JP4362106B2 - 標識化アミノアシルtRNA - Google Patents

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Description

本発明は、非天然型アミノ酸として側鎖にベンゼン環等の芳香環を含むアミノ酸骨格を有するアミノ酸にスペーサーを介して/または介さずに標識化合物が結合した標識化アミノ酸を提供する。該標識化アミノ酸は、これを蛋白質合成系を利用して蛋白質内に導入することによって、標識化合物に由来する機能を担持する機能性蛋白質を再現性よく提供することができる。さらに本発明は、標識化アミノ酸を収率よくtRNAに担持させることができるアミノアシルtRNAの新規な作製方法に関する。
機能性基を蛋白質表面に導入する場合、一般に用いられるのが蛋白質の特定残基への化学修飾である。この化学修飾は簡単であり、一度に多数の特定の残基を修飾できるというメリットがある反面、修飾部位および/または修飾数の制御の再現性という点では優れた結果が得られ難いという課題もある。近年の遺伝子工学の発展により、蛋白質中のアミノ酸残基の置換が可能となり、蛋白質合成系を改変することで、アミノ骨格を有する所望の非天然型アミノ酸を蛋白質中に導入することが可能となり、機能性基を担持する蛋白質を再現性よく合成することが可能となった。
蛋白質合成においてアミノ酸はまずtRNAの3’末端に結合し、次に蛋白質合成の場であるリボソームへ運ばれる。リボソームではコドンからアミノ酸への翻訳が行われる。非天然型アミノ酸を結合させたtRNAを用いることによって非天然型アミノ酸を蛋白質に組み込むことができる。P.G.Schultzら及びA.R.Chamberlinらは終止コドンUAGを非天然型アミノ酸に割り当てることによって非天然型アミノ酸を蛋白質に組み込む終止コドン法を報告している(Science,244,p.182.1989、J.Am.Chem.Soc.,111,p.8013,1989)。しかしながら、終止コドン法の場合、複数の非天然型アミノ酸を蛋白質に同時に導入することは不可能であり、収率も低いという欠点がある。
宍戸らは、コドンを4塩基に拡張する4塩基コドン法を開発した。mRNAの非天然型アミノ酸を導入したい部位に4塩基コドンを組み込み、tRNAのアンチコドン部位を対応する4塩基に置換し、さらに非天然型アミノ酸を結合させておく。これらを用いて蛋白質合成を行うと、4塩基コドンに置換した部分ではリボソームの中で4塩基のコドン・アンチコドンペアが形成され、tRNAに結合させた非天然型アミノ酸は伸長中のペプチド鎖に組み込まれる。一方、その他の部分は通常通り3塩基ずつ翻訳されるので、最終的に得られる蛋白質には4塩基コドンで指定した部分にのみ非天然型アミノ酸が導入されていることになる。詳細には、Hohsaka T.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,118,9778−9779,1996およびHohsaka T.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,121,34−40,1999を参照のこと(該文献は、参照として本明細書中に援用することとする)。
さらに、平尾らは、人工塩基対による蛋白質の合成系(人工塩基コドン法)を開発している(Hirao,I.,et al.,Nature Biotech.,20,177−182,2002)。
これらの方法において、非天然型アミノ酸をtRNAに結合させるための方法として、tRNAの3’末端のジヌクレオチドを欠落させ、代わりに非天然型アミノ酸を結合させたジヌクレオチドをRNA連結酵素によって結合させる化学的アミノアシル化法を用いることで、非天然型アミノ酸をtRNAに結合させることができる。さらに4塩基コドン法および人工塩基コドン法では、複数の非天然型アミノ酸を蛋白質へ同時に導入することもできる。
このように非天然型アミノ酸を蛋白質へ導入することによって蛋白質の構造・機能の解析のみならず、何らかの機能を人工的に付加した人工的な蛋白質の作製が可能になった。したがって、非天然型アミノ酸として、種々の標識物をアミノ酸骨格に結合させたものを用いることで、該標識物を取り込んだ標識化蛋白質が得られる。それぞれの標識物に応じた方法を用いて、該標識化蛋白質を直接的に、または標識物が酵素基質または抗原性物質である場合などは酵素化学的手法または酵素免疫化学的手法などの間接的手法により、検出および/または精製することができ、様々な医学、薬学、高分子化学、生化学等に関連する技術分野において様々な用途への利用が期待される。
しかしながら、tRNAに結合さえすれば、いかなる非天然型アミノ酸も蛋白質へ導入できるわけではない。天然の蛋白質合成系は20種類の天然アミノ酸ならばどれでも区別なくポリペプチド鎖に組み込む寛容性を持っており、非天然型アミノ酸についてもある程度の許容性をもっていると考えられるが、1−ピレニルアラニン、フェロセニルアラニンなどのかさ高い分子構造を有する側鎖を持つアミノ酸を蛋白質に導入することは、天然の蛋白質合成系では不可能である。天然の蛋白質合成系では、リボソームには2つのtRNA取り込み部位があり、その1つにはポリペプチドが結合したtRNAが、他の1つには未反応のアミノ酸を担持しているtRNAが取り込まれるが、かさ高いアミノ酸が結合しているtRNAはリボソームに取り込まれることができず、蛋白質に導入できないと推測されている。
標識化合物のうち、特に、蛍光物質は、蛋白質の標識物として非常に有用性の高い物質である。さらに、可視光域における発光物質は、広く一般に普及している検出機器によって検出できる。また、種々の高感度な検出機器が既に開発され、普及している。さらに、細胞標識等においても細胞内の蛍光発光による干渉作用を受けないので、標識化合物として非常に有用性が高い。しかしながら、これらの蛍光物質はその分子量が大きく、非天然型アミノ酸の標識化合物として使用した場合、蛋白質合成系を用いた方法ではその蛋白質への導入が困難である。さらに、蛍光性、発光性の他にも、酵素反応性、抗原性、蛋白質結合性および分子間相互作用性など様々な機能を有する化合物が標識化合物として有用である。そこで、標識化合物の分子量によって蛋白質合成系を用いた方法により蛋白質への導入の可能性が制限されるという問題が、当該技術において解決されることが望まれている。
本発明は、蛋白質合成系を利用して蛋白質内に導入可能な標識化アミノ酸を提供する。さらに、該標識化アミノ酸が導入されることにより、標識化合物由来の機能を有する機能性蛋白質も提供する。
さらに本発明は、標識化アミノ酸−tRNA結合体を収率よく得るための新規方法を提供する。該方法によって、上記標識化アミノ酸の蛋白質合成系を介する蛋白質への導入が可能である。
本発明は、以下の態様:
1. 芳香環を介して標識化合物がアミノ酸に結合している標識化アミノ酸であって、該芳香環が、天然型アミノ酸の側鎖に含まれているものまたはアミノ酸の側鎖に結合されたものである、上記標識化アミノ酸、
2. アミノ酸がフェニルアラニン、チロシン若しくはトリプトファンまたはその誘導体である、上記1に記載の標識化アミノ酸、
3. アミノ酸がアミノフェニルアラニンまたはその誘導体である、上記2に記載の標識化アミノ酸、
4. 上記芳香環においてアミノ酸骨格に対してメタ位またはパラ位に標識化合物が結合していることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の標識化アミノ酸、
5. 上記芳香環においてアミノ酸骨格に対してパラ位に標識化合物が結合していることを特徴とする、上記4に記載の標識化アミノ酸、
6. アミノ酸と標識化合物とがスペーサーを介して結合している、上記1〜5のいずれか1項に記載の標識化アミノ酸、
7. スペーサーがC、O、NもしくはSまたはこれらの組み合わせからなる2〜18個の原子が直鎖状に結合している直鎖構造を有する、上記1〜6のいずれかに記載の標識化アミノ酸、
8. スペーサーがC、O、NもしくはSまたはこれらの組み合わせからなる4〜15個の原子が直鎖状に結合していることを特徴とする、上記7に記載の標識化アミノ酸、
9. 標識化合物が色素化合物、蛍光物質、化学または生物発光物質、酵素基質、補酵素、抗原性物質および蛋白質結合性物質からなる群より選択されるものを含む、上記1〜8のいずれかに記載の標識化アミノ酸、
10. 標識化合物が蛍光物質である、上記9に記載の標識化アミノ酸、
11. 蛍光物質が可視光域に励起波長および発光波長を有する物質である、上記10に記載の標識化アミノ酸、
12. 蛍光物質が、その化学構造に4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを基本骨格として含む化合物又はその塩もしくはその誘導体である、上記11に記載の標識化アミノ酸、
13. 蛍光物質が、4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸又はその塩である、上記11に記載の標識化アミノ酸、
14. 下記式(式I):
Figure 0004362106
で表される、標識化アミノ酸、
15. 下記式(式II):
Figure 0004362106
で表される、標識化アミノ酸、
16. さらに、pdCpA基に結合していることを特徴とする、上記1〜15のいずれかに記載の標識化アミノ酸、
17. 1個以上の上記1〜15のいずれかに記載の標識化アミノ酸が導入された機能性蛋白質、
18. 標識化アミノ酸が4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸又はその塩を含む化合物で標識されたものである、上記17に記載の機能性蛋白質、
19. 1個以上の上記14または15に記載の標識化アミノ酸が導入されている、4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸又はその塩を含む化合物で標識された機能性蛋白質、
20. 抗体、ストレプトアビジン誘導体または緑色蛍光蛋白質誘導体である、上記17〜19のいずれかに記載の標識化機能性蛋白質、
21. ラクダ抗リゾチーム抗体誘導体である、上記20に記載の標識化機能性蛋白質、
22. 抗原であるリゾチーム分子と結合することにより蛍光偏光が増大することを特徴とする、上記21に記載のラクダ抗リゾチーム抗体誘導体、
23. 上記1〜15のいずれかに記載の標識化アミノ酸が導入された機能性蛋白質の合成方法であって、標識化合物の導入が、無細胞蛋白質合成系または生細胞による蛋白質合成系により達成される、上記方法、
24. 蛋白質合成系として4塩基コドン法、終止コドン法または人工塩基コドン法を使用する、上記23に記載の機能性蛋白質の合成方法、
25. 蛋白質合成系として4塩基コドン法を使用する、上記24に記載の機能性蛋白質の合成方法、
26. 上記1〜15に記載の標識化アミノ酸と、該アミノ酸をコードするように設計されたコドンに対するアンチコドンを有するtRNAとが結合している、アミノアシルtRNA、ならびに、
27. 上記26に記載のアミノアシルtRNAを合成する方法であって、アミノ酸にpdCpA基を結合させた後、該pdCpA結合アミノ酸を標識化合物と反応させて標識化アミノ酸−pdCpAを得、これをtRNA(−CA)と結合させることを特徴とする、上記方法、
に関する。
本発明により提供される標識化アミノ酸を蛋白質合成系を介して蛋白質に導入させ、標識化蛋白質を合成することが可能である。
本明細書中の「アミノ酸」とは、一般的に用いられている通り、天然型または非天然型を問わず、同一分子内にカルボキシル基とアミノ基を有するあらゆる化合物を指し、「標識化アミノ酸」とは標識化合物と結合したアミノ酸をいう。本明細書中の「アミノ酸骨格」はアミノ酸中のカルボキシル基、アミノ基、およびこれらを連結している部分を含有する。
本明細書中に用いる「スペーサー」という用語は、標識化アミノ酸分子におけるアミノ酸部と標識化合物とを連結している部分を指す。即ち、標識化アミノ酸分子内のアミノ酸側鎖と標識化合物が直接結合しているのではなく、アミノ酸側鎖と標識化合物との間に1つ以上の原子が存在する場合、該標識化アミノ酸のアミノ酸部と標識化合物はスペーサーを介して連結しているという。スペーサーは、その主鎖部分にC、O、NおよびSのうちの少なくとも1種を少なくとも1つ以上含んでいればよい。またスペーサーの主鎖構造は、上記原子が2〜10個、好ましくは3〜8個、さらに好ましくは5、6または7個が直鎖状に結合したものが好ましく、直鎖構造内には、二重結合が1つ以上含まれていてもよい。さらに、スペーサーは、ベンゼン環および/またはシクロヘキシル環などの環状構造を1〜数個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、有していてもよい。また、ベンゼン環やシクロヘキシル環などの環状構造、もしくは環状構造と上記直鎖構造とが組み合わされた構造のものでもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプテン、ポリスチレン、ポリビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリオレフィン、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどのポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネートなどが挙げられる。
標識化合物の種類によっては、導入された蛋白質内においてその機能をより効果的に発揮するために、スペーサーを介してアミノ酸と結合することが有利なものもある。例えば、標識化合物の種類によっては、スペーサーを介して結合している方が、導入された蛋白質内での該標識物への立体障害が軽減されるということが考えられる。
さらに、本発明の標識化アミノ酸は、アミノ酸部の側鎖に芳香環を有し、該芳香環に、スペーサーを介してまたはスペーサーを介さずに、標識化合物が結合しているものが好ましい。
本明細書で用いる「芳香環」とは、一般的に、あらゆる不飽和環状化合物を指す。したがって、5もしくは6員の複素芳香環、または2個以上、好ましくは2〜5個、さらに好ましくは2〜3個の環構造を含む多環性化合物も含む。特に、芳香環はベンゼン環であることが好ましい。天然型アミノ酸のうち、フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンはその側鎖に芳香環を含有する天然型芳香族アミノ酸であり、該芳香環に標識化合物が(スペーサーを介してまたはスペーサーを介さずに)結合したものは、本発明の標識化アミノ酸の好ましい例として挙げることができる。
芳香環を有するアミノ酸と標識化合物の結合およびスペーサーを介した芳香環を有するアミノ酸と標識化合物との結合は、適当な官能基どうしの結合を利用すればよい。蛋白質合成の際にペプチド伸長反応に関与しない、天然型あるいは非天然型アミノ酸の、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、水酸基、アルデヒド基、アリル基、ハロゲン化アルキル基など種々の官能基のいずれかに標識化合物を、スペーサーを介して、または介さずに結合する。アミノ基標識用プローブとしてスクシンイミドエステル、イソチオシアネート、スルホニルクロライド、NBD−ハライド、ジクロロトリアジンなどの化合物が、チオール基標識用プローブとしてアルキルハライド、マレイミド、アジリジンなどの化合物が、カルボキシル基標識用プローブとしてジアゾメタン化合物、脂肪族臭化物、カルボジイミドなどが利用できる。例えば、標識化合物にスペーサーを介して、または介さずに、スクシンイミドエステルを導入し、かつアミノ酸の芳香環にアミノ基を導入しアミド結合により両者を結合させることができる。芳香環にアミノ基を導入したアミノ酸として、例えばアミノフェニルアラニンが挙げられる。この際に用いる官能基は、適宜選択導入できるし、結合方法も適宜選択できる。この際、アミド結合形成反応をpH5程度で行なうことで、他にアミノ基が存在していても、アミノフェニルアラニンの側鎖のアミノ基に選択的に反応させることができる。あるいは、他のアミノ基をBoc化等により保護し、反応後脱Boc化すればよい。この方法は、例えば、「新生化学実験講座1 蛋白質VI 構造機能相関」の記載等を参照すればよい。
なお、本発明の標識化アミノ酸を、後述の蛋白質合成に用いて標識化機能性蛋白質を作製するためには、アミノ酸にtRNAと結合させるために必要な特定の基を結合させておく必要がある。例えば、アミノ酸のカルボキシル基にジヌクレオチド(pdCpA)を結合させておけば、3’末端のCAジヌクレオチドを欠落させたtRNA(tRNA(−CA))と結合させ、人工アミノアシルtRNAを作製することができる。
アミノ酸骨格を形成する原子に芳香環が直接結合していても、C、O、NおよびSのうちの少なくとも1種の1、2、または3個の原子を介して間接的に結合していてもよい。芳香環はベンゼン環である場合、ベンゼン環上にスペーサーまたは標識化合物が結合する位置は、アミノ酸骨格の位置に対して、パラ位またはメタ位であることが、リボゾームへの取り込み効率がより高くなり、より好ましく、特にパラ位であることが好ましい。
前述のように、芳香環の官能基にスペーサーを介してまたは介さずに標識化合物を結合させる。アミノフェニルアラニンの場合、パラアミノフェニルアラニン、メタアミノフェニルアラニンが好ましい。
本発明の標識化アミノ酸は、その標識物の特性を有するため、所望の機能を有する標識化合物を選択することにより、標識化アミノ酸に所望の機能を付加することができる。本明細書中では、このような標識化合物に由来する機能を有する蛋白質を「機能性蛋白質」と呼ぶ。
本発明において用いる標識化合物は、当業者には公知の色素化合物、蛍光物質、化学/生物発光物質、酵素基質、補酵素、抗原性物質および蛋白質結合性物質であり、蛋白質合成系に用いるには、分子量が1500以下、好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下のものがよい。木発明に利用可能な蛍光物質としては、ローダミン、フルオレセイン(FITC)、テキサスレッド、アクリジンオレンジ、サイバーグリーン、Cy3、Cy5、ならびにBODIPY化合物等、ならびにこれらの誘導体を含む公知のあらゆる蛍光物質が挙げられる。
本発明に使用するのに特に好ましい蛍光物質として、その化学構造に4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを基本骨格として含む化合物又はその塩もしくはその誘導体を挙げることができる(本明細書中では、該化合物又はその塩もしくはその誘導体を総称してBODIPY化合物とも呼ぶ)。その例としては、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)TR、BODIPY(登録商標)R6G、BODIPY(登録商標)558/568およびBODIPY(登録商標)576/589をはじめ、蛍光特性を異にする多種多様なものが、Molecular Probes社(オレゴン州、米国)等から市販されているが、現在市販品として入手可能なものに限定はされない。
ルシフェリン、ルミジェン等の化学もしくは生物発光物質またはその誘導体も標識化化合物として本発明に用いることができる。蛍光標識化合物としては、可視光域内(400〜700nm付近)に励起波長を有し、さらに可視光域内に発光波長を有するものが好ましく、水溶液中での発光強度が強いものが特に好ましい。BODIPY化合物には、可視光域内に励起波長および発光波長を有するものが種々あり、例えば、BODIPY FLは、488nmの光で励起され、可視光領域で強い発光を有するため、アルゴンレーザー光によって励起可能であり、既存の汎用機器で高感度かつ容易に検出できるという点で大きな利点を有する。
さらに、補酵素類、抗原性を有する物質および特定の蛋白質に結合することが判っている物質などの中から、対象とする蛋白質に付与したい機能に応じて適宜選んで、それを標識化合物として本発明に用いることができる。さらに、特定の酵素に対する基質は(例えば、アルカリホスファターゼまたはβガラクトシダーゼに対する基質等)その酵素による呈色反応を利用して検出することができる。
また、抗原性を有する物質、特定の蛋白質に結合することが判っている物質で標識された蛋白質は、抗体または結合する蛋白質を用いた間接的検出法に用いることができる、および、精製が簡便であるという利点を有している。例えば、本発明の方法を用いてビオチンで標識した機能性蛋白質は、ビオチンを介してアビジンまたはストレプトアビジンと結合するという機能を有しており、この機能を利用すれば、本発明の方法によりまたは化学的に蛍光化合物等で標識したアビジンもしくはストレプトアビジンとの結合を利用して特定の物質の検出系を確立することが可能である。この他、種々の色素、ならびに、さまざまな生化学的、化学的、免疫化学的な検出方法で検出可能な物質を標識化合物に用いることができることが、当業者には理解できる。
本発明の特定の態様においては、市販の蛍光色素BODIPY化合物の1つである4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸(4,4−Difluoro−5,7−Dimethyl−4−Bora−3a,4a−Diaza−s−Indacene−3−Propionic Acid;BODIPY(登録商標)−FL)をアミノフェニルアラニンの側鎖の芳香環に結合させた、上記式Iに示す構造を有するBODIPY FL標識化アミノフェニルアラニン誘導体(BODIPY FL−AF)が提供される。これは、蛋白質合成系にて蛋白質への導入が可能であり、得られる蛋白質は、BODIPYの蛍光特性(即ち、可視光にて強い発光を示す)を有しており、容易に検出可能である。
さらに別の態様では、BODIPY化合物の誘導体の1つである6−((4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)アミノ)ヘキサン酸(6−((4,4−Difluoro−5,7−Dimethyl−4−Bora−3a,4a−Diaza−s−Indacene−3−Propionyl)Amino)Hexanoic Acid;BODIPY(登録商標)FL−X)を標識化合物として用いる場合、BODIPY FL−X由来の−CO−CH−CH−CH−CH−CH−NH−の構造を有する部分をスペーサーとしてBODIPY FLがアミノ酸に結合したBODIPY標識化アミノ酸が得られる。
例えば、アミノ酸として、パラアミノフェニルアラニンを用いると、上記式IIで示される、BODIPY FL−X−アミノフェニルアラニン(BODIPY FL−X−AF)が得られる。
BODIPY FL−X−アミノフェニルアラニン(BODIPY FL−X−AF)の他、BODIPY R6G−AF、BODIPY 576/589−AFおよびBODIPY 558/568−AFも、本発明において好ましい標識化アミノ酸であるが、特にBODIPY FL−AFおよびBODIPY 558/568−AFが好ましい。
本発明の標識化アミノ酸を蛋白質合成系に用いる場合、本発明の標識化アミノ酸が結合したアミノアシルtRNAを合成する必要がある。このため、本発明の標識化アミノ酸はtRNAと結合するための結合部分を有する必要があり、該部分として例えばジヌクレオチド(pdCpA)が挙げられる。この際、あらかじめアミノ酸にpdCpAを結合させておき、アミノ酸−pdCpAを適当な標識化合物で標識すればよい。
例えば、アミノフェニルアラニンにpdCpAを結合させたAF−pdCpAをアミノ酸として用いる場合、BODIPY FL−Xと結合させると、下記式(式III):
Figure 0004362106
で示される構造を有する標識化アミノ酸−pdCpA(BODIPY FL−X−AF−pdCpA)が得られる。該化合物において、上述の通りBODIPY FL−X由来の−CO−CH−CH−CH−CH−CH−NH−の構造を有する部分からなるスペーサーを介して、アミノフェニルアラニン−pdCpA(AF−pdCpA)と標識化合物であるBODIPY FLが結合している。該標識化アミノ酸もまた、蛋白質合成系にて蛋白質への導入が可能であり、得られる蛋白質は、BODIPY FLの蛍光特性(即ち、可視光にて強い発光を示す)を有しており、容易に検出可能である。
このように、BODIPY FL−Xは、本発明におけるスペーサーが既に含有された標識化合物として本発明の標識化アミノ酸の合成に特に有用である。
本発明における標識化アミノ酸としては、上記のBODIPY FL−AFまたはBODIPY FL−X−AFが特に好ましい。BODIPY FLの蛍光特性を保持し、かつ、蛋白質合成系によって蛋白質中に効率よく取り込まれるからである。例えば、BODIPY FL標識化リジンであるBODIPY FL−KおよびBODIPY FL−X−Kと比較した場合、その蛋白質中への取り込みは有意に高い。後述の実施例参照のこと。
本発明による標識化アミノ酸を蛋白質に導入することにより、所望の蛋白質分子内に上記標識化アミノ酸が導入された機能性蛋白質が得られる。該蛋白質は、所望の任意のものであってよく、酵素、ならびに抗体およびストレプトアビジンなどの特定の分子に結合する特性を有する蛋白質であってもよい。
本発明はまた、上記機能性蛋白質を合成する方法を提供する。機能性蛋白質を蛋白質生合成系で合成するには、本発明の標識化アミノ酸と、該標識化アミノ酸を特異的にコードするように設計したコドンに対するアンチコドンとが結合されているアミノアシルtRNAを作製することが必要である。かかるアミノアシルtRNAを合成するには、例えば、アミノ酸のアミノ基をBoc化等により保護し、ジヌクレオチド(pdCpA)に結合させた後に脱Boc化などの脱保護化の処理をし、得られたアミノ酸−pdCpAと標識化合物を反応させることによって、芳香環に導入された官能基を介して標識化合物を結合させ、得られたpdCpAと標識化アミノ酸との結合物を液体クロマトグラフィーにより精製し、一方で、3’末端のCAジヌクレオチドが欠落したtRNA(tRNA(−CA))を作製し、これに標識化アミノ酸−pdCpAをリガーゼで結合させることにより得られる。このような、アミノ酸をまずpdCpAと結合させた後に標識化合物と反応させて標識化アミノ酸−pdCpA結合体を得るという上記標識化アミノ酸−pdCpA結合体の作製方法も本発明に包含される。従来の方法では、アミノ酸をtRNAにアミノアシルtRNA合成酵素により結合させた後に標識化合物と反応させるか、または標識化アミノ酸を一旦合成した後にpdCpAと接合させ、それをtRNAに結合させていた。しかし、アミノ酸−tRNA結合体を標識化する方法では、α−アミノ基と側鎖のアミノ基を区別して標識することが困難であり、また、反応しなかったアミノ酸−tRNA結合物を取り除くことも困難である。その結果、目的の標識化アミノ酸−tRNA結合物の収率、および標識化アミノ酸の蛋白質への導入効率が大きく低下してしまう。さらには、アミノアシルtRNA合成酵素は一般にアンチコドン部分も認識しているために、4塩基コドン法や人工塩基コドン法、終止コドン法に用いるtRNAをアミノアシル化することができない。また、アミノ酸として天然のアミノ酸しか標識することができない、という欠点がある。一方、標識化アミノ酸を一旦合成した後にpdCpAと結合させ、さらにそれをtRNAに結合させる方法では、標識化合物を結合させてから目的物を得るまでに何ステップも反応を行なうために標識化合物の使用量あたりの収率が非常に低くなり、蛍光修飾剤のような高価な物質を用いて標識する場合には特に問題となる。さらには、標識化アミノ酸をpdCpAと結合させる際に反応試薬として使用する酸や塩基によって標識物質の分解が起こる可能性もある。
本発明による標識化アミノ酸−tRNA結合物の作製法では、最後に標識化合物と反応させるため、効率よく標識化アミノ酸−pdCpA結合物を合成できる。また、アミノフェニルアラニンの場合は、側鎖の芳香環にアミノ基が結合している場合にはα−アミノ基と側鎖のアミノ基を区別して標識することができるという点でも有利である。また、液体クロマトグラフィーにより標識化アミノ酸−pdCpA結合物を反応しなかったアミノ酸−pdCpAから完全に簡単に分離精製することができる。さらには、最後のステップで標識化合物で標識するため、様々な種類の標識化剤について合成することが容易にできる。
かかる方法により作製された標識化アミノアシルtRNAは、無細胞翻訳系または生細胞による蛋白質合成系を利用して実施することができる。無細胞翻訳系としては、4塩基コドン法、人工塩基コドン法または終止コドン法を使用することが好ましい。終止コドン法の詳細な方法は、Science,244,p.182.1989およびJ.Am.Chem.Soc.,111,p.8013,1989を、人工塩基コドン法についてはHirao,I.,et al.,Nature Biotech.,20,177−182,2002の記載を、4塩基コドン法についてはHohsaka T.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,118,9778−9779,1996およびHohsaka T.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,121,34−40,1999の記載を参照にされたい。また、生細胞による蛋白質合成系により非天然型アミノ酸を導入した蛋白質を得るには、アミノアシルtRNA及びmRNAを細胞内へマイクロインジェクションにより注入する方法が知られており(Sciene,268,p.439,1995)、この手法により生細胞に本発明の機能性蛋白質を発現させることができる。
所定の蛋白質分子の任意の位置に任意の数の標識化アミノ酸を導入できるという点で、4塩基コドン法を利用する方が有利な場合がある。
したがって、本発明は上記方法により合成された、機能性蛋白質も包含する。かかる機能性蛋白質は、その分子内に含む標識化合物に由来する特性を有しているので、この特性を利用してさまざまな応用が考えられる。
例えば、本発明の方法を用いて蛍光化合物で標識したアミノ酸を有する標識化蛋白質を得て、該蛋白質と該蛋白質と結合し得る物質を結合させ、結合体の蛍光偏光を測定することにより、前記蛋白質を結合し得る物質を検出することができる。あるいは、該蛋白質と結合し得る物質を結合させたチップやプレートなどに、該蛋白質を反応させ、洗浄後蛍光を測定するか、または未洗浄でエバネッセント蛍光を測定することによっても、前記蛋白質に結合し得る物質を検出することができる。さらには、一分子蛍光測定法により、該蛋白質の分子運動の様子あるいは特定の蛋白質への結合などを直接観察することも可能である。また、該蛋白質を細胞に結合させてフローサイトメトリーを行い、該蛋白質に対するレセプターを持つ細胞を分離したり、該蛋白質を細胞へ取り込ませ、該蛋白質の細胞内での分布を調べたりすることもできる。蛍光変化の検出や蛍光相関分光法により他の物質との結合や結合部位環境の探索等、様々な分野に本発明の機能性蛋白質を応用することが可能である。後述の実施例において、本発明の機能性蛋白質の例として、ストレプトアビジンおよびラクダ抗リゾチーム抗体のBODIPY FL標識化誘導体を示している。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2002−209736号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図1は、BODIPY FL−X−AF−pdCpA((BFLXAF−pdCpA)をHPLCにより分離した際のフローチャートである。
図2は、BODIPY FL−X−AF−tRNA合成の該略図である。
図3は、4塩基法により、BODIPY FL−X−AF、BODIPY FL−AF、BODIPY FL−X−KおよびBODIPY FL−Kをストレプトアビジンに導入させて、その生成されたストレプトアビジンの蛍光検出(右)およびウエスタンブロット分析(左)の結果である。
図4は、BODIPY FL−X−AFを導入した抗リゾチーム抗体(ラクダ抗体)の蛍光を測定することにより、リゾチームの定量を行った結果である。右側には、反応の模式図を示している。
図5Aは、BODIPY FL−AF、BODIPY R6G−AF、BODIPY 558/568−AFおよびBODIPY 576/589−AFの構造式を示している。これらをそれぞれ4塩基法により、ストレプトアビジンに導入させて、その生成されたストレプトアビジンの蛍光検出(B)およびウエスタンブロット分析(C)の結果である。
図6Aは、Biotin−Lys、Biotin−X−Lys、Biotin−AFおよびBiotin−X−AFの構造式を示している。これらをそれぞれ4塩基法により、緑色蛍光蛋白質に導入させて、その生成された緑色蛍光蛋白質の蛍光検出(B)およびストレプトアビジン結合アルカリフォスファターゼによるウエスタンブロット分析(C)の結果である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
BODIPY FL−AF−pdCpA、BODIPY FL−X−AF−pdCpA、BODIPY FL−K−pdCpAおよびBODIPY FL−X−K−pdCpAの合成
AF−pdCpAの合成
pdCpA tetra−n−butylammoniumのDMF溶液(0.044μmol/μL)5μLに、di−Boc−aminophenylalanine cyanomethylester 1.1μmolを加え、室温で2時間反応させた。HPLCにより反応の進行を確認した後、反応液にジエチルエーテル1.4mL加えた。撹拌し、15000rpmで5分間遠心し、上清を取り除いた。沈殿にアセトニトリル20μLを加えて溶解させ、ジエチルエーテル1.4mLを加え、撹拌し、15000rpmで5分間遠心した。上清を取り除き、再び沈殿にアセトニトリル20μLを加えて溶解させ、ジエチルエーテル1.4mLを加えて撹拌し、15000rpmで5分間遠心した。上清を取り除き、減圧乾燥した。
ここへ、氷冷しながらトリフルオロ酢酸100μLを加え、軽く撹拌して溶解させ、10分間氷上に置いた。トリフルオロ酢酸を減圧除去し、ジエチルエーテル1.4mLを加えて撹拌後、遠心し上清を取り除いた。ジエチルエーテルによる洗浄をさらに2回行なった。減圧乾燥した後、DMSO 40μLに溶解させた。
BODIPY FL−AF−pdCpA、BODIPY FL−X−AF−pdCpAの合成
AF−pdCpAのDMSO溶液8μLに、BODIPYFL−SEまたはBODIPYFL−X−SE(Molecular Probes社製)の0.1M DMSO溶液を1μL、DMSOを7μL、0.1M pyridine−HCl(pH5.0)を16μL加え、37℃で12時間反応させた。逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により目的物を含むフラクションを回収し(HPLCのチャート有り)、遠心濃縮機により溶媒を除去した。一部を取って0.1M NaOHにより加水分解を行い、遊離したpdCpAの量をHPLCにより定量し、回収した目的物の濃度を決定した。2.2mMとなるようにDMSOに溶解させた。
BocLys−pdCpAの合成
pdCpA tetra−n−butylammoniumのDMF溶液(0.044μmol/μL)5μLに、α−Boc−ε−Nps−lysine cyanomethylester 1.1μmolを加え、室温で2時間反応させた。逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により反応の進行を確認した後、反応液にジエチルエーテル1.4mL加えた。撹拌し、15000rpmで5分間遠心し、上清を取り除いた。沈殿にアセトニトリル20μLを加えて溶解させ、ジエチルエーテル1.4mLを加え、撹拌し、15000rpmで5分間遠心した。上清を取り除き、再び沈殿にアセトニトリル20μLを加えて溶解させ、ジエチルエーテル1.4mLを加え、撹拌し、15000rpmで5分間遠心した。上清を取り除き、減圧乾燥した。
これを、200μLの40mM Sodium thiosulfate,50mM Sodium acetate,pH4.7に溶解させ、室温で1時間放置した。逆相HPLCにより目的のピークを分取し、遠心濃縮機により溶媒を除去した。3mMとなるようにDMSOに溶解させた。
BODIPY FL−K−pdCpA、BODIPY FL−X−K−pdCpAの合成
BocLys−pdCpAの3mM DMSO溶液5μLに、BODIPYFL−SEまたはBODIPYFL−X−SE(Molecular Probes社製)の0.1M DMSO溶液を1μL、DMSOを5μL、0.1M NaHCOを10μL加え、氷上で30分間反応させた。1M酢酸を1.5μL加え中和した後、0.1%TFAで希釈して逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により目的物を含むフラクションを回収した。遠心濃縮機により溶媒を除去し、ジオキサン50μLに溶解させた。4M HCl水溶液を50μL加え、室温で2時間置いた。2M酢酸アンモニウム50μLを加え、逆相HPLCにより目的物を含むフラクションを回収した。遠心濃縮機により溶媒を除去した。一部を取って0.1M NaOHにより加水分解を行い、遊離したpdCpAの量を逆相HPLCにより定量し、回収した目的物の濃度を決定した。2.2mMとなるようにDMSOに溶解させた。
アミノアシル−tRNAの合成
5xLigation Buffer(275mM Hepes−Na pH7.5,75mM MgCl,16.5mM DTT,5mM ATP)4μL、200μM tRNA(−CA)2.5μL、アミノアシル−pdCpAのDMSO溶液2μL、0.1% BSA 0.4μL、T4 RNA Ligase(25units/μL)1.2μL、水9.9μLを混合し、4℃で2時間反応させた。3M AcOK pH4.5を10μL、水70μLを加え、等量のフェノール/クロロホルム=1/1(0.3M AcOK pH4.5で飽和させたもの)を加え撹拌し、遠心した。上層を回収し、等量のクロロホルムを加え、撹拌、遠心した。上層を回収し、エタノール300μLを加え、軽く混合し、−20℃で1時間置いた。15000rpm 30min 4℃で遠心した後、上清を除き、−20℃で保存してある70% EtOH 200μLを加え、15000rpm 4℃で5秒遠心した。上清を除き、減圧乾燥した。1mM酢酸カリウムpH4.5 2μLに溶解させた。
BODIPY FL−X−AF−tRNAの合成を例として上記合成反応の該略図を図2に示す。
ストレプトアビジンのTyr83部位へのBODIPY FL標識化アミノフェニルアラニンま たはリジンの導入
反応液(10μL)に、55mM Hepes−KOH(pH7.5),210mMグルタミン酸カリウム,6.9mM酢酸アンモニウム,1.7mMジチオスレイトール,1.2mM ATP,0.28mM GTP,26mMホスホエノールピルビン酸,1mMスペルミジン,1.9% ポリエチレングリコール−8000,35μg/mL葉酸,12mM 酢酸マグネシウム,0.1mM 20種類のアミノ酸、N末端にT7 TagおよびC末端にHisTagを付加したストレプトアビジンのmRNAであって、Tyr83部分のコドンを上記標識化アミノ酸をコードするCGGGに置換したもの(配列番号1)(8μg/μL)を1μL、大腸菌抽出液(Promega社製)を2μL、上記アミノアシル−tRNA溶液を1μL混合した。37℃で1時間翻訳反応を行なった。翻訳反応液1μLに、水9μLと2×サンプルバッファー10μLを加え、95℃5分間加熱した。このうちの5μLを15% SDS−PAGEに流し、終了後、蛍光スキャナー(Moldecular Dynamics社製FluorImager595、励起光488nm、蛍光フィルター530DF30)で観察した。同じゲルについて、抗T7tag抗体を用いたウエスタンブロット分析を行なった。BODIPY FL−AF−tRNAおよびBODIPY FL−X−AF−tRNAを加えて翻訳反応を行なった場合、ウエスタンブロット分析において野生型ストレプトアビジンと同じ位置にバンドが見られること、及び、そのバンドが蛍光を発することから、BODIPY FL−AF(BFLAF)およびBODIPY FL−X−AF(BFLXAF)がストレプトアビジンへ導入されたことが確認された。なお、BODIPY FL−K(BFLK)およびBODIPY FL−X−K(BFLXK)も、同様にストレプトアビジンへの導入が確認されたが、BODIPY FL−KおよびBODIPY FL−X−Kともに、BODIPY FL−AFおよびBODIPY FL−X−AFに比べて、ウェスタンブロッティングおよび蛍光スキャナーで検出される蛋白質量が非常に低かった。ウエスタンブロットおよび蛍光検出の結果を図3に示す。
蛍光偏光度測定
抗リゾチーム抗体のN末端にBODIPY FL−X−AFが導入され、さらにN末端側にT7Tag、C末端側にHisTagが付加された抗リゾチーム抗体(ラクダ由来)をコードするmRNA(配列番号2)を用いて、BODIPY FL−X−AF−tRNAの存在下で、ストレプトアビジンと同様に翻訳反応を行なった。ただしジスルフィド結合形成のために、ジチオスレイトールの代りに2mM酸化型グルタチオンを加えた。金属キレートカラム(Clontech社製TALON)により精製し、溶出液にリゾチームを添加しながら蛍光偏光度測定を行なった(Panvera社製BEACON2000を使用)。その結果、リゾチームの添加に伴って、蛍光偏光度が増加していくことが確認された。これはN末端にBODIPY FL−X−AFが導入された抗リゾチーム抗体に、抗原であるリゾチームが結合したために、分子運動が抑制され、BODIPY FL−X−AFの示す蛍光偏光度が増加したためである。図4に測定の結果を示す。
BODIPY R6G−AF−pdCpA、BODIPY 558/568−AF−pdCpA、BODIPY 576/589−AF−pdCpAの 合成
AF−pdCpAのDMSO溶液10μLに、BODIPYR6G−SE、BODIPY 558/568−SE、またはBODIPY576/589−SE(Molecular Probes社製)の0.1M DMSO溶液を5μL、DMSOを15μL、0.1M ピリジン−HCl(pH5.0)を20μL加え、37℃で48時間反応させた。逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により目的物を含むフラクションを回収し、遠心濃縮機を用いて溶媒を除去した。0.1%トリフルオロ酢酸に溶解させ、一部を取って0.1M NaOHにより加水分解を行い、遊離したpdCpAの量をHPLCにより定量し、回収した目的物の濃度を決定した。2.2mMとなるようにDMSOに溶解させた。
BioAF−pdCpA、BioX−AF−pdCpAの合成
AF−pdCpAのDMSO溶液10μLに、Biotin−SEまたはBiotin−X−SE(Sigma社製)の0.1M DMSO溶液を5μL、DMSOを5μL、0.1M ピリジン−HCl(pH5.0)を20μL加え、37℃で24時間反応させた。逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により目的物を含むフラクションを回収し、遠心濃縮機により溶媒を除去した。一部を取って0.1M NaOHにより加水分解を行い、遊離したpdCpAの量をHPLCにより定量し、回収した目的物の濃度を決定した。2.2mMとなるようにDMSOに溶解させた。
BioK−pdCpA、BioX−K−pdCpAの合成
BocLys−pdCpAの3mM DMSO溶液4μLに、Biotin−SEまたはBiotin−X−SE(Sigma社製)の0.1M DMSO溶液を2μL、DMSOを2μL、0.1M NaHCOを8μL加え、氷上で30分間反応させた。1M酢酸を1.2μL加え中和した後、0.1% TFAで希釈して逆相HPLC(溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸とメタノールのリニアグラジエント)により目的物を含むフラクションを回収した。遠心濃縮機により溶媒を除去し、氷冷下トリフルオロ酢酸100μLを加え溶解させ、氷冷下5分間置いた。トリフルオロ酢酸を減圧除去した後、水200μLを加え、一部を取って0.1M NaOHにより加水分解を行い、遊離したpdCpAの量を逆相HPLCにより定量し、回収した目的物の濃度を決定した。遠心濃縮後、2.2mMとなるようにDMSOに溶解させた。
ストレプトアビジンのTyr83部位へのBODIPY R6G、BODIPY 558/568、BODIPY 576/589標識化アミノフェニルアラニンの導入
BODIPY FL標識化アミノフェニルアラニンまたはリジンの導入と同様に、翻訳反応、SDS−PAGEおよびウエスタンブロットを行なった。ただし、蛍光検出は励起光514nm、蛍光フィルター590DF30を使用して行なった。BODIPY R6G−AF(BR6GAF)、BODIPY 558/568−AF(B558AF)、BODIPY 576/589−AF(B576AF)を結合させたアミノアシルtRNAを加えて翻訳反応を行なった場合、ウエスタンブロット分析において野生型ストレプトアビジンと同じ位置にバンドが見られること、及び、そのバンドが蛍光を発することから、これらの標識化アミノフェニルアラニンがストレプトアビジンへ導入されたことが確認された。ウエスタンブロットおよび蛍光検出の結果を図5に示す。
緑色蛍光蛋白質のN末端部位へのビオチン標識化アミノフェニルアラニンまたは リジンの導入
N末端にT7TagおよびC末端にHisTagを付加した緑色蛍光蛋白質のmRNAであって、N末端部分のコドンを上記標識化アミノ酸をコードするCGGGに置換したもの(配列番号3)と、ビオチン標識化アミノフェニルアラニンまたはリジンを結合させたアミノアシルtRNAを使用して、ストレプトアビジンの場合と同様に翻訳反応とSDS−PAGEとを行なった。ただし、緑色蛍光蛋白質の蛍光検出を行なう場合は、β−メルカプトエタノールを含まないサンプルバッファーを使用し、加熱処理は50℃5分間で行なった。抗T7tag抗体によるウエスタンブロット分析はストレプトアビジンの場合と同様に行い、ストレプトアビジン結合アルカリフォスファターゼによるウエスタンブロット分析は、ストレプトアビジン(Sigma社製)2μg/mLとビオチン標識アルカリフォスファターゼ(Calbiochem社製)1μg/mLの混合溶液により行なった。ビオチン標識化アミノ酸を結合させたアミノアシルtRNAを加えて翻訳反応を行った場合、抗T7抗体を用いたウエスタンブロット分析において野生型緑色蛍光蛋白質と同じ位置にバンドが見られること(データは示していない)、緑色蛍光蛋白質に由来する蛍光バンドが観察されること、及び、ストレプトアビジン結合アルカリフォスファターゼによるウエスタンブロット分析によってバンドが検出されることが確認された。これらのことより、ビオチン標識化アミノフェニルアラニンまたはリジンが蛋白質へ導入されたことが確認された。ウエスタンブロットおよび蛍光検出の結果を図6に示す。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明により提供される標識化アミノ酸は蛋白質合成系に効率的に使用され、これを用いることにより標識化合物に由来する機能を有する蛋白質を蛋白質合成系で効率よく合成することができる。したがって、本発明により、機能性蛋白質を効率よく合成するための有効な新規手段を提供された。
配列番号1は、BODIPY−FLで標識されたT7タグおよびHis−Tagと融合したストレプトアビジンの人工的mRNAの配列を示す。該配列中、64〜96の配列はT7タグをコードし、112〜589の配列がストレプトアビジンをコードし、590〜607の配列がHis−Tagをコードしている。358〜361のCGGGの配列が、BODIPY FL−X−AFをコードしている。
配列番号2は、BODIPY−FLで標識されたT7タグおよびHis−Tagと融合したラクダ抗リゾチーム抗体の人工的mRNAの配列を示す。該配列中、64〜96の配列はT7タグをコードし、116〜514の配列がラクダ抗リゾチーム抗体をコードし、515〜532の配列がHis−Tagをコードしている。100〜103のCGGGの配列が、BODIPY FL−X−AFをコードしている。
配列番号3は、BODIPY−FLで標識されたT7タグおよびHis−Tagと融合した緑色蛍光蛋白質の人工的mRNAの配列を示す。該配列中、64〜96の配列はT7タグをコードし、116〜826の配列が緑色蛍光蛋白質をコードし、827〜844の配列がHis−Tagをコードしている。100〜103のCGGGの配列が、ビオチン標識化アミノ酸をコードしている。

Claims (11)

  1. パラアミノフェニルアラニンまたはチロシンの側鎖に含まれる芳香環を介して標識化合物が結合した標識化パラアミノフェニルアラニンまたはチロシンと、該標識化パラアミノフェニルアラニンまたはチロシンを特異的にコードするように設計したコドンに対するアンチコドンとが結合されてなる標識化アミノアシルtRNA
  2. パラアミノフェニルアラニンまたはチロシンと標識化合物とがスペーサーを介して結合している、請求項1に記載の標識化アミノアシルtRNA
  3. スペーサーがC、O、NもしくはSまたはこれらの組み合わせからなる2〜10個の原子が直鎖状に結合している直鎖構造を有する、請求項2に記載の標識化アミノアシルtRNA
  4. スペーサーがC、O、NもしくはSまたはこれらの組み合わせからなる3〜8個の原子が直鎖状に結合していることを特徴とする、請求項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  5. 標識化合物が色素化合物、蛍光物質、化学または生物発光物質、酵素基質、補酵素、抗原性物質および蛋白質結合性物質からなる群より選択されるものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  6. 標識化合物が蛍光物質である請求項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  7. 蛍光物質が可視光域に励起波長および発光波長を有する物質である、請求項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  8. 蛍光物質が、その化学構造に4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンを基本骨格として含む化合物又はその塩もしくはその誘導体である、請求項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  9. 蛍光物質が、4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸又はその塩である、請求項に記載の標識化アミノアシルtRNA
  10. 標識化合物が結合したパラアミノフェニルアラニンが下記式(式I):
    Figure 0004362106
    で表される、請求項1に記載の標識化アミノアシルtRNA
  11. 標識化合物が結合したパラアミノフェニルアラニンが下記式(式II):
    Figure 0004362106
    で表される、請求項1に記載の標識化アミノアシルtRNA
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