JP5881509B2 - アゾベンゼン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、アゾベンゼン化合物に関する。
アゾベンゼンは、近紫外光(320nm付近)の照射を受けてトランス体からシス体へと幾何異性化し、可視光(440nm付近)の照射を受けてシス体からトランス体へと異性化することが知られている。このような光照射に応答して化学構造を異性化させるフォトスイッチング機能は、有機材料(液晶材料や記憶素子)等に応用できるフォトクロミック分子として注目されている。近年、アゾベンゼンのフォトスイッチング機能を生化学分野へと応用し、細胞内へのイオン内流出(例えば、非特許文献1及び2参照)や、DNAの転写反応を制御する研究が報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
しかしながら、アゾベンゼン骨格のトランス体をシス体へと異性化させるために照射される紫外光は、組織、細胞等への浸透性が低く、更に短時間で細胞に重篤な障害をもたらすという問題がある。そのため、可視光に応答するアゾベンゼン誘導体の開発が進められている。しかしながら、可視光応答性のアゾベンゼン誘導体の合成には、複雑な有機合成反応を介してアゾベンゼンに芳香族性置換基を導入し、π電子共役系を拡張する必要であった。このようなアゾベンゼン誘導体は、水にきわめて難溶であり、生体機能制御用研究ツールとして、ペプチド、ペプチド核酸等に導入することが困難であった。
これまでに、アゾベンゼンのアゾ部位から芳香環を挟んでパラ位に窒素原子が導入されたアミノアゾベンゼンのトランス体の吸収極大波長は、無置換アゾベンゼンのトランス体に比べて約100nm〜150nm、長波長側の約400nm〜500nmに特徴的な吸収スペクトルを示すことが知られている。このような、可視光に吸収スペクトルを持つアミノアゾベンゼンは、その約2倍の波長光であり生体透過性に優れる近赤外領域(800nm〜1000nm)の同時二光子吸収を吸収することが報告されている(例えば、非特許文献4及び5参照)。
しかしながら、非特許文献4や非特許文献5に開示されるアミノアゾベンゼンは、光照射によるシス異性化能が低いという問題があった。
"Allosteric control of an ionotropic glutamate receptor with an optical switch"、M.Volgraf et al.,Nature Chemical Biology,(2006),Vol.2,No.1,47−51. "Mechanisms of photoswitch conjugation and light activation of an ionotropic glutamate receptor",P.Gorostiza et al.,PNAS,(2007),Vol.104,No.26,10865−10870. "Azobenzene−tethered T7 promoter for efficient photoregulation of transcription",M Liu,et al.,J.Am.Chem.Soc.,(2006),128,1009−1015. "Two−photon absorption in azoaromatic compounds",L.D.Boni et al.,Chem.Phys.Lett.,(2002),361,209−213. "Degenerate Two−photon absorption spectra in azoaromatic compounds",L.D.Boni et al.,Chem.Phys.Chem.,(2005),6,1121−1125.
フォトクロミック分子であるアゾベンゼン化合物が有するフォトスイッチング機能を、生体機能制御用研究ツールとして用いるには、生体内に類似した環境下において、可視領域の光での光応答性の獲得すること等が必要である。本発明の課題は、特に、生体機能制御用研究ツールとして有用なアゾベンゼン化合物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、新規アゾベンゼン化合物が、水溶性を有し、また可視領域の光に対して光応答性を有することから、生体機能制御用の研究ツールとして優れた作用を発揮することを見出した。本発明は斯かる知見に基づいて完成されたものであり、下記に示す態様の発明を広く包含するものである。
項1 下記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物;
Figure 0005881509
(式(1)中、
Xは硫黄原子、酸素原子、−CH−、又は直接結合であり、
Yは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基であり、
Aは保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)であり、
該アミノ酸残基(a1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(a2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
Bは保護基、ヒドロキシル基、C末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(b1)、又はC末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(b2)であり、
該アミノ酸残基(b1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(b2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基である。)。
項2 前記Xが硫黄原子であり、且つ前記Yが−CH−である、上記項1に記載のアゾベンゼン化合物。
項3 下記化学式(1)
Figure 0005881509
(式(1)中、
Xは硫黄原子、酸素原子、−CH−、又は直接結合であり、
Yは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基であり、
Aは保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)であり、
該アミノ酸残基(a1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(a2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
Bは保護基、ヒドロキシル基、C末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(b1)、又はC末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(b2)であり、
該アミノ酸残基(b1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(b2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基である。)。
にて示されるアゾベンゼン化合物の製造方法であって、
(i)下記化学式(2)
Figure 0005881509
(式(2)中、Yは前記式(1)と同じであり、A′は保護基である。)
にて示されるアニリン化合物を、酸化剤を用いて反応させる工程1、
(ii)工程1によって得られる下記化学式(3)
Figure 0005881509
(式(3)中、Y及びA′は前記式(2)と同じである。)
にて示されるニトロソ化合物と、下記化学式(4)
Figure 0005881509
(式(4)中、Xは前記式(1)と同じであり、B′は保護基又はヒドロキシル基である。)
にて表されるアニリン化合物を混合して反応させ、下記化学式(5)
Figure 0005881509
(式(5)中、Y及びA′は前記式(2)と同じであり、X及びB′は前記式(4)と同じである。)
にて示される、アゾベンゼン化合物を得る工程2、
(iii)必要に応じて上記化学式(5)で示されるアゾベンゼン化合物におけるA′及び/又はB′の保護基を脱保護する工程3、
及び、
(iv)必要に応じて上記工程2又は工程3で得られるアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する工程4、
を含む製造方法。
項4 前記Xが硫黄原子であり、且つ前記Yが−CH−である、上記項3に記載の製造方法。
項5 生体機能制御のための研究ツールとして用いられる上記項1に記載のアゾベンゼン化合物。
本発明のアゾベンゼン化合物は、それ自身がペプチド、並びにペプチド核酸といったアミド結合により主鎖骨格をなす分子に導入できるため、生体機能を光に制御するツールとして、並びにそれを作成する原料として有用である。
本発明のアゾベンゼン化合物の可視光に対する光応答性を示す実験結果。 本発明のアゾベンゼン化合物の可視光に対する光応答性を示す実験結果。 本発明のアゾベンゼン化合物を用いて作製した細胞導入剤を用いた実験結果。図中の(a)〜(c)は本発明のアゾベンゼン化合物に代わってアミノエチルエトキシアセテートを示し、(d)〜(f)は本発明のアゾベンゼン化合物のシス体とトランス体の混合物を示し、(g)〜(i)は、本発明のアゾベンゼン化合物のシス体とトランス体の混合物を示す。また、図中の(a)、(d)、及び(g)はTAMRAの蛍光を観察した像であり、図中の(b)、(e)、及び(h)はHoechst33258の蛍光を観察した像とTAMRAの蛍光を観察した像を合わせたものであり、図中の(c)、(f)、及び(i)は位相差にて観察した像である。 本発明のアゾベンゼン化合物を用いて作製した細胞導入剤を用いた実験結果。図中の(a)〜(c)は本発明のアゾベンゼン化合物のトランス体を示し、(d)〜(f)は本発明のアゾベンゼン化合物のシス体とトランス体の混合物を示す。また、図中の(a)及び(d)はTAMRAの蛍光を観察した像であり、図中の(b)及び(e)はHoechst33258の蛍光を観察した像とTAMRAの蛍光を観察した像を合わせたものであり、図中の(c)及び(f)は位相差にて観察した像である。 本発明のペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物と、DNAとの結合実験結果。
以下に、本発明について説明する。本発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては公知の文献等に基づいて当業者であれば容易、且つ確実に実施可能である。
本発明のアゾベンゼン化合物
本発明のアゾベンゼン化合物は、下記化学式(1)にて表される。
Figure 0005881509
上記化学式(1)におけるXは、硫黄原子、酸素原子、−CH−、又は直接結合である。中でも、上記化学式(1)にて示すアゾベンゼン化合物の、視光応答性、シス体の熱安定性等の観点から、Xは硫黄原子であることが最も好ましい。
上記化学式(1)におけるYは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基である。例えば、低級アルキレン基とは、炭素数が1個〜8個であることを意味する。より好ましくは炭素数が1個〜6個であり、更に好ましくは炭素数が1個〜4個である。
また、低級アルケニレン基及び低級アルキニレン基の場合は、炭素数が3個〜8個であることを意味する。より好ましくは炭素数が3個〜6個であり、更に好ましくは炭素数が3個又は4個である。
Yの中でも、上記化学式(1)にて示すアゾベンゼン化合物の、紫外光照射に対するシス異性化能等の観点から、−CH−が最も好ましい。
上記化学式(1)におけるAは、保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)である。
保護基とは、フルオレニル−メトキシカルボニル(Fluorenyl−Methoxy−carbonyl:Fmoc)基、t−ブチルオキシカルボニル(tert−Butyloxycarbonyl:Boc)基、ベンジルオキシカルボニル基(Benzyloxycarbonyl:Z、Cbz)基、トリチル基(Triphenyl methyl;Trityl)基等が挙げられ、特に限定はされないが、アミノ基を保護することに鑑みて、常法に基づいて選択すればよい。特に、本発明のアゾベンゼン化合物を生体機能制御用研究ツールとして有用に用いるという観点からすると、ペプチド合成、固相ペプチド合成法に適したFmoc基又はBoc基が好ましい。
アミノ酸残基(a1)とは、ペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基である。
当該ペプチドを構成するアミノ酸は、ペプチド結合が可能となるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物であればよく、天然アミノ酸であっても、非天然アミノ酸であってもよい。また、光学活性体としてD体であっても、L体であってもよい。そしてアミノ酸とは、αアミノ酸に限定されず、例えば、3−アミノプロピオン酸(β−アラニン)等のようなカルボキシル基とアミノ基との間の炭素鎖が2個の炭素からなるβアミノ酸であっても、4−アミノブタン酸(γ−アミノ酪酸:GABA)、5−アミノ吉草酸等のような、カルボキシル基とアミノ基との間の炭素鎖が3個の炭素からなるγアミノ酸であってもよく、通常は1個〜6個の炭素からなる炭素鎖を有するアミノ酸とすればよい。
また、アミノ酸残基(a1)は、それが有するペプチド主鎖のN末端に保護基を有していてもよい。これは、後述する化学式(1)に示される本発明のアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する際に、反応基としてペプチド主鎖のN末端に存在するアミノ基が反応しないようにする際に有用である。なお、ここで保護基とは、特に限定されるものではなく、上述したAにおける保護基を適宜採用すればよい。
ペプチド核酸残基(a2)とは、ペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基である。
ペプチド核酸とは、例えば、下記化学式(6)
Figure 0005881509
(式(6)中、
Baseは核酸塩基を示し、それぞれ同一であっても異なってよく、nは0以上25以下、好ましくは3〜23の整数である。)
に示すように、N−(2−アミノエチル)グリシンがペプチド結合によって重合した構造を有し、その主鎖をペプチド主鎖とする。斯かるペプチド主鎖において、アミド基を有する末端をN末端とし、カルボキシル基を有する末端をC末端とする。
また、ペプチド核酸は、その繰り返し単位であるN−(2−アミノエチル)グリシン当たりに1つ塩基が結合している。具体的な塩基は、特に限定されることは無く、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル等といった天然に存在する塩基のみならず、ジアミノプリン、チオウラシル等といった天然に存在する塩基に改変を加えた非天然の塩基であってもよい。
上記ペプチド核酸とは、上記ペプチド核酸のN末端及び/又はC末端に1以上のアミノ酸がペプチド結合した構造、或いは上記ペプチド核酸内部のペプチド結合の何れか1ヵ所以上に、1以上のアミノ酸が、ペプチド結合を維持した形で挿入された構造を有するペプチド核酸であってもよい。ここで、アミノ酸とは上述のようなアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物とすればよい。
また、ペプチド核酸残基(a2)は、それが有するペプチド主鎖のN末端に保護基を有していてもよい。これは、後述する化学式(1)に示される本発明のアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する際に、反応基としてペプチド主鎖のN末端に存在するアミノ基が反応しないようにする際に有用である。なお、ここで保護基とは、特に限定されるものではなく、上述したAにおける保護基を適宜採用すればよい。
上記化学式(1)におけるBは、保護基、ヒドロキシル基、C末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(b1)、又はC末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(b2)である。
保護基とは、Fmoc基、Boc基、Cbz基、Trityl基、メチル基(Methyl:Me)、ベンジル基(Benzyl:Bn)等;スクシンイミドやチオール等の活性エステル等、アルコール、アミン、チオール等とのエステル縮合反応に用いられる活性エステル中間体等が挙げられ、特に限定はされないが、カルボキシル基を保護することに鑑みて、常法に基づいて選択すればよい。特に、本発明のアゾベンゼン化合物を生体機能制御用研究ツールとして有用に用いるという観点からすると、ペプチド合成、固相ペプチド合成法に適したFmoc基又はBoc基が好ましい。
アミノ酸残基(b1)とは、ペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミド基からHを除いた基である。ペプチドとは、上記のAでアミノ酸残基(a1)ついて定義したペプチドと同じである。
また、アミノ酸残基(b1)は、それが有するペプチド主鎖のC末端に保護基を有していてもよい。これは、後述する化学式(1)に示される本発明のアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する際に、反応基としてペプチド主鎖のC末端に存在するカルボキシル基が反応しないようにする際に有用である。なお、ここで保護基とは、特に限定されるものではなく、上述したBにおける保護基を適宜採用すればよい。
ペプチド核酸残基(b2)とは、ペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミド基からHを除いた基である。ペプチド核酸とは、上記のAでペプチド核酸残基(b2)について定義したペプチド核酸と同じである。
また、アミノ酸残基(b2)は、それが有するペプチド主鎖のC末端に保護基を有していてもよい。これは、後述する化学式(1)に示される本発明のアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する際に、反応基としてペプチド主鎖のC末端に存在するカルボキシル基が反応しないようにする際に有用である。なお、ここで保護基とは、特に限定されるものではなく、上述したBにおける保護基を適宜採用すればよい。
上記化学式(1)にて示される本発明のアゾベンゼン化合物における好ましい置換基の組み合わせとしては、
上記Xが硫黄原子であり、且つ上記Yが−CH−である組み合わせ、
上記Xが酸素原子あり、且つ上記Yが−CH−である組み合わせ、
上記Xが−CH−であり、且つ上記Yが−CH−である組み合わせ、等が挙げられ、視光応答性、シス異性体の熱安定性等の観点から上記Xが硫黄原子であり、且つ上記Yが−CH−である組み合わせが最も好ましい。
なお、上記A及びBは、本発明のアゾベンゼン化合物を生体機能制御用研究ツールとして用いる際の具体的な用途に合わせて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、特定の核酸に対して結合するような塩基配列となるペプチド核酸、特定の機能を有するアミノ酸配列を有するペプチド等が挙げられる。
上記化学式(1)にて示される本発明のアゾベンゼン化合物は、可視光に対して優れた光応答性を示す。具体的には、410nm付近の可視光に応答して、シス−トランス異性化が生じる。
従って、上記化学式(1)にて示される本発明のアゾベンゼン化合物において、アミノ酸残基又はペプチド核酸を含む場合、それを生体内に導入した後に、生体外から上述のような波長範囲の可視光を照射することにより、斯かるアゾベンゼン化合物のシス−トランス異性化と共に、それに結合するアミノ酸残基又はペプチド核酸の生体内における立体配置を変化させることが可能となる。
このことは、生体に対して影響が少ない可視光にて反応性を有するという観点からすると、上記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物が、生体機能制御用研究ツールとして非常に有用であることを示している。
なお、上記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物は、生体機能制御研究用ツールとして有用であることから、化合物を生体内に導入した際の検出対象となるような標識化処理が施されていてもよい。
このような標識は、既に生体機能検出制御研究用ツールとして多用されているものを適宜採用すればよく、例えばFITC、ローダミン、TAMRA、各種Cy色素、ビオチン、金コロイド、量子ドット、抗体等が挙げられる。このような標識化は、上記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物のアゾベンゼン骨格に対して施されるよりも、A又はBにて規定するアミノ酸残基又はペプチド核酸残基に施されるほうが好ましい。
本発明のアゾベンゼン化合物の製造方法
本発明の下記式(1)
Figure 0005881509
(式(1)中、
Xは硫黄原子、酸素原子、−CH−、又は直接結合であり、
Yは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基であり、
Aは保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)であり、
該アミノ酸残基(a1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(a2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
Bは保護基、ヒドロキシル基、アミノ酸残基(b1)、又はペプチド核酸残基(b2)であり、
該アミノ酸残基(b1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
該ペプチド核酸残基(b2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基である。)
にて示されるアゾベンゼン化合物の製造方法は、以下の工程1〜4を含むものである。
<工程1>
本発明のアゾベンゼン化合物の製造方法における工程1は、下記化学式(2)
Figure 0005881509
(式(2)中、Yは前記式(1)と同じであり、A′は保護基である。)
にて示されるアニリン化合物を、酸化剤を用いて反応させる工程である。
工程1を経ることによって、下記化学式(3)
Figure 0005881509
(式(3)中、Y及びA′は前記式(2)と同じである。)
にて示されるニトロソ化合物が得られる。
工程1において使用する酸化剤は、特に限定はされないが、モノ過硫酸水素カリウム、過酢酸、過安息香酸等が挙げられる。反応操作の容易性、水溶液にして使用できること等の観点から、モノ過硫酸水素カリウムが好ましい。酸化剤の使用量は、特に限定はされないが、上記アニリン化合物に対してに対して通常は1.5重量部〜3.0重量部程度である。
反応温度は、特に限定はされないが、通常は室温で行えばよい。反応時間も特に限定はされないが、通常は30分〜48時間程度とすればよい。反応後は、適宜公知の精製、濃縮等の工程に供し、水相画分から上記化学式(3)にて示されるニトロソ化合物を単離すればよい。
なお、上記化学式(2)にて示される保護基を有するアニリン化合物は、適宜購入して入手することも可能である。また、公知の製造方法によって製造して入手することも可能である。例えば、以下に示す製造方法が挙げられる。
〔保護化アニリン化合物の製造方法〕
下記化学式(7)
Figure 0005881509
(式中、Yは上記化合物(2)と同様である。)
にて示すアニリン化合物と、保護基を付与する化合物を反応させればよい。
保護基を付与する化合物とは、特に限定はされないが、例えば、9−塩化フルオレニルメチルオキシカルボニル(9−fluorenylmethyl chloroformate):Fmoc−Cl)、(9H−フルオレン−9イル)メチル2,5−ジオキソピロリドン−1−イル カーボネート((9H−fluoren−9−yl)methyl 2,5−dioxopyrrolidin−1−yl carbonate:Fmoc−OSu、)等が挙げられ、特に限定はされないが、一級アミンへの選択的反応の観点から、Fmoc−OSu等が好ましい。
上記化学式(2)にて示す保護基を有するアニリン化合物を製造する際の反応温度は、特に限定はされないが、通常は室温で行えばよい。反応時間も特に限定はされないが、通常は0℃〜室温程度とすればよい。また、反応環境は特に限定されないが、一級アミノ基の反応性を高める観点から塩基性環境下とすることが好ましい。
反応後は、適宜公知の精製、濃縮等の工程に供し、有機相画分から上記化学式(2)にて示される保護化アニリン化合物を単離すればよい。
<工程2>
本発明のアゾベンゼン化合物の製造方法における工程2は、上記工程1にて得られる下記化学式(3)
Figure 0005881509
(式(3)中、Y及びA′は前記式(2)と同じである。)
にて示されるニトロソ化合物と、下記化学式(4)
Figure 0005881509
(式(4)中、Xは前記式(1)と同じであり、B′は保護基又はヒドロキシル基である。)
にて表されるアニリン化合物を混合して反応させる工程である。
工程2を経ることによって、下記化学式(5)
Figure 0005881509
(式(5)中、Y及びA′は前記式(2)と同じであり、X及びB′は前記式(4)と同じである。)
にて示される、アゾベンゼン化合物が得られる。
上記化学式(4)におけるB′の保護基とは、Boc基、Trityl基、メチル基(Methyl:Me)、ベンジル基(Benzyl:Bn)等;スクシンイミドやチオール等の活性エステル等、アルコール、アミン、チオール等とのエステル縮合反応に用いられる活性エステル中間体等が挙げられ、特に限定はされない。
工程2における反応温度は、特に限定はされないが、通常は室温で行えばよい。反応時間も特に限定はされないが、通常は12時間〜48時間程度とすればよい。
また、工程2における反応は、酸の存在下で行ってもよい。具体的な酸は、特に限定はされないが、例えば酢酸等が挙げられる。酸の使用量は、特に限定はされないが、化学式(4)に示すアニリン化合物に対して通常は1等量〜3等量程度である。
工程2における反応後は、適宜公知の精製、濃縮、再結晶等の工程に供し、有機相画分ら上記化学式(5)にて示されるアゾベンゼン化合物を単離すればよい。
<工程3>
本発明のアゾベンゼン化合物の製造方法における工程3は、上記工程2にて得られる上記化学式(5)にて示されるアゾベンゼン化合物に対して脱保護の処理に供する工程であり、上記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物において、Aを水素原子及び/又はBをヒドロキシ基とするアゾベンゼン化合物を製造する場合に必要となる工程である。
具体的な脱保護の方法は、公知の方法を採用すればよく、具体的には、保護基がFmoc基である場合にはピペリジンを採用すればよい。保護基がBoc基である場合にはトリフルオロ酢酸(TFA)を採用すればよい。
また、Aが保護基である場合には、上記のFmoc固相合成法、またはBoc固相合成法を採用すればよい。Bが保護基である場は、Boc基、メチル基のエステル等でも構わない。
上記化学式(5)のAの保護にFmoc基を用いた場合、通常20%〜40%程度のピペリジン/DMF溶液を、上記化学式(5)にて示すアゾベンゼン化合物に対して通常2〜5等量程度加え、室温で5〜30分程度反応させればよい。上記化学式(5)のAの保護にBoc基を用いる場合は、通常10〜100%のTFA/ジクロロメタン溶液中、室温で30分〜2時間反応させればよい。
一方、Bの保護基にBoc基を用いた場合は、酢酸及び臭化水素存在下で、通常0℃〜室温程度で30分〜24時間程度反応させればよく、Bの保護基がメチルエステルの場合は、通常はt−ブトキシカリウム/水溶液=4:1程度の溶液中、0℃〜室温で2〜48時間程度反応させればよい。
<工程4>
本発明のアゾベンゼン化合物の製造方法における工程4は、上記化学式(1)において、A及び/又はBをアミノ酸残基又はペプチド核酸残基とするアゾベンゼン化合物を製造する場合に必要となる工程であり、上記工程2又は工程3にて得られたアゾベンゼン化合物を固相合成法に供する工程である。
具体的には、上記工程2によって得られた上記化学式(5)にて示すアゾベンゼン化合物において、A′又はB′のうちの何れか1つが保護基であるアゾベンゼン化合物、又は上記工程(3)において得られる上記化合物(1)にて示されるアゾベンゼン化合物において、A又はBのうちの何れか1つが保護基であるアゾベンゼン化合物を出発原料とした固相合成法に供すればよい。
固相合成法に供することによって、上記化学式(1)におけるA及び/又はBを、所望の塩基配列、アミノ酸配列、又はこれらを組み合わせた配列を有するアミノ酸残基又はペプチド核酸残基とすることができる。
具体的には、上記出発原料に、アミノ酸、ペプチド核酸、又はそれらがペプチド結合したものを所望の配列順となるように固相合成法に供する公知の方法を採用すればよく、固相合成法にて用いる樹脂、カップリング試薬、HPLCシステム等も、特に限定されることは無く、通常用いられるものを適宜採用すればよい。
なお、A及び/又はBにて規定するアミノ酸残基及び/又はペプチド核酸残基のそれぞれの末端に保護基を有する場合は、それぞれ保護を所望する末端が、アミド基であるかカルボキシル基であるかという点等に鑑みて、公知の方法を採用すれば合成が可能である。
上記化学式(1)にて示される本発明のアゾベンゼン化合物は、上述のように標識化されていても良い。具体的な標識化方法は、公知の方法を採用すればよく、例えば標識化キットに付随する製造元から提供されるプロトコルなどを参照すればよい。
合成例1:2−(4−((4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)メチル)フェニル)ジアゼニル)フェニルチオ)酢酸
<2−(4−((4−((((9H−fluoren−9−yl)methoxy)carbonylamino)methyl)phenyl)diazenyl)phenylthio)acetic acid:化合物I>
下記の化学式(8)に示すスキームにて合成を行った。
Figure 0005881509
380mg(2.9μmol)のジイソプロピルエチルアミン及び1.0g(2.9μmol)の4−アミノベンジルアミン<4−aminobenzylamine:化合物II>を含む、0℃の15mLのジクロロメタン(DCM)に、3.3g9.8μmolの(9H−フルオレン−9イル)メチル2,5−ジオキソピロリドン−1−イル カーボネート<(9H−fluoren−9−yl)methyl 2,5−dioxopyrrolidin−1−yl carbonate:Fmoc−OSu>を混合し、室温にて12時間撹拌の後、0.1Mの硫酸水素カリウムで洗浄した。有機相を分離し、DCMを用いて水相を抽出した。一体化した有機相抽出画分を硫酸マグネシウム上で乾燥させ蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、25gの(9H−フルオレン−9イル)メチル4−アミノベンジルカルバミン酸<(9H−fluoren−9−yl)methyl 4−aminobenzylcarbamate:化合物III>を得た。
収率は87%であり、得られた生成物のNMRデータ及び質量分析データは以下の通りである。
HNMR(CHCl,400 MHz):δ7.76(d,J=7.56,2H),7.59(d,J=7.26,2H),7.39(t,J=7.5,2H),7.30(t,J=7.5,2H),7.07(d,J=7.7,2H),6.65(d,J=8.3,2H),4.94(s,1H),4.43(d,J=6.9,2H),4.26(d,J=5.5,2H),4.22(t,J=7.0,1H),3.66(s,2H).13CNMR(CDCl,600 MHz):δ156.33,145.90,144.02,141.35,128.96,128.26,127.64,127.03,125.05,119.95,115.22,66.63,47.35,44.81.ESI HRMS m/z(M+Na)+calcd 367.1423,found 367.1446。
次いで、得られた化合物IIIを原料に、下記化学式(9)に示すスキームにて合成を行った。
Figure 0005881509
500mg(1.5μmol)の上記化合物IIIが溶解した30mLのDCMに、1.8mg(3μmol)の酸化剤(デュポン(株))を混合し、化合物IIIが更なる変化を生じなくなるまでTLCでモニタリングしながら、室温で混合した。次いで、相分離の後、DCMを用いて水相の抽出を二回行った。一体化した有機相抽出画分を硫酸マグネシウム上で乾燥させ蒸発させた。粗生成物60mLの酢酸に懸濁させ、その後完全に溶解させた。そこに、274mg(1.5μmol)の2−(4−アミノフェニルチオ)酢酸<2−(4−aminophenylthio)acetic acid:化合物IV>を混合し、室温で48時間混合した。
生成物に水を加えて沈殿させた後、水で分離し且つ洗浄した。その後、水−エタノール溶媒を用いて再結晶させ、435mgの上記化合物Iを得た。
合成例2:2−((4−((4−(アミノメチル)フェニル)ジアゼニル)フェニルチオ)酢酸<2−((4−((4−(aminomethyl)phenyl)diazenyl)phenyl)thio)acetic acid:化合物V>
Tentagel amide resin (0.24mmol/g,Novabiochem)に上記化合物Iを結合させ、その後、上記化合物Iに対して20%〜40%のピペリジン/DMF溶液を2〜5等量加え、室温で5〜30分反応させた。次いで、2Nの塩酸にて中和、減圧濃縮し、ジクロロメタンによるデカンテーションで脱離後のFmoc基を除去し、Fmocを上記のピペリジンによる脱保護と同様に行い樹脂をDMFにて洗浄した。
続いて、20%のm−cresol/TFA溶液を用い上記樹脂から化合物Vを切り出し、これにジエチルエーテルを加えることで化合物Vの沈殿を得た。その後、遠心分離を行い、エーテル上清をデカンテーションにて除去して、下記化学式(10)にて示される化合物Vを得た。
Figure 0005881509
収率は95%であり、得られた生成物のNMRデータは以下の通りである。
H−NMR,solvent:DMSO,400 MHz 7.38(2H,br),7.11(2H,d,J=8.4),7.03(2H,d,J−8.4),6.84(2H,d,J=8.8),6.69(2H,d,J=8.8),3.33(2H,br),2.94(2H,s)。
合成例3:2−(4−((4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)メチル)フェニル)ジアゼニル)フェニル)プロパン酸<3−(4−((4−(((((9H−fluoren−9−yl)methoxy)carbonyl)amino)methyl)phenyl)diazenyl)phenyl)propanoic acid:化合物VI)>
下記の化学式(11)に示すスキームにて合成を行った。
Figure 0005881509
1000mg(2.9mmol)の上記化合物IIIが溶解した50mLのDCMに、2700mg(8.71mmol)の酸化剤を混合し、化合物IIIが更なる変化を生じなくなるまでTLCでモニタリングしながら、室温で混合し、ニトロソ化反応を確認した。次いで、相分離の後、DCMを用いて水相の抽出を二回行った。一体化した有機相抽出画分を硫酸マグネシウム上で乾燥させ定量的に目的物を得た。700mgの粗生成物(1.9mmol)を30mLの酢酸に完全に溶解させた。そこに、387.2mg(2.34mmol)の4−アミノフェニルけい皮酸(4−aminophenyl propionic acid)。:化合物VII>を混合し、室温で48時間混合した。
生成物に水を加えて目的物を沈殿させた後、水で分離し且つ洗浄した。その後、水−エタノール溶媒を用いて再結晶させ、713mg(1.4mmol)の上記化合物VIを得た。
収率は72%であり、得られた生成物のNMRデータは以下の通りである。
H−NMR,solvent:DMSO,400 MHz 7.86(6H,multi),7.71(2H,d,J=7.2),7.43(6H,multi),7.36(2H,multi),4.38(2H,d,J=6.8),4.27(3H,multi),2.92(2H,t),2.60(2H,t)。
実験例1:化合物Iの光異性化測定
DMSO溶媒にパラ位に硫黄を持つアゾベンゼンアミノ酸(化合物I)を終濃度20μmol/lとなるように溶解し、95℃で5分加熱したものをトランス体として、キセノンランプ光源(朝日分光(株)製:ハイパワーキセノン光源Max−302,300W)を利用して360±10nm(長波長カットフィルター導入)にて410±10nmの可視光を表示時間照射し、シス体への光異性化を紫外−可視吸収スペクトルにて評価した(図1)。
その結果、パラ位に硫黄原子をもつ化合物Iは、パラ位に炭素原子をもつ化合物VIに比べてトランス体の極大吸収波長が40nmほど長波長シフトした372nmであることがわかった。
実験例2:化合物VIの光異性化測定
DMSO溶媒にパラ位に炭素を持つアゾベンゼンアミノ酸(化合物VI)を終濃度20μmol/lとなるように溶解し、95℃で5分加熱したものをトランス体とした。その後、上述のキセノンランプ光源の光を化合物IVに表示時間照射し、シス体への光異性化を紫外−可視吸収スペクトル(UV−1700,SHIMADZU)にて評価した(図2)。
図2に示す結果から、化合物VIの極大吸収波長は330nmであり、紫外光(360±10nm)に応答して、シス体へ異性化することが確認された。
合成例4:ペプチド結合型アゾベンゼン化合物
ペプチド結合型アゾベンゼン化合物として、上記アゾベンゼン化合物VのN末端及びC末端に核内移行シグナルペプチドを有するアゾベンゼン化合物を作製した。
Tentagel amide resin (0.24mmol/g,Novabiochem)を用いたFmoc固相合成法により合成を行った。 Base solutionとして、0.3Mの2,6−lutidine、0.2MのDIPEA/DMF溶媒を準備した。また、capping solutionとして5%の無水酢酸、6%の2,6−lutidine/DMF溶液を準備し、deblock solutionとして40%のpyperidine/DMF溶媒を準備した。
200mg(48nmol)のTentagel amide resinをDMFで膨潤させた。その後、DMFを取り除き、deblock solution(40%のpyperidine/DMF溶媒)1mlを加え5min攪拌し、DMFで10回洗浄した。
1)カップリング過程
アミノ酸(K:Fmoc−Lys(Boc)−OH=67.5mg(0.14mmol、P:Fmoc−Pro−OH=48.6mg(0.14mmol)、R:Fmoc−Arg(Pbf)−OH=97.5mg(0.14mmol)、V:Fmoc−Val−OH=48.9mg(0.14mmol))、AEEA(Fmoc−2(2−amino ethoxy)ethoxy acetic acid)=55.5mg(0.14mmol)、及び上記アゾベンゼン化合物I=50.2mg(0.096mmol)をbase solution 200μl、DMF200μlに溶かした溶液に、O−(7−azabenzotriazole−1−yl)−1,1,3,3,−tetramethyluronium hexafluorophosphate(HATU)=273mg(0.72mmol)を加えた後、resinに加え、2h攪拌した。また合成の際、AEEA、アゾベンゼン化合物I以降の合成についてはカップリング操作を二回行った。
2)キャッピング過程
溶媒を取り除き、DMFで5回洗浄した後、capping solutionを1ml加えて5分間攪拌した。その後、溶媒を取り除き、resinをDMFで10回洗浄した。
3)脱保護過程
Deblock solutionを1ml加え、5分間攪拌した後、溶媒を取り除き、DMFで10回洗浄した。またこのときの脱保護後の溶媒をDMFで希釈し、300nmの紫外−可視吸収スペクトルを測定することで合成効率を確認した。
1)、2)、及び3)の過程を繰り返して伸長反応を行い、上述した目的配列の各種化合物を合成した。
合成終了後、ジクロロメタンで洗浄し、resinを乾燥させた後、10%m−cresol/TFAを1ml加え、12時間、攪拌することでresinからの切り出しを行った。切り出した溶媒を15mlのファルコンチューブに回収し、ジエチルエーテルを加えて−80℃で10分間冷却し目的物を析出させた後4400rpmで1min遠心を行い、目的物を沈殿させた。溶媒を取り除き、ジエチルエーテルで二回洗浄を行い、溶媒を取り除きresinを乾燥させた。HPLC(Inertsil ODS−3,20×250mm,0%〜50%for 120min,acetonitrile in water containing0.1%TFAat a flow rate5.0mL/min)で精製を行いそれぞれの目的物を得た。また、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるペプチド(以後NLSとする。)も同様にして製造した。得られたこれらの目的物を5/6−tetramethyl rhodamine succinimidyl ester(TAMRA−SE;Invitrogen)で、プロトコルに従って修飾を行った。
それぞれの目的物はMALDI−TOF(AXIMA−LNR、Shimazu)を用いて同定を行った。
得られたペプチド結合型アゾベンゼン化合物の情報について、下記表1に示す。
Figure 0005881509
なお、表中のサンプルNLS-AEEA-NLSにおいて、AEEAとはアミノエチルエトキシアセテートを示し、そのアミノ基が配列番号6に示すアミノ酸配列からなるペプチドのC末端のバリン(V)のカルボキシル基とペプチド結合しており、AEEAのカルボキシル基は、配列番号6に示すアミノ酸配列からなるN末端のプロリン(P)のイミノ基とペプチド結合している。
そして、なお、表中のサンプルNLS-AZO-NLSにおいて、AZOとは上記アゾベンゼン化合物Vを示し、そのアミノ基が配列番号6に示すアミノ酸配列からなるペプチドのC末端のバリン(V)のカルボキシル基とペプチド結合しており、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基は、配列番号6に示すアミノ酸配列からなるN末端側のプロリン(P)のイミノ基とペプチド結合している。
また、それぞれの化合物の濃度については546nmの吸光度からTAMRAのモル吸光係数(4.7×10−1cm−1)により算出した。
実験例3:ペプチド結合型アゾベンゼン化合物を用いた細胞導入実験
Hela細胞に上記NLS−AEEA−NLS及びNLS−AZO−NLSのシス体並びにシス/トランス体を作用させて、斯かる細胞の核内に移行するかどうかを検討した。
トランス体は、NLS−AZO−NLSを超純水に溶解させ、次いで95℃で10分間加熱した後に、室温にて徐々に冷却して作製した。シス/トランス体は、NLS−AZO−NLSを超純水に溶解させ、上述のキセノンランプ光源の光を照射して作製した。なお、NLS−AEEA−NLSは、上記トランス体と同様の処理を施した、
これらのサンプルをそれぞれ終濃度が120nMとなるようにOpti−MEMに溶解させた後にHela細胞に添加した後、90〜180分インキュベートした後に、TAMRAに基づく蛍光を、蛍光顕微鏡にて観察した。インキュベーション開始から90分後の蛍光顕微鏡写真を図3に、180分後の蛍光顕微鏡写真を図4に示す。
図3の結果から、トランス体のNLS−AZO−NLSは、シス/トランス体のNLS−AZO−NLSよりも、NLS−AEEA−NLSよりも核内に多く局在していることが明らかとなった。この様な効果は、図4に示すインキュベート開始から180分後であっても同様の傾向がみられた。
以上のことから、例えば細胞内にNLS−AZO−NLSを導入し、次いで可視光を照射することによって、トランス体からシス体へ光異性化を細胞内にて生じさせることによって、NLS−AZO−NLSが核内に移行するように制御することが可能である。
合成例5:ペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物
ペプチド結合型アゾベンゼン化合物として、上記アゾベンゼン化合物VのN末端及びC末端にペプチド核酸及びアミノ酸を有するアゾベンゼン化合物を作製した。
具体的には上述の合成例4と同様にFmoc固相合成法に供して作製した。なお、アゾベンゼン化合物としては、上記アゾベンゼン化合物Iを原料にした。各種塩基を有するペプチド核酸として、CはFmoc−C(Bhoc)−age−OH(以後、PNA〔C〕とする;Panagene社)、そしてTはFmoc−T−age−OH(以後、PNA〔T〕とする。Panagene)を用いた。なお、ageとはアミノエチルグリシンを表す。
得られたペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物の情報について、下記表2に示す。
Figure 0005881509
なお、表中Kとはリジンを表し、Kとはリジンが3つ、ペプチド結合していることを示す。また、AZOとは上記アゾベンゼン化合物Vを示す。そして、C3はグリシン、C4はβアラニン、C5は4−アミノブチル酸(4−aminobutyric acid)、C6は5−アミノ吉草酸(5−aminovaleric acid)である。
(サンプルAZO C0について)
塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔C〕のアミド基が、上述の3つのリジンがペプチド結合したペプチドのC末端のリジン残基のカルボキシル基とペプチド結合しており、塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基が、上記アゾベンゼン化合物のN末端とペプチド結合している。また、塩基配列がTCTCCCTTCTTT(配列番号2)であるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔T〕のアミド基が、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基とペプチド結合しており、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基がリジンのアミド基とペプチド結合している。
(サンプルAZO C3について)
塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔C〕のアミド基が、上述の3つのリジンがペプチド結合したペプチドのC末端のリジン残基のカルボキシル基とペプチド結合しており、塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基が、グリシンのアミノ基とペプチド結合している。また、上記アゾベンゼン化合物Vのアミド基は、グリシンのカルボキシル基とペプチド結合しており、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基は、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のN末端(3’末端)のPNA〔T〕のアミド基とペプチド結合している。そして、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のC末端(5’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基とリジンのアミド基がペプチド結合している。
(サンプルのAZO C4について)
塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔C〕のアミド基が、上述の3つのリジンがペプチド結合したペプチドのC末端のリジン残基のカルボキシル基とペプチド結合しており、塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基が、βアラニンのアミノ基とペプチド結合している。また、上記アゾベンゼン化合物Vのアミド基は、βアラニンのカルボキシル基とペプチド結合しており、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基は、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のN末端(3’末端)のPNA〔T〕のアミド基とペプチド結合している。そして、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のC末端(5’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基とリジンのアミド基がペプチド結合している。
(サンプルのAZO C5について)
塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔C〕のアミド基が、上述の3つのリジンがペプチド結合したペプチドのC末端側のカルボキシル基とペプチド結合しており、塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基が、4−アミノブチル酸のアミド基とペプチド結合している。また、上記アゾベンゼン化合物Vのアミド基は、4−アミノブチル酸のカルボキシル基とペプチド結合しており、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基は、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のN末端(3’末端)のPNA〔T〕のアミド基とペプチド結合している。そして、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のC末端(5’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基とリジンのアミド基がペプチド結合している。
(サンプルのAZO C6について)
塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のN末端(5’末端)のPNA〔C〕のアミド基が、上述の3つのリジンがペプチド結合したペプチドのC末端側のカルボキシル基とペプチド結合しており、塩基配列がCCTCTであるペプチド核酸のC末端(3’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基が、5−アミノ吉草酸のアミド基とペプチド結合している。また、上記アゾベンゼン化合物Vのアミド基は、5−アミノ吉草酸のカルボキシル基とペプチド結合しており、上記アゾベンゼン化合物Vのカルボキシル基は、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のN末端(3’末端)のPNA〔T〕のアミド基とペプチド結合している。そして、配列番号2に示す塩基配列からなるペプチド核酸のC末端(5’末端)のPNA〔T〕のカルボキシル基とリジンのアミド基がペプチド結合している。
実験例4:ペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物とDNAの結合実験
上述のペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物に含まれるペプチド核酸が有する塩基配列と、相同性を有する一本鎖DNA(ssDNA)を用いて、結合実験を行った。
具体的なssDNAの配列は、5’−CATCATCAAAGAAGGGAGATGGTG−3’(配列番号3)であり、3’末端側にCy3色素が結合しているものを用いた。
上記各種ペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物と上述のssDNAをそれぞれ終濃度が1μMとなるように20mMのリン酸緩衝液(pH6.0)中で混合し、室温にて15分間インキュベートした。その後、電気泳動に供した。結果を図5に示す。
ssDNAのみの場合、図5のssDNAにて示すように一つのバンドしか観察されなかったが、各種ペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物と混合させることによって両者が結合してssDNAとペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物に含まれる二か所のペプチド核酸との間で三重鎖構造を形成し、ssDNAよりも上部にバンドが表れていることが明らかとなった。ただし、AZO C0では不完全な三重鎖構造となっており、AZO C3では、三重鎖構造を形成しにくいことが明らかである。これは、ssDNAを示すバンドが濃いことからも明らかである。この様な傾向は、AZO C6でも見られる。
一方で、AZO C4及びAZO C5では、他のペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物と比較して、ssDNAを示すバンドも薄く、不完全な三重鎖構造もほとんど見受けられないことから、ssDNAと結合し、安定な三重鎖構造をとっているものと考えられる。
これは、上記ペプチド核酸結合型アゾベンゼン化合物に含まれる二か所のペプチド核酸の間に存在する上記アゾベンゼン化合物V近傍に、長さの異なるアミノ酸残基を配置したことに基づくものである。すなわち、AZO C4及びAZO C5にてアゾベンゼン化合物Vの近傍に配置したアミノ酸の主骨格が、グリシン、アラニンのように短いものであっても、5−アミノ吉草酸であっても対象となる核酸と結合する際に、強固で安定な結合となる三重鎖構造はとりにくいことになる。

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物;
    Figure 0005881509
    (式(1)中、
    Xは硫黄原子であり、
    Yは炭素数が1〜8個の低級アルキレン基、炭素数が3〜8個の低級アルケニレン基、又は炭素数が3〜8個の低級アルキニレン基であり、
    Aは保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)であり、
    該アミノ酸残基(a1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
    該ペプチド核酸残基(a2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
    上記A中の保護基はアミノ基の保護基であり、
    Bは保護基、ヒドロキシル基、C末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(b1)、又はC末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(b2)であり、
    該アミノ酸残基(b1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
    該ペプチド核酸残基(b2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
    上記B中の保護基はカルボキシル基の保護基である。)。
  2. 記Yが−CH−である、請求項1に記載のアゾベンゼン化合物。
  3. 下記化学式(1)
    Figure 0005881509
    (式(1)中、
    Xは硫黄原子であり、
    Yは炭素数が1〜8個の低級アルキレン基、炭素数が3〜8個の低級アルケニレン基、又は炭素数が3〜8個の低級アルキニレン基であり、
    Aは保護基、水素原子、N末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(a1)、又はN末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(a2)であり、
    該アミノ酸残基(a1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
    該ペプチド核酸残基(a2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のC末端のカルボキシル基からOHを除いた基であり、
    上記A中の保護基はアミノ基の保護基であり、
    Bは保護基、ヒドロキシル基、C末端に保護基を有していてもよいアミノ酸残基(b1)、又はC末端に保護基を有していてもよいペプチド核酸残基(b2)であり、
    該アミノ酸残基(b1)とはペプチドが有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
    該ペプチド核酸残基(b2)とはペプチド核酸が有するペプチド主鎖のN末端のアミノ基からHを除いた基であり、
    上記B中の保護基はカルボキシル基の保護基である。)。
    にて示されるアゾベンゼン化合物の製造方法であって、
    (i)下記化学式(2)
    Figure 0005881509
    (式(2)中、Yは前記式(1)と同じであり、A′はアミノ基の保護基である。)
    にて示されるアニリン化合物を、酸化剤を用いて反応させる工程1、
    (ii)工程1によって得られる下記化学式(3)
    Figure 0005881509
    (式(3)中、Y及びA′は前記式(2)と同じである。)
    にて示されるニトロソ化合物と、下記化学式(4)
    Figure 0005881509
    (式(4)中、Xは前記式(1)と同じであり、B′はカルボキシル基の保護基又はヒドロキシル基である。)
    にて表されるアニリン化合物を混合して反応させ、下記化学式(5)
    Figure 0005881509
    (式(5)中、Y及びA′は前記式(2)と同じであり、X及びB′は前記式(4)と同じである。)
    にて示される、アゾベンゼン化合物を得る工程2、
    (iii)必要に応じて上記化学式(5)で示されるアゾベンゼン化合物におけるA′及び/又はB′の保護基を脱保護する工程3、
    及び、
    (iv)必要に応じて上記工程2又は工程3で得られるアゾベンゼン化合物を固相合成法に供し、化学式(1)にて示されるアゾベンゼン化合物とする工程4、
    を含む製造方法。
  4. 記Yが−CH−である、請求項3に記載の製造方法。
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