JP5292171B2 - 揮発性液体散布装置 - Google Patents
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Description
そのため、使用する際には、口部からキャップやシール等を取り外す手間が必要であった。特に、容器の上部には、揮発性液体の揮発成分を散布する散布孔が形成されたカバー体が着脱可能に固定される場合が多い。この場合には、キャップやシール等を取り外した後、カバー体を装着するといった手順となり、余計に手間のかかるものであった。
(1)本発明に係る揮発性液体散布装置は、揮発性液体を大気中に散布する揮発性液体散布装置であって、前記揮発性液体が充填された容器と、前記容器の口部に装着されると共に、口部内から容器の内部に差し込まれた有底筒状の挿入筒と、下方移動可能で且つ基端部が前記容器外に突出するように前記挿入筒内に収容され、挿入筒の底部側に位置する先端部に刃部が設けられた可動体と、前記可動体に保持され、前記揮発性液体を前記容器外まで吸い上げた後に揮発させる柱状の吸上げ芯と、前記容器の外周面に装着され、容器軸方向に下降可能な周壁部と、該周壁部に連設された頂壁部と、を有する有頂筒状のカバー体と、を備え、前記可動体が、前記カバー体の下降に伴って下方移動すると共に、前記刃部により前記挿入筒の底部の少なくとも一部を開口させて挿入筒内と容器内とを連通させ、前記揮発性液体を前記吸上げ芯に到達させ、前記可動体には、容器軸に沿う円筒状に形成され、前記吸上げ芯が挿入されることで保持されたロッド部が備えられ、前記ロッド部の先端部は、周方向の1箇所だけ下方に突出するように形成され、この突出した部分が、前記刃部とされていることを特徴とする。
また、ガイドリブによって可動体の下方移動がガイドされているので、下方移動時に可動体にがたつき等が生じ難い。従って、挿入筒の底部に確実に刃部を押し当てることができ、この点においても底部に開口を開け易くすることができる。
本実施形態の揮発性液体散布装置1は、図1及び図2に示すように、揮発性液体Wを大気中に散布する装置であって、容器2と、挿入筒3と、可動体4と、吸上げ芯5と、外装カバー(カバー体)6と、を備えている。
なお、本実施形態では、外装カバー6を回転下降させることで、可動体4を下降させる場合を例に挙げて説明する。
また、小径部13の外周面には、外装カバー6の周壁部40に形成された雌ねじ部40aに螺合される雄ねじ部13aが形成されている。
詳細に説明すると、挿入筒3は、口部11の周囲を囲み、雄ねじ部11aに螺合される雌ねじ部20aが内周面に形成された外筒20と、該外筒20の径方向内側に配設され、底部22によって下端部が遮蔽された内筒21と、外筒20の上端部と内筒21の上端部とを連設する連設部23と、を備えている。
そして、外筒20の雌ねじ部20aを口部11に形成された雄ねじ部11aに螺合することにより、挿入筒3を容器2の口部11に装着可能とされている。
これにより、底部22が開口しない限り、容器2の内部に差し込まれた内筒21内に揮発性液体Wが侵入しないようになっている。
ここで、本実施形態の底部22には、容器軸O回りに環状に形成された環状溝24が形成されている。この環状溝24は、他の部分よりも剛性が弱い弱化部として機能するので、底部22がこの環状溝24を基点に開口し易いように設計されている。
また、この当接筒21aの内周面には、図3に示すように、後述する可動体4の下方移動をガイドするガイドリブ25が容器軸O回りに、90度毎に4つ形成されている。なお、図3は、図2に示すA−A線に沿った断面図である。但し、ガイドリブ25の数は、この数に限定されるものではなく、自由に設計して構わない。また、ガイドリブ25の位置に関しても、周方向に均等である必要はなく、不均等に形成しても構わない。
詳細に説明すると、本実施形態の可動体4は、図2及び図4に示すように、円筒状に形成されると共に容器軸Oに沿って長尺に形成されたロッド部30と、ロッド部30の基端部に取り付けられたプレート31と、を備えている。
なお、図4は、吸上げ芯5を保持した可動体4の斜視図である。また、図を見易くするために、プレート31を透過した状態を図示している。
また、ロッド部30の基端部には、周方向に沿って切り欠かれた切欠部32が容器軸Oを挟んで対向するように形成されている。
また、本実施形態では、可動体4のロッド部30の先端から吸上げ芯5が挿入されることで、保持されている。この際、吸上げ芯5の基端部は、プレート31に接触した状態となっている。よって、吸上げ芯5の一部は、切欠部32を介して露出するようになっている。しかも、プレート31に形成されたリブ31aによって、吸上げ芯5の基端部は径方向外方に若干膨らみ、切欠部32からロッド部30の外側に飛び出るように力が加わった状態となっている。
この含浸プレート35は、吸上げ芯5と同様の材料により平面視円形状に形成された含浸体であり、切欠部32によって現れた円弧状のロッド部30の端面32aと、プレート31との間で挟まれることで固定されている。具体的には、図5に示すように、含浸プレート35の中心部に形成されたスリット35aに、吸上げ芯5を保持した可動体4を差し込むことで、基端部に固定されるようになっている。なお、図5は、図2に示すB−B線に沿った断面図である。
特に、上述したように、吸上げ芯5の一部が切欠部32を介して露出しているので、この露出した部分と含浸プレート35とが確実に接触するようになっている。しかも、リブ31aによって、切欠部32からロッド部30の外側に飛び出るように吸上げ芯5に力が加わっているので、含浸プレート35に対して密に接触するようになっている。
詳細に説明すると、周壁部40は容器2の小径部13の周囲を囲むように形成されており、内周面には雄ねじ部13aに螺合する雌ねじ部40aが形成されている。よって、周壁部40は、容器軸O回りに回転下降が可能とされている。つまり、外装カバー6自体を、容器軸O回りに回転下降させることができるようになっている。
つまり、規制部材45を取り外さない限り、外装カバー6を回転下降させることができないように設計されている。よって、この規制部材45が、外装カバー6の回転下降を規制している。
なお、前記規制部材45は、外装カバー6に対して弱化部を介して連結されていなくとも良い。この場合には、規制部材45の上端部が外装カバー6の周壁部40の下端部に当接或いは近接すれば良い。
この流通溝46は、可動体4のロッド部30の内周面上に形成されている。具体的には、刃部30aの先端部から真上に向かって吸上げ芯5に達するまで形成された後、周方向に沿って1/4回転程度延在するように形成されている。これにより、刃部30aによって挿入筒3の底部22に開口を開けた際に、仮に開口が僅かであったとしても、流通溝46を介して揮発性液体Wを吸上げ芯5に到達させることができるようになっている。
なお、流通溝46を形成する際、吸上げ芯5に達するまで刃部30aの先端から真上に向かって形成した後、吸上げ芯5の周囲を一周囲むようにロッド部30の内周面に環状に形成しても構わない。
はじめに、使用前の状態について簡単に説明する。
使用前の段階では、図2に示すように、有底筒状の挿入筒3によって容器2の口部11が塞がれているうえ、挿入筒3の底部22が閉じている。そのため、容器2内に充填されている揮発性液体Wが容器2外の大気に触れることがない。従って、使用前の段階で、揮発性液体Wが揮発しないようになっている。
また、規制部材45によって外装カバー6の回転下降が規制されているので、不意に或いは誤って外装カバー6が回転下降してしまうことを防止している。
まず、摘み部45aを利用して規制部材45を取り外す。この際、規制部材45の上端部は、周壁部40に対して破断容易に接続されているだけであるので、容易に取り外すことができ、以降の外装カバー6の回転下降動作に直ちに移ることができる。
まず、挿入筒3の底部22には、環状溝24が形成されているので、底部22に刃部30aを押し当てた際に環状溝24を基点に底部22に開口を開け易い。従って、より速やかに揮発性液体Wを揮発可能な状態にセッティングすることができる。
また、ガイドリブ25によって可動体4の下方移動がガイドされているので、下方移動時にがたつき等が生じ難い。従って、挿入筒3の底部22に刃部30aを確実に押し当てることができ、この点においても底部22に開口を開け易くすることができる。
しかも、含浸プレート35は、散布孔42を遮蔽するように配設されているので、揮発成分を直ちに散布孔42を通じて散布させることができる。従って、散布性能をさらに高めることができる。
また、外装カバー6の頂壁部41に平面視円形の散布孔42を形成したが、円形に限られず、楕円形状や多角形状、或いは、波形形状や幾何学形状等、自由に設計して構わない。また、散布孔42の数に関しても、自由に設計して構わない。
この場合には、外装カバー6の不回転時に可動体4が単独で下降してしまうことがないので、使用前に刃部30aが挿入筒3の底部22に当たってしまったり、外装カバー6の回転下降後に可動体4が容器2の底部10に向けてさらに下降したりしてしまうことを防止することができる。特に、上記実施形態では、外装カバー6を回転下降させた際、周壁部40の下端部が容器2の段差部14に当たるので、外装カバー6の下降量を制限することができる。従って、可動体4が過度に下降してしまうことを同時に防止することができる。
この場合には、摺接による摩擦力を利用して、外装カバー6の不回転時に可動体4が下降してしまうことを防止することができる。従って、同様に、使用前に刃部30aが挿入筒3の底部22に当たってしまったり、外装カバー6の回転下降後に可動体4が容器2の底部10に向けてさらに下降したりしてしまうことを防止することができる。
例えば、ロッド部30の外周面に径方向外方に向けて突出する突起部を形成し、内筒21の内周面に可動体4が下降した際に突起部が乗り越え可能な係止突起を形成する。こうすることで、外装カバー6の不回転時に可動体4の下降を防止することができるうえ、外装カバー6の回転時に可動体4の下降を可能とさせることができる。しかも、このように構成した場合には、ロッド部30と内筒21との間を利用して空気を流通させることができるので、空気置換を確実に行うことができる。
この場合には、例えば、外装カバー6の頂壁部41の下面とプレート31の上面とに、互いに係合し合う突起部や凹部等をそれぞれ形成し、外装カバー6の回転力を可動体4に伝える構成にすれば良い。特に、可動体4を回転しながら下方移動させることで、挿入筒3の底部22に刃部30aを回転させながら押し当てることができ、より効率良く底部22に開口を開けることができる。従って、より速やかに揮発性液体Wを揮発可能な状態にセッティングすることができる。
この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
但し、上記実施形態のように、外装カバー6を回転下降させるように構成することで、可動体4が急激に下方移動してしまうことを防止することができる。従って、刃部30aを挿入筒3の底部22に確実に押し当てながら、開口を確実に開けることができる。従って、より好ましい。
W…揮発性液体
1…揮発性液体散布装置
2…容器
3…挿入筒
4…可動体
5…吸上げ芯
6…外装カバー(カバー体)
10…容器の底部
11…容器の口部
21a…挿入筒の当接筒
22…挿入筒の底部
24…環状溝(弱化部)
25…ガイドリブ
30a…刃部
35…含浸プレート
40…カバー体の周壁部
41…カバー体の頂壁部
42…散布孔
45…規制部材
46…流通溝(流路)
Claims (8)
- 揮発性液体を大気中に散布する揮発性液体散布装置であって、
前記揮発性液体が充填された容器と、
前記容器の口部に装着されると共に、口部内から容器の内部に差し込まれた有底筒状の挿入筒と、
下方移動可能で且つ基端部が前記容器外に突出するように前記挿入筒内に収容され、挿入筒の底部側に位置する先端部に刃部が設けられた可動体と、
前記可動体に保持され、前記揮発性液体を前記容器外まで吸い上げた後に揮発させる柱状の吸上げ芯と、
前記容器の外周面に装着され、容器軸方向に下降可能な周壁部と、該周壁部に連設された頂壁部と、を有する有頂筒状のカバー体と、を備え、
前記可動体は、前記カバー体の下降に伴って下方移動すると共に、前記刃部により前記挿入筒の底部の少なくとも一部を開口させて挿入筒内と容器内とを連通させ、前記揮発性液体を前記吸上げ芯に到達させ、
前記可動体には、容器軸に沿う円筒状に形成され、前記吸上げ芯が挿入されることで保持されたロッド部が備えられ、
前記ロッド部の先端部は、周方向の1箇所だけ下方に突出するように形成され、この突出した部分が、前記刃部とされていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項1に記載の揮発性液体散布装置において、
前記カバー体は、前記容器軸回りに回転下降可能に前記容器に装着されていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項2に記載の揮発性液体散布装置において、
前記可動体は、前記カバー体の回転下降に伴って回転しながら下方移動することを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の揮発性液体散布装置において、
前記可動体の基端部には、前記吸上げ芯に接触し、該吸上げ芯によって吸い上げられた前記揮発性液体が含浸される含浸プレートが固定されていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項4に記載の揮発性液体散布装置において、
前記カバー体の頂壁部には、散布孔が形成されており、
前記含浸プレートは、前記散布孔を遮蔽するように配設されていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の揮発性液体散布装置において、
前記可動体には、前記刃部の先端から前記吸上げ芯に向かって前記揮発性液体を流通させる流路が形成されていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の揮発性液体散布装置において、
前記容器の外周面には、前記カバー体の下降を規制する規制部材が取り外し可能に設けられていることを特徴とする揮発性液体散布装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の揮発性液体散布装置において、
前記挿入筒は、前記口部の内周面に当接する当接筒を有し、
前記当接筒の内周面には、前記可動体の下方移動をガイドするガイドリブが前記容器軸回りに複数設けられていることを特徴とする揮発性液体散布装置。
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