mmol ) を酢酸30 mL 中、遮光して室温で3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン/メタノール=19/1, シリカゲル) で原料消失を確認し反応液を減圧濃縮した。残留物をクロロホルムに懸濁し、3Gのグラスフィルターでろ別し、橙色固体の化合物6を得た(19 mg, 収率 23%)。
1H NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.55(6H, s), 2.48(6H, s), 6.08(2H, s), 6.22(2H, d, J=12.6Hz), 6.46(2H, d, J=12.6Hz), 7.72(1H, t, J=7.0Hz), 8.03(2H, d, J=7.0Hz).
MS(ESI-) 549,[M-H]-.
(b)化合物7の合成
化合物6(19 mg, 0.03 mmol) と酢酸ナトリウム(5 mg, 0.06 mmol ) を無水酢酸30 mL に加え、遮光して80 ℃にて一晩撹拌した。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒; ジクロロメタン, シリカゲル) で原料消失を確認し、反応液を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタンに溶解し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄した水層はジクロロメタンで抽出し、もとのジクロロメタン層とあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン )で精製し、橙色固体の化合物7を得た(8.7 mg, 収率 50 %)。
1H NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.71(6H, s), 2.46(6H, s), 5.94(2H, s), 6.67(4H, s), 7.49(2H, d, J=7.9Hz), 7.74(1H, t, J=7.9Hz).
MS(ESI+) 515,[M+H]+.
例3:化合物4のマイケル付加物の合成
化合物4とアセトン、ブタノン、シクロヘキサノンとのマイケル付加反応により化合物8−10を合成した。
(a)化合物8の合成
化合物4(22 mg, 50μmol)とL-プロリン(3mg, 25μmol)をジメチルスルホキシド0.5mLに溶解した。アセトン 1mL を加えて、反応バイアルを密封し、3日間室温で遮光して撹拌した。反応液をジクロロメタン 50 mL で希釈し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン)で精製し、橙色固体の化合物8を得た(12 mg, 収率 51 %)。
HRMS(ESI+) Calcd for [M-F]+, 472.2208, Found, 472.2248.
(b)化合物9の合成
化合物4(4.2 mg, 10μmol)とL-プロリン(0.2mg, 2μmol)をジメチルスルホキシド0.5mLに溶解した。ブタノン1.5mL を加えて、反応バイアルを密封し、4日間室温で遮光して撹拌した。反応液をジクロロメタン 50 mL で希釈し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン )で精製し、橙色固体の化合物9を得た(1.4 mg, 収率 33 %)。
HRMS(ESI+) Calcd for [M-F]+, 498.2364, Found, 498.2357.
(b)化合物10の合成
化合物4(4.2 mg, 10μmol)とL-プロリン(0.2mg, 2μmol)をジメチルスルホキシド0.5mLに溶解した。シクロヘキサノン1.5mL を加えて、反応バイアルを密封し、4日間室温で遮光して撹拌した。反応液をジクロロメタン50 mL で希釈し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒; ジクロロメタン )で精製し、橙色オイルの化合物10を得た(88 mg)。
HRMS(ESI+) Calcd for [M+Na]+, 500.1933, Found, 500.1940.
例4:化合物4のマイケル付加物の蛍光量子収率
マイケル付加反応により合成した化合物8、9、10および化合物4の各種溶媒中での蛍光量子収率を日立蛍光分光光度計F-4500を用いて測定した。H2O(pH7.4)はナトリウムリン酸緩衝液(0.1 mol/L )によってpHを調節した。0.1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液中でのフルオレセインの蛍光量子収率を0.85として、各溶媒中での蛍光量子収率を算出した。結果を表1に示す。各溶媒中で化合物4は0.062以下の低い蛍光量子収率でありごく僅かにしか蛍光を発しない。一方、化合物8、9、10は0.6以上の高い蛍光量子収率を持ち非常に強い蛍光を発する。従って、反応溶媒の種類に関係なく実質的に無蛍光であった本発明の化合物4が、求核剤とのマイケル付加反応の結果、強い蛍光を発するマイケル付加物を与えることが確認された。
例5:マイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニング
以下の反応条件により化合物4とアセトンとのマイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニングを行なった。
溶媒:2.7 mL
触媒:0.02 mmol/L
化合物4:0.1 mmol/L
アセトン:0.3 mL
反応時間:24時間
反応は密閉されたバイアル中、室温で行い、反応終了後、反応液をジメチルスルホキシドで10倍希釈し、LS50B蛍光分光光度計 (Perkin Elmer:励起波長505nm、蛍光波長525nm)を用いて蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度は、各収率における化合物の組成(すなわち各収率における化合物4と化合物8の組成)の蛍光強度をジメチルスルホキシド中で測定して得た図1の検量線により反応収率に変換した。結果を図2に示す。種々の触媒及び溶媒を用いたマイケル付加反応の反応収率を蛍光強度の測定のみから求めることができ、本発明の化合物4を用いてマイケル付加反応の触媒及び溶媒等の反応条件を効率的にスクリーニングできることが確認された。
例6:化合物7とチオール基を有する化合物の反応
3 mL用の蛍光セル中で1 mmol/Lの化合物7DMSO溶液3 μLを0.1 mol/L ナトリウムリン酸緩衝液(pH = 7.4) 3 mlで希釈し,1 μmol/L の化合物7溶液を調製した(DMSO終濃度0.1%).日立蛍光分光光度計F-4500を用い、温度37℃、励起波長518nm、蛍光波長537nmに設定し、蛍光強度の測定を開始した。測定開始後10 秒の時に、1 mmol/LのN−アセチルシステイン(NAC)又はAc-AECACRA-OH、Ac-AECAACRA-OHペプチド(N末端はアセチル基(Ac),C末端はカルボキシル基,アミノ酸は一文字表記)の0.1% TFA水溶液3 μl(1 等量)、又は6 μL(2 等量)を添加し、添加後40秒(測定開始後50秒)までの蛍光強度を測定した。結果を図3に示す。化合物7にチオール基を一つ有するNACを2等量を添加してもほとんど蛍光強度の上昇は認められないが、同一分子内にチオール基を2つ有するAc-AECACRA-OH及びAc-AECAACRA-OHペプチドを添加すると大きな蛍光強度増加が認められた。すなわち、本発明の化合物7を用いることにより同一分子内に近接した2 残基のシステインを有するペプチドやタンパク質などに対して可視光励起が可能な蛍光タグを高選択的に導入できることが示された。
例7:マイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニング(2)
触媒の種類を例5の試験よりも増やして、化合物4とアセトンとのマイケル付加反応触媒及び溶媒のハイスループットスクリーニングを行なった。
溶媒:2.7 mL
触媒:0.02 mmol/L
化合物4:0.1 mmol/L
アセトン:0.3 mL
反応時間:24 時間
例5と同様に反応は密閉されたバイアル中、室温で行い、反応終了後、反応液をジメチルスルホキシドで10倍希釈し、LS50B蛍光分光光度計 (Perkin Elmer:励起波長505nm、蛍光波長525nm)を用いて蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度は、各収率における化合物の組成(すなわち各収率における化合物4と化合物8の組成)の蛍光強度をジメチルスルホキシド中で測定して得た図1の検量線により反応収率に変換した。図4に示した結果のとおり、溶媒がジメチルホルムアミドで触媒がプロリンの時に最も反応収率が高く、次いで溶媒がジメチルホルムアミドで触媒がメチオニン、溶媒がジメチルスルホキシドで触媒がプロリンの時に反応収率が高かった。例5よりもさらに多くの触媒及び溶媒を用いたマイケル付加反応の反応収率を蛍光強度の測定のみから求めることができ、本発明の化合物4を用いてマイケル付加反応の触媒及び溶媒等の反応条件を多種類かつ効率的にスクリーニングできることが確認された。
例8:ハイスループットスクリーニングで絞り込まれた条件の詳細追跡
例5および例7の試験において相対的に高い収率を示したプロリンについて、プロリンおよびその誘導体を触媒とし、溶媒にジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドを用い、例7と同様の反応条件で反応時間を0、24、48、72時間と変化させて化学反応の進行の追跡を行った。結果を図5に示す。
本発明の化合物4を用いてマイケル付加反応の反応収率の時間変化を蛍光強度の測定により追跡できることが確認された。
例9:化合物4のマイケル付加物の合成(2)(化合物11の合成)
化合物4とNACとのマイケル付加反応により化合物11を合成した。
化合物4(7 mg,17μmol)をジメチルスルホキシド1 mLに溶解した。NAC(16 mg, 0.1 mmol)を加えて、反応バイアルを密封し、1時間室温で遮光して攪拌した。反応液をジクロロメタン50 mLで希釈し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をプレパラティブシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン)で精製し、橙色、固体の化合物11を得た(7.5 mg、収率76%)。
HRMS(ESI-) Calcd for [M-H]-,581.1842,Found,581.1877.
例10:化合物4及び化合物11へのpHの影響の確認
化合物4及び化合物11 の0.1 mol/Lのナトリウムリン酸緩衝液(pH2.1、3.1、4.1、5.1、6.0、7.0、7.4、7.9、8.8)、中での蛍光量子収率を日立蛍光分光光度計F-4500を用いて測定した。0.1 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液中でのフルオレセインの蛍光量子収率を0.85として、各緩衝液中での蛍光量子収率を算出した。結果を表2に示す。実質的に無蛍光であった本発明の化合物4が、チオール基を有する化合物であるNACとの反応により、強い蛍光を発する反応生成物11を与え、化合物4および反応生成物11の蛍光強度がpHにより影響を受けないことが確認された。
例10:化合物4とチオール基を有する化合物の反応
3 mL用の蛍光セル中で1 mmol/Lの化合物4ジメチルスルホキシド溶液3 μLを0.1 mol/L ナトリウムリン酸緩衝液(pH 7.4) 3 mlで希釈し,1 μmol/L の化合物4溶液を調製した(ジメチルスルホキシド終濃度0.1%)。日立蛍光分光光度計F-4500を用い、室温、励起波長505nm、蛍光波長520nmに設定し、蛍光強度の測定を開始した。測定開始後10 秒の時に、1 mmol/Lおよび10 mmol/LのNAC又は還元型グルタチオン(GSH) のジメチルスルホキシド 溶液3 μLを添加し、添加後1190秒(測定開始後1200秒)までの蛍光強度を測定した。結果を図6に示す。
さらに、1 mmol/LのNACを加える実験についてはpH4およびpH9のナトリウムリン酸緩衝液中でも行った。結果を図7に示す。本発明の化合物4を用いることにより、NAC、GSHといったチオール基を有する化合物に対して可視光励起が可能な蛍光タグを導入できることが示された。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は、それ自体は実質的に無蛍光性であり、マイケル付加反応の生成物として蛍光性のマイケル付加物を与える性質を有している。本発明の化合物又はその塩を用いて、マイケル付加反応における触媒としての利用可能性を有する化学物質を効率的にスクリーニングすることができ、さらに、至適な反応条件を簡便かつ短時間に選択することができる。また、本発明の化合物又はその塩はシステイン残基のチオール基に対して高い反応性を有しているので、システイン残基を含むペプチド又はタンパク質などを効率的に蛍光標識することができる。

Claims (2)

  1. 下記の一般式(I):
    〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に下記の式(A):
    (式中、X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す)で表される基を示し;R3及びR6はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し;R4及びR7はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、カルボキシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、スルホン酸基を示すが、R4はR3と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい)、及び/又はR7はR6と一緒になってそれらが結合する2個の炭素原子とともに縮合アリール環を形成してもよく(該アリール環は置換基を有していてもよい);R5及びR8はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいビニル基、置換基を有していてもよいチエニル基、又は置換基を有していてもよいピロリル基を示す)で表される化合物又はその塩。
  2. システイン残基を有するアミノ酸、ペプチド、又はタンパク質の標識のために用いる請求項1に記載の化合物又はその塩。
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